JPH07110419B2 - 重ね合せ溶接方法 - Google Patents

重ね合せ溶接方法

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JPH07110419B2
JPH07110419B2 JP61201120A JP20112086A JPH07110419B2 JP H07110419 B2 JPH07110419 B2 JP H07110419B2 JP 61201120 A JP61201120 A JP 61201120A JP 20112086 A JP20112086 A JP 20112086A JP H07110419 B2 JPH07110419 B2 JP H07110419B2
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豊彦 藤岡
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Mazda Motor Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は重ね合せ溶接方法に係り、詳しくは、板付け時
の溶接打痕を残すことなく、2枚の板部材を接合する重
ね合せ溶接方法に関する。
[従来の技術] 薄板の重ね合せ溶接方法としては、従来、例えば、段違
いに屈曲された一方の板部材の上に他方の板部材を重
ね、その段違い部と他方の板部材の端面との間に形成さ
れる溶接凹部に肉盛り溶接が行われている。このような
溶接方法にあっては、溶接凹部を形成する板部材同志を
溶接時に固定状態に保つ必要から、通常、スポット溶接
により仮付けが行われる。例えば、自動車のフェンダー
にルーフを取付ける際には、第6図に示すように、フェ
ンダーパネル1を段違いに屈曲させ、その外側にルーフ
パネル2を重ね、その段違い部とルーフパネル端面2aと
の間に溶接凹部3が形成される。そして、溶接凹部3の
近傍のルーフパネル2とフェンダーパネル1との重ね合
せ部分を可動電極16でフェンダーパネル1側に押圧して
スポット溶接を行い、その後、肉盛り溶接により二点鎖
線で示すような溶接肉盛11が施されていた。
[発明が解決しようとする課題] しかし、このような従来の重ね合せ溶接方法では、スポ
ット溶接時に、可動電極16によりルーフパネル2がフェ
ンダーパネル1に強圧されるためルーフパネル2側に円
形凹陥状の打痕17が残る。したがって、溶接終了後は、
外観上から、この打痕17を消去する必要があり、そのた
めに凹陥部に充填材を詰めるなど少なからぬ手間を要し
ていた。なお、図中、18は固定電極、19はナゲットであ
る。
一方、上記スポット溶接時の打痕を隠すものとして、そ
の打痕が残るルーフパネルとフェンダーパネルとの重ね
合せ部分をも溶接凹部に含ませ、この溶接凹部を肉盛り
溶接することにより上記溶接打痕を隠す方法も従来より
知られているが(特公昭58-27151号公報参照)、この方
法を採用すると、上記重ね合せ部分をも溶接凹部内に含
ませる必要があるため溶接凹部の範囲が大幅に拡大し、
これに伴い、極めて大量の肉盛り溶接量を必要とするこ
とになる。
このように可動電極を押し付けて溶接接合した後に肉盛
り溶接を行う従来の重ね合せ溶接方法では、溶接打痕を
外観上から消去することと、肉盛り溶接量を極力少なく
することとは相反する要求であり、その両立は困難なも
のであった。
本発明はこのような事情を考慮してなされ、2枚の板部
材を接合する重ね合せ溶接方法において、板付け時の溶
接打痕を残すことなく、かつ、肉盛り溶接量を可及的に
少なくすることにある。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するために、本発明は、段違いに屈曲
された一方の板部材の上に、他方の板部材を重ね合せて
溶接凹部を形成し、上記一方の板部材と他方の板部材と
を溶接した後に、上記溶接凹部に肉盛り溶接を行う重ね
合せ溶接方法を前提する。そして、この方法において、
底面が上記一方の板部材の段違いに屈曲された外面によ
り構成され、内壁面が、上記他方の板部材の端面と、こ
の端面に相対向する上記一方の板部材の段違い部分とに
より構成されるように形成する。加えて、上記一方の板
部材と他方の板部材との溶接を、上記溶接凹部の内壁面
を構成する上記他方の板部材の端面に対し可動電極を当
接・加圧してインダイレクト溶接することにより行う構
成とするものである。
[作用] 段違いに屈曲された一方の板部材の上に、他方の板部材
が重ね合され、その他方の板部材の端面と、これに相対
向する段違い部分とを内壁面とする溶接凹部が形成され
る。そして、その溶接凹部の内壁面を構成する上記端面
に可動電極が当接・加圧され、この位置で行われるイン
ダイクレト溶接によって上記他方の板部材が一方の板部
材に対し強固に接合される。この場合、このインダイレ
クト溶接に際し溶接打痕等が残ったとしても、それは上
記溶接凹部の内壁面に形成されるものであるため、その
打痕等は、その後に行われる上記溶接凹部への肉盛り溶
接により確実に覆われ、外観上消去される。しかも、上
記他方の板部材と一方の板部材との溶接接合を、溶接凹
部の内壁面となる上記他方の板部材の端面において行う
ようにしているため、肉盛り溶接の行われる溶接凹部の
範囲を可及的に小さくすることが可能となる。従って、
溶接打痕の消去と、肉盛りの溶接量の低減化との両立が
実現される。さらに、その溶接接合をインダイレクト溶
接により行うようにしているため、接合対象の一対の板
部材に対する加圧力が小さくその接合対象のずれ発生の
防止が図られる。
[発明の効果] 本発明の重ね合せ溶接方法によれば、2枚の板部材の重
ね合せ溶接する際に、外観上から溶接時の溶接打痕を消
去することができ、かつ、肉盛り溶接量を可及的に少な
くすることができる。また、重ね合せ溶接対象の溶接時
のずれ発生の防止をも図ることができる。
[実施例] 以下、本発明をその実施例に基づき詳細に説明する。
本実施例に示す重ね合せ溶接方法は薄板同士を接合させ
るもので、第1図に示すように、例えば、一方の板部材
であるフェンダーパネル1が段違いに屈曲され、その上
に他方の板部材であるルーフパネル2が重ねられる。こ
れにより、このルーフパネル2の端面2aと、これと相対
向する上記フェンダーパネル1の段違い部分とを内壁面
とし、上記フェンダーパネル1の外面を底面とする溶接
凹部3が形成される。そして、上記ルーフパネル2の端
面2aに可動電極4を当接してインダイレクトスポット溶
接することによりフェンダーパネル1とルーフパネル2
とを互いに強固に接合し、その後、上記溶接凹部3に肉
盛り溶接を行うことにより、上記溶接凹部3を埋めると
同時に、上記可動電極4によるインダイレクトスポット
溶接時の溶接打痕を外観上消去する。
本例で採用されるインダイレクトスポット溶接は、第2
図に示すように、固定電極5を溶接凹部3から離れたフ
ェンダーパネル1上にクランプし、ルーフパネル2側の
端面2aをフェンダーパネル1側に加圧する可動電極4か
ら通電し、フェンダーパネル1とルーフパネル2との間
に長楕円形の碁石状のナゲット6と称される溶着部を形
成するようにした点溶接である。可動電極4は加圧用の
シリンダ7で被溶接母材であるループパネル2の端面2a
に対して押圧・駆動されるが、加圧力は通常のスポット
溶接よりもかなり低い。なお、ハンドル8に設けられた
スイッチ9を操作することにより、トランス10から溶接
電流が可動電極4に供給される。
本発明にあっては、このインダイレクトスポット溶接は
仮付け用として採用されるものであり、必要な溶接強度
はその後に行われる肉盛り溶接によって確保される。仮
付け溶接は、第3図に示すように、水平横方向に配置さ
れるルーフパネル2下方の端面2aがフェンダーパネル1
上方の端縁部と重合する個所に所定の間隔をおいて数個
所施工される。傾斜した端面2aには可動電極4の加圧力
によって若干の打痕が残るが、第1図および第4図に示
すように、次いで施される溶接肉盛11によって完全に覆
い隠される。また、前記したように、可動電極4の加圧
力は大きくないため、図示しないが、クランプ装置によ
ってフェンダーパネル1に対して所定の位置に予め固定
されるルーフパネル2の位置がインダイレクトスポット
溶接によってずれるようなことはない。
インダイレクトスポット溶接の終了後に行われる肉盛り
溶接はMIG溶接法で行われる。MIG溶接法は、第5図に示
すように、ガスノズル12によって不活性ガス13を溶加材
である金属電極14を包むようにして溶接部に送吹し、大
気中の酸素や窒素などの悪影響を受けないようにして溶
接する方法である。なお、フェンダーパネル1やルーフ
パネル2が薄板であるため、溶け落ちを防止する必要上
から、溶接凹部3の近傍に冷し金具15が配置され、適度
に放熱されつつ溶接が行われる。肉盛り溶接が終了する
と、グラインダなどにより溶接表面が平滑になるように
仕上げ加工が行われる。上記の肉盛り溶接においては、
仮付けのためのインダイレクトスポット溶接位置が、溶
接凹部3の内壁面を構成するルーフパネル2の端面2aと
されているため、その溶接打痕を隠し、かつ、溶接凹部
3を埋めるための肉盛り溶接量を可及的に少なくするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例に示す重ね合せ溶接方法の説明
図、第2図はインダイレクトスポット溶接の説明図、第
3図はインダイレクトスポット溶接によりフェンダーパ
ネルにルーフパネルを仮付けした状態を示す正面図、第
4図はMIG溶接法によりフェンダーパネルとルーフパネ
ル間に肉盛り溶接をして両者を接合した状態を示す外観
図、第5図はMIG溶接法の説明図、第6図は従来の重ね
合せ溶接方法の説明図である。 1……一方の板部材(フェンダーパネル)、2……他方
の板部材(ルーフパネル)、2a……端面、3……溶接凹
部、4……可動電極、11……溶接肉盛。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】段違いに屈曲された一方の板部材の上に、
    他方の板部材を重ね合せて溶接凹部を形成し、上記一方
    の板部材と他方の板部材とを溶接した後に、上記溶接凹
    部に肉盛り溶接を行う重ね合せ溶接方法において、 上記溶接凹部を、底面が上記一方の板部材の段違いに屈
    曲された外面により構成され、内壁面が、上記他方の板
    部材の端面と、この端面に相対向する上記一方の板部材
    の段違い部分とにより構成されるように形成し、 上記一方の板部材と他方の板部材との溶接を、上記溶接
    凹部の内壁面を構成する上記他方の板部材の端面に対し
    可動電極を当接・加圧してインダイレクト溶接すること
    により行う ことを特徴とする重ね合せ溶接方法。
JP61201120A 1986-08-26 1986-08-26 重ね合せ溶接方法 Expired - Lifetime JPH07110419B2 (ja)

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JPS6356366A JPS6356366A (ja) 1988-03-10
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