JPH07109215A - 化粧用メイラード反応抑制剤およびメイラード反応抑制皮膚化粧料 - Google Patents

化粧用メイラード反応抑制剤およびメイラード反応抑制皮膚化粧料

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JPH07109215A
JPH07109215A JP5253394A JP25339493A JPH07109215A JP H07109215 A JPH07109215 A JP H07109215A JP 5253394 A JP5253394 A JP 5253394A JP 25339493 A JP25339493 A JP 25339493A JP H07109215 A JPH07109215 A JP H07109215A
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JP
Japan
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maillard reaction
skin
suppressing
cosmetic
aliphatic dicarboxylic
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JP5253394A
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Takuya Shimomura
拓也 下村
Hiroshi Wada
寛 和田
Hideki Matsuyama
秀樹 松山
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Momotani Juntenkan KK
Original Assignee
Momotani Juntenkan KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 皮膚の老化防止や美白効果のある化粧用メイ
ラード反応抑制剤およびメイラード反応抑制皮膚化粧料
を提供する。 【構成】 一般式(I) HOOC−(CH2n−COOH (I) (ただし、式中nは1ないし7の整数を表す)で示され
る飽和脂肪族ジカルボン酸類から選ばれる少なくとも1
種以上からなることを特徴とする化粧用メイラード反応
抑制剤および前記一般式(1)で示される飽和脂肪族ジ
カルボン酸類から選ばれる少なくとも1種以上を配合し
たことを特徴とするメイラード反応抑制皮膚化粧料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、メイラード反応抑制
(阻害)効果を有する特定の飽和脂肪族ジカルボン酸類
からなる化粧用メイラード反応抑制剤および同成分を配
合したことを特徴とするメイラード反応抑制皮膚化粧料
に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】一般
に皮膚の老化は、シミやシワの発生程度をもって評価さ
れることが多い。シミの発生は、ホルモンの異常や紫外
線照射によって生成するメラニン色素やメイラード反応
によって生じる老人性色素の異常沈着が原因と考えられ
ている。また、シワは紫外線による真皮層に含まれるコ
ラーゲン線維の減量や変性が原因と考えられている。
【0003】そこで、皮膚の老化防止や美白効果のある
機能性化粧料として、ビタミンC,プラセンタエキス,
コウジ酸及びアルブチン等のメラニンの発生を抑制する
化合物を配合した美白剤や、水分補給を目的としたコラ
ーゲンやヒアルロン酸ナトリウム等の保湿剤を配合した
ものが知られている。
【0004】現在、皮膚の老化や美白に関しては、
(1)紫外線、(2)活性酸素、(3)皮膚の細胞分
化、(4)老人性色素、(5)真皮結合線維の変性等の
面から研究されている。
【0005】従来の技術は、メラニンの抑制や保湿を中
心とするものであったが、本発明者らは新しい視点、即
ちメイラード反応が加齢に伴う皮膚の老化や美白に関与
していることに注目し研究に着手した。
【0006】メイラード反応とは、蛋白質,アミノ酸,
核酸などと還元糖や脂質の酸化によって生成するアルデ
ヒド,ケトンなどが非酵素的に反応するものであり、真
皮や上皮等の生体内でも徐々に進行することが分かって
いる。加齢に伴い、皮膚でメイラード反応が徐々に進行
することによって真皮内のコラーゲン線維間にクロスリ
ンケイジが形成され、皮膚の弾力(ハリ)がなくなった
りシワができたりする。また、メイラード反応によって
老人性色素が生成し、その色素生成の過程において活性
酸素が発生してメラニン色素の形成が促進される。
【0007】さらに、メイラード反応生成物が活性酸素
の除去酵素であるスーパーオキサイドディスムターゼ
(特にCu・Zn−SOD)の活性を低下させるという
報告もある。このようなメイラード反応は、食品分野で
はかなり研究が進んでいるが、化粧品領域ではこれまで
全く検討されていない。そのために現在、化粧料用のメ
イラード反応抑制(阻害)効果を備えた物質は知られて
いないし、それを配合した化粧料もない。
【0008】皮膚にはコラーゲン及びブドウ糖をはじめ
とする多種の蛋白質や糖が存在している。換言すれば、
皮膚にはメイラード反応の系が完備しているといえる。
事実、加齢にともなってメイラード反応が進み、シワや
シミ、老人性色素の形成を促し、また反応時発生する活
性酸素がメラニン色素量を増加させることが分かってい
る。
【0009】そこで本発明者らは、化粧品基剤に容易に
配合でき、しかも安定かつ安全性の高いメイラード反応
抑制(阻害)効果のある物質に関する研究が必要である
と考え、研究を進めた結果、本発明を完成するに至った
ものである。
【0010】本発明の目的は、皮膚の老化防止や美白効
果のある化粧用メイラード反応抑制剤およびメイラード
反応抑制皮膚化粧料を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定の脂
肪族ジカルボン酸が、生体でメイラード反応抑制(阻
害)効果を具備していることを発見し、本発明を完成す
るに至った。
【0012】上記目的は、本発明により解決される。す
なわち、本発明は、一般式(I) HOOC−(CH2n−COOH (I) (ただし、式中nは1ないし7の整数を表す)で示され
る飽和脂肪族ジカルボン酸類から選ばれる少なくとも1
種以上からなることを特徴とする化粧用メイラード反応
抑制剤および前記一般式(I)で示される飽和脂肪族ジ
カルボン酸類から選ばれる少なくとも1種以上を配合し
たことを特徴とするメイラード反応抑制皮膚化粧料に関
するものである。
【0013】本発明における、前記一般式(I)で示さ
れる飽和脂肪族ジカルボン酸類は、マロン酸、コハク
酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸およびアゼラ
イン酸から選ばれる少なくとも1種である。
【0014】前記一般式(I)のメチレン基の数を表す
nが7を超えた飽和脂肪族ジカルボン酸は、水に対する
溶解性が低く、また生体系におけるメイラード反応抑制
効果が十分でないため好ましくない。
【0015】本発明の一般式(I)で示される化粧用メ
イラード反応抑制剤は、水に対する溶解性に優れている
ため、皮膚化粧料に容易に配合することができ、メイラ
ード反応抑制皮膚化粧料を製造することができる。
【0016】本発明のメイラード反応抑制皮膚化粧料に
配合される一般式(I)の飽和脂肪族ジカルボン酸類の
配合量は、皮膚化粧料当たり0.01〜5重量%、好ま
しくは0.1〜1重量%である。0.01重量%未満で
は、メイラード抑制効果が不十分であり、5重量%を超
えて配合しても、効果は増大せず、コスト増となり好ま
しくない。
【0017】本発明の一般式(I)で示される化粧用メ
イラード反応抑制剤を配合した皮膚化粧料としては、例
えば、クリーム、乳液、ローション、ファンデーショ
ン、洗顔料等が挙げられるが、皮膚に適用される化粧料
であればその形態は特に限定されない。
【0018】本発明のメイラード抑制皮膚化粧料は、常
法に従って製造すればよく、またメイラード抑制効果を
阻害しない範囲であれば、皮膚化粧料基剤の他に、保湿
剤、紫外線防止剤、色素、香料、防腐剤等の補助剤を添
加してもよい。
【0019】
【実施例】次に、飽和脂肪族ジカルボン酸類を用いた実
施例に基づき本発明を具体的に説明する。
【0020】実施例1 メイラード抑制効果を判定するため、L−リジンとD−
アラビノースのモデル反応系で試験を行った。すなわ
ち、L−リジン(0.2mol/l)5mlにD−アラ
ビノ−ス(0.2mol/l)を5ml加え、表3に示
したような一般式(1)のn=1〜14の飽和脂肪族ジ
カルボン酸(0.1mol/l)を5ml加えて、15
分間煮沸した。また、飽和脂肪族ジカルボン酸の水溶液
の代わりに蒸留水5mlを加えて、15分間煮沸したも
のを対照とした。メイラード反応後の試料と対照との発
色の差を目視及び色差計(日本電色工業製Z−1001
DP)を用いて判定した。評価基準は以下の通りであ
る。
【0021】
【表1】
【0022】さらに、脂肪族ジカルボン酸の水に対する
溶解性を調べた各々0.1g試験管にとり蒸留水20m
lを加えた後に80℃に加温して溶解し、試料を恒温槽
(37℃)で徐冷放置(24hr)後に評価した。な
お、評価は目視で行い、基準は以下のとおりである。
【0023】
【表2】
【0024】メイラード反応抑制試験と水に対する溶解
性試験の結果を表3に示す。
【0025】
【表3】
【0026】表3から明らかなように、本発明のメイラ
ード反応抑制剤は、抑制効果に優れており、また水に対
する溶解性も良好であるのに対し、No.7〜No.1
2の飽和脂肪族ジカルボン酸は水に対する溶解性が悪い
ため、化粧用メイラード反応抑制剤としては不適当であ
る。
【0027】実施例2 生体系での蛋白質と糖によるメイラード反応抑制効果を
調べるため、メイラード反応生体モデル系として生体の
蛋白質の構成アミノ酸:L−リジンと糖:D−アラビノ
ースを用いてメイラード反応抑制効果を調べた。すなわ
ち、L−リジン(0.2mol/l)5mlにD−アラ
ビノース(0.2mol/l)5mlを加え、さらに表
5に示したような一般式(1)のn=1〜12の飽和脂
肪族ジカルボン酸(0.1mol/l)5ml加えて、
37℃恒温槽で10週間反応させた。また、飽和脂肪族
ジカルボン酸の水溶液の代わりに蒸留水5mlを加え
て、37℃恒温槽で10週間反応させたものを対照とし
た。メイラード反応後の試料と対照との発色の差を目視
及び色差計(日本電色工業製Z−1001DP)を用い
て判定した。評価基準は以下の通りである。
【0028】
【表4】
【0029】結果を表5に示す。
【0030】
【表5】
【0031】表5から明らかなように、本発明のNo.
1〜6の飽和脂肪族ジカルボン酸類は、生体モデル系に
おいてもメイラード反応抑制(阻害)効果を有すること
が分かる。
【0032】実施例3 スキンローション 処方 A エタノール 10.00(%) B ポリオキシエチレンセチルエ−テル20E.O. 1.00 C 香料 0.10 D 防腐剤 0.10 E アゼライン酸 0.50 F グリセリン 5.00 G 精製水 全量 100.00 上記の処方に基づき、以下の手順でスキンローションを
調製した。 (1)AにB〜Dを溶解する。 (2)GにE,Fを溶解し、(1)に加え均一に混合す
る。
【0033】実施例4 スキンクリーム 処方 A 流動パラフィン 7.00 B スクワラン 3.00 C オクチルドデカノール 5.00 D 親油型モノステアリン酸グリセリン 5.00 E モノステアリン酸ソルビタン 1.50 F モノステアリン酸ポリオキシエチレングリコール25E.O. 2.00 G セタノール 3.00 H グリセリン 7.00 I ソルビット液(70%) 3.00 J アゼライン酸 0.50 K 精製水 全量 100.00 上記の処方に基づき、以下の手順でスキンクリームを調
製した。 (1)A〜Gを75℃に加熱し溶解する。 (2)G〜Kを75℃に加熱し溶解する。 (3)(2)に(1)を加え攪拌混合する。
【0034】
【発明の効果】以上の実施例より、本発明のメイラード
反応抑制効果を有する飽和脂肪族ジカルボン酸類を配合
することによって、老化防止,美白効果を併せもつ機能
性化粧品の開発が可能になった。さらに、本発明の飽和
脂肪族ジカルボン酸類は、水に対する溶解に優れている
ため、化粧品に配合するにあたっては、特に制約はなく
通常の皮膚化粧料基剤に任意に配合できる。従って、本
発明の効果は極めて大なるものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) HOOC−(CH2n−COOH (I) (ただし、式中nは1ないし7の整数を表す)で示され
    る飽和脂肪族ジカルボン酸類から選ばれる少なくとも1
    種以上からなることを特徴とする化粧用メイラード反応
    抑制剤。
  2. 【請求項2】 一般式(I) HOOC−(CH2n−COOH (I) (ただし、式中nは1ないし7の整数を表す)で示され
    る飽和脂肪族ジカルボン酸類から選ばれる少なくとも1
    種以上を配合したことを特徴とするメイラード反応抑制
    皮膚化粧料。
JP5253394A 1993-10-08 1993-10-08 化粧用メイラード反応抑制剤およびメイラード反応抑制皮膚化粧料 Pending JPH07109215A (ja)

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