JPH07109505A - 銀−パラジウム複合粉末の製造方法及び銀−パラジウム複合粉末 - Google Patents

銀−パラジウム複合粉末の製造方法及び銀−パラジウム複合粉末

Info

Publication number
JPH07109505A
JPH07109505A JP27597793A JP27597793A JPH07109505A JP H07109505 A JPH07109505 A JP H07109505A JP 27597793 A JP27597793 A JP 27597793A JP 27597793 A JP27597793 A JP 27597793A JP H07109505 A JPH07109505 A JP H07109505A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
palladium
silver
powder
composite powder
solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP27597793A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoichi Fukuda
洋一 福田
Yasutaka Fukui
康隆 福井
Yurie Sarugi
友理恵 猿木
Akio Takimoto
昭夫 滝本
Reiji Tsukawaki
令治 塚脇
Kazutaka Nakayama
和尊 中山
Hiromasa Aise
弘正 合瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Noritake Co Ltd
Original Assignee
Noritake Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Noritake Co Ltd filed Critical Noritake Co Ltd
Priority to JP27597793A priority Critical patent/JPH07109505A/ja
Publication of JPH07109505A publication Critical patent/JPH07109505A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】銀とパラジウムとが均一に混合分散し、且つコ
ンデンサー電極としての特性に優れ、更には、粒子径の
大きさが所定範囲内に揃っており印刷特性にも優れた銀
−パラジウム複合粉末及びその製造方法を提供する。 【構成】銀及びパラジウムの添加総合計量の0.2〜2
0.0mol%の銀粉末若しくはパラジウム粉末若しく
は銀−パラジウム複合粉末を核として予め分散させた溶
液中に還元剤を添加し、更に銀塩とパラジウム塩が溶解
する混合溶液を分散させ、同時に銀とパラジウムに還元
して前記銀粉末若しくはパラジウム粉末若しくは銀−パ
ラジウム複合粉末上に析出させることを特徴とする銀−
パラジウム複合粉末及びその製造方法。 【効果】酸化開始温度が遅く酸化増量が少ないうえに、
粒子径が0.2〜1.0μmの範囲内でほぼ均等な大き
さの銀−パラジウム複合粉末を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は銀−パラジウム複合粉末
及びその製造方法に関する。特にはコンデンサー電極に
使用される銀−パラジウム複合粉末及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】電子工業の分野では、厚膜回路を作製す
るのに貴金属の導電性ペーストが利用されている。この
中、銀ペーストはマイグレーション及びハンダクワレが
発生し易い。そこで、これらを防止するために、銀粉末
に10〜50mol%のパラジウム粉末を加えて、ペー
ストが製造されていた。しかし、銀粉末とパラジウム粉
末との均一分散が困難であり、得られるペーストを用い
て形成された膜は電気特性が劣ったものであった。
【0003】そこで、最近では銀−パラジウム合金粉末
若しくは銀−パラジウム複合粉末が使用されるように成
ってきた。これらの合金粉末若しくは複合粉末の製造方
法としては、銀とパラジウムとを過熱溶融して、合金を
作製し機械力により粉砕する方法、又は銀とパラジウム
との(合金)溶融液をアトマイズ法により微粒化する方
法などの物理的な製造方法と、銀塩とパラジウム塩が含
有する水溶液中での還元析出法を利用した化学的な方法
とに大別される。
【0004】化学的な方法として最も典型的なものは、
銀塩とパラジウム塩とが含有する混合溶液に還元剤を添
加して銀−パラジウム複合粉末を還元析出させる方法
(特公昭44−21968号公報)である。特公平1−
35044号公報は上記方法の還元剤をヒドラジン化合
物に限定し得られた微細粉末を真空中で加熱処理した方
法である。
【0005】特開昭64−75602号公報及び特開昭
64−75603号公報には、予め反応に供するパラジ
ウム粉末若しくは銀粉末の全部を溶液中に分散させて、
これらの粉末を核として、還元析出法により、それぞれ
銀若しくはパラジウムを沈着させて銀−パラジウム粉末
を製造する方法について記載されている。
【0006】特開平4−325609号公報には、パラ
ジウム塩溶液を弱アルカリにし還元剤を加えパラジウム
コロイド液を調製し、更に還元剤、銀塩溶液を加えて銀
イオンを還元析出させて、銀−パラジウム複合粉末を製
造する方法が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】物理的な製造方法によ
り得られる複合粉末は、機械的な粉砕及びアトマイズ法
のどちらの場合でも、十分に微粒化することができず、
形状も好ましいものが得られない。従って、印刷特性に
劣っていた。
【0008】化学的な製造方法の場合には、特公昭44
−21968号公報及び特公平1−35044号公報に
記載された方法では、生成する複合粉末の粒子径が小さ
過ぎるためにペースト化しても印刷に適さない。また、
粉末の特性としてパラジウムと銀との分散性不良、微細
粉末の混入により酸化開始温度が早く且つ酸化増量が大
きくなり、コンデンサー電極としての特性に問題があっ
た。
【0009】特開昭64−75602号公報及び特開昭
64−75603号公報に記載された方法では生成した
複合粉末の混合状態が均一でなく、粉末の凝集がみられ
た。また、粉末の特性としてパラジウムと銀との分散性
が悪い為酸化増量が大きくなり、コンデンサー電極とし
ての特性に問題があった。
【0010】特開平4−325609号公報に記載の方
法でも、同様に生成した複合粉末の混合状態が均一では
ない。また、粉末の特性として微細粉末パラジウムの混
入により酸化増量が大きくなり、コンデンサー電極とし
ての特性に問題があった。
【0011】そこで、本発明では、銀とパラジウムとが
均一に混合分散し、且つコンデンサー電極としての特性
に優れた複合粉末であり、更には、粒子径の大きさが所
定範囲内に揃っており且つ印刷特性に優れた粒子径を有
する銀−パラジウム複合粉末の製造方法を提供すること
を目的とする。また、前記製造方法により得られる銀−
パラジウム複合粉末を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
に従い鋭意研究を進めた結果、コンデンサー電極の特性
に関係のある粉末の酸化増量は、均一に混合分散した複
合粉末では少なくなることかつ、微細粉末パラジウムの
混入は酸化増量が大きくなることを見出し、更に、前も
って所定量の金属粒子を反応溶液中に分散させてから還
元析出法を行なうと、銀とパラジウムが均一に混合した
複合粉末が得られ、且つ粒子の大きさがほぼ同一であり
印刷特性に優れた大きさとなることを見出し、本発明を
完成させた。
【0013】即ち、本発明は銀及びパラジウムの添加総
合計量の0.2〜20.0mol%の銀粉末若しくはパ
ラジウム粉末若しくは銀−パラジウム複合粉末を核とし
て予め分散させた溶液中に還元剤を添加し、更に銀塩と
パラジウム塩が溶解する混合溶液を分散させ、同時に銀
とパラジウムに還元して前記銀粉末若しくはパラジウム
粉末若しくは銀−パラジウム複合粉末上に析出させるこ
とを特徴とする銀−パラジウム複合粉末の製造方法及び
前記製造方法により得られる、銀とパラジウムが均一に
分散した粒子径が0.2〜1.0μmである銀−パラジ
ウム複合粉末に関する。
【0014】
【作用】本発明においては所定量、即ち、銀及びパラジ
ウムの添加総合計mol量の0.2〜20.0mol%
の金属粒子(銀粉末若しくはパラジウム粉末若しくは銀
−パラジウム複合粉末)を核として予め分散させること
で、その後に銀塩とパラジウム塩との混合溶液を加え、
同時に還元して共沈析出することにより得られる銀−パ
ラジウム複合粉末は、粒子径も0.2〜1.0μm、特
には0.4〜0.5μmの範囲内でほぼ一定であり、且
つ銀とパラジウムが均一に分布した一定の組成比を有す
るものである。
【0015】この本発明の銀−パラジウム複合粉末はペ
ーストに利用した際には印刷性も良好であり、更には酸
化開始温度が遅いため焼成時の酸化増量が少なく、コン
デンサー電極としての特性に優れている。
【0016】
【好適な実施態様】核として予め分散させる金属粒子の
粒子径としては、好ましくは0.1〜1.0μmであ
り、更に好ましくは0.1〜0.5μmであり湿式析出
還元法若しくは水素等の不活性ガスによる金属塩の還元
により製造される。
【0017】核として予め分散させる金属粒子の添加量
としては、銀及びパラジウムの添加総合計量の0.2〜
20.0mol%である。0.2mol%未満では核と
なる金属粒子が少な過ぎるため、還元析出時にも新たな
核が生成し、微細粒子が多数生じてしまう。一方、2
0.0mol%より多いと逆に核となる金属粒子の存在
が多過ぎるため、均一な沈着が行なわれず、生成粒子の
粒子径が不揃いになったり球状の粒子が得られなくな
り、かつ、核となる金属粒子の凝集もみられ、均一分散
の銀−パラジウム複合粉末が得られにくい。
【0018】予め分散させる金属粒子の好ましい量は添
加総合計量の0.5〜10mol%であり、特に好まし
くは2mol%である。ここで、予め分散させる金属粒
子がパラジウム粉末の場合に、パラジウム粉末の全部と
ならないようにすることが肝要である。なぜならば、還
元析出反応時に共沈作用を伴わせることで、生成してく
る複合粉末の銀−パラジウム間の固着力が強まり、酸化
増量の減少、酸化開始温度の遅延化に寄与すると考えら
れるからである。
【0019】本発明は前もって金属粒子を分散させる代
わりに、還元析出法により全体の0.2〜20.0mo
l%に相当する金属粒子を生成させても構わず、続けて
再度還元析出法により、前記金属粒子を核として析出沈
着させることもできる。
【0020】本発明の銀−パラジウム複合粉末は、組成
比においてコンデンサーの焼成温度と関連があるが、パ
ラジウムが高価であるという経済的な見地から全体の1
0〜50mol%がパラジウムからなることが好まし
い。パラジウムが10mol%未満ではマイグレーショ
ンやハンダクワレを防止することができず、逆に50m
ol%を超えるとパラジウムの高価格により、パラジウ
ムペーストと比較して経済的なメリットが薄らいでく
る。
【0021】本発明の還元析出法に用いる還元剤は、従
来の金属粒子の還元析出法に用いられてきたもの、たと
えば、水素化ホウ素ナトリウム、ヒドロキシルアミン、
亜硫酸ナトリウム、蟻酸、蟻酸ナトリウム、亜硫酸水素
ナトリウム、次亜リン酸、亜ニチオン酸ナトリウム、無
水亜硫酸ナトリウム、L(+)酒石酸、蟻酸アンモニウ
ム、ロンガリット、L−アスコルビン酸及びこれらの混
合物を適用することができ、好ましくは、ヒドラジン化
合物の少なくとも1種を含有する還元剤であり、特に好
ましくは、硫酸ヒドラジン、抱水ヒドラジン、ヒドラジ
ンの少なくとも1種を含有する還元剤である。
【0022】
【効果】本発明の製造方法により得られる銀−パラジウ
ム複合粉末は、銀とパラジウムが均一に分散したもので
あり、酸化開始温度が遅く、酸化による増量が少ないた
め、コンデンサー電極としての特性に優れている。更に
は、ほぼ一定範囲内(0.2〜1.0μm、特には0.
4〜0.5μm)の印刷性に適した大きさの粒子径を有
している。従って、特に導体用ペーストに好ましく適用
できる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の効果の一つである酸化による
増量(TGA)の減少効果を実証することを主眼にし
て、酸化増量の原因となるパラジウムを多く含有する銀
(51.87mol%)−パラジウム(48.13mo
l%)複合粉末を中心に実施例を用いて本発明について
更に説明する。
【0024】
【実施例1】 (1) 蒸留水300ccに硫酸ヒドラジン5gを溶解
し40℃に保持した溶液中に、予め硝酸パラジウム0.
02490g(0.802mol%)とを水酸化アンモ
ニウムで溶解した溶液10ccを加えた。そして、溶液
中のパラジウムイオンを金属に還元反応させた。更にそ
の溶液中に、硝酸パラジウム1.4719g(47.3
28mol%)と硝酸銀1.189g(51.87mo
l%)とを水酸化アンモニウムで溶解した溶液30cc
を加えた。そして、溶液中のパラジウムイオンと銀イオ
ンとを金属に還元反応させ、製造された銀−パラジウム
複合粉末は、パラジウムが銀に均一分散した0.4〜
0.5μmの印刷特性に適した粉末であった。
【0025】(2) 同様に、予め硝酸パラジウム0.
0498g(1.604mol%)と水酸化アンモニウ
ムで溶解した溶液10ccを加え、そして、溶液中のパ
ラジウムイオンを金属に還元反応させた。更にその溶液
中に、硝酸パラジウム1.4469g(46.526m
ol%)と硝酸銀1.189g(51.87mol%)
とを水酸化アンモニウムで溶解した溶液30ccを加え
た。そして、溶液中のパラジウムイオンと銀イオンとを
金属に還元反応させた。製造された銀−パラジウム複合
粉末は、パラジウムが銀に均一分散した0.4〜0.5
μmの印刷特性に適した粉末であり、かつ酸化増量(T
GA)の減少がみられた。
【0026】(3) 同様に、予め硝酸パラジウム0.
4981g(16.043mol%)と水酸化アンモニ
ウムで溶解した溶液10ccを加え、そして、溶液中の
パラジウムイオンを金属に還元反応させた。更にその溶
液中に、硝酸パラジウム0.9987g(32.087
mol%)と硝酸銀1.189g(51.87mol
%)とを水酸化アンモニウムで溶解した溶液30ccを
加えた。そして、溶液中のパラジウムイオンと銀イオン
とを金属に還元反応させた。製造された銀−パラジウム
複合粉末は、パラジウムが銀に均一分散した0.4〜
0.5μmの印刷特性に適した粉末であっり、かつ酸化
増量(TGA)の減少がみられた。
【0027】
【比較例1】 (1) 実施例1と同様に、蒸留水300ccに硫酸ヒ
ドラジン5gを溶解し40℃に保持した溶液中に、硝酸
パラジウム1.4968g(48.13mol%)と硝
酸銀1.189g(51.87mol%)と水酸化アン
モニウムで溶解した溶液30ccを加えた。そして、溶
液中のパラジウムイオンと銀イオンとを金属に還元反応
させた。製造された銀−パラジウム複合粉末は、細粒が
混入し、印刷時にチヂレ、クラックが生じ易く、かつ酸
化増量が大きい。
【0028】(2) また、同様に硝酸パラジウム0.
00498g(0.160mol%)と水酸化アンモニ
ウムで溶解した溶液10ccを加えた。そして、溶液中
のパラジウムイオンを金属に還元反応させた。更にその
溶液中に、硝酸パラジウム1.49182g(47.9
70mol%)と硝酸銀1.189g(51.87mo
l%)と水酸化アンモニウムで溶解した溶液30ccを
加えた。そして、溶液中の銀イオンとパラジウムイオン
と銀イオンとを金属に還元反応させた。製造された銀−
パラジウム複合粉末は、酸化増量の減少はみられたが、
細粒が混入し、印刷時にチヂレ、クラックが生じ易い粉
末であった。
【0029】(3) また、同様に予め硝酸パラジウム
0.7484g(24.065mol%)と水酸化アン
モニウムで溶解した溶液10ccを加え、そして、溶液
中のパラジウムイオンを金属に還元反応させた。更にそ
の溶液中に、硝酸パラジウム0.7484g(24.0
65mol%)と硝酸銀1.189g(51.87mo
l%)と水酸化アンモニウムで溶解した溶液30ccを
加えた。そして、溶液中のパラジウムイオンと銀イオン
とを金属に還元反応させた。製造された銀−パラジウム
複合粉末は、酸化増量が大きく、中に針状結晶が混入し
て印刷に不適正な粉末形状であった。
【0030】
【比較例2】蒸留水300ccに硫酸ヒドラジン5gを
溶解し40℃に保持した溶液中に、予め硝酸パラジウム
1.4968g(48.13mol%)とを水酸化アン
モニウムで溶解した溶液10ccを加え、そして、溶液
中のパラジウムイオンを金属に還元反応させた。更にそ
の溶液中に、硝酸銀1.189g(51.87mol
%)と水酸化アンモニウムで溶解した溶液30ccを加
えた。そして、溶液中の銀イオンを金属に還元反応させ
た。製造された銀−パラジウム複合粉末は、樹脂状の結
晶が混入して印刷に不適切な粉末形状であった。
【0031】
【比較例3】 (1) 蒸留水300ccに硫酸ヒドラジン5gを溶解
し40℃に保持した溶液中に予め水酸化アンモニウムを
溶解した溶液30cc中に約0.2μmのパラジウム粒
子を0.3192g(30mol%)分散させた。更に
その溶液中に、硝酸銀1.189g(70.0mol
%)と水酸化アンモニウムで溶解した溶液30ccを加
えた。そして、溶液中の銀イオンを金属に還元反応させ
た。製造されたコーティング銀−パラジウム粉末は、細
かい0.1μmの粒子が混入し且つ著しい凝集が見られ
印刷に不適切な粉末形状であった。
【0032】(2) 又同様に予めL−アスコルビン酸
10gを溶解し40℃に保持した溶液30cc中に約
0.2μmのパラジウム粒子を0.3192g(30m
ol%)分散させた。更にその溶液中に、硝酸銀1.1
89g(70.0mol%)と水酸化アンモニウムで溶
解した溶液30ccを加えた。そして、溶液中の銀イオ
ンを金属に還元反応させた。製造されたコーティング銀
−パラジウム粉末は、細かい0.1μmの粒子が少量混
入し且つ著しい凝集が見られ印刷に不適切な粉末形状で
あった。
【0033】
【比較例4】蒸留水300ccに硫酸ヒドラジン5gを
溶解し40℃に保持した溶液中に予め水酸化アンモニウ
ムを溶解した溶液30cc中に約0.1μmの銀粒子を
0.755g(70mol%)分散させた。更にその溶
液中に、塩化パラジウムを0.5319g(30.0m
ol%)と水酸化アンモニウムで溶解した溶液30cc
を加えた。そして、溶液中のパラジウムイオンを金属に
還元反応させた。製造されたコーティング銀−パラジウ
ム粉末は、均一分散した約0.3μmの粒子であり、印
刷に適切な粉末形状であった。が、その酸化増量(TG
A)は5.99%(TGは5.41%)と著しく大き
く、コンデンサーの電極としては、特性が悪かった。
【0034】比較例1(1)の結果が示すように、予め
核となる金属粒子を存在させないと、酸化開始温度が低
く、酸化増量率も大きく、コンデンサー特性に劣ってお
り、生成粒子には微細粒子が混入しており均等な大きさ
ではない。また、金属粒子を予め分散させた場合(比較
例1(2))でも、0.2mol%未満では、微細粒子
が混入し均等な大きさの複合粉末は得られない。逆に、
20.0mol%を超えると(比較例1(3))、球状
でない粒子(例えば針状粒子)が生成し印刷特性の著し
く劣ったものとなる。
【0035】特に、予め分散させる金属粒子が比較例2
〜4のようにパラジウム粉末若しくは銀粉末の全部とす
ると、比較例2または3に示すように粒子の形状が球状
でなかったり粒子の凝集を起こしたりして印刷特性の劣
ったものが得られる。また、銀とパラジウムの分散性が
不均一となる場合も生じ、この場合には酸化増量が著し
く大きくなり(比較例2、比較例4)、コンデンサー電
極には不適である。
【0036】一方、実施例1(2)及び(3)の本発明
の複合粉末は、酸化開始温度が高く酸化増量も少なめで
あり、且つ粒子の大きさがほぼ均等に揃ったものであ
る。
【0037】
【実施例2】蒸留水300ccに抱水ヒドラジン10g
を溶解し40℃に保持した溶液中に、予め硝酸パラジウ
ム0.04986g(1.604mol%)を水酸化ア
ンモニウムで溶解した溶液10ccを加えた。そして、
溶液中のパラジウムイオンを金属に還元反応させた。更
にその溶液中に、硝酸パラジウム1.44694g(4
6.526mol%)と硝酸銀1.189g(51.8
7mol%)とを水酸化アンモニウムで溶解した溶液3
0ccを加えた。そして、溶液中のパラジウムイオンと
銀イオンとを金属に還元反応させ、製造された銀−パラ
ジウム複合粉末は、パラジウムが銀に均一分散した0.
4〜0.6μmの印刷特性に適した粉末であった。
【0038】
【実施例3】蒸留水300ccに硫酸ヒドラジン5gを
溶解し40℃に保持した溶液中に、予め硝酸銀0.01
7g(1.0mol%)を水酸化アンモニウムで溶解し
た溶液10ccを加えた。そして、溶液中の銀イオンを
金属に還元反応させた。更にその溶液中に、硝酸パラジ
ウム0.6912g(30.0mol%)と硝酸銀1.
172g(69.0mol%)とを水酸化アンモニウム
で溶解した溶液30ccを加えた。そして、溶液中のパ
ラジウムイオンと銀イオンとを金属に還元反応させた。
製造された銀−パラジウムの複合粉末は、パラジウムが
銀に均一分散した0.4〜0.5μmの印刷特性に適し
た粉末であった。
【0039】
【実施例4】蒸留水300ccに硫酸ヒドラジン5gを
溶解し40℃に保持した溶液中に、予め硝酸銀0.00
849g(0.5mol%)と硝酸パラジウム0.01
15g(0.5mol%)を水酸化アンモニウムで溶解
した溶液10ccを加えた。そして、溶液中の銀イオン
及びパラジウムイオンを金属に還元反応させた。更にそ
の溶液中に、硝酸パラジウム0.6797g(29.5
mol%)と硝酸銀1.1806g(69.5mol
%)とを水酸化アンモニウムで溶解した溶液30ccを
加えた。そして、溶液中のパラジウムイオンと銀イオン
とを金属に還元反応させた。製造された銀−パラジウム
複合粉末は、パラジウムが銀に均一分散した0.4〜
0.5μmの印刷特性に適した粉末であった。
【0040】
【実施例5】蒸留水300ccに硫酸ヒドラジン5gを
溶解し40℃に保持した溶液中に、予め硝酸パラジウム
0.0230g(1.0mol%)を水酸化アンモニウ
ムで溶解した溶液10ccを加えた。そして、溶液中の
パラジウムイオンを金属に還元反応させた。更にその溶
液中に、硝酸パラジウム0.20736g(9.0mo
l%)と硝酸銀1.5288g(90.0mol%)と
を水酸化アンモニウムで溶解した溶液30ccを加え
た。そして、溶液中のパラジウムイオンと銀イオンとを
金属に還元反応させた。製造された銀−パラジウム複合
粉末は、パラジウムが銀に均一分散した0.3〜0.6
μmの印刷特性に適した粉末であった。
【0041】以上の実施例と比較例で製造した銀−パラ
ジウム複合粉末の大きさと形状を表1及び表2にまとめ
た。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】また、実施例1及び比較例1〜4について
生成した複合粉末の熱特性を調べた。結果を表3に示
す。また、同時に各複合粉末の粒子の形状を表わす電子
顕微鏡写真(×1000及び×5000)を図1〜図9に示す。
【0045】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様である、実施例1(2)で
製造した銀−パラジウム複合粉末の粒子構造を表わす電
子顕微鏡写真であり、(a)は倍率×1000であり、
(b)は(a)の白枠部分を更に拡大した(×5000)も
のである。
【図2】本発明の別の一実施態様である、実施例1
(3)で製造した銀−パラジウム複合粉末の粒子構造を
表わす電子顕微鏡写真であり、(a)は倍率×1000であ
り、(b)は(a)の白枠部分を更に拡大した(×500
0)ものである。
【図3】本発明に対する比較品である、比較例1(1)
で製造した銀−パラジウム複合粉末の粒子構造を表わす
電子顕微鏡写真であり、(a)は倍率×1000であり、
(b)は(a)の白枠部分を更に拡大した(×5000)も
のである。
【図4】本発明に対する別の比較品である、比較例1
(2)で製造した銀−パラジウム複合粉末の粒子構造を
表わす電子顕微鏡写真であり、(a)は倍率×1000であ
り、(b)は(a)の白枠部分を更に拡大した(×500
0)ものである。
【図5】本発明に対する更なる比較品の一つである、比
較例1(3)で製造した銀−パラジウム複合粉末の粒子
構造を表わす電子顕微鏡写真であり、(a)は倍率×10
00であり、(b)は(a)の白枠部分を更に拡大した
(×5000)ものである。
【図6】本発明に対する更なる比較品の一つである、比
較例2で製造した銀−パラジウム複合粉末の粒子構造を
表わす電子顕微鏡写真であり、(a)は倍率×1000であ
り、(b)は(a)の白枠部分を更に拡大した(×500
0)ものである。
【図7】本発明に対する更なる比較品の一つである、比
較例3(1)で製造した銀−パラジウム複合粉末の粒子
構造を表わす電子顕微鏡写真であり、(a)は倍率×10
00であり、(b)は(a)の白枠部分を更に拡大した
(×5000)ものである。
【図8】本発明に対する更なる比較品の一つである、比
較例3(2)で製造した銀−パラジウム複合粉末の粒子
構造を表わす電子顕微鏡写真であり、(a)は倍率×10
00であり、(b)は(a)の白枠部分を更に拡大した
(×5000)ものである。
【図9】本発明に対する更なる比較品の一つである、比
較例4で製造した銀−パラジウム複合粉末の粒子構造を
表わす電子顕微鏡写真であり、(a)は倍率×1000であ
り、(b)は(a)の白枠部分を更に拡大した(×500
0)ものである。
フロントページの続き (72)発明者 猿木 友理恵 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番36 号 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 内 (72)発明者 滝本 昭夫 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番36 号 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 内 (72)発明者 塚脇 令治 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番36 号 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 内 (72)発明者 中山 和尊 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番36 号 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 内 (72)発明者 合瀬 弘正 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番36 号 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】銀及びパラジウムの添加総合計量の0.2
    〜20.0mol%の銀粉末若しくはパラジウム粉末若
    しくは銀−パラジウム複合粉末を核として予め分散させ
    た溶液中に還元剤を添加し、更に銀塩とパラジウム塩が
    溶解する混合溶液を分散させ、同時に銀とパラジウムに
    還元して前記銀粉末若しくはパラジウム粉末若しくは銀
    −パラジウム複合粉末上に析出させることを特徴とする
    銀−パラジウム複合粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】還元剤を含有した溶液中に所定量の銀塩又
    はパラジウム塩が溶解している溶液を混合分散させて、
    還元析出した銀粉末若しくはパラジウム粉末若しくは銀
    −パラジウム複合粉末を再度分散させて核として用いる
    ことを特徴とする請求項1記載の銀−パラジウム複合粉
    末の製造方法。
  3. 【請求項3】前記還元剤がヒドラジン化合物から選択さ
    れた少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1又
    は2記載の銀−パラジウム複合粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1記載の方法により製造される、銀
    とパラジウムが均一に分散し且つ粒子径が0.2〜1.
    0μmであることを特徴とする銀−パラジウム複合粉
    末。
JP27597793A 1993-10-08 1993-10-08 銀−パラジウム複合粉末の製造方法及び銀−パラジウム複合粉末 Withdrawn JPH07109505A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27597793A JPH07109505A (ja) 1993-10-08 1993-10-08 銀−パラジウム複合粉末の製造方法及び銀−パラジウム複合粉末

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27597793A JPH07109505A (ja) 1993-10-08 1993-10-08 銀−パラジウム複合粉末の製造方法及び銀−パラジウム複合粉末

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07109505A true JPH07109505A (ja) 1995-04-25

Family

ID=17563063

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27597793A Withdrawn JPH07109505A (ja) 1993-10-08 1993-10-08 銀−パラジウム複合粉末の製造方法及び銀−パラジウム複合粉末

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07109505A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102554264A (zh) * 2012-02-28 2012-07-11 东北大学 导电浆料用银钯合金粉的制备方法
JP2021511442A (ja) * 2018-01-24 2021-05-06 ナノガップ スブ−エネエメ−パウダー ソシエダッド アノニマ 原子量子クラスターの生成方法
CN114160804A (zh) * 2021-11-17 2022-03-11 武汉船用电力推进装置研究所(中国船舶重工集团公司第七一二研究所) 一种亚微米级单分散银钯粉的制备方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102554264A (zh) * 2012-02-28 2012-07-11 东北大学 导电浆料用银钯合金粉的制备方法
JP2021511442A (ja) * 2018-01-24 2021-05-06 ナノガップ スブ−エネエメ−パウダー ソシエダッド アノニマ 原子量子クラスターの生成方法
CN114160804A (zh) * 2021-11-17 2022-03-11 武汉船用电力推进装置研究所(中国船舶重工集团公司第七一二研究所) 一种亚微米级单分散银钯粉的制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0985474B1 (en) Method for producing metal powder by reduction of metallic salt.
US6923924B2 (en) Copper particle clusters and powder containing the same suitable as conductive filler of conductive paste
JP5407495B2 (ja) 金属粉末および金属粉末製造方法、導電性ペースト、並びに積層セラミックコンデンサ
CN113658739B (zh) 一种粒径可控分布的类球形银粉及其制备方法与应用
JP3984534B2 (ja) 導電性ペースト用の銅粉及びその製造方法
JPH07118868A (ja) パラジウム被覆球状銀粉の製造方法
CN1043447C (zh) 多层陶瓷电容器的制造方法
JP2006225731A (ja) 銅粉
JPH07109505A (ja) 銀−パラジウム複合粉末の製造方法及び銀−パラジウム複合粉末
JPH0557324B2 (ja)
JP2002080901A (ja) 銀粉およびその製造方法
US7186289B2 (en) Nickel powder and production method therefor
JPH01139710A (ja) 微細粒状合金粉末の製造方法
JPH04235205A (ja) 銅粉の製造方法
JP4485174B2 (ja) 複合金属微粒子分散液およびその製造方法
KR20020026019A (ko) 초미세 금속 분말의 제조방법
JP3640552B2 (ja) 粒度分布の小さい銅粉の製造法
JP3343283B2 (ja) 銀−パラジウム共沈粉末及びその製造方法
JPH06122905A (ja) 球状銀微粉の製造方法
JP4012961B2 (ja) 板状銅粉の製法
JPH0885807A (ja) 単分散性銀−パラジウム複合粉末の製造方法及びその粉末
JPH07150206A (ja) Ag−Pd粉末の製造方法
JP3918036B2 (ja) 銅粉の製造法
JP3444608B2 (ja) 銅微粉末の製造方法
JPH08176605A (ja) パラジウム被覆銀粉の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20001226