JPH07111251A - 不純物の活性化方法 - Google Patents

不純物の活性化方法

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JPH07111251A
JPH07111251A JP5254134A JP25413493A JPH07111251A JP H07111251 A JPH07111251 A JP H07111251A JP 5254134 A JP5254134 A JP 5254134A JP 25413493 A JP25413493 A JP 25413493A JP H07111251 A JPH07111251 A JP H07111251A
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ion
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裕治 長谷部
Akira Kato
彰 加藤
Mitsutaka Katada
満孝 堅田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 半導体基板中の注入不純物を活性化する方法
において、その分布形状変化を低く抑えることができ、
半導体基板全体を高温化することなく不純物の活性化を
実現をする方法を提供することを目的としている。 【構成】 第一のイオンビームを用いたイオン注入法等
により半導体基板に不純物を注入し、その半導体基板内
の不純物の活性化を行う方法において、半導体基板にチ
ャネリングが生じない角度で第二のイオンビームを照射
する。この時半導体基板中において、不純物イオン33
の形成する衝突カスケード34の近傍に、活性化用イオ
ン31の形成する衝突カスケード32が形成される。こ
のカスケード32から不純物の形成するカスケード34
へ熱流35が伝わることによりカスケード34内の降温
速度を低下させることができる。これにより、半導体基
板内の不純物を活性化することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体基板中の不純物分
布形状の変化をほとんど伴わずに活性化させる、不純物
の活性化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】不純物をイオン注入法で半導体基板中に
注入後、その不純物の活性化を行う方法の従来技術とし
ては電気炉アニール法や短時間アニール法(ランプアニ
ールやビームアニールなど)が用いられている(例えば
電気学会誌昭和57年8月号p.31)。電気炉アニー
ルの場合一般に不純物を注入した半導体基板を900度
以上の高温で分オーダの時間にわたり加熱することによ
り不純物を拡散させ、これにより活性化を行う。
【0003】しかし電気炉アニールの場合一般に不純物
を注入した半導体基板を900度以上の高温で分オーダ
の時間にわたり加熱するため、不純物が拡散し、その分
布形状はイオン注入直後のものと比べると大きく変わっ
てしまう。そのため例えば超高集積回路(ULSI)の
更なる高集積化を目指したデザインルールの縮小化に伴
うMOS型トランジスタのソース・ドレインの極浅接合
化(接合深さ<0.1μm)傾向には対処することが困
難となる。不純物分布の変化を抑えようとするには温度
を下げるかアニール時間を短縮する必要があるが、温度
を下げると活性化する割合が低下してしまうという問題
がある。
【0004】この問題を解決する方法として、温度を下
げずにアニール時間を短縮することを目指した、Xeラ
ンプ等の光を利用する短時間アニール方法がある。この
方法はイオン注入後に行う方法だが、イオン注入時に形
成された格子欠陥を介した初期増速拡散により拡散によ
る分布変化を避けることは基本的に不可能であり、また
急速な半導体基板温度の上昇と下降のために熱応力が生
じ、格子欠陥が形成されリーク電流等が生じ本来の性能
が発揮されないこともある。そこで短時間アニール方法
において電気発生的な熱や光を利用するかわりにレーザ
・電子・イオンを半導体基板に照射し、それを熱源とす
る試みが行われている。この活性化の原理は従来の電気
炉アニールと同様、半導体構成原子や不純物原子の拡散
と化学結合の形成である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし短時間アニール
方法においては、照射時間(すなわちアニール時間)が
数ミリ秒と短いため(一般にビームアニールの場合、ビ
ームの走査速度1〜50cm/s)、不純物原子の拡散
による分布変化が少なく、また熱勾配による歪の発生を
できるだけ抑えるために基板を通常300〜400℃に
保つため単位時間あたりの処理数が低く、実用には不向
きであるという問題点がある。
【0006】本発明は上記問題点に鑑みたものであり、
イオンビームを単なる熱源としてとらえるのではなく、
イオンビーム固有の固体との相互作用(弾性衝突過程お
よび非弾性衝突過程)を有効利用することにより半導体
基板中の注入不純物をその分布形状変化を低く抑えるこ
とができ、半導体基板全体を高温化することなく不純物
の活性化を実現をする方法を提供することを目的として
いる。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に構成させた第一発明の不純物の活性化方法は、第一の
イオンビームを用いたイオン注入法等により半導体基板
に不純物を注入し、その半導体基板内の不純物の活性化
を行う方法において、前記半導体基板にチャネリングが
生じない角度で別の第二のイオンビームを照射し、前記
半導体基板中において前記不純物を前記第二のイオンビ
ームのイオンと弾性衝突させて衝突カスケードを形成
し、局所的な温度上昇を生じさせ、その緩和過程で生じ
る熱の拡散を利用して半導体構成原子や不純物原子を再
配列することを特徴としている。
【0008】また上記目的を達成するために構成された
第二発明の不純物の活性化方法は、第一のイオンビーム
を用いたイオン注入法等により半導体基板に不純物を注
入し、その半導体基板内の不純物の活性化を行う方法に
おいて、前記半導体基板にチャネリングが生じる角度で
別の第三のイオンビームを照射し、前記半導体基板中に
おいて前記不純物を前記第三のイオンビームのイオンと
非弾性衝突させて電子を励起し、生じたエネルギーを利
用して、結合が切断されている半導体構成原子同士の間
および半導体構成原子と不純物原子の間の化学結合の結
合化を推進させることを特徴としている。
【0009】また上記目的を達成するために構成された
第三発明の不純物の活性化方法は、第一のイオンビーム
を用いたイオン注入法等により半導体基板に不純物を注
入し、その半導体基板内の不純物の活性化を行う方法に
おいて、半導体基板に注入すべき不純物原子と、前記半
導体基板内の不純物を活性化するイオンビームのイオン
となるべき原子を組み合わせた第四のイオンビームでイ
オン注入を行うことを特徴としている。
【0010】
【作用】請求項1記載の発明によれば、第一のイオンビ
ームにより半導体基板に不純物を注入する際、半導体基
板にチャネリングが生じない角度で別の第二のイオンビ
ームを照射することにより、半導体基板中において不純
物を第二のイオンビームのイオンと弾性衝突させる。こ
の時、不純物が作る衝突カスケードの近傍にイオンが作
る衝突カスケードが形成される。このイオンによる衝突
カスケードから不純物による衝突カスケードへの熱寄与
により、不純物による衝突カスケードの急冷却過程が緩
和され、降温速度が低下する。さらにイオンによる衝突
カスケードは別のイオンが形成する衝突カスケードから
の熱を受け、それ自身の降温速度も低下する。この過程
を順次連続的に起こすことにより非晶質化が防止でき、
半導体基板内の不純物を活性化する。
【0011】請求項2記載の発明によれば、第一のイオ
ンビームにより半導体基板に不純物を注入する際、半導
体基板にチャネリングが生じる角度で別の第三のイオン
ビームを照射することにより、半導体基板中において不
純物を第三のイオンビームのイオンと非弾性衝突させて
電子を励起させる。この時生じたエネルギーにより、結
合が切断されている半導体構成原子同士の間、もしくは
半導体構成原子と不純物原子の間の化学結合の結合化を
推進させ、半導体基板内の不純物を活性化する。
【0012】請求項4記載の発明によれば、半導体基板
に注入すべき不純物と、半導体基板内の不純物を活性化
するイオンビームのイオンとなるべき原子を組み合わせ
た第四のイオンビームでイオン注入を行う。この第四の
イオンビームをチャネリングが生じない角度で照射すれ
ば、半導体基板内で不純物による衝突カスケードと近い
位置でイオンによる衝突カスケードが生じる。これによ
り、イオンによる衝突カスケードから不純物による衝突
カスケードへの熱寄与が起こり、不純物による衝突カス
ケードの急冷却過程が緩和され、降温速度が低下する。
また第四のイオンビームをチャネリングが生じる角度で
照射すれば、半導体基板内で不純物とイオンの非弾性衝
突が起こり、電子が励起される。この時生じたエネルギ
ーにより、結合が切断されている半導体構成原子同士の
間、もしくは半導体構成原子と不純物原子の間の化学結
合の結合化を推進させ半導体基板内の不純物を活性化す
る。
【0013】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、第一のイ
オンビームにより半導体基板に不純物を注入し、その不
純物を活性化する際、半導体基板にチャネリングが生じ
ない角度で別の第二のイオンビームを照射することによ
り、不純物による衝突カスケードの急冷却過程が緩和さ
れ、降温速度が低下する。これにより低温においても半
導体基板内の原子を移動させることができる。つまり半
導体基板の温度を上げることなく非晶質化が防止でき、
半導体基板内の不純物を活性化することができる。
【0014】請求項2記載の発明によれば、第一のイオ
ンビームにより半導体基板に不純物を注入し、その不純
物を活性化する際、半導体基板にチャネリングが生じる
角度で別の第三のイオンビームを照射することにより、
電子を励起し、そのエネルギーにより半導体構成原子同
士の間や半導体構成原子と不純物原子の間の化学結合の
結合化を推進させる。これにより半導体基板の温度を上
げることなく非晶質化が防止でき、半導体基板内の不純
物を活性化することができる。
【0015】請求項4記載の発明によれば、半導体基板
に注入すべき不純物と、半導体基板内の不純物を活性化
するイオンビームのイオンとなるべき原子を組み合わせ
た第四のイオンビームでイオン注入を行う。この場合一
つの加速器でイオン注入できるため、半導体基板の温度
を上げずに半導体基板内の不純物を活性化することがで
きるだけでなく、工数も減らすことができる。
【0016】
【実施例】
(第1実施例)以下、この発明を具体化するための装置
例およびその実施方法および実施結果についてそれぞれ
図面に従って説明する。図1は本発明を具体化する第1
実施例における装置配置例である。この図において、基
板保持用の真空槽11の内部に基板支持用の基板ホルダ
14が設置されている。この基板ホルダ14は単一の基
板を支持しても良いし、複数の基板を一度に支持しても
良い。この基板ホルダの性能として不可欠であるのはイ
オンビームに対する基板の相対位置を微調整することで
あるので、本実施例では図2に示すように、3軸方向の
平行移動機構および2角度の回転移動機構となってい
る。また基板支持用真空槽11の内部を真空にするため
の真空排気系112を設置する。この基板保持用真空槽
11に対し不純物イオンビームを注入するための設備は
以下の装置から成る。すなわち不純物イオンビーム発生
用のイオン注入装置12およびビームを基板支持用真空
槽11に導くためのビームライン15およびこれらの真
空度を維持するための真空排気系110である。また基
板保持用真空槽11に対し活性化用イオンビームを注入
するための設備は上記不純物イオンビームを注入するた
めの装置とほぼ同一の構成から成り、活性化用イオン発
生用のイオン注入装置13およびビームを基板支持用真
空槽11に導くためのビームライン16およびこれらの
真空度を維持するための真空排気系111で構成されて
いる。
【0017】以上のような構成の装置において、まず基
板ホルダ14にたとえば単結晶シリコン基板を取り付け
基板支持用真空槽11に設置する。次に基板支持用真空
槽11の内部を真空排気系112を用いて真空にする。
次にイオン注入装置12、13およびビームライン1
5、16の内部をそれぞれ真空排気系110、111を
用いて真空にする。そしてイオン注入装置12を用いて
不純物イオン18(例えばP+ イオン)を発生させ、加
速し(例えば80keV)ビームライン15を通じて基
板支持真空槽11に導きn型シリコン(100)基板に
注入する。なおこの時の基板に対するイオンビームの入
射角度は必要に応じて設定する必要がある。たとえばで
きるだけ注入深さを浅くしたい場合には方位角をオリエ
ンテーションフラット部を基板ホルダ鉛直下方に対して
22度程度回転させ入射極角を10度以上にすることが
必要である。また逆に注入深さを深くしたい場合には入
射イオンのエネルギーを増大させたり、チャネリングの
生じる角度条件で注入する等の必要がある。この場合に
は注入角度をより精度良く設定する必要があるため、イ
オンビームを用いたRBSチャネリング法を用いて、チ
ャネリング角度を見つけると良い。これは不純物注入用
の同一のイオン注入装置から発生させた水素イオンやヘ
リウムイオンなどの軽イオンを基板に照射し後方散乱し
てきたイオンを検出器17(たとえば半導体検出器な
ど)を用いて測定し、チャネリング条件では後方散乱イ
オンの収率が最小になることを利用してチャネリング角
度条件を見い出す方法である。実際の角度条件を見い出
す際には通常利用されない基板の端部に軽イオンビーム
を照射して行なうことになる。
【0018】次に先にイオン注入した不純物原子を活性
化するためのイオンビーム照射を行なう。イオン注入装
置12または13を用いて活性化用イオン19(たとえ
ば水素イオンやヘリウムイオンなど)を発生させ加速
し、ビームライン16を通じて基板支持真空槽11に導
きイオン注入したシリコン基板にチャネリングが生じな
い角度条件で注入する。
【0019】本実施例ではシリコン基板中の注入不純物
原子を活性化する方法において、イオンビームとシリコ
ンとの相互作用、すなわちイオンとシリコン原子もしく
は不純物原子の原子核との衝突の前後における全粒子の
エネルギーおよび運動量の保存が成立するいわゆる『弾
性衝突過程』によるはじき出し原子の形成やこれが形成
するねずみ算式のはじき出し原子の形成(衝突カスケー
ド)を利用している。
【0020】弾性衝突過程を積極的に利用することは、
入射イオンにより局所的に形成された原子の衝突カスケ
ードを利用することに相当する。衝突カスケードにおい
てはじき出された原子は元々の原子位置から外れ運動を
開始する。この時のエネルギーは温度に換算すると非常
に高温になる。例えば1eVで運動している場合には約
1万度に相当する。このようなはじき出し原子の数は、
入射イオンと標的となる半導体構成原子の組み合わせに
もよるが数百から数千個程度にのぼる。このような多数
の原子の超高温状態は一種の局所溶融状態に相当する。
この高温状態は非常に短時間しか維持されずその後超高
速急冷過程に入る。急冷に必要とする時間は10-12
以下と言われている。従来はこの超高速急冷過程はなん
らの制御もなされていなかったために冷却後は非晶質化
し易い状況にあった。そのためイオン注入後、不純物の
活性化には熱処理が不可欠であった。このような大きな
降温速度に起因する非晶質化を防ぐことが活性化のため
の必要条件である。すなわち急冷過程の降温速度を低減
することが必要である。本実施例では急冷過程を図3に
示すように制御する。すなわち不純物イオン33が形成
する衝突カスケード34の近傍に別の活性化用イオン3
1が形成する衝突カスケード32を形成し、このカスケ
ード領域32から不純物が形成するカスケード領域34
への熱流35に起因する熱付与によりカスケード領域3
4内における降温速度を低下させる。この時のカスケー
ド34内の温度変化を図4に示す。カスケード32から
の熱流による温度変化分が重なって降温速度が低下して
いる。また衝突カスケード32は別のイオンが形成する
衝突カスケードからの熱の供給を受け、それ自身の降温
速度も低下する。この過程が順次連続的に起これば非晶
質化が防止でき、活性化を実現することができる。
【0021】以上詳述したように、本発明ではイオン注
入した不純物原子を活性化する際、半導体基板全体の温
度を高温にすることが不要となるため、不純物の再分布
を伴うことなく活性化することが可能となりたとえば高
性能の微細電子デバイスを作ることが可能になる。 (第2実施例)実施例1においては活性化用のイオンビ
ームをチャネリングが生じない角度条件で注入したが、
活性化効率をより向上させるためには活性化用イオンビ
ームをチャネリング条件で注入することが好ましい。そ
の場合、実施例1で述べたRBSチャネリング法などの
手法を用いて活性化用イオンの基板に対する入射角度を
精度良く設定することが必要である。またRBSチャネ
リング法以外にもX線回折現象を利用しても良い。この
方法では、単色のX線を単結晶シリコン基板に入射させ
ると特定の回折条件、すなわち角度条件のみで回折が生
じるためビーム軌道に平行にX線をシリコン基板に入射
させ、回折が生じる回折角度にX線検出器を置いておけ
ばチャネリングが生じる角度条件を見い出すことができ
る。
【0022】本実施例ではシリコン基板中の注入不純物
原子を活性化する方法において、イオンが半導体構成原
子もしくは不純物原子の電子と衝突してエネルギーを付
与することにより基底状態から励起状態に電子を励起す
るいわゆる『非弾性衝突過程』を利用する。非弾性衝突
過程を積極的に利用することは、入射イオンによる半導
体構成原子もしくは注入不純物原子の電子励起を利用す
ることに相当する。概念を図5に示す。この過程では活
性化に必要なエネルギーを半導体構成原子51と注入不
純物原子52のダングリングボンド53に付与し、両者
の間に化学結合を形成することになる。しかし同時に化
学結合の切断も生じ得るためこれらの競合過程となる。
化学結合の形成を優先的に実現するためには電子へのエ
ネルギー付与量を適度なレベルに抑えることが必要であ
る。そのためにはイオンのチャネリング現象を利用する
ことが有効と考えられる。イオンがチャネリング状態に
ある場合、イオンは結晶中の電子密度の少ない領域を進
行していくため、その電子励起過程で付与されるエネル
ギー量は非チャネリング状態に比べ少なくなる(約1/
2)。またチャネリング条件を利用すれば、イオンが半
導体構成原子または注入不純物原子の原子核に変位を生
じさせることができるような大きな弾性衝突エネルギー
を付与する確率が低くなるため、活性化用イオン自身が
形成するはじき出し原子の数を低く抑えることができる
ことになり、活性化率向上に好ましいという利点もあ
る。
【0023】従って半導体基板内の不純物の活性化を行
う際、同時に半導体基板にチャネリングが生じる角度で
別のイオンビームを照射することにより、半導体基板中
において不純物をイオンビームのイオンと非弾性衝突さ
せて電子を励起させる。この時生じたエネルギーによ
り、結合が切断されている半導体構成原子同士の間、も
しくは半導体構成原子と不純物原子の間の化学結合の結
合化を推進させる。これにより半導体基板の温度を上げ
ることなく非晶質化が防止でき、半導体基板内の不純物
を活性化することができる。
【0024】(第3実施例)図6は水素イオンビームを
用いた活性化の具体的な実施例を示す図で、各処理工程
後に行なったSR分析結果であり抵抗値の深さ分布を示
している。縦軸はSR抵抗値の対数、横軸は表面からの
深さである。なお用いたシリコン基板はn型の(10
0)面方位であり抵抗率は3〜5Ω・cmである。実線
1は80keV,P+ イオンをドーズ量=5×1013
-2で注入した試料のSR分析結果である。P+ 注入に
より表面から深さ0.7μmに渡り格子欠陥形成に起因
する抵抗値の増大が観測される。この試料に30ke
V,H+ イオンをドーズ量=1×1015cm-2注入した
試料のSR分析結果が実線2である。注入したP原子の
一部が活性化した結果として、Pの注入領域である表面
から深さ0.4μm以内の領域において、シリコン基板
の持つSR抵抗値(表面から深さ0.6μmよりも深い
領域のSR抵抗値)に比べ低くなっているのがわかる。
この結果から、不純物としてP+ イオン、活性化イオン
としてH+ イオンをイオン注入した場合、シリコンを高
温にすることなく活性化が行われていることが分かる。
【0025】以上P原子を水素イオンを用いて活性化す
る場合について述べてきたが、それ以外の種類のイオン
ビーム(不活性イオンビームやシリコンイオンビームや
ゲルマニウムイオンビームなど)を用いて活性化を行な
うこともできる。なおB原子を活性化する際には活性化
用のイオンビームとして水素イオンを用いるのは不適当
である。それは水素原子自身の存在がB原子の活性化を
妨げる効果があるためである。従ってB原子を活性化す
るためにはヘリウムイオン等の不活性イオンもしくはシ
リコンイオンやゲルマニウムイオン等を用いることが必
要となってくる。また、不純物イオンとしてはボロン、
燐、砒素等を用い、活性化用のイオン種は水素イオンの
他、ヘリウムイオンなどの不活性原子イオンやシリコン
イオンやゲルマニウムイオンなどを用いても良い。
【0026】以上の実施例では、注入不純物原子を活性
化するためのイオンビームを不純物を注入するイオンビ
ームと別々に照射しているが、注入不純物原子を活性化
するためのイオンビームは必ずしも不純物を注入するイ
オンビームと別々に照射しなくても良く、同時に照射し
ても良い。また、活性化するイオンビームをチャネリン
グが生じる角度と生じない角度の二箇所から同時に照射
しても良い。そして不純物原子と活性化用のイオンとな
るべき原子とからなる分子イオンとして注入しても良
い。この場合不純物原子の固体中の軌跡が活性化用のイ
オンの軌跡と比較的近くなり、活性化の効率が増大する
ことが期待される。
【0027】さらに活性化の際、弾性衝突断面積が非弾
性衝突断面積に比べ大きいイオンと、逆に非弾性衝突断
面積が弾性衝突断面積に比べ大きいイオンとを同時に照
射すると、両衝突過程によるエネルギー付与量を個別に
適切に設定することができるようになり、きめの細かい
活性化条件の調整が可能となる。またそれぞれのイオン
は一種類とは限らず複数種であっても良い。以上のよう
に本発明は、実施例に記載された構成に限られたもので
はなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば、装
置、不純物、イオン等の構成を任意に変更して実施でき
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例におけるイオン注入装置の
配置を示す図である。
【図2】図1に示した装置において、イオンビームに対
する基板の微調整の方法を示す図である。
【図3】本発明の第1実施例における急冷過程の制御を
示す図である。
【図4】(a)イオン注入時に活性化ビームがある場合
の衝突カスケード内の温度変化を示す図である。 (b)イオン注入時に活性化ビームがない場合の衝突カ
スケード内の温度変化を示す図である。
【図5】本発明の第2実施例におけるイオンビームの電
子励起効果を示す図である。
【図6】本発明の第3実施例における活性化を示す図で
ある。
【符号の説明】
11 基板保持用真空槽 12 不純物イオンビーム発生用イオン注入装置 13 活性化用イオンビーム発生用イオン注入装置 14 基板ホルダ 15 不純物イオン用ビームライン 16 活性化イオン用ビームライン 17 イオン検出器 18 不純物イオンビーム 19 活性化用イオンビーム 21 基板ホルダ 22 平行移動軸 23 平行移動軸 24 平行移動軸 25 回転軸 26 回転軸 31 活性化用イオン 32 活性化用イオンが形成する衝突カスケード 33 不純物イオン 34 不純物イオンが形成する衝突カスケード 35 熱流 51 半導体構成原子 52 不純物原子 53 ダングリングボンド 54 イオン 110 真空排気系 111 真空排気系 112 真空排気系
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 U

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一のイオンビームを用いたイオン注入
    法等により半導体基板に不純物を注入し、その半導体基
    板内の不純物の活性化を行う方法において、前記半導体
    基板にチャネリングが生じない角度で別の第二のイオン
    ビームを照射し、前記半導体基板中において前記不純物
    を前記第二のイオンビームのイオンと弾性衝突させて衝
    突カスケードを形成し、局所的な温度上昇を生じさせ、
    その緩和過程で生じる熱の拡散を利用して半導体構成原
    子や不純物原子を再配列することを特徴とする不純物の
    活性化方法。
  2. 【請求項2】 第一のイオンビームを用いたイオン注入
    法等により半導体基板に不純物を注入し、その半導体基
    板内の不純物の活性化を行う方法において、前記半導体
    基板にチャネリングが生じる角度で別の第三のイオンビ
    ームを照射し、前記半導体基板中において前記不純物を
    前記第三のイオンビームのイオンと主に非弾性衝突させ
    て電子を励起し、生じたエネルギーを利用して、結合が
    切断されている半導体構成原子同士の間および半導体構
    成原子と不純物原子の間の化学結合の結合化を推進させ
    ることを特徴とする不純物の活性化方法。
  3. 【請求項3】 前記第三のイオンビームを前記第二のイ
    オンビームと同時に照射することを特徴とする請求項1
    記載の不純物の活性化方法。
  4. 【請求項4】 第一のイオンビームを用いたイオン注入
    法等により半導体基板に不純物を注入し、その半導体基
    板内の不純物の活性化を行う方法において、半導体基板
    に注入すべき不純物原子と、前記半導体基板内の不純物
    を活性化するイオンビームのイオンとなるべき原子を組
    み合わせた第四のイオンビームでイオン注入を行うこと
    を特徴とする不純物の活性化方法。
  5. 【請求項5】 前記第四のイオンビームを、前記半導体
    基板にチャネリングが生じる角度で照射することを特徴
    とする請求項4記載の不純物の活性化方法。
  6. 【請求項6】 前記第四のイオンビームを、前記半導体
    基板にチャネリングが生じない角度で照射することを特
    徴とする請求項4記載の不純物の活性化方法。
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