JP2537074B2 - 酸性プロテア―ゼの精製法 - Google Patents

酸性プロテア―ゼの精製法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、消炎剤などとして有用なセラペプターゼの
精製法に関する。
従来の技術 セラペプターゼ(Serrapeptase:一般名)は、ある種
の菌体が産生する酸性プロテアーゼで金属亜鉛を保持す
る特異な酵素であり、その強い抗炎症作用に基づき消炎
剤などとして広く用いられている。
セラペプターゼは、培養,菌体分離,精製の各工程を
経て製造されている。
従来、セラペプターゼ産生菌の培養液の菌体分離は、
培養液に硫酸ナトリウム,硫酸アンモニウムなどの塩類
を添加して菌体を凝集させた後、機械的遠心分離や硅藻
土等のろ過補助剤を用いる加圧分離等により行なわれて
いた。
また、セラペプターゼの精製は、その酵素の不安定性
や抗炎症作用の維持を配慮して、塩類添加による塩析
法、水溶性有機溶媒を用いる分画沈殿またはこれらを組
合せて行なわれていた(米国特許第3,691,014号公
報)。
最近、セラペプターゼを塩の存在下アクリル酸エステ
ル系非イオン性吸着樹脂に吸着させ、次いで含水メタノ
ール等の有機溶媒により溶出するセラペプターゼの精製
法が報告されている(特開昭61-215330号公報)。
発明が解決しようとする課題 これら従来より知られていたセラペプターゼのような
酸性プロテアーゼの精製法はいずれも塩類、有機溶媒等
の多量の原材料が必要であり、また有機溶媒の回収など
労力,コストを要し、微細な沈殿物の採取にも多大な労
力、時間を要する。さらにカラム操作を行う場合、十分
な流速が得られないなど、不安定な酸性プロテアーゼを
大量に供給する工業的精製法としては問題がある。
またこれらの方法によって得られたセラペプターゼな
どの比活性(純度)も十分とは言えない。
課題を解決するための手段 本発明者らは、セラペプターゼが弱塩基性イオン交換
樹脂に塩類が存在しない状態においても効率よく吸着さ
れ、またその溶出は有機溶媒を全く用いることなく行い
うることを見い出した。
さらに培養液の菌体分離を塩類を使用することなく行
い、塩類を実質的に含まないセラペプターゼ含有水溶液
が得られる方法を確立し、上記精製にそのまま有利に用
いることを明らかにして本発明を完成した。
すなわち本発明は、実質的に塩を含まないセラペプタ
ーゼ含有水溶液を弱塩基性イオン交換樹脂に接触させて
セラペプターゼを吸着させ、次いで該セラペプターゼを
無機塩水溶液で溶出することを特徴とするセラペプター
ゼの精製法を提供するものである。
セラペプターゼを含有する水溶液は、例えばセラチア
属に属し、セラペプターゼを生産する能力を有する微生
物を培地に培養して得られた培養液を菌体分離して得ら
れる(米国特許第3,691,041号公報参照)。
上記セラチア属に属しセラペプターゼを生産する能力
を有する微生物としては、例えばセラチア・エスピーE
15株が挙げられる。セラチア・エスピーE15株はジ・ア
メリカン・タイプ・カルチァー・コレクション(ATCC)
に1967年5月15日に受託番号ATCC 21074として寄託さ
れ、該コレクションのカタログ・オブ・ストレインズI
第15版1982年に掲載されている。
本発明の実質的に塩を含まないセラペプターゼ含有水
溶液は、上記培養液をマイクロフィルター(MF),ウル
トラフィルター(UF),セラミックフィルター(SF)な
ど膜分離操作に付すことにより直接得ることができ、と
りわけMF(穴径約0.05〜10μmのもの)を用いる膜分離
操作により塩類を添加することなく、菌体が分離された
実質的に塩を含まないセラペプターゼ含有水溶液として
有利に直接得られる。
なお実質的に塩を含まない水溶液とは、培養物中含ま
れていた塩類のみを含むもので通常塩濃度が0.1%(w/
v)以下の水溶液をいい、弱塩基性イオン交換樹脂への
吸着能から0.05%以下のものが好ましい。
吸着用溶媒としては水道水が通常用いられる。
上記水溶液中のセラペプターゼの含有量については特
に制限はないが、通常0.01〜10%濃度が用いられ、該水
溶液のpHは、セラペプターゼの安定pH範囲であるpH約4
〜9であることが好ましい。
弱塩基性イオン交換樹脂(OH型)は、ビニールポリマ
ー,スチレンポリマー,アクリル酸ポリマー,DEAE−セ
ルロースなどを担体として、一級、二級もしくは三級の
低級(C1-4)アルキルアミノ基またはこれらのアンモニ
ウム塩などの弱塩基性基を有するイオン交換樹脂であ
り、本発明においてはジエチルアミン,ジエタノールア
ミンなどの弱塩基性基を有しビニールポリマーに担持さ
れたイオン交換樹脂が有利に用いられる。
該イオン交換樹脂は粒径0.3〜3.0mmの球状として用い
ることが好ましい。
弱塩基性イオン交換樹脂の具体例としては、例えばFP
-DA 13L(三菱化成工業株式会社製)、Spezym GDC(栗
田工業株式会社製)等が挙げられる。
本発明方法における吸着は、通常行われる操作、例えば
カラム法,バッチ法などによって行われる。本発明方法
における吸着操作において、温度は0〜30℃で、好まし
くは0〜10℃である。
該吸着操作としては樹脂を充填したカラムにセラペプタ
ーゼを含有する水溶液を、例えばSV=約0.05〜20(充填
樹脂量の約0.05〜20倍/時間の流速)で通液し吸着させ
るカラム法、または該水溶液中に吸着樹脂を投入し、攪
拌しながらセラペプターゼを該吸着樹脂に吸着させるバ
ッチ法等の何れの方法でも良い。
本発明における溶出は、セラペプターゼが吸着された樹
脂を、例えば無機塩含有水溶液で処理することにより行
われる。
上記無機塩としては中性塩が好ましく、とりわけ塩化
ナトリウム,塩化カリウム,硫酸ナトリウム,リン酸ナ
トリウム,硫安など強酸と強塩基との塩が有利に用いら
れる。
セラペプターゼの溶出に用いられる無機塩含有水溶液
は、低濃度でよく、1〜10(w/v)%、好ましくは4〜
6%である。
溶出操作は温度約0〜30℃、好ましくは0〜10℃で行わ
れる。
該溶出操作は前記吸着操作に準じたカラム法或はバッチ
法等何れの方法を用いても良い。
本発明のセラペプターゼ精製法の特徴的利点として
は、塩類の添加がなくとも吸着容量が大きいこと、有機
溶媒を用いなくとも溶出収率が良いこと、夾雑物の多い
粗酵素液に直接応用出来ること、分画能力が高く酵素比
活性を大巾に高めることが出来ること、工業的スケール
でカラムクロマトグラフィーを行う場合に早い流速が確
保できること、吸着,溶出という簡単な操作なので労力
が大いに節減できること等が挙げられる。従って本発明
方法はセラペプターゼを工業的に生産する場合のその精
製法として有利に利用することが出来る。
作用および実施例 以下の実験例及び実施例により本発明を更に具体的に
説明する。以下の操作はすべて約10℃の条件で行われた
ものである。
なお、酵素力価単位Puは米国特許第3,691,014号公報
記載の方法で求めたものである。
実験例1 セラペプターゼ含有水溶液(セラペプターゼ活性20,0
00Pu/ml)を100mlの弱塩基性イオン交換樹脂(OH型)を
充填したカラムに流速100ml/Hrで通液し、溶液中のセラ
ペプターゼを吸着させた時の塩類含有量と吸着容量の関
係は第1表の通りであった。
上記より、塩類を含有した状態ではセラペプターゼは
殆ど吸着しないが塩類を極微量、或は存在しない状態に
して弱塩基性イオン交換樹脂に接触させて用いた場合、
効率良く吸着することがわかる。
実験例2 セラペプターゼ含有水溶液1000ml(6000Pu/ml)をFP-
DA 13L 100mlを充填したカラムに通液させ、セラペプタ
ーゼを吸着させた。
次に0%,1%,2%,4%,6%NaCl含有の水溶液で溶出した
時のセラペプターゼの溶出収率を調べた。
上記第2表から食塩濃度4〜6%含有水溶液で効率良
く溶出されることが分かる。
実施例1 セラペプターゼ生産菌セラチア・エスピーE15株をア
グリカルチュラル・バイオロジカル・ケミストリー[Ag
r.Biol.Chem.,34,310-318(1970)]に記載の方法と同
様の方法で培養して得た培養液を、MF膜(マイクローザ
0.1μ:旭化成)で菌体分離を行いろ液を得た(セラペ
プターゼ活性6000Pu/ml)。塩類含量は0.05g/lで、pHは
6.9であった。
このろ液3lを弱塩基性イオン交換樹脂(FP-DA 13L)200
mlを充填カラムに200ml/Hrで通液したセラペプターゼを
吸着させた。
吸着終了後、市水400mlで水洗、後4%NaCl水を400ml/H
rの流速でカラムに流し、セラペプターゼを溶出した。
活性フラクションを集めて、精製セラペプターゼ液400m
lを得た。(セラペプターゼ活性44500Pu/ml)酵素比活
性はMFろ液に比べて10倍に上がっていた。
実施例2 実施例1に記したろ液3lを、Spezym-GDC 400mlを充填
したカラムに800ml/Hrで通液し、セラペプターゼを吸着
させた。
吸着終了後、市水400mlで洗浄、後4%(NH4)2SO4水を80
0ml/Hrの流速でカラムに流し、セラペプターゼを溶出し
た。
活性フラクションを集めてセラペプターゼ800mlを得
た。これを更に限外ろ過膜で分画濃縮し、濃厚なセラペ
プターゼ溶液を得た。
酵素比活性はMFろ液に比べて17倍に上がっていた。
発明の効果 本発明のセラペプターゼの精製法は、高濃度の塩類や
有機溶媒を用いることなく、高度に精製が可能で、セラ
ペプターゼの工業的精製法として有利に用いることがで
きる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】実質的に塩を含まないセラペプターゼ含有
    水溶液を弱塩基性イオン交換樹脂に接触させてセラペプ
    ターゼを吸着させ、次いで該セラペプターゼを無機塩水
    溶液で溶出することを特徴とするセラペプターゼの精製
    法。
JP63130967A 1987-07-08 1988-05-27 酸性プロテア―ゼの精製法 Expired - Lifetime JP2537074B2 (ja)

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