JP3111785B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール圧縮機

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JP3111785B2
JP3111785B2 JP05336376A JP33637693A JP3111785B2 JP 3111785 B2 JP3111785 B2 JP 3111785B2 JP 05336376 A JP05336376 A JP 05336376A JP 33637693 A JP33637693 A JP 33637693A JP 3111785 B2 JP3111785 B2 JP 3111785B2
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勝晴 藤尾
学 阪井
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スクロール圧縮機につ
いてその負荷軽減に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より低振動、低騒音特性を備えたス
クロール圧縮機は、吸入室が外周部にあり、吐出口が渦
巻きの中心部に設けられ、圧縮流体の流れが一方向で往
復動圧縮機や回転式圧縮機のような流体を圧縮するため
の吐出弁を必要とせず圧縮比が一定で、吐出脈動も比較
的小さくて大きな吐出空間を必要としないことが一般に
知られている。
【0003】また、振動や騒音特性をより一層改善する
ために、圧縮機高速運転時などにおける旋回スクロール
のジャンピング現象を少なくする方策として図3、図4
の構成が考えられている。
【0004】図3および図4において、駆動シャフト1
007の先端部の駆動ピン1007aに連通する旋回ス
クロール1001の鏡板1001aが固定スクロール1
002の鏡板1002aとフレーム1008との間に微
小隙間で支持され、圧縮機の始動、停止時、高速運転時
など圧縮負荷や回転部材の慣性力などが変化する際に旋
回スクロール1001aがジャンピングするのを阻止
し、旋回スクロール1001と固定スクロール1002
との軸方向微小隙間を確保して圧縮室の密封を図り、圧
縮効率を高めると共に、部材間の衝突により生じる異常
音、振動、摺動部耐久性低下を防止する工夫がなされて
いる(特開昭55−142902号公報、米国特許39
94633号公報等)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
スクロール圧縮機は圧縮比が一定なために、液圧縮など
により圧縮室内が異常圧力上昇した場合に圧縮室間隙間
を広げて圧縮流体を漏洩させ、圧縮室圧力を降下させる
ことが出来ないので、圧縮負荷の増大、部品の破損、摺
動部耐久性の低下を生じるというスクロール圧縮機特有
の課題がある。
【0006】また、この液圧縮問題解決のための方策と
して、図5の構成が考えられている。
【0007】図5においては固定スクロール2001e
を軸方向に移動可能な構成にし、板バネ2023eの付
勢力と背圧室2015に吐出圧力を導入してその背圧力
とで固定スクロール2001eを旋回スクロール200
1dに押圧し、旋回スクロール2001dと固定スクロ
ール2001eとの間の軸方向隙間を無くして圧縮室の
密封を図り、圧縮効率を高めると共に圧縮室内で液圧縮
が生じた時、固定スクロール2001eが旋回スクロー
ル2001dから軸方向に離反して圧縮室圧力を降下せ
しめて負荷を軽減している(米国特許3600114号
公報)。
【0008】しかし、固定スクロール2001eを旋回
スクロール2001dに常に押圧する構成では、固定ス
クロール2001eが不要に軸方向移動しないように、
その付勢力を大きくする必要があり両スクロール接触面
の摩擦や摩耗、更には、旋回スクロール2001dの反
固定スクロール側を支持するスラスト荷重支持面の摩擦
・摩耗により耐久性が低下し、入力損失も大きいという
課題があった。
【0009】上記課題に対し、前述の図3に示されてい
る如く、旋回スクロール1001の背面室(反圧縮室
側)に流体圧力を導入して旋回スクロール1001を固
定スクロール1002の側に押圧(図4参照)し旋回ス
クロール1001に作用するスラスト荷重を軽減する方
策もあるが、旋回スクロール1001と固定スクロール
1002の接触面と駆動ピン1007aとの軸方向距離
が大きくなるので旋回スクロール1001の転覆が生じ
易く、旋回スクロール1001の旋回運動にこじれが生
じて、入力が増加するという課題があった。
【0010】また、過負荷防止策として米国特許381
7664号公報等のような旋回スクロールを駆動軸の主
軸と直角方向に移動させる構成も考えられているが、部
品構成が複雑で振動や騒音特性の改善に難点があり、振
動、騒音特性の改善と過負荷軽減を同時に実現できるス
クロール圧縮機が望まれていた。本発明は、上記従来の
課題に鑑み、固定スクロールと旋回スクロールとの間の
軸方向押し付け力を適正確保して圧縮室を軸方向密封し
て圧縮効率向上を図ることを目的とする共に、圧縮室圧
力異常上昇時には圧縮室軸方向密封を解除して過負荷防
止を図ることも目的とするものである。また本発明は、
固定スクロールと旋回スクロールとの間の適正軸方向隙
間の確保の容易化を図ることを目的とするものである。
また本発明は、簡単な手段で、渦巻中心部の圧力が高い
吐出口近傍の圧縮室軸方向隙間を小さくして圧縮室密封
効果を向上させることを目的とするものである。また本
発明は、旋回スクロールの背面(反圧縮室側)を支持す
るスラスト軸受部への給油を簡易手段で確保することを
目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のスクロール圧縮機は、固定スクロールの一部
をなす鏡板に対して回転係止されかつ軸方向移動のみを
許容された固定ラップ支持円板と渦巻き状の固定スクロ
ールラップから成る固定スクロール要素に対して、旋回
スクロールの一部をなすラップ支持円板上の旋回スクロ
ールラップを揺動回転自在に噛み合わせ、両スクロール
間に渦巻き形の圧縮空間を形成し、固定スクロール要素
の中心部と鏡板には吐出ポートを設け、固定スクロール
ラップの外側には吸入室を設け、圧縮空間は吸入側より
吐出側に向けて連続移行する複数個の圧縮室に区画され
て流体を圧縮するスクロール圧縮機構を形成し、旋回ス
クロールは駆動軸を支承する本体フレームと固定スクロ
ールとの間に配置され、かつ、そのラップ支持円板は反
圧縮室側面を本体フレームに支承され、固定スクロール
要素が鏡板と旋回スクロールとの間に挟まれてかつ軸方
向の微小隙間を維持しながら常に旋回スクロールの方向
に付勢されるべく付勢手段を設けたものである。
【0012】また本発明のスクロール圧縮機は、固定ス
クロールの一部をなす鏡板に対して回転係止されかつ軸
方向移動のみを許容された固定ラップ支持円板と渦巻き
状の固定スクロールラップから成る固定スクロール要素
に対して、旋回スクロールの一部をなすラップ支持円板
上の旋回スクロールラップを揺動回転自在に噛み合わ
せ、両スクロール間に渦巻き形の圧縮空間を形成し、固
定スクロール要素の中心部と鏡板には吐出ポートを設
け、固定スクロールラップの外側には吸入室を設け、圧
縮空間は吸入側より吐出側に向けて連続移行する複数個
の圧縮室に区画されて流体を圧縮するスクロール圧縮機
構を形成し、旋回スクロールは駆動軸を支承する本体フ
レームと固定スクロールとの間に配置され、かつ、その
ラップ支持円板は反圧縮室側面を本体フレームに支承さ
れ、固定スクロール要素が鏡板と旋回スクロールとの間
に挟まれてかつ軸方向の微小隙間を維持しながら常に旋
回スクロールの方向に付勢されるべく付勢手段を設ける
と共に、固定スクロール要素が固定スクロールの鏡板と
旋回スクロールとの間に挟まれてかつ軸方向の微小隙間
を維持される手段が、固定スクロール要素の固定ラップ
支持円板が鏡板と本体フレームとの間に挟まれた高さ調
整部材に当接してその軸方向移動を規制されるべく構成
したものである。
【0013】また本発明のスクロール圧縮機は、固定ス
クロールの一部をなす鏡板に対して回転係止されかつ軸
方向移動のみを許容された固定ラップ支持円板と渦巻き
状の固定スクロールラップから成る固定スクロール要素
に対して、旋回スクロールの一部をなすラップ支持円板
上の旋回スクロールラップを揺動回転自在に噛み合わ
せ、両スクロール間に渦巻き形の圧縮空間を形成し、固
定スクロール要素の中心部と鏡板には吐出ポートを設
け、固定スクロールラップの外側には吸入室を設け、圧
縮空間は吸入側より吐出側に向けて連続移行する複数個
の圧縮室に区画されて流体を圧縮するスクロール圧縮機
構を形成し、旋回スクロールは駆動軸を支承する本体フ
レームと固定スクロールとの間に配置され、かつ、その
ラップ支持円板は反圧縮室側面を本体フレームに支承さ
れ、固定スクロール要素が鏡板と旋回スクロールとの間
に挟まれてかつ軸方向の微小隙間を維持しながら常に旋
回スクロールの方向に付勢されるべく付勢手段を設ける
と共に、固定スクロール要素が固定スクロールの鏡板と
旋回スクロールとの間に挟まれてかつ軸方向の微小隙間
を維持される手段が、固定スクロール要素の固定ラップ
支持円板が鏡板と本体フレームとの間に挟まれた高さ調
整部材に当接してその軸方向移動を規制されるべく構成
し、固定ラップ支持円板の外周部が高さ調整部材に当接
してその軸方向移動を規制されるべく構成させたもので
ある。
【0016】また本発明のスクロール圧縮機は、固定ス
クロールの一部をなす鏡板の一面に形成された渦巻き状
の固定スクロールラップに対して旋回スクロールの一部
をなす旋回ラップ支持円板上の旋回スクロールラップを
揺動回転自在に噛み合わせ、両スクロール間に渦巻き形
の圧縮空間を形成し、固定スクロールラップの中心部に
は吐出ポートを設け、固定スクロールラップの外側には
吸入室を設け、圧縮空間は吸入側より吐出側に向けて連
続移行する複数個の圧縮室に区画されて流体を圧縮する
スクロール圧縮機構を形成し、旋回スクロールは駆動軸
を支承する本体フレームと固定スクロールとの間に配置
され、旋回ラップ支持円板は本体フレームのスラスト軸
受面に支持され、旋回スクロールの反圧縮側には旋回ラ
ップ支持円板と本体フレームとで形成された背圧室を設
け、圧縮機の吐出側に接続された油分離器と背圧室との
間を油戻し通路で連通させると共に、第2環状溝の外側
のスラスト軸受には油溝を設け、前記油溝と背圧室との
間を絞り通路で連通し、駆動軸と電動機を収納した低圧
側の電動機室と前記油溝とを連通させたものである。
【0019】
【作用】本発明は上記構成によって、圧縮室圧力が正常
で順次移行する圧縮室の圧縮圧力により旋回スクロール
と固定スクロール要素とが互いに軸方向に離反しようと
するが、旋回スクロールは本体フレームのスラスト軸受
面に支持され、固定スクロール要素の軸方向に作用する
圧縮荷重が固定スクロール要素に作用する付勢力よりも
小さい場合は、旋回スクロールと固定スクロール要素と
の間で軸方向に微小隙間が保たれて圧縮室の密封を維持
し、効率の良い圧縮作用をすると共に、旋回スクロール
は常に本体フレームのスラスト軸受面に支持されて、或
る程度の負荷変動時や加減速運転時、高速運転時でも旋
回スクロールのジャンピングや傾きが防止されて振動の
少ない静粛な圧縮運転を続ける。
【0020】万一、液圧縮などが生じて瞬時的に圧縮室
圧力が異常上昇した場合は、固定スクロール要素の軸方
向に作用する圧縮荷重が固定スクロール要素に作用する
付勢力よりも大きくなり、固定スクロール要素は固定ス
クロールの鏡板との間の軸方向隙間を小さくする方向に
移動し、旋回スクロールと固定スクロールとの間の軸方
向隙間が大きくなる。その結果、圧縮室の密封が解除し
て圧縮室圧力が降下し、圧縮負荷が軽減し、再び正常な
圧縮運転に復帰して動力損失が低減すると共に、圧縮機
の破損や摺動部の摩耗が防止されて、振動、騒音、耐久
性に優れた効率の良いスクロール圧縮機が提供される。
【0021】また、本発明は、圧縮室の密封に極めて重
要な固定スクロール要素の固定スクロールラップと旋回
スクロールの旋回スクロールラップの高さ寸法に応じて
高さ調整部材の寸法を調整し圧縮室の微小軸方向隙間を
確保する。
【0022】また、本発明は、固定スクロール要素がそ
の中心部に位置する背圧室Bから吐出室圧力による流体
付勢力を受けて、固定ラップ支持円板の中央部が圧縮室
の側に僅かに変形する。この結果、吐出口A近傍の圧縮
圧力の高い圧縮室の軸方向隙間が小さくなって圧縮室の
密封効果が高まる。
【0025】また、本発明は、背圧室Aからスラスト軸
受面を経由するモータ室までの差圧給油経路を簡単な手
段で形成され、この給油通路を流れる潤滑油がスラスト
軸受面へ供給され、摺動部に十分な油膜が形成する。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例のスクロール圧縮機に
ついて、図面を参照しながら説明する。
【0029】図1,図2において、1は鉄製の密閉ケー
スで、その内部全体は吸入管2に連通する低圧雰囲気と
なり、下部にモータ3、上部に圧縮部を配置し、モータ
3の回転子3aに固定された駆動軸4を支承する圧縮部
の本体フレーム5にスペーサ6を介して固定スクロール
7が取り付けられている。
【0030】本体フレーム5は密閉ケース1に固定され
ている。駆動軸4は本体フレーム5の主軸受8と密閉ケ
ース1に取り付けられた補助フレーム8の副軸受9とで
支持されて、その下端にはハネポンプ装置10が設けら
れており、油溜11に浸入している。駆動軸4に設けら
れた縦方向の油孔12は、その一端がハネポンプ装置1
0に通じ、他端が油穴A12aと油穴B12bとに分岐
している。油穴A12aは主軸受に通じ、油穴B12b
は駆動軸4と旋回スクロール13とが摺動結合する旋回
軸受14に通じている。
【0031】固定スクロール7と噛み合って圧縮室5を
形成する旋回スクロール13は、渦巻き状の旋回スクロ
ールラップ13aと旋回軸受ボス13cとを直立させた
ラップ支持円板13bとから成る。
【0032】駆動軸4の主軸から偏芯して駆動軸4の上
端に設けられた旋回軸16に係合する旋回軸受14を有
する旋回軸受ボス13cの下端には、第1の環状溝17
が設けられ、その第1の環状溝17に第1の環状シール
部材18が装着されている。第1の環状シール部材18
は本体フレーム5の上部の凹設穴の底面に摺接してい
る。
【0033】旋回スクロール13のラップ支持円板13
bを支持する本体フレーム5のスラスト軸受面19には
第2の環状溝20が設けられ、その第2の環状溝20に
第2の環状シール部材21が装着され、その外側に油溝
22が設けられている。
【0034】旋回スクロール13のラップ支持円板13
bと旋回軸受ボス13cと本体フレーム5とで囲まれた
空間は旋回スクロール13の背圧室A23を形成してお
り、第1の環状シール部材18と第2の環状シール部材
21とでシールされている。
【0035】固定スクロール7は旋回スクロール13と
噛み合って圧縮室15を形成する固定スクロール要素7
aと鏡板7bとから成り、固定スクロール要素7aは渦
巻き状の固定スクロールラップ7cとそれを支持する固
定ラップ支持円板7dと背面ボス部7eとから成る。
【0036】固定ラップ支持円板7dに設けられたピン
穴24には、固定スクロール要素7aが鏡板7bに対し
て軸方向移動するが回転しないように、固定スクロール
7の鏡板7bに取り付けられたピン25の先端が挿入さ
れている。
【0037】固定スクロール要素7aと鏡板7bとの間
に常に軸方向隙間が生じるように、鏡板7aに装着され
た複数個のバネ29によって、固定スクロール要素7a
が旋回スクロール13の側に押圧されると共に、鏡板7
aの内側に装着されてかつスペーサ6に当接したスペー
サ30の端面に固定ラップ支持円板7dが当接すること
によって、固定スクロール要素7aの移動が規制され、
固定スクロール要素7aと旋回スクロール13との間に
は軸方向接触がないように構成されている。
【0038】固定スクロール要素7aの背面ボス部7e
の外周部には環状のシール部材(Oーリング)が装着さ
れており、固定ラップ支持円板7dと鏡板7bの各々の
中央部に設けられた吐出口A27a,27bに通じかつ
固定ラップ支持円板7dと鏡板7bとで形成される背圧
室B28を環状シール部材(Oーリング)が固定ラップ
支持円板7dの外周部と隔離している。
【0039】鏡板7aの吐出口27bの開口端面には逆
止弁31が配置され、これに隣接して鏡板7aの上面に
は吐出室32が配置され、密閉ケース1に取り付けられ
た吐出管33が吐出室32に連通している。
【0040】吐出管33は圧縮機の外部に配置された油
分離器(図示なし)に配管接続しており、この油分離器
は密閉ケース1を貫通した油戻し管34を介して旋回ス
クロール13の背圧室A23に通じている。
【0041】固定スクロールラップ15aの外周部には
吸入室38が設けられ、この吸入室38は吸入管2に通
じている。
【0042】背圧室A23は旋回スクロール13のラッ
プ支持円板13bに設けられた絞り通路を有する2個の
インジェクション穴39を介して圧縮室15に通じてい
る。この2個のインジェクション穴39は、圧縮室15
の内の対称な圧縮空間に対して吐出口(27a,27
b)を中心とした非対称位置に設けられている。すなわ
ち、吸入管2やモータ室37から吸入経路として遠い側
の圧縮空間に対して一方のインジェクション穴39は吸
入室38に近い側に設けられている。
【0043】本体フレーム5のスラスト軸受面19に設
けられた油溝22の一端は、本体フレーム5に設けられ
た絞り通路35を介して背圧室A23に通じ、油溝22
の他端は本体フレーム5に設けられた油穴36を介して
モータ3を収納しているモータ室37に通じている。
【0044】固定スクロールラップ7cの先端には渦巻
状の溝が設けられ、その溝に渦巻状のシール部材40が
装着されている。このシール部材40は旋回スクロール
13のラップ支持円板13bに接している。
【0045】一方、旋回スクロール13の旋回スクロー
ルラップ13aの先端は固定スクロール要素7aの固定
ラップ支持円板7dに対して、圧縮室15の密封が可能
な微小隙間を有している。
【0046】旋回スクロール自転阻止用のオルダムリン
グ41は、旋回スクロール13と本体フレーム5とに噛
み合っている。
【0047】以上のように構成されたスクロール冷媒圧
縮機について、その動作を説明する。
【0048】図1,図2において、モータ3によって駆
動軸4が回転駆動すると本体フレーム5のスラスト軸受
面19に支持された旋回スクロール13が旋回運動を
し、圧縮機に接続した冷凍サイクルから潤滑油を含んだ
吸入冷媒ガスが、吸入管2を経由して吸入室38に流入
し、旋回スクロール13と固定スクロール7との間に形
成された圧縮室15へと圧縮移送され、中央部の吐出口
A27a,吐出口B27bを経て吐出室32へと吐出さ
れる。
【0049】なお、潤滑油を含んだ吸入冷媒ガスが吸入
室38に流入する際に、潤滑油の一部がモータ室37に
流入し、モータ3を冷却しながら流下して底部の油溜1
1に収集する。
【0050】潤滑油を含んだ吐出冷媒ガスは吐出管33
を介して圧縮機外部に接続された油分離器(図示なし)
を経て冷凍サイクル配管系へ排出される。
【0051】油分離器で分離された吐出冷媒ガス中の潤
滑油は油戻し管34を通じて旋回スクロール13の背圧
室A23に戻る。
【0052】旋回スクロール13は、固定スクロール7
と噛み合って冷媒ガスを圧縮することによって本体フレ
ーム5のスラスト軸受面19に押し付けられるが、背圧
室A23の潤滑油の背圧力によってスラスト荷重を軽減
されるので、摩擦損失が少なくなる。
【0053】また、吐出口A27a,吐出口B27bに
通じる固定スクロール要素7aの背圧室B28の吐出ガ
ス圧力とバネ29とで生じる付勢力によって固定スクロ
ール要素7aが旋回スクロール13から離反するのを防
ぎ、圧縮室の密封を確保している。但し、固定スクロー
ル要素7aがスペーサ30に軸方向移動を規制されて、
固定スクロール要素7aと旋回スクロール13との間で
直接的な軸方向接触はない。
【0054】背圧室A23の潤滑油は、本体フレーム5
の絞り通路35を経て減圧されてスラスト軸受面19の
油溝22に流入し、油穴36を経て低圧側のモータ室3
7に差圧給油され、底部の油溜11に収集する。この差
圧給油経路を通じて潤滑油の大部分は、スラスト軸受面
19を潤滑し、残りの潤滑油はオルダムリング41の摺
動面を潤滑した後、吸入冷媒ガスと共に吸入室38に流
入する。
【0055】また、背圧室A23の潤滑油は、旋回スク
ロール13のラップ支持円盤13bに設けられたインジ
ェクション穴39を経て減圧されて圧縮室15に流入
し、吸入冷媒ガス中の潤滑油と共にその油膜によって圧
縮室隙間を密封する。
【0056】なお、背圧室A23の潤滑油圧力による旋
回スクロール13への付勢力は、旋回スクロール13に
作用するガス圧縮力よりも小さく設定されており、常に
旋回スクロール13がスラスト軸受面19に支持され
て、旋回スクロール13が駆動軸4の主軸に対して常に
直角な平面上で旋回運動をする。これによって、旋回軸
受14と旋回軸16との間には、こじれを生じることも
なく円滑な摺動をなす。
【0057】モータ室37の底部の油溜11の潤滑油
は、駆動軸4の下部に設けられたポンプ装置10により
油穴12,油穴A12a,油穴B12bを順次経由して
主軸受8と旋回軸受14にそれぞれ給油され、その後、
モータ室37に戻る。
【0058】圧縮機の冷時始動後しばらくの間は、吐出
室32の圧力が圧縮室15の平均圧力よりも低く、固定
スクロール要素7aが旋回スクロール13に向かって付
勢される力よりも、圧縮室15の側から固定スクロール
要素7aに作用する力が大きい。その結果、固定スクロ
ール要素7aは鏡板7bの側に後退し、圧縮室15の軸
方向隙間が大きくなって、圧縮室15の密封が少し解除
され圧縮室圧力が低くなり、圧縮負荷が軽減する。
【0059】その後、冷凍サイクルの高圧側圧力が次第
に上昇するに伴い吐出室32の圧力も高くなって、固定
スクロール要素7aが旋回スクロール13に向かって付
勢される力も増し、固定スクロール要素7aが旋回スク
ロール13に向かって前進する。そして再び圧縮室15
の軸方向隙間が密封され、効率の良い圧縮運転が継続す
る。
【0060】また、冷時始動初期や定常運転時に、瞬時
的な液圧縮が生じた場合には、圧縮室15の平均圧力が
高くなり過負荷状態となるが、前述との場合と同様に、
固定スクロール要素7aが旋回スクロール13に向かっ
て付勢される力よりも、圧縮室15の側から固定スクロ
ール要素7aに作用する力が大きくなり、その結果、固
定スクロール要素7aは鏡板7bの側に後退し、圧縮室
15の軸方向隙間が大きくなって、圧縮室15の密封が
少し解除され圧縮室圧力が低くなり、圧縮負荷が軽減し
て軸受摺動部の異常摩耗や破損が防がれる。圧縮室15
の圧力が正常な状態に復帰した後は、前述同様に、再び
圧縮室15の軸方向隙間が密封される。
【0061】次に、潤滑油の流れについて説明する。冷
凍サイクル配管系から吸入冷媒ガスと共に吸入管2を通
じて圧縮機に流入した潤滑油は、その一部がモータ室3
7に流入し、残りの潤滑油は吸入冷媒ガスと共に吸入室
38,圧縮室35を経て吐出室32,吐出管33を通っ
て圧縮機外部の冷凍サイクル配管系に排出される。冷凍
サイクル配管系途中の油分離器で吐出冷媒ガスから分離
した潤滑油は油戻し管34を経て背圧室A23に供給さ
れ、その潤滑油圧力によって圧縮負荷が作用する旋回ス
クロール13のスラスト荷重を軽減し、ラップ支持円盤
13bとスラスト軸受面19の間の摩擦抵抗が少なくな
る。
【0062】背圧室Aの潤滑油は絞り通路35を経て減
圧されて油溝22に流入し、スラスト軸受面19を潤滑
した後、油穴36を経てモータ室37に流入する。この
潤滑油は底部の油溜11に収集する。
【0063】また、背圧室Aの潤滑油はラップ支持円盤
13bに設けられたインジェクション穴39を介して圧
縮室15にも差圧給油され、圧縮室隙間を密封すると共
に、旋回スクロール13と固定スクロール要素7aとの
摺動面を潤滑する。
【0064】なお、背圧室Aは第1の環状シール部材1
8と第2の環状シール部材22によってシールされてい
るが、漏れた多少の潤滑油はスラスト軸受面19や主軸
受8の摺動部を潤滑する。
【0065】油溜11の潤滑油はポンプ装置10によっ
て油穴A12a,油穴B12bを経て主軸受8と旋回軸
受14に給油された後、再び油溜11に収集する。
【0066】以上のように上記実施例によれば、固定ス
クロール7の一部をなす鏡板7bに対して回転係止され
かつ軸方向移動のみを許容された固定ラップ支持円板7
dと渦巻き状の固定スクロールラップ7cから成る固定
スクロール要素7aに対して、旋回スクロール13の一
部をなすラップ支持円盤13b上の旋回スクロールラッ
プ13aを揺動回転自在に噛み合わせ、両スクロール間
に渦巻き形の圧縮空間を形成し、固定スクロール要素7
aの中心部と鏡板7bには吐出口27a,27bを設
け、固定スクロールラップ7cの外側には吸入室38を
設け、圧縮空間は吸入側より吐出側に向けて連続移行す
る複数個の圧縮室15に区画されて流体を圧縮するスク
ロール圧縮機構を形成し、旋回スクロール13は駆動軸
4を支承する本体フレーム5と固定スクロール7との間
に配置され、かつ、そのラップ支持円盤13bは反圧縮
室側面を本体フレーム5に支承され、固定スクロール要
素7aが鏡板7bと旋回スクロール13との間に挟まれ
てかつ軸方向の微小隙間を維持しながら常に旋回スクロ
ール13の方向に付勢されるべく付勢手段(吐出口27
a,27bに通じる背圧室B28)を設けたことによ
り、圧縮室15の圧力が正常な運転時には、旋回スクロ
ール13と固定スクロール要素7aとの間の圧縮室軸方
向隙間が微小に確保されて、圧縮室15を充分に密封す
ることができる。また、旋回スクロール13と固定スク
ロール要素7aとの軸方向接触がないので、旋回スクロ
ール13が旋回運動する際の摩擦損失や両スクロール間
の衝突も少なくなる。
【0067】その結果、圧縮途中の冷媒ガス漏れを防い
で高い圧縮効率の維持と騒音や振動の少ない耐久性に優
れた圧縮機を提供することができる。
【0068】また、圧縮機冷時始動初期などに冷凍サイ
クルから多量の液冷媒が圧縮機内に帰還し、圧縮過程で
液圧縮が生じて圧縮室圧力が異常上昇を始め、旋回スク
ロール13から固定スクロール要素7aを離反させる方
向に作用する軸方向力が一時的に過大になる場合でも、
固定スクロール要素7aが鏡板7bの方へ後退するの
で、固定スクロール要素7aが旋回スクロール13との
軸方向隙間を広げて圧縮室の密封を解除し、圧縮室圧力
を瞬時に降圧して圧縮機負荷を軽減し、耐久性を高める
ことができる。
【0069】また、液圧縮が生じない場合でも、始動初
期は吸入圧力が高いことから、スクロール圧縮機の圧縮
比が一定なために、圧縮室圧力は通常の運転時よりも極
めて高くなるが、固定スクロール要素7aへの背圧付勢
力を適正設定することにより、固定スクロール要素7a
を旋回スクロール13から後退させて起動初期の負荷を
軽減させることもできる。
【0070】また、上記実施例によれば、固定スクロー
ル要素7aが固定スクロール7の鏡板7bと旋回スクロ
ール13との間に挟まれてかつ軸方向の微小隙間を維持
される手段が、固定スクロール要素7aの固定ラップ支
持円板7dが鏡板7bと本体フレーム5との間に挟まれ
た高さ調整用のスペーサ30に当接してその軸方向移動
を規制されるべく構成したことにより、圧縮室15の密
封に極めて重要な固定スクロール要素7aの固定スクロ
ールラップ7cと旋回スクロール13の旋回スクロール
ラップ13aの高さ寸法に応じてスペーサ30の高さを
調整し圧縮室15の微小軸方向隙間を確保することがで
きる。その結果、固定スクロール7と旋回スクロール1
3のコストの低減と圧縮効率を高めることができる。
【0071】また、上記実施例によれば、固定ラップ支
持円板7dの外周部が高さ調整用のスペーサ6に当接し
てその軸方向移動を規制されるべく構成されたことによ
り、固定スクロール要素7aがその中心部に位置する背
圧室b28から吐出室圧力によるガス付勢力を受けるの
で、固定ラップ支持円板7dの中央部が圧縮室15の側
に僅かに変形する。この結果、吐出口A27a近傍の圧
縮圧力の高い圧縮室15の軸方向隙間が小さくなって圧
縮室密封効果が高まる。
【0072】また、上記実施例によれば、旋回スクロー
ル13は駆動軸4を支承する本体フレーム5と固定スク
ロール7との間に配置され、旋回ラップ支持円板13b
は本体フレーム5のスラスト軸受面19に支持され、旋
回スクロール13の反圧縮側には旋回ラップ支持円板1
3bと本体フレーム5とで形成された背圧室A23を設
け、圧縮機の吐出側に接続された油分離器(図示なし)
と背圧室A23との間を油戻し管34を介した油戻し通
路で連通したことにより、背圧室A23に高圧潤滑油を
供給し、その圧力で旋回スクロール13を介してスラス
ト軸受面19に作用する圧縮荷重を軽減することができ
る。
【0073】また、上記実施例によれば、旋回スクロー
ルラップ支持円板13b上に設けた反圧縮室側の旋回軸
受ボス13cには駆動軸4と係合する旋回軸受14を設
け、その旋回軸受ボス13cの端面に設けられた第1の
環状溝17に装着した第1の環状シール部材18と、本
体フレーム5のスラスト軸受面19に設けられた第2の
環状溝20に装着した第2の環状シール部材21とで背
圧室A23の密封手段を構成したことにより、背圧室A
23の密封性を高めることができる。その結果、油分離
器から背圧室A23に戻る油量が少ない場合でも背圧室
A23周辺の摺動部への冷媒ガスの吹抜けがなく、摺動
部潤滑を阻害することもなく、旋回スクロール13への
背圧作用を維持することができる。
【0074】また、上記実施例によれば、第2の環状溝
20の外側のスラスト軸受面19には油溝22を設け、
その油溝22と背圧室A23との間を絞り通路35で連
通し、駆動軸4とモータ3を収納した低圧側のモータ室
37と油溝32とを連通させたことにより、背圧室A2
3からスラスト軸受面19を経由するモータ室37まで
の差圧給油経路を簡単な手段で形成することができる。
この給油通路はスラスト軸受面19への充分な潤滑油供
給を実現する。
【0075】また、上記実施例によれば、背圧室A23
の圧力は、旋回スクロールラップ支持円板13bが本体
フレーム5のスラスト軸受面19に支持されるべく設定
されたことにより、旋回スクロール13が駆動軸4の主
軸に対して常に直角な平面上で旋回運動をすることとな
る。この結果、旋回軸受14と旋回軸16との間で、片
当り摺動を生じることがなく、円滑な旋回駆動機構を実
現できる。
【0076】また、上記実施例によれば、背圧室A23
と圧縮室15との間を旋回スクロール13のラップ支持
円盤13bに設けたインジェクション穴39で連通させ
たことにより、モータ室37が吸入圧力に等しい構成の
スクロール圧縮機において、圧縮室15への潤滑油注入
を省スペースな簡単構成で実現でき、油膜による圧縮室
隙間の密封作用により圧縮効率が高くなる。
【0077】また、上記実施例では冷媒圧縮機について
説明したが、潤滑油を使用する酸素、窒素、ヘリウムな
どの他の気体圧縮機も同様の作用効果を期待できる。
【0078】
【発明の効果】以上のように本発明のスクロール圧縮機
は、固定スクロールの一部をなす鏡板に対して回転係止
されかつ軸方向移動のみを許容された固定ラップ支持円
板と渦巻き状の固定スクロールラップから成る固定スク
ロール要素に対して、旋回スクロールの一部をなすラッ
プ支持円板上の旋回スクロールラップを揺動回転自在に
噛み合わせ、両スクロール間に渦巻き形の圧縮空間を形
成し、固定スクロール要素の中心部と鏡板には吐出口を
設け、固定スクロールラップの外側には吸入室を設け、
圧縮空間は吸入側より吐出側に向けて連続移行する複数
個の圧縮室に区画されて流体を圧縮するスクロール圧縮
機構を形成し、旋回スクロールは駆動軸を支承する本体
フレームと固定スクロールとの間に配置され、かつ、そ
のラップ支持円板は反圧縮室側面を本体フレームに支承
され、固定スクロール要素が鏡板と旋回スクロールとの
間に挟まれてかつ軸方向の微小隙間を維持しながら常に
旋回スクロールの方向に付勢されるべく付勢手段を設け
たことにより、圧縮室の圧力が正常な運転時には、旋回
スクロールと固定スクロール要素との間の圧縮室軸方向
隙間が微小に確保されて、圧縮室を充分に密封すること
ができる。また、旋回スクロールと固定スクロール要素
との軸方向接触がないので、旋回スクロールが旋回運動
する際の摩擦損失や両スクロール間の衝突も少なくな
る。
【0079】その結果、圧縮途中の流体漏れを防いで高
い圧縮効率の維持と騒音や振動の少ない耐久性に優れた
圧縮機を提供することができる。
【0080】また、圧縮機冷時始動初期などに外部配管
系から多量の液流体が圧縮機内に帰還し、圧縮過程で液
圧縮が生じて圧縮室圧力が異常上昇を始め、旋回スクロ
ールから固定スクロール要素を離反させる方向に作用す
る軸方向力が一時的に過大になる場合でも、固定スクロ
ール要素が鏡板の方へ後退するので、固定スクロール要
素が旋回スクロールとの軸方向隙間を広げて圧縮室の密
封を解除し、圧縮室圧力を瞬時に降圧して圧縮機負荷を
軽減し、耐久性を高めることができる。
【0081】また、液圧縮が生じない場合でも、始動初
期など吸入圧力が高い場合は、スクロール圧縮機の圧縮
比が一定なために、圧縮室圧力は通常の運転時よりも極
めて高くなるが、固定スクロール要素への背圧付勢力を
適正設定することにより、固定スクロール要素を旋回ス
クロールから後退させて起動初期の負荷を軽減させるこ
ともできるので、起動初期の入力を低減することができ
る。また、過負荷を防止できることから、耐久性をより
一層高めることができる。
【0082】また、本発明は、固定スクロール要素が固
定スクロールの鏡板と旋回スクロールとの間に挟まれて
かつ軸方向の微小隙間を維持される手段が、固定スクロ
ール要素の固定ラップ支持円板が鏡板と本体フレームと
の間に挟まれた高さ調整部材に当接してその軸方向移動
を規制されるべく構成させたことにより、圧縮室の密封
に極めて重要な固定スクロール要素の固定スクロールラ
ップと旋回スクロールの旋回スクロールラップの高さ寸
法に応じて高さ調整部材の寸法を調整し圧縮室の微小軸
方向隙間を確保することができる。その結果、固定スク
ロールと旋回スクロールのコストを低減することができ
る。また、圧縮途中流体の漏れを防いで圧縮効率を高め
ることもできる。
【0083】また、本発明は、固定ラップ支持円板の外
周部が高さ調整部材に当接してその軸方向移動を規制さ
れるべく構成されたことにより、固定スクロール要素が
その中心部に位置する背圧室Bから吐出室圧力による流
体付勢力を受けるので、固定ラップ支持円板の中央部が
圧縮室の側に僅かに変形する。この結果、吐出口A近傍
の圧縮圧力の高い圧縮室の軸方向隙間が小さくなって圧
縮室の密封効果が高まるので、圧縮効率をより一層に向
上することができる。
【0086】また、本発明は、第2環状溝の外側のスラ
スト軸受には油溝を設け、前記油溝と背圧室との間を絞
り通路で連通し、駆動軸と電動機を収納した低圧側の電
動機室と前記油溝とを連通させたことにより、背圧室A
からスラスト軸受面を経由するモータ室までの差圧給油
経路を簡単な手段で形成することができる。この給油通
路はスラスト軸受面へ充分な潤滑油を供給できるので、
耐久性に優れた圧縮機を低コストで実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスクロール圧縮機の一実施例の縦断面
【図2】動要部拡大縦断面図
【図3】従来のスクロール圧縮機の縦断面図
【図4】同要部拡大縦断面図
【図5】他の従来のスクロール圧縮機の縦断面図
【符号の説明】
3 モータ 4 駆動軸 5 本体フレーム 6 スペーサ 7 固定スクロール 7a 固定スクロール要素 7b 鏡板 7c 固定スクロールラップ 7d 固定ラップ支持円板 13 旋回スクロール 13a 旋回スクロールラップ 13b ラップ支持円盤 13c 旋回軸受ボス 14 旋回軸受 15 圧縮室 17 第1の環状溝 18 第1の環状シール部材 19 スラスト軸受面 20 第2の環状溝 21 第2の環状シール部材 22 油溝 23 背圧室A 27a,27b 吐出口 28 背圧室B 30 スペーサ 32 油溝 34 油戻し管 35 絞り通路 37 モータ室 38 吸入室 39 インジェクション穴
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04C 18/02 311

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定スクロールの一部をなす鏡板に対し
    て回転係止され、かつ軸方向移動のみを許容された固定
    ラップ支持円板と渦巻き状の固定スクロールラップから
    なる固定スクロール要素に対し、旋回スクロールの一部
    をなすラップ支持円板上の旋回スクロールラップを揺動
    回転自在に噛み合わせ、両スクロール間に渦巻き形の圧
    縮空間を形成し、前記固定スクロール要素の中心部と前
    記鏡板に吐出ポートを設け、前記固定スクロールラップ
    の外側には吸入室を設けて前記圧縮空間は吸入側より吐
    出側に向けて連続移行する複数個の圧縮室に区画されて
    流体を圧縮するスクロール圧縮機構を形成し、前記旋回
    スクロールは駆動軸を支承する本体フレームと前記固定
    スクロールとの間に配置され、かつ前記ラップ支持円板
    は反圧縮室側面を前記本体フレームに支承され、前記固
    定スクロール要素が前記鏡板と前記旋回スクロールとの
    間に挟まれてかつ軸方向の微小隙間を維持しながら常に
    前記旋回スクロールの方向に付勢されるべく付勢手段を
    設けてなるスクロール圧縮機。
  2. 【請求項2】 固定スクロール要素が固定スクロールの
    鏡板と旋回スクロールとの間に挟まれてかつ軸方向の微
    小隙間を維持される手段が、前記固定スクロール要素の
    固定ラップ支持円板が前記鏡板と本体フレームとの間に
    挟まれた高さ調整部材に当接してその軸方向移動を規制
    されてなる請求項1記載のスクロール圧縮機。
  3. 【請求項3】 固定ラップ支持円板の外周部が高さ調整
    部材に当接してその軸方向移動を規制されてなる請求項
    2記載のスクロール圧縮機。
  4. 【請求項4】 固定スクロールの一部をなす鏡板の一
    面に形成された渦巻き状の固定スクロールラップに対し
    て旋回スクロールの一部をなす旋回ラップ支持円板上の
    旋回スクロールラップを揺動回転自在に噛み合わせ、両
    スクロール間に渦巻き形の圧縮空間を形成し、前記固定
    スクロールラップの中心部には吐出ポートを設け、前記
    固定スクロールラップの外側には吸入室を設け、前記圧
    縮空間は吸入側より吐出側に向けて連続移行する複数個
    の圧縮室に区画されて流体を圧縮するスクロール圧縮機
    構を形成し、前記旋回スクロールは駆動軸を支承する本
    体フレームと前記固定スクロールとの間に配置され、前
    記旋回ラップ支持円板は前記本体フレームのスラスト軸
    受面に支持され、前記旋回スクロールの反圧縮側には前
    記旋回ラップ支持円板と前記本体フレームとで形成され
    た背圧室を設け、圧縮機の吐出側に接続された油分離器
    と前記背圧室との間を油戻し通路で連通させると共に、
    第2環状溝の外側のスラスト軸受には油溝を設け、前記
    油溝と背圧室との間を絞り通路で連通し、駆動軸と電動
    機を収納した低圧側の電動機室と前記油溝とを連通させ
    てなるスクロール圧縮機。
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JP4676077B2 (ja) * 2001-02-21 2011-04-27 株式会社日立製作所 スクロール式流体機械
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