JPH07109542A - 熱間圧延用ロール材 - Google Patents
熱間圧延用ロール材Info
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- JPH07109542A JPH07109542A JP25271593A JP25271593A JPH07109542A JP H07109542 A JPH07109542 A JP H07109542A JP 25271593 A JP25271593 A JP 25271593A JP 25271593 A JP25271593 A JP 25271593A JP H07109542 A JPH07109542 A JP H07109542A
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Abstract
した鉄鋼圧延用ロールに適用されるとくに熱間圧延での
耐摩耗性に優れ、かつ耐き裂性と耐肌荒れ性を兼備した
圧延用ロール材を提供する。 【構成】 化学成分が重量でC:0.8〜2.3%、
V:3.0〜9.9%、Cr:3〜7%、Mo,Wの少
なくとも1種を1%以上、5%未満含み、残部は実質的
に鉄からなり、C%−0.235V%なる式で示す炭素
当量%が−1.0〜0.5%としたことを特徴とする熱
間圧延用ロール材。
Description
をはじめとした鉄鋼圧延用ロールに適用されるとくに熱
間圧延での耐摩耗性に優れ、かつ耐き裂性と耐肌荒れ性
を兼備した圧延用ロール材に関するものである。
8−87249号公報において開示されたC2.4〜
3.5%、V6.1〜14%にCr,Mo,W,Coの
各合金元素を含有した耐摩耗性鋳鉄ロール材が採用され
耐摩耗性の向上が図られた。さらに、本出願人が提案し
た特開WO9119824A号においてCを1.5〜
2.4%にすることにより炭化物量を制限し、耐き裂性
の改善がなされた。
れる最も重要な具備特性に耐摩耗性、耐き裂性および耐
肌荒れ性がある。ロールの摩耗が少なければ圧延した鉄
鋼製品の板厚精度が向上するとともにロールの取替え頻
度も少なくなり作業能率が向上する。一方、耐き裂性が
不足すると使用中の熱および機械的負荷により割れが発
生し、大きなトラブルとなり、圧延作業が中断し、ひい
ては圧延設備をも損傷させることになる。また、圧延製
品の表面品質を向上させるためロール表面肌の美麗な耐
肌荒れ性が要求される。したがって前記各具備特性を兼
備することが強く望まれている。この点、特開昭58−
87249号および特開WO9119824A号公報に
開示されたロール材はいずれも生成する炭化物自身が硬
く、かつ焼入れ後の硬度も高いため耐摩耗性が極めて良
好である。さらに特開WO9119824A号において
はCを1.5〜2.4%に限定することにより脆い炭化
物量を制限し、耐き裂性が改善された。
延時の熱負荷の大きな使用条件、例えばホットストリッ
プミルの仕上前段圧延機用ワークロールとして大量の圧
延に供した場合においてはロール表面が部分的に微小剥
離し、これを起点に肌荒れが生じた。これに伴い圧延製
品にもロール肌が転写され製品品質を損ない、ロール摩
耗が少ないにも拘らず取替えを余儀なくされた。このよ
うにロールの肌荒れにより圧延製品品質と生産性が阻害
された。
性を向上させ、かつ良好な耐き裂性と耐肌荒れ性を兼備
する高性能の圧延用ロール材を提供せんとするものであ
る。
めに、本発明の圧延用ロール材は化学成分が重量で C 0.8〜2.3% V 3.0〜9.9% Cr 3〜7% Mo,Wの少なくとも1種を1%以上、5%未満含み、
残部は実質的に鉄からなり、かつC%−0.235V%
なる式で示す炭素当量%が−1.0〜0.5%としたこ
とを特徴とする熱間圧延用ロール材。
る理由は次の通りである。すなわち、Cが下限値0.8
%未満では硬い炭化物の晶出が少なく耐摩耗性が著しく
劣化する。一方、上限値2.3%を超えると耐摩耗性は
向上するが炭化物が増加し、かつ粗大な炭化物を形成し
結晶粒界に集合する。これが圧延時の熱疲労によりロー
ル表面から脱落し、これを起点にロール表面に生じた酸
化被膜が部分的に剥離し肌荒れを引き起こす結果とな
り、とくに圧延時の熱負荷の大きな使用条件下において
本発明の主たる目的である耐肌荒れ性の向上は望めな
い。
決める最も重要なもので、Cとのバランスで選択され
る。とくに本発明の材質の場合は、粒状で微小な極めて
硬いMC型のVC炭化物を生成して耐摩耗性を向上させ
るとともに、この炭化物は溶湯より初晶の炭化物として
直接かつ優先的に晶出し、組織を制御する上でとりわけ
重要である。まず、Vが下限値の3.0%未満では、硬
いVC炭化物が晶出しにくく、晶出してもその後の熱処
理にて基地組織に固溶して析出炭化物となってしまう。
一方、上限値の9.9%を超えるとVC炭化物の絶対量
が増大し、耐き裂性ならびに耐肌荒れ性を損なう。ま
た、本願発明ではVC炭化物の生成が他の炭化物および
基地組織を変化させ、これに伴うロール性能に及ぼす特
性値としてC%−0.235V%なる式で示す炭素当量
を導入した。前記CならびにV含有量の範囲において、
上限値0.5%を超えるとMC型炭化物以外の、例えば
M2 C,M3 C,M7 C3 等の粗大で脆弱な炭化物が結
晶粒界に集合して生成する。この炭化物がロール表面か
ら欠落ちて、その結果耐肌荒れ性を阻害する。また、下
限値の−1.0%以下になると前記VC炭化物の晶出が
阻害され、その結果、耐摩耗性が低下する。
である。CrはCと結合しやすく、M3 C,M23C6 お
よびM7 C3 炭化物を形成する。とりわけ硬いM7 C3
炭化物は従来より使用されているが、共晶炭化物として
結晶粒境界に生成され肌荒れならびにき裂を引き起こす
結果となる。そこで、本発明のロール材においては粗大
な炭化物を抑制かつ分散させるため、Vとともに微小な
MC型炭化物を形成させるとともに一部を基地にも固溶
させ、ロール材質としての焼入性を付与し基地の硬さを
も増し耐摩耗性を向上させた。すなわち硬いMC炭化物
を形成させるとともに基地の硬さをも増すため3%以上
含有することが不可欠である。一方、上限値は例えばM
7 C3 ,M3 C等の粗大な炭化物の晶出による前記耐肌
荒れ性および耐き裂性を阻害しないため7%以下としな
ければならない。
適量添加することがロール性能を向上させるのに有用で
ある。いずれもCrと同様にCと結合しやすく、本発明
のロール材においては一部がMC炭化物を形成し一部は
基地にも固溶して基地の硬さを向上させるが、とくに熱
間圧延においてその効果が顕著である。この効果が実用
的に認められる下限値として1%以上とした。しかしな
がらCr以上に前記粗大なM2 CもしくはM3 C炭化物
となるため本発明材の最大の特徴である熱負荷の大きな
使用条件下においては前記耐肌荒れ性を損なわせない上
限として5%未満に限定した。
o,Wに対し基地に優先固溶するNi、もしくはCoは
とくに高温での硬度および強度を向上させロール性能を
改善する効果を有する。しかしながら、Ni,Coとも
に非常に高価なものであるためコストとの関連で5%以
下添加することも有用である。
な元素であり0.3%以上含有させることが必要であ
る。しかしながら、上限とした1.5%を超えて含有し
た場合は靭性を低下させるため、前記の炭化物の形態お
よび量を適正にしても基地組織を脆化させ本願発明の目
的を達成できない。
0.5%程度、さらにP,Sの不純物についても通常の
鋳物に含まれる0.03%以下程度のものであれば含有
されても差支えなく、これらは本発明の効果を何等損な
わしめるものではない。
上圧延機用ワークロールを製造した。鋳造は特開平2−
152576号公報にて開示された連続鋳掛け法により
行い芯材に鍛鋼(SCM440)を採用して複合ロール
とした。熱処理は鋳造後、焼鈍、焼入・焼戻しを施し
た。
な化学成分および製造品質を示す。また、ロール材の金
属顕微鏡組織写真を図1には本発明材、図2に特開WO
9119824A公報にて開示された従来例のものを示
す。いずれの写真においても白い部分が炭化物である。
従来例はいずれも粗大な炭化物の量が多いうえ、結晶粒
界に網目状の集合した炭化物が多く認められる。これに
対し図1に示した本願発明材には前記の通り非常に微細
な粒状の炭化物のみが均一に分散していることが明瞭に
確認される。また、表1に示す通りの本願の発明材1,
2の結晶粒界の網目状炭化物の量はともに従来例に比し
極少量となっている。この結晶粒界の網目状炭化物の量
は金属顕微鏡組織写真より画像解析により測定したもの
である。
を実際にホットストリップの仕上圧延機で使用し、その
結果を表2に示す。本発明のロールは使用中のモーター
・トリップによるロール回転の停止等のトラブルにより
生じたロールのき裂も浅く、耐摩耗性も極めて良好で、
かつロール表面の酸化被膜の剥離の発生により圧延材へ
の転写が生じるまでの圧延耐用トン数が格段に増加し、
耐肌荒れ性が向上した。これによりロールを交換する頻
度が減少し、圧延操業の生産性が著しく向上したことは
明らかである。
用して連続鋳掛け法により本発明材をその外層材として
適用したが本願発明はこの製造方法に限定されるもので
はなく、例えば遠心鋳造法による外層材、または普通鋳
造ならびにエレクトロ・スラグ溶解法等による単一ロー
ル材としても同様な作用・効果を奏するものである。
ことにより、耐摩耗性と耐き裂性を著しく向上した高性
能ロールを安定的に供給することが可能となるとともに
耐肌荒れ性が向上し、圧延製品の品質と圧延操業におけ
る生産性ならびに経済性が向上した。
真(×100)を示す。
ロール材の金属顕微鏡組織写真(×100)を示す。
Claims (1)
- 【請求項1】 化学成分が重量で C 0.8〜2.3% V 3.0〜9.9% Cr 3〜7% Mo,Wの少なくとも1種を1%以上、5%未満含み、
残部は実質的に鉄からなり、かつ下記式で示す炭素当量
%が−1.0〜0.5%としたことを特徴とする熱間圧
延用ロール材。 炭素当量%=C%−0.235V%
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-
1993
- 1993-10-08 JP JP5252715A patent/JP2978384B2/ja not_active Expired - Fee Related
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