JPH07111062A - テープカートリッジにおける誤記録防止機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 誤記録防止部材を磁気テープへの情報信号の
記録を不能な状態とする第１の位置と、記録を可能な状
態とする第２の位置とに確実に切り換え可能とする。 【構成】 カートリッジ本体５２の主面５３Ａと略同一
面を構成する操作部３１と、主面５３Ａと直交する側面
部５３Ｂに位置されて記録再生装置側の誤記録検出手段
４３によって検出される誤記録防止部３２とを有し、カ
ートリッジ本体５２に穿設した操作ガイド穴２０に沿っ
て磁気テープ７への情報信号の記録を可能な状態とする
第１の位置と、記録を可能な状態とする第２の位置とに
切り換え操作される誤記録防止部材３０を備え、誤記録
防止部材３０の移動方向の側面部と、この側面部に相対
する操作ガイド穴２０の側壁部との間に、誤記録防止部
材３０の切換え操作用の間隙部５５を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、データ信号や音声信号
等の情報信号を記録する磁気テープを掛け合わせたテー
プ供給リールとテープ巻取りリールとを回転自在に収納
したテープカートリッジにおいて、前記情報信号の磁気
テープへの記録を不能な状態とすることによって誤記録
を防止するようにした誤記録防止機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】データ信号や音声信号等の情報信号を記
録する磁気テープを掛け合わせたテープ供給リールとテ
ープ巻取りリールとをカートリッジ本体内に回転自在に
収納したテープカートリッジにおいては、磁気テープへ
の情報信号の記録を可能とした状態から、記録した情報
信号が誤消去されることを防止するため、情報信号の再
記録を不能とする状態へと切換える誤記録防止機構が設
けられている。もっぱら楽音信号、音声信号等の情報信
号を記録するパーソナルユースのテープカートリッジに
おいては、上下一対のハーフを組合わせて構成したカー
トリッジ本体の一部に設けた切断可能な誤記録防止片に
よって誤記録防止機構を構成している。

【０００３】一方、図１０に示したパーソナルコンピュ
ータ、オフィスコンピュータ等のデータバックアップ用
として使用されるテープカートリッジ１においては、カ
ートリッジ本体２に設けた操作ガイド穴２０に沿って、
磁気テープ７への情報信号の記録を不能な状態とする第
１の位置と、カートリッジ本体２に設けた誤記録検出穴
１９を閉塞して磁気テープ７への情報信号の記録を可能
な状態とする第２の位置とに切換え操作される誤記録防
止部材３０によって誤記録防止機構を構成している。

【０００４】すなわち、テープカートリッジ１は、合成
樹脂材料によって略角浅皿状に形成された上ハーフ部材
３の下方開放部に、アルミ板等の金属板によって形成し
たベースプレート４を組み合わせてカートリッジ本体２
を構成している。ベースプレート４の略中央部に位置し
て長手方向に離間して立設された支持ピン５Ａ、５Ｂに
は、磁気テープ７を掛け合わせたテープ供給リール６Ａ
及びテープ巻取りリール６Ｂとがそれぞれ回転自在に支
持されている。テープ供給リール６Ａから繰り出された
磁気テープ７は、ベースプレート４の前方コーナ部にそ
れぞれ配設したテープガイドローラ８Ａ、８Ｂによって
カートリッジ本体２の前面部に沿って走行され、テープ
巻取りリール６Ｂに巻き取られる。

【０００５】テープカートリッジ１は、前記磁気テープ
７を走行駆動させるテープ駆動機構を備えている。この
テープ駆動機構は、エンドレスベルト９と、このエンド
レスベルト９が架け渡されるベルト駆動ローラ１０及び
一対のベルトガイドローラ１１Ａ、１１Ｂとから構成さ
れている。ベルト駆動ローラ１０は、ベースプレート４
の前方略中央部に立設した支持ピン１２に回転自在に軸
装されており、上部には後述する記録再生装置側の駆動
ローラ４１がころがり接触して回転伝達を受けるための
駆動フランジ部１０Ａが周回りに突出形成されている。
また、ベルトガイドローラ１１Ａ、１１Ｂは、ベースプ
レート４の後方側のコーナ部に立設された一対の支持ピ
ン１３Ａ、１３Ｂにそれぞれ回転自在に軸装されてい
る。

【０００６】したがって、エンドレスベルト９は、図１
１に示すように、一対のベルトガイドローラ１１Ａ、１
１Ｂに掛け渡されて、テープ供給リール６Ａ及びテープ
巻取りリール６Ｂに巻回された磁気テープ７に所定のテ
ンションを以って接触しながら、これらテープ供給リー
ル６Ａ及びテープ巻取りリール６Ｂの中央部を経由して
ベルト駆動ローラ１０へと掛け渡されることによって、
カートリッジ本体２内において略々凸字状の走行路を以
って走行する。

【０００７】カートリッジ本体２の前方側面部には、上
ハーフ部材３及びベースプレート４の前方側縁部に設け
られた切欠き１４Ａ、１４Ｂによって構成され記録再生
装置側の記録再生ヘッド４２が進入する記録再生開口部
１４を開閉する蓋部材１５が配設されている。この蓋部
材１５は、ベースプレート４の前方コーナ部に立設され
た支持ピン１６に、トーションスプリング１７によって
前記記録再生開口部１４を閉塞する方向に付勢されて、
片持ち状態で回転自在に支持されている。

【０００８】カートリッジ本体２を構成する上ハーフ部
材３の前方側面部３Ｂには、前記ベルト駆動ローラ１０
の周面の一部を外方へと臨ませる矩形の駆動開口部１８
が開設されている。また、前記蓋部材１５とは反対側に
位置して、前方側面部３Ｂには、後述する誤記録防止部
材３０の誤記録防止部３１がスライド動作するスライド
溝２４が凹設されるとともに、このスライド溝２４中に
位置して誤記録検出穴１９が開設されている。

【０００９】誤記録検出穴１９は、上ハーフ部材３の上
面部３Ａ側に開放されており、この開放された誤記録防
止穴１９の上方部分と連通するようにして誤記録防止部
材３０が装着される操作ガイド穴２０が上面部３Ａに穿
設されている。

【００１０】操作ガイド穴２０は、上ハーフ部材３の上
面部３Ａに前方側面部３Ｂに沿った矩形の長穴として構
成され、後述するように、誤記録防止部材３０を、その
誤記録防止部３２が前記誤記録検出穴１９を開放する第
１の位置と、閉塞する第２の位置とに亘って移動するに
足る長さを以って上面部３Ａに穿設されている。また、
スライド溝２４も、上ハーフ部材３の前方側面部３Ｂ
に、誤記録防止部材３０の誤記録防止部３１が誤記録検
出穴１９を開放する第１の位置と、閉塞する第２の位置
とに亘って移動するに足る長さを以って矩形溝として凹
設されている。

【００１１】誤記録防止部材３０は、合成樹脂材料によ
って成形され、板状の操作部３１とこの操作部の一側部
側に直交した状態で垂設された誤記録防止部３２とから
構成されている。操作ガイド穴２０に装着した状態にお
いて、誤記録防止部材３０の操作部３１は、上ハーフ部
材３の上面部３Ａと同一面を構成するような厚みを有し
ており、また誤記録防止部３２は、誤記録防止部材３０
が第２の位置に移動された際に、誤記録検出穴１９を閉
塞するに足る外形寸法に形成されている。

【００１２】以上のように構成されたテープカートリッ
ジ１は、記録再生装置に装填されることによって、記録
再生装置側の蓋部材開放手段が蓋部材１５の基端部と係
合してこの蓋部材１５をトーションスプリング１７の弾
性力に抗して回動動作させるため、記録再生開口部１４
が開放される。このようにして開放された記録再生開口
部１４からは記録再生ヘッド４２がカートリッジ本体２
内へと進入して磁気テープ７と接触する。一方、駆動開
口部１８から駆動ローラ４１が進入して、磁気テープ７
及びエンドレスベルト９を介在させるようにしてベルト
駆動ローラ１０の駆動フランジ部１０Ａと接触する。

【００１３】しかる後、例えば記録再生装置側で記録再
生操作が行われると、図１１矢印で示すように、反時計
方向へと回転する駆動ローラ４１を介してベルト駆動ロ
ーラ１０が時計方向へと回転動作され、このベルト駆動
ローラ１０の回転によって、エンドレスベルト９も全体
として時計方向へと回転する。したがって、このエンド
レスベルト９と所定のテンションを以って接触されたテ
ープ供給リール６Ａは反時計方向へと回転して巻回した
磁気テープ７を繰り出し、テープ巻取りリール６Ｂは繰
り出された磁気テープ７を巻き取る。そして、カートリ
ッジ本体２の前方側面部３Ｂに沿って走行する磁気テー
プ７は、記録再生開口部１４からカートリッジ本体２内
に臨んでこの磁気テープ７に接触された記録再生ヘッド
４２によって、情報信号の記録或いは読み出しが行われ
る。

【００１４】ところで、記録再生ヘッド４２による磁気
テープ７への情報信号の記録は、誤記録防止部材３０
が、第２の位置に設定操作された状態において可能とさ
れる。すなわち、図１４に示すように、誤記録防止部材
３０が操作ガイド穴２０に沿ってカートリッジ本体２の
右側に位置した第２の位置に設定操作され、誤記録防止
部３２がスライド溝２４中を移動して誤記録検出穴１９
を閉塞した状態にあっては、記録再生装置側の誤記録検
出部材４３の誤記録検出穴１９内への進入が阻止される
ため、記録再生ヘッド４２による磁気テープ７への情報
信号の記録が許可される。

【００１５】一方、誤記録防止部材３０が上述した第２
の位置から、図１３に示すように、操作ガイド穴２０に
沿って第１の位置へと移動操作されることによって、誤
記録検出穴１９は誤記録防止部３２による閉塞状態が解
除されて開放された状態となる。したがって、記録再生
装置側の誤記録検出部材４３は誤記録検出穴１９内へと
進入することによって、記録再生ヘッド４２による磁気
テープ７への情報信号の記録を禁止する。

【００１６】

【発明が解決しようとする課題】以上のように構成され
た従来のテープカートリッジ１においては、上述したよ
うに、誤記録防止部材３０は、その操作部３１が全体板
状であって上ハーフ部材３の上面部３Ａと略同一面を構
成するようにして操作ガイド穴２０に装着されることに
よって、指先の腹部分で操作部３１を押圧しながら移動
操作されることになる。したがって、この誤記録操作部
材３０を移動操作するためには、極めて大きな力を必要
とし、第１の位置と第２の位置とに正確に切換え操作す
ることが極めて困難となる。

【００１７】このため、誤記録防止部材３０を、情報信
号の記録を不能とする第１の位置に設定したつもりで誤
って記録操作を行ってしまった場合には、磁気テープに
記録された貴重な情報信号が誤消去されてしまうといっ
た重大事故が発生する虞れがあった。さらに、誤記録防
止部材３０を情報信号の記録を可能とする第２の位置に
設定したつもりで記録操作を行ったにも係わらず、切り
換えが行われていなかったために必要な情報信号の記録
やデータのバックアップが行われないといった問題点も
発生していた。

【００１８】例えば、ピンセット等の先端部が先鋭な部
材を操作部３１と操作ガイド穴２０との間にこじ入れて
誤記録防止部材３０を強引に移動することも行われてい
る。しかしながら、かかる部材を用いた場合には、誤記
録防止部材３０或いは操作ガイド穴２０を傷付けたり破
損させたりするといった問題点があった。また、上述し
た部材を強くこじ入れることによって、誤記録防止部材
３０が操作ガイド穴２０から脱落してしまうといった問
題点があった。

【００１９】したがって、本発明は、誤記録防止部材を
磁気テープへの情報信号の記録を不能な状態とする第１
の位置と、記録を可能な状態とする第２の位置とに確実
に切換え操作を可能としたテープカートリッジにおける
誤記録防止機構を提供することを目的に提案されたもの
である。

【００２０】

【課題を解決するための手段】上述した目的を達成した
本発明に係るテープカートリッジにおける誤記録防止機
構は、カートリッジ本体の主面と略同一面を構成する操
作部と、前記主面と直交するカートリッジ本体の側面側
に位置されて記録再生装置側の誤記録検出手段によって
検出される誤記録防止部とを有し、カートリッジ本体に
穿設した操作ガイド穴に沿って、磁気テープへの情報信
号の記録を不能な状態とする第１の位置と、磁気テープ
への情報信号の記録を可能な状態とする第２の位置とに
切換え操作される誤記録防止部材を備え、この誤記録防
止部材の移動方向の側面部と、この側面部に相対向する
操作ガイド穴の側壁部との間に、誤記録防止部材の切換
え操作用の間隙部を形成したことを特徴とする。

【００２１】また、本発明に係るテープカートリッジに
おける誤記録防止機構は、誤記録防止部材の切換え操作
用の間隙部を、誤記録防止部の移動方向の側面部と相対
向する操作ガイド穴の側壁部を削成して形成したことを
特徴とする。

【００２２】さらに、本発明に係るテープカートリッジ
における誤記録防止機構は、誤記録防止部材の切換え操
作用の間隙部を、操作部の移動方向の側面部と相対向す
る操作ガイド穴の側壁部を削成して形成したことを特徴
とする。

【００２３】さらに、本発明に係るテープカートリッジ
における誤記録防止機構は、誤記録防止部材の切換え操
作用の間隙部を、操作部と略同一面を構成する主面と誤
記録防止部が位置する側面とに跨がる稜線部分の操作ガ
イド穴の側壁部を削成して形成したことを特徴とする。

【００２４】

【作用】以上の構成を備える本発明に係るテープカート
リッジにおける誤記録防止機構によれば、誤記録防止部
材は、操作部或いは誤記録防止部と、操作ガイド穴の側
壁部との間に構成された間隙部に入れられた爪等によっ
て側端部が引掛けられて移動操作されるため、比較的軽
微な力で第１の位置と第２の位置とに確実に移動操作さ
れる。

【００２５】

【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について図面
を参照して詳細に説明する。図１乃至図５に示した実施
例テープカートリッジ５０は、上述した従来のテープカ
ートリッジ１と同様に、パーソナルコンピュータ、オフ
ィスコンピュータ等のデータバックアップ用として用い
られるテープカートリッジであって、基本的構成を同一
とすることから、説明の便宜上、以下同一部材には同一
符号を付すことによって説明は省略する。

【００２６】上述した従来のテープカートリッジ１の説
明に加えて、図４及び図５を参照して誤記録防止機構を
構成する誤記録防止部材３０及びこの誤記録防止部材３
０が移動自在に装着される操作ガイド穴２０の構成につ
いて説明する。従来の上ハーフ部材３と基本形状を同一
とされた上ハーフ部材５３の上面部５３Ａの一方コーナ
部に前方側面部５３Ｂに沿って穿設された操作ガイド穴
２０は、誤記録防止部材３０をその誤記録防止部３２が
誤記録検出穴１９を開放する第１の位置と、閉塞する第
２の位置とに亘って移動するに足る長さを有している。

【００２７】この操作ガイド穴２０には、図４に示すよ
うに、前後方向の両側壁部から薄板状のガイド壁２１
Ａ、２１Ｂが相対するようにして突設されている。ま
た、操作ガイド穴２０の長手方向の両側壁部からも、こ
の操作ガイド穴２０の底壁を構成するようにして誤記録
防止部材３０の下面部を支持する支持壁２２Ａ、２２Ｂ
が形成されている。これら支持壁２２Ａ、２２Ｂには、
図５に示すように、上面側に前後方向に横断するように
して第１及び第２のクリック溝２３Ａ、２３Ｂがそれぞ
れ凹設されている。これら第１及び第２のクリック溝２
３Ａ、２３Ｂは、誤記録防止部材３０の操作部３１の底
面側に突出形成した第１及び第２のクリック凸部３５
Ａ、３５Ｂが選択的に係合することによって、誤記録防
止部材３０を第１の位置と第２の位置とに安定した状態
で保持する。

【００２８】誤記録防止部材３０は、合成樹脂材料によ
って成形され、操作部３１の底面部には幅方向に対向離
間して一対のガイドリブ３３Ａ、３３Ｂが一体に立設さ
れており、これらガイドリブ３３Ａ、３３Ｂの先端部の
外側面には係合凸部３４Ａ、３４Ｂが膨出形成されてい
る。これら係合凸部３４Ａ、３４Ｂと操作部３１の底面
部との間隔は、ガイド壁２１Ａ、２１Ｂの厚み寸法とほ
ぼ等しく、また対向間隔はガイド壁２１Ａ、２１Ｂの対
向間隔とほぼ等しい。したがって、誤記録防止部材３０
は、操作ガイド穴２０に強く押し込まれることによっ
て、図４に示すように、ガイドリブ３３Ａ、３３Ｂの係
合凸部３４Ａ、３４Ｂがガイド壁２１Ａ、２１Ｂの下面
側に係合して操作ガイド穴２０に装着される。

【００２９】図２に示すように、誤記録防止部材３０が
第１の位置に設定位置された状態においては、誤記録防
止部３２は誤記録検出穴１９から後退した位置にあっ
て、誤記録検出穴１９を開放している。したがって、テ
ープカートリッジ５０を記録再生装置に装填すると、誤
記録検出部材４３がカートリッジ本体５２内へと進入す
ることができ、記録再生ヘッド４２による磁気テープ７
への情報信号の記録が不能な状態となる。なお、この第
１の位置において、操作部３１の底面部に形成した第１
のクリック凸部３５Ａは、支持壁２２Ａの第１のクリッ
ク溝２３Ａと係合している。

【００３０】また、図３に示すように、誤記録防止部材
３０が第２の位置に設定位置された状態においては、誤
記録防止部３２は誤記録検出穴１９を閉塞している。し
たがって、テープカートリッジ５０を記録再生装置に装
填すると、誤記録検出部材４３のカートリッジ本体５２
内への進入が阻止され、記録再生ヘッド４２による磁気
テープ７への情報信号の記録を不能な状態としている。
なお、この第２の位置において、操作部３１の底面部に
形成した第２のクリック凸部３５Ｂは、支持壁２２Ａの
第２のクリック溝２３Ｂと係合している。

【００３１】上述した誤記録防止部材３０の第１の位置
から第２の位置への切換え操作を行う際に、誤記録防止
部３２の側端部に形成された操作用の間隙部５５に操作
者の指の爪が入れられて誤記録防止部材３０が操作され
る。すなわち、誤記録防止部３２がスライドする上ハー
フ部材５３の前方側面部５３Ｂに凹設したスライド溝２
４の駆動開口部１８側の側壁２４Ａは、図５に詳細を図
示するように、表面側の開口幅を大ならしめるようにテ
ーパ壁として構成されている。

【００３２】したがって、誤記録防止部３２の側端部と
側壁２４Ａとの間には、図１に示すよに、テーパ付きの
間隙部５５が構成され、誤記録防止部材３０は、側端部
がこの間隙部５５に入れた爪に引掛けられることによっ
て、比較的軽微な力によって第１の位置から第２の位置
へと確実に切換え操作される。

【００３３】以上のように構成した実施例テープカート
リッジ５０においては、誤記録防止部材３０の誤記録防
止部３２のスライド溝２４を構成する一方の側壁２４Ａ
をテーパ壁としたものであるから、テープカートリッジ
５０の基本仕様を変えることなく、誤記録防止部材３０
の操作性の向上が図られ、この誤記録防止部材３０を第
１の位置と第２の位置とに確実に切り換え操作すること
ができる。

【００３４】本発明に係るテープカートリッジの第２の
実施例として、図６及び図７に示したテープカートリッ
ジ６０は、誤記録防止部材３０の操作部３１と操作ガイ
ド穴２０との間に、誤記録防止部材３０の切換え操作用
の間隙部６５を形成したことに特徴を有している。すな
わち、上ハーフ部材６３の上面部６３Ａに穿設した操作
ガイド穴２０の駆動開口部１８側の側壁が表面側の開口
幅を大ならしめるようにテーパ壁として構成されてい
る。

【００３５】したがって、誤記録防止部材３０の側端部
と操作ガイド穴２０の側壁との間には、テーパ付きの間
隙部６５が構成され、誤記録防止部材３０は、側端部が
この間隙部６５に入れた爪に引掛けられることによっ
て、比較的軽微な力によって第１の位置から第２の位置
へと確実に切換え操作される。

【００３６】本発明に係る第３の実施例として、図８及
び図９に示したテープカートリッジ７０は、誤記録防止
部材３０の切換え操作用の間隙部７５を、上ハーフ部材
７３の主面７３Ａと前方側面部７３Ｂとに跨がる稜線部
２５に形成したことに特徴がある。すなわち、上ハーフ
部材７３の前方側面部７３Ｂに凹設した誤記録防止部３
２がスライドするスライド溝２４の駆動開口部１８側の
側壁部の上部を、上面部７３Ａに開口幅を大ならしめる
ようにして開口するテーパ壁として構成している。換言
すれば、上ハーフ部材７３の前方稜線部２５に、操作ガ
イド穴２０の側壁とスライド溝２４の側壁とに跨がる間
隙部７５が構成されている。

【００３７】したがって、誤記録防止部材３０の操作部
３１の側面部或いは誤記録防止部３２の側端部と操作ガ
イド穴２０の側壁及びスライド溝２４の側壁とに跨がっ
てテーパ付きの間隙部７５が構成され、誤記録防止部材
３０は、誤記録防止部３２の側端部がこの間隙部７５に
入れた爪に引掛けられることによって、比較的軽微な力
によって第１の位置から第２の位置へと切換え操作され
る。

【００３８】なお、上述した第１の実施例乃至第３の実
施例テープカートリッジ５０、６０、７０においては、
誤記録防止部材３０を第１の位置から第２の位置へと切
り換え操作する際に爪等が入れられる切換え操作用の間
隙部５５、６５、７５を、操作部３１或いは誤記録防止
部３２の一方側壁部側に構成するようにしたが、他方の
側壁部側に誤記録防止部材３０を第１の位置から第２の
位置へと切り換え操作する際に爪等が入れられる間隙部
を構成したり、両側壁部に構成するようにしてもよいこ
とは勿論である。

【００３９】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
るテープカートリッジにおける誤記録防止機構によれ
ば、従来のテープカートリッジの基本仕様を変更するこ
と無く、誤記録防止部材を比較的軽微な力で切換え操作
することが可能とされることによって、磁気テープへの
情報信号の記録を確実に行うことができ、或いは記録さ
れた情報信号を誤って消去するといった不都合の発生が
確実に防止される。

【００４０】また、本発明に係るテープカートリッジに
おける誤記録防止機構によれば、無理なく誤記録防止部
材を切換え操作することができるため、誤記録防止部材
或いはカートリッジ本体が破損或いは変形することが防
止される。また、上ハーフ部材の金型形状が複雑になる
ことも無く、テープカートリッジの意匠的外観も保持さ
れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る誤記録防止機構を備えたテープカ
ートリッジの誤記録防止部材の操作を説明する要部斜視
図である。

【図２】同テープカートリッジの誤記録防止部材を第１
の位置に設定した状態の斜視図である。

【図３】同テープカートリッジの誤記録防止部材を第２
の位置に設定した状態の斜視図である。

【図４】同テープカートリッジの誤記録防止機構部の要
部縦断面図である。

【図５】同テープカートリッジの誤記録防止機構部の要
部分解斜視図である。

【図６】本発明に係るテープカートリッジの第２の実施
例を示し、誤記録防止部材を第１の位置に設定した状態
の斜視図である。

【図７】同テープカートリッジのテープカートリッジの
誤記録防止部材の操作を説明する要部斜視図である。

【図８】本発明に係るテープカートリッジの第３の実施
例を示し、誤記録防止部材を第１の位置に設定した状態
の斜視図である。

【図９】同テープカートリッジのテープカートリッジの
誤記録防止部材の操作を説明する要部斜視図である。

【図１０】従来のテープカートリッジの分解斜視図であ
る。

【図１１】同テープカートリッジの平面図である。

【図１２】同テープカートリッジの正面図である。

【図１３】同テープカートリッジの誤記録防止部材を第
１の位置に設定した状態の斜視図である。

【図１４】同テープカートリッジの誤記録防止部材を第
２の位置に設定した状態の斜視図である。

【符号の説明】

４・・・ベースプレート ７・・・磁気テープ １９・・・誤記録検出穴 ２０・・・操作ガイド穴 ３０・・・誤記録防止部材 ３１・・・操作部 ３２・・・誤記録防止部 ４２・・・記録再生ヘッド ４３・・・誤記録検出部材 ５０・・・テープカートリッジ ５２・・・カートリッジ本体 ５３・・・上ハーフ部材 ５５・・・（切換え操作用）間隙部

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 カートリッジ本体の主面と略同一面を構
   成する操作部と、前記主面と直交するカートリッジ本体
   の側面側に位置されて記録再生装置側の誤記録検出手段
   によって検出される誤記録防止部とを有し、カートリッ
   ジ本体に穿設した操作ガイド穴に沿って、磁気テープへ
   の情報信号の記録を不能な状態とする第１の位置と、磁
   気テープへの情報信号の記録を可能な状態とする第２の
   位置とに切換え操作される誤記録防止部材を備え、 この誤記録防止部材の移動方向の側面部と、この側面部
   に相対向する操作ガイド穴の側壁部との間に、誤記録防
   止部材の切換え操作用の間隙部を形成したことを特徴と
   するテープカートリッジにおける誤記録防止機構。
2. 【請求項２】 誤記録防止部材の切換え操作用の間隙部
   は、誤記録防止部の移動方向の側面部と相対向する操作
   ガイド穴の側壁部を削成して形成したことを特徴とする
   請求項１記載のテープカートリッジにおける誤記録防止
   機構。
3. 【請求項３】 誤記録防止部材の切換え操作用の間隙部
   は、操作部の移動方向の側面部と相対向する操作ガイド
   穴の側壁部を削成して形成したことを特徴とする請求項
   １記載のテープカートリッジにおける誤記録防止機構。
4. 【請求項４】 誤記録防止部材の切換え操作用の間隙部
   は、操作部と略同一面を構成する主面と誤記録防止部が
   位置する側面とに跨がる稜線部分の操作ガイド穴の側壁
   部を削成して形成したことを特徴とする請求項１記載の
   テープカートリッジにおける誤記録防止機構。