JPH07109665A - 編織物の製造方法 - Google Patents

編織物の製造方法

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JPH07109665A
JPH07109665A JP5276161A JP27616193A JPH07109665A JP H07109665 A JPH07109665 A JP H07109665A JP 5276161 A JP5276161 A JP 5276161A JP 27616193 A JP27616193 A JP 27616193A JP H07109665 A JPH07109665 A JP H07109665A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ピーチ感のあるソフトな風合,良好な張りや
腰及び深みのある色調を有する編織物の製造方法を提供
する。 【構成】 高収縮性複合繊維と低収縮性複合繊維とを準
備する。高収縮性複合繊維は、横断面が歯車状の繊維本
体Xと、各歯間の凹部に充填されている充填体とよりな
る。繊維本体Xも充填体もポリエステル成分で形成され
ているが、充填体の方がアルカリに溶解しやすい。繊維
本体Xの熱水収縮率は15%以上である。一方、低収縮性
複合繊維も、その繊維本体Yの熱水収縮率が7%未満で
ある他は、高収縮性複合繊維と同一の構成となってい
る。高収縮性複合繊維と低収縮性複合繊維との混繊糸条
を用いて、製編織し、生地を得る。この生地にアルカリ
減量処理を施して、高収縮性複合繊維及び低収縮性複合
繊維中の充填体を溶解除去する。その後、熱水処理を施
して、生地中における繊維本体Xを繊維本体Yよりも大
きく収縮させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステル系複合繊
維よりなる糸条を使用した編織物の製造方法に関し、ピ
ーチ感のあるソフトな風合,良好な張りや腰及び深みの
ある色調を有する編織物の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、ピーチ感のあるソフトな風合
を有する編織物を得るのに、ポリエステル系極細繊維よ
りなる糸条を使用することが、種々提案されている。極
細繊維は、肌触りが非常に柔らかいため、編織物の表面
に極細繊維が密生した状態で存在すると、良好なピーチ
感のあるソフトな風合を編織物に与えるのである。しか
しながら、極細繊維は、その剛性が低いため、得られる
編織物に十分な張り及び腰を与えることができないとい
う憾みがあった。また、極細繊維に染色を施しても、繊
維径が非常に細いため、鮮明な色彩に染色することがで
きず、更に、深みのある色調に染色することができない
という憾みがあった。従って、極細繊維を使用して、フ
ォーマルウエア等の黒色衣料を得ると、白っぽく見え
て、商品価値が低下するという欠点があった。
【0003】深みのある色調を得るためには、繊維表面
に微細なクレーター状の凹凸を形成すること(特公昭59
-24233号公報)、繊維の長手方向に沿って連続したスリ
ット状の溝を少なくとも5個、繊維表面に設けること
(特開昭60-151313号公報)が提案されている。このよ
うな方法は、比較的繊維径の太い繊維に適用することは
できるが、極細繊維にこのような方法を適用することは
困難である。即ち、極細繊維表面に凹凸を設けたり、或
いはスリット状の溝を設けたりすると、元来繊維径が極
めて細い極細繊維の場合には、極細繊維が切断されやす
くなり、所望の引張強度を持つ極細繊維が得られにくい
のである。また、極細繊維にこのような方法を適用して
も、繊維径は細いままであるので、鮮明な色彩に染色す
ることは困難であった。
【0004】従って、前記した方法は、比較的繊維径の
太い繊維にしか適用することができないため、深みのあ
る色調の編織物を得ることはできるが、ピーチ感のある
ソフトな風合を有する編織物を得ることはできなかっ
た。また、構成繊維の表面に凹凸状或いはスリット状の
傷が存在しているため、繊維の剛性が低下し、得られる
編織物に十分な張り及び腰を付与することが困難であっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、あ
る特定の横断面形状を持つポリエステル系繊維を使用す
ることによって、比較的繊維径の太いものを用いなが
ら、得られる編織物に良好なピーチ感のあるソフトな風
合を与えると共に、鮮明な色彩、深みのある色調に染色
できるようにし、且つ、高収縮性のポリエステル系繊維
と低収縮性のポリエステル系繊維とを混在させ、前者の
ポリエステル系繊維に高収縮を発現させることによっ
て、良好な張りや腰を有する編織物が得られるようにし
たものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、ポリエ
ステル系成分A1よりなり、その横断面が10歯以上の歯
車状であり、且つ熱水収縮率が15%以上である繊維本体
Xと、該繊維本体Xの隣接する各歯間に形成されている
凹部に充填された、該ポリエステル系成分A1よりもア
ルカリ溶解性の大きいポリエステル系成分B1よりなる
充填体とで形成された、その横断面が略円形である高収
縮性複合繊維と、ポリエステル系成分A2よりなり、そ
の横断面が10歯以上の歯車状であり、且つ熱水収縮率が
7%以下である繊維本体Yと、該繊維本体Yの隣接する
各歯間に形成されている凹部に充填された、該ポリエス
テル系成分A2よりもアルカリ溶解性の大きいポリエス
テル系成分B2よりなる充填体とで形成された、その横
断面が略円形である低収縮性複合繊維とが、混繊されて
なる混繊糸条を用いて製編織し、得られた生地にアルカ
リ減量処理を施して、該高収縮性複合繊維及び該低収縮
性複合繊維中の該充填体を溶解除去し、該繊維本体X及
び該繊維本体Yを顕在化させた後、熱水処理を行って、
該繊維本体Xに該繊維本体Yよりも高い収縮性を発現さ
せることを特徴とする編織物の製造方法に関するもので
ある。
【0007】まず、本発明においては、高収縮性複合繊
維と低収縮性複合繊維とを準備する。高収縮性複合繊維
は、繊維本体Xと充填体とで形成されているもので、そ
の横断面は略円形となっている。高収縮性複合繊維の横
断面が略円形となっているのは、繊維本体Xの横断面が
歯車状であり、そして各歯間に充填体が充填されている
からである。高収縮性複合繊維の単糸デニールは、1〜3
d程度であるのが好ましい。
【0008】繊維本体Xは、ポリエステル系成分A1
形成されている。ポリエステル系成分A1としては、ア
ルカリに溶解しにくいものであれば、どのようなもので
も採用できる。例えば、エチレングリコールとテレフタ
ル酸とが共重合されてなる一般的なポリエステル、又は
90モル%以上がエチレングリコールとテレフタル酸であ
り、一部が他のジオール成分或いは他の酸成分よりなる
ポリエステル等を採用することができる。
【0009】繊維本体Xの形状は、その横断面が歯車状
である。本発明において、歯車状とは、例えば図2に示
したような形状であることを意味している。従って、繊
維本体Xは、その横断面をとって観察すれば、略円形の
基部1と、この基部1の表面に連設されている歯2とで
形成されているものである。また、繊維本体Xを斜視的
に観察すれば、略円柱状の基部1と、この基部1の表面
に連設されて、基部1の長手方向に延びる多数の畝部2
とで形成されているものである。歯2の高さは、基部1
の半径に対して、1/4〜2/4程度であるのが好ましい。歯
2の高さが基部1の半径に対して1/4未満になると、歯
2の高さが短くなり、得られる編織物にピーチ感のある
ソフトな風合を与えにくくなる傾向が生じる。逆に、歯
2の高さが基部1の半径に対して2/4を超えると、歯2
の高さが長くなりすぎて、後の減量加工で歯2が欠損し
やすくなる傾向が生じる。また、歯2の数は、10歯(10
個)以上であり、特に14〜20歯であるのが好ましい。歯
2の数が10歯未満であると、得られる編織物にピーチ感
のあるソフトな風合を与えにくくなると共に、深みのあ
る色調及び鮮明色を与えにくくなので、好ましくない。
【0010】繊維本体Xの熱水収縮率は15%以上であ
る。熱水収縮率が15%未満であると、製編織した生地を
熱水処理しても、十分な収縮効果が得られず、編織物に
十分な張りや腰を与えることができないので、好ましく
ない。なお、本発明で言う熱水収縮率は、以下の方法で
測定されるものである。即ち、任意の長さL0を持つ試
料を準備し、この試料を100℃の沸騰水中で且つ無緊張
状態で30分間処理して、処理後の試料の長さL1を測定
し、[(L0−L1)/L0]×100なる式で算出されるも
のである。但し、試料の長さを測定するときには、(試
料のデニール)×(1/30)の荷重を負荷して測定する。
また、熱水収縮率を測定する際の試料としては、繊維本
体Xを用いるのが好ましいが、充填体をも含めた複合繊
維を用いても差し支えない。何故なら、充填体は、この
熱水収縮率に殆ど関与しないからである。
【0011】繊維本体Xの隣接する各歯2間に形成され
ている凹部3には、充填体4が充填されている。その結
果、高収縮性複合繊維の横断面は、略円形となるのであ
る。充填体4は、繊維本体Xを形成しているポリエステ
ル系成分A1よりもアルカリ溶解性が大であるポリエス
テル系成分B1で形成されている。ポリエステル系成分
1としては、ポリエステル系成分A1よりもアルカリ溶
解性の大なるものであれば、どのようなもので使用しう
る。例えば、ナトリウムスルホイソフタル酸1〜5モル%
と、ポリアルキレングリコール10〜30wt%と、従来用い
られているジオール成分及び酸成分とを共重合したポリ
エステル等が使用しうる。
【0012】高収縮性複合繊維中における繊維本体Xと
充填体との重量割合は、任意の割合を採用することがで
きるが、一般的に、繊維本体Xが70重量%以上であり、
充填体が30重量%以下であるのが好ましい。充填体の重
量割合が30重量%を超えて、繊維本体Xの重量割合が70
重量%未満になると、後のアルカリ減量処理工程におい
て、溶解除去される充填体の割合が大きくなり、編織物
の組織がルーズになり、良好な張りや腰を有する編織物
が得られにくくなる傾向が生じる。また、溶解除去され
るアルカリ成分B1が多いと、生産コストが高くなる傾
向も生じる。
【0013】また、本発明において用いる低収縮性複合
繊維も、熱水収縮率が低い他は、基本的には、高収縮性
複合繊維と同様の構成となっている。即ち、横断面が歯
車状の繊維本体Yと、この各歯間に形成されている凹部
に充填された充填体とで構成された、横断面が略円形の
ものである。そして、繊維本体Yは、比較的アルカリ溶
解性の小さいポリエステル成分A2で形成され、充填体
は、比較的アルカリ溶解性の大きいポリエステル成分B
2で形成されている。ポリエステル成分A2は、繊維本体
Xを形成しているポリエステル成分A1と同一であって
もよいし、異なっていてもよい。また、ポリエステル成
分B2も、ポリエステル成分B1と同一であってもよい
し、異なっていてもよい。一般的には、ポリエステル成
分A1とポリエステル成分A2とは同一であり、ポリエス
テル成分B1とポリエステル成分B2とは同一であるのが
好ましい。何故なら、アルカリ溶解性の大なるポリエス
テル成分B1及びB2を溶解除去し、アルカリ溶解性の小
なるポリエステル成分A1及びA2を残すアルカリ減量処
理工程における条件が、設定しやすくなるためである。
【0014】本発明において用いる低収縮性複合繊維
は、繊維本体Yの熱水収縮率が7%以下である点で、前
記した高収縮性複合繊維とは異なるものである。繊維本
体Yの熱水収縮率が7%を超えると、繊維本体Xの熱水
収縮率との差が少なくなって、両者を混繊したものを熱
水処理した場合、全体が大きく収縮し、風合的にボテボ
テしたものしか得られないので、好ましくない。また、
低収縮性複合繊維の単糸デニールは、1〜3d程度である
のが好ましい。なお、繊維本体Yの熱水収縮率の測定方
法も、繊維本体Xの場合と同様である。
【0015】以上のようにして準備した高収縮性複合繊
維と低収縮性複合繊維とを、従来公知の方法で混繊し
て、混繊糸条を得る。高収縮性複合繊維や低収縮性複合
繊維は、フィラメントの形態で混繊されマルチフィラメ
ント状の混繊糸条としてもよいし、またステープルファ
イバーの形態で混繊され紡績糸状の混繊糸条としてもよ
い。混繊糸条中における、高収縮性複合繊維と低収縮性
複合繊維との重量割合は、高収縮性複合繊維100重量部
に対して、低収縮性複合繊維が80〜120重量部であるの
が好ましい。低収縮性複合繊維が80重量部未満である
と、収縮の少ない繊維が少なすぎて、毛羽立ち感が低下
し、ひいてはピーチ感のあるソフトな風合の編織物を得
られにくくなる傾向が生じる。逆に、低収縮性複合繊維
が120重量部を超えると、収縮の大きい繊維が少なくな
り、得られる編織物に張りや腰が不足する傾向が生じ
る。
【0016】この混繊糸条を製編織して、生地を得る。
製編織の際の織組織や編組織は、任意の組織を採用しう
る。そして、この生地にアルカリ減量処理を施す。アル
カリ減量処理は、従来公知の方法を採用することがで
き、例えば、アルカリ性に調整した水溶液中に生地を浸
漬することによって行われる。このアルカリ減量処理に
よって、混繊糸条を構成している高収縮性複合繊維及び
低収縮性複合繊維の充填体が溶解除去され、繊維本体X
及びYが顕在化されるのである。
【0017】次いで、熱水処理を施すことにより、繊維
本体X及びYに収縮を発現させる。熱水処理は、生地に
加熱された水蒸気を吹き付けたり、或いは沸騰水中に生
地を通過させる等の手段で行われる。特に、染色仕上工
程において、染色又は仕上が一般的に熱水で行われるこ
とから、染色又は仕上と共に熱水処理することが、別途
熱水処理工程を付加する必要がないので、好ましい。こ
の熱水処理によって、繊維本体Yは、繊維本体Xよりも
熱水収縮率が低いので、混繊糸条中において浮き上がり
或いは弛んで、生地の表面に密生した状態となる。一
方、繊維本体Xは、繊維本体Yよりも熱水収縮率が高い
ので、生地の内部に高密度で偏在化することになる。
【0018】以上の如き方法で、本発明の目的とするピ
ーチ感のあるソフトな風合を有し、良好な張りや腰を有
し、更に深みのある色調を有する編織物を得ることがで
きるのである。
【0019】
【実施例】
実施例1〜3及び比較例1〜3 ポリエステル成分A1及びA2として、極限粘度0.67のポ
リエチレンテレフタレートを準備した(A1とA2は同一
という意味である。)。一方、ポリエステル成分B1
びB2として、分子量6000のポリエチレングリコール23w
t%と、スルホイソフタル酸グリコール2モル%と、その
他にテレフタル酸とエチレングリコールとを等モル%仕
込んで得られた共重合ポリエステルを準備した(B1
2は同一という意味である。)。このポリエチレンテ
レフタレート6重量部と共重合ポリエステル1重量部を使
用して、溶融複合紡糸を行い、図1及び図2に示す如き
横断面を持つ未延伸フィラメントを得た。なお、この
際、紡糸孔の形状を変更して、表1に示したように、歯
の数だけが相違する未延伸フィラメントを得た。
【0020】次いで、この未延伸フィラメントを延伸工
程に導入した。この際、熱処理温度と延伸倍率とを適宜
変更して、表1に示す如き、各種の熱水収縮率を持つ低
収縮性複合繊維、及び各種の熱水収縮率を持つ高収縮性
複合繊維を得た。そして、低収縮性複合繊維24本と高収
縮性複合繊維24本とを混繊して、100d/48fの混繊マ
ルチフィラメント糸条を得た。
【0021】
【表1】
【0022】この混繊マルチフィラメント糸条を経糸及
び緯糸として使用し、ウォータージェットルームによ
り、経糸密度90本/吋、緯糸密度85本/吋の平織物生地
を製織した。この平織物生地にアルカリ減量処理を施し
て、混線マルチフィラメント糸条中のポリエステル成分
1及びB2を溶解除去した。その後、染色リラックス処
理を施して、この際、混繊マルチフィラメント糸条中の
低収縮性複合繊維及び高収縮性複合繊維に収縮を発現さ
せた。以上のようにして得られた織物の風合や色調につ
いて、官能検査を行い、その結果を表2に示した。
【0023】
【表2】 なお、表2中の評価は、全て官能検査であり、以下の四
段階評価によるものである。◎:非常に良好、○:良
好、△:やや劣る、×:劣る。
【0024】実施例1〜3の結果より明らかなとおり、
高収縮性複合繊維の熱水収縮率が15%以上で、低収縮性
複合繊維の熱水収縮率が7%以下であるものを使用する
と、得られる織物の風合及び色調のいずれも良好で、ピ
ーチ感のあるソフトな風合と深みのある色調を有するも
のであった。比較例3は、繊維本体X及びYの歯の数
が、実施例1〜3に比べて少ないため、ピーチ感のある
ソフトな風合に欠け、また深みのある色調に欠けるもの
であった。比較例1及び2は、低収縮性複合繊維の熱水
収縮率が7%以上であったり、高収縮性複合繊維の熱水
収縮率が15%未満のものであるため、ソフト感に欠けた
り、ふくらみ感に欠けたり、或いは張り及び腰に欠ける
ものであった。
【0025】
【作用】本発明に係る方法によれば、高収縮性複合繊維
及び低収縮性複合繊維中の充填体が溶解除去されるた
め、繊維本体X及びYが顕在化する。繊維本体X及びY
は、その横断面が歯車状であり、多数の歯が形成されて
いる。この歯は、あたかも極細繊維の如き作用を奏す
る。しかし、繊維本体X及びYは、極細繊維ではなく、
比較的繊度の大きいものであるから、染色した場合にお
いて、不鮮明に染色されにくい。また、繊維本体X及び
Yには、歯が形成されているため、その表面が凹凸にな
っており、染色した場合において、深みのある色調にす
ることができる。
【0026】更に、高収縮性複合繊維(繊維本体X)と
低収縮性複合繊維(繊維本体Y)とが混在しているの
で、これに収縮を発現させると、繊維本体Xが生地の内
部に高密度に配置される。一方、繊維本体Yは、生地の
表面に浮き上がったり或いは弛んだりした状態で配置さ
れる。
【0027】
【発明の効果】以上の結果、本発明に係る方法で得られ
た編織物には、繊維本体X及びYの歯の作用によりピー
チ感が与えられ、且つ繊維本体Yがその表面に浮き上が
り或いは弛んだ状態となっているため、ソフトな風合が
与えられる。従って、本発明に係る方法で得られた編織
物は、ピーチ感のあるソフトな風合を示すという効果を
奏する。一方、高収縮性複合繊維(繊維本体X)は、編
織物の内部に高密度に配置されるため、得られる編織物
には、十分な張り及び腰が与えられるという効果も奏す
る。
【0028】また、編織物中に存在する繊維本体X及び
Yは、極細繊維ではないため、鮮明な色彩に染色するこ
とができる。しかも、繊維本体X及びYは、その表面が
凹凸になっているので、深みのある色調に染色すること
ができる。従って、本発明に係る方法で得られた編織物
は、鮮明で且つ深みのある色調になるという効果を奏す
る。
【0029】依って、本発明に係る方法で得られた編織
物は、ピーチ感のあるソフトな風合、十分な張り及び
腰、鮮明で且つ深みのある色調という、三つの特性を同
時に実現するものであり、従来にない新規な特徴を備え
たものであり、各種被服の生地として好適に使用しうる
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において使用する高収縮性複合繊維又は
低収縮性複合繊維の横断面の一例を示す図である。
【図2】図1に示した複合繊維中の充填体を溶解除去し
た際に顕在化する繊維本体の横断面図である。
【符号の説明】
1 繊維本体X又はYの基部 2 繊維本体X又はYの歯 3 各歯間の凹部 4 充填体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D03D 15/00 H 7199−3B B 7199−3B D06M 11/38 // D06M 101:32

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル系成分A1よりなり、その
    横断面が10歯以上の歯車状であり、且つ熱水収縮率が15
    %以上である繊維本体Xと、該繊維本体Xの隣接する各
    歯間に形成されている凹部に充填された、該ポリエステ
    ル系成分A1よりもアルカリ溶解性の大きいポリエステ
    ル系成分B1よりなる充填体とで形成された、その横断
    面が略円形である高収縮性複合繊維と、 ポリエステル系成分A2よりなり、その横断面が10歯以
    上の歯車状であり、且つ熱水収縮率が7%以下である繊
    維本体Yと、該繊維本体Yの隣接する各歯間に形成され
    ている凹部に充填された、該ポリエステル系成分A2
    りもアルカリ溶解性の大きいポリエステル系成分B2
    りなる充填体とで形成された、その横断面が略円形であ
    る低収縮性複合繊維とが、 混繊されてなる混繊糸条を用いて製編織し、得られた生
    地にアルカリ減量処理を施して、該高収縮性複合繊維及
    び該低収縮性複合繊維中の該充填体を溶解除去し、該繊
    維本体X及び該繊維本体Yを顕在化させた後、熱水処理
    を行って、該繊維本体Xに該繊維本体Yよりも高い収縮
    性を発現させることを特徴とする編織物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2001061083A1 (fr) * 2000-02-21 2001-08-23 Kanebo, Limited Fibre a section transversale modifiee et son procede de production
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