JP3082257B2 - イオン注入装置 - Google Patents
イオン注入装置Info
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Description
を形成するための低エネルギーイオンを注入可能な装置
に関する。
ゲットに対する不純物の注入深さおよび濃度に関する制
御性が優れているてめに, VLSIの製造工程におけるPN接
合の形成に広く適用されている。従来は, 例えば, 数十
KeV に加速された硼素(B),燐(P),砒素(As)等の不純物イ
オンをシリコン基板に注入して深さ 0.3μm 程度のPN接
合を形成していたが, VLSIに必要な 0.1μm 程度の浅い
PN接合を形成するためには,10KeV程度の低エネルギーの
不純物イオンを注入する技術が重要となっている。
は, 所望の元素または分子から成る不純物イオンを発生
させるイオン源, 該イオン源からイオンを引き出すため
の引出し電極(前段加速電極),所望の質量および電荷
を有するイオンを取り出すための質量分析器を構成する
磁石,質量分析器からのイオンの速度を所定値に減速ま
たは加速するための電極を有する後段加速部を経て,該
ターゲットである半導体基板に照射される。これを図4
を参照して説明する。
は, イオン源1に対向して配置された引出し電極2によ
り30〜60KeV に加速(前段加速)されたのち, 質量分析
器3の磁場により偏向され, 所望の電荷を有するイオン
種のみが, 図示しないスリットを通過して後段加速部4
に入射する。このイオン種は, 後段加速部4により減速
または加速されて所定エネルギーに調整されたのち, シ
リコンウエハ等の半導体基板5に注入される。このと
き, 半導体基板5を流れる電流を計測して注入量が制御
される。なお, 同図における符号6は, 順次イオン注入
される複数の半導体基板5が装着される回転式の支持デ
ィスク6である。また,上記前段加速電圧を20KeV 程度
以下に下げると, 充分なビーム電流を有するイオンをイ
オン源1から引き出すことができないため, 上記の範囲
の加速電圧に設定される。
4における電極に,イオンを減速するような電圧を印加
した場合, 不純物の注入深さの制御性が劣化する問題が
あった。この原因は,次のように考えられる。すなわ
ち,イオンが残留ガスと衝突すると,電荷移動が行わ
れ,イオンが中性粒子となる。例えば硼素イオン(B+ )
を例にとると, B+ + n → B0 + n+ ここに, nは残留ガス分子,B0 は中性化した硼素イオン
を表す。
0 は, 後段加速部4において減速を受けないので,B+ の
初期速度とほぼ同じ速度を維持しており, したがって,
減速された B+ よりも深く注入される。この現象を確か
めるために行った実験結果を図5に示す。同図は,35KeV
に前段加速された B+ が, 後段加速部4において5KeV
に減速されたのち注入されたときのシリコンウエハ中の
硼素不純物のプロファイルであって,横軸は表面からの
深さ(nm), 縦軸は硼素濃度(atoms/cm 3)である。なお,
このときの注入量は6×1013cm-2である。パラメータ
は, 後段加速部4の減速電極直前における残留ガス圧で
あって,試料1は 3.2×10-5Torrの場合, 試料2は 3.8
×10-6Torrの場合である。
の B+ に対応するメインピークの他に,35KeVの B+ に対
応するサブピークが, 表面から約150nm の位置に存在し
ている。一方, 試料2においては, このサブピークは顕
著ではない。このサブピークの面積から, 残留ガス圧が
3.2×10-5Torrの場合, 上記の機構によって,B+ の約0.
7 %が B0 に変換すると見積もられる。このように, 後
段加速部4によりほとんど減速を受けない中性粒子 B0
によってPN接合が深く形成されてしまうことが明らかで
ある。
には, 減速前のイオンが走行する空間における残留ガ
ス圧を低くする;減速前のイオンが走行する空間の距
離を短くする;のいずれかの方策が考えられる。前者
に関し, イオンの走行空間に沿って各所に排気装置が設
けられている。とくに, 質量分析器3と後段加速部4と
の間には, 一般に, 図6に示すように, 排気孔7を通じ
て大容量のターボ分子ポンプ(図示省略)が接続されて
いる。しかし, 後段加速管4内部は,これを直接排気す
るような構造にはなっておらず,しかも,半導体基板5
や支持ディスク6が設置されるエンドステーションから
のガスリークが無視できないために, 真空度は必ずしも
高くない。一方,後者に関しては, 後段加速部4の電
極, すなわち後段加速電極8が質量分析器3から離れた
配置となっている。これは, 後段加速電極8を半導体基
板5に接近させた構造とすることによって,半導体基板
5に入射するイオンビームの密度を高く維持するためで
ある。したがって, 減速前のイオンが走行する距離が大
きくならざるを得ない。なお,図において符号31は, 質
量分析器3の射出スリット31である。
いては,低エネルギーイオン注入において問題となる高
エネルギー中性粒子の発生原因となるイオンと残留ガス
の衝突確率が大きくなることが避けられなかった。
り生じる高エネルギの中性粒子が注入されないイオン注
入装置を提供すること, とくに,イオンの加速および減
速に関する汎用性を失うことなく, 減速前のイオンが走
行する空間を短縮し, かつ, この空間の真空度を高レベ
ルに維持することによって前記中性粒子の生成を低減可
能な構造を有するイオン注入装置を提供することを目的
とする。
分子のイオンを被処理ターゲットに注入する装置であっ
て,前記イオンを発生させるためのイオン源と,該イオ
ン源で発生した該イオンを分析するための質量分析器
と,前記分析された所定イオンが注入されるターゲット
と,該質量分析器とターゲットとの間に該質量分析器に
近接して画定された空間であって,該空間を真空に維持
するための排気孔が設けられた空間と,前記分析された
イオンの速度を所定値に減速するために該空間に設けら
れた電極とを具備することを特徴とする本発明に係るイ
オン注入装置により達成される。
ポンプによって排気されている空間に,主としてイオン
の減速に用いられる電極を設ける。その結果,真空度の
よい領域で減速が行われるため,イオンと残留ガスとの
衝突確率が減少し,前記のような中性粒子の発生が少な
くなる。
示しない質量分析器と後段加速部4との間の空間に, 後
段加速電極8とは別に, 電極10を設置する。この空間
は, 排気孔7を通じてターボ分子ポンプ(図示省略)に
よって高真空に維持されていることは従来のイオン注入
装置と同様である。電極10は,後段加速電極8と同様
に,絶縁碍子9によって支持された構造となっている。
なお, 通常, 後段加速電極8は, 図示のようにイオンの
走行方向に沿って配列された複数の電極81, 82,83, ・
・・から成る多段構造を有しており, これらの電極81,
82, 83, ・・・には分割電圧が印加され,半導体基板等
のイオン注入ターゲットに最も近い電極が, 前記支持デ
ィスク6(図4参照)と同電位(一般には接地電位)に
される。このために, これら電極81, 82, 83, ・・・
は, 絶縁碍子9によって相互に電気的に分離されてい
る。
るイオンを,例えば5KeV に減速する場合には, 電極10
に, 前記引出し電極2(図4参照)に対して+25〜55KV
を印加する。なお, 通常, 電極10の直前に電極11を設
け, 電極11に対して前記引出し電極2と同電位を印加す
る。これにより, イオンが減速を受ける走行空間距離が
短縮され,残留ガスとの衝突頻度が低減される。電極10
による減速を行う場合, 後段加速電極8には, イオンビ
ームを収束させるための弱い逆電位を印加する。一方,
通常のイオン注入工程のように, 後段加速電極8でも
加速を行う場合には, 電極10には, イオンビームを収束
させるための弱い逆電位を印加する。
間および後段加速電極8を包囲する後段加速管4が内径
200mm の円筒内を, 電極10に近接して設けられた直径20
0mm の排気孔7を通じて, 排気速度1000Liter/sec を有
するターボ分子ポンプで排気した場合, 電極10および後
段加速電極8の位置における実効排気速度は, それぞ
れ, 906 Liter/sec および595 Liter/sec となる。実際
のイオン注入装置においては, イオン注入される半導体
基板が設置されるエンドステーション側からのガス放出
が最も大きいことから, 本発明のイオン注入装置におい
ては, 減速が行われる領域の真空度は, 従来のイオン注
入装置におけるそれに比べて, 約1.5 倍に向上する。ま
た, 質量分析器3の出力側に設けられているスリットか
ら減速電極10までの距離は, 従来の装置におけるスリッ
トから後段加速電極8までのそれに比べて約1/4 であ
る。したがって, 本発明によれば, イオンと残留ガスと
の衝突による前記中性粒子の発生確率は, 従来のイオン
注入装置の約1/6に減少することが可能となる。
ームの集束性は向上するが, 低速イオンをさらに効率的
に半導体基板に輸送するために, 本発明では, 質量分析
器3以後のイオン走行空間に磁界を印加した構成を提案
する。すなわち,図3に示すように, 質量分析器3と後
段加速管4の間の空間に設けられた電極10から後段加速
管4の電極8を取り巻くように磁石20を配置する。磁石
20により, イオンの走行方向に同軸の磁界を付与するこ
とによってイオンビームを集束する。
ある。すなわち,中心軸がイオンの走行方向と同軸に
配置され, かつ, 絶縁碍子9によって互いに分離された
複数の環状磁石; この環状磁石が後段加速管4の管壁を
構成している場合を含む: 上記における各々の環状
磁石を, 図3(b) に示すように, イオンの走行方向に平
行に分割した構造; 上記における環状磁石または
における分割磁石の, 例えば前記質量分析器3に最も近
いものを電磁石とし, その他を常磁性体に置き換えた構
成; 上記における環状磁石または分割磁石,もしく
は,常磁性体を,イオン注入される半導体基板5の直前
や支持ディスク6(図4参照)の後方(支持ディスク6
に関して後段加速管4と反対側)にも追加設置した構
成; 等である。
れているため, 上記のような磁場の形成に対してなんら
の影響もない。
が減速されるまでの走行空間の真空度が向上され, か
つ, この空間の距離が短縮されるため, イオンと残留ガ
スとの衝突による高エネルギー中性粒子の生成が低減さ
れ, 低エネルギーイオン注入による浅い接合を形成可能
となる。その結果, 高密度集積回路の実用化を促進する
効果がある。
説明図
明図
子の注入現象説明図
明図
Claims (6)
- 【請求項1】 原子または分子のイオンを被処理ターゲ
ットに注入する装置であって,前記イオンを発生させる
ためのイオン源1と,該イオン源1で発生した該イオン
を分析するための質量分析器3と,前記分析された所定
イオンが注入されるターゲット5と,該質量分析器3と
ターゲット5との間に該質量分析器3に近接して画定さ
れた空間であって,該空間を真空に維持するための排気
孔7が設けられた空間と,前記分析されたイオンの速度
を所定値に減速するために該空間に設けられた電極10と
を具備することを特徴とするイオン注入装置。 - 【請求項2】 前記電極10とターゲット5との間に,該
ターゲット5に入射する前記イオンが有する速度を所定
値に制御するための後段加速部8が設けられたことを特
徴とする請求項1記載のイオン注入装置。 - 【請求項3】 前記電極10は,その支持体よりも前記質
量分析器3に近接して配置されていることを特徴とする
請求項1記載のイオン注入装置。 - 【請求項4】 前記分析されたイオンの進路に同軸な磁
界を印加する手段20が設けられていることを特徴とする
請求項1または2記載のイオン注入装置。 - 【請求項5】 前記磁界印加手段20は,該電極10および
後段加速部8の周囲に配置された複数の磁石から成るこ
とを特徴とする請求項4記載のイオン注入装置。 - 【請求項6】 請求項1乃至5記載の何れかのイオン注
入装置における前記電極10によって所定速度に減速され
たイオンを前記ターゲット5に注入する工程を含むこと
を特徴とする半導体装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03026601A JP3082257B2 (ja) | 1991-02-21 | 1991-02-21 | イオン注入装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03026601A JP3082257B2 (ja) | 1991-02-21 | 1991-02-21 | イオン注入装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04267044A JPH04267044A (ja) | 1992-09-22 |
JP3082257B2 true JP3082257B2 (ja) | 2000-08-28 |
Family
ID=12198042
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03026601A Expired - Lifetime JP3082257B2 (ja) | 1991-02-21 | 1991-02-21 | イオン注入装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3082257B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19655208C2 (de) * | 1995-11-08 | 2003-02-20 | Applied Materials Inc | Ionenimplantationsanlage mit einer Drei-Elektroden-Abbremsstruktur und einer vorgeschalteten Massenselektion |
GB2343546B (en) * | 1995-11-08 | 2000-06-21 | Applied Materials Inc | An ion implanter with deceleration lens assembly |
-
1991
- 1991-02-21 JP JP03026601A patent/JP3082257B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04267044A (ja) | 1992-09-22 |
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