JPH07113024B2 - ピロロキノリンキノンの精製方法 - Google Patents

ピロロキノリンキノンの精製方法

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JPH07113024B2
JPH07113024B2 JP8707286A JP8707286A JPH07113024B2 JP H07113024 B2 JPH07113024 B2 JP H07113024B2 JP 8707286 A JP8707286 A JP 8707286A JP 8707286 A JP8707286 A JP 8707286A JP H07113024 B2 JPH07113024 B2 JP H07113024B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ピロロキノリンキノンの精製方法に関し、さ
らに詳細には、ピロロキノリンキノンをピロロキノリン
キノン塩として結晶化させこのピロロキノリンキノン塩
の結晶を分離することによるピロロキノリンキノンの精
製方法に係わる。
ピロロキノリンキノン(以下PQQと記す)は、別名2,7,9
−トリカルボキシ−1H−ピロロ〔2,3−f〕キノリン−
4,5−ジオンとも称され、1979年に、メタノール資化性
細菌のメタノール脱水素酵素の補酵素として精製され、
構造決定がなされた(S.A.Salisbury et al.,Nature,第
280巻、p.843(1979))。さらに、近年、細菌にかぎら
ず真核生物のかび、酵母、さらには、哺乳動物にも補酵
素として働くPQQが存在していることが明らかとなつ
た。このように、PQQは、補酵素として酵素反応または
物質代謝系を活性化するものであり、医薬品として重要
な役割を果す物質と考えられている。
〔従来技術、発明が解決しようとする問題点〕
従来、PQQの精製方法としては、粗製PQQ水溶液をDEAE−
Sephadex(ジエチルアミノエチル系陰イオン交換体−セ
フアデツクス以下同様、セフアデツクスはフアルマシア
社の登録商標)A−25カラムを通過させてPQQを吸着さ
せた後、O−1M(モル/以下同様)KClの濃度勾配法
による溶出(M.Ameyama et al.,Agric.Biol.Chem.,第48
巻、p.561〜565(1984))のみが知られており、その他
の精製方法はまつたく知られていない。
しかしながら、この方法ではPQQはPQQ塩として得られる
が、このPQQ塩含有画分は、KClのほかにもたん白質、糖
類および糖脂質のような多くの不純物を含んでおり、こ
れらの不純物を除去する精製方法の出現が期待されてい
る。
〔問題を解決するための手段、作用〕
本発明者らは、PQQの精製方法の研究を重ねた結果、メ
タノール、エタノールおよびアセトンなどの親水性有機
溶媒と水との混合液からPQQをPQQ塩として結晶化させる
ことによりPQQを容易に精製しうることを見出し、本発
明を完成した。
すなわち、本発明は、親水性有機溶媒と水との混合液で
PQQ塩の結晶化を行ない、PQQをPQQ塩の結晶として分離
することを特徴とするPQQの精製方法である。
本発明で精製される粗製PQQは、PQQとともに不純物を含
有していればよく、給源、抽出法および純度などに特に
制限はない。なお、粗製PQQ中のPQQはPQQの塩となして
から結晶化に付される。このPQQ塩はPQQとアルカリ金属
もしくはアルカリ土金属との塩である。好ましくはアル
カリ金属の塩特にカリウム塩もしくはナトリウム塩とな
して結晶化される。このPQQ塩はPQQの3つのカルボキシ
ル気のうち1または2のカルボキシル基の水素原子が前
記の金属原子で置換された塩であると考えられる。
この粗製PQQに含有されている不純物としては、たとえ
ば、たん白質、糖類、糖脂質およびりん脂質などの有機
質の不純物ならびにKClおよびNaClなどの無機質の不純
物などがある。また、給源としては細菌、かびおよび酵
母などの微生物の培養上澄液および微生物菌体ならびに
哺乳動物の組織などがある。微生物の培養上澄液が好ま
しい。
本発明では、合成品ならびに微生物の培養上澄液、微生
物菌体からの抽出液および哺乳動物の組織からの抽出
液、さらにこれらの濃縮物中のPQQはPQQ塩に変換して結
晶化に付される。PQQをPQQ塩に変換するためには、たと
えばこれらのPQQ含有物とKOHもしくはNaOHの水溶液を混
合するか、または、これらのPQQ含有物の水溶液をイオ
ン交換クロマトグラフイに付して得られたPQQ塩含有画
分を回収すればよい。就中、DEAE−Sephadex a−25な
どのイオン交換体を使用したイオン交換クロマトグラフ
イによつて得られたPQQ塩含有画分を、さらにSephadexG
−10などのようなビーズ状ゲルを使用したゲルろ過に付
したPQQ塩含有物が好ましい。
結晶化に用いられる溶媒としては、親水性溶媒を通常は
10%(V/V以下同様)以上、好ましくは10〜90%含有す
る水溶液(以下混合溶媒と記す)が好ましい。親水性溶
媒の代表例としては、たとえば、メタノール、エタノー
ルおよびイソプロパノールなどのアルコール類ならびに
アセトン、およびメチルエチルケトンなどの脂肪族ケト
ンなどがある。
親水性有機溶媒と水との混合液は、PQQ塩の結晶化時に
おいて、両者の混合物であればよく、予め混合された混
合液として使用してもよく、また、両者を分離して使用
することもできる。すなわち、たとえば、固体の粗製PQ
Q塩を予め混合された混合液に溶解して結晶化に付して
もよく、粗製PQQ塩水溶液と親水性有機溶媒とを混合し
て、これを結晶化に付してもよい。
結晶化の操作は、それ自体公知の方法を使用しうる。す
なわち、混合溶媒の量はPQQ塩が溶解するに十分な量で
あればよく、親水性有機溶媒の種類、含有率および溶解
時の温度などによつて異り、一概に特定しえないが、粗
製PQQ塩1gあたり通常は20ml以上、好ましくは50〜500ml
程度とされる。溶解時の温度は混合溶媒の種類およびそ
の使用量などによつて異り一概に特定しえないが、PQQ
塩の分解温度より低く、通常は10〜100℃、好ましくは2
0〜80℃とされる。このようにして得られた粗製PQQ塩溶
液は、固形分を含有しているときには所望により過し
て、固形分を取り除くことが好ましい。この粗製PQQ塩
溶液は、濃縮し、または濃縮しないで、溶解時より低い
温度で、静置するかまたは静かに撹拌しつゝ放置して結
晶を析出させる。結晶析出時の温度は溶解時の温度より
低ければよく、特に制限はなく、この液中のPQQ塩の濃
度および混合溶媒の種類により異り一概に特定しえない
が、溶解時の温度と晶出時の温度との差は5℃以上、好
ましくは10℃以上であり、かつ液温の温度を10℃以下と
することが特に好ましい。
この結晶化は2回以上くり返すことができる。少量の不
溶解物が混入されている粗製PQQ塩溶液を過せずに結
晶化に付すときには、この結晶化をくり返すことが好ま
しい。
このようにして析出した結晶は、通常の固液分離手段た
とえば過および遠心分離によつて分離され、ついで乾
燥される。このようにして得られたPQQ塩の結晶は、薬
効などにおいてPQQと同等である。
〔実施例〕
以下の実施例によつて本発明をさらに具体的に説明す
る。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
実施例 1 キサントバクター オートトロフイカス DSM 431の培
養液から得られた培養上澄液10を、2mMりん酸カリウ
ム緩衝液(pH7.0)で平衡化したDEAE−Sephadex A−25
カラム(充填量2.6×10cm)に流下させてPQQを吸着させ
た。その後、2mMりん酸カリウム緩衝液にKClを添加して
O−1M KCl(1.2)の濃度勾配でPQQ塩(PQQ−K塩)
を溶出し、PQQ塩含有画分(1)200mlを得た。このPQQ
塩含有画分(1)200mlを純水で平衡化したSephadex
G−10カラム(充填量2.6×100cm)を流下させ、ついで
純水でPQQ塩を溶出させ、PQQ塩含有画分(2)を35ml得
た。このPQQ塩含有画分(2)はPQQ(分析においてPQQ
塩はPQQとして表示される以下同様)を35mg含有してい
た。また、このPQQ塩含有画分を濃縮乾燥して170mgの固
体を得た(PQQ純度は20.6%)。
この固体の粗製PQQ塩を30℃で5mlの水に溶解し、これに
エタノールを5ml添加し、ついでこの溶液を5℃に冷却
し、5℃で24時間放置したところ、結晶が析出した。析
出した結晶を遠心分離で分離した。この結晶をさらにエ
タノールで洗浄し、風乾して褐色の結晶33.3mgが得られ
た。この結晶はPQQの2K塩であり、PQQ−2K塩を33mg(純
度99.1%)およびKClを0.3mg含んでいた。
なお、結晶中のPQQの同定および定量はこの結晶の水溶
液について高速液体クロマトグラフイによつた(以下の
実施例においても同様)。
機 器:島津製高速液体クロマトグラフ カラム:ニユクレオシル(Nucleosil)5C184.0×150mm 展開液:H3PO4(85wt%水溶液)/H2O/CH3OH=0.4/72.6/2
7(容積比) 流 速:0.7ml/min 検出器:島津SPD−6A UV分光々度計(259nm) 実施例 2 ハイホミクロビウム エスピー DSM 1869の培養液か
ら得られた培養上澄液10を、2mMりん酸カリウム緩衝
液(pH7.0)で平衡化したDEAE−Sephadex A−25(フア
ルマシア製)カラム(充填量2.6×10cm)に流下させてP
QQを吸着させた。その後2mMりん酸カリウム緩衝液(pH
7.0)600mlでカラムを洗浄した後、2mMりん酸カリウム
緩衝液にNaClを添加してO−1M NaCl(1.2)の濃度勾
配でPQQ塩(PQQ−Na塩)を溶出し、PQQ塩含有画分
(1)300mlを得た。このPQQ塩含有画分(1)を、純水
で平衡化したSephadex G−10(フアルマシア製)カラム
(充填量2.6×100cm)に吸着させ、純水で溶出させ、PQ
Q塩含有画分(2)42mlを得た。さらに、純水で緩衝化
したSephadex G−10(フアルマシア製)カラム(充填
量2.6×100cm)に前記のPQQ塩含有画分(2)42mlを流
下させ、ついで純水でPQQ塩を溶出させ、PQQ塩含有画分
(3)35mlを得た。このPQQ含有画分(3)はPQQ塩を55
mg含有していた。また、このPQQ塩含有画分(3)を濃
縮乾燥したところ147mgの固体を得た(PQQ純度は37.4
%)。
この固体の粗製PQQ塩を8mlの水とメタノール12mlとを混
合したメタノール水溶液に60℃で溶解し5℃に冷却し5
℃で24時間放置したところ結晶が析出した。析出した結
晶を遠心分離で分離した。この結晶をさらにメタノール
で洗浄し、風乾して褐色の結晶55.6mgが得られた。この
結晶はPQQ−2Na塩であり、PQQ−2Na塩を55mg(純度99
%)およびNaClを0.6mg含んでいた。
実施例 3 結晶化に用いる混合液を、アセトン水溶液(アセトン濃
度50vol%)としたほかは、実施例1と同様に行ない、
褐色の結晶を33mg得た。この結晶はPQQ−2K塩であり、P
QQ−2K塩を32.6mg(純度98.8%)およびKClを0.4mg含ん
でいた。
〔発明の効果〕
本発明によりPQQが純度の高いPQQ塩として容易に得られ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】親水性有機溶媒と水との混合液でピロロキ
    ノリンキノン塩の結晶化を行ない、ピロロキノリンキノ
    ンをピロロキノリンキノン塩の結晶として分離すること
    を特徴とするピロロキノリンキノンの精製方法。
JP8707286A 1986-04-17 1986-04-17 ピロロキノリンキノンの精製方法 Expired - Fee Related JPH07113024B2 (ja)

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