JPH07109264A - 4−アルコキシカルボニルベンジルコハク酸無水物の製造方法 - Google Patents

4−アルコキシカルボニルベンジルコハク酸無水物の製造方法

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JPH07109264A
JPH07109264A JP25412293A JP25412293A JPH07109264A JP H07109264 A JPH07109264 A JP H07109264A JP 25412293 A JP25412293 A JP 25412293A JP 25412293 A JP25412293 A JP 25412293A JP H07109264 A JPH07109264 A JP H07109264A
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JP
Japan
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reaction
anhydride
mmol
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JP25412293A
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Hiroshi Iwane
寛 岩根
Katsufumi Kujira
勝文 鯨
Noriko Iimura
典子 飯村
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 パラトルイル酸アルキルエステルと無水マレ
イン酸とを、ラジカル反応開始剤の存在下に反応させ
る。その際、反応液中の無水マレイン酸濃度を2.0重
量%以下に保ちながら、反応温度170℃〜230℃で
反応させる。 【効果】 2,6−ナフタレンジカルボン酸の原料とし
て有用な4−アルコキシカルボニルベンジルコハク酸無
水物を、高収率、高選択率で製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パラトルイル酸アルキ
ルエステル(以下PTAEと略記)と無水マレイン酸
(以下MAと略記)をラジカル反応開始剤の存在下、付
加反応させて4−アルコキシカルボニルベンジルコハク
酸無水物(以下ABSAと略記)を高収率かつ高選択率
で製造する方法に関するものである。ABSAは、これ
を環化してテトラロン−7−アルコキシカルボニル−3
−カルボン酸とし、さらに水素化、脱水素して2,6−
ナフタレンジカルボン酸に転換できる有用な化合物であ
る。また、2,6−ナフタレンジカルボン酸は、ポリエ
チレンナフタレート(PEN)樹脂の原料として工業的
価値の高い有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術および課題】ラジカル反応開始剤の存在下
にPTAEとMAを付加反応させることによりABSA
を製造する方法としては、MAに対して6モルのパラト
ルイル酸またはそのアルキルエステルを、有機パーオキ
サイドを用いて、130℃〜160℃の温度範囲で反応
させる方法(特開昭51−136659公報、特開昭5
1−105045公報)が提案されている。しかし、こ
れらの方法では、目的物の収率が30〜55%と非常に
低く工業的には問題がある。本発明は、2,6−ナフタ
レンジカルボン酸の原料として有用なABSAをさらに
高収率かつ高選択率で製造することを目的としている。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明らは、上記目的を
達成するため鋭意検討を行なった結果、本発明を完成す
るに至った。すなわち本発明は、過剰量のPTAEにM
Aをラジカル反応開始剤の存在下に反応させて、ABS
Aを製造する方法において、反応液中の無水マレイン酸
濃度を2.0重量%以下に保ちながら、反応温度170
℃〜230℃で反応させることを特徴とする、ABSA
の製造方法を提供するものである。以下に本発明をさら
に詳細に説明する。
【0004】
【発明の具体的説明】本発明は、ラジカル反応開始剤の
存在下、PTAEとMAとを反応させることによる方法
である。 (原料)反応は通常、過剰量のPTAEにMAを溶解し
た状態で行う。PTAEは、MAに対して大過剰量用い
るのがよく、使用モル比は2〜300モル、好ましくは
3〜200モルである。PTAEとしては、パラトルイ
ル酸メチル、パラトルイル酸エチル、パラトルイル酸プ
ロピル等を挙げることができ、特に好ましいのはパラト
ルイル酸メチルである。
【0005】また、原料中の水分によるMA開環物の生
成等の副反応が起こるので、PTAEやMAは、脱水し
て反応に用いる方が好ましい。脱水方法としては、例え
ば適当な乾燥剤(例えば活性アルミナ、シリカゲル、モ
レキュラーシーブ、活性炭等)による吸着分離、深冷分
離、あるいは金属ナトリウム、金属カリウムと予め接触
させて脱水する方法等がある。反応液中の水分量は、少
ないほど好ましく、通常は1000ppm以下、好ましく
は500ppm以下で反応すると生成物の選択率が向上す
る。
【0006】本発明においては、用いるラジカル反応開
始剤としてはとくに制限はなく、通常のラジカル発生剤
として用いられるものは何でも用いることができる。例
えば、ブチルヒドロペルオキシドなどのヒドロペルオキ
シド類、ジクミルペルオキシドなどの過酸化ジアルキル
類、過酸化ジアセチルなどの過酸化ジアシル類や、アゾ
ビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物などを用いる
ことができる。これらは単独でも、あるいはまた2種類
以上を混合して用いることもできる。ラジカル反応開始
剤の使用量は、MA1molに対して0.001〜1mol、
好ましくは0.03〜0.50molの範囲である。
【0007】(反応装置および反応)反応装置としては
特別なものは必要なく、3つ口フラスコに、冷却管、滴
下ロート、温度計を取り付けて行うことができる。本反
応は、一括仕込み、半回分式あるいは連続式のいずれに
よっても行うことができる。反応液へのMAの添加は、
添加時に2.0重量%を越えない量にする必要があり、
また反応液中のMA濃度を2.0重量%以下に保ちなが
ら添加する必要がある。反応液中のMA濃度は低ければ
低いほど生成物の選択率は高く、好ましくは1.0重量
%以下、さらに好ましくは0.5重量%以下が好まし
い。MAを連続または分割して供給する場合には、MA
の消費速度をあらかじめ測定しておき、添加速度を設定
するのが好ましい。
【0008】半回分式の場合、反応槽に予め少量のPT
AEを入れておき、ラジカル反応開始剤とMAを残りの
PTAEに溶解させ、MAの反応液中の濃度が特定濃度
以下となるように供給しながら、滴下ロートから徐々に
滴下し反応を行う。添加方法としてポンプを用いて一定
間隔又は連続的にフィードしてもよい。この場合、ラジ
カル反応開始剤とMAを溶解させるPTAEの使用量
は、PTAE総使用量の20〜50%程度である。
【0009】MA及びラジカル反応開始剤の添加時間は
MA濃度と反応スケールによるが、通常は1〜30時間
である。MA及びラジカル反応開始剤を全部添加し終え
た時点で反応はほとんど終了しているが、反応を完結さ
せるため、さらに30分〜2時間くらいの反応時間を設
けることが好ましい。
【0010】回分式、または連続式の反応方法とする場
合には、生成物の選択率を高く維持するために、半回分
式よりも、PTAEはMAに対して大過剰使用する必要
があり、そのモル比は33以上、好ましくは33〜30
0の範囲である。反応時間は通常1〜30時間である。
【0011】反応温度は170〜230℃で行うことが
好ましい。反応温度が170℃以下ではPTAEの転化
率が低く、MA重合物などの副反応を引き起こすため選
択率が低下する。また、反応温度が230℃以上ではラ
ジカル反応開始剤の半減期が短くなり、ラジカル反応開
始剤が不安定になるので選択率が低下する。
【0012】反応生成物は、そのまま次の工程に用いて
もよいが、必要ならば減圧蒸留、有機溶媒による洗浄、
再結晶等により精製することもできる。
【0013】以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明を
さらに具体的に説明する。なお、反応終了後の反応液中
のMA、PTAE、ABSA無水物の定量はガスクロマ
トグラフィーで行なった。
【0014】
【実施例】実施例 1 100mlの硝子製の3つ口フラスコに、温度計、冷却
管、滴下ロートをそれぞれ取り付けた。窒素雰囲気中で
3つ口フラスコ内に、モレキュラーシーブにより脱水し
た水分濃度6.6ppmのパラトルイル酸メチル53.9g
(359mmol)を入れて、190℃で加熱撹拌しておい
た。滴下ロート内には、パラトルイル酸メチル15.0
g(100mmol)とMA3.0g(31mmol)とラジカ
ル反応開始剤としてジターシャリーブチルパーオキサイ
ド0.22g(1.53mmol)を入れ均一溶液(水分濃度
154ppm)にしておいた。滴下ロート内の原料を、反
応液中のMA濃度が常に2.0重量%以下に保つように
調節しながら、4時間かけて全量供給した。添加終了
後、そのままの温度でさらに2時間保ち反応を完結させ
た。反応終了後、MAの転化率は93.1%、4−メト
キシカルボニルベンジルコハク酸無水物の選択率はMA
ベースで96.0%であった。その他に副生成物として
目的生成物のMA開環物(4−メトキシカルボニルベン
ジルコハク酸)、パラトルイル酸メチルの2量化物、パ
ラトルイル酸メチル/MA=2/1の付加物等がわずか
に生成していた。
【0015】実施例 2 脱水していないパラトルイル酸メチル(水分濃度200
ppm)を用いる以外は、実施例1と同様な条件で反応を
行った。ただし、滴下ロート内の均一溶液の水分量は5
00ppmであった。反応終了後、MAの転化率94.5
%、4−メトキシカルボニルベンジルコハク酸無水物の
選択率はMAベースで91.0%であった。
【0016】実施例 3 窒素雰囲気中で3つ口フラスコ内に、モレキュラーシー
ブスにより脱水した水分濃度6.6ppmのパラトルイル酸
メチル31.0g(206mmol)を入れて、190℃で
加熱撹拌しておいた。滴下ロート内には、パラトルイル
酸メチル15.0g(100mmol)とMA3.0g(31
mmol)とラジカル反応開始剤としてジターシャリーブチ
ルパーオキサイド0.22g(1.53mmol)を入れ、均
一溶液(水分濃度56ppm)にしておいた。滴下ロート
内の原料を、反応液中のMA濃度が常に2.0重量%以
下に保つように調節しながら、4時間かけて全量供給し
た。添加終了後、そのままの温度でさらに2時間保ち反
応を完結させた。反応終了後、MAの転化率は92.7
%、4−メトキシカルボニルベンジルコハク酸無水物の
選択率はMAベースで85.2%であった。
【0017】実施例 4 脱水していないパラトルイル酸メチル(水分濃度200
ppm)を用いる以外は、実施例3と同様な条件で反応を
行った。ただし、滴下ロート内の均一溶液の水分量は5
00ppmであった。反応終了後、MAの転化率は93.6
%、4−メトキシカルボニルベンジルコハク酸無水物の
選択率はMAベースで77.0%であった。
【0018】実施例 5 ラジカル反応開始剤としてジターシャリーブチルパーオ
キサイド0.67g(4.56mmol)を用いる以外は、実
施例4と同様な条件で反応を行った。反応終了後、MA
の転化率は100%、4−メトキシカルボニルベンジル
コハク酸無水物の選択率はMAベースで89.0%であ
った。
【0019】実施例 6 100mlの硝子製の3つ口フラスコに、温度計、冷却
管、をそれぞれ取り付けた。窒素雰囲気中で3つ口フラ
スコ内にパラトルイル酸メチル21.0g(140mmo
l)とMA0.4g(4.0mmol)とラジカル反応開始剤
としてジターシャリーブチルパーオキサイド0.03g
(0.20mmol)を一括で仕込み190℃で1時間反応
を行った。この時MAの初期濃度は1.9重量%であ
る。反応終了後、MAの転化率100%、4−メトキシ
カルボニルベンジルコハク酸無水物の選択率はMAベー
スで65.0%であった。
【0020】比較例 1 窒素雰囲気中で3つ口フラスコ内にパラトルイル酸メチ
ル18.0g(120mmol)を入れて150℃で加熱撹
拌しておいた。滴下ロート内には、パラトルイル酸メチ
ル9.5g(63.0mmol)とMA3.0g(31mmol)
とラジカル反応開始剤としてジターシャリーブチルパー
オキサイド0.24g(1.63mmol)を入れ均一溶液に
しておいた。滴下ロート内の原料混合物を、4時間かけ
て全量添加するよう調節しながら供給した。添加終了
後、そのままの温度でさらに2時間保ち反応を完成させ
た。反応終了後、MAの転化率は55.1%、4−メト
キシカルボニルベンジルコハク酸無水物の選択率はMA
ベースで9.4%であった。
【0021】比較例 2 100mlの硝子製の3つ口フラスコに、温度計、冷却
管、をそれぞれ取り付けた。窒素雰囲気中で3つ口フラ
スコ内にパラトルイル酸メチル21.0g(140mmo
l)とMA2.0g(20.4mmol)とラジカル反応開始
剤としてジターシャリーブチルパーオキサイド0.15
g(1.0mmol)を一括で仕込み、190℃で1時間反
応を行った。この時MAの初期濃度は8.6重量%であ
った。反応終了後、MAの転化率は100%、4−メト
キシカルボニルベンジルコハク酸無水物の選択率はMA
ベースで21.5%であった。
【0022】比較例 3 窒素雰囲気中で3つ口フラスコ内にパラトルイル酸メチ
ル31.0g(206mmol)を入れて150℃まで加熱
撹拌しておいた。滴下ロート内には、パラトルイル酸メ
チル15.0g(100mmol)とMA3.0g(31mmo
l)とラジカル反応開始剤としてジターシャリーブチル
パーオキサイド0.22g(1.53mmol)を入れ、均一
溶液にしておいた。滴下ロート内の原料混合物を、4時
間かけて全量添加するよう調節しながら供給した。添加
終了後、そのままの温度で2時間保ち、反応を完成させ
た。反応終了後、MAの転化率は90.0%、4−メト
キシカルボニルベンジルコハク酸無水物のMAベース選
択率は43.3%であった。
【0023】
【発明の効果】本発明の方法によれば、従来にない高収
率、高選択率で2,6−ナフタレンジカルボン酸の原料
として有用なABSAを製造することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 過剰量のパラトルイル酸アルキルエステ
    ルに無水マレイン酸をラジカル反応開始剤の存在下に反
    応させて、4−アルコキシカルボニルベンジルコハク酸
    無水物を製造する方法において、反応液中の無水マレイ
    ン酸濃度を2.0重量%以下に保ちながら、反応温度1
    70℃〜230℃で反応させることを特徴とする、4−
    アルコキシカルボニルベンジルコハク酸無水物の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 無水マレイン酸の添加量に対するパラト
    ルイル酸アルキルエステル総量のモル比が2〜300で
    あることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
JP25412293A 1993-10-12 1993-10-12 4−アルコキシカルボニルベンジルコハク酸無水物の製造方法 Pending JPH07109264A (ja)

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