JP2522217B2 - イオン注入により生じたシリコン結晶欠陥の抑制方法 - Google Patents

イオン注入により生じたシリコン結晶欠陥の抑制方法

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JP2522217B2
JP2522217B2 JP2407878A JP40787890A JP2522217B2 JP 2522217 B2 JP2522217 B2 JP 2522217B2 JP 2407878 A JP2407878 A JP 2407878A JP 40787890 A JP40787890 A JP 40787890A JP 2522217 B2 JP2522217 B2 JP 2522217B2
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ion implantation
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は半導体装置の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】 イオン注入エネルギは従来では200
keV以下であるが、近年200keVを超える高エネルギ
イオン注入が新デバイス構造を作製する手段として注目
されている。しかし、200keV以下のエネルギでは発
生しなかった高エネルギのイオン注入に伴う1μm以上
の深層部の結晶欠陥は、実デバイスに適用する際に大き
な障害となりつつある。たとえば、B+を加速すること
により1.0MeVの高エネルギにし、ドーズ量2×10
14個/cm2 をシリコン基板に注入し、その後、900
℃で20分の熱処理を行う。この場合の結晶欠陥の発生
状態の断面透過型電子顕微鏡(TEM)写真を図3に示
す。この場合のB+ の注入深さは1.8μmであり、そ
の付近に線状およびループ状の結晶欠陥が多数発生して
いる。
【0003】そこで、この障害の対策として、種々の方
法が試みられている。その中でW.X.Luらの方法
(Appl.Phys.Lett.55(18)1838 〜1840) は、B+ を加速
することにより1.0MeVの高エネルギにし、ドーズ量
2×1014個/cm2 をシリコン基板に注入し、その
後、Si+ を加速することにより140keVのエネルギ
にし、ドーズ量1×1013個/cm2 を注入し、その
後、900℃で20分の熱処理を行うものである。この
場合の結晶欠陥の発生状態のTEMの写真を図4に示
す。この場合、B+ の注入時にはその注入深さ1.8μ
mの付近に線状およびループ状の結晶欠陥が発生する
が、次工程のSi+ の注入および続く熱処理の過程で、
その深層部の結晶欠陥がSi+ 注入による表面の結晶欠
陥に吸い込まれる結果、1.8μmの付近での結晶欠陥
はかなり抑制される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 ところが、W.X.
Luらの方法では、図4から明らかなように表面付近に
おいて結晶欠陥が発生している。すなわち、この方法で
は、深層部における結晶欠陥は抑制されるものの、表面
層にSi+の注入による結晶欠陥が残留してしまうとい
う問題がある。ここで、結晶欠陥がシリコン基板表面近
傍に発生することは、リーク電流の増大等をもたらし、
デバイス特性上きわめて有害である。
【0005】本発明の目的は、高エネルギ注入に伴う深
層部の結晶欠陥を抑制し、しかもデバイス構造上重要な
表面層にはほとんど結晶欠陥を生じないような結晶欠陥
の抑制する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】 本発明のイオン注入に
より生じたシリコン結晶欠陥の抑制方法は、不純物元素
をイオン化した後、加速して200keVを超える高エネ
ルギにしてシリコン基板上に注入し、その後シリコンイ
オンを上記不純物元素イオンの注入深さより深くなるエ
ネルギにして上記シリコン基板に注入した後、その基板
に熱処理を施すことによって特徴付けられる。
【0007】
【作用】 不純物イオンを加速して200keVを超える
高エネルギにして半導体基板上に注入することにより所
定の深層部に生じた結晶欠陥は、その後シリコンイオン
を上記不純物元素イオンの注入深さより深くなるエネル
ギにして注入することにより、上記の結晶欠陥深さより
も深層部に至らせ、その状態で熱処理を施すことによ
り、当初の結晶欠陥深さよりも深いSi+ による欠陥に
吸い込まれることで、W.X.Luらの方法と同様に結
晶欠陥は抑制される。しかも基板表面層には注入イオン
が存在しないので、結晶欠陥は生じない。なお、打ち込
まれたシリコンイオンは熱処理を行うことによりまった
く同質であるシリコン基板の格子位置を占めることが予
想され、デバイス特性に悪影響を及ぼすことはない。
【0008】
【実施例】 図1に本発明実施例を実施するために用い
る高エネルギイオン注入装置の全体構成図を示す。本装
置はイオンを発生させる入射部1、イオンを加速させる
加速部2、およびイオンを注入を行う照射部の3つの部
分から構成される。入射部1は、イオン注入に用いるイ
オンを発生させ、RFQ加速器に適合するエネルギおよ
びビーム形状にイオンビームを調整してRFQ加速器に
供給する機能をもつ。イオン源1aにおいては原料ガス
をプラズマ化し、イオンを発生させる。イオン源1aと
しては、デュオピガトロン形イオン源を採用しており、
原子イオンが高い生成比で得られている。この他、入射
部はビームの位置方向を修正するためのステアリング電
極、ビーム電流値を計測したりビームを遮断するための
スリット等から構成されている。入射部1と加速部2の
間に分析マグネット4aが設けられ、分析マグネット4
aでは目的とする質量数をもつイオンのみをRFQ加速
器に入射させるための質量分離が行われる。
【0009】加速部2はRFQ加速器、高周波電力をR
FQ加速器に供給する電源およびRFQ加速器の電場を
コントロールする制御システム等から構成されている。
加速部2を出射したイオンビームは、分析マグネット4
bにより中性ビーム等を除かれ、かつ再びエネルギ分析
されて、照射部3に設けられたエンドステーションに導
かれる。エンドステーションはウェハ5に注入を行うウ
ェハ処理室、ウェハハンドリングを行うウェハ搬送機
室、およびウェハカセットを格納するロードロック室等
から構成されている。なおイオンビームの走査方式は、
メカニカルスキャン方式、すなわち回転ディスク6上に
複数のウェハ5を装着し、その回転ディスク6を高速回
転および並進駆動させるものである。
【0010】本発明実施例では、以上述べた構成よりな
る高エネルギイオン注入装置が使用される。まず、イオ
ン源1aにおいて、本発明に使用するB+の生成を行
う。B+ の生成にはBF3 ガスを用いるため、B+ の原
子イオンの他、BF+ ,BF2 + 等の分子イオンも発生
する。したがって、分析マグネット4aにより質量分離
を行うことにより、B+ を抽出する。
【0011】次に、加速部2に配置されたRFQ加速器
により、B+ を加速することにより1.0MeVの高エネ
ルギにし、照射部3に導く。次に、照射部3に導かれた
+ はドーズ量2×1014個/cm2 でウェハ5に注入
される。このB+ 注入の深さは、およそ1.8μmであ
る。その後、上述した装置を使用して、B+ が注入され
たウェハ5に対し、Si+ の注入を行う。すなわち、S
+ を加速することにより2.58MeVのエネルギに
し、ドーズ量1×1013個/cm2 を注入する。このS
+ 注入の深さは、およそ2.2μmであり、B+ 注入
の深さより深い。
【0012】その後、900℃で20分の熱処理を行
い、注入イオンの活性化を行う。以上述べた本発明実施
例を実施した時の結晶欠陥の発生状態のTEMの写真を
図2に示す。B+ の注入時に発生する線状およびループ
状の結晶欠陥は、その次工程において注入の深さおよそ
2.2μmのSi+ の注入および続く熱処理の過程で、
1.8μmの深さより深い位置に吸い込まれる結果、図
2に示すように、1.8μmの付近の結晶欠陥はかなり
抑制される。しかも、、W.X.Luらの方法に比べ、
上記結晶欠陥は小さく、また少ない。一方、基板表面層
には、結晶欠陥は発生していない。なお、表面付近の縞
模様はTEM試料作成時のエッチングむらによるもので
あり、結晶欠陥ではない。
【0013】
【発明の効果】 以上説明したように、本発明によれば
不純物イオンを高エネルギにして半導体基板上に注入す
ることにより深層部に生じた結晶欠陥は、その後シリコ
ンイオンを上記不純物元素イオンの注入深さより深くな
るエネルギにして注入することにより生じる結晶欠陥に
より吸い込まれるから、深層部の結晶欠陥は抑制され、
しかも、基板表面層にも結晶欠陥は生じない。この結
果、新構造デバイス開発を容易とし、半導体製造プロセ
ス分野の新たな展開をもたらすことが期待できる。
【0014】この結果、新構造デバイス開発を容易と
し、半導体製造プロセス分野の新たな展開をもたらすこ
とが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明実施例で用いる高エネルギイオン注入
装置の全体構成図
【図2】 本発明実施例により得られた試料の結晶の構
造のTEM写真
【図3】 従来例により得られた試料の結晶の構造のT
EM写真
【図4】 他の従来例により得られた試料の結晶の構造
のTEM写真
【符号の説明】
1・・・・入射部 1a・・・・イオン源 2・・・・加速部 3・・・・照射部 4a,4b・・・・分析マグネット 5・・・・ウェハ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西本 尚弘 京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式 会社島津製作所三条工場内 (56)参考文献 特開 昭58−56417(JP,A) 特開 昭58−91630(JP,A) APPLIED PHYSICS L ETTERS 55(18)P.1838〜1840

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不純物元素をイオン化した後、加速して
    200keVを超える高エネルギにしてシリコン基板上に
    注入し、その後シリコンイオンを上記不純物元素イオン
    の注入深さより深くなるエネルギにして上記シリコン基
    板に注入した後、その基板に熱処理を施すことを特徴と
    する、イオン注入により生じたシリコン結晶欠陥の抑制
    方法。
JP2407878A 1990-12-27 1990-12-27 イオン注入により生じたシリコン結晶欠陥の抑制方法 Expired - Lifetime JP2522217B2 (ja)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5856417A (ja) * 1981-09-30 1983-04-04 Toshiba Corp 半導体装置の製造方法
JPS5891630A (ja) * 1981-11-26 1983-05-31 Toshiba Corp 半導体装置の製造方法

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APPLIEDPHYSICSLETTERS55(18)P.1838〜1840

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