JPH07111834A - 植設物の保護フィルム、種苗の植設方法、及び保護フィルムの展開機 - Google Patents

植設物の保護フィルム、種苗の植設方法、及び保護フィルムの展開機

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JPH07111834A
JPH07111834A JP27030193A JP27030193A JPH07111834A JP H07111834 A JPH07111834 A JP H07111834A JP 27030193 A JP27030193 A JP 27030193A JP 27030193 A JP27030193 A JP 27030193A JP H07111834 A JPH07111834 A JP H07111834A
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JP
Japan
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protective film
film
cover
present
seedling
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Application number
JP27030193A
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English (en)
Inventor
Koji Nishida
耕治 西田
Koichi Sumi
浩一 角
Satoshi Sawada
聡 澤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 種苗を保護して成育することのできる種苗な
どの植設物を保護する保護フィルム等を提供する。 【構成】 フィルム本体fの側端部に粘着剤層nが設け
られている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、植設物の保護フィル
ム、種苗の植設方法、及び保護フィルムの展開機に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、たばこ等を栽培する際、図13
(a)(b)に示すように、部分的に透孔を設けたカバ
ーフィルムCを畝Uに被せた後、カバーフィルムCに形
成された透孔を通して種苗Pを畝Uに植設することが行
われている。このようなカバーフィルムCを畝Uに展開
被覆する装置として、実公平5−2066号公報及び同
5−2067号公報記載のものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、畝Uは
カバーフィルムCによって保温されるものの、植設され
た種苗Pは風雨にさらされることから、成育が思うよう
に進まないという問題があった。
【0004】このため、植設された種苗をさらにフィル
ムで覆って保護することも考えられるが、このような保
護フィルムの敷設は複数人の手作業で行わざるをえず、
作業能率が悪いばかりでなく、広い作付け面積に敷設す
るには多くの時間が入用となり、高齢化が進む農業従事
者に過大な労働を強いる結果となる。しかも、種苗の成
長を考慮して保護フィルムに一定の弛みをもたせたり、
畝の凹凸に追従しつつ風によって剥がれないように保護
フィルムを貼り付けなければならないなどの煩雑さを克
服する必要がある。
【0005】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたもので、その目的とするところは、このような問題
点を解消し、種苗を保護して成育することのできる種苗
などの植設物を保護する保護フィルム、種苗の植設方
法、及び保護フィルムを簡単確実に敷設することのでき
る保護フィルムの展開機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明の
植設物の保護フィルムは、フィルム本体の側端部に粘着
剤層が設けられていることを特徴とするものである。
【0007】又、請求項2記載の本発明の植設物の保護
フィルムは、請求項1記載の植設物の保護フィルムにお
いて、フィルム本体の長手方向に折り込み部が設けられ
ていることを特徴とするものである。
【0008】又、請求項3記載の本発明の植設物の保護
フィルムは、請求項1記載の植設物の保護フィルムにお
いて、フィルム本体の粘着剤層が設けられた側端部とフ
ィルム本体との境界部付近に沿ってミシン目が設けられ
ていることを特徴とするものである。
【0009】又、請求項4記載の本発明の植設物の保護
フィルムは、請求項1記載の植設物の保護フィルムにお
いて、フィルム本体の粘着剤層が設けられた側端部とフ
ィルム本体との境界部付近に沿って筋状の凹窪部が設け
られていることを特徴とするものである。
【0010】又、請求項5記載の本発明の植設物の保護
フィルムは、請求項1記載の植設物の保護フィルムにお
いて、フィルム本体が長手方向に延伸されていることを
特徴とするものである。
【0011】又、請求項6記載の本発明の種苗の植設方
法は、畝を覆うようにカバーフィルムを敷設し、カバー
フィルムに部分的に設けられた透孔を通して畝に種苗を
植設し、側端部に粘着剤層が設けられた保護フィルムの
粘着剤層により、カバーフィルムに保護フィルムを貼付
け、植設された種苗を保護することを特徴とするもので
ある。
【0012】更に、請求項7記載の本発明の保護フィル
ムの展開機は、ハンドルの設けられたフレームと、この
フレームに転動自在に軸支されたローラと、フレームか
ら立設された保護フィルム巻重体の軸受部からなり、該
軸受部に嵌挿された保護フィルム巻重体が軸受部にて回
動自在になされると共に、ローラに巻回しながら巻出し
可能になされていることを特徴とするものである。
【0013】請求項1〜5記載の本発明保護フィルムの
フィルム本体の材質としては、特に限定されるものでは
ないが、例えば、軟質塩化ビニル樹脂、ポリエチレン、
ポリプロピレン等が使用できる。
【0014】又、請求項6記載の本発明種苗の植設方法
に使用するカバーフィルムの材質としては、特に限定さ
れるものではないが、例えば、保護フィルムのフィルム
本体の材質と同様に軟質塩化ビニル樹脂、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等が使用できる。
【0015】
【作用】請求項1記載の本発明植設物の保護フィルムに
おいては、フィルム本体の側端部に粘着剤層が設けられ
ているので、粘着剤層によりカバーフィルムに容易確実
に貼付けることができる。
【0016】請求項2記載の本発明植設物の保護フィル
ムにおいては、フィルム本体の長手方向に折り込み部が
設けられているので、植設された種苗が成長すると折り
込み部が持ち上げられ、種苗の成長を阻害することがな
い。
【0017】請求項3記載の本発明植設物の保護フィル
ムにおいては、フィルム本体の粘着剤層が設けられた側
端部とフィルム本体との境界部付近に沿ってミシン目が
設けられているので、植設された種苗がある程度成育し
た時点でミシン目に沿ってフィルム本体を切断すること
によりカバーフィルムから容易に除去することができ、
除去する際にカバーフィルムを損傷することはない。
【0018】請求項4記載の本発明植設物の保護フィル
ムにおいては、フィルム本体の粘着剤層が設けられた側
端部とフィルム本体との境界部付近に沿って筋状の凹窪
部が設けられているので、植設された種苗がある程度成
育した時点で筋状の凹窪部に沿ってフィルム本体を切断
することによりカバーフィルムから容易に除去すること
ができる。
【0019】請求項5記載の本発明の植設物の保護フィ
ルムにおいては、フィルム本体が長手方向に延伸されて
いるので、長手方向に裂き易く、植設された種苗がある
程度成育した時点で任意の箇所においてフィルム本体を
切断することによりカバーフィルムから容易に除去する
ことができる。
【0020】請求項6記載の本発明の種苗の植設方法に
おいては、畝を覆うようにカバーフィルムを敷設し、カ
バーフィルムに部分的に設けられた透孔を通して畝に種
苗を植設し、側端部に粘着剤層が設けられた保護フィル
ムの粘着剤層により、カバーフィルムに保護フィルムを
貼付けるものであるから、カバーフィルムに保護フィル
ムを容易確実に貼付けることができ、このように保護フ
ィルムが敷設されることにより、植設された種苗は保温
されると同時に、風の被害から保護される結果、順調に
成育して増収を図ることが可能となる。
【0021】請求項7記載の本発明保護フィルムの展開
機においては、展開機のフレームから立設された軸受部
に保護フィルム巻重体を嵌挿してローラに載置し、保護
フィルムをローラ回りに巻き回して引き出す。そして、
引き出した保護フィルムを植設された種苗を覆うように
位置せしめた後、展開機をハンドルを把持して移動させ
る。展開機が移動すると、ローラが回転し、保護フィル
ムを順次巻出すとともに、予め畝を覆うように敷設され
たカバーフィルムに保護フィルムをその粘着剤層を介し
て順次貼付ける。
【0022】この結果、保護フィルム巻重体を嵌挿した
展開機を移動させることにより、保護フィルムを展開機
の移動に同調して植設された種苗を覆って巻出すと同時
に、先に畝に被せられたカバーフィルムに保護フィルム
を貼付けることができ、簡単確実に種苗を覆う保護フィ
ルムを敷設することが可能となる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0024】〔実施例1=請求項1、2記載の本発明の
実施例〕図1は本発明保護フィルムの一例を示す斜視図
である。図1において、Hは保護フィルムであり、保護
フィルムHは、その長手方向中央に折り込み部f1を有
するとともに、その長手方向に間隔をおいて複数列の小
孔f2を形成したフィルム本体fと、このフィルム本体
fの両側端部に一部外方に突出するように貼付けられた
粘着テープnからなる。尚、フィルム本体fは厚さ15
μのポリエチレンフィルムからなり、粘着テープnは厚
さ40μのポリプロピレンフィルムの片面に粘着剤層を
設けたものである。
【0025】〔実施例1の作用〕次に、図1に示す本発
明保護フィルムHの作用を説明する。図2(a)に示す
ように、畝Uを覆うようにカバーフィルムCを敷設し、
カバーフィルムCに部分的に設けられた透孔C1を介し
て種苗Pを植設し、保護フィルムHの折り込み部f1が
種苗Pを覆うと共に保護フィルムHの両側端部から突出
された粘着テープnの粘着面をカバーフィルムCに押圧
することにより保護フィルムHをカバーフィルムCに容
易確実に貼付けることができる。このようにして植設さ
れた種苗Pを保護フィルムHによって保温すると同時に
風の被害から保護することができる。
【0026】種苗Pが成長すると、図2(b)に示すよ
うに、種苗Pが保護フィルムHの折り込み部f1を持ち
上げることになるが、保護フィルムHの折り込み部f1
が部分的に持ち上げられるだけであり、種苗Pに作用す
る抵抗は極めて小さく、その成長を阻害することはな
い。この際、畝Uに保護フィルムHによってトンネル状
の空間が形成される。
【0027】又、保護フィルムHに形成された小孔f2
を通して畝Uに敷設された保護フィルムHの内外が換気
されることから、保護フィルムHによって覆われた種苗
Pに高温障害が発生することはない。尚、保護フィルム
Hに形成された小孔f2は高温障害が発生する恐れのな
い場合には、これを設ける必要はない。
【0028】〔実施例2=請求項1記載の本発明の他の
実施例〕図3は本発明保護フィルムの他の一例を示す斜
視図である。図3に示す本発明保護フィルムHaにおい
ては、図1に示す本発明保護フィルムHのように長手方
向に折り込み部が設けられていないものであり、平坦な
保護フィルムHaの中央部に小孔f2が穿設され、側端
部に粘着テープnが一部外方に突出した状態で貼付けら
れている。
【0029】〔実施例2の作用〕次に、図3に示す本発
明保護フィルムHaの作用について説明する。図4に示
すように、畝Uを覆うようにカバーフィルムCを敷設
し、カバーフィルムCに部分的に設けられた透孔C1を
介して種苗Pを植設し、保護フィルムHaの中央部が種
苗Pを覆うと共に保護フィルムHaの両側端部から突出
された粘着テープnの粘着面をカバーフィルムCに押圧
することにより保護フィルムHaをカバーフィルムCに
容易確実に貼付けることができる。
【0030】〔実施例3=請求項1記載の本発明の他の
実施例〕図5は、本発明の保護フィルムの他の一例を示
す斜視図であり、図5に示す本発明の保護フィルムHb
は、平坦な保護フィルムHbの両側端部の裏面に粘着剤
層nが塗布形成されている。尚、この粘着剤層nは、普
段は、その上に図示しない剥離紙が貼付けられることに
より保護されている。尚、粘着剤層nとしては両面粘着
テープが使用されていてもよい。
【0031】〔実施例4=請求項3記載の本発明の実施
例〕図6は本発明の保護フィルムの他の一例を示す斜視
図であり、図6に示す本発明の保護フィルムHcは、そ
の長手方向中央に折り込み部f1を有するとともに、そ
の長手方向に間隔をおいて複数列の小孔f2を形成した
軟質塩化ビニル樹脂製フィルム本体fと、このフィルム
本体fの両側端部に一部外方に突出するように粘着テー
プnが貼付けられ、フィルム本体fの粘着テープnが貼
付けられた両側端部とフィルム本体fとの境界部付近に
ミシン目f3が施されている。
【0032】〔実施例4の作用〕次に、図6に示す本発
明保護フィルムHcの作用を説明する。図1に示す本発
明保護フィルムHと同様に、畝を覆うように敷設された
カバーフィルムに部分的に設けられた透孔を介して種苗
を植設し、保護フィルムHcの折り込み部f1が種苗を
覆うと共に保護フィルムHcの両側端部から突出された
粘着テープnの粘着面をカバーフィルムに押圧すること
により保護フィルムHcをカバーフィルムに貼付け、種
苗がある程度成長すると、フィルム本体fに施されたミ
シン目f3においてフィルム本体fを切断することによ
りカバーフィルムから容易に除去することができ、除去
する際にカバーフィルムを損傷することはない。
【0033】〔実施例5=請求項4記載の本発明の実施
例〕図7は本発明の保護フィルムの他の一例を示す要部
拡大正面図であり、図7に示す本発明の保護フィルムH
dは、図6に示す本発明保護フィルムHcのフィルム本
体fにミシン目f3を施す代わりに、フィルム本体fの
一面に筋状の凹窪部f4を穿設したものであり、種苗が
ある程度成長すると、フィルム本体fに施された筋状の
凹窪部f4においてフィルム本体fを切断することによ
りカバーフィルムから容易に除去することができるよう
になっている。尚、図7において、n1は粘着テープn
の粘着剤であり、n2は粘着テープnの基材である。
【0034】〔実施例6=請求項4記載の本発明の他の
実施例〕図8は本発明の保護フィルムの更に他の一例を
示す要部拡大正面図であり、図8に示す本発明の保護フ
ィルムHeは、フィルム本体fの両面に筋状の凹窪部f
4を穿設したものである。
【0035】〔実施例7=請求項5記載の本発明の実施
例〕図9は本発明の保護フィルムの更に他の一例の要部
を示す斜視図であり、図9に示す本発明の保護フィルム
Hfは、フィルム本体fがその長手方向に延伸されてい
るものであり、フィルム本体fの任意箇所において長手
方向に容易裂くことができるものであり、種苗がある程
度成長すると、フィルム本体fを任意の箇所においてフ
ィルム本体fを裂いて切断することによりカバーフィル
ムから容易に除去することができるようになっている。
【0036】〔本発明保護フィルムの評価〕次に、本発
明の保護フィルムのカバーフィルムに貼付けた場合のカ
バーフィルムからの除去具合を比較例と比較して観察評
価した結果を説明する。比較例として、実施例1の保護
フィルムにおいて、粘着剤層を使用する代わりに接着剤
を使用したものを使用し、この比較例の保護フィルムを
接着剤によりカバーフィルムに接着した。上記の本発明
の実施例1〜7の保護フィルムを使用してカバーフィル
ムに貼付けて、保護フィルムからの除去具合を比較例の
保護フィルムと比較観察した結果、表1に示す評価を得
た。
【0037】即ち、本発明の実施例においては、表1に
示すように、保護フィルムをカバーフィルムから除去し
た場合に、比較例の場合には、保護フィルムの端縁が直
線状に切断されないし、カバーフィルムに部分的に孔開
き損傷が見られた。これに対し、本発明の実施例の場合
には、保護フィルムの端縁がカバーフィルムから直線状
に切断されて除去され、保護フィルムを除去した後のカ
バーフィルムには全く損傷が見られなかった。
【0038】
【表1】
【0039】〔請求項7記載の本発明の実施例〕図10
は本発明展開機の一例を示す側面図、図11は図10に
示す本発明展開機の平面図である。図10、11におい
て、1は本発明展開機であり、この展開機1は、左右一
対のガイドフレーム2と、左右のガイドフレーム2の後
部にそれぞれ片持ち状に支持されて回転自在に軸支され
た加圧ローラ3と、左右のガイドフレーム2の前方を連
結するフレームブロック4と、このフレームブロック4
の左右両端に基部がそれぞれ揺動自在に軸支されたレバ
ー5と、これらのレバー5の先部にそれぞれ片持ち状に
支持されて回転自在に軸支された従動ローラ6と、前述
のフレームブロック4の中央に揺動自在に連結されたハ
ンドル7と、ガイドフレーム2とレバー5間に設けられ
たスプリング装置8とから構成され、この展開機1の幅
は、左右の加圧ローラ3,3が畝Uに植設された種苗P
を挾んで移動できる程度の大きさに形成されている。
【0040】一方、ガイドフレーム2の後部から軸受部
21が上下方向に立設されており、この軸受部21に
は、後述する保護フィルム巻重体Rを嵌挿可能なガイド
溝21aが形成されている。そして、このガイド溝21
aは、側方より見て、軸受部21の下方内側に片持ち状
に軸支された加圧ローラ3の外周縁部をガイド溝21a
を通して覗くことができる深さに形成されている。
【0041】従って、保護フィルム巻重体Rの巻芯Sを
ガイド溝21aに嵌挿すると、保護フィルム巻重体R
は、その保護フィルムHの両側端部が加圧ローラ3の円
柱面に載せられ、この後、ガイド溝21aに支持されて
回転することで保護フィルムHを順次巻出しても保護フ
ィルムHの両側端部は常に加圧ローラ3との接触状態が
維持されるものである。
【0042】又、フレームブロック4は、左右のガイド
フレーム2の前方内面に固定されたL字状のチャンネル
材9を介してガイドフレーム2に連結されている。この
結果、ガイドフレーム2とフレームブロック4により、
上方より見てコ字状のフレームが形成されている。
【0043】一方、スプリング装置8は、ガイドフレー
ム2の前方に設けられた調整ボルト81と、この調整ボ
ルト81の軸部に遊嵌されたスプリング82と、このス
プリング82をガイドフレーム2との間で挾持するナッ
ト83とからなり、調整ボルト81の下端は、レバー5
の揺動中心から前方に若干離れた位置を押圧している。
この結果、レバー5、すなわち、従動ローラ6はスプリ
ング82の付勢力によって下方に向けて付勢されてお
り、この付勢力は、ナット83を回転させることによっ
て調整することができるようになっている。
【0044】尚、レバー5の揺動を規制するため、フレ
ームブロック4にはストッパ41が設けられている。
【0045】展開機1を構成する左右のガイドフレーム
2,2の内寸は保護フィルムHの左右幅にほぼ相当する
大きさに形成されている。そして、この保護フィルムH
をその粘着テープ2の一部外方に突出された粘着面が下
面に位置するように、左右幅より大きな長さ、具体的に
は、左右のガイドフレーム2の軸受部21間に跨がる長
さを有する巻芯Sに順次巻取って保護フィルム巻重体R
が形成されている。
【0046】この結果、後述するように、展開機1の軸
受部21に嵌挿された保護フィルム巻重体Rから保護フ
ィルムHを巻出すことにより、畝Uに植設された種苗P
を折り込み部faが覆うことができ、その後、種苗Pが
成長して折り込み部f1を持ち上げることにより、畝U
に保護フィルムHの折り込み部f1によるトンネル状の
空間が形成されるものである。
【0047】〔請求項7記載の本発明の実施例の作用〕
次に、展開機1を用いて畝Uに図1に示す保護フィルム
Hを敷設する場合について説明する。まず、展開機1の
ガイドフレーム2に形成されたガイド溝21aに保護フ
ィルム巻重体Rの巻芯Sを嵌挿し、保護フィルムHの両
側端部を加圧ローラ3の円柱面に載せる。そして、保護
フィルムHを加圧ローラ3の時計回りに巻回して引き出
す。
【0048】次いで、引き出された保護フィルムHをそ
の折り込み部f1が畝Uに植設された種苗Pを覆うよう
に位置させると共に、その保護フィルムHの両側端部を
加圧ローラ3が押圧するように展開機1を配置する(図
8参照)。そして、保護フィルムHの一端を予め畝Uに
被せられたカバーフィルムCに粘着テープnの一部外方
に突出された粘着面を介して貼り付けた後、ハンドル7
を把持して展開機1を牽引し、畝Uに沿って移動させ
る。
【0049】ところで、加圧ローラ3が回転して畝Uを
移動すると、加圧ローラ3に載置されている保護フィル
ム巻重体Rもガイド溝21aにその巻芯Sが支持されて
加圧ローラ3の回転方向と逆方向に回転し、保護フィル
ムHを順次巻出す。この巻出された保護フィルムHは、
加圧ローラ3回りに巻回されてその両側端部がカバーフ
ィルムCに順次押し付けられる。この結果、展開機1が
畝Uを移動すると、加圧ローラ3の回転に同調して保護
フィルム巻重体Rから保護フィルムHが巻出され、その
折り込み部f1が畝Uに植設された種苗Pを覆うと同時
に、左右の加圧ローラ3が保護フィルムHの両側端部、
すなわち、粘着テープnを押圧する結果、その一部外方
に突出された粘着面を介して保護フィルムHをカバーフ
ィルムCに順次貼り付ける(図5(a)参照)。
【0050】この際、畝Uに凹凸があっても、従動ロー
ラ6および加圧ローラ3でその凹凸を均しつつ加圧ロー
ラ3によって保護フィルムHをカバーフィルムCに押し
付けることから、確実に保護フィルムHを貼り付けるこ
とができる。
【0051】このように、展開機1を畝Uに配置して種
苗Pを挾みながら移動させるだけの簡単な作業で、短時
間に、かつ、確実に種苗を覆って保護フィルムHを敷設
することができ、植設された種苗Pを保護フィルムHに
よって保温すると同時に、風の被害から保護することが
可能となる。
【0052】また、種苗Pが一定大きさに成長すれば、
保護フィルムHをカバーフィルムCから引き剥がせばよ
い。この際、粘着テープnは、その一部の粘着面がカバ
ーフィルムCに貼付けされているだけであり、保護フィ
ルムHを簡単に剥がすことができる。
【0053】保護フィルムHによって種苗Pを保護して
成育した場合のたばこの収量は、保護フィルムHを使用
しないで成育した場合に比べて1割以上の増収となっ
た。
【0054】なお、この実施例では、たばこの種苗を保
護フィルムで覆う場合について説明したが、たばこの種
苗に限るものではない。さらに、展開機を牽引移動させ
ることによって保護フィルムを敷設したが、押し方向に
移動させて保護フィルムを敷設するようにしてもよい。
この場合には、保護フィルムの、加圧ローラに対する巻
回方向は逆回りとなる。
【0055】また、本実施例の展開機においては、フレ
ームの前後のそれぞれ左右に直接もしくは間接的に加圧
ローラおよび従動ローラを回転自在に軸支したものを例
示したが、畝の形状や種苗の形態などによっては、加圧
ローラおよび従動ローラに代えて略フレーム幅に形成さ
れた単一のローラをフレームに転動自在に軸支し、フレ
ームをハンドルにて持ち上げつつ移動するようにしても
よい。
【0056】本発明の保護フィルムは、巻重体として、
展開機を用いることなく畝をなぞるように差出し、粘着
剤層でカバーフィルムに貼付けるようにしてもよい。
【0057】
【発明の効果】請求項2記載の本発明の植設物の保護フ
ィルムによれば、側端部に粘着剤層が設けられているこ
とにより、成長する種苗に抵抗を与えることなく種苗を
保護することができると同時に、カバーフィルムに容易
確実に貼付けることができる。
【0058】請求項2記載の本発明植設物の保護フィル
ムによれば、植設された種苗が成長すると折り込み部が
部分的に持ち上げられ、種苗の成長を阻害することはな
い。
【0059】請求項3記載の本発明植設物の保護フィル
ムによれば、ある程度成育した時点でミシン目に沿って
フィルム本体を切断することによりカバーフィルムから
容易に除去することができ、除去する際にカバーフィル
ムを損傷することはない。
【0060】請求項4記載の本発明植設物の保護フィル
ムによれば、植設された種苗がある程度成育した時点で
筋状の凹窪部に沿ってフィルム本体を切断することによ
りカバーフィルムから容易に除去することができる。
【0061】請求項5記載の本発明の植設物の保護フィ
ルムによれば、長手方向に裂き易く、植設された種苗が
ある程度成育した時点で任意の箇所においてフィルム本
体を切断することによりカバーフィルムから容易に除去
することができる。
【0062】請求項6記載の本発明の種苗の植設方法に
よれば、畝を覆うようにカバーフィルムを敷設し、カバ
ーフィルムに部分的に設けられた透孔を介して畝に種苗
を植設し、側端部に粘着剤層が設けられた保護フィルム
の粘着剤層により、カバーフィルムに保護フィルムを貼
付けることにより、植設された種苗は、保護フィルムに
よって保温されると同時に、風の被害から保護される結
果、順調に成育して増収を図ることが可能となる。
【0063】更に、請求項7記載の本発明の保護フィル
ムの展開機によれば、ハンドルの設けられたフレーム
と、このフレームに転動自在に軸支されたローラと、フ
レームから立設された保護フィルム巻重体の軸受部から
なり、該軸受部に嵌挿された保護フィルム巻重体が軸受
部にて回動自在になされると共に、ローラに巻回しなが
ら巻出し可能になされているので、保護フィルム巻重体
を嵌挿して移動させることにより、保護フィルムを順次
巻出すと同時に、先に畝に被せられたカバーフィルムに
保護フィルムを貼り付けることができ、簡単確実に、か
つ、短時間に保護フィルムを敷設することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明保護フィルムの一例を示す斜視図。
【図2】図1に示す本発明保護フィルムの使用状態を示
す説明図。
【図3】本発明保護フィルムの他の一例を示す斜視図。
【図4】図3に示す本発明保護フィルムの使用状態を示
す説明図。
【図5】本発明保護フィルムの更に他の一例を示す斜視
図。
【図6】本発明保護フィルムの更に他の一例を示す斜視
図。
【図7】本発明保護フィルムの更に他の一例を示す要部
拡大正面図。
【図8】本発明保護フィルムの更に他の一例を示す要部
拡大正面図。
【図9】本発明保護フィルムの更に他の一例を示す要部
拡大正面図。
【図10】本発明の展開機の一例を示す側面図。
【図11】図10に示す本発明展開機の平面図。
【図12】図10に示す本発明展開機による保護フィル
ムの敷設状態を示す斜視図。
【図13】従来の植設された種苗の成育過程を示す説明
図。
【符号の説明】
1 展開機 2 ガイドフレーム 21 軸受部 3 加圧ローラ 4 フレームブロック 6 従動ローラ 7 ハンドル R 保護フィルム巻重体 H、Ha、Hb 保護フィルム f1 折り込み部 f2 小孔 f3 ミシン目 f4 凹窪部 n 粘着テープ nb 粘着剤層 C カバーフィルム U 畝 P 種苗
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年10月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 植設物の保護フィルム、種苗の植設方
法、及び保護フィルムの展開機
【特許請求の範囲】
【請求項】 畝を覆うようにカバーフィルムを敷設
し、カバーフィルムに部分的に設けられた透孔を介して
畝に種苗を植設し、側端部に粘着剤層が設けられた保護
フィルムの粘着剤層により、カバーフィルムに保護フィ
ルムを貼付け、植設された種苗を保護することを特徴と
する種苗の植設方法。
【請求項】 ハンドルの設けられたフレームと、この
フレームに転動自在に軸支されたローラと、フレームか
ら立設された保護フィルム巻重体の軸受部からなり、該
軸受部に嵌挿された保護フィルム巻重体が軸受部にて回
動自在になされると共に、ローラに巻回しながら巻出し
可能になされていることを特徴とする保護フィルムの展
開機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、植設物の保護フィル
ム、種苗の植設方法、及び保護フィルムの展開機に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、たばこ等を栽培する際、図8
(a)(b)に示すように、部分的に透孔を設けたカバ
ーフィルムCを畝Uに被せた後、カバーフィルムCに形
成された透孔を通して種苗Pを畝Uに植設することが行
われている。このようなカバーフィルムCを畝Uに展開
被覆する装置として、実公平5−2066号公報及び同
5−2067号公報記載のものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、畝Uは
カバーフィルムCによって保温されるものの、植設され
た種苗Pは風雨にさらされることから、成育が思うよう
に進まないという問題があった。
【0004】このため、植設された種苗をさらにフィル
ムで覆って保護することも考えられるが、このような保
護フィルムの敷設は複数人の手作業で行わざるをえず、
作業能率が悪いばかりでなく、広い作付け面積に敷設す
るには多くの時間が入用となり、高齢化が進む農業従事
者に過大な労働を強いる結果となる。しかも、種苗の成
長を考慮して保護フィルムに一定の弛みをもたせたり、
畝の凹凸に追従しつつ風によって剥がれないように保護
フィルムを貼り付けなければならないなどの煩雑さを克
服する必要がある。
【0005】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたもので、その目的とするところは、このような問題
点を解消し、種苗を保護して成育することのできる種苗
などの植設物を保護する保護フィルム、種苗の植設方
法、及び保護フィルムを簡単確実に敷設することのでき
る保護フィルムの展開機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項記載の本発明の
植設物の保護フィルムは、長手方向に延伸されてなる
ィルム本体の側端部に粘着剤層が設けられているととも
に、長手方向に折り込み部が設けられていることを特徴
とするものである。
【0007】又、請求項記載の本発明の種苗の植設方
法は、畝を覆うようにカバーフィルムを敷設し、カバー
フィルムに部分的に設けられた透孔を通して畝に種苗を
植設し、側端部に粘着剤層が設けられた保護フィルムの
粘着剤層により、カバーフィルムに保護フィルムを貼付
け、植設された種苗を保護することを特徴とするもので
ある。
【0008】更に、請求項記載の本発明の保護フィル
ムの展開機は、ハンドルの設けられたフレームと、この
フレームに転動自在に軸支されたローラと、フレームか
ら立設された保護フィルム巻重体の軸受部からなり、該
軸受部に嵌挿された保護フィルム巻重体が軸受部にて回
動自在になされると共に、ローラに巻回しながら巻出し
可能になされていることを特徴とするものである。
【0009】請求項記載の本発明保護フィルムのフィ
ルム本体の材質としては、特に限定されるものではない
が、例えば、軟質塩化ビニル樹脂、ポリエチレン、ポリ
プロピレン等が使用できる。
【0014】又、請求項記載の本発明種苗の植設方法
に使用するカバーフィルムの材質としては、特に限定さ
れるものではないが、例えば、保護フィルムのフィルム
本体の材質と同様に軟質塩化ビニル樹脂、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等が使用できる。
【0015】
【作用】請求項1記載の本発明植設物の保護フィルムに
おいては、フィルム本体の側端部に粘着剤層が設けられ
ているので、粘着剤層によりカバーフィルムに容易確実
に貼付けることができるとともに、フィルム本体の長手
方向に折り込み部が設けられているので、植設された種
苗が成長すると折り込み部が持ち上げられ、種苗の成長
を阻害することがなく、しかもフィルム本体が長手方向
に延伸されているので、長手方向に裂き易く、植設され
た種苗がある程度成育した時点で任意の箇所においてフ
ィルム本体を切断することによりカバーフィルムから容
易に除去することができる
【0016】請求項記載の本発明の種苗の植設方法に
おいては、畝を覆うようにカバーフィルムを敷設し、カ
バーフィルムに部分的に設けられた透孔を通して畝に種
苗を植設し、側端部に粘着剤層が設けられた保護フィル
ムの粘着剤層により、カバーフィルムに保護フィルムを
貼付けるものであるから、カバーフィルムに保護フィル
ムを容易確実に貼付けることができ、このように保護フ
ィルムが敷設されることにより、植設された種苗は保温
されると同時に、風の被害から保護される結果、順調に
成育して増収を図ることが可能となる。
【0017】請求項記載の本発明保護フィルムの展開
機においては、展開機のフレームから立設された軸受部
に保護フィルム巻重体を嵌挿してローラに載置し、保護
フィルムをローラ回りに巻き回して引き出す。そして、
引き出した保護フィルムを植設された種苗を覆うように
位置せしめた後、展開機をハンドルを把持して移動させ
る。展開機が移動すると、ローラが回転し、保護フィル
ムを順次巻出すとともに、予め畝を覆うように敷設され
たカバーフィルムに保護フィルムをその粘着剤層を介し
て順次貼付ける。
【0018】この結果、保護フィルム巻重体を嵌挿した
展開機を移動させることにより、保護フィルムを展開機
の移動に同調して植設された種苗を覆って巻出すと同時
に、先に畝に被せられたカバーフィルムに保護フィルム
を貼付けることができ、簡単確実に種苗を覆う保護フィ
ルムを敷設することが可能となる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0020】〔実施例1=請求項1記載の本発明の実施
例〕図1は本発明保護フィルムの一例を示す斜視図であ
る。図1において、Hは保護フィルムであり、保護フィ
ルムHは、その長手方向中央に折り込み部f1を有する
とともに、その長手方向に間隔をおいて複数列の小孔f
2を形成したフィルム本体fと、このフィルム本体fの
両側端部に一部外方に突出するように貼付けられた粘着
テープnからなる。尚、フィルム本体fは厚さ15μの
ポリエチレンフィルムからなり、粘着テープnは厚さ4
0μのポリプロピレンフィルムの片面に粘着剤層を設け
たものである。
【0021】〔実施例1の作用〕次に、図1に示す本発
明保護フィルムHの作用を説明する。図2(a)に示す
ように、畝Uを覆うようにカバーフィルムCを敷設し、
カバーフィルムCに部分的に設けられた透孔C1を介し
て種苗Pを植設し、保護フィルムHの折り込み部f1が
種苗Pを覆うと共に保護フィルムHの両側端部から突出
された粘着テープnの粘着面をカバーフィルムCに押圧
することにより保護フィルムHをカバーフィルムCに容
易確実に貼付けることができる。このようにして植設さ
れた種苗Pを保護フィルムHによって保温すると同時に
風の被害から保護することができる。
【0026】種苗Pが成長すると、図2(b)に示すよ
うに、種苗Pが保護フィルムHの折り込み部f1を持ち
上げることになるが、保護フィルムHの折り込み部f1
が部分的に持ち上げられるだけであり、種苗Pに作用す
る抵抗は極めて小さく、その成長を阻害することはな
い。この際、畝Uに保護フィルムHによってトンネル状
の空間が形成される。
【0027】又、保護フィルムHに形成された小孔f2
を通して畝Uに敷設された保護フィルムHの内外が換気
されることから、保護フィルムHによって覆われた種苗
Pに高温障害が発生することはない。尚、保護フィルム
Hに形成された小孔f2は高温障害が発生する恐れのな
い場合には、これを設ける必要はない。
【0028】また、本発明の保護フィルムは図3に示す
ように、フィルム本体fがその長手方向に延伸されてい
るものであり、フィルム本体fの任意箇所において長手
方向に容易に引き裂くことができるものであり、種苗が
ある程度成長すると、フィルム本体fを任意の箇所にお
いて裂いて切断することによりカバーフィルムから容易
に除去することができるようになっている。
【0030】〔実施例=請求項1記載の本発明の他の
実施例〕図は、本発明の保護フィルムの他の一例を示
す斜視図であり、図に示す本発明の保護フィルムHb
、保護フィルムHbの両側端部の裏面に粘着剤層nb
が塗布形成されている。尚、この粘着剤層nbは、普段
は、その上に図示しない剥離紙が貼付けられることによ
り保護されている。尚、粘着剤層nbとしては両面粘着
テープが使用されていてもよい。
【0035】〔本発明保護フィルムの評価〕次に、本発
明の保護フィルムカバーフィルムに貼付けた場合のカ
バーフィルムからの除去具合を比較例と比較して観察評
価した結果を説明する。比較例として、実施例1の保護
フィルムにおいて、フィルムとして未延伸フィルムを用
い、粘着剤層を使用する代わりに接着剤を使用したもの
を使用し、この比較例の保護フィルムを接着剤によりカ
バーフィルムに接着した。上記の本発明の実施例1,2
の保護フィルムを使用してカバーフィルムに貼付けて、
保護フィルムからの除去具合を比較例の保護フィルムと
比較観察した結果、表1に示す評価を得た。
【0037】即ち、表1に示すように、保護フィルムを
カバーフィルムから除去した場合に、比較例の場合に
は、保護フィルムの端縁が直線状に切断されないし、カ
バーフィルムに部分的に孔開き損傷が見られた。これに
対し、本発明の実施例の場合には、保護フィルムの端縁
がカバーフィルムから直線状に切断されて除去され、保
護フィルムを除去した後のカバーフィルムには全く損傷
が見られなかった。
【0038】
【表1】
【0039】〔請求項記載の本発明の実施例〕図
本発明展開機の一例を示す側面図、図は図に示す本
発明展開機の平面図である。図において、1は本
発明展開機であり、この展開機1は、左右一対のガイド
フレーム2と、左右のガイドフレーム2の後部にそれぞ
れ片持ち状に支持されて回転自在に軸支された加圧ロー
ラ3と、左右のガイドフレーム2の前方を連結するフレ
ームブロック4と、このフレームブロック4の左右両端
に基部がそれぞれ揺動自在に軸支されたレバー5と、こ
れらのレバー5の先部にそれぞれ片持ち状に支持されて
回転自在に軸支された従動ローラ6と、前述のフレーム
ブロック4の中央に揺動自在に連結されたハンドル7
と、ガイドフレーム2とレバー5間に設けられたスプリ
ング装置8とから構成され、この展開機1の幅は、左右
の加圧ローラ3,3が畝Uに植設された種苗Pを挾んで
移動できる程度の大きさに形成されている。
【0040】一方、ガイドフレーム2の後部から軸受部
21が上下方向に立設されており、この軸受部21に
は、後述する保護フィルム巻重体Rを嵌挿可能なガイド
溝21aが形成されている。そして、このガイド溝21
aは、側方より見て、軸受部21の下方内側に片持ち状
に軸支された加圧ローラ3の外周縁部をガイド溝21a
を通して覗くことができる深さに形成されている。
【0041】従って、保護フィルム巻重体Rの巻芯Sを
ガイド溝21aに嵌挿すると、保護フィルム巻重体R
は、その保護フィルムHの両側端部が加圧ローラ3の円
柱面に載せられ、この後、ガイド溝21aに支持されて
回転することで保護フィルムHを順次巻出しても保護フ
ィルムHの両側端部は常に加圧ローラ3との接触状態が
維持されるものである。
【0042】又、フレームブロック4は、左右のガイド
フレーム2の前方内面に固定されたL字状のチャンネル
材9を介してガイドフレーム2に連結されている。この
結果、ガイドフレーム2とフレームブロック4により、
上方より見てコ字状のフレームが形成されている。
【0043】一方、スプリング装置8は、ガイドフレー
ム2の前方に設けられた調整ボルト81と、この調整ボ
ルト81の軸部に遊嵌されたスプリング82と、このス
プリング82をガイドフレーム2との間で挾持するナッ
ト83とからなり、調整ボルト81の下端は、レバー5
の揺動中心から前方に若干離れた位置を押圧している。
この結果、レバー5、すなわち、従動ローラ6はスプリ
ング82の付勢力によって下方に向けて付勢されてお
り、この付勢力は、ナット83を回転させることによっ
て調整することができるようになっている。
【0044】尚、レバー5の揺動を規制するため、フレ
ームブロック4にはストッパ41が設けられている。
【0045】展開機1を構成する左右のガイドフレーム
2,2の内寸は保護フィルムHの左右幅にほぼ相当する
大きさに形成されている。そして、この保護フィルムH
をその粘着テープ2の一部外方に突出された粘着面が下
面に位置するように、左右幅より大きな長さ、具体的に
は、左右のガイドフレーム2の軸受部21間に跨がる長
さを有する巻芯Sに順次巻取って保護フィルム巻重体R
が形成されている。
【0046】この結果、後述するように、展開機1の軸
受部21に嵌挿された保護フィルム巻重体Rから保護フ
ィルムHを巻出すことにより、畝Uに植設された種苗P
を折り込み部faが覆うことができ、その後、種苗Pが
成長して折り込み部f1を持ち上げることにより、畝U
に保護フィルムHの折り込み部f1によるトンネル状の
空間が形成されるものである。
【0047】〔請求項記載の本発明の実施例の作用〕
次に、展開機1を用いて畝Uに図1に示す保護フィルム
Hを敷設する場合について説明する。まず、展開機1の
ガイドフレーム2に形成されたガイド溝21aに保護フ
ィルム巻重体Rの巻芯Sを嵌挿し、保護フィルムHの両
側端部を加圧ローラ3の円柱面に載せる。そして、保護
フィルムHを加圧ローラ3の時計回りに巻回して引き出
す。
【0048】次いで、引き出された保護フィルムHをそ
の折り込み部f1が畝Uに植設された種苗Pを覆うよう
に位置させると共に、その保護フィルムHの両側端部を
加圧ローラ3が押圧するように展開機1を配置する(図
参照)。そして、保護フィルムHの一端を予め畝Uに
被せられたカバーフィルムCに粘着テープnの一部外方
に突出された粘着面を介して貼り付けた後、ハンドル7
を把持して展開機1を牽引し、畝Uに沿って移動させ
る。
【0049】ところで、加圧ローラ3が回転して畝Uを
移動すると、加圧ローラ3に載置されている保護フィル
ム巻重体Rもガイド溝21aにその巻芯Sが支持されて
加圧ローラ3の回転方向と逆方向に回転し、保護フィル
ムHを順次巻出す。この巻出された保護フィルムHは、
加圧ローラ3回りに巻回されてその両側端部がカバーフ
ィルムCに順次押し付けられる。この結果、展開機1が
畝Uを移動すると、加圧ローラ3の回転に同調して保護
フィルム巻重体Rから保護フィルムHが巻出され、その
折り込み部f1が畝Uに植設された種苗Pを覆うと同時
に、左右の加圧ローラ3が保護フィルムHの両側端部、
すなわち、粘着テープnを押圧する結果、その一部外方
に突出された粘着面を介して保護フィルムHをカバーフ
ィルムCに順次貼り付ける(図(a)参照)。
【0050】この際、畝Uに凹凸があっても、従動ロー
ラ6および加圧ローラ3でその凹凸を均しつつ加圧ロー
ラ3によって保護フィルムHをカバーフィルムCに押し
付けることから、確実に保護フィルムHを貼り付けるこ
とができる。
【0051】このように、展開機1を畝Uに配置して種
苗Pを挾みながら移動させるだけの簡単な作業で、短時
間に、かつ、確実に種苗を覆って保護フィルムHを敷設
することができ、植設された種苗Pを保護フィルムHに
よって保温すると同時に、風の被害から保護することが
可能となる。
【0052】また、種苗Pが一定大きさに成長すれば、
保護フィルムHをカバーフィルムCから引き剥がせばよ
い。この際、粘着テープnは、その一部の粘着面がカバ
ーフィルムCに貼付けされているだけであり、保護フィ
ルムHを簡単に剥がすことができる。
【0053】保護フィルムHによって種苗Pを保護して
成育した場合のたばこの収量は、保護フィルムHを使用
しないで成育した場合に比べて1割以上の増収となっ
た。
【0054】なお、この実施例では、たばこの種苗を保
護フィルムで覆う場合について説明したが、たばこの種
苗に限るものではない。さらに、展開機を牽引移動させ
ることによって保護フィルムを敷設したが、押し方向に
移動させて保護フィルムを敷設するようにしてもよい。
この場合には、保護フィルムの、加圧ローラに対する巻
回方向は逆回りとなる。
【0055】また、本実施例の展開機においては、フレ
ームの前後のそれぞれ左右に直接もしくは間接的に加圧
ローラおよび従動ローラを回転自在に軸支したものを例
示したが、畝の形状や種苗の形態などによっては、加圧
ローラおよび従動ローラに代えて略フレーム幅に形成さ
れた単一のローラをフレームに転動自在に軸支し、フレ
ームをハンドルにて持ち上げつつ移動するようにしても
よい。
【0056】本発明の保護フィルムは、巻重体として、
展開機を用いることなく畝をなぞるように差出し、粘着
剤層でカバーフィルムに貼付けるようにしてもよい。
【0057】
【発明の効果】請求項1記載の本発明の植設物の保護フ
ィルムによれば、側端部に粘着剤層が設けられているこ
とにより、カバーフィルムに容易確実に貼付けることが
でき、植設された種苗が成長すると折り込み部が部分的
に持ち上げられ、種苗の成長を阻害することはない。ま
た、長手方向に延伸されているため長手方向に裂き易
く、植設された種苗がある程度成育した時点で任意の箇
所においてフィルム本体を切断することによりカバーフ
ィルムから容易に除去することができる。
【0062】請求項記載の本発明の種苗の植設方法に
よれば、畝を覆うようにカバーフィルムを敷設し、カバ
ーフィルムに部分的に設けられた透孔を介して畝に種苗
を植設し、側端部に粘着剤層が設けられた保護フィルム
の粘着剤層により、カバーフィルムに保護フィルムを貼
付けることにより、植設された種苗は、保護フィルムに
よって保温されると同時に、風の被害から保護される結
果、順調に成育して増収を図ることが可能となる。
【0063】更に、請求項記載の本発明の保護フィル
ムの展開機によれば、ハンドルの設けられたフレーム
と、このフレームに転動自在に軸支されたローラと、フ
レームから立設された保護フィルム巻重体の軸受部から
なり、該軸受部に嵌挿された保護フィルム巻重体が軸受
部にて回動自在になされると共に、ローラに巻回しなが
ら巻出し可能になされているので、保護フィルム巻重体
を嵌挿して移動させることにより、保護フィルムを順次
巻出すと同時に、先に畝に被せられたカバーフィルムに
保護フィルムを貼り付けることができ、簡単確実に、か
つ、短時間に保護フィルムを敷設することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明保護フィルムの一例を示す斜視図。
【図2】図1に示す本発明保護フィルムの使用状態を示
す説明図。
【図3】本発明保護フィルムを長手方向に引き裂く状態
を示す説明図。
【図4】本発明保護フィルムの他の一例を示す斜視図。
【図5】本発明の展開機の一例を示す側面図。
【図6】図5に示す本発明展開機の平面図。
【図7】図5に示す本発明展開機による保護フィルムの
敷設状態を示す斜視図。
【図8】従来の植設された種苗の成育過程を示す説明
図。
【符号の説明】 1 展開機 2 ガイドフレーム 21 軸受部 3 加圧ローラ 4 フレームブロック 6 従動ローラ 7 ハンドル R 保護フィルム巻重体 H、Hb、Hf 保護フィルム f1 折り込み部f2 小孔 n 粘着テープ nb 粘着剤層 C カバーフィルム U 畝 P 種苗
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルム本体の側端部に粘着剤層が設け
    られていることを特徴とする植設物の保護フィルム。
  2. 【請求項2】 フィルム本体の長手方向に折り込み部が
    設けられていることを特徴とする請求項1記載の植設物
    の保護フィルム。
  3. 【請求項3】 フィルム本体の粘着剤層が設けられた側
    端部とフィルム本体との境界部付近に沿ってミシン目が
    設けられていることを特徴とする請求項1記載の植設物
    の保護フィルム。
  4. 【請求項4】 フィルム本体の粘着剤層が設けられた側
    端部とフィルム本体との境界部付近に沿って筋状の凹窪
    部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の植
    設物の保護フィルム。
  5. 【請求項5】 フィルム本体が長手方向に延伸されてい
    ることを特徴とする請求項1記載の植設物の保護フィル
    ム。
  6. 【請求項6】 畝を覆うようにカバーフィルムを敷設
    し、カバーフィルムに部分的に設けられた透孔を介して
    畝に種苗を植設し、側端部に粘着剤層が設けられた保護
    フィルムの粘着剤層により、カバーフィルムに保護フィ
    ルムを貼付け、植設された種苗を保護することを特徴と
    する種苗の植設方法。
  7. 【請求項7】 ハンドルの設けられたフレームと、この
    フレームに転動自在に軸支されたローラと、フレームか
    ら立設された保護フィルム巻重体の軸受部からなり、該
    軸受部に嵌挿された保護フィルム巻重体が軸受部にて回
    動自在になされると共に、ローラに巻回しながら巻出し
    可能になされていることを特徴とする保護フィルムの展
    開機。
JP27030193A 1993-03-04 1993-10-28 植設物の保護フィルム、種苗の植設方法、及び保護フィルムの展開機 Pending JPH07111834A (ja)

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