JPH07109930A - 遊星運動型エンジン - Google Patents

遊星運動型エンジン

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JPH07109930A
JPH07109930A JP3229863A JP22986391A JPH07109930A JP H07109930 A JPH07109930 A JP H07109930A JP 3229863 A JP3229863 A JP 3229863A JP 22986391 A JP22986391 A JP 22986391A JP H07109930 A JPH07109930 A JP H07109930A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ロータリーピストンエンジンの創作と、往復
質量による障害が無いレシプロエンジンの創作。 【構成】 ハウジングの筒形空洞の断面の輪郭が、合成
トロコイド(ペリトロコイドの基円とハイポトロコイド
の転円とが同心となるように、ペリトロコイドの基円を
ハイポトロコイドの偏心腕に固定し、かつ、ペリトロコ
イドの転円の中心がハイポトロコイドの創成点となるよ
うに、ペリトロコイドの偏心腕をハイポトロコイドの創
成腕に固定した条件において、ハイポトロコイドと組み
合わせたペリトロコイドの創成点の軌跡)、または、外
側へ平行移動した合成トロコイドであり、回転ピストン
の断面の輪郭が、合成トロコイドの曲線群の内包絡線ま
たは外側へ平行移動した合成トロコイドの曲線群の内包
絡線である構成より成るロータリーピストンエンジンで
あり、回転ピストンの自転に伴い、回転ピストンは遊星
運動をしながら出力軸の周りを回り、作動室の容積は変
化する。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野]この発明は、内燃機関のうちで回
転ピストン形内燃機関と往復運動質量による障害が無い
往復ピストン形内燃機関に関する。
[従来の技術]従来、実用化された内燃機関において
は、ガスタービンを除くと、往復ピストン形内燃機関
と、マツダ(東洋工業)が製造しているバンケル型回転
ピストン形内燃機関とがある。(文献としては、「『自
動車工学全書第6巻ロータリーエンジン、ガスタービ
ン』山海堂」、「『ロータリーエンジン』日刊工業新聞
社」等がある。) [発明が解決しようとする課題]往復ピストン形内燃機
関は内燃機関の主流を占めており、数々の長所を持って
いる。しかしながら、往復ピストン形内燃機関は次ぎの
ような欠点も持っている。
(a)ピストンやコネクチングロッドの往復運動質量に
よる不釣り合いが完全に除去できない為、不釣合慣性力
と不釣合偶力とが残る。これら不釣合慣性力と不釣合偶
力とは、回転数の二乗に比例して増加する加振力となっ
て、振動や騒音などのもととなる。
(b)コネクチングロッドの傾きによりピストンがシリ
ンダーへ衝突し、その衝突は振動や騒音そして摩擦損失
などの障害のもととなる。なお、コネクチングロッドの
傾きによりピストンがシリンダーへ衝突する現象は、ピ
ストンスラップ(piston slap)と呼ばれ、
超大型ディーゼルエンジンでは大きな問題となってい
る。また、回転ピストン形内燃機関に関する考案は数々
あるが、実用化されたものはバンケル型回転ピストン形
内燃機関ただ一つである。そのバンケル型回転ピストン
形内燃機関は、基円と転円の半径の比が2:3であるペ
リトロコイドとその内包絡線との組合せを幾何学的基本
構成としている。すなわち、バンケル型回転ピストン形
内燃機関は、基円と転円の半径の比が2:3であるペリ
トロコイドをローターハウジングの内面輪郭とし、その
内包絡線を回転ピストンであるローターとしている。そ
のため、バンケル型回転ピストン形内燃機関は次ぎのよ
うな欠点も持っている。
(a)バンケル型回転ピストン形内燃機関は、その幾何
学的条件により理論圧縮比の上限が定まり、圧縮比をデ
ィーゼルエンジンに適するほど十分に得ることができな
い。このことは、バンケル型回転ピストン形内燃機関で
ディーゼルエンジンを作ろうとする際の大きな障壁とな
る。
(b)バンケル型回転ピストン形内燃機関は、基円と転
円の半径の比が2:3であるペリトロコイドをローター
ハウジングの内面輪郭としている為、ローターハウジン
グの内周面の短軸側にくびれが存在する。その為に、圧
縮上死点付近で、作動室が短軸を挾んでトレーリング側
(遅れ側)とリーディング側(進み側)とに二分され
て、トレーリング側(遅れ側)は圧縮され、リーディン
グ側(進み側)は膨張する。そして、圧縮側作動室と膨
張側作動室との間に、燃焼ガスの移動のための連絡通路
が無い為に、機械損失が発生する。そこで、この障害を
低減する為、バンケル型回転ピストン形内燃機関は、回
転ピストンであるローターの外周部にローターリセスと
呼ぶ凹みを設けている。しかしながら、短軸側のくびれ
は燃焼ガスの移動を妨げている。この発明は、 往復運動質量による障害が無い ローターハウジングの内周面にくびれが無い ディーゼルエンジンが成立するに、必要にして充分な
圧縮比を得る回転ピストン形内燃機関と 往復運動質量による障害が無い往復ピストン形内燃機
関を目的とする。
[課題を解決するための手段]課題を解決するための手
段を説明するにあたり、この明細書で用いる用語につい
て説明し、また、定義する。
※「側面の接平面が垂直に交わる底面」で用いる接平面
について 矩形がその一辺を軸として回転したときできる立体を直
円柱といい、軸に対する辺を直円柱の母線、回転により
母線の描く曲面を直円柱の側面、回転により軸に隣る辺
によってできる円を直円柱の底面という。よって、直円
柱の二つの底面は平行である。ここで、円柱と一つの母
線を共有する平面を円柱の接平面といい、円柱の接平面
は円柱の側面と一つの接線を共有して円柱の側面に接す
る。なお、一般的な接平面は、曲面上において、曲面と
一点を共有して曲面に接する平面をいう。また、直円柱
の接平面はその底面に垂直に交わるが、円柱の接平面が
その底面に垂直に交わらないものは斜円柱という。
※「ハウジングの筒形空洞の直截面の輪郭」で用いる直
截面について 円柱の母線に垂直な平面で切った切り口を円柱の直截面
という。なお、直円柱においては、直截面の形状と底面
の形状とは同じである。
※「ハウジングの筒形空洞の内面」で用いる内面につい
て この明細書において、筒形空洞の内側部分を内面と総称
する。また、内面において、筒端の平面部分を底面、筒
を構成する曲面部分を側面とする。
※「三つの頂点を持つ三角状の直截面をした直角柱」で
用いる直截面について 角柱の側稜に垂直な平面で切った切り口を角柱の直截面
という。なお、直角柱において、直截面の形状と底面の
形状とは同じである。この明細書において、回転ピスト
ンの三角状直截面は、回転ピストンの自転軸方向から見
た回転ピストンの断面ともいえる。
※「回転ピストンの直截面の頂点」で用いる頂点につい
て この明細書において、直截面の頂点が点ではなく弧であ
るものも頂点に含むとする。
※「三つの頂点を持つ三角状の直截面をした直角柱」で
用いる直角柱について 幾何学において、多角形で囲まれた立体を多面体とい
い、多角形を多面体の面、多角形の辺を多面体の稜、多
角形の頂点を多面体の頂点という。そして、多面体の二
つの面が平行で、他の面がみな一つの直線に平行なと
き、これを角柱といい、多面体の平行な二つの面を底
面、一つの直線に平行な面を側面、隣合う二つの側面の
交わりを側稜という。また、角柱の側稜が底面に垂直な
とき、これを直角柱といい、そうでないものを斜角柱と
いう。幾何学における直角柱の側面は平面であるが、こ
の明細書においては、直角柱のうちで、側面が曲面であ
るもの、すなわち、底面の辺が曲線であるものも含み、
また、底面の頂点が点ではなく弧であるものも直角柱に
含むとする。
※「曲線の平行移動量を半径とする扇形」で用いる扇形
について 幾何学において、円周上の二点は円周を二つの部分に分
けるが、そのおのおのを円弧または単に弧といい、二つ
の半径とその半径の両端間の円弧とで含まれた図形を扇
形という。
※「創成点、創成半径、偏心量、偏心腕、創成腕」につ
いて 第2a図において、半径aである一定円Aと半径bであ
る動円Bとはハイポトロコイドを構成し、半径eである
一定円Eと半径fである動円Fとはペリトロコイドを構
成する。ここで、一定円Aと動円Bとのハイポトロコイ
ドに関し、半径aである一定円Aを基円、半径bである
動円Bを転円と言い、半径bである転円Bの半径の延長
線上にある定点Rを創成点、OQを偏心量、QRを創成
半径という。なお、腕OQを偏心腕、腕QRを創成腕と
この明細書において定義する。そして、一定円Eと動円
Fとのペリトロコイドに関し、半径eである一定円Eを
基円、半径fである動円Fを転円と言い、半径fである
転円Fの半径の延長線上にある定点Pを創成点、QRを
偏心量、RPを創成半径と言う。また、腕QRを偏心
腕、腕RPを創成腕とこの明細書において定義する。
(a)請求項1及び2記載の回転ピストン形内燃機関の
構成 前記の発明の目的を達成するために、この発明における
回転ピストン形内燃機関は次の構成からなり、実施図で
ある第1a図、第1b図、第1c図、第1d図及び第1
e図を用いて説明する。なお、ハウジングは、側面の接
平面が垂直に交わる底面を持つ筒形の空洞を有する形状
をしているが、実施図では、ハウジングの筒形空洞の側
面部分を、両端が開口している筒形空洞を有するロータ
ーハウジングとし、ハウジングの筒形空洞の底面部分を
板状のサイドハウジングとして、ローターハウジングの
筒形空洞の両端に板状のサイドハウジングを取付けて、
側面の接平面が垂直に交わる底面を持つ筒形の空洞を有
する形状をしたハウジングを構成している。また、第1
a図、第1b図、第1c図、第1d図及び第1e図は実
施図であるので、作動室の気密のため、回転ピストンの
三つの側綾にアペックスシールが設けてあり、更に、回
転ピストンの二つの底面にサイドシールが設けてある。
(イ)ローターハウジングは、両端が開口している筒形
空洞を有する形状である。そして、ローターハウジング
の筒形空洞の直截面の輪郭を定める曲線は、『「ペリト
ロコイドの基円とハイポトロコイドの転円とが同心とな
るように、ペリトロコイドの基円をハイポトロコイドの
偏心腕に固着し、かつ、ペリトロコイドの転円の中心が
ハイポトロコイドの創成点となるように、ペリトロコイ
ドの偏心腕をハイポトロコイドの創成腕に固着したペリ
トロコイドの創成点」の描く曲線』、または、『「ペリ
トロコイドの基円とハイポトロコイドの転円とが同心と
なるように、ペリトロコイドの基円をハイポトロコイド
の偏心腕に固着し、かつ、ペリトロコイドの転円の中心
がハイポトロコイドの創成点となるように、ペリトロコ
イドの偏心腕をハイポトロコイドの創成腕に固着したペ
リトロコイドの創成点」の描く曲線』を外側に平行移動
した曲線である。また、ローターハウジングの筒形空洞
の両端に板状のサイドハウジングを取付けて、側面の接
平面が垂直に交わる底面を持つ筒形空洞を有する形状を
したハウジングを構成する。ここで、ハイポトロコイド
における基円の半径と転円の半径との比は2:1であ
り、ペリトロコイドにおける基円の半径と転円の半径と
の比は2:3である。なお、ハウジングは往復ピストン
形内燃機関のシリンダーに相当する (ロ)回転ピストンの形状は、三つの頂点を持つ三角状
の直截面をした直角柱の形状である。そして、回転ピス
トンの直截面の頂点は、「ペリトロコイドの基円とハイ
ポトロコイドの転円とが同心となるように、ペリトロコ
イドの基円をハイポトロコイドの偏心腕に固着し、か
つ、ペリトロコイドの転円の中心がハイポトロコイドの
創成点となるように、ペリトロコイドの偏心腕をハイポ
トロコイドの創成腕に固着したペリトロコイドの創成
点」、または、回転ピストンの直截面の頂点の形状は、
「ペリトロコイドの基円とハイポトロコイドの転円とが
同心となるように、ペリトロコイドの基円をハイポトロ
コイドの偏心腕に固着し、かつ、ペリトロコイドの転円
の中心がハイポトロコイドの創成点となるように、ペリ
トロコイドの偏心腕をハイポトロコイドの創成腕に固着
したペリトロコイドの創成点」に、『「ペリトロコイド
の基円とハイポトロコイドの転円とが同心となるよう
に、ペリトロコイドの基円をハイポトロコイドの偏心腕
に固着し、かつ、ペリトロコイドの転円の中心がハイポ
トロコイドの創成点となるように、ペリトロコイドの偏
心腕をハイポトロコイドの創成腕に固着したペリトロコ
イドの創成点」の描く曲線』を外側に平行移動した曲線
の平行移動量を半径とする扇形を付け加え、『「ペリト
ロコイドの基円とハイポトロコイドの転円とが同心とな
るように、ペリトロコイドの基円をハイポトロコイドの
偏心腕に固着し、かつ、ペリトロコイドの転円の中心が
ハイポトロコイドの創成点となるように、ペリトロコイ
ドの偏心腕をハイポトロコイドの創成腕に固着したペリ
トロコイドの創成点」の描く曲線』を外側に平行移動し
た曲線の平行移動量を半径とする円弧形である。また、
回転ピストンの三角状直截面の三つの頂点において、三
角状直截面の二つの頂点と三角状直截面の中心とがつく
る三つの角度は全て120°である。ここで、ハイポト
ロコイドにおける基円の半径と転円の半径との比は2:
1であり、ペリトロコイドにおける基円の半径と転円の
半径との比は2:3である。なお、回転ピストンの三角
状直截面の三つの頂点を結ぶ曲線を定めるにあたり、回
転ピストンの側面がロータリーハウジングの筒形空洞の
側面に干渉しなければ、回転ピストンの三角状直截面の
三つの頂点を結ぶ曲線に特別な制限はなく、「ローター
ハウジングの筒形空洞の直截面の輪郭を定める曲線」の
内包絡線を用いると、ローターハウジングの筒形空洞の
側面とサイドハウジングの内面と回転ピストンの側面と
で形成する作動室の最小容積は最も小さくなり、圧縮比
は大きくなって、都合が良い。
(ハ)回転ピストンをローターハウジングの筒形空洞部
に収めて、ローターハウジングの筒形空洞の両端に板状
のサイドハウジングを取付ける。そして、回転ピストン
の三つの側稜がローターハウジングの筒形空洞の側面を
常に摺動し、さらに、回転ピストンの底面がサイドハウ
ジングの内面を常に摺動することにより、ローターハウ
ジングの筒形空洞の側面とサイドハウジングの内面と回
転ピストンの側面とで容積が変化する三つの作動室を形
成する。
(ニ)吸気口と排気口とが、ローターハウジングの筒形
空洞の側面とサイドハウジングの内面と回転ピストンの
側面とで形成する作動室に開口するように、吸気口と排
気口とをローターハウジングに設け、クランク軸の回転
によって、回転ピストンの三つの側稜がローターハウジ
ングの筒形空洞の側面を摺動することにより、回転ピス
トンの三つの側稜は吸気口と排気口とを開閉する。な
お、吸気口も排気口も共にサイドハウジングに設けるこ
とができる。この場合、回転ピストンの底面がサイドハ
ウジングの内面を摺動することにより、回転ピストンの
底面の稜は吸気口と排気口とを開閉する。
(ホ)ローターハウジングの筒形空洞の側面とサイドハ
ウジングの内面と回転ピストンの側面とで形成する作動
室の容積が、クランク軸の回転により変化することを利
用して、ガス交換を行い、吸入、圧縮、燃焼と膨張、排
気の4行程を行う。そして、燃焼ガスの膨張による前記
作動室の容積変化をクランク軸より回転力として取り出
す。
(ヘ)回転ピストンとクランク軸の関係は次のとおりで
ある。
クランク軸はクランク軸主軸とクランク腕とクランク
ピンとからなり、クランク軸は出力軸である。そして、
クランク軸の回転軸はクランク軸主軸の軸心(第2a図
〜第2b図における原点O)であり、クランク軸主軸
は、クランク軸主軸の軸心がローターハウジングの筒形
空洞の直截面の輪郭を定める曲線の中心(第2a図〜第
2b図における原点O)となるように、サイドハウジン
グを貫通している。また、クランクピンの軸心(第2a
図〜第2b図における点Q)は、クランク軸主軸の軸心
(第2a図〜第2b図における原点O)に平行でクラン
ク軸主軸の軸心より一定距離はなれているなお、クラン
ク軸主軸の軸心とクランクピンの軸心との距離は、基円
の半径と転円の半径との比が2:1であるハイポトロコ
イドの偏心量(第2a図〜第2b図における距離OQ)
である。また、クランク腕の作用は、基円の半径と転円
の半径との比が2:1であるハイポトロコイドの偏心腕
(2a図〜第2b図に 固定歯車Aは、固定歯車Aの中心を、ローターハウジ
ングの筒形空洞の直截面の輪郭を定める曲線の中心(第
2a図〜第2b図における原点O)として、サイドハウ
ジングに固着してある。故に、固定歯車Aとクランク軸
主軸とは同心である。また、固定歯車Aは内ば歯車であ
る。
転動歯車Bが、転動歯車Bの中心を自転軸として、ク
ランクピンの軸心(第2a図〜第2b図における点Q)
を中心に自転できるように、転動歯車Bはクランクピン
に取り付けてある。なお、転動歯車Bは外ば歯車であ
り、転動歯車Bは内ば歯車である固定歯車Aと噛み合っ
ている。また、固定歯車Aと転動歯車Bとの幾何学的関
係は、基円の半径と転円の半径との比が2:1であるハ
イポトロコイドにおける基円と転円との関係であり、固
定歯車Aのピッチ円半径と転動歯車Bのピッチ円半径と
の比は2:1である。
偏心軸は偏心軸主軸と偏心輪とからなり、偏心輪の軸
心(第2a図〜第2b図における点R)は、偏心軸主軸
の軸心(第2a図〜第2b図における点Q)に平行で偏
心軸主軸の軸心より一定距離はなれている。そして、偏
心軸の回転軸は偏心軸主軸の軸心(第2a図〜第2b図
における点Q)である。なお、偏心軸主軸の軸心と偏心
輪の軸心との距離は、基円の半径と転円の半径との比が
2:3であるペリトロコイドの偏心量(2a図〜第2b
図における距離QR)であり、また、基円の半径と転円
の半径との比が2:1であるハイポトロコイドの創成半
径(2a図〜第2b図における距離QR)でもある。そ
して、偏心軸の作用は、基円の半径と転円の半径との比
が2:3であるペリトロコイドの偏心腕(2a図〜第2
b図における 及び基円の半径と転円の半径との比が2:1であるハイ
ポトロコイドの創成腕(2a図〜第2b図における に相当する。
偏心軸が、偏心軸主軸の軸心を回転軸として、クラン
クピンの軸心(第2a図〜第2b図における点Q)を中
心に回転できるように、偏心軸はクランクピンに取り付
けてある 偏心軸主軸は、偏心軸主軸の軸心と転動歯車Bの回転
軸とが同軸となるように、転動歯車Bに固着してある。
よって、偏心輪の軸心(第2a図〜第2b図における点
R)は転動歯車Bの半径の延長線上にある定点となり、
偏心輪の軸心は固定歯車Aと転動歯車Bとからなるハイ
ポトロコイドの創成点(第2a図〜第2b図における点
R)である。
固定歯車Eと転動歯車Bとが同心となるように、固定
歯車Eの中心をクランクピンの軸心(第2a図〜第2b
図における点Q)として、固定歯車Eはクランク腕に固
着してある。なお、固定歯車Eは外ば歯車である。
転動歯車Fが、転動歯車Fの中心を自転軸として、固
定歯車Aと転動歯車Bとからなるハイポトロコイドの創
成点である偏心輪の軸心(第2a図〜第2b図における
点R)を中心に自転できるように、転動歯車Fは偏心輪
に取り付けてある。なお、転動歯車Fは内ば歯車であ
り、転動歯車Fは外ば歯車である固定歯車Eと噛み合っ
ている。また、固定歯車Eと転動歯車Fとの幾何学的関
係は、基円の半径と転円の半径との比が2:3であるペ
リトロコイドにおける基円と転円との関係であり、固定
歯車Eのピッチ円半径と転動歯車Fのピッチ円半径との
比は2:3である。
回転ピストンは、回転ピストンの中心(第2a図〜第
2b図における点R)を自転軸として、回転ピストンの
自転軸と転動歯車Fの自転軸(第2a図〜第2b図にお
ける点R)とが同軸となるように、転動歯車Fに固着し
てある。
▲10▼回転ピストンの三角状直截面の三つの頂点(第
2b図における点P,点P,点P)は転動歯車F
の半径の延長線上にある定点である。また、回転ピスト
ンの三角状直截面の三つの頂点は固定歯車Eと転動歯車
Fとからなるペリトロコイドの創成点(第2b図におけ
る点P,点P,点P)である。
以上をもって、請求項1及び2記載の回転ピストン形内
燃機関を構成する。
(b)請求項3記載の回転ピストン形内燃機関の構成 (イ)ハイポトロコイドにおける基円の半径と転円の半
径との比は3:2である。また、ペリトロコイドにおけ
る基円の半径と転円の半径との比は1:2である。
(ロ)回転ピストンの形状は、二つの頂点を持つフット
ボール状の直截面をした直角柱の形状である。なお、回
転ピストンのフットボール状直截面の二つの頂点におい
て、フットボール状直截面の二つの頂点とフットボール
状直截面の中心とがつくる角度は180゜である。
(ハ)吸気口と排気口とが、ハウジングの筒形空洞の側
面とハウジングの筒形空洞の底面と回転ピストンの側面
とで形成する作動室に開口するように、吸気弁と排気弁
とをハウジングに設ける。ここで、吸気弁と排気弁と
は、クランク軸の回転により開閉を制御される。
(ニ)固定歯車Aと転動歯車Bとの幾何学的関係は、基
円の半径と転円の半径との比が3:2であるハイポトロ
コイドにおける基円と転円との関係であり、固定歯車A
のピッチ円半径と転動歯車Bのピッチ円半径との比は
3:2である。そして、固定歯車Eと転動歯車Fとの幾
何学的関係は、基円の半径と転円の半径との比が1:2
であるペリトロコイドにおける基円と転円との関係であ
り、固定歯車Eのピッチ円半径と転動歯車Fのピッチ円
半径との比は1:2である。を特徴とする以外、請求項
3記載の回転ピストン形内燃機関の構成は、請求項1お
よび2記載の回転ピストン形内燃機関の構成と同一であ
る。以上をもって、請求項3記載の回転ピストン形内燃
機関を構成する。
(c)請求項4記載の往復ピストン形内燃機関の構成 (イ)従来型往復ピストン形内燃機関のクランク機構に
替えて、「ペリトロコイドの基円とハイポトロコイドの
転円とが同心となるように、ペリトロコイドの基円をハ
イポトロコイドの偏心腕に固着し、かつ、ペリトロコイ
ドの転円の中心がハイポトロコイドの創成点となるよう
に、ペリトロコイドの偏心腕をハイポトロコイドの創成
腕に固着したペリトロコイドの創成点」の軌跡を、往復
直線運動を回転運動に変換するクランク機構として用い
る。
(ロ)前記のクランク機構に関し ハイポトロコイドにおける基円の半径と転円の半径と
の比は2:1である。また、ペリトロコイドにおける基
円の半径と転円の半径との比は1:2である。
(c)項(イ)記載の創成点に往復型ピストンを配置
し、往復型シリンダーと組み合わせて往復ピストン形内
燃機関を構成する。
固定歯車Aと転動歯車Bとの幾何学的関係は、基円の
半径と転円の半径との比が2:1であるハイポトロコイ
ドにおける基円と転円との関係であり、固定歯車Aのピ
ッチ円半径と転動歯車Bのピッチ円半径との比は2:1
である。そして、固定歯車Eと転動歯車Fとの幾何学的
関係は、基円の半径と転円の半径との比が1:2である
ペリトロコイドにおける基円と転円との関係であり、固
定歯車Eのピッチ円半径と転動歯車Fのピッチ円半径と
の比は1:2である。を特徴とする以外、請求項4記載
の往復ピストン形内燃機関の直線運動を回転運動に変換
する構成は、(a)項請求項1及び2記載の回転ピスト
ン形内燃機関の構成の(ヘ)と同一である。以上をもっ
て、請求項4記載の往復ピストン形内燃機関を構成す
る。
[作 用] (a)回転ピストン形内燃機関の理論的根拠 (イ)「ペリトロコイドの基円とハイポトロコイドの転
円とが同心となるように、ペリトロコイドの基円をハイ
ポトロコイドの偏心腕に固着し、かつ、ペリトロコイド
の転円の中心がハイポトロコイドの創成点となるよう
に、ペリトロコイドの偏心腕をハイポトロコイドの創成
腕に固着したペリトロコイドの創成点」の理論的構成と
その媒介変数方程式 請求項(1)記載の『「ペリトロコイドの基円とハイポ
トロコイドの転円とが同心となるように、ペリトロコイ
ドの基円をハイポトロコイドの偏心腕に固着し、かつ、
ペリトロコイドの転円の中心がハイポトロコイドの創成
点となるように、ペリトロコイドの偏心腕をハイポトロ
コイドの創成腕に固着したペリトロコイドの創成点」の
描く曲線』は、ハイポトロコイドとペリトロコイドとを
合成した曲線となる。以下、順をおって説明する。
[ハイポトロコイドとペリトロコイドとの合成の構
成]第2a図及び第2c図において、半径bである転円
Bは、転円Bの自転の中心を偏心腕OQ上の点Qとし
て、半径aである基円Aの内周に外接しつつ滑ることな
く転がる。そして、半径bである転円Bと半径aである
基円Aとはハイポトロコイドを構成する。ここで、原点
である点Oは、基円Aの中心であり、基円Aと転円Bと
からなるハイポトロコイドの中心である。また、半径f
である転円Fは、転円Fの自転の中心をハイポトロコイ
ドの創成点Rとして、半径eである基円Eの外周に内接
しつつ滑ることなく転がる。そして、半径fである転円
Fと半径eである基円Eとはペリトロコイドを構成す
る。なお、基円Eは、転円Bと同心となるように基円E
の中心を偏心腕OQ上の点Qとして、偏心腕OQに固着
してある。よって、転円Bは偏心腕OQ上の点Qを中心
に自転することができるが、基円Eは偏心腕OQ上の点
Qを中心に自転することができない。
[ハイポトロコイドとペリトロコイドとの合成の作
用]転円Bが、転円Bの自転の中心を偏心腕OQ上の点
Qとして、基円Aの内周に外接しつつ滑ることなく転が
るために、偏心腕OQは偏心腕OQ上の点Oを中心に回
転する。よって、転円Bの中心である点Qの軌跡は半径
OQの円となる。基円Eが、基円Eの中心を偏心腕OQ
上の点Qとして、偏心腕OQに固着してあるために、基
円Eは点Qを中心に自転することができない。よって、
基円Eは、転円Bの回転による偏心腕OQの回転と共
に、偏心腕OQと一体となって、自転することなく、偏
心腕OQ上の点Oを中心に公転する。なお、基円Eの中
心は点Qの軌跡上(半径OQの円の円周上)を移動す
る。トロコイドの条件により、ハイポトロコイドの創成
点Rは転円Bの半径の延長線上にある定点であるから、
転円Bの中心である点Qとハイポトロコイドの創成点R
とを結ぶ創成腕QRは転円Bと一体となっている。よっ
て、ハイポトロコイドの創成点である創成腕QR上の点
Rと創成腕QRとは、転円Bと一体となって、偏心腕O
Q上の点Qを中心に回転する。
[ハイポトロコイドとペリトロコイドとの合成の効
果]基円Eと転円Bとは同心に配置されているから、転
円Bの自転により、ハイポトロコイドの創成点である創
成腕QR上の点Rは基円Eの周りを回る。また、転円F
はハイポトロコイドの創成点Rを転円Fの自転の中心と
しているから、ハイポトロコイドの創成点である創成腕
QR上の点Rは転円Fの自転の中心でもある。よって、
点Rである転円Fの自転の中心は基円Eの周りを回る。
ここで、基円Eと転円Fとはペリトロコイドを構成する
から、転円Fは基円Eの外周に内接しつつ滑ることなく
転がる。そして、点Pは転円Fと基円Eとからなるペリ
トロコイドの創成点である。従って、点Qを原点とした
平面上において、点Pはペリトロコイドを描く。しか
し、点Rである転円Fの自転の中心はハイポトロコイド
の創成点Rである為、点Oを原点とした平面上におい
て、点Rである転円Fの自転の中心はハイポトロコイド
を描く。よって、点Pの描く曲線はハイポトロコイドと
ペリトロコイドとを合成した曲線となる。その結果、点
Pの座標はベクトルOQとベクトルQRとベクトルRP
とのベクトル和となる。故に、点Pの座標は次のように
表現できる。点Pの座標は、「ペリトロコイドの基円E
とハイポトロコイドの転円Bとが同心となるように、ペ
リトロコイドの基円Eをハイポトロコイドの偏心腕OQ
に固着し、かつ、ペリトロコイドの転円Fの中心がハイ
ポトロコイドの創成点Rとなるように、ペリトロコイド
の偏心腕QRをハイポトロコイドの創成腕QRに固着し
たペリトロコイドの創成点P」の座標である。なお、点
Pの座標は請求項(1)記載の「回転ピストンの直截面
の頂点」の座標である。また、点Pの描く曲線は次のよ
うに表現できる。点Pの描く曲線は、『「ペリトロコイ
ドの基円Eとハイポトロコイドの転円Bとが同心となる
ように、ペリトロコイドの基円Eをハイポトロコイドの
偏心腕OQに固着し、かつ、ペリトロコイドの転円Fの
中心がハイポトロコイドの創成点Rとなるように、ペリ
トロコイドの偏心腕QRをハイポトロコイドの創成腕Q
Rに固着したペリトロコイドの創成点P」の描く曲線』
である。なお、点Pの描く曲線は請求項(1)記載の
「ハウジングの筒形空洞の直截面の輪郭を定める曲線」
である。
[「ペリトロコイドの基円Eとハイポトロコイドの転
円Bとが同心となるように、ペリトロコイドの基円Eを
ハイポトロコイドの偏心腕OQに固着し、かつ、ペリト
ロコイドの転円Fの中心がハイポトロコイドの創成点R
となるように、ペリトロコイドの偏心腕QRをハイボト
ロコイドの創成腕QRに固着したペリトロコイドの創成
点P」の媒介変数方程式]第2a図及び第2c図におい
て、点P(x,y)の座標は次式で表される。
よって、 とすると、点P(x,y)の座標は媒介変数方程式で表
すと次式で表される。但し、βは点P(x,y)の位相
角であり、定数である。
x=(a−b)cosθ+(f−e)cosφ+kco
s(γ+β) y=(a−b)sinθ+(f−e)sinφ+ksi
n(γ+β) (i)φの値を求める ここで、φの値は次式となる φ=θ+λ 尚、 ∴b|λ|=a|θ| よって、転円Bの回転量λは ここで、転円Bの回転方向は時計方向(CW回転)であ
るから ∴φ=θ+λ (ii)γの値を求める ここで、γの値は次式となる γ=φ+τ 尚、 ∴f|τ|=e|λ| よって、転円Fの回転量τは次式となる。
また、 より ここで、転円Fの回転方向は反時計方向(CCW回転)
であるから また、 よりγは次式で与えられる。
γ=φ+τ (iii)点P(x,y)の媒介変数方程式は次式とな
る。
ここで、転円Bの半径bと基円Eの半径eとの比をc、
基円Eの半径eと転円Fの半径fとの比をnとする。そ
して、c=1のときの、すなわち転円Bの半径bと基円
Eの半径eが等しいときの転円Fの半径をrとすると次
式を得る。
r=nb e=cb f=ne =ncb =cr そして、 と転円Fの半径fとの比をdとすると、 及びRPは次式で表される。f−e=cr−cb 但
し、 k=df =dcr 従って、次式を得る。
e:f=cb:cr =b:r よって、eとfの比はbとrの比で表され、eとfの値
はcとbとrで表される。故に、点P(x,y)の座標
である「ペリトロコイドの基円Eとハイポトロコイドの
転円Bとが同心となるように、ペリトロコイドの基円E
をハイポトロコイドの偏心腕OQに固着し、かつ、ペリ
トロコイドの転円Fの中心がハイポトロコイドの創成点
Rとなるように、ペリトロコイドの偏心腕QRをハイポ
トロコイドの創成腕QRに固着したペリトロコイドの創
成点P」の座標は、媒介変数方程式で表すと次式とな
る。但し、βは点P(x,y)の位相角であり、定数で
ある。
ここで、(1)及び(2)式の簡略化のため h=a−b g=f−e =cr−cb η=γ+β とすると、(1)及び(2)式は次式となる。
x=hcosθ +gcosφ+kcosη......(3) y=hsinθ +gsinφ+ksinη......(4) [「トロコイドとトロコイドとを合成した曲線」の一
般式]第2a図及び第2c図において、創成点Pの軌跡
は次式で表される。
よって、 とすると、創成点Pの軌跡は媒介変数方程式で表すと次
式となる。但し、β、β及びβは位相角である。
x=(a±b)cos(θ+β)十(e±f)cos
(φ+β)+kcos(γ+β) y=(a±b)sin(θ+β)+(e±f)sin
(φ+β)+ksin(γ+β) 但し、複合同順 (i)φの値を求める。φの値は「ハイポトロコイドと
ペリトロコイドとの合成」の項より φ=θ+λ ここで、転円Bの回転方向は、 a+bの時→転円Bの回転方向は反時計方向であり、エ
ピトロコイドである。従って、 a−bの時→転円Bの回転方向は時計方向である。従っ
て、 ここで、a>bの時:ハイポトロコイド a<bの時:ペリトロコイド 故に、φ=θ+λより (ii)γの値を求める γの値は「ハイポトロコイドとペリトロコイドとの合
成」の項より γ=φ+τ ここで、転円Fの回転方向は、 e+fの時→転円Fの回転方向は時計方向であり、エピ
トロコイドである。従って、 e−fの時→転円Fの回転方向は反時計方向である。従
って、 ここで、e>fの時:ハイポトロコイド e<fの時:ペリトロコイド 故に、γ=φ+τより (iii)「トロコイドとトロコイドとを合成した曲
線」の一般式は次式となる。但、複合同順 ここで、e±f=cb±cr 但し、 k=dcr e=cb f=cr 故に、「トロコイドとトロコイドとを合成した曲線」の
一般式は、a、b、c、dとrで表すと次式となる。
但、複合同順 なお、トロコイドにはハイポトロコイド、ペリトロコイ
ド及びエピトロコイドがあり、トロコイドとトロコイド
との組合せは9通りある。
(ロ)トロコイドとトロコイドとを合成した曲線の例 (1)式及び(2)式は、a、b、c、d、r及びβの
値により、いろいろな曲線を描く。ここで、代表的な曲
線を次に示す。
a:b=2:1、b:r=2:3、c=:0.8、d
=3.4〜 5.2、dの増分を0.2,β=0、の時
の曲線を第3a図に示す。これは(1)式及び(2)式
において、β=0゜、β=0゜、β=0゜に相当す
る。以下同様である。
a:b=2:1、b:r=2:3、c=0.9、d=
2.8〜4.4、β=0の時の曲線を第3b図に示す。
a:b=2:1、b:r=2:3、c=1.0、d=
2.6〜3.4、 の時の曲線を第3c図に示す。
a:b=2:1、b:r=1:3、c=1.0、d=
2.2〜3.4、β=0の時の曲線を第3d図に示す。
a:b=2:1、b:r=1:3、C=1.0、d=
2.1〜2.7、 の時の曲線を第3e図に示す。
a:b=3:2、b:r=1:2、c=1.0、d=
1.6〜2.4、 の時の曲線を第3f図に示す。
a:b=3:2、b:r=1:2、c=1.0、d=
1.6〜1.8、β=0の時の曲線を第3g図に示す。
a:b=3:1、b:r=1:2、c=1.0、d=
3.2〜4.8、 の時の曲線を第3h図に示す。
a:b=3:1、b:r=1:2、c=1.0、d=
3.2〜3.8、β=0の時の曲線を第3i図に示す。
▲10▼a:b=2:1、b:r=1:4、c=1.
0、d=2.4〜3.2、β=0の時の曲線を第3j図
に示す。
▲11▼a:b=2:1、b:r=1:4、c=1.
0、d=2.2〜2.8、 の時の曲線を第3k図に示す。
▲12▼a:b=2:1、b:r=3:4、c=1.
0、d=3.2〜4.2、β=0の時の曲線を第31図
に示す。
▲13▼a:b=2:1、b:r=3:4、c=1.
0、d=3.2〜4.0、 の時の曲線を第3m図に示す。
▲14▼a:b=3:1、b:r=3:4、c=1.
0、d=6.0〜9.0、 の時の曲線を第3n図に示す。
▲15▼a:b=3:1、b:r=5:6、c=1.
0、d=4.7〜6.7、β=0の時の曲線を第3o図
に示す。
▲16▼a:b=3:1、b:r=5:6、c=1.
0、d=4.2〜5.2、 の時の曲線を第3p図に示す。
▲17▼a:b=4:1、b:r=2:3、c=1.
0、d=8.0〜10.0、 の時の曲線を第3q図に示す。
▲18▼a:b=4:3、b:r=1:3、c=1.
0、d=2.6〜3.6、 の時の曲線を第3r図に示す。これらの曲線は、全て、
ハウジングの筒形空洞の直截面の輪郭を定める曲線とし
て利用できる。そして、吸排気装置を取り付けて吸気・
圧縮・膨張・排気のサイクルを形成すると、回転ピスト
ン形内燃機関が成立する。なお、a:b=2:1、b:
r=1:2、c=1.0、β=0のときの創成点Pの軌
跡はx軸上の直線となる そして、その変位は、aを振幅としθを変数としたコサ
イン関数となる。そのため、a:b=2:1、b:r=
1:2、c=1.0である曲線は、従来型往復ピストン
形内燃機関のクランク機構に替えることができる。
(ハ)請求項(1)記載における、「回転ピストンの直
截面の頂点」と「ハウジングの筒形空洞の直截面の輪郭
を定める曲線」との関係 請求項(1)記載の「回転ピストンの直截面の頂点」
は、(1)式及び(2)式で表される「ペリトロコイド
の基円Eとハイポトロコイドの転円Bとが同心となるよ
うに、ペリトロコイドの基円Eをハイポトロコイドの偏
心腕OQに固着し、かつ、ペリトロコイドの転円Fの中
心がハイポトロコイドの創成点Rとなるように、ペリト
ロコイドの偏心腕QRをハイポトロコイドの創成腕QR
に固着したペリトロコイドの創成点P」である。そして
また、請求項(1)記載の「ハウジングの筒形空洞の直
截面の輪郭を定める曲線」は、『(1)式及び(2)式
で表される「ペリトロコイドの基円Eとハイポトロコイ
ドの転円Bとが同心となるように、ペリトロコイドの基
円Eをハイポトロコイドの偏心腕OQに固着し、かつ、
ペリトロコイドの転円Fの中心がハイポトロコイドの創
成点Rとなるように、ペリトロコイドの偏心腕QRをハ
イポトロコイドの創成腕QRに固着したペリトロコイド
の創成点P」の描く曲線』である。従って、請求項
(1)記載において、「ハウジングの筒形空洞の直截面
の輪郭を定める曲線」は、「回転ピストンの直截面の頂
点」が描く曲線であり、回転ピストンの直截面の頂点は
常にハウジングの筒形空洞の直截面の輪郭に接する。故
に、請求項(1)記載において、回転ピストンの側稜は
常にハウジングの筒形空洞の側面を摺動する。ここで、
請求項(1)記載の回転ピストン形内燃機関の幾何学的
構成を第2b図に示す。
(ニ)請求項(1)記載における、「回転ピストンの三
角状直截面の頂点」の座標及び「ハウジングの筒形空洞
の直截面の輪郭を定める曲線」の媒介変数方程式請求項
(1)記載の回転ピストン形内燃機関において、ハイポ
トロコイドにおける基円の半径aと転円bの半径との比
は2:1であり、かつ、ペリトロコイドにおける基円の
半径eと転円の半径fとの比は2:3である。故に、請
求項(1)記載における、「ハウジングの筒形空洞の直
截面の輪郭を定める曲線」及び「回転ピストンの三角状
直截面の頂点」の座標の媒介変数方程式は次式となる。
但し、βは点P(x,y)の位相角であり、定数であ
る。条件より a:b=2:1 e:f=2:3 故に、e:f=b:rであるから次式を得る。
a:b:r=4:2:3 よって、 a=2b、 従って 故に、上式を(1)式及び(2)式に代入すると、
(1)式及び(2)式は次式となる。
全てのβの値に対し、回転ピストン形内燃機関が成立す
るが、nを任意の整数とすると としたときが、回転ピストン形内燃機関にとって都合が
よい。なお、実施図である第1a図、第1b図、第1c
図、第1d図及び第1e図においては、a:b=2:
1、b:r=2:3、β=0 c=0.8、d=4.67である。
(ホ)請求項(1)記載における「回転ピストンの三角
状直截面の三つの頂点」の媒介変数方程式 まず、第2b図に示すように、請求項(1)記載におけ
る「回転ピストンの三角状直截面の三つの頂点」の座標
をP(x,y)、P(x,y)、P(x
,y)で表すとする。すると、請求項(1)記載の
回転ピストン形内燃機関において、「回転ピストンの三
角状直截面の二つの頂点と三角状直截面の中心とがつく
る三つの角度は全て120°である。」から(7)式及
び(8)式は次式となる。但し、βは点P(x,y)の
位相角であり、定数である。P(x,y)におい
て、 (x,y)において、 x=(a−b)cosθ+c(r−b)cos(−
θ) (x,y)において、 ここで、(1 1)式及び(1 2)式のθをθ+2π
に置き換えると 従って、(11)式及び(12)式は(9)式及び(1
0)式に等しくなる。同様に、(13)式及び(14)
式のθをθ+4πに置き換えると、(13)式及び(1
4)式は(9)式及び(10)式に等しくなる。故に、
請求項(1)記載において、「回転ピストンの三角状直
截面の三つの頂点」の座標P(x,y)、P
(x,y)、P(x,y)は全て同じ軌跡
となり、「回転ピストンの三角状直截面の三つの頂点」
は常にハウジングの筒形空洞の直截面の輪郭に接する。
よって、請求項(1)記載において、「回転ピストンの
三つの側稜」はハウジングの筒形空洞の側面を摺動す
る。
(ヘ)請求項(3)記載における、「回転ピストンのフ
ットボール状直截面の頂点」の座標及び「ハウジングの
筒形空洞の直截面の輪郭を定める曲線」の媒介変数方程
式 請求項(3)記載の回転ピストン形内燃機関において、
ハイポトロコイドにおける基円の半径aと転円bの半径
との比は3:2であり、かつ、ペリトロコイドにおける
基円の半径eと転円の半径fとの比は1:2である。故
に、請求項(3)記載における、「ハウジングの筒形空
洞の直截面の輪郭を定める曲線」及び「回転ピストンの
フットボール状直截面の頂点」の座標の媒介変数方程式
は次式となる。但し、βは点P(x,y)の位相角であ
り、定数である。条件より、a:b=3:2 e:f=1:2 故に、e:f=b:rであるから次式を得る。
a:b:r=3:2:4 よって、 従って 故に、上式を(1)式及び(2)式に代入すると、
(1)式及び(2)式は次式となる。
全てのβの値に対し、回転ピストン形内燃機関が成立す
るが、nを任意の整数とすると としたときが、回転ピストン形内燃機関にとって都合が
よい。
(ト)請求項(3)記載における「回転ピストンのフッ
トボール状直截面の二つの頂点」の媒介変数方程式 まず、請求項(3)記載における「回転ピストンのフッ
トボール状直截面の二つの頂点」の座標をP(x
)、P(x,y)で表すとする。すると、請
求項(3)記載の回転ピストン形内燃機関において、
「回転ピストンのフットボール状直截面の二つの頂点と
フットボール状直截面の中心とがつくる二つの角度は全
て180°である。」から(15)式及び(16)式は
次式となる。但し、βは点P(x,y)の位相角であ
り、定数である。P(x,y)において、 (x,y)において、 ここで、(19)式及び(20)式のθをθ+4πに置
き換えると 従って、(19)式及び(20)式は(17)式及び
(18)式に等しくなる。故に、請求項(3)記載にお
いて、「回転ピストンのフットボール状直截面の二つの
頂点」の座標P(x,y)、P(x,y
は全て同じ軌跡となり、「回転ピストンのフットボール
状直截面の二つの頂点」は常にハウジングの筒形空洞の
直截面の輪郭に接する。よって、請求項(3)記載にお
いて、「回転ピストンの二つの側稜」はハウジングの筒
形空洞の側面を摺動する。
(チ)『「ペリトロコイドの基円とハイポトロコイドの
転円とが同心となるように、ペリトロコイドの基円をハ
イポトロコイドの偏心腕に固着し、かつ、ペリトロコイ
ドの転円の中心がハイポトロコイドの創成点となるよう
に、ペリトロコイドの偏心腕をハイポトロコイドの創成
腕に固着したペリトロコイドの創成点」の描く曲線』を
外側に平行移動した曲線の理論的構成とその媒介変数方
程式 請求項(2)記載における、ハウジングの筒形空洞の直
截面の輪郭を定める〔『「ペリトロコイドの基円とハイ
ボトロコイドの転円とが同心となるように、ペリトロコ
イドの基円をハイポトロコイドの偏心腕に固着し、か
つ、ペリトロコイドの転円の中心がハイポトロコイドの
創成点となるように、ペリトロコイドの偏心腕をハイポ
トロコイドの創成腕に固着したペリトロコイドの創成
点」の描く曲線』を外側に平行移動した曲線〕は、
『(1)式及び(2)式で表される「ペリトロコイドの
基円Eとハイポトロコイドの転円Bとが同心となるよう
に、ペリトロコイドの基円Eをハイポトロコイドの偏心
腕OQに固着し、かつ、ペリトロコイドの転円Fの中心
がハイポトロコイドの創成点Rとなるように、ペリトロ
コイドの偏心腕QRをハイポトロコイドの創成腕QRに
固着したペリトロコイドの創成点P」の描く曲線』を、
『(1)式及び(2)式で表される「ペリトロコイドの
基円Eとハイポトロコイドの転円Bとが同心となるよう
に、ペリトロコイドの基円Eをハイポトロコイドの偏心
腕OQに固着し、かつ、ペリトロコイドの転円Fの中心
がハイポトロコイドの創成点Rとなるように、ペリトロ
コイドの偏心腕QRをハイポトロコイドの創成腕QRに
固着したペリトロコイドの創成点P」の描く曲線』の法
線に沿って、外側へ平行移動した曲線である。よって、
請求項(2)記載の「ハウジングの筒形空洞の直截面の
輪郭を定める曲線」は、請求項(1)記載の「ハウジン
グの筒形空洞の直截面の輪郭を定める曲線」を、請求項
(1)記載の「ハウジングの筒形空洞の直截面の輪郭を
定める曲線」の法線に沿って、外側へ平行移動した曲線
である。なお、請求項(1)記載の「ハウジングの筒形
空洞の直截面の輪郭を定める曲線」は、第2a図におけ
る創成点P(x,y)の軌跡である。
[請求項(2)記載の「ハウジングの筒形空洞の直截
面の輪郭を定める曲線」の媒介変数方程式]第2a図に
おいて、創成点P(x,y)における創成点P(x,
y)の軌跡の法線とx軸との成す角をυすると、υは次
式で表される。
ここで、x及びyは(3)式及び(4)式より x=hcosθ+gcosφ+kcosη y=hsinθ+gsinφ+ksinη 従って 故に、υは上式より次式で与えられる。
ここで、外側へ平行移動とは法線に沿って外側へ移動す
ることであるから、法線に沿って、創成点P(x,y)
を一定量tだけ外側へ平行移動させた座標を点P(x
,y)とすると、点P(x,y)の座標は次
式で表される。
=x+tcosυ y=y+tsinυ (1)及び(2)式より x=(a−b)cosθ 故に、(21)式及び(22)式は、『請求項(1)記
載の「ハウジングの筒形空洞の直截面の輪郭を定める曲
線」を、請求項(1)記載の「ハウジングの筒形空洞の
直截面の輪郭を定める曲線」の法線に沿って、外側へ一
定量tだけ平行移動した曲線』の媒介変数方程式であ
る。よって、(21)式及び(22)式は、請求項
(2)記載の「ハウジングの筒形空洞の直截面の輪郭を
定める曲線」の媒介変数方程式である。また、(3)及
び(4)式を適用すると x=hcosθ+gcosθ+kcosη+tcos
υ y=hsinθ+gsinφ+ksinη+tsin
υ となる。ここで、創成点P(x,y)において、創成点
P(x,y)の軌跡の法線と創成半径RPとの成す角を
φとし、φを揺動角と呼ぶと、揺動角φは次式で表され
る φ=υ−γ なお、「回転ピストンの直截面の頂点」は「ハウジング
の筒形空洞の直截面の輪郭を定める曲線」に対し揺動角
φだけ傾いて接する。よって、揺動角φは、「ハウジン
グの筒形空洞の直截面の輪郭を定める曲線」に対する
「回転ピストンの直截面の頂点」の傾きを表す。
(リ)請求項(2)記載の「回転ピストンの直截面の頂
点の形状」の理論的構成 請求項(1)記載において、回転ピストンの直截面の頂
点が常にハウジングの筒形空洞の直截面の輪郭に接する
為に、回転ピストンの側綾とハウジングの筒形空洞の側
面とは線接触となり、その接触線は、回転ピストンの側
綾上において、常に同じ位置となる。その為、回転ピス
トンの側綾が異常摩耗する恐れがある。そこで、回転ピ
ストンの側綾の異常摩耗を低減する為に、ハウジングの
筒形空洞の直截面の輪郭を定める曲線を、『「ペリトロ
コイドの基円Eとハイポトロコイドの転円Bとが同心と
なるように、ペリトロコイドの基円Eをハイポトロコイ
ドの偏心腕OQに固着し、かつ、ペリトロコイドの転円
Fの中心がハイポトロコイドの創成点Rとなるように、
ペリトロコイドの偏心腕QRをハイポトロコイドの創成
腕QRに固着したペリトロコイドの創成点P」の描く曲
線』を外側に一定量tだけ平行移動した曲線とし、か
つ、回転ピストンの直截面の頂点の形状を、「ペリトロ
コイドの基円Eとハイポトロコイドの転円Bとが同心と
なるように、ペリトロコイドの基円Eをハイポトロコイ
ドの偏心腕OQに固着し、かつ、ペリトロコイドの転円
Fの中心がハイポトロコイドの創成点Rとなるように、
ペリトロコイドの偏心腕QRをハイポトロコイドの創成
腕QRに固着したペリトロコイドの創成点P」に『「ペ
リトロコイドの基円Eとハイポトロコイドの転円Bとが
同心となるように、ペリトロコイドの基円Eをハイポト
ロコイドの偏心腕OQに固着し、かつ、ペリトロコイド
の転円Fの中心がハイポトロコイドの創成点Rとなるよ
うに、ペリトロコイドの偏心腕QRをハイポトロコイド
の創成腕QRに固着したペリトロコイドの創成点P」の
描く曲線』を外側に一定量tだけ平行移動した曲線の平
行移動量tを半径とする扇形を付け加えて、「ペリトロ
コイドの基円Eとハイポトロコイドの転円Bとが同心と
なるように、ペリトロコイドの基円Eをハイポトロコイ
ドの偏心腕OQに固着し、かつ、ペリトロコイドの転円
Fの中心がハイポトロコイドの創成点Rとなるように、
ペリトロコイドの偏心腕QRをハイポトロコイドの創成
腕QRに固着したペリトロコイドの創成点P」を外側に
一定量tだけ平行移動した曲線の平行移動量tを半径と
する円弧形として、回転ピストンの側稜に丸みを持たせ
る。つまり、請求項(2)記載の「ハウジングの筒形空
洞の直截面の輪郭を定める曲線」を、請求項(1)記載
の「ハウジングの筒形空洞の直截面の輪郭を定める曲
線」を外側に一定量tだけ平行移動した曲線とし、か
つ、請求項(2)記載の「回転ピストンの直截面の頂点
の形状」を、請求項(1)記載の「回転ピストンの直截
面の頂点」に請求項(1)記載の「ハウジングの筒形空
洞の直截面の輪郭を定める曲線」を外側に一定量tだけ
平行移動した曲線の平行移動量tを半径とする扇形を付
け加えて、請求項(1)記載の「ハウジングの筒形空洞
の直截面の輪郭を定める曲線」を外側に一定量tだけ平
行移動した曲線の平行移動量tを半径とする円弧形とし
て、回転ピストンの側稜に丸みを持たせる。よって、請
求項(2)記載の「回転ピストンの直截面の頂点の形
状」は、中心角が2φであり、かつ、半径がtである円
弧形である。また、前記円弧の中心は、(1)式及び
(2)式で表される請求項(1)記載の「回転ピストン
の直截面の頂点」である。ここで、φは揺動角である。
すると、回転ピストンの直截面の円弧形頂点とハウジン
グの筒形空洞の直截面の輪郭との接点は、回転ピストン
の回転につれて、回転ピストンの直截面の円弧形頂点上
を移動する。つまり、回転ピストンの丸みを持った側綾
とハウジングの筒形空洞の側面との接触線は、回転ピス
トンの回転につれて、回転ピストンの丸みを持った側綾
上を移動する。ゆえに、回転ピストンの側稜とハウジン
グの筒形空洞の側面との接触線は、回転ピストンの側稜
上において、常に同じ位置とならない。その為、回転ピ
ストンの側綾が異常摩耗する恐れがなくなる。これは、
ヴァンケル型回転ピストン形内燃機関と同様の手法であ
る。(「『自動車工学全書第6巻ロータリーエンジン、
ガスタービン』山海堂」を参照) (ヌ)『「ペリトロコイドの基円とハイポトロコイドの
転円とが同心となるように、ペリトロコイドの基円をハ
イポトロコイドの偏心腕に固着し、かつ、ペリトロコイ
ドの転円の中心がハイポトロコイドの創成点となるよう
に、ペリトロコイドの偏心腕をハイポトロコイドの創成
腕に固着したペリトロコイドの創成点」の描く曲線』の
曲線群 第2a図において、ハイポトロコイドの基円Aの中心で
ある点Oを原点としたxy座標系における『「ペリトロ
コイドの基円Eとハイポトロコイドの転円Bとが同心と
なるように、ペリトロコイドの基円Eをハイポトロコイ
ドの偏心腕OQに固着し、かつ、ペリトロコイドの転円
Fの中心がハイポトロコイドの創成点Rとなるように、
ペリトロコイドの偏心腕QRをハイポトロコイドの創成
腕QRに固着したペリトロコイドの創成点P」の描く曲
線』を求めた。なお、前記の曲線は、請求項(1)記載
における「ハウジングの筒形空洞の直截面の輪郭を定め
る曲線」である。ここで、第4a図において、円Fの中
心である点RをXY座標系の原点として、円FをXY平
面に固定して基円Fとし、円Eを転円Eとする。なお、
XY座標系において、転円Eは基円Fの内周に外接しつ
つ滑ることなく転がり、転円Eと基円Fとはハイポトロ
コイドを構成する。また、円Bを、ハイポトロコイドの
転円Eと同心となるように、ハイポトロコイドの偏心腕
RQ上の点Qに固着して基円Bとし、かつ、円Aの中心
をハイポトロコイドの創成腕QO上のハイポトロコイド
の創成点Oとして、円Aを転円Aとする。なお、XY座
標系において、転円Aは基円Bの外周に内接しつつ滑る
ことなく転がり、転円Aと基円Bとはペリトロコイドを
構成する。ここで、xy座標系の原点をXY座標系にお
けるハイポトロコイドの創成点Oとして、xy平面をX
Y座標系のペリトロコイドの転円Aに固定する。つま
り、xy座標系における『「ペリトロコイドの基円Eと
ハイポトロコイドの転円Bとが同心となるように、ペリ
トロコイドの基円Eをハイポトロコイドの偏心腕OQに
固着し、かつ、ペリトロコイドの転円Fの中心がハイポ
トロコイドの創成点Rとなるように、ペリトロコイドの
偏心腕QRをハイポトロコイドの創成腕QRに固着した
ペリトロコイドの創成点P」の描く曲線』をXY座標系
におけるペリトロコイドの転円A上の平面に描くことに
なる。よって、xy座標系はXY座標系におけるハイポ
トロコイドの創成点Oに平行移動し、xy座標系はXY
座標系におけるペリトロコイドの転円Aの回転により回
転する。なお、「ペリトロコイドの基円Eとハイポトロ
コイドの転円Bとが同心となるように、ペリトロコイド
の基円Eをハイポトロコイドの偏心腕OQに固着し、か
つ、ペリトロコイドの転円Fの中心がハイポトロコイド
の創成点Rとなるように、ペリトロコイドの偏心腕QR
をハイポトロコイドの創成腕QRに固着したペリトロコ
イドの創成点P」の描く曲線をxy座標系において表す
とき曲線P(x,y)とし、「ペリトロコイドの基円E
とハイポトロコイドの転円Bとが同心となるように、ペ
リトロコイドの基円Eをハイポトロコイドの偏心腕OQ
に固着し、かつ、ペリトロコイドの転円Fの中心がハイ
ポトロコイドの創成点Rとなるように、ペリトロコイド
の偏心腕QRをハイポトロコイドの創成腕QRに固着し
たペリトロコイドの創成点P」の描く曲線をXY座標系
において表すとき曲線P(X,Y)とする。そこで、偏
心腕RQの回転角度をωとすると、XY座標系における
ハイポトロコイドの創成点Oの座標およびXY座標系に
おけるペリトロコイドの転円Aの回転角度χはωの関数
である。従って、xy座標系における「ペリトロコイド
の基円Eとハイポトロコイドの転円Bとが同心となるよ
うに、ペリトロコイドの基円Eをハイポトロコイドの偏
心腕OQに固着し、かつ、ペリトロコイドの転円Fの中
心がハイポトロコイドの創成点Rとなるように、ペリト
ロコイドの偏心腕QRをハイポトロコイドの創成腕QR
に固着したペリトロコイドの創成点P」の座標は、XY
座標系においてωの関数である。故に、ωに種々の値を
与えると、xy座標系における『「ペリトロコイドの基
円Eとハイポトロコイドの転円Bとが同心となるよう
に、ペリトロコイドの基円Eをハイポトロコイドの偏心
腕OQに固着し、かつ、ペリトロコイドの転円Fの中心
がハイポトロコイドの創成点Rとなるように、ペリトロ
コイドの偏心腕QRをハイポトロコイドの創成腕QRに
固着したペリトロコイドの創成点P」の描く曲線』の曲
線群が、XY座標系にωを母数とした曲線群P(X,
Y)として得れれる。なおXはx,ωの関数となりYは
y,ωの関数となる。
[『「ペリトロコイドの基円Eとハイポトロコイドの
転円Bとが同心となるように、ペリトロコイドの基円E
をハイポトロコイドの偏心腕OQに固着し、かつ、ペリ
トロコイドの転円Fの中心がハイポトロコイドの創成点
Rとなるように、ペリトロコイドの偏心腕QRをハイポ
トロコイドの創成腕QRに固着したペリトロコイドの創
成点P」の描く曲線』の曲線群の媒介変数方程式]xy
座標系の原点はXY座標系におけるハイポトロコイドの
創成点Oに平行移動し、かつ、xy座標系はXY座標系
におけるペリトロコイドの転円Aの回転により回転す
る。故に、XY座標系におけるハイポトロコイドの創成
点Oの座標を(X,Y)、XY座標系におけるペリ
トロコイドの転円Aの回転角度をχ、xy座標系におけ
るペリトロコイドの創成点Pの座標を(x,y)とする
と、曲線群P(X,Y)の座標は次式となる。
但し、xy座標系におけるペリトロコイドの創成点Pの
座標(x,y)の媒介変数方程式を次式とする。
ここで、XY座標系におけるハイポトロコイドの創成点
Oの座標(X,Y)の媒介変数方程式は次式とな
る。
=(f−e)cos(ω+π) +(a−b)cos(δ+π) =−(f−e)cosω−(a−b)cosδ Y=(f−e)sin(ω+π) +(a−b)sin(δ+π) =−(f−e)sinω−(a−b)sinδ (i)δの値を求める δ=ω+σ 尚、 e|σ|=f|ω|より転円Eの回転量は、 したがって、転円Eの回転方向は時計方向(CW回転)
より 故に、 ここで、基円Bの半径bと転円Eの半径eとの比をc、
転円Eの半径eと基円Fの半径fとの比をnとする。そ
してc=1のときの、即ち基円Bの半径bと転円Eの半
径eとが等しいときの基円Fの半径をrとすると、次式
を得る。
r=nb e=cb f=ne =ncb =cr 従って また、 f−e=cr−cb 故に、XY座標系におけるハイポトロコイドの創成点O
の座標(X,Y)を媒介変数方程式で表すと、次式
となる。
(ii)XY座標系におけるペリトロコイドの転円Aの
回転量χを求める。
χ=δ+ν 尚、 より a|ν|=b|σ| よって、転円Aの回転量は、 また、 であるから ここで、転円Aの回転方向は半時計方向(CCW回転)
より また、 ∴ χ=δ+ν 尚、e=cb、f=crより (iii)故に、xy座標系におけるペリトロコイドの
創成点Pの軌跡の曲線群P(X,Y)は,XY座標系に
ωを母数として次式として得られる。
従って 但し [「ペリトロコイドの基円Eとハイポトロコイドの転
円Bとが同心となるように、ペリトロコイドの基円Eを
ハイポトコイドの偏心腕OQに固着し、かつ、ペリトロ
コイドの転円Fの中心がハイポトロコイドの創成点Rと
なるように、ペリトロコイドの偏心腕QRをハイポトロ
コイドの創成腕QRに固着したベリトロコイドの創成点
P」の描く曲線の曲線群の一般式]円Fの中心Rを原点
としたXY座標系において に関し f−eの時 e<fなら・・ハイポトロコイドとなり転円Eの回転方
向は時計方向(CW回転でσ<0) e>fなら・・ペリトロコイドとなり転円Eの回転方向
は時計方向(CW回転でσ<0) f+eの時・・・・エピトロコイドとなり転円Eの回転
方向は反時計方向(CCW回転でσ>0) に関し a−bの時 a>bなら・・ペリトロコイドとなり転円Aの回転方向
は反時計方向(CCW回転でν>0) a<bなら・・ハイポトロコイドとなり転円Aの回転方
向は反時計方向(CCW回転でν>0) a+bの時・・・・エピトロコイドとなり転円Aの回転
方向は時計方向(CW回転でν<0) 故に次式となる。
即ち 但し [「トロコイドとトロコイドとを合成した曲線P
(x,y)」の曲線群の例](24)式及び(25)式
は、a、b、c、d、r及びβの値によりいろいろな曲
線群を描く。ここで、代表的な曲線群を次に示す。
(i) a:b=2:1、b:r=2:3、 c=0.
9、 d=3.6、β=0の時の曲線を第5a図に示
す。
(ii) a:b=3:2、b:r=1:2、 c=
1.0、 d=2.6、 の時の曲線を第5b図に示す。
(ル)〔『「ペリトロコイドの基円とハイポトロコイド
の転円とが同心となるように、ペリトロコイドの基円を
ハイポトロコイドの偏心腕に固着し、かつ、ペリトロコ
イドの転円の中心がハイポトロコイドの創成点となるよ
うに、ペリトロコイドの偏心腕をハイポトロコイドの創
成腕に固着したペリトロコイドの創成点」の描く曲線』
を外側に平行移動した曲線〕の曲線群 第2a図において、xy座標系における定曲線がP
(x,y)の軌跡であるから、曲線群P
(X,Y)は、XY座標系にωを母数として次式
として得られる。
但し なお、νは次式で表される。
ここで、νは、第2a図に示すように、xy座標系にお
けるペリトロコイドの創成点P(x,y)の描く曲線の
法線とx軸との成す角である。また、(29)式で表さ
れる曲線群は、請求項(2)記載における「ハウジング
の筒形空洞の直截面の輪郭を定める曲線」の曲線群であ
る。
(オ)「『ペリトロコイドの基円とハイポトロコイドの
転円とが同心となるように、ペリトロコイドの基円をハ
イポトロコイドの偏心腕に固着し、かつ、ペリトロコイ
ドの転円の中心がハイポトロコイドの創成点となるよう
に、ペリトロコイドの偏心腕をハイポトロコイドの創成
腕に固着したペリトロコイドの創成点」の描く曲線』の
曲線群の包絡線 第5a図〜第5b図において、(1)式及び(2)式ま
たは(5)式及び(6)式で表される定曲線P(x,
y)の曲線群を描いた。この曲線群の包絡線に関し、定
曲線P(x,y)の内側の包絡線を内包絡線と呼び、外
側の包絡線を外包絡線と呼ぶ。また、〔『「ペリトロコ
イドの基円とハイポトロコイドの転円とが同心となるよ
うに、ペリトロコイドの基円をハイポトロコイドの偏心
腕に固着し、かつ、ペリトロコイドの転円の中心がハイ
ポトロコイドの創成点となるように、ペリトロコイドの
偏心腕をハイポトロコイドの創成腕に固着したペリトロ
コイドの創成点」の描く曲線』を外側に平行移動した曲
線〕の曲線群においても同様に包絡線が存在する。
(ワ)「ハウジングの筒形空洞の直截面の輪郭を定める
曲線」及び「回転ピストンの直截面の頂点間を結ぶ曲
線」と包絡線との関係 この発明において、ハウジングの筒形空洞の直截面の輪
郭を定める曲線は、『「ペリトロコイドの基円Eとハイ
ポトロコイドの転円Bとが同心となるように、ペリトロ
コイドの基円Eをハイポトロコイドの偏心腕OQに固着
し、かつ、ペリトロコイドの転円Fの中心がハイポトロ
コイドの創成点Rとなるように、ペリトロコイドの偏心
腕QRをハイポトロコイドの創成腕QRに固着したペリ
トロコイドの創成点P」の描く曲線』もしくは前記曲線
を外側へ平行移動した曲線である。この発明における
「回転ピストンの直截面の形状」において、回転ピスト
ンの直截面の頂点間を結ぶ曲線を定めるにあたり、回転
ピストンの側面がハウジングの筒形空洞の側面に干渉し
なければ、回転ピストンの直截面の頂点間を結ぶ曲線に
特別な制限はない。そこで、「ハウジングの筒形空洞の
直截面の輪郭を定める曲線」の内包絡線を用いると、ハ
ウジングの筒形空洞の側面とハウジングの筒形空洞の底
面と回転ピストンの側面とで形成する作動室の最小容積
は最も小さくなり、圧縮比は大きくなって、都合が良
い。その為、一般的に、回転ピストンの直截面の頂点間
を結ぶ曲線は、「ハウジングの筒形空洞の直截面の輪郭
を定める曲線」の内包絡線を用いる。
(カ)請求項4記載における往復直線運動を回転運動に
変換する機構の理論的構成 創成点Pの軌跡を表わす(5)式及び(6)式におい
て、a:b=2:1、b:r=1:2、c=1、β
0、β=0、β=0とすると、(5)式及び(6)式
はa=2bより次式となる。
x=acosθ+dr y=0 従って、創成点Pの軌跡はx軸上の往復直線運動とな
る。そして、その変位は、aを振幅としθを変数とした
コサイン関数となる。また、β=π、 とすると、(5)式及び(6)式は次式となる。
x=0 y=asinθ+dr 従って、創成点Pの軌跡はy軸上の往復直線運動とな
る。そして、その変位は、aを振幅としθを変数とした
サイン関数となる。
とすると(5)式及び(6)式は次式となる。ここで、 x=bcosθ+bcos(−θ+β加法定理を応用すると、 故に、創成点Pの軌跡の傾きをβとすると 従って、創成点Pの軌跡は往復直線運動となり、その軌
跡の延長線は原点を通り、x軸との成す角は となる。そして、その変位は、aを振幅としθを変数と
したサイン関数となる。
(ヨ)自転回転ピストン構造(DKM)と公転回転ピス
トン構造(KKM) ヴァンケル型回転ピストン形内燃機関には、回転ピスト
ンの運動様式から分類すると、自転回転ピストン構造
(DKM)と公転回転ピストン構造(KKM)とがあ
る。(『ロータリーエンジン』日刊工業新聞社」を参
照) この発明における回転ピストン形内燃機関においても、
自転回転ピストン構造(DKM)と公転回転ピストン構
造(KKM)とがあり、次ぎのように分類される。第2
a図〜第2c図を参考に説明すると 公転回転ピストン構造(KKM) (i)円Aを基円として固定した構造。
円Fは転円として基円Eの周りを公転しつつ自転する。
その結果、回転ピストンは公転しつつ自転する。これ
は、この発明における回転ピストン形内燃機関である。
(ii)円Eを円Fに対する基円として固定し、円Fを
転円とした構造。
円Fは転円として基円Eの周りを公転しつつ自転する。
その結果、回転ピストンは公転しつつ自転する。円B
は、基円Fが円Eの周りを公転し、円Bと基円Eとが同
心である為自転する。円Aは円Bの回転により自転し、
その結果、ハウジングは自転する。
自転回転ピストン構造(DKM) (i)円Bを円Aに対する基円として固定し、円Aを転
円とした構造。
円Fは自転する。その結果、回転ピストンは自転する。
円Eは円Fが自転するため自転する。円Aは、円Eが自
転するため、転円として基円Bの周りを公転しつつ自転
する。その結果、ハウジングは公転しつつ自転する。
「ハウジングの筒形空洞の直截面の輪郭を定める曲線」
を「ハイポトロコイドとペリトロコイドとを合成した曲
線」もしくは『「ハイポトロコイドとペリトロコイドと
を合成した曲線」を外側へ平行移動した曲線』とし、
「回転ピストンの直截面の形状」を「ハイポトロコイド
とペリトロコイドとを合成した曲線」もしくは『「ハイ
ポトロコイドとペリトロコイドとを合成した曲線」を外
側へ平行移動した曲線』の内包絡線を幾何学的基本形状
とした回転ピストン形内燃機関においては、前記の自転
回転ピストン構造(DKM)と公転回転ピストン構造
(KKM)とが全て成立する。なお、自転回転ピストン
構造(DKM)と公転回転ピストン構造(KKM)とは
動力学的に反転させた形式である。この項における
(ii)の公転回転ピストン構造(KKM)と(i)
の自転回転ピストン構造(DKM)とは、ハウジングが
回転するために、回転ピストン形内燃機関に適さないで
あろう。
(タ)(1)式及び(2)式で表される『「ペリトロコ
イドの基円Eとハイポトロコイドの転円Bとが同心とな
るように、ペリトロコイドの基円Eをハイポトロコイド
の偏心腕OQに固着し、かつ、ペリトロコイドの転円F
の中心がハイポトロコイドの創成点Rとなるように、ペ
リトロコイドの偏心腕QRをハイポトロコイドの創成腕
QRに固着したペリトロコイドの創成点P」の描く曲
線』である定曲線P(x,y)の包絡線を利用した内燃
機関のいろいろな構成 第5a図〜第5b図において、この発明における回転ピ
ストン形内燃機関は、(1)式及び(2)式で表される
定曲線P(x,y)を「ハウジングの筒形空洞の直截面
の輪郭を定める曲線」とし、(1)式及び(2)式で表
される定曲線P(x,y)の内包絡線を「回転ピストン
の直截面の形状」の幾何学的基本形状としている。しか
しながら、前記の構成以外にも、次に示す構成がある。
第5a図〜第5b図において、(1)式及び(2)式で
表される定曲線P(x,y)とその包絡線に関し、 「回転ピストンの直截面の形状」を(1)式及び
(2)式で表される定曲線P(x,y)とし、「固定ハ
ウジングの筒形空洞の直截面の輪郭を定める曲線」を
(1)式及び(2)式で表される定曲線P(x,y)の
外包絡線とした回転ピストン構造。
ここで、回転ピストンの直截面の中心の座標は、第4a
図において、XY座標における転円Aと基円Bとからな
るペリトロコイドの創成点Oであり、「固定ハウジング
の筒形空洞の直截面」の中心の座標はXY座標の原点R
である。また、回転ピストンの角速度は、第4a図にお
いて、XY座標におけるペリトロコイドの転円Aの角速
度である。
「回転ハウジングの筒形空洞の直截面の輪郭を定める
曲線」を(1)式及び(2)式で表される定曲線P
(x,y)とし, 「固定ピストンの直截面の形状」を
(1)式及び(2)式で表される定曲線P(x,y)の
内包絡線とした回転ハウジング構造。
ここで、回転ハウジングの筒形空洞の直截面の中心の座
標は、第4a図において、XY座標における転円Aと基
円Bとからなるペリトロコイドの創成点Oであり、「固
定ハウジングの筒形空洞の直截面」の中心の座標はXY
座標の原点Rである。また、回転ハウジングの角速度
は、第4a図において、XY座標におけるペリトロコイ
ドの転円Aの角速度である。
「回転ハウジングの筒形空洞の直截面の輪郭を定める
曲線」を(1)式及び(2)式で表される定曲線P
(x,y)の外包絡線をとし、「固定ピストンの直截面
の形状」を(1)式及び(2)式で表される定曲綿P
(x,y)とした回転ハウジング構造。
ここで、回転ハウジングの筒形空洞の直截面の中心の座
標は、第2a図において、xy座標における転円Fと基
円Eとからなるペリトロコイドの創成点Rの座標であ
り、「固定ピストンの直截面」の中心の座標はxy座標
の原点Oである。また、回転ハウジングの角速度は、第
2a図において、xy座標におけるペリトロコイドの転
円Fの角速度である。前記における内燃機関の構成が請
求項2記載の〔『「ペリトロコイドの基円Eとハイポト
ロコイドの転円Bとが同心となるように、ペリトロコイ
ドの基円Eをハイポトロコイドの偏心腕OQに固着し、
かつ、ペリトロコイドの転円Fの中心がハイポトロコイ
ドの創成点Rとなるように、ペリトロコイドの偏心腕Q
Rをハイポトロコイドの創成腕QRに固着したペリトロ
コイドの創成点P」の描く曲線』を外側に平行移動した
曲線〕の包絡線においても全て同様に成立することは自
明である。なお、一般的に、この発明における回転ピス
トン形内燃機関は、理論圧縮比を最高とするため、「回
転ピストンの直截面の形状」を定める曲線に「ハウジン
グの筒形空洞の直截面の輪郭を定める曲線」の内包絡線
を採用しているが、仮に、「回転ピストンの直截面の形
状」が「ハウジングの筒形空洞の直截面の輪郭を定める
曲線」の内包絡線より大きくなれば、前記(タ)項と
同様な方法で、「回転ピストンの直截面の形状」の外包
絡線を「ハウジングの筒形空洞の直截面の輪郭を定める
曲線」とすると、回転ピストン形内燃機関が成立する。
これは、「回転ピストンの直截面の頂点の形状」が特殊
な形たとえば円弧型などの場合に有効である。例をあげ
ると、「回転ピストンの直截面の頂点の形状」が円弧型
の場合、「回転ピストンの直截面の円弧型頂点」の外包
絡線を「ハウジングの筒形空洞の直截面の輪郭を定める
曲線」として、その「ハウジングの筒形空洞の直截面の
輪郭を定める曲線」の内包絡線を「回転ピストンの直截
面の形状」を定める曲線とすればよい。その場合、「回
転ピストンの直截面の頂点の形状」が円弧型の場合にお
いて、最高の理論圧縮比となる「回転ピストンの直截面
の形状」が得られる。そして、「回転ピストンの直截面
の頂点の形状」が円弧型の場合は、結果的に請求項2に
おける「発明を解決するための手段」と同等となる。
(b)請求項1記載及び請求項2記載における回転ピス
トン形内燃機関の構成とその作用 (イ)幾何学的基本構成 請求項1記載における回転ピストン形内燃機関の幾何学
的基本構成は第2a図及び第2b図であり、ハウジング
の筒形空洞の直截面の輪郭を定める曲線は第3a図及び
第3b図である。また、回転ピストンの直截面の形状
は、一般的にハウジングの筒形空洞の直截面の輪郭を定
める曲線の内包絡線を用いるため、曲線群第5a図の内
包絡線となる。よって、回転ピストンの直截面の形状
は、三つの頂点を持つ三角状の形である。
(ロ)作動室の形成 実施図である第1a図、第1b図、第1c図、第1d図
及び第1e図において三つの頂点を持つ三角状の直截面
をした直角柱の形状である回転ピストンを、ローターハ
ウジングの筒形空洞部に納め、そして、ローターハウジ
ングの筒形空洞の両端に板状のサイドハウジングを取り
付けて、ローターハウジングの筒形空洞の側面とサイド
ハウジングの内面と回転ピストンの側面とで三つの作動
室を形成する。なお、作動室の気密のため、回転ピスト
ンの三つの側綾にアペックスシールが設けてあり、さら
に、回転ピストンの二つの底面にサイドシールが設けて
ある。これを幾何学的に表現すると、作動室の気密のた
め、回転ピストンの綾にガスシールを設ける。ここで、
ローターハウジングとサイドハウジングハウジングとは
往復ピストン形内燃機関のシリンダーに相当する (ハ)回転ピストンの遊星回転運動 クランク軸はクランク軸主軸とクランク腕とクランク
ピンとからなり、クランク軸は出力軸である。そして、
回転軸であるクランク軸主軸は、クランク軸主軸の軸心
がローターハウジングの筒形空洞の直截面の輪郭を定め
る曲線の中心(第2a図における原点O)となるよう
に、サイドハウジングを貫通しており、クランク軸の回
転軸はクランク軸主軸の軸心(第2a図における原点
O)である。なお、固定歯車Aは、固定歯車Aの中心を
ローターハウジングの筒形空洞の直截面の輪郭を定める
曲線の中心(第2a図における原点O)として、サイド
ハウジングに固着してある。故に、固定歯車Aとクラン
ク軸主軸とは同心である。また、転動歯車Bがクランク
ピンの軸心(第2a図における点Q)を中心として回転
できるように、転動歯車Bはクランクピンに取り付けて
ある。そして、内ば歯車である固定歯車Aと外ば歯車で
ある転動歯車Bとは噛み合っており、固定歯車Aと転動
歯車Bとの幾何学的関係は、基円の半径と転円の半径と
の比が2:1であるハイポトロコイドの基円と転円との
関係である。よって、クランク軸主軸の回転により、転
動歯車Bは、クランクピンの軸心(第2a図における点
Q)を中心に自転しつつクランク軸主軸の軸心第2a図
における原点O)に対して公転する。
偏心軸は偏心軸主軸と偏心輪とからなり、偏心軸主軸
が、偏心軸主軸の軸心を回転軸として、クランクピンの
軸心(第2a図における点Q)を中心に回転できるよう
に偏心軸主軸はクランクピンに取り付けてある。かつ、
偏心軸主軸は、偏心軸主軸の軸心と転動歯車Bの回転軸
とが同軸となるように、転動歯車Bに固着してある。よ
って、偏心輪の軸心(第2a図における点R)は転動歯
車Bの半径の延長線上にある定点となり、偏心輪の軸心
は固定歯車Aと転動歯車Bとからなるハイポトロコイド
の創成点(第2a図における点R)となる。
固定歯車Eと転動歯車Bとが同心となるように、固定
歯車Eの中心をクランクピンの軸心(第2a図における
点Q)として、固定歯車Eはクランク腕に固着してあ
る。また、転動歯車Fが偏心輪の軸心(第2a図におけ
る点R)を中心に自転できるように、転動歯車Fは偏心
輪に取り付けてある。 そして、外ば歯車である固定
歯車Eと内ば歯車である転動歯車Fとは噛み合ってお
り、固定歯車Eと転動歯車Fとの幾何学的関係は、基円
の半径と転円の半径との比が2:3であるペリトロコイ
ドの基円と転円との関係である。ここで、転動歯車Fの
自転中心である偏輪の軸心(第2a図における点R)は
転動歯車Bの半径の延長線上にある定点であり、かつ、
固定歯車Eと転動歯車Bとは同心でる。よって、転動歯
車Bが自転すると、転動歯車Fは、偏心輪の軸心(第2
a図における点R)を中心に自転しつつ、固定歯車Eの
中心すなわちクランクピンの軸心(第2a図における点
Q)に対して公転する。従って、クランク軸主軸の回転
により、転動歯車Bが、クランクピンの軸心(第2a図
における点Q)を中心に自転しつつ、クランク軸主軸の
軸心(第2a図における原点O)に対して公転すると、
転動歯車Fは、偏心輪の軸心(第2a図における点R)
を中心に自転しつつ、クランクピンの軸心(第2a図に
おける点Q)に対して公転する。
回転ピストンは、回転ピストンの中心(第2a図にお
ける点R)を自転軸として、回転ピストンの自転軸と転
動歯車Fの自転軸(第2a図における点R)とが同軸と
なるように、転動歯車Fに固着してある。よって、回転
ピストンの三角状直截面の三つの頂点(第2b図におけ
る点P,点P,点P)は、転動歯車Fの半径の延
長線上にある定点となり、固定歯車Eと転動歯車Fとか
らなるペリトロコイドの創成点(第2b図における点P
点P,点P)となる。従って、クランク軸の回転
により、回転ピストンの三角状直截面の三つの頂点は、
「ペリトロコイドの基円Eとハイポトロコイドの転円B
とが同心となるように、ペリトロコイドの基円Eをハイ
ポトロコイドの偏心腕OQに固着し、かつ、ペリトロコ
イドの転円Fの中心がハイポトロコイドの創成点Rとな
るように、ペリトロコイドの偏心腕QRをハイポトロコ
イドの創成腕QRに固着したペリトロコイドの創成点
P」の軌跡を描く。従って、クランク軸の回転により、
回転ピストンは遊星回転運動をしながら、回転ピストン
の三つの側稜はローターハウジングの筒形空洞の側面を
常に摺動し、回転ピストンの底面はサイドハウジングの
内面を常に摺動する。故に、ローターハウジングの筒形
空洞の側面とサイドハウジングの内面と回転ピストンの
側面とで形成する作動室の容積は回転ピストンの遊星回
転運動により変化する。
(ニ)吸排気作用 吸気口と排気口とがローターハウジングの筒形空洞の側
面とサイドハウジングの内面と回転ピストンの側面とで
形成する作動室に開口するように、吸気口と排気口とが
ローターハウジングに設けてある。なお、吸気口も排気
口も共にサイドハウジングに設けることができる。この
場合、回転ピストンの底面がサイドハウジングの内面を
摺動することにより、回転ピストンの底面の稜は吸気口
と排気口とを開閉する。そして、回転ピストンの遊星回
転運動により、回転ピストンの三つの側稜がローターハ
ウジングの筒形空洞の側面を摺動する為、回転ピストン
の三つの側稜は吸気口と排気口とを開閉する。また、回
転ピストンの遊星回転運動により、ローターハウジング
の筒形空洞の側面とサイドハウジングの内面と回転ピス
トンの側面とで形成する作動室の容積が変化することを
利用して、ガス交換を行い、吸入、圧縮、燃焼と膨張、
排気の4行程を行う。そして、燃焼ガスの膨張による前
記作動室の容積変化をクランク軸より回転力として取り
出す。
(ホ)慣性力の釣り合い 第2b図より、回転ピストンの質量は点Rにあるから、
回転ピストンの質量を打ち消すように、点Qに対称に釣
り合い錘を設ける。さらに、前記釣り合い錘の質量と回
転ピストンの質量との和に対する新たな釣り合い錘を点
Oに対称に設けると、本質的な運動部分の釣り合いが可
能である。
(ヘ)作動状況 クランク角度を90°ずつ変化させた作動状況図を第6
a図より第6l図に示す。第6a図は排気が完了した状
態で、レシプロエンジンのピストン下死点に相当する。
第6b図〜第6d図は吸気工程である。第6e図〜第6
f図は圧縮工程である。第6g図は圧縮が完了した状態
で、作動室の容積は最小であり、レシプロエンジンのピ
ストン上死点に相当する。そして、このピストンの位置
で点火・爆発となる。第6h図〜第6j図は膨張工程で
あり、ガス圧力により回転力を得る。第6k図〜第6l
図は排気工程である。なお、膨張工程において、クラン
ク角度を18°ずつ変化させた作動状況図を第7a図よ
り第6f図に示す。第7a図より第6f図から、上死点
付近における作動室の容積変化が緩慢であることが理解
できる。
(c)請求項3記載における回転ピストン形内燃機関の
構成とその作用 (イ)幾何学的基本構成 請求項3記載における回転ピストン形内燃機関の幾何学
的基本構成は第2c図であり、ハウジングの筒形空洞の
直截面の輪郭を定める曲線は第3f図である。また、回
転ピストンの直截面の形状は、一般的にハウジングの筒
形空洞の直截面の輪郭を定める曲線の内包絡線を用いる
ため、曲線群第5b図の内包絡線となる。よって、回転
ピストンの直截面の形状は、二つの頂点を持つフットボ
ール状の形である。
(ロ)作動室の形成 二つの頂点を持つフットボール状の直截面をした直角柱
の形状である回転ピストンを、ローターハウジングの筒
形空洞部に収め、そして、ローターハウジングの筒形空
洞の両端に板状のサイドハウジングを取り付けて、ロー
ターハウジングの筒形空洞の側面とサイドハウジングの
内面と回転ピストンの側面とで二つの作動室を形成す
る。なお、作動室の気密のため、回転ピストンの二つの
側綾にアペックスシールが設けてあり、さらに、回転ピ
ストンの二つの底面にサイドシールが設けてある。これ
を幾何学的に表現すると、回転ピストンの綾にガスシー
ルを設ける。
(ハ)回転ピストンの遊星回転運動 固定歯車Aと転動歯車Bとの幾何学的関係は、基円の半
径と転円の半径との比が3:2であるハイポトロコイド
の基円と転円との関係である。また、固定歯車Eと転動
歯車Fとの幾何学的関係は、基円の半径と転円の半径と
の比が1:2であるペリトロコイドの基円と転円との関
係である。回転ピストンは、二つの頂点を持つフットボ
ール状の直截面をした直角柱の形状である。そして、回
転ピストンのフットボール状直截面の二つの頂点におい
て、フットボール状直截面の二つの頂点とフットボール
状直截面の中心とがつくる角度は180°である。以上
の相違以外は請求項1記載及び請求項2記載における回
転ピストン形内燃機関と同様である。
(ニ)吸排気作用 吸気口と排気口とが、ハウジングの筒形空洞の側面とハ
ウジングの筒形空洞の底面と回転ピストンの側面とで形
成する作動室に開口するように、吸気弁と排気弁とがハ
ウジングに設けてある。そして、吸気弁と排気弁とはク
ランク軸の回転により開閉を制御される。また、回転ピ
ストンの遊星回転運動により、ローターハウジングの筒
形空洞の側面とサイドハウジングの内面と回転ピストン
の側面とで形成する作動室の容積が変化することを利用
して、ガス交換を行い、吸入、圧縮、燃焼と膨張、排気
の4行程を行う。そして、燃焼ガスの膨張による前記作
動室の容積変化をクランク軸より回転力として取り出
す。
(ホ)慣性力の釣り合い 請求項1記載及び請求項2記載における回転ピストン形
内燃機関と同様な方法で本質的な運動部分の釣り合いが
可能である。
(d)請求項4記載における往復ピストン形内燃機関の
構成とその作用 (イ)作動室の形成 (a)項(タ)より、a:b=2:1、b:r=1:
2、 c=1.0、β=0、 のときの創成点Pの描く曲線は、往復直線運動となり、
その軌跡の延長線は原点を通り、x軸との成す角は となる。そして、その変位は、aを振幅としθを変数と
したサイン関数となる。従って、創成点Pに往復型のピ
ストンを配置して往復型シリンダーを組み合わせ、作動
室を形成すると、ピストンは往復型シリンダー内を往復
直線運動をする。また、その行程は2a、作動室の容積
変化はクランク軸の角度θを変数としたサイン関数とな
る。なお、dは従来型往復ピストン形内燃機関のコンロ
ッド長さとなる。
(ロ)吸排気作用 従来型往復ピストン形内燃機関と同様の構成である。
(ハ)慣性力の釣り合い ピストンの加速度という観点からすると、 であるならば、創成点Pに存在するピストンの質量が点
Rに存在するのと等価となる。故に、請求項1記載及び
請求項3記載における回転ピストン形内燃機関と同様な
方法で本質的な運動部分の釣り合いが可能である。従っ
て、往復ピストン形内燃機関の形態をしているが、本質
的には回転ピストン形内燃機関である。
(ニ)作動状況 従来型往復ピストン形内燃機関と同様である。
(d)ガス圧力により発生する回転力とガス圧力を回転
力に変換する変換率 第8a図のように、回転ピストンの側面(弧P
にガス圧力Pが加わるものとすると、そのガス圧力P
は転円Fの中心Rに力Fとして作用する。ここで、
転円Fの中心Rは転円Bの創成点Rであるから、ガス圧
力Pは転円Bの創成点Rに力Fとして作用する。故
に、転円Bの創成点Rに作用する力Fは転円Bを基円
Aの内周に沿って転がそうとする。しかし、転円Bは基
円Aの内周に沿って滑ることなく転がるから、力F
は、点Hを瞬間的な軸として、点RにFである力
で、 を腕とした回転力Tを転円Bに与える。よって、その
回転力Tと釣り合うために点Hを瞬間的な軸として、
点QにFである力で、 を腕とした回転力Tが発生する。ここで、 とすると であるから、釣り合いの条件より次式が成立する。
j=Fb 但し、g=(cr−cb) なお、力Fと力Fとの位相角をαとすると F=Fcosα よって、上式は次式となる。
jcosα=Fb (30) また、点Qに 力Fが加わると、原点Oを軸 とし
て、Fである力で、 を腕とした回転力Tが発生する。ここで、 より回転力Tは次式で表される。
=F(a−b) (31) 故に、(30)式及び(31)式より回転力Tは次式
で表される。
(i)ガス圧力Pにより発生する回転力T 第8a図において、 であるjの成す角をζとし力Fcの成す角をξとすると であるから =−sin(ζ−ξ) 従って、cosα=sin(ξ−ζ)であるから変形す
ると cosα=sinξcosζ−cosξsinζ (33) ここで点Rの座標と点Hの座標とを比較してcosζ及
びsinζを求めると であるから、(33)式は次式となる。
故に なお、回転ピストンの直截面において、(1)式及び
(2)式で表される頂点P(x,y)の位相角を
βとし、それに続く頂点の位相角をβとすると、ξ
及びγは次式で表される よって 従って また、ξ、γ及びφは次式で表される。
よって 従って よって、(35)式及び(36)式より(34)式は次
式となる。
故に、(32)式よりガス圧力Pにより発生する回転
力Tは次式となる。
(ii)ガス圧力Pを回転力Tに変換する変換率T
なお、ガス圧力Pが回転力Tに変換される率を変換
率Tとすると、変換率はT=cosαであるから、
(37)式より次式で表される。
ここで、 であるjは次式で表される。
展開すると また、 従って、 であるjは ゆえに、ガス圧力Pを回転力Tに変換する 変換率
は(38)式より次式で表される。
但し、 であるj及び であるgは g=(cr−cb) (iii)ガス圧力Pにより発生する回転力T曲線
およびガス圧力Pを回転力Tに変換する変換率T
曲線の例 a:b=2:1、b:r=2:3、C=0.9、β
=0、 における回転力T曲線と変換率T曲線とを第(9
a)図に示す。
a:b=3:2、b:r=1:2、C=1.0、 における回転力T曲線と変換率T曲線とを第(9
b)図に示す。
a:b=2:1、b:r=1:2、C=1、β
0、β=0、β=0における回転力T曲線と変換率
曲線とを第(9c)図に示す [実施例] (a)請求項1及び2記載の回転ピストン形内燃機関の
実施例 実施例を示した第1a図、第1b図、第1c図、第1d
図及び第1e図について説明する。
両端が開口している筒形空洞を有する形状をしたロー
ターハウジング(1)の筒形空洞部に、三つの頂点を持
つ三角状の直截面をした直角柱の形状である回転ピスト
ン(3)を納め、ローターハウジング(1)の筒形空洞
の両端に板状のサイドハウジング(2)を取付けて、ロ
ーターハウジング(1)の筒形空洞の側面とサイドハウ
ジング(2)の内面と回転ピストン(3)の側面とで三
つの作動室を形成する。なお、吸気口(10)と排気口
(11)と点火プラグ(12)とが、作動室に開口する
ように、ローターハウジング(1)に設けてある。ま
た、作動室の気密の為に、回転ピストン(3)の三つの
側綾にアペックスシール(13)が設けてあり、回転ピ
ストン(3)の二つの底面にサイドシール(14)が設
けてある。
クランク軸(4)はクランク軸主軸とクランク腕とク
ランクピンとからなり、クランク軸(4)は出力軸であ
る。そして、クランク軸(4)は、クランク軸主軸の軸
心がローターハウジング(1)の筒形空洞の直截面の輪
郭を定める曲線の中心(第2a図における原点O)とな
るように、サイドハウジング(2)を貫通している。
内ば歯車である固定歯車A(5)は、固定歯車A
(5)の中心をローターハウジング(1)の筒形空洞の
直截面の輪郭を定める曲線の中心(第2a図における原
点O)として、サイドハウジング(2)に固着してあ
る。よって、固定歯車A(5)とクランク軸(4)の主
軸とは同心である。
転動歯車B(6)が、転動歯車B(6)の中心を自転
軸として、クランクピンの軸心(第2a図における点
Q)を中心に自転できるように、転動車B(6)はクラ
ンクピンに取り付けてある。そして、転動歯車B(6)
は外ば歯車であり、転動歯車B(6)は内ば歯車である
固定歯車A(5)と噛み合っている。
偏心軸(7)は偏心軸主軸と偏心輪とからなり、偏心
軸主軸が、偏心軸主軸の軸心を回転軸として、クランク
ピンの軸心(第2a図における点Q)を中心に回転でき
るように、偏心軸主軸はクランクピンに取り付けてあ
る。かつ、偏心軸(7)は、偏心軸主軸の軸心と転動歯
車B(6)の回転軸(第2a図における点Q)とが同軸
となるように、転動歯車B(6)に固着してある。
固定歯車E(8)と転動歯車B(6)とが同心となる
ように、固定歯車E(8)の中心をクランクピンの軸心
(第2a図における点Q)として、固定歯車E(8)は
クランク腕に固着してある。
転動歯車F(9)が、転動歯車F(9)の中心を自転
軸として、偏心輪の軸心(第2a図における点R)を中
心に自転できるように、転動歯車F(9)は偏心輪に取
り付けてある。そして、内ば歯車である転動歯車F
(9)は、外ば歯車である固定歯車E(8)と噛み合っ
ている。
回転ピストン(3)は、回転ピストンの中心(第2a
図における点R)を自転軸として、回転ピストン(3)
の自転軸と転動歯車F(9)の自転軸(第2a図におけ
る点R)とが同軸となるように、転動歯車F(9)に固
着してある。よって、回転ピストンの三角状直截面の三
つの頂点は固定歯車Eと転動歯車Fとからなるペリトロ
コイドの創成点(第2b図における点P,点P,点
)である。
(b)請求項4記載の回転ピストン形内燃機関の 実施例 実施例を示した第1g図について説明する。
「ペリトロコイドの基円とハイポトロコイドの転円と
が同心となるように、ペリトロコイドの基円をハイポト
ロコイドの偏心腕に固着し、かつ、ペリトロコイドの転
円の中心がハイポトロコイドの創成点となるように、ペ
リトロコイドの偏心腕をハイポトロコイドの創成腕に固
着したペリトロコイドの創成点」に円筒形ピストン(1
7)が配置してあり、円筒形シリンダー(16)と組み
合わせて、往復ピストン型内燃機関の作動室を形成す
る。
シリンダー頂部には吸気弁(18)、排気弁(19)
そして点火プラグ(12)が設けてあり、往復ピストン
型内燃機関と同様の働きをする。を特徴とする以外、請
求項4記載の往復ピストン形内燃機関の構成は、請求項
1記載の回転ピストン形内燃機関の構成と同一である。
[発明の効果]この発明は次に記載するような効果を奏
する。
(a)請求項1及び2記載の回転ピストン形内燃機関の
効果 (イ)往復運動部分が無く、運動部分は回転運動部分の
みであるので、運動部分の本質的な釣り合いが可能であ
る。
(ロ)熱効率に関するロシャの条件である「膨張ができ
るだけ大きいこと。」と「膨張が始まる前の圧力ができ
るだけ高いこと。」とに照らしあわせると、圧縮比が同
一であれば、熱効率を高めるためには上死点で燃焼を完
結する必要がある。もし、上死点前に燃焼が完結する
と、圧縮仕事を増加させ、上死点経過後に燃焼が完結す
ると、実質的に膨張率は低下し、膨張が始まる前の圧力
も低下して、熱効率は低下する。いわゆる後燃えは熱効
率を低下させる。特に、ヴァンケル型回転ピストン形内
燃機関には、ローターハウジングの内周面の短軸側にく
びれがあるため、後燃えの傾向が強い。また、ヴァンケ
ル型回転ピストン形内燃機関は、作動室の容積変化が正
弦波であるため、往復ピストン形内燃機関にくらべて、
燃焼時間が短い。従って、熱効率を高める為に上死点で
燃焼を完結するには、上死点において、充分な燃焼時間
を確保する必要がある。すなわち、燃焼が完結するに必
要な時間が確保できるほど、上死点付近において、作動
室の容積変化ができるだけ緩慢である必要がある。しか
しながら、往復ピストン形内燃機関やヴァンケル型回転
ピストン形内燃機関においては、上死点において、燃焼
時間が充分確保できるほど、作動室の容積変化が緩慢で
あるとは言えない。特に高速回転領域では燃焼時間が充
分確保できない。この発明における回転ピストン形内燃
機関は、第7図a〜第7f図から理解できるように、上
死点付近での作動室の容積変化が緩慢であり、また、上
死点付近での作動室の容積変化の緩慢さにくらべ、膨張
行程での作動室の容積変化が急峻である。よって、往復
ピストン形内燃機関やヴァンケル型回転ピストン形内燃
機関にくらべ、燃焼時間が長くとれ、膨張が速やかであ
るため、高効率が期待できる。
(ハ)ヴァンケル型回転ピストン形内燃機関にくらべ
て、ローターハウジングの内周面の短軸側にくびれが無
く、圧縮上死点付近で燃焼ガスの移動を妨げない。
(ニ)第7図a〜第7f図に示すように、ヴァンケル型
回転ピストン形内燃機関にくらべて高圧縮比が得られ、
デイーゼルエンジンが成立するに必要にして充分な圧縮
比を得られる。
(b)請求項3記載の回転ピストン形内燃機関の効果 (イ)往復運動部分が無く、運動部分は回転運動部分の
みであるので、運動部分の本質的な釣り合いが可能であ
る。
(c)請求項4記載の往復ピストン形内燃機関の効果 (イ)ピストンの加速度という観点からすると、 であるならば、創成点Pに存在するピストンの質量が点
Rに存在するのと等価となり、請求項1記載及び請求項
3記載における回転ピストン形内燃機関と同様な方法で
本質的な運動部分の釣り合いが可能である。従って、往
復ピストン形内燃機関の形態をしているが、本質的には
回転ピストン形内燃機関である。
【図面の簡単な説明】 第1a図、第1b図、第1c図、第1d図及び第1e
図は、請求項1及び2記載の回転ピストン形内燃機関の
透視図、b−b断面図、c−c断面図、d
断面図、e−e断面図である。 1:ローターハウジング 2:サイドハウジング 3:回転ピストン 4:クランク軸 5:固定歯車A 6:転動歯車B 7:偏心軸 8:固定歯車E 9:転動歯車F 10:吸気口 11:排気口 12:点火プラグ 13:アペックスシール 14:サイドシール 第1g図は、請求項4記載の往復ピストン形 内燃機関の断面図である。 15:クランクケース 16:シリンダー 17:往復ピストン 18:吸気弁 19:排気弁 第2a図及び第2c図は、「ペリトロコイドの基円E
とハイポトロコイドの転円Bとが同心となるように、ペ
リトロコイドの基円Eをハイポトロコイドの偏心腕OQ
に固着し、かつ、ペリトロコイドの転円Fの中心がハイ
ポトロコイドの創成点Rとなるように、ペリトロコイド
の偏心腕QRをハイポトロコイドの創成腕QRに固着し
たペリトロコイドの創成点P」の幾何学的構成を示す。
また、第2b図は、前記の幾何学的構成と前記創成点P
の描く曲線及び回転ピストンの直截面の頂点(P、P
、P)の幾何学的関係を示す。 第3a図〜第3r図は、(1)式及び(2)式または
(5)式及び(6)式において、a、b、c、d、r、
βの値をいろいろ変えたときの(1)式及び(2)式も
しくは(5)式及び(6)式で表される点P(x,y)
の描く軌跡である。 第4a図は、『「ペリトロコイドの基円Eとハイポト
ロコイドの転円Bとが同心となるように、ペリトロコイ
ドの基円Eをハイポトロコイドの偏心腕OQに固着し、
かつ、ペリトロコイドの転円Fの中心がハイポトロコイ
ドの創成点Rとなるように、ペリトロコイドの偏心腕Q
Rをハイポトロコイドの創成腕QRに固着したペリトロ
コイドの創成点P」の描く曲線』の曲線群の幾何学的構
成を示す。 第5a図〜第5b図は、(24)式および(25)式
または(27)式および(28)式において、a、b、
c、d、r、βの値をいろいろ変えたときの(24)式
および(25)式もしくは(27)式及び(28)式で
表される点P(X,Y)の描く曲線群である 第6a図〜第6l図は、請求項1記載及び請求項2記
載における回転ピストン形内燃機関の作動状況図であ
る。 第7図a〜第7f図は、請求項1記載及び請求項2記
載における回転ピストン形内燃機関の上死点付近での作
動状況図である。 第8a図は、ガス圧力Pと回転力Tを発生させる
力Fとの幾何学的関係を示す ▲10▼第9a図〜第9c図は、a、b、c、d、rそ
してβの値をいろいろ変えたときの回転力T及び変換
率Tを表す曲線である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年2月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 遊星運動型エンジン
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、二つの遊星運動型エ
ンジン(遊星運動型ロータリーピストンエンジンと遊星
運動型レシプロエンジン)に関する。
【0002】
【従来の技術】実用化された内燃機関に関し、ガスター
ビンエンジンを除くと、レシプロエンジンとヴァンケル
型ロータリーピストンエンジンとがある。文献として
は、「自動車工学全書第6巻ロータリーエンジン、ガス
タービン(山海堂)」、「ロータリーエンジン(日刊工
業新聞社)」がある。
【0003】ヴァンケル型ロータリーピストンエンジン
は数々の長所を持っているが、また次のような短所も持
っている。
【0004】(a)ヴァンケル型ロータリーピストンエ
ンジンは、その幾何学的条件により理論圧縮比の上限が
定まり、ディーゼルエンジンに適する高い圧縮比を必要
にして十分に得ることができない。
【0005】(b)ヴァンケル型ロータリーピストンエ
ンジンは、ローターハウジングの内面輪郭の短軸にくび
れを持つ。このくびれは、短軸に沿って、作動室を二つ
の部分(トレーリング側とリーディング側)に分ける。
この為、膨張行程の上死点付近において、トレーリング
側は圧縮し同時にリーディング側は膨張する。故に、機
械損失が発生する。また、このくびれは燃焼ガスの移動
を妨げ、トレーリング側の混合気は、ローターの頂点が
短軸を越えてから燃焼する。なお、ローターの頂点が短
軸を越えた時は膨張行程の終わりに近く、いわゆる後燃
えとなり、実質的に膨張比は低下し、排気温度は高くな
り、熱効率は低下する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】内燃機関に関しては、
膨張比が高くなるならなるほど熱効率は高くなる。従っ
て、高い熱効率を得る為には、実質的に高い膨張比を得
なければならない。すなわち、膨張が始まる前に燃焼が
完結しなければならない。しかし、従来の高速回転型内
燃機関においては、レシプロエンジン及びヴァンケル型
ロータリーピストンエンジン共に十分な燃焼の為の時間
を確保できない。その為、膨張比は実質的に減少し、熱
効率は低下する。
【0007】この発明の目的は、(a)往復質量による
障害が無く、(b)ハウジングの筒形空洞の直截面の輪
郭に如何なるくびれも無い、(c)燃焼の為の時間が十
分ある、(d)必要にして充分な高い圧縮比を持つロー
タリーピストンエンジンの創作と、往復質量による障害
が無いレシプロエンジンの創作である。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記発明の目的を達成す
る為、この発明による二つの遊星運動型エンジン(遊星
運動型ロータリーピストンエンジンと遊星運動型レシプ
ロエンジン)は次の特徴より成る。
【0009】(a)遊星運動型ロータリーピストンエン
ジンは、ハウジングとクランク軸と偏心軸と回転ピスト
ンと二つの歯車装置とガス交換用連絡通路とを特徴とす
る構造を備えている。
【0010】ハウジングは直非円柱の形をした筒形空洞
を有する。そして、筒形空洞の直截面の輪郭を定める曲
線は、合成トロコイドを外側へ一定量tほど平行移動し
た平行移動合成トロコイドである。但し、t≧0であ
り、合成トロコイドは、合成トロコイドの曲線群の内包
絡線と外包絡線との間に接点が少なくとも二つあること
を特徴としている。なお、t=0の場合、筒形空洞の直
截面の輪郭を定める曲線は合成トロコイドである。
【0011】さらに、回転ピストンの直截面の輪郭を定
める曲線の曲線群の外包絡線もまた筒形空洞の直截面の
輪郭として用いることができる。
【0012】ここで、合成トロコイドは、ペリトロコイ
ドの基円とハイポトロコイドの転円とが同心となるよう
に、ペリトロコイドの基円をハイポトロコイドの偏心腕
に固定し、かつ、ペリトロコイドの転円の中心がハイポ
トロコイドの創成点となるように、ペリトロコイドの偏
心腕をハイポトロコイドの創成腕に固定した条件におい
て、ハイポトロコイドと組み合わせたペリトロコイドの
創成点の軌跡である。
【0013】クランク軸はクランク軸主軸とクランクピ
ンとから成る。そして、クランク軸主軸は、筒形空洞の
軸に沿って、筒形空洞の二つの底面を貫通しており、ク
ランク軸の作用はハイポトロコイドの偏心腕の作用に相
当する。なお、ハイポトロコイドの転円の直径がハイポ
トロコイドの基円の半径より大きい場合、クランク軸主
軸がクランクピンを貫通しているクランク軸(いわゆる
偏心軸)もまた用いることができる。
【0014】偏心軸は偏心軸主軸と偏心輪とから成る。
そして、偏心軸主軸はクランクピンに取り付けてあり、
偏心軸の作用はハイポトロコイドの創成腕の作用に相当
し、かつ、ペリトロコイドの偏心腕の作用に相当する。
【0015】回転ピストンは偏心輪に取り付けてあり、
筒形空洞の高さに等しい高さを持つ直角柱のような形を
している。又、回転ピストンの直截面の頂点はそれぞ
れ、中心が合成トロコイドの創成点でありかつ半径が一
定量tに等しい円弧形である。なお、t=0の場合、回
転ピストンの直截面の頂点はそれぞれ合成トロコイドの
創成点である。さらに、合成トロコイドもまた回転ピス
トンの直截面の輪郭として用いることができる。
【0016】二つの歯車装置のうち一方は、筒形空洞の
底面に固定してある固定歯車と偏心軸主軸に固定してあ
る転動歯車とを本質的構成としている。そして、この固
定歯車の作用はハイポトロコイドの基円の作用に相当
し、この転動歯車の作用はハイポトロコイドの転円の作
用に相当する。
【0017】二つの歯車装置のうち他方は、クランクピ
ンに固定してある固定歯車と回転ピストンに固定してあ
る転動歯車とを本質的構成としている。そして、この固
定歯車の作用はペリトロコイドの基円の作用に相当し、
この転動歯車の作用はペリトロコイドの転円の作用に相
当する。
【0018】ガス交換用連絡通路は、筒形空洞の内面と
回転ピストンの側面とで形成してある作動室に開口して
いる。ここで、回転ピストンの回転運動はガス交換用連
絡通路の開閉を制御する。
【0019】(b)この発明による遊星運動型ロータリ
ーピストンエンジンを応用して、次の特徴を持つ遊星運
動型エンジンが得られる。
【0020】ハイポトロコイドの基円の半径とその転円
の半径との比が2:1であり、ペリトロコイドの基円の
半径とその転円の半径との比が2:3である合成トロコ
イドから成る遊星運動型ロータリーピストンエンジン。
【0021】ハイポトロコイドの基円の半径とその転円
の半径との比が2:1であり、ペリトロコイドの基円の
半径とその転円の半径との比が1:3である合成トロコ
イドから成る遊星運動型ロータリーピストンエンジン。
【0022】ハイポトロコイドの基円の半径とその転円
の半径との比が3:2であり、ペリトロコイドの基円の
半径とその転円の半径との比が1:2である合成トロコ
イドから成る遊星運動型ロータリーピストンエンジン。
【0023】合成トロコイドの創成点に往復ピストンを
配置してシリンダーを組み合わせ、合成トロコイドの創
成点が創成する往復運動をクランク機構として用いた前
記遊星運動型レシプロエンジン。この合成トロコイドに
おいて、ハイポトロコイドの基円の半径とその転円の半
径との比は2:1であり、ペリトロコイドの基円の半径
とその転円の半径との比は1:2である。
【0024】以後、この明細書において遊星運動型ロー
タリーピストンエンジンを略してロータリーピストンエ
ンジンと呼び、遊星運動型レシプロエンジンを略してレ
シプロエンジンと呼ぶ。
【0025】さて、この明細書で用いる用語を今から説
明する。
【0026】直非円柱に関し、直円柱の直截面が非円の
場合、この立体を直非円柱と呼ぶ。
【0027】ハウジングの筒形空洞に関し、筒形空洞の
両端の平面を筒形空洞の底面、筒形空洞を構成する曲面
を筒形空洞の側面、筒形空洞の軸に垂直な断面を筒形空
洞の直截面と呼ぶ。更に、これらの底面とこの側面とを
共に筒形空洞の内面と呼ぶ。
【0028】回転ピストンに関し、回転ピストンの自転
軸に垂直な断面を回転ピストンの直截面と呼ぶ。なお、
一般的に頂点は点である。しかし、この明細書において
は、点でなく弧から成るコーナーもまた頂点と呼ぶ。
【0029】多角形で囲まれた立体を多面体、これらの
多角形を多面体の面、これらの多角形の辺を多面体の
稜、これらの多角形の頂点を多面体の頂点と呼ぶ。特
に、多面体の二つの面が平行で、かつ、他の面が一つの
直線に平行なとき、この多面体を角柱、平行な二つの面
を角柱の底面、一つの直線に平行な面を角柱の側面、隣
合う二つの側面の交わりを角柱の側稜と呼ぶ。さらに、
角柱の側稜がこの角柱の底面に垂直に交わるとき、この
角柱を直角柱と呼ぶ。
【0030】幾何学において、直角柱の側面はそれぞれ
平面であり、直角柱の側稜はそれぞれ一つの直線であ
る。しかし、この明細書において、直角柱は円筒形側面
を持つことができ、また円筒形側稜も持つことができ
る。即ち、直角柱の直截面の辺が曲線であっても、なお
かつ、この立体を直角柱と呼ぶ。同様に、直角柱の直截
面の頂点が点でなく弧であっても、なおかつ、直角柱と
呼ぶ。
【0031】さて、図9〜図12を用いて、ハウジング
の筒形空洞の直截面の輪郭を定める合成トロコイドを説
明する。
【0032】半径aである基円A(25)と半径bであ
る転円B(26)とはハイポトロコイドを創成し、半径
eである基円E(27)と半径fである転円F(28)
とはペリトロコイドを創成する。
【0033】ハイポトロコイドに関し、転円B(26)
の半径の延長線上にある定点Rはハイポトロコイドの創
成点、距離OQはハイポトロコイドの偏心量、距離QR
はハイポトロコイドの創成半径と呼ばれる。さらに、こ
の明細書において、線分OQをハイポトロコイドの偏心
腕、線分QRをハイポトロコイドの創成腕と呼ぶ。
【0034】ペリトロコイドに関し、転円F(28)の
半径の延長線上にある定点Pはペリトロコイドの創成
点、距離QRはペリトロコイドの偏心量、距離RPはペ
リトロコイドの創成半径と呼ばれる。さらに、この明細
書において、線分QRをペリトロコイドの偏心腕、線分
RPをペリトロコイドの創成腕と呼ぶ。
【0035】基円E(27)は、基円E(27)と転円
B(26)とが同心となるように、ハイポトロコイドの
偏心腕OQ上の点Qに固定してある。従って、転円B
(26)はハイポトロコイドの偏心腕OQ上の点Qを中
心として自転することができるが、基円E(27)は同
じ点Qを中心として自転することができない。
【0036】ハイポトロコイドの条件より、転円B(2
6)はハイポトロコイドの偏心腕OQの上の点Qを中心
として自転しながら原点Oの周りを回る。従って、ハイ
ポトロコイドの偏心腕OQ上の点Qもまた原点Oの周り
を回る。故に、転円B(26)の自転に伴い、ハイポト
ロコイドの偏心腕OQ上の点Qに固定してある基円E
(27)は自転することなく原点Oの周りを回る。ここ
で、基円E(27)と転円B(26)とは同心である。
故に、転円B(26)の自転に伴い、ハイポトロコイド
の創成点Rは基円E(27)の周りを回る。
【0037】さて、ペリトロコイドの転円F(28)の
中心がハイポトロコイドの創成点Rとなるように、ペリ
トロコイドの偏心腕QRはハイポトロコイドの創成腕Q
Rに固定してある。従って、転円B(26)の自転に伴
い、転円F(28)の中心Rもまた基円E(27)の周
りを回る。さらに、基円E(27)と転円F(28)と
はペリトロコイドを創成するから、転円B(26)の自
転に伴い、転円F(28)は基円E(27)の外周に内
接しつつ滑ることなく転がる。故に、点Qを原点とした
座標系において、転円B(26)の自転に伴い、点Pは
ペリトロコイドを創成する。
【0038】しかしながら、転円F(28)の中心Rは
ハイポトロコイドの創成点Rである。従って、点Oを原
点とした座標系において、転円B(26)の自転に伴
い、転円F(28)の中心Rはハイポトロコイドを創成
する。さらに、ペリトロコイドの偏心腕はハイポトロコ
イドの創成腕と線分QRを共有する。故に、点Pはハイ
ポトロコイドとペリトロコイドとを合成した曲線を描
く。
【0039】この明細書において、点Pの軌跡(29)
を合成トロコイドと呼び、点Pを合成トロコイドの創成
点と呼ぶ。
【0040】故に、合成トロコイドは、ペリトロコイド
の基円E(27)とハイポトロコイドの転円B(26)
とが同心となるように、ペリトロコイドの基円E(2
7)をハイポトロコイドの偏心腕OQに固定し、かつ、
ペリトロコイドの転円F(28)の中心がハイポトロコ
イドの創成点Rとなるように、ペリトロコイドの偏心腕
QRをハイポトロコイドの創成腕QRに固定した条件に
おいて、ハイポトロコイドと組み合わせたペリトロコイ
ドの創成点Pの軌跡である。
【0041】その結果、転円F(28)は、点Qを中心
に遊星運動をしながら原点Oの周りを回る。そして、回
転ピストン(3)の直截面の頂点はそれぞれ転円F(2
8)の半径の延長線上にある創成点Pであるから、回転
ピストン(3)は点Qを中心に遊星運動をしながら原点
Oの周りを回る。
【0042】ここで、距離RPをkとすると、合成トロ
コイドの創成点P(x,y)の座標は次式で表される。
但し、βは創成点Pの位相角であり定数である。 x=(a−b)cosθ+(f−e)cosφ+kco
s(γ+β) y=(a−b)sinθ+(f−e)sinφ+ksi
n(γ+β)
【0043】ここで、φの値は次式となる。 φ=θ+λ λ=−aθ/bより、φ=(1−a/b)θである。こ
こで、γの値は次式となる。 γ=θ+λ+τ τ=−eλ/f、λ=−aθ/bより、τ=eaθ/f
bである。 ∴γ=(1−a/b+ea/fb)θ 故に、創成点P(x,y)の座標は次式となる。 x=(a−b)cosθ+(f−e)cos(1−a/
b)θ+kcos{(1−a/b+ea/fb)θ+
β} y=(a−b)sinθ+(f−e)sin(1−a/
b)θ+ksin{(1−a/b+ea/fb)θ+
β}
【0044】ここで、基円E(27)の半径eと転円B
(26)の半径bとの比をcとすると、e=cbとな
り、転円F(28)の半径fと基円E(27)の半径e
との比をnとすると、f=neとなる。さらに、基円E
(27)の半径が転円B(26)の半径に等しいときの
転円F(28)の半径をrとすると、r=nbとなる。 ∴f=cr ∴f−e=cr−cb ∴1−a/b+ea/fb=1−a/b+a/r kと転円F(28)の半径fとの比をdとすると、k=
dfとなる。 ∴k=dcr
【0045】故に、合成トロコイドの創成点P(x,
y)の座標は次式となる。 x=(a−b)cosθ+c(r−b)cos(1−a/b)θ +dcrcos{(1−a/b+a/r)θ+β} (1) y=(a−b)sinθ+c(r−b)sin(1−a/b)θ +dcrsin{(1−a/b+a/r)θ+β} (2)
【0046】ここで、点Qの位相角をβa,点Rの位相
角をβbとする。すると、(1)式および(2)式は次
式となる。但し、βaとβbとは定数である。 x=(a−b)cos(θ+βa)+c(r−b)cos{(1−a/b)θ +βb) +dcrcos{(1−a/b+a/r)θ+β} (3) y=(a−b)sin(θ+βa)+c(r−b)sin{(1−a/b)θ +βb) +dcrsin{(1−a/b+a/r)θ+β} (4)
【0047】なお、(1)式および(2)式は、a、
b、c、d、r及びβの値により、いろいろな合成トロ
コイドを描く。図15−図26に代表的な合成トロコイ
ドを示す。
【0048】合成トロコイドの一般式 合成トロコイドの創成点Pの座標の一般式は次式で表さ
れる。 x=(a+b)cos(θ+βa)+(e+f)cos
(φ+βb)+kcos(γ+β) y=(a+b)sin(θ+βa)+(e+f)sin
(φ+βb)+ksin(γ+β) 但し、a>0、e>0
【0049】φの値は次式となる。 φ=θ+λ ここで、転円Bの回転角度λは、λ=aθ/bである。
故に φ=(1+a/b)θ
【0050】γの値は次式となる。 γ=θ+λ+τ ここで、転円Fの回転角度τは、τ=eλ/fである。
なお、λ=aθ/bであるから τ=eaθ/fb 従って γ=(1+a/b+ea/fb)θ
【0051】故に、合成トロコイドの一般式は次式とな
る。 x=(a+b)cos(θ+βa)+(e+f)cos
{(1+a/b)θ+βb}+kcos{(1+a/b
+ea/fb)θ+β y=(a+b)sin(θ+βa)+(e+f)sin
{(1+a/b)θ+βb}+ksin{(1+a/b
+ea/fb)θ+β}
【0052】a、b、eおよびfに関し、b>0のとき
基円Aと転円Bとはエピトロコイドを創成する。 b<0において |b|<|a|のとき、基円Aと転円Bとはハイポトロ
コイドを創成する。|b|>|a|のとき、基円Aと転
円Bとはペリポトロコイドを創成する。 f>0のとき基円Eと転円Fとはエピトロコイドを創成
する。 f<0において |f|<|e|のとき基円Eと転円Fとはハイポトロコ
イドを創成する。|f|>|e|のとき基円Eと転円F
とはペリポトロコイドを創成する。 故に、上式はトロコイドとトロコイドとを組み合わせた
合成トロコイドを表わし、トロコイドとトロコイドとの
組合せは9通りある。
【0053】平行移動合成トロコイドを筒形空洞の直截
面の輪郭として用いた場合 合成トロコイドの法線に沿って外側へ一定距離tだけ平
行移動した創成点Ps(xs,ys)の座標は次式で表
される。但し、創成点P(x,y)における法線とx軸
との成す角をυとする。 xs=(a−b)cosθ+c(r−b)cos(1−
a/b)θ+dcrcos{(1−a/b+a/r)θ
+β}+tcosυ ys=(a−b)sinθ+c(r−b)sin(1−
a/b)θ+dcrsin{(1−a/b+a/r)θ
+β}+tsinυ 但し、tanυ=−(dx/dθ)/(dy/dθ)
【0054】この場合、回転ピストン(3)の直截面の
頂点の形状は、中心が合成トロコイドの創成点Pであり
かつ半径が一定距離tに等しい円弧になる。その結果、
回転ピストン(3)の側稜の形は円筒形になる。したが
って、回転ピストン(3)の回転に伴い、回転ピストン
(3)の円筒形側稜と筒形空洞の側面との間の接触線は
回転ピストン(3)の円筒形側稜の表面を移動する。故
に、この接触線は回転ピストン(3)の円筒状側稜上で
常に同じ位置とならない。その結果、回転ピストン
(3)の側稜の異常摩耗の危険は無くなる。なお、一定
距離tはアペックスシール(13)の厚みの半分にすべ
きである。そして、これらはヴァンケル型ロータリーエ
ンジンと同様の手法である。
【0055】この発明において、回転ピストン(3)の
直截面の頂点間を結ぶ曲線を定めるにあたり、もし回転
ピストン(3)の側面が筒形空洞の側面に衝突しなけれ
ば、回転ピストン(3)の直截面の頂点間を結ぶ曲線に
制限は無い。なお、筒形空洞の直截面の輪郭を定める曲
線の曲線群の内包絡線を回転ピストン(3)の直截面の
輪郭として用いると、筒形空洞の内面と回転ピストン
(3)の側面とで形成する作動室の最小容積は最も小さ
くなる。そして、圧縮比は増加し、都合が良い。この
為、一般的に、回転ピストン(3)の直截面の輪郭に筒
形空洞の直截面の輪郭を定める曲線の曲線群の内包絡線
を用いる。
【0056】さて、図27を用いて合成トロコイドの曲
線群を説明する。円F(32)の中心がXY座標系にお
ける原点Rとなるように、円F(32)をXY座標系に
固定する。さらに、円F(32)を基円Fとし、円E
(33)を転円Eとする。なお、XY座標系において、
転円Eと基円Fとはハイポトロコイドを創成する。
【0057】XY座標系において、円B(34)と円E
(33)とが同心となるように、円B(34)の中心を
ハイポトロコイドの偏心腕RQ上の点Qに固定し、円B
(34)を基円Bとする。そして、円A(35)がハイ
ポトロコイドの創成点Oを中心に自転できるように、円
A(35)の中心をハイポトロコイドの創成点Oに配置
し、円A(35)を転円Aとする。なお、転円Aと基円
Bとはペリトロコイドを創成する。
【0058】xy座標系の原点がXY座標系におけるハ
イポトロコイドの創成点Oとなるように、xy座標系を
XY座標系におけるペリトロコイドの転円Aに固定す
る。さらに、このxy座標系に合成トロコイドを描く。
【0059】その結果、xy座標系の原点はXY座標系
におけるハイポトロコイドの創成点Oに平行移動し、X
Y座標系におけるペリトロコイドの転円Aの自転によ
り、このxy座標系は前記創成点Oを中心に自転する。
【0060】ここで、XY座標系におけるハイポトロコ
イドの創成点Oの座標を(Xo,Yo)、XY座標系に
おけるペリトロコイドの転円Aの回転角度をχ、xy座
標系における合成トロコイドの創成点Pの座標を(x,
y)とする、合成トロコイドの曲線の座標(X,Y)は
次式となる。 X=Xo+xcosχ−ysinχ Y=Yo+xsinχ+ycosχ 但し Xo=(f−e)cos(ω+π)+(a−b)cos
(δ+π) Yo=(f−e)sin(ω+π)+(a−b)sin
(δ+π)
【0061】合成トロコイドと同様に、δの値は次式と
なる。 δ=ω+σ σ=−fω/eより、δ=(1−f/e)ωとなる。χ
の値は次式となる。 χ=ω+σ+ν ν=−bσ/a、σ=−fω/eより、ν=bfω/a
eとなる。 ∴χ=(1−f/e+bf/ae)ω ここで、e=cb、f=crである。 ∴f−e=cr−cb ∴δ=(1−r/b)ω ∴χ=(1−r/b+r/a)ω
【0062】故に、合成トロコイドの曲線群の座標
(X,Y)は次式として表わされる。 X=Xo+xcos(1−r/b+r/a)ω−ysin(1−r/b+r/ a)ω (5) Y=Yo+xsin(1−r/b+r/a)ω+ycos(1−r/b+r/a )ω (6) 但し Xo=−c(r−b)cosω−(a−b)cos(1
−r/b)ω Yo=−c(r−b)sinω−(a−b)sin(1
−r/b)ω x=(a−b)cosθ+c(r−b)cos(1−a
/b)θ+dcrcos{(1−a/b+a/r)θ+
β} y=(a−b)sinθ+c(r−b)sin(1−a
/b)θ+dcrsin{(1−a/b+a/r)θ+
β}
【0063】図28〜図37に、代表的な合成トロコイ
ドの曲線群の例を示す。なお、基本となる合成トロコイ
ドは太い線で示してある。
【0064】さらに、平行移動合成トロコイドの曲線群
(Xs,Ys)もまた包絡線を持ち、次式として表わさ
れる。 Xs=Xo+xscos(1−r/b+r/a)ω−y
ssin(1−r/b+r/a)ω Ys=Yo+xssin(1−r/b+r/a)ω+y
scos(1−r/b+r/a)ω 但し xs=(a−b)cosθ+c(r−b)cos(1−
a/b)θ+dcrcos{(1−a/b+a/r)θ
+β}+tcosν ys=(a−b)sinθ+c(r−b)sin(1−
a/b)θ+dcrsin{(1−a/b+a/r)θ
+β)+tsinν tanν=−(dx/dθ)/(dy/d/θ)
【0065】さて、もしこの発明によるロータリーピス
トンエンジンの作動室の容積が変化する為には、回転ピ
ストン(3)は、筒形空洞の側面を常に摺動する側稜を
少なくとも二つ持たなければならない。故に、図28−
図37に示すように、合成トロコイドの曲線群の外包絡
線と内包絡線とは接点を少なくとも二つ持たなければな
らない。従って、図15−図26に示された全ての合成
トロコイドをハウジングの筒形空洞の直截面の輪郭とし
て使用できる。
【0066】図83に示すように、合成トロコイドの短
軸にループがあると、合成トロコイドの曲線群の外包絡
線と内包絡線とは接点を持たない。また、図84に示す
ように、合成トロコイドの曲線群の外包絡線と内包絡線
とが一つの接点を持つと、この発明によるロータリーピ
ストンエンジンを作る為の条件は悪い。
【0067】回転ピストン(3)の直截面の輪郭を定め
る曲線が合成トロコイドの場合。図10及び図32とか
ら理解できるように、回転ピストン(3)の直截面の輪
郭を定める曲線の曲線群の外包絡線を筒形空洞の直截面
の輪郭として使用できる。
【0068】合成トロコイドの曲線群と同様に、円F
(32)を基円Fとし、円E(33)を転円Eとする。
そして、転円Eと基円Fとはハイポトロコイドを創成す
る。また、円B(34)と円E(33)とが同心となる
ように、円B(34)の中心をハイポトロコイドの偏心
腕RQ上の点Qに固定し、円B(34)を基円Bとす
る。なお、円A(35)がハイポトロコイドの創成点O
を中心に自転できるように、円A(35)の中心をハイ
ポトロコイドの創成点Oに配置し、円A(35)を転円
Aとする。そして、転円Aと基円Bとはペリトロコイド
を創成する。さらに、ペリトロコイドの創成半径とペリ
トロコイドの転円Aの半径aとの比ををhとして、ペリ
トロコイドの創成半径をhaで表わす。
【0069】故に、上記構成における合成トロコイドの
創成点(v,w)の座標は次式で表わされる。但し、β
cはこの創成点の位相角であり、定数である。 v=(f−e)cos(ω+π)+(a−b)cos
(δ+π)+hacos(χ+βc+π) w=(f−e)sin(ω+π)+(a−b)sin
(δ+π)+hasin(χ+βc+π)
【0070】合成トロコイドの曲線群と同様に、 v=−c(r−b)cosω−(a−b)cos(1−
r/b)ω−hacos{(1−r/b+r/a)ω+
βc} w=−c(r−b)sinω−(a−b)sin(1−
r/b)ω−hasin{(1−r/b+r/a)ω+
βc}
【0071】(1)式及び(2)式で表わされる合成ト
ロコイドの転円F(28)に固定した平面に,創成点
(v,w)が創成する合成トロコイドを描くと、前記合
成トロコイドの曲線群(x,y)が得られる。そして、
この曲線群(x,y)は次式で表わされる。但し、βe
は前記合成トロコイドの位相角であり、定数である。 x=(a−b)cosθ+c(r−b)cos(1−a/b)θ+vcos γ−wsinγ (7) y=(a−b)sinθ+c(r−b)sin(1−a/b)θ+vsin γ+wcosγ (8) 但し、γ=(1−a/b+a/r)θ+βe
【0072】図38〜図40に、(7)式及び(8)式
で表わされる代表的な曲線群を示す。なお、基本となる
合成トロコイドは太い線で示してある。
【0073】故に、創成点P(v,w)が創成する合成
トロコイドを回転ピストン(3)の直截面の輪郭として
用いることができ、前記合成トロコイドの曲線群の外包
絡線を筒形空洞の直截面の輪郭として用いることができ
る。
【0074】回転ピストン(3)の直截面の頂点の形が
円弧である場合。(7)式及び(8)式において、v=
dcr、w=0とすると、(7)式及び(8)式は
(1)式及び(2)式で表わされる合成トロコイドの創
成点Pの座標を表わす。従って、βe=0の場合、
(7)式及び(8)式は図10における創成点P1の座
標、βe=−2π/3の場合、図10における創成点P
2の座標、βe=−4π/3の場合、図10における創
成点P3の座標を表わす。
【0075】故に、中心が合成トロコイドの創成点Pで
ある円弧を回転ピストン(3)の直截面の頂点の形とし
て用いることができ、「回転ピストン(3)の直截面の
円弧形頂点を定める曲線の曲線群の外包絡線」を筒形空
洞の直截面の輪郭として用いることができる。なお、回
転ピストン(3)の直截面の輪郭(円弧形頂点とそれら
を結ぶ直線)を定める曲線の曲線群を図41に示す
【0076】もし、回転ピストン(3)の直截面の円弧
形頂点間を結ぶ曲線が、円弧形頂点を定める曲線の曲線
群の外包絡線に干渉しなければ、円弧形頂点間を結ぶ曲
線に制限は無い。なお、円弧形頂点の形はアペックスシ
ール(13)の断面の形と同じになる。
【0077】
【作用】この発明によるロータリーエンジンの構成にお
いて、ハウジングの筒形空洞の直截面の輪郭を定める曲
線は合成トロコイドまたは平行移動合成トロコイドであ
る。そして、回転ピストンの直接面の頂点はそれぞれ、
合成トロコイドの創成点P、または、中心が合成トロコ
イドの創成点Pでありかつ半径が一定距離tに等しい円
弧の形をしている。
【0078】従って、回転ピストンの全ての稜は筒形空
洞の内面を常に摺動する。更に、回転ピストンは点Qを
中心に遊星運動をしながら原点Oの周りを回る。その結
果、回転ピストンの側面と筒形空洞の内面とで形成され
る作動室の容積は変化し、ガス交換用連絡通路の開閉は
制御される。
【0079】
【実施例】実施図を用いて、この発明の第1実施例から
第4実施例までを具体的に説明する。
【0080】−第一実施例−(図1〜図5、図9及び図
10参照) 第一実施例は、概略すると、筒形空洞の直截面の輪郭を
定める曲線が合成トロコイドまたは平行移動合成トロコ
イドである筒形空洞をハウジングは有し、回転ピストン
(3)が筒形空洞内に納めてあり、回転ピストン(3)
の全ての稜が常に筒形空洞の内面を摺動し、回転ピスト
ン(3)の側面と筒形空洞の内面とが容積の変化する三
つの作動室を形成し、ガス交換用連絡通路が吸気通路
(10)と排気通路(11)とから成る構成のロータリ
ーピストンエンジンである。
【0081】合成トロコイドにおいて、基円A(25)
の半径と転円B(26)の半径との比は2:1、基円E
(27)の半径と転円F(28)の半径との比は2:3
である。従って、筒形空洞の直截面の輪郭を定める曲線
の媒介変数方程式は次式で表わすことができる。 x=(a−b)cosθ+c(r−b)cos(−θ)
+dcrcos(θ/3+β) y=(a−b)sinθ+c(r−b)sin(−θ)
+dcrsin(θ/3+β)
【0082】全てのβの値に対しこの発明によるロータ
リーピストンエンジンは成立する。しかし、β=nπ/
3のとき、この発明によるロータリーピストンエンジン
が成立する条件は好ましい。但し、nは任意の整数であ
る。そして、β=2nπ/3のとき、この発明によるロ
ータリーピストンエンジンが成立する条件は最も好まし
い。図15、図16にβ=0である合成トロコイドを示
し、図17にβ=π/3である合成トロコイドを示す。
【0083】図15と図16とから、dの値が減少する
と合成トロコイドの短軸にくびれが生ずることが理解で
きる。そして、合成トロコイドの短軸にくびれを与えな
いdの値において、dの値はcの値の影響を受ける。ま
たc>1ならば、合成トロコイドはこの発明によるロー
タリーピストンエンジンに適さない。一方、cの値が小
さくなりすぎると機械的強度の問題がでてくる。従っ
て、1.0>c>0.6のとき、この発明によるロータ
リーピストンエンジンが成立する条件は最も好ましい。
【0084】また、図15から、c=0.8においは,
dの値が4.4以上のときの条件が適していることが理
解でき、図16から、c=0.9においては、dの値が
3.6以上のときの条件が適していることが理解でき
る。しかし、dの値が大きいとこの発明によるロータリ
ーピストンエンジンが成立する条件は不利となるから、
合成トロコイドの短軸にくびれが生じない範囲内で、か
つ、合成トロコイドの曲線群の内包絡線が基円A(2
5)に干渉しない範囲内で、小さなdの値にすべきであ
る。
【0085】実施図においては、ハウジングの筒形空洞
の側面を両端が開口している筒形空洞を有するローター
ハウジング(1)とし、ハウジングの筒形空洞の二つの
底面をそれぞれ板状のサイドハウジング(2)としてい
る。さらに、回転ピストン(3)をローターハウジング
(1)の筒形空洞内に配置し、サイドハウジング(2)
をローターハウジング(1)の筒形空洞の両端に取付け
ている。
【0086】一般的に、回転ピストン(3)の直截面の
輪郭に、ローターハウジング(1)の筒形空洞の直截面
の輪郭を定める曲線の曲線群の内包絡線を用いる。この
為、回転ピストン(3)は三角状直截面をした直角柱の
形をしている。従って、回転ピストン(3)の三角状直
截面の三つの頂点はそれぞれ、合成トロコイドの創成点
(図10における点P1、点P2、点P3)、または、
中心が合成トロコイドの創成点Pでありかつ半径が一定
距離tに等しい円弧の形をしている。そして、三角状直
截面の三つの頂点のうちの二つと三角状直截面の中心と
の成す角は全て120°である。なお、図28にβ=0
である合成トロコイドの曲線群を示す。
【0087】その結果、回転ピストン(3)の三つの側
稜は全てローターハウジング(1)の筒形空洞の側面を
常に摺動し、回転ピストン(3)の二つ底面の稜は全て
サイドハウジング(2)の内面を常に摺動し、ローター
ハウジング(1)の筒形空洞の側面とサイドハウジング
(2)の内面と回転ピストン(3)の側面とは容積が変
化する三つの作動室を形成する。
【0088】そして、作動室の気密の為、アペックスシ
ール(13)が回転ピストン(3)の三つの側綾に取付
けてあり、サイドシール(14)が回転ピストン(3)
の二つの底面の稜に取付けてある。また、吸気孔(1
0)と排気孔(11)とがローターハウジング(1)を
通して作動室に開口している。さらに、点火プラグ(1
2)がローターハウジング(1)に設けてある。ここ
で、吸気孔(10)と排気孔(11)は共にサイドハウ
ジング(2)に設けることができる。
【0089】クランク軸(4)はクランク軸主軸とクラ
ンクピンとから成り、出力軸である。そして、クランク
軸(4)の自転軸はクランク軸主軸の軸心であり、クラ
ンク軸主軸は、クランク軸主軸と筒形空洞とが同軸とな
るように、サイドハウジング(2)を貫通している。こ
こで、クランク軸主軸の軸心(原点O)とクランクピン
の軸心(点Q)との距離はハイポトロコイドの偏心量O
Qである。そして、クランク軸(4)の作用はハイポト
ロコイドの偏心腕OQの作用に相当する。
【0090】固定歯車A(5)は、固定歯車A(5)と
筒形空洞とが同軸となるように、サイドハウジング
(2)に固定してある。そして、固定歯車A(5)はク
ランク軸主軸と同軸であり、内噛歯車である。
【0091】転動歯車B(6)はクランクピンに取り付
けてあり、転動歯車B(6)の軸心を自転軸として、ク
ランクピンの軸心を中心に自転できる。そして、転動歯
車B(6)は外噛歯車であり、固定歯車A(5)と噛み
合っている。尚、固定歯車A(5)と転動歯車B(6)
との幾何学的関係はハイポトロコイドの基円A(25)
とその転円B(26)との関係である。そして、クラン
ク軸(4)の回転に伴い、転動歯車B(6)はクランク
ピンの軸心を中心に自転しながらクランク主軸の軸心の
周りを回る。
【0092】偏心軸(7)は偏心軸主軸と偏心輪とから
成る。そして、偏心軸主軸はクランクピンに取り付けて
あり、偏心軸主軸の軸心を自転軸として、クランクピン
の軸心を中心に自転できる。さらに、偏心軸主軸は、偏
心軸主軸と転動歯車B(6)とが同軸となるように、転
動歯車B(6)に固定してある。故に、偏心輪の軸心は
転動歯車B(6)の半径の延長線上にある定点であり、
ハイポトロコイドの創成点(点R)でもある。
【0093】ここで、偏心軸主軸の軸心(点Q)と偏心
輪の軸心(点R)との距離はペリトロコイドの偏心量Q
Rであり、ハイポトロコイドの創成半径QRでもある。
そして、偏心軸(7)の作用はペリトロコイドの偏心腕
QRの作用に相当し、ハイポトロコイドの創成腕QRの
作用にも相当する。
【0094】固定歯車E(8)は、固定歯車E(8)と
クランクピンとが同軸となるように、クランクピンに固
定してある。そして、固定歯車E(8)は転動歯車B
(6)と同軸であり、外噛歯車である。
【0095】転動歯車F(9)は偏心輪に取り付けてあ
り、転動歯車F(9)の軸心を自転軸として、偏心輪の
軸心を中心に自転できる。そして、転動歯車F(9)は
内噛歯車であり、固定歯車E(8)と噛み合っている。
なお、固定歯車E(8)と転動歯車F(9)との幾何学
的関係はペリトロコイドの基円E(27)とその転円F
(28)との関係である。
【0096】回転ピストン(3)は、回転ピストン
(3)と転動歯車F(9)とが同軸となるように、転動
歯車F(9)に固定してある。従って、回転ピストン
(3)の三角状直截面の三つの頂点はそれぞれ転動歯車
F(9)の半径の延長線上にある定点であり、合成トロ
コイドの創成点(点P)でもある。故に、回転ピストン
(3)はクランクピンの軸心(点Q)を中心に遊星運動
しながらクランク軸主軸の軸心(原点O)の周りを回
る。
【0097】この為、作動室の容積は変化し、アペック
スシール(13)は吸気通路(10)と排気通路(1
1)とを開閉し、作動室内の燃焼ガスは交換される。
【0098】よって、吸気行程(図42〜図45)、圧
縮行程(図46〜図48)、燃焼・膨張行程(図49〜
図51)及び排気行程(図52〜図53)の四行程を得
る。そして、燃焼ガスの膨張圧力はクランク軸(4)の
回転力に変わる。
【0099】ここで、回転ピストン(3)の自転角速度
はクランク軸(4)の自転角速度の1/3であり、回転
ピストン(3)の自転方向はクランク軸(4)の自転方
向に対して同一方向である。
【0100】クランク角度θを90°ずつ変化させた作
動状況を図42〜図53に示す。図48は圧縮が完了し
た作動状況を示し、この位置で点火・燃焼となる。そし
て、膨張行程における、クランク角度θを18°ずつ変
化させた作動状況を図54〜図59に示す。尚、図54
〜図59から、上死点付近において、作動室の容積変化
が緩慢であることが理解できる。
【0101】図10において、回転ピストン(3)の重
心は点Rにあるから、回転ピストン(3)の質量を打ち
消すように、点Qに対称に、回転ピストン(3)に対す
る釣り合い錘を設ける。さらに、前記釣り合い錘の質量
と回転ピストン(3)の質量との和を打ち消すように、
原点Oに対称に、新たな釣り合い錘を設ける。この方法
で、運動部分は完全バランスとなる。
【0102】ハイポトロコイドの基円の半径とその転円
の半径との比が2:1であり、ペリトロコイドの基円の
半径とその転円の半径との比が1:3である合成トロコ
イドから成るロータリーピストンエンジンの場合。
【0103】筒形空洞の直截面の輪郭を定める曲線の媒
介変数方程式は次式で表わされる。 x=(a−b)cosθ+c(r−b)cos(−θ)
+dcrcos(−θ/3+β) y=(a−b)sinθ+c(r−b)sin(−θ)
+dcrsin(−θ/3+β)
【0104】図18にβ=0である合成トロコイドを示
し、図30にβ=0である合成トロコイドの曲線群を示
す。
【0105】回転ピストン(3)の自転方向はクランク
軸(4)の自転方向に対して逆方向であり、回転ピスト
ン(3)の自転角速度はクランク軸(4)の自転角速度
の1/3である。
【0106】固定歯車A(5)のピッチ円半径と転動歯
車B(6)のピッチ円半径との比は2:1であり、固定
歯車E(8)のピッチ円半径と転動歯車F(9)のピッ
チ円半径との比は1:3である。
【0107】上記の相違を除いて、このロータリーピス
トンエンジンの構造は第一実施例のロータリーピストン
エンジンの構造と同一であり、作動状況も同一である。
【0108】−第二実施例−(図6、図11、図12を
参照) 第二実施例は、筒形空洞の直截面の輪郭を定める曲線
が、基円A(25)の半径と転円B(26)の半径との
比を3:2とし、基円E(27)の半径と転円F(2
8)の半径との比を1:2とした合成トロコイドである
以外、第一実施例におけるロータリーピストンエンジン
と同じである。従って、筒形空洞の直截面の輪郭を定め
る曲線の媒介変数方程式は次式となる。 x=(a−b)cosθ+c(r−b)cos(−θ/
2)+dcrcos(θ/4+β) y=(a−b)sinθ+c(r−b)sin(−θ/
2)+dcrsin(θ/4+β)
【0109】全てのβの値に対しこの発明によるロータ
リーピストンエンジンは成立する。しかし、β=nπ/
2のとき、この発明によるロータリーピストンエンジン
が成立する条件は好ましい。但し、nは任意の整数であ
る。そして、β=(2n+1)π/2のとき、この発明
によるロータリーピストンエンジンが成立する条件は最
も好ましい。図20にβ=π/2のときの合成トロコイ
ドを示し、図21にβ=0ときの合成トロコイドを示
す。そして、図32にβ=π/2のときの合成トロコイ
ドの曲線群を示す。
【0110】図20より、dの値が減少すると合成トロ
コイドの角に突起が生ずることが理解できる。合成トロ
コイドの角に突起を与えないdの値において、dの値は
cの値の影響を受ける。cの値が小さくなりすぎると機
械的強度の問題がでてくる。従って、1.0>c>0.
7のとき、この発明によるロータリーエンジンが成立す
る条件は最も好ましい。
【0111】また、図20から、c=0.95において
は、dの値が2.1以上のときの条件が適していること
が理解できる。しかし、dの値が大きいとこの発明によ
るロータリーエンジンが成立する条件は不利となるか
ら、合成トロコイドの角に突起が生じない範囲内で、か
つ、合成トロコイドの曲線群の内包絡線が基円A(2
5)に干渉しない範囲内で、小さなdの値にすべきであ
る。
【0112】第二実施例において、回転ピストン(3)
は、二つの頂点を持つ楕円状の直截面をした直角柱の形
をしている。従って、ローターハウジング(1)の筒形
空洞の側面とサイドハウジング(2)の内面と回転ピス
トン(3)の側面とは容積が変化する二つの作動室を形
成する。ここで、楕円状の直截面の二つの頂点と楕円状
の直截面の中心との成す角度は共に180°である。そ
して、回転ピストン(3)の自転角速度はクランク軸
(4)の自転角速度の1/4であり、回転ピストン
(3)の自転方向はクランク軸(4)の自転方向に対し
て同一方向である。
【0113】吸気通路(10)と排気通路(11)とが
ローターハウジング(1)を通して作動室へ開口してい
る。そして、回転型吸排気弁(20)が吸気通路(1
0)と排気通路(11)とに設けてある。ここで、吸気
通路(10)の開閉と排気通路(11)の開閉は共に回
転型吸排気弁(20)により制御される。さらに、回転
型吸排気弁(20)は回転ピストン(3)の回転運動に
より制御される。
【0114】回転型吸排気弁(20)の自転角速度はク
ランク軸(4)の自転角速度の1/8あり、回転型吸排
気弁(20)の自転方向はクランク軸(4)の自転方向
に対して逆方向である。なお、回転型弁に代えて茸形弁
等が使用できる。
【0115】以上の相違を除いて、第二実施例のロータ
リーピストンエンジンの構造は第一実施例のロータリー
ピストンエンジンの構造と同一である。
【0116】回転ピストン(3)がクランクピンの軸心
を中心に遊星運動をしながらクランク軸主軸の軸心の周
りを回るため、作動室の容積は変化し、回転型吸排気弁
(20)は吸気通路(10)と排気通路(11)とを開
閉し、作動室内の燃焼ガスは交換される。よって、吸気
行程(図60〜図62)、圧縮行程(図63〜図6
4)、燃焼・膨張行程(図65〜図66)および排気行
程(図67〜図68)の4行程を得る。そして、燃焼ガ
スの膨張圧力はクランク軸(4)より回転力に変わる。
【0117】なお、クランク角度θを105°づつ変化
させた作動状況を図60〜図69に示す。図64は圧縮
が完了した状況を示し、この位置で点火・燃焼となる。
また、第一実施例と同様の方法を用いると、運動部分の
完全な釣り合いがとれる。
【0118】−第三実施例−(図7を参照) 第三実施例は、掃気通路(23)がローターハウジング
(1)を通して作動室へ開口していること以外、第二実
施例におけるロータリーピストンエンジンと同一であ
る。
【0119】吸気通路(10)、排気通路(11)およ
び掃気通路(23)がローターハウジング(1)を通し
て作動室へ開口している。そして、回転型吸気弁(2
2)が吸気通路(10)に、回転型排気弁(21)が排
気通路(11)に、回転型掃気弁(24)が掃気通路
(23)に取り付けてある。ここで、吸気通路(10)
の開閉は回転型吸気弁(2)により、排気通路(11)
の開閉は回転型排気弁(21)により、掃気通路(2
3)の開閉は回転型掃気弁(24)により制御され、更
に、回転型吸気弁(22)、回転型排気弁(21)およ
び回転型掃気弁(24)は回転ピストン(3)の回転運
動により制御される。
【0120】回転型掃気弁(23)の自転角速度はクラ
ンク軸(4)の自転角速度の1/4であり、回転型掃気
弁(23)の自転方向はクランク軸(4)の自転方向に
対して逆方向である。回転型吸気弁(22)と回転型排
気弁(21)の自転角速度は共にクランク軸(4)の自
転角速度の1/4であり、回転型吸気弁(22)と回転
型排気弁(21)の自転方向は共にクランク軸(4)の
自転方向に対して同一方向である。
【0121】以上の相違を除いて、第三実施例のロータ
リーピストンエンジンの構造は第二実施例のロータリー
ピストンエンジンの構造と同一である。
【0122】回転ピストン(3)がクランクピンの軸心
を中心に遊星運動をしながらクランク軸主軸の軸心の周
りを回る為、作動室の容積は変化し、回転型吸気弁(2
2)は吸気通路(10)を開閉し、回転型排気弁(2
1)は排気通路(11)を開閉し、回転型掃気弁(2
4)は掃気通路(23)を開閉し、作動室内の燃焼ガス
は交換される。
【0123】よって、燃焼・膨張行程(図71〜図7
2)、排気行程(図73〜図74)、掃気程(図75〜
図78)、吸気行程(図79〜図80)及び圧縮行程
(図81と図70)の5行程を得る。そして、燃焼ガス
の膨張圧力はクランク軸(4)より回転力に変わる。
【0124】クランク角度θを105°づつ変化させた
作動状況を図70〜図81に示す。図70は圧縮が完了
した状況を示し、この位置で点火・燃焼となる。
【0125】−第四実施例−(図8、図13及び図14
を参照) 第四実施例は、従来のレシプロエンジンのクランク機構
に替えて、合成トロコイドの創成点が創成する往復運動
をクランク機構として用いたレシプロエンジンである。
【0126】図8に示すように、合成トロコイドの創成
点Pに往復ピストン(17)を配置しシリンダー(1
6)を組合せて往復型作動室を形成している。さらに、
クランクケース(15)を設け、シリンダー(16)の
頂部に茸形吸気弁(18)と茸形排気弁(19)と点火
プラグ(12)とを設けている。そして、この構成は従
来のレシプロエンジンと同様であり、その作動状況は従
来のレシプロエンジンの作動状況と同一である。なお、
図8では図13における釣合い錘が省略されている。
【0127】また、この発明によるレシプロエンジンの
クランク機構の構成は、固定歯車A(5)のピッチ円半
径と転動歯車B(6)のピッチ円半径との比が2:1で
あり、固定歯車E(8)のピッチ円半径と転動歯車F
(9)のピッチ円半径との比が1:2である以外、第一
実施例における回転ピストン(3)とクランク軸(4)
の構成と同一である。
【0128】上記合成トロコイドにおいては、基円A
(25)の半径と転円B(26)の半径との比は2:1
であり、基円E(27)の半径と転円F(28)の半径
との比は1:2である。ここで,c=1、βa=0、β
=βb/2とすると、この合成トロコイドの創成点Pの
座標は(3)式及び(4)式により次式で表わされる。 x=bcosθ+bcos(−θ+βb)+drcos
(βb/2) y=bsinθ+bsin(−θ+βb)+drsin
(βb/2)
【0129】ここで cosA+cosB=2cos{(A+B)/2}co
s{(A−B)/2} sinA+sinB=2sin{(A+B)/2}co
s{(A−B)/2} 故に、上式は次式となる。 x=2bcos(βb/2)cos{(2θ−βb)/
2}+drcos(βb/2) y=2bsin(βb/2)cos{(2θ−βb)/
2}+drsin(βb/2) x=cos(βb/2){2bcos(θ−βb/2)+dr} (9) y=sin(βb/2){2bcos(θ−βb/2)+dr} (10)
【0130】合成トロコイドの傾きをβdとすると tanβd=y/x =tan(βb/2)
【0131】従って、合成トロコイドの傾きβdはβb
/2となる。故に,合成トロコイドの創成点Pは往復運
動を創成し、合成トロコイドの延長線は原点Oを通り、
合成トロコイドの延長線とx軸との成す角はβb/2と
なり、合成トロコイドの変位は2bを振幅としθを変数
としたコサイン関数となる。
【0132】その結果、合成トロコイドの創成点Pが往
復運動を創成すると、点Q(クランクピンの軸心)は原
点O(クランク軸主軸の軸心)の周りを回る。故に、基
円A(25)の半径と転円B(26)の半径との比を
2:1とし、基円E(27)の半径と転円F(28)の
半径との比を1:2とした合成トロコイドの創成点Pが
創成する往復運動は、従来のレシプロエンジンのクラン
ク機構として使用できる。
【0133】故に、図13及び図14に示すように、合
成トロコイドの創成点Pに往復ピストン(17)を配置
しシリンダー(16)を組み合わせてこの発明による往
復型作動室を形成すると、往復ピストン(17)はシリ
ンダー(16)内で往復運動をする。そして、作動室の
容積変化は、2aを行程としθをクランク角度としたコ
サイン関数となる。なお、drは従来のレシプロエンジ
ンのコネクティングロッドの長さとなる。
【0134】図13により、往復ピストン(17)の質
量をM1とし、往復ピストン(17)の質点を創成点P
とする。そして、釣合い錘M2(30)の質量をM2と
し、釣合い錘M2(30)の質点を点Gとする。また、
釣合い錘M3(31)の質量をM3とし、釣合い錘M3
(31)の質点を点Zとする。なお、点Gと点Rは点Q
に対して対称である。また、点Zは基円A(25)の円
周上に位置し、点Zと点Qとの間の位相角はπである。
【0135】ここで、点Qの角速度をα、時間をtとす
ると、θ=αtとなる。また、βb=0であるから、往
復ピストン(17)の質点の座標は(9)式および(1
0)式より次式で表わされる。 x1=2bcosαt+dr y1=0
【0136】dr=0、βb=πであるから、釣合い錘
M2(30)の質点の座標は(9)式および(10)式
より次式で表わされる。 x2=0 y2=2bsinαt
【0137】釣合い錘M3(31)の質点の座標は次式
で表わされる。 x3=−acosαt y3=−asinαt
【0138】x軸上における運動部分の慣性力の総和I
xは次式で表わされる。 Ix=−M1d(dx1/dt)/dt−M2d(dx
2/dt)/dt−M3d(dx3/dt)/dt =(2bM1−aM3)ααcosαt
【0139】y軸上における運動部分の慣性力の総和I
yは次式で表わされる。 Iy=−M1d(dy1/dt)/dt−M2d(dy
2/dt)/dt−M3d(dy3/dt)/dt =(2bM2−aM3)ααsinαt
【0140】運動部分の完全な釣り合いを得るために
は、総和Ixが0となりかつ総和Iyが0とならなけれ
ばならない。従って、次式を得る。 bM1=bM2 aM3=b(M1+M2)
【0141】ここで、往復ピストン(17)が点Rに配
置してあると仮定し、往復ピストン(17)の質量M1
を打ち消すように、点Gに釣合い錘M2(30)を配置
する。さらに、釣合い錘M2(30)の質量M2と往復
ピストン(17)の質量M1との和を打ち消すように、
点Zに釣合い錘M3(31)を配置する。すると、運動
部分の慣性力の総和は0となる。故に、運動部分の完全
な釣り合いが可能である。
【0142】ここで、点Gと点Rとが点Qに対して対称
である必要はなく、点Zが基円A(25)の円周上に位
置する必要はなく、点Zと点Qとの間の位相角がπであ
る必要もない。
【0143】図14に示すように、質量M1である往復
ピストン(17)を創成点P2に配置する。βb=πで
あるから、創成点P2にある往復ピストン(17)の質
点の座標は(9)式及び(10)式より次式で表わされ
る。 x2=0 y2=2bsinαt+dr
【0144】総和Ixは次式で表わされる。 Ix=−M1d(dx1/dt)/dt−M2d(dx
2/dt)/dt−M3d(dx3/dt)/dt =(2bM1−aM3)ααcosαt
【0145】和Iyは次式で表わされる。 Iy=−M1d(dy1/dt)/dt−M2d(dy
2/dt)/dt−M3d(dy3/dt)/dt =(2bM1−aM3)ααsinαt
【0146】運動部分の完全な釣り合いを得るために
は、総和Ixが0となりかつ総和Iyが0とならなけれ
ばならない。従って、次式を得る 2bM1=aM3
【0147】ここで、二つの往復ピストン(17)が点
Qに配置されていると仮定し、二つの往復ピストン(1
7)の質量の和を打ち消すように、点Zに釣合い錘M3
(31)を配置する。すると、運動部分の慣性力の総和
は0となる。故に、運動部分の完全な釣り合いが可能で
ある。
【0148】その結果、往復運動は単純な回転運動に変
換される。この為、往復慣性力は0となり、往復質量に
よる障害は無くなる。
【0149】以上により、第四実施例のエンジンは、た
とえレシプロエンジンの形態をしていても、機構的に述
べると、本質的にはロータリーピストンエンジンであ
る。
【0150】なお、釣合い錘M3(31)は2つの往復
ピストンに置き換えられ、90°V型4気筒レシプロエ
ンジン、もしくは、星型4気筒レシプロエンジンを作る
ことができる。
【0151】「発明の効果」この発明によるエンジンは
次のような効果を有する。
【0152】ハイポトロコイドの基円の半径とその転円
の半径との比が2:1であり、ペリトロコイドの基円の
半径とその転円の半径との比が2:3である合成トロコ
イドを用いたロータリーピストンエンジンについて。
【0153】(a)往復運動部分が無く、運動部分は回
転運動部分のみである。従って、運動部分の完全な釣り
合いがとれる。
【0154】(b)この発明によるロータリーピストン
エンジンはハウジングの筒形空洞の直截面の輪郭の短軸
にくびれを持たない為、短軸に沿って作動室が二分され
ない。従って、上死点付近で燃焼ガスの移動が妨げられ
ず、膨張と圧縮とが同時に発生しない。
【0155】(c)ヴァンケル型ロータリーピストンエ
ンジンにくらべて高い圧縮比が得られる。
【0156】(d)上死点付近での作動室の容積変化が
緩慢である為、膨張が始まる前に燃焼が完結する。従っ
て、後燃えが防止できる。その結果、膨張比は実質的に
増加する。故に、無効率に関する条件(膨脹ができるだ
け大きいこと、膨脹が始まる前の圧力ができるだけ高い
こと)は満たされ、高い熱効率が期待できる。
【0157】(e)従来の自動車用ディーゼルエンジン
においては、極めてわずかな燃焼行程の間に燃焼室へ一
瞬に大量の燃料が噴射され、燃焼の為の時間が極めてわ
ずかである為、膨張行程に入っても燃焼が続く。従っ
て、膨張比は実質的に低下する。故に、熱効率は低下す
る。さらに、燃料と酸素とが反応する機会もまた少な
い。その結果、黒煙対策上不十分である。
【0158】これに対して、この発明によるロータリー
ピストンエンジンにおいては、圧縮上死点付近で作動室
の容積変化が緩慢であるから、必要にして十分な燃焼の
為の時間を確保できる。そして、容積変化をほとんど伴
わずに扁平な燃焼室が移動するから、燃焼室側からする
と、燃料噴射弁が燃焼室の壁面に沿って移動する。従っ
て、霧化と分布性の良い噴射弁を用いることにより、少
量の燃料を燃焼室の端から順次噴射できる。
【0159】このようにして燃焼室全体に良く霧化され
た燃料を広めることができる。従って、燃料と酸素との
反応する機会が高まり、膨張が始まる前に燃焼が完結す
ることを期待できる。その結果、高い熱効率が期待で
き、黒煙対策上有利である。なお、我々の発明したロー
タリーピストンエンジンにおいては、燃料の霧化と貫徹
性とを両立させる必要はさほど無い。。
【0160】(f)上死点付近で作動室の容積変化が緩
慢であるから、十分な燃焼の為の時間がある。この為、
この作動状況を燃焼行程と呼ぶことができる。更に、排
気行程末期から吸気行程初期に至るまで、作動室の容積
変化が緩慢であるから、この作動状況を掃気行程と呼ぶ
ことができる。その結果、吸気行程、圧縮行程、燃焼行
程、膨張行程、排気行程および掃気行程を持つ6行程ロ
ータリーピストンエンジンを得ることができる。
【0161】ハイポトロコイドの基円の半径とその転円
の半径との比が2:1であり、ペリトロコイドの基円の
半径とその転円の半径との比が1:3である合成トロコ
イドを用いたロータリーピストンエンジンについて。こ
のロータリーピストンエンジンは、ハイポトロコイドの
基円の半径とその転円の半径との比が2:1であり、ペ
リトロコイドの基円の半径とその転円の半径との比が
2:3である合成トロコイドを用いたロータリーピスト
ンエンジンと同じ効果を持っている。
【0162】ハイポトロコイドの基円の半径とその転円
の半径との比が3:2であり、ペリトロコイドの基円の
半径とその転円の半径との比が1:2である合成トロコ
イドを用いたロータリーピストンエンジンについて。往
復運動部分が無く、運動部分は回転運動部分のみであ
る。従って、運動部分の完全な釣り合いがとれる。
【0163】合成トロコイドの創成点に往復ピストンを
配置してシリンダーを組合せ、合成トロコイドの創成点
により創成される往復運動をクランク機構として用いた
レシプロエンジンについて。
【0164】往復運動は単純な円運動に変換される。従
って、運動部分の完全な釣り合いがとれ、往復慣性力は
発生せず、往復質量による障害も発生しない。
【0165】なお、ピストンスラップが発生しないか
ら、クロスヘッドの必要が無い。そして、往復ピストン
は自立するから、往復ピストンの自重による側圧が無く
なる。その為、超大型船舶用エンジンにV型レシプロエ
ンジンを用いることができる。その結果、船舶用エンジ
ンは小型になり、船の重心は低くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示し、図2のC1−C2
透視図である。
【図2】本発明の第1実施例を示し、図1のB1−B2
断面図である。
【図3】本発明の第1実施例を示し、図2のC1−C2
断面図である。
【図4】本発明の第1実施例を示し、図2のD2−D1
断面図である。
【図5】本発明の第1実施例を示し、図2のE1−E2
断面図である。
【図6】本発明の第2実施例を示し、断面図である。
【図7】本発明の第3実施例を示し、断面図である。
【図8】本発明の第4実施例を示し、図82のB1−B
2断面図である。
【図9】第1実施例における合成トロコイドの幾何学的
基本構成を示す。
【図10】合成トロコイドと回転ピストンの直截面との
幾何学的関係を示す。
【図11】第2実施例および第3実施例の合成トロコイ
ドの幾何学的基本構成を示す。
【図12】合成トロコイドと回転ピストンの直截面との
幾何学的関係を示す。
【図13】第4実施例の幾何学的基本構成を示し、また
釣り合い錘と往復ピストンとの幾何学的関係を示す。
【図14】第4実施例の幾何学的基本構成を示し、また
釣り合い錘と往復ピストンとの幾何学的関係を示す。
【図15】a:b=2:1、b:r=2:3、c=0.
8、β=0及びd=2.8〜5.2の場合の合成トロコ
イドを示す。
【図16】a:b=2:1、b:r=2:3、c=0.
9、 β=0及びd=2.4〜4.4の場合の合成トロ
コイドを示す。
【図17】a:b=2:1、b:r=2:3、c=1、
β=π/3及びd=2.5〜3.4の場合の合成トロコ
イドを示す。
【図18】a:b=2:1、b:r=1:3、c=1、
β=0及びd=1.9〜3.4の場合の合成トロコイド
を示す。
【図19】a:b=2:1、b:r=1:3、c=1、
β=π/3及びd=2〜2.8の場合の合成トロコイド
を示す。
【図20】a:b=3:2、b:r=1:2、c=0.
95、β=π/2及びd=1.6〜3場合の合成トロコ
イドを示す。
【図21】a:b=3:2、b:r=1:2、c=1、
β=0及びd=1.7〜1.9の場合の合成トロコイド
を示す。
【図22】a:b=3:1、b:r=1:2、c=1、
β=π/2及びd=3〜4.8の場合の合成トロコイド
を示す。
【図23】a:b=2:1、b:r=1:4、c=1、
β=π/4及びd=1.5〜2.7の場合の合成トロコ
イドを示す。
【図24】a:b=2:1、b:r=3:4、c=1、
β=π/4及びd=2.7〜4.8の場合の合成トロコ
イドを示す。
【図25】a:b=3:1、b:r=5:6、c=1、
β=π/2及びd=5〜8の場合の合成トロコイドを示
す。
【図26】a:b=4:3、b:r=1:3、c=1、
β=π/3及びd=2.6〜3.2の場合の合成トロコ
イドを示す。
【図27】合成トロコイドの曲線群の幾何学的基本構成
を示す。
【図28】a:b=2:1、b:r=2:3、c=0.
9、β=0及びd=3.6の場合の合成トロコイドの曲
線群を示す。
【図29】a:b=2:1、b:r=2:3、c=1、
β=π/3及びd=3.9の場合の合成トロコイドの曲
線群を示す。
【図30】a:b=2:1、b:r=1:3、c=1.
1、β=0及びd=3.2の場合の合成トロコイドの曲
線群を示す。
【図31】a:b=2:1、b:r=1:3、c=1、
β=π/3及びd=3.2の場合の合成トロコイドの曲
線群を示す。
【図32】a:b=3:2、b:r=1:2、c=0.
95、β=π/2及びd=2.9の場合の合成トロコイ
ドの曲線群を示す。
【図33】a:b=3:2、b:r=1:2、c=1、
β=0及びd=2.2の場合の合成ロコイドの曲線群を
示す。
【図34】a:b=2:1、b:r=1:4、c=1、
β=π/4及びd=2.4の場合の合成トロコイドの曲
線群を示す。
【図35】a:b=2:1、b:r=3:4、c=1、
β=π/4及びd=3.9の場合の合成トロコイドの曲
線群を示す。
【図36】a:b=3:1、b:r=5:6、c=1、
β=π/2及びd=7.5の場合の合成トロコイドの曲
線群を示す。
【図37】a:b=4:3,b:r=1:3、c=1、
β=π/3及びd=3の場合の合成トロコイドの曲線群
を示す。
【図38】回転ピストンの直截面の輪郭を定める曲線の
曲線群を示す。
【図39】回転ピストンの直截面の輪郭を定める曲線の
曲線群を示す。
【図40】回転ピストンの直截面の輪郭を定める曲線の
曲線群を示す。
【図41】回転ピストンの直截面の輪郭(円弧形頂点と
それらを結ぶ直線)を定める曲線の曲線群を示す。
【図42】第一実施例の作動状況図であり、上死点にお
ける吸気行程を示す。
【図43】第一実施例の作動状況図であり、上死点後9
0°における吸気行程を示す。
【図44】第一実施例の作動状況図であり、上死点後1
80°における吸気行程を示す。
【図45】第一実施例の作動状況図であり、下死点にお
ける吸気行程を示す。
【図46】第一実施例の作動状況図であり、上死点前1
80°における圧縮行程を示す。
【図47】第一実施例の作動状況図であり、上死点前9
0°における圧縮行程を示す。
【図48】第一実施例の作動状況図であり、上死点にお
ける圧縮行程を示す。
【図49】第一実施例の作動状況図であり、上死点後9
0°における膨張行程を示す。
【図50】第一実施例の作動状況図であり、上死点後1
80°における膨張行程を示す。
【図51】第一実施例の作動状況図であり、下死点にお
ける膨張行程を示す。
【図52】第一実施例の作動状況図であり、上死点前1
80°における排気行程を示す。
【図53】第一実施例の作動状況図であり、上死点前9
0°における排気行程を示す。
【図54】第一実施例の作動状況図であり、上死点にお
ける膨脹行程を示す。
【図55】第一実施例の作動状況図であり、上死点後1
8°における膨張行程を示す。
【図56】第一実施例の作動状況図であり、上死点後3
6°における膨張行程を示す。
【図57】第一実施例の作動状況図であり、上死点後5
4°における膨張行程を示す。
【図58】第一実施例の作動状況図であり、上死点後7
2°における膨張行程を示す。
【図59】第一実施例の作動状況図であり、上死点後9
0°における膨張行程を示す。
【図60】第二実施例の作動状況図であり、上死点にお
ける吸気行程を示す。
【図61】第二実施例の作動状況図であり、上死点後1
05°における吸気行程を示す。
【図62】第二実施例の作動状況図であり、下死点にお
ける吸気行程を示す。
【図63】第二実施例の作動状況図であり、下死点後1
05°における圧縮行程を示す。
【図64】第二実施例の作動状況図であり、上死点にお
ける圧縮行程を示す。
【図65】第二実施例の作動状況図であり、上死点後1
05°における膨張行程を示す。
【図66】第二実施例の作動状況図であり、下死点にお
ける膨張行程を示す。
【図67】第二実施例の作動状況図であり、下死点後1
05°における排気行程を示す。
【図68】第二実施例の作動状況図であり、上死点にお
ける排気行程を示す。
【図69】第二実施例の作動状況図であり、上死点後1
05°における吸気行程を示す。
【図70】第三実施例の作動状況図であり、上死点にお
ける圧縮行程を示す。
【図71】第三実施例の作動状況図であり、上死点後1
05°における膨張行程を示す。
【図72】第三実施例の作動状況図であり、下死点にお
ける膨張行程を示す。
【図73】第三実施例の作動状況図であり、下死点後1
05°における排気行程を示す。
【図74】第三実施例の作動状況図であり、上死点にお
ける排気行程を示す。
【図75】第三実施例の作動状況図であり、上死点後1
05°における掃気行程を示す。
【図76】第三実施例の作動状況図であり、下死点にお
ける掃気行程を示す。
【図77】第三実施例の作動状況図であり、下死点後1
05°における掃気行程を示す。
【図78】第三実施例の作動状況図であり、上死点にお
ける掃気行程を示す。
【図79】第三実施例の作動状況図であり、上死点後1
05°における吸気行程を示す。
【図80】第三実施例の作動状況図であり、下死点にお
ける吸気行程を示す。
【図81】第三実施例の作動状況図であり、下死点後1
05°における圧縮行程を示す。
【図82】本発明の第4実施例を示し、図8のC1−C
2断面図である。
【図83】短軸にループを二つ持つ合成トロコイドの曲
線群を示す。
【図84】外包絡線と内包絡線との間に接点を一つ持つ
合成トロコイドの曲線群を示す。
【符号の説明】 1:ローターハウジング 2:サイドハウジング 3:回転ピストン 4:クランク軸 5:固定歯車A 6:転動歯車B 7:偏心軸 8:固定歯車E 9:転動歯車F 10:吸気通路 11:排気通路 12:点火プラグ 13:アベックスシール 14:サイドシール 15:クランクケース 16:シリンダー 17:往復ピストン 18:茸形吸気弁 19:茸形排気弁 20:回転型吸排気弁 21:回転型排気弁 22:回転型吸気弁 23:掃気通路 24:回転型掃気弁 25:基円A 26:転円B 27:基円E 28:転円F 29:点Pの軌跡 30:釣合いの錘M2 31:釣合いの錘M3 32:円F 33:円E 34:円B 35:円A
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図42】
【図3】
【図4】
【図43】
【図5】
【図6】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図7】
【図8】
【図48】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【図64】
【図65】
【図66】
【図67】
【図68】
【図69】
【図70】
【図71】
【図72】
【図73】
【図74】
【図75】
【図76】
【図77】
【図78】
【図79】
【図80】
【図81】
【図82】
【図83】
【図84】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1)(a)ハウジングは、側面の接平面が垂直に交わ
    る底面を持つ筒形の空洞を有する。そして、ハウジング
    の筒形空洞の直截面の輪郭を定める曲線は、『「ペリト
    ロコイドの基円とハイポトロコイドの転円とが同心とな
    るように、ペリトロコイドの基円をハイポトロコイドの
    偏心腕に固着し、かつ、ベリトロコイドの転円の中心が
    ハイポトロコイドの創成点となるように、ペリトロコイ
    ドの偏心腕をハイポトロコイドの創成腕に固着したペリ
    トロコイドの創成点」の描く曲線』である。 (b)回転ピストンの形状は、三つの頂点を持つ三角状
    の直截面をした直角柱の形状である。そして、回転ピス
    トンの直截面の頂点は、「ペリトロコイドの基円とハイ
    ポトロコイドの転円とが同心となるように、ペリトロコ
    イドの基円をハイポトロコイドの偏心腕に固着し、か
    つ、ペリトロコイドの転円の中心がハイポトロコイドの
    創成点となるように、ペリトロコイドの偏心腕をハイポ
    トロコイドの創成腕に固着したペリトロコイドの創成
    点」である。なお、回転ピストンの三角状直截面の三つ
    の頂点において、三角状直截面の二つの頂点と三角状直
    截面の中心とがつくる三つの角度は全て120゜であ
    る。 (c)前記(1)の(a)項及び前記(1)の(b)項
    において、ハイポトロコイドにおける基円の半径と転円
    の半径との比は2:1であり、ペリトロコイドにおける
    基円の半径と転円の半径との比は2:3である。 (d)回転ピストンをハウジングの筒形空洞部に収め
    て、回転ピストンの三つの側稜がハウジングの筒形空洞
    の側面を摺動し、さらに、回転ピストンの底面がハウジ
    ングの筒形空洞の底面を摺動することにより、ハウジン
    グの筒形空洞の側面とハウジングの筒形空洞の底面と回
    転ピストンの側面とで容積が変化する三つの作動室を形
    成する。 (e)吸気口と排気口とが、ハウジングの筒形空洞の側
    面とハウジングの筒形空洞の底面と回転ピストンの側面
    とで形成する作動室に開口するように、吸気口と排気口
    とをハウジングに設け、回転ピストンの稜がハウジング
    の筒形空洞の内面を摺動することにより、回転ピストン
    の稜は吸気口と排気口とを開閉する。を特徴とする回転
    ピストン形内燃機関 (2)(a)ハウジングの筒形空洞の直截面の輪郭を定
    める曲線は、『「ペリトロコイドの基円とハイポトロコ
    イドの転円とが同心となるように、ペリトロコイドの基
    円をハイポトロコイドの偏心腕に固着し、かつ、ペリト
    ロコイドの転円の中心がハイポトロコイドの創成点とな
    るように、ペリトロコイドの偏心腕をハイポトロコイド
    の創成腕に固着したペリトロコイドの創成点」の描く曲
    線』を外側に平行移動した曲線である。 (b)回転ピストンの直截面の頂点の形状は、「ペリト
    ロコイドの基円とハイポトロコイドの転円とが同心とな
    るように、ペリトロコイドの基円をハイポトロコイドの
    偏心腕に固着し、かつ、ペリトロコイドの転円の中心が
    ハイポトロコイドの創成点となるように、ペリトロコイ
    ドの偏心腕をハイポトロコイドの創成腕に固着したペリ
    トロコイドの創成点」に、『「ペリトロコイドの基円と
    ハイポトロコイドの転円とが同心となるように、ペリト
    ロコイドの基円をハイポトロコイドの偏心腕に固着し、
    かつ、ペリトロコイドの転円の中心がハイポトロコイド
    の創成点となるように、ペリトロコイドの偏心腕をハイ
    ポトロコイドの創成腕に固着したペリトロコイドの創成
    点」の描く曲線』を外側に平行移動した曲線の平行移動
    量を半径とする扇形を付け加え、『「ペリトロコイドの
    基円とハイポトロコイドの転円とが同心となるように、
    ペリトロコイドの基円をハイポトロコイドの偏心腕に固
    着し、かつ、ペリトロコイドの転円の中心がハイポトロ
    コイドの創成点となるように、ペリトロコイドの偏心腕
    をハイポトロコイドの創成腕に固着したペリトロコイド
    の創成点」の描く曲線』を外側に平行移動した曲線の平
    行移動量を半径とする円弧形である。を特徴とする請求
    項1記載の回転ピストン形内燃機関 (3)(a)ハイポトロコイドにおける基円の半径と転
    円の半径との比は3:2であり、ペリトロコイドにおけ
    る基円の半径と転円の半径との比は1:2である。 (b)回転ピストンの形状は、二つの頂点を持つフット
    ボール状の直截面をした直角柱の形状である。なお、回
    転ピストンのフットボール状直截面の二つの頂点におい
    て、フットボール状直截面の二つの頂点とフットボール
    状直截面の中心とがつくる角度は180°である。 (c)吸気口と排気口とが、ハウジングの筒形空洞の側
    面とハウジングの筒形空洞の底面と回転ピストンの側面
    とで形成する作動室に開口するように、クランク軸の回
    転により開閉を制御される、吸気弁と排気弁とをハウジ
    ングに設ける。を特徴とする請求項1及び2記載の回転
    ピストン形内燃機関 (4)ハイポトロコイドにおける基円の半径と転円の半
    径との比を2:1とし、ペリトロコイドにおける基円の
    半径と転円の半径との比を1:2とした請求項1記載の
    創成点に往復ピストンを配置したことを特徴とする往復
    ピストン形内燃機関
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