JPH07109195B2 - スクロ−ル気体圧縮機 - Google Patents

スクロ−ル気体圧縮機

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JPH07109195B2
JPH07109195B2 JP61277206A JP27720686A JPH07109195B2 JP H07109195 B2 JPH07109195 B2 JP H07109195B2 JP 61277206 A JP61277206 A JP 61277206A JP 27720686 A JP27720686 A JP 27720686A JP H07109195 B2 JPH07109195 B2 JP H07109195B2
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はスクロール気体圧縮機に関するものである。
従来の技術 低振動、低騒音特性を備えたスクロール圧縮機は、吸入
室が圧縮室を形成する渦巻の外周部にあり、吐出ポート
が渦巻の中心部に設けられ、圧縮流体の流れが一方向の
ため高速回転運転時の流体抵抗が小さくて圧縮効率が高
いことが一般によく知られている。また、圧縮室の吸入
容積と圧縮完了時の圧縮室容積との割合、すなわち、容
積比が一定で圧縮のための吐出弁が不要であり、吸入圧
力と圧縮完了圧力との割合、すなわち、圧縮比が一定で
あることも知られていてる。
また、この種の高圧ガス密閉シェル構造の冷媒圧縮機と
しては、第3図に示す構成も考えられ、旋回スクロール
が固定スクロールから常に離反しないように、背圧室の
適切な圧力設定により旋回スクロールを固定スクロール
に常に押圧し、旋回スクロールに作用するスラスト力を
軽減しながら各摺動部への潤滑が次のように構成されて
いた。
すなわち、第3図においては、旋回スクロール105は円
盤108の背面の旋回軸受部110に駆動軸104のクランク軸1
09が挿入され、旋回スクロール105の自転を防止する旋
回機構111を有し、旋回スクロール105の背面はフレーム
107により独立した空間112を形成し、この空間112は円
盤108に設けた均圧孔113により圧縮途中の圧縮室と連通
して吸入圧力より高く吐出圧力よりも低い中間圧力に設
定されており、旋回スクロール105が固定スクロール26
から常に離反しないように、旋回スクロール105が固定
スクロール26に押圧され、圧縮室圧力により作用する旋
回スクロール105へのスラスト力が相殺されて軽減され
ている。また、旋回軸受部110やラジアル軸受120、121
への給油が駆動軸104の軸内に貫通して設けた偏心穴126
を通して吐出圧力と同圧力の密閉シェル内下部の油溜の
潤滑油を中間圧力状態の空間112へ差圧を利用して流入
させる過程で行われ、本質的には別々の給油経路を通し
てなされ、さらに鏡板摺動面への給油に別の給油経路を
必要とする構成であった(特開昭58−65986号公報)。
発明が解決しようとする問題点 しかしながら上記の第3図のような旋回スクロール105
の背面全体を含む独立した空間112に圧縮途中のガスを
導入しているので、スクロール圧縮機の圧縮比が一定な
ことから、空間112の圧力は主として吸入圧力に依存す
る。したがって、シェル内の高圧空間の圧力が設定圧力
よりも高い場合には、一部の圧縮室に高圧ガスが逆流し
て圧縮室圧力が高くなり、旋回スクロール105が固定ス
クロールから離れ、それによって圧縮室隙間が拡大して
圧縮効率の著しい低下を招くという問題が有り、この種
問題解決の方策として、旋回スクロールの円盤外周部を
微小隙間で挟んで、圧縮室隙間が拡大しない構成が特開
昭55−142902号公報に記載されている。しかしながら、
この構成も旋回スクロールを固定スクロールの側に常に
押圧する構成のために、シェル内の高圧空間の圧力が設
定圧力よりも低い場合には、特に圧縮機低速運転時など
圧縮室隙間からのガス漏れによって吐出直前の圧縮室圧
力が低くなり、旋回スクロールと固定スクロールとの接
触力が過剰になると共に、旋回スクロールの円盤外周部
への給油不足も相まって、入力損失の過大と摺動面の摩
耗増加という問題があった。
また、第3図において、高圧空間内の油溜から中間圧力
状態の空間112への潤滑油の流入が旋回軸受部110とラジ
アル軸受120の両方からなされる給油通路や鏡板摺動面
への別の給油通路を必要とする構成では、各軸受部や摺
動面への給油をそれぞれ一定量以上確保する必要から空
間112や吸入室120への流入潤滑油が多くなり、この潤滑
油は最終てきには均圧穴113などを通して圧縮室に過剰
流入して圧縮効率の低下を招くという問題があった。当
然のことながら、上述の特開昭58−65986号公報の構成
の場合も同様の問題がある。
また、長時間(少なくとも1〜2日)に渡り圧縮機を停
止後に再び起動する場合には、油溜に滞留した冷媒液が
比重の軽い潤滑油の下にあるために先ず最初に冷媒液が
軸受部に供給され、その次に潤滑油が供給される。この
ため、特に大荷重が作用する旋回軸受部110などは潤滑
油不足のために焼き付きを生じるという問題があった。
また、駆動軸の摺動面に給油した潤滑油全てを圧縮室に
流入させない構成が、例えば、特開昭61−226587号公報
と実開昭54−120710号公報に記載されている。しかしな
がら前者の構成は、旋回スクロールを常に固定スクロー
ルの側に押圧すべく、吐出圧力と中間圧力の圧縮ガスを
旋回スクロールの背面に導入しており、吐出室圧力が設
定圧力よりも高くなった場合も低くなった場合も旋回ス
クロールと固定スクロールとの接触力が大きくなり、上
述と同様の問題があった。
また、後者の構成は、旋回スクロールの背圧室を設けな
いで、旋回スクロールに作用するスラスト力を全て回転
軸を支承する電動機軸受で支持すると共に、回転軸上端
に設けた油溜り部の潤滑油を旋回スクロール軸受の内面
に設けられたスパイラル油溝のネジポンプ作用及び旋回
スクロール軸内に設けられた給油穴の遠心ポンプ作用に
より、旋回スクロール軸受に給油しているが、旋回スク
ロールに作用するスラスト力を支持する摺動面へは飛沫
のみに依存して給油不足を招き、吐出室の圧力上昇に追
従して入力損失が増大するなどの問題があった。
そこで、本発明は給油通路を一本化して圧縮室への総給
油量を減らす一方、各摺動部への実質給油量を増加させ
ると共に、吸入圧力と吐出圧力が変動した場合でも、旋
回スクロールの摺動面に作用するスラスト力を常に軽減
させながら圧縮室隙間を油膜密封し、さらに旋回軸受へ
の初期給油を冷媒液などの圧縮流体の混りの少ない潤滑
油を確実に各摺動部に供給させることにより、摺動摩擦
抵抗が少なく高効率で耐久性に優れたスクロール気体圧
縮機を提供するものである。
問題点を解決するための手段 上記問題を解決するために本発明のスクロール気体圧縮
機は、旋回スクロールのラップ支持円盤は、反圧縮室側
に設けられた背圧室に隣接し、且つ、駆動軸を支承する
本体フレームに設けたスラスト軸受と固定スクロールの
鏡板との間に、ラップ支持円盤の両摺動面に油膜形成可
能な微小隙間で配置され、背圧室が、固定スクロールに
設けた吐出ポートに通じる油溜と吸入室またはこれに通
じる吸入側とに通じた構成において、背圧室と、ラップ
支持円盤の外側部で且つ固定スクロールの鏡板と本体フ
レームで囲まれた給油空間とは、直接的には区画されて
且つラップ支持円盤を経由して設けられた絞り通路を介
して連通し、吐出ポートの圧力が圧縮室の容積変化で定
まる最終圧縮室の圧力よりも高い圧縮不足の場合に、ラ
ップ支持円盤が主として鏡板に摺接し、吐出ポートの圧
力が最終圧縮室の圧力よりも低い過圧縮の場合に、ラッ
プ支持円盤が主としてスラスト軸受に摺接すべく背圧室
の圧力と範囲を設定したものである。
作用 本発明は上記構成によって、油溜から背圧室に供給され
た潤滑油は、旋回スクロールのラップ支持円盤に背圧力
を付勢して圧縮室の側にスラスト力を与えると共に、給
油空間に供給されてラップ支持円盤の摺動面を潤滑した
後、吸入室から圧縮室に流入し、圧縮室隙間を油膜密封
し圧縮効率向上に寄与する。
一方、旋回スクロールは、動圧縮機高速運転時のよう
に、吐出ポートの圧力が圧縮室圧力よりも高い圧縮不足
時には、ラップ支持円盤の互いに反対側から作用する圧
縮室圧力と背圧付勢力とが相殺されてラップ支持円盤が
固定スクロールの鏡板と油膜を介して摺接する。
また、圧縮機低速運転時のように、吐出ポートの圧力が
圧縮室圧力よりも低い過圧縮時には、圧縮室圧力と背圧
付勢力とが相殺されてラップ支持円盤がスラスト軸受と
油膜を介して摺接し、摺動抵抗を軽減しながら旋回運動
する。
また、吐出ポートの圧力と最終圧縮室圧力とがほぼ同程
度の場合には、圧縮室圧力と背圧付勢力とが釣りあって
スラスト力が作用しないラップ支持円盤が、鏡板とスラ
スト軸受とに摺接し、摺動抵抗の極めて小さい浮遊状態
に近い形態で旋回運動を行い、入力・騒音・振動の大幅
低減に寄与する。
実 施 例 以下本発明の一実施例のスクロール冷媒圧縮きについ
て、図面を参照しながら説明する。
第1図は本発明の一実施例におけるスクロール冷媒圧縮
機の縦断面図を示すものである。
第1図において、1は密閉シェル、2は密閉シェル1に
圧入固定された本体フレーム、3、4は本体フレーム2
の中心に設けられた軸受である。駆動軸5は軸受3、4
に支承され、下端が開口した偏心油穴6と軸受4に連通
した横油穴7を設けている。さらにその上端には表面に
粘性ポンプ機能を有する細い螺旋状油溝8を有した偏心
軸9が設けられ、下端は密閉シェル1の底部の油溜10に
まで伸びて没している。モータ11の回転子11は駆動軸5
に、固定子13は密閉シェル1に圧入固定されている。
偏心軸9に連結し、その中心に軸受穴14を備えた旋回ス
クロール16のラップ支持円盤17は、その上面に直立した
旋回スクロールラップ18が一体的に形成され、軸受14か
ら外周にまで伸びた放射状油穴19と、放射状油穴19の途
中から斜め外側方向に伸びて環状の吸入室20に連通した
極細の絞り通路21と渦巻き中心に対してその反対側の位
置で吸入室20に直接連通しない絞り通路21aとが各々設
けられ、その下面は本体フレーム2の上部段付き開口穴
の底に設けたスラスト軸受23に支承されている。旋回ス
クロールラップ18は、その平面形状が渦巻き状を成し、
その縦断面は矩形を成して隣合う旋回スクロールラップ
18は平行関係にある。
自転阻止用のオルダムリング24は、平らなリングの両面
に互いに直交する平行キー形状のキー部を備えたもの
で、ラップ支持円盤17とスラスト軸受23との間に設けら
れている。このオルダムリング24の上面側のキー部はラ
ップ支持円盤17の背面に設けられたキー溝(図示せず)
に、下面側のキー部はスラスト軸受23に設けられたキー
溝(図示せず)に填め込まれており、駆動軸5の回転に
よってラップ支持円盤17は駆動軸5の軸心の回りに円運
動をし、旋回スクロールラップ18は旋回運動をする。ま
た、本体フレーム2の上端面には上部開口穴を塞いでラ
ップ支持円盤の17の旋回運動空間とした固定スクロール
26の鏡板27がスラスト軸受23と共にラップ支持円盤17を
油膜シール機能が保持できる程度の微小隙間で挟むよう
に取り付けられている。ラップ支持円盤17と本体フレー
ム2とで囲まれて形成された旋回スクロール16の背圧室
25は、固定スクロール26の鏡板27と本体フレーム2とラ
ップ支持円盤17の外周面とで形成された給油空間28に、
螺旋状油膜8,軸受穴14,放射状油穴19を順次経由して連
通している。
鏡板27の円盤側摺動面32には不連続な環状油溝33が設け
られ、ラップ支持円盤17が一定の旋回運動範囲にある時
のみ絞り通路21が環状油溝33を介して環状油溝33の内側
の吸入室20に連通し、且つ、絞り通路21aが環状油溝33
に連通するように配置されている。吸入室20の内側に
は、旋回スクロールラップ18に平行で同形状寸法の固定
スクロールラップ34が配置され、その渦巻き中心部に
は、密閉シェル1の内側を吐出空間とした吐出ポート36
が設けられている。
また、環状の吸入室20には、側方より密閉シェル1を貫
通した吸入管37が接続され、密閉シェル1の外側面には
モータ11の上部コイルエンド側空間38に開口した吐出管
39が接続されている。
密閉シェル1に圧入固定された本体フレーム2の外側面
には切り欠き溝40が設けられ、この切り欠き溝40が密閉
シェル1内の吐出空間35とモータ11の側とを連通してい
る。
以上のように構成されたスクロール冷媒圧縮機につい
て、以下その動作を説明する。
モータ11の回転子に連結された駆動軸5が回転駆動され
ると、旋回スクロール16が旋回運動を行い、吸入管37を
通して冷媒ガスが吸入室20に導入される。この冷媒ガス
は旋回スクロールラップ18と固定スクロールラップ34の
間に形成された圧縮室内に閉じ込められ、旋回スクロー
ルラップ18の旋回運動に伴って圧縮され吐出ポート36よ
り吐出空間35へ排出される。
冷媒ガス中に含まれる潤滑油の一部は、その自重などに
よって冷媒ガスから分離して密閉シェル1と本体フレー
ム2との間の切り欠き溝40などを経て底部の油溜10に収
集され、残りの潤滑油は吐出冷媒ガスと共に吐出管39を
経て外部の冷凍サイクルへ搬出される。
一方、背圧室25を経由する高圧側の油溜10から低圧側の
吸入室までの給油は次のようにして行われる。
すなわち、圧縮機の起動後、吐出冷媒ガスで充満された
密閉シェル1の底部の油溜10の潤滑油は、駆動軸5に設
けられた偏心油穴6,横油穴7,駆動軸5を支承する軸受3,
4の軸受隙間を通過することによって減圧され、吸入圧
力吐出圧力との中間圧力の状態で背圧室25に給油され
る。更に潤滑油は、偏心軸部9の表面に設けられた細い
螺旋状油溝8の粘性ポンプ作用によって偏心軸部9と偏
心軸受部15との間の微小隙間を通り漸次減圧された後、
旋回スクロール16に設けられた軸受穴14,放射状油穴19,
絞り通路21を順次経由して減圧された後、鏡板27に設け
られた環状油溝33を介して吸入室20に間欠的に流入する
一方、鏡板27に設けられた別の環状油溝33にも絞り通路
21aを通して間欠的に流入する。また、放射状油穴19を
通過した潤滑油は、給油空間28に流入した後、鏡板27と
ラップ支持円盤27との間の摺動面の微小隙間や環状油溝
33を経て漸次減圧されながら給油空間のほぼ全周囲から
摺動面全域にわたり吸入室20に流入する過程でその摺動
面を潤滑すると共に、ラップ支持円盤17とスラスト軸受
23との間の摺動面も潤滑する。
この差圧給油方式によれば、ラップ支持円盤17の背面の
背圧室25の圧力を給油通路の通路抵抗調整によって吐出
圧力に近い状態から吸入圧力に近い状態にまで自由に設
定できるので、背圧室20の圧力と付勢面積を選択するこ
とによってラップ支持円盤17への付勢力を自由に調整で
きる。その結果、ラップ支持円盤17に作用する圧縮室内
のガス圧荷重と背圧室25からの付勢力を相殺することに
よって、ラップ支持円盤17に作用する実スラスト力を自
由に調整できるので、ラップ支持円盤17を鏡板27の側へ
押し付けることも、また逆に、鏡板27から離してスラス
ト軸受23の側に押し付けることも、また、鏡板27とスラ
スト軸受27の間に浮遊させることもできる。
本実施例では吐出空間35の圧力が圧縮室圧力よりも高い
圧縮不足状態の定常運転時(高速〜中速度運転)など潤
滑油の粘性が低い場合のラップ支持円盤17は、鏡板27の
側にスラスト力が作用して鏡板27と摺接するように設定
しており、また、吐出空間35の圧力が圧縮室圧力よりも
低い過圧縮状態にある冷時起動直後や低速度運転状態な
ど潤滑油の粘性が高い場合のラップ支持円盤17は、スラ
スト軸受23の側にスラスト力が作用してスラスト軸受23
と摺接するように設定して、鏡板27とラップ支持円盤と
の間の広げるべく調整するなど潤滑油の粘性に応じた摺
動面の通路抵抗調整を行っている。それによって、背圧
室25から偏心軸受部15を経由してる吸入室20に流入する
潤滑油量の調整機能を備えている。
また、圧縮機停止後は、油溜10の潤滑油が背圧室25との
差圧が無くなるまで背圧室25に供給され保持される。圧
縮機再起動時の背圧室25は潤滑油で充満されており、再
起動直後しばらくの間(密閉シゥル1内の圧力がある程
度上昇し、停止中に油溜10に溜った冷媒液が蒸発するま
で)は、この潤滑油が螺旋状油溝8の粘性ポンプ作用と
差圧によって背圧室25より下流の各摺動部へ供給され
る。
なお、給油空間28の圧力は、背圧室25圧力と吸入圧力と
の中間圧力〜吸入圧力に近い圧力まで自由に設定でき
る。
また、第2図は本発明の他の実施例で、偏心軸9に設け
られた螺旋状油溝8aの終端部が極細に設けられ、圧縮機
停止後、潤滑油が背圧室25から吸入室20へ過剰流出させ
ないで圧縮機再起動時の初期給油の円滑化を図ってい
る。
上記実施例では螺旋状油溝8を偏心軸9の表面に設けた
が、偏心軸受部15の内周面にもうけても同様な粘性ポン
プ作用による給油ができる。
また、上記実施例では旋回スクロール16の軸受穴14に駆
動軸5の偏心軸部9を挿入したクランク機構を示した
が、駆動軸の上端部に偏心穴を設け旋回スクロールに軸
部を設けたクランク機構でも良い。
また、上記実施例では油溜10から背圧室25へ差圧給油し
たが、駆動軸5に設けた偏心油穴6による遠心ポンプ作
用などで給油しても良く、その結果、背圧室25を油溜10
と同じ圧力にしても良い。
以上のように上記実施例によれば、旋回スクロール16の
ラップ支持円盤17は、反圧縮室側に設けられた背圧室25
に隣接し、且つ、駆動軸5を支承する本体フレーム2に
設けたスラスト軸受23と固定スクロール26の鏡板27との
間に、ラップ支持円盤17の両摺動面に油膜形成可能な微
小隙間で配置され、背圧室25が、固定スクロール26に設
けた吐出ポート36に通じる油溜10と吸入室20とに通じた
構成において、背圧室25と、ラップ支持円盤17の外側部
で且つ固定スクロール26の鏡板27と本体フレーム2で囲
まれた給油空間28とは、直接的には区画されて且つ駆動
軸5の上端部の偏心軸9に設けられた細い螺旋状油溝8,
ラップ支持円盤17に設けた軸受穴14,放射状油穴19を順
次経由して構成された絞り通路を介して連通し、吐出ポ
ート36の圧力が圧縮室の容積変化で定まる最終圧縮室の
圧力よりも高い圧縮不足の場合に、ラップ支持円盤17が
主として鏡板27に摺接し、吐出ポート36の圧力が最終圧
縮室の圧力よりも低い過圧縮の場合に、ラップ支持円盤
17が主としてスラスト軸受23に摺接すべく背圧室25の圧
力と範囲を設定したことにより、旋回スクロール26のラ
ップ支持円盤17が固定スクロール26の鏡板27および本体
フレーム2のスラスト軸受23のいずれとも小さなスラス
ト力で摺接できるように背圧室25の圧力と範囲を設定し
ているので、圧縮室隙間からの冷媒漏れも少なく、ラッ
プ支持円盤17への過剰な背圧力や極端な背圧不足がな
く、スラスト荷重が平均化されて小さくなり、最大スラ
スト荷重も大幅に軽減するので、入力の低減と耐久性の
向上が図れる。
特に、吐出ポート36の圧力が圧縮室の容積変化で定まる
最終圧縮室の圧力とほぼ同程度の場合には、旋回スクロ
ール16のラップ支持円盤17が固定スクロール26の鏡板27
および本体フレーム2のスラスト軸受23と摺接する際の
スラスト荷重がほとんど作用しない程度にまで小さくな
り、入力の大幅な低減と振動・騒音も低減できる。
また、上記実施例によれば、油溜10から軸受3,4に給油
された潤滑油をプールする背圧室25と吸入室との間の連
通には、偏心軸9に嵌合する偏心軸受部15の隙間と偏心
軸9の表面に設けられた細い螺旋状油溝8,ラップ支持円
盤17に設けた軸受穴14,放射状油穴19,絞り通路21,21aと
給油空間28を経由して設け、螺旋状油溝8の巻き方向
を、駆動軸5の正回転時に螺旋状油溝8の粘性ポンプ作
用によって背圧室25の潤滑油が給油空間28に排出される
方向と一致させたことにより、圧縮機冷時始動直後など
のような吐出ポート36の圧力が低くて圧縮負荷が小さ
く、且つ、油溜10の潤滑油の粘性が非常に高い場合や油
溜10と背圧室25との差圧が小さい場合などのように、背
圧室25への給油が直ちに期待できない時でも、圧縮機冷
時起動直後から偏心軸9に設けられた細い螺旋状油溝9
の粘性ポンプ作用によって背圧室25に残留する潤滑油を
偏心軸9から下流の各摺動部、例えば、ラップ支持円盤
17と摺接するスラスト軸受23の摺動面に給油できるの
で、上述の第1の発明によるスラスト荷重の軽減効果も
寄与して偏心軸9やスラスト軸受23の耐久性を向上でき
る。
また、油溜10から吸入室20まてせの給油通路が一系統の
ために各摺動部への給油を平均化して総給油量を減らし
て吸入室20への過大な潤滑油流入による圧縮効率低下を
防ぐことができる。
なお、上記実施例では冷媒圧縮機について説明したが、
酸素、窒素、ヘリウムなど他の気体を圧縮する気体圧縮
機についても同様の作用・効果が期待できる。
発明の効果 以上のように本発明は、旋回スクロールのラップ支持円
盤が固定スクロールの鏡板と本体フレームのスラスト軸
受との間に油膜形成が可能な微小隙間で挟持されて、旋
回スクロールの背圧室が、固定スクロールに設けた吐出
ポートに通じる油溜と吸入室またはこれに通じる吸入側
とに通じた構成において、背圧室は、旋回スクロールの
ラップ支持円盤の外側部で且つ固定スクロールの鏡板と
駆動軸を支持する本体フレームで囲まれた給油空間と
は、直接的には区画されて且つラップ支持円盤を経由し
て設けられた絞り通路を介して連通し、吐出ポートの圧
力が圧縮室の容積変化で定まる最終圧縮室の圧力よりも
高い圧縮不足の場合に、ラップ支持円盤が主として固定
スクロールの鏡板に摺接し、吐出ポートの圧力が最終圧
縮室の圧力よりも低い過圧縮の場合に、ラップ支持円盤
が主として本体フレームに設けたスラスト軸受に摺接す
べく背圧室の圧力と範囲を設定したことにより、旋回ス
クロールのラップ支持円盤が固定スクロールの鏡板およ
び本体フレームのスラスト軸受のいずれとも小さなスラ
スト力で摺接できるように背圧室の圧力と範囲を設定し
ているので、圧縮室隙間からの気体漏れも少なく、ラッ
プ支持円盤への過剰な背圧力や極端な背圧不足がなく、
スラスト荷重が平均化されて小さくなり、最大スラスト
荷重も大幅に軽減するので、入力の低減と耐久性の向上
が図れる。
特に、吐出ポートの圧力が圧縮室の容積変化で定まる最
終圧縮室の圧力とほぼ同程度の場合には、旋回スクロー
ルのラップ支持円盤が固定スクロールの鏡板および本体
フレームのスラスト軸受と摺接する際のスラスト荷重が
ほとんど作用しない程度にまで小さくなり、入力の大幅
な低減と振動・騒音も低減できる。
また本発明は、ラップ支持円盤を経由して設けられた絞
り通路をラップ支持円盤内に設け、ラップ支持円盤と駆
動軸との係合軸受部に設けた螺旋状の油溝の巻き方向
を、駆動軸の正回転時に螺旋状の油溝の粘性ポンプ作用
によって背圧室の潤滑油が給油空間に排出される方向と
一致させたことにより、圧縮機冷時始動直後などのよう
な吐出ポートの圧力が低くて圧縮負荷が小さく、且つ、
油溜の潤滑油の粘性が非常に高い場合や油溜と背圧室と
の差圧が小さい場合などのように、背圧室への給油が直
ちに期待できない時でも、圧縮機冷時起動直後から偏心
軸または偏心軸受部に設けられた螺旋状の油溝の粘性ポ
ンプ作用によって背圧室に残留する潤滑油をラップ支持
円盤と摺接するスラスト軸受の摺動面に一つの給油経路
で給油できるので、背圧室の潤滑油が他の部分に飛散す
ることない効果的な給油と上述の第1の発明によるスラ
スト荷重軽減効果も寄与してスラスト軸受の耐久性を向
上できる。
また、油溜から吸入室まてせの給油通路が一系統のため
に各摺動部への給油を平均化して総給油量を減らして圧
縮室への過大な潤滑油流入による圧縮効率低下を防ぐこ
とができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の一実施例におけるスクロール冷媒圧縮
機の縦断面図、第2図は本発明の他の実施例におけるス
クロール冷媒圧縮機の部分断面図、第3図は従来のスク
ロール冷媒圧縮機の縦断面図である。 1……密閉シェル、2……本体フレーム、5……駆動
軸、8……螺旋状油溝、9……偏心軸、10……油溜、16
……旋回スクロール、17……ラップ支持円盤、20……吸
入室、21……絞り通路、25……背圧室、26……固定スク
ロール、27……鏡板、36……吐出ポート、37……吸入
管、39……吐出管。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定スクロールの一部をなす鏡板の一面に
    形成された渦巻き状の固定スクロールラップに対して旋
    回スクロールの一部をなすラップ支持円盤上の旋回スク
    ロールラップを噛み合わせ、前記固定スクロールラップ
    の中心部には吐出ポートを設け、前記固定スクロールラ
    ップの外側には吸入室を形成し、前記ラップ支持円盤
    は、反圧縮室側に設けられた背圧室に隣接し、且つ、駆
    動軸を支承する本体フレームに設けたスラスト軸受と前
    記鏡板との間に、前記ラップ支持円盤の両摺動面に油膜
    形成可能な微小隙間で配置され、さらに前記ラップ支持
    円盤の自転阻止機構を介して旋回可能に前記駆動軸の偏
    心軸または偏心軸受部に支承され、前記固定スクロール
    ラップと前記旋回スクロールラップとの間に形成される
    圧縮室の容積変化を利用して流体を圧縮するようにした
    スクロール式圧縮機構を形成し、前記背圧室は、前記吐
    出ポートに通じる油溜と前記吸入室またはこれに通じる
    吸入側とに通じた構成において、前記背圧室と、前記ラ
    ップ支持円盤の外側部で且つ前記鏡板と前記本体フレー
    ムで囲まれた給油空間とは、直接的には区画されて且つ
    前記ラップ支持円盤を経由して設けられた絞り通路を介
    して連通し、前記吐出ポートの圧力が前記圧縮室の容積
    変化で定まる最終圧縮室の圧力よりも高い圧縮不足の場
    合に、前記ラップ支持円盤が主として前記鏡板に摺接
    し、前記吐出ポートの圧力が前記最終圧縮室の圧力より
    も低い過圧縮の場合に、前記ラップ支持円盤が主として
    前記スラスト軸受に摺接すべく前記背圧室の圧力と範囲
    を設定したスクロール気体圧縮機。
  2. 【請求項2】ラップ支持円盤を経由して設けられた絞り
    通路をラップ支持円盤内に設け、前記ラップ支持円盤と
    駆動軸との係合軸受部に設けた螺旋状の油溝の巻き方向
    を、前記駆動軸の正回転時に螺旋状の油溝の粘性ポンプ
    作用によって、背圧室の潤滑油が給油空間に排出される
    方向と一致させた特許請求の範囲第1項記載のスクロー
    ル気体圧縮機。
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