JPH07113410A - 簡易ナット - Google Patents

簡易ナット

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Publication number
JPH07113410A
JPH07113410A JP19734394A JP19734394A JPH07113410A JP H07113410 A JPH07113410 A JP H07113410A JP 19734394 A JP19734394 A JP 19734394A JP 19734394 A JP19734394 A JP 19734394A JP H07113410 A JPH07113410 A JP H07113410A
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JP
Japan
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groove forming
forming member
thread groove
nut
inner diameter
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Application number
JP19734394A
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English (en)
Inventor
Shoji Ogawa
昭司 小川
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡易に低コストで製作できて、精度もある程
度高く得られるものとする。 【構成】 このナットは、円筒面状の内径孔3を有する
ナット外側部材2と、このナット外側部材2に前記内径
孔3に嵌合して固定されるねじ溝形成部材1とで構成さ
れる。ねじ溝形成部材1は、内径孔3への嵌合状態で円
筒状となり内径面にねじ溝4を有する可撓性のものとす
る。また、ねじ溝形成部材1は、周方向の1箇所以上に
分割面1aを有し、この分割面1aの両側部分に互いに
噛み合う位置合せ用の凹部5および凸部6を有するもの
とする。ねじ溝形成部材1は、シート状体に形成して円
筒状に丸めても良く、また分割面を有する円筒状に予め
射出成形された樹脂成形品としても良い。さらに、ナッ
ト外側部材2の内径面とねじ溝形成部材1の外径面に
は、互いに嵌合する部材間位置合せ用の凹部と凸部とを
設けても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、各種産業機械、食品
機械、薬品機械等における位置決め装置の送りねじ等に
使用される簡易ナットに関する。
【0002】
【従来の技術】位置決め装置の送りねじは、位置決め精
度に応じて加工精度が要求される。代表的な送りねじと
して、ボールねじがあり、その他に静圧ねじ、台形ねじ
等がある。これらの送りねじのナットは、大部分が金属
製で高精度な部品とされ、高価格のものとなっている。
一方、位置決め精度をあまり必要とせず安価に得られる
位置決め装置も広い用途で求められており、そのための
送りねじとして、樹脂ナットを使用したものがある。樹
脂ナットの製作方法として、ねじ溝付きの一体品を射出
成形する方法も採られているが、型抜き上で生産性が悪
いため、樹脂成形品の円筒状内径面に機械加工でねじ溝
を加工する方法か、あるいはナットを割形にして射出成
形する方法も採られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、樹脂成形品を
機械加工してねじ溝を形成する方法では生産性が低く、
加工コストが高価となる。ナットを割形にして射出成形
する場合は、金型の形状が複雑となり、金型代が高価と
なる。しかも、割形のナット片を合わせる場合の合わせ
誤差のために精度が出し難い。さらに、ナットを樹脂製
とする場合に、送りねじとして使用されるナットでは、
機構部品の支持のために耐荷重性が要求されるうえ、ね
じ溝内面には滑らかな摺動性が要求され、両方の性質を
得ようとすると、特殊な樹脂が必要となって材料コスト
が高くなる。
【0004】この発明の目的は、簡易に低コストで製作
できて、精度もある程度高く得られ、耐荷重性や滑らか
な摺動性も図り得る簡易ナットを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明の簡易ナット
は、円筒面状の内径孔を有するナット外側部材と、この
ナット外側部材の前記内径孔に嵌合するねじ溝形成部材
とで構成される。ねじ溝形成部材は、前記内径孔への嵌
合状態で円筒状となり内径面にねじ溝を有するものとす
る。また、ねじ溝形成部材は、周方向の1箇所以上に分
割面を有し、この分割面の両側部分に互いに噛み合う位
置合せ用の凹部および凸部を有するものとする。ねじ溝
形成部材は、前記分割面が周方向の1箇所であっても、
複数箇所であっても良いが、1箇所の場合、すなわちね
じ溝形成部材の全体が一体品である場合は、可撓性を有
する材質のものとすることが望ましい。ねじ溝形成部材
は、円筒状に丸められるシート状体であっても良く、ま
た分割面を有する円筒状に予め成形された樹脂成形品と
しても良い。ねじ溝形成部材が2箇所以上に割り面を有
するものである場合は、硬質の樹脂成形品からなる2個
あるいは3個以上の割り筒状部材で構成しても良い。ま
た、前記各構成の場合に、ナット外側部材の内径面とね
じ溝形成部材の外径面との一方に部材間位置合せ用の凹
部を設け、他方に前記凹部に嵌合する凸部を設けても良
い。
【0006】
【作用】この構成によると、互いに別体のナット外側部
材とねじ溝形成部材とで形成し、かつねじ溝形成部材は
周方向の1箇所以上に分割面を有するものとしたため、
ねじ溝形成部材のねじ溝を射出成形やその他の方法で容
易に形成することができる。また、分割面の両側部分に
は互いに噛み合う位置合せ用の凹部および凸部が設けら
れるため、ねじ溝形成部材を分割構造としながら、ねじ
溝の精度もある程度高く得られる。ねじ溝形成部材はナ
ット外側部材内に嵌合させることからもねじ溝の精度が
高められる。また、ナット外側部材とねじ溝形成部材と
を互いに別体の部品としたため、ナット外側部材には耐
荷重性に優れた材質を、ねじ溝形成部材には滑り性の良
い材質を選定することにより、耐荷重性と、ねじ面の滑
らかな摺動性との両方を備えたナットとすることができ
る。ねじ溝形成部材は、外周がナット外側部材内に固定
されるため、耐荷重性が弱い材質であってもナットとし
て荷重不足にならない。ねじ溝形成部材を、周方向の1
箇所のみに分割面を有する可撓性の一体品とした場合
は、複数分割する場合に比べて構成部品数が削減でき
て、組立性が良く、またねじ溝の分割箇所が少なくなる
ことから、ねじ溝の精度確保も図り易い。
【0007】ねじ溝形成部材をシート状体で形成する場
合は、ねじ溝付きシートの状態に射出成形等で成形して
も良く、また平坦なシート状体にねじ溝を機械加工して
も良い。この場合の機械加工は、平坦面に平行な複数状
の溝を斜めに加工するだけで良いため、通常のねじ溝加
工と比べて容易に行える。
【0008】ねじ溝形成部材を、予めねじ溝付きの一つ
割りの円筒体に射出成形等で成形する場合においても、
可撓性の材質としてあると、前記分割面を開くことによ
り金型のねじ溝形成用の雄型を比較的容易に抜き出すこ
とができる。ねじ溝形成部材を、周方向の複数箇所に分
割面を有するものとした場合は、硬質の樹脂製として
も、成形後の脱型が、分割面が1箇所の場合に比べて容
易となる。
【0009】ナット外側部材の内径面とねじ溝形成部材
の外径面とに、互いに嵌合する部材間位置合せ用の凹部
および凸部を設けた場合は、組立時に、両部材の軸方向
および周方向の相互位置が正確に定まる。そのため、ナ
ットの端面からのねじ溝の始まる軸方向位置が一定とな
り、かつ円周上でねじ溝の始まる位置も一定となる。
【0010】
【実施例】この発明の一実施例を図1に基づいて説明す
る。この簡易ナットは、シート状体からなるねじ溝形成
部材1を円筒状に丸め、ナット外側部材2の円筒面状の
内径孔3内に接着剤等で固着したものである。ナット外
側部材2は、フランジ2aを有する厚肉円筒体からな
り、金属製のもの、または樹脂成形品とする。樹脂成形
品とする場合に、ナット外側部材2は、耐荷重性に優れ
た射出成形可能な樹脂とすることが望ましいが、耐摩耗
性や低摩擦係数は要求されない。フランジ2aには取付
ねじ挿通孔7が設けられる。
【0011】ねじ溝形成部材1は、図1(A)に示すよ
うに、ねじ溝4の各周部分4aを平行な直線状に形成し
たものであり、丸め状態で互いに接合する側縁、すなわ
ち分割面1aには、互いに噛み合う位置合せ用の凹部5
および凸部6を設けておく。ねじ溝形成部材1は、射出
成形によりねじ溝4および凹凸部5,6付きのシート体
に形成しても良く、またシート状材料にねじ溝4や凹凸
部5,6を機械加工しても良い。さらに、シート状基材
の表面に別の射出成形層を設けてねじ溝4を形成しても
良い。シート状ねじ溝形成部材1の厚みは、丸め易さの
面からはできるだけ薄いことが望ましいが、ねじとして
の引っ掛かりが得られる深さのねじ溝4が得られ、かつ
ねじ溝4を損なわない程度の強度が得られる厚みが必要
であり、ねじ溝4の深さに応じて設定すれば良い。例え
ば、シート状ねじ溝形成部材1の厚みは、ねじ溝4の深
さの2倍程度とすることが好ましい。数値で示すと、シ
ート状ねじ溝形成部材1の厚みは、0.1〜6mm程度の
範囲が適当であり、2mm以下とすることが好ましい。
【0012】溝形成部材1に加工するねじ溝4は、シー
ト状のねじ溝形成部材1を円筒状に丸めたときに溝断面
形状も変形するので、その変形を見込んだ断面形状に形
成しておく。ねじ溝4は、図示の例では3角ねじとして
あるが、台形ねじ等に形成しても良い。
【0013】シート状のねじ溝形成部材1の材質は、低
摩擦係数で耐摩耗性の良い可撓性の樹脂、例えばフッ素
系樹脂の一例としてPTFE(ポリ四フッ化エチレン)
等、ポリオレフィンの一例として超高分子量ポリエチレ
ン等が良く、ベアリー(商品名:NTN株式会社製)等
が挙げられる。シート状のねじ溝形成部材1を射出成形
する場合は、さらに射出成形可能な材質であることが必
要であるが、ポリエチレン、ポリアセタール、ポリアミ
ド等は射出成形が可能である。PTFEは単独では射出
成形が困難であるが、他の樹脂に配合して射出成形する
ことは可能であり、これにより摩擦係数の改善を図るこ
とができる。PTFEは、連続使用温度が約260℃
で、溶融粘度が1010〜1011ポイズと高いので、射出
成形が非常に困難であるが、耐摩耗性が高く、摩擦係数
が低い等の面で優れる。また、硬さがデュロメータでD
50〜D70と軟らかく、可撓性が良くてシート状に丸
めやすい。超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)
は、分子量が100万以上の超高分子量であるため、耐
摩耗性、自己潤滑性等で優れる。分子量が高いため、射
出形成が困難であるが、硬さはPTFEと同程度で軟ら
かく、可撓性がある。したがってシート状に丸め易い。
これらPTFEまたは超高分子量ポリエチレンをシート
状ねじ溝形成部材1の原料とする場合は、例えば次の製
造方法が採用できる。まず、粉末状の原料をミキサー等
で混合し、その後に圧縮成形し、焼成し、徐々に冷却す
る。このようにして得た塊状の成形品をスカイブ(皮む
き)して所定の厚みのシート状素材とし、このシート状
素材に機械加工やカレンダー加工を施して、所定のねじ
溝4の形成されたシート状ねじ溝形成部材1を造る。成
形条件は、PTFEの場合は、加圧の圧力を100〜3
60kgf/cm2 、焼成温度を360〜380℃とすること
が好ましい。超高分子量ポリエチレンの場合の成形条件
は、加圧圧力を20〜360kgf/cm2 程度、押出成形温
度を120〜230℃程度とすることが好ましい。
【0014】この構成の簡易ナットによると、シート状
のねじ溝形成部材1を用いており、このようなシート状
体へのねじ溝4の形成は射出成形等によって容易に行
え、その金型も比較的単純な形状で安価であり、生産性
が良い。ねじ溝4を機械加工する場合でも、平行な直線
溝の形成で済むため、容易に行える。ねじ溝形成部材1
の丸め状態で互いに接合する分割面1aは、凹部5およ
び凸部6で噛み合わせるので、ねじ溝4の分割面1aに
おける軸方向のずれも少なく、精度の良いねじ溝4を簡
単に形成できる。
【0015】さらに、ねじ溝形成部材1は可撓性のシー
トであるため、ナット外側部材2の内径孔3に固着する
作業も簡単に行える。ナット外側部材2を金属製とした
場合は、内径孔3の精度が出し易く、この孔3にシート
状のねじ溝形成部材1を固着すれば、ねじ溝4の真円度
等の精度も出し易い。また、ナット外側部材2が金属製
であると、この簡易ナットを他の部品に取付けるときの
取付精度も、総樹脂製ナットに比べて高く、出し易い。
このように、比較的精度の良いナットを安価に製作でき
る。
【0016】図2はこの発明の他の実施例を示す。この
例は、ねじ溝形成部材8を、分割面8aを有する円筒状
で、かつ内径面にねじ溝11を有する形状に予め射出成
形等で成形したものである。分割面8aは軸方向に沿っ
て形成してある。なお、分割面8aは図3の例のように
斜め方向に設けても良い。また、分割面8aには互いに
噛み合う凹部9と凸部10を前記の成形時に設ける。ね
じ溝形成部材8の材質は、前記のシート状のねじ溝形成
部材1と同じく、低摩擦係数で耐摩耗性の良い可撓性樹
脂が好ましく、シート状のねじ溝形成部材1の材質とし
て説明した各樹脂、例えば前記のPTFEや超高分子量
ポリエチレン等が使用できる。ポリアセタール、ポリア
ミド等は、シート状として丸める場合には適さないが、
この実施例のねじ溝形成部材8には、射出成形可能なこ
とから好ましい。このねじ溝形成部材8は、図1(B)
の例と同様なナット外側部材2の内径孔3に適当な隙間
で挿入できる外径としておき、その嵌合面を接着剤等で
固着する。接着する前に、接着の強度を上げるため、ね
じ溝形成部材8とナット外側部材2の互いの接着面に、
ショットブラスト、タンブリング(たる研磨)等の物理
的表面処理や、酸化処理、表面活性剤等の化学的表面処
理を施した方が良い。また、接着剤としては、アラルダ
イト等のエポキシ系樹脂等が強固に接着でき、良好であ
る。
【0017】この構成によっても、ねじ溝形成部材8
を、ねじ溝11の設けられた円筒状に射出成形等で形成
できるので、生産性が高い。この場合に、円筒面とねじ
溝という比較的単純な金型によって成形できるので、金
型も高価とはならない。また、ねじ溝形成部材1は、円
周上に割り面8aを有する可撓性のものであるため、成
形後に雄型から外す作業が、割り面8aを開くことによ
り比較的簡単に行える。また、この実施例の場合、図1
のシート状のねじ溝形成部材1と異なり、予め円筒状に
成形するので、円筒状に丸めるときの変形を見込んでね
じ溝形状を設計する必要がない。
【0018】精度についても、割り面8aでは凹部9と
凸部10で噛み合わせ、またねじ溝形成部材1は硬質の
ナット外側部材2内に嵌合させるので、ねじ溝11が割
り面8aで軸方向のずれを生じずに滑らかにつながり、
かつ真円度も高いものとなる。このように、この実施例
においても、安価で比較的高精度のナットを実現でき
る。
【0019】図4は、この発明のさらに他の実施例を示
す。この例は、図2の実施例の構成において、ナット外
側部材2の内径面に部材間位置合せ用の凹部12を設け
ると共に、ねじ溝形成部材8の外径面に前記凹部12に
嵌合する凸部13を設けたものである。凹部12は丸穴
状に、凸部13は丸ピン状に形成してある。凹部12お
よび凸部13は、1個であっても複数個であっても良い
が、この実施例では軸方向に離れた2か所に各々形成し
てある。
【0020】この構成の場合、ナット外側部材2とねじ
溝形成部材8の所定位置に部材間位置合せ用の凹部12
と凸部13とが設けられているため、この凹部12と凸
部13を嵌合させて両部材2,8を接着剤で固着する
と、両部材2,8の軸方向およびおよび周方向の相互位
置が定まる。したがって、ナットの端面14,15から
ねじ溝11の始まる軸方向位置が一定となり、また円周
上でねじ溝11の始まる位置も一定となり、組上ったナ
ットは、ねじ溝11の始端位置にばらつきのない画一的
な部品となる。
【0021】なお、前記の部材間位置合せ用の凹部12
および凸部13の代わりに、図5の実施例のようにねじ
溝形成部材8の外径面に凹部16を設け、ナット外側部
材2の内径面に凸部17を設けても良い。また、図1の
実施例のようにねじ溝形成部材1をシート状体で形成し
た場合にも、これら図4および図5の実施例のように部
材間位置合せ用の凹部と凸部を設けて位置合せすること
もできる。
【0022】図6はさらに他の実施例を示す。この例
は、図2の実施例において、ねじ溝形成部材8の分割面
8aを1箇所とした代わりに、分割面8aを2箇所と
し、ねじ溝形成部材8を2個の半割り円筒状の分割ねじ
溝形成部材8A,8Bで構成したものである。この場
合、2個の分割ねじ溝形成部材8A,8Bには、各々分
割面8aとなる両側の周方向端面8aa,8abにつ
き、片方の端面8aaには凸部10を、もう片方の端面
8abには凹部9を形成しておく。両分割ねじ溝形成部
材8A,8Bは、成形して脱型した後、両周方向端面8
aa,8abを合わせ、前記凸部10と凹部9とを互い
噛み合わせる。この構成の場合、ねじ溝形成部材8の材
質は、可撓性とする必要はなく、硬質の樹脂で成形して
も良い。したがって、ねじ溝形成部材8の材質は、低摩
擦係数で耐摩耗性が良く、射出成形可能な樹脂であるこ
とが望ましい。例えば、前記のポリエチレン、ポリアセ
タール、ポリアミド等の他、硬質樹脂も使用でき、また
PTFE(ポリ四フッ化エチレン)等を適宜配合した材
質としても良い。このようにねじ溝形成部材8に2箇所
に分割面8aを形成した場合は、成形後に金型から外す
作業が、1箇所のみに分割面8aを設けた場合よりも容
易になる。その他の構成および効果は、前述した図2の
実施例と同じである。
【0023】図7はさらに他の実施例を示す。この例
は、図6の実施例において、ねじ溝形成部材8を構成す
る各分割ねじ溝形成部材8A,8Bに、図4の実施例と
同様に部材間位置合せ用の凸部13を設け、かつこれら
の凸部3に嵌合する凹部12をナット外側部材2の内径
面に設けたものである。図6の実施例において、図5の
実施例のようにねじ溝形成部材8に部材間位置合せ用の
凹部16(図5)を設け、これに噛み合う凸部12をナ
ット外側部材2に設けても良い。
【0024】図8はさらに他の実施例を示す。この例
は、図1の実施例において、1枚のシート状体からなる
ねじ溝形成部材1を設けた代わりに、このねじ溝形成部
材1を周方向に2分割した2枚の分割ねじ溝形成部材1
A,1Bを設けたものである。すなわち、シート状のね
じ溝形成部材1を丸めた場合における周方向の2箇所に
分割面1aを形成してある。噛み合わせ用の凹部5と凸
部6とは、両方の分割面1a,1aに設ける。この構成
の場合、各分割ねじ溝形成部材1A,1Bは、半円筒状
に丸められてナット外側部材2の内径孔3内に接着剤等
で固着される。その他の構成は図1の例と同じである。
【0025】なお、前記各実施例では、いずれもねじ溝
4,11で滑り接触させるナットとしたが、この発明は
ねじ溝4,11をボール転走溝に形成してボールねじの
ナットに適用することもできる。その場合は、リターン
チューブ等によるボール循環用経路をねじ溝形成部材
1,8やナット外側部材2に適宜設ける。ボールねじの
ナットに適用する場合、ボール循環用経路を構成するナ
ット外側部材2のリターンチューブとねじ溝形成部材
1,8のボール通路孔の間で位置ずれがあるとボールが
循環しなくなるため、両部材の位置合せを精度良く行う
必要がある。この場合に、図4、図5、図7の実施例の
ように部材間位置合せ用の凹部12,16と凸部13,
17を設けておけば、ボール循環用経路の途中で位置ず
れの生じない精度の良いナットとなる。
【0026】
【発明の効果】この発明の簡易ナットは、円筒面状の内
径孔を有するナット外側部材と、このナット外側部材に
前記内径孔に嵌合して固定されるねじ溝形成部材とを備
え、このねじ溝形成部材は、前記内径孔への嵌合状態で
円筒状となり内径面にねじ溝を有するものとし、かつ周
方向の1箇所以上に分割面を有し、この分割面の両側部
分に互いに噛み合う位置合せ用の凹部および凸部を有す
るものとしたため、簡易に低コストで製作でき、精度も
ある程度高く得ることができ、さらに材質の選定によ
り、耐荷重性や滑らかな摺動性を安価なコストで得るこ
とも可能となる。ねじ溝形成部材を、周方向の1箇所の
みに分割面を有する可撓性のものとした場合は、部品点
数が少なくできて、組立性が良く、またねじ溝の分割箇
所が少なくなることから、ねじ溝の精度確保も図り易
い。
【0027】また、ナット外側部材の内径面とねじ溝形
成部材の外径面とに、互いに嵌合する部材間位置合せ用
の凹部および凸部を設けた場合は、組立時に両部材の相
互位置が正確に定まる。そのため、ねじ溝始端のナット
の端面からの軸方向位置や周方向位置にばらつきのな
い、画一的なナットが製造できる。特に、ボールねじの
ナットに応用した場合にも、ボール循環用経路を構成す
る孔等に位置ずれのない精度の良いナットに簡単に製造
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)はこの発明の一実施例にかかる簡易ナッ
トのねじ溝形成部材の平面図、(B)は同簡易ナットの
全体の断面図である。
【図2】(A)はこの発明の他の実施例にかかる簡易ナ
ットのねじ溝形成部材の斜視図、(B)は同簡易ナット
の全体の断面図である。
【図3】(A)はこの発明のさらに他の実施例にかかる
簡易ナットにおけるねじ溝形成部材の斜視図、(B)は
同簡易ナットの全体の断面図である。
【図4】(A)はこの発明のさらに他の実施例にかかる
簡易ナットにおけるねじ溝形成部材の斜視図、(B)は
その断面図、(C)はナット外側部材の断面図、(D)
はその簡易ナットの全体の断面図である。
【図5】(A)はこの発明のさらに他の実施例にかかる
簡易ナットにおけるねじ溝形成部材の斜視図、(B)は
その簡易ナットの全体の断面図である。
【図6】(A)はこの発明のさらに他の実施例にかかる
簡易ナットにおけるねじ溝形成部材の分解斜視図、
(B)は同組立状態の斜視図、(C)はその簡易ナット
の全体の断面図である。
【図7】(A)はこの発明のさらに他の実施例にかかる
簡易ナットにおけるねじ溝形成部材の斜視図、(B)は
その簡易ナットの全体の断面図である。
【図8】(A)はこの発明のさらに他の実施例にかかる
簡易ナットにおけるねじ溝形成部材の平面図、(B)は
その簡易ナットの全体の断面図である。
【符号の説明】
1…ねじ溝形成部材、1a…分割面、2…ナット外側部
材、3…内径孔、4…ねじ溝、5…凹部、6…凸部、8
…ねじ溝形成部材、8a…分割面、9…凹部、10…凸
部、12,16…部材間位置決め用の凹部、13,17
…部材間位置決め用の凸部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒面状の内径孔を有するナット外側部
    材と、このナット外側部材の前記内径孔に嵌合して固定
    されるねじ溝形成部材とを備え、このねじ溝形成部材
    は、前記内径孔への嵌合状態で円筒状となり内径面にね
    じ溝を有するものとし、かつ周方向の1箇所以上に分割
    面を有し、この分割面の両側部分に互いに噛み合う位置
    合せ用の凹部および凸部を有するものとした簡易ナッ
    ト。
  2. 【請求項2】 ねじ溝形成部材を、周方向の1箇所のみ
    に分割面を有する可撓性のものとした請求項1記載の簡
    易ナット。
  3. 【請求項3】 ねじ溝形成部材を、円筒状に丸められる
    シート状体からなるものとした請求項1または請求項2
    記載の簡易ナット。
  4. 【請求項4】 ねじ溝形成部材が、分割面を有する円筒
    状に成形された樹脂成形品である請求項1または請求項
    2記載の簡易ナット。
  5. 【請求項5】 ナット外側部材の内径面とねじ溝形成部
    材の外径面との一方に部材間位置合せ用の凹部を設け、
    他方に前記凹部に嵌合する凸部を設けた請求項1または
    請求項2記載の簡易ナット。
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