JP4517444B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、非旋回スクロール部材が軸方向に可動なスクロール圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
軸方向に可動な非旋回スクロール部材を有する従来のスクロール圧縮機は、特開平8−232858号公報に示されるように、非旋回スクロール部材の背面に非旋回引付圧領域を設け、その内部を吐出圧と吸込圧の中間的な圧力に設定していた。そしてその領域の内周側は吐出圧、外周側は吸込圧となっており、それらの境界毎にシールを設けていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来技術では、非旋回引付圧領域の圧力が中間圧であるため、その内周側でシールにより隔てられる空間の圧力(吐出圧)よりも低い圧力となっていた。このため、そのシールが何らかの原因で破れた場合、非旋回引付圧領域に吐出圧の流体が流入し、圧力が正規のレベルよりも高くなる危険性があった。この時、非旋回スクロール部材はそのスクロール支持部材である旋回スクロール部材に過大な力で付勢されるため、スクロールラップの破壊や、そこまでは至らないが、歯先歯底部の急激な摩耗による摩耗粉でスクロールラップ、軸受、オルダムリング等の摺動部損傷の可能性が生じるため、圧縮機の信頼性が低下するという問題があった。
【0005】
また、リング状の非旋回引付圧領域の内周側と外周側の二個所で各々シールを設けたため、1本でも細心の注意を要求されるシールの組み込みを、非旋回引付圧領域の区画形成時にはほぼ同時に2個のシールを組み込まねばならず、組立て性が低いという問題があった。
【0007】
本発明の目的は、非旋回スクロール部材の軸方向における運動が許容される、低圧チャンバ方式のスクロール圧縮機における前記問題点の信頼性と部品加工性を向上したスクロール圧縮機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、前記引付力付加手段は、非旋回スクロール部材の鏡板背面側で吐出口を含まない非旋回鏡板背面の外周側に、吐出圧となる非旋回引付領域とを備え、
前記非旋回スクロール部材の鏡板である非旋回鏡板に吐出カバーを配設することで、吐出圧の鏡板内空間を設け、この鏡板内空間から吐出圧の作動流体を前記スクロール圧縮機から吐出する吐出パイプを設けることにより達成される。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施の形態を、図1乃至図11に基づいて説明する。図1は圧縮機の縦断面図、図2は同じ縦断面図であるが図1とは異なる断面である。図2には、図1で現れなかった部分についてのみ記号を付けた。図3は圧縮室付近の断面拡大図、図4は非旋回引付圧領域を形成するリング溝付近の断面拡大図、図5は弾性体シールであるリングシールの断面図、図6は逆流抑制弁体の縦断面図、図7は逆流抑制弁体の平面図、図8はリテーナの平面図、図9は非旋回スクロール部材に逆流抑制弁及びリングシールを装着したサブアセンブリ時の上面図、図10は吐出カバーの上面図、図11は背圧弁の拡大断面図である。なお、この例は、圧縮機の直径が、マイクロマシンレベルの5mmから1000mm程度のものであり、圧縮機のケース内部が吸込圧となる、低圧チャンバ方式である。
【0012】
まず、構造を説明する。
旋回スクロール部材3は、鏡板3a上面にスクロールラップ3bとオルダム溝3g、3h(図2参照)、その鏡板下面にスラスト面3dと旋回軸3eを設ける。そのスラスト面3dに旋回油溝3cを設ける。
【0013】
非旋回スクロール部材2は、鏡板2a下面にスクロールラップ2bと回転止め2g、2h(2hは、スクロールラップ2b最外周部の外線側でシール部とならない部分と一体化して配置)を立設し、そのスクロールラップ歯底面と同一面である非旋回基準面2u(図2参照)を設ける。回転止め2g、2hは、非旋回ホルダ6に設けられた溝に嵌め込まれ非旋回スクロール2の回転を防止するものである。なお、回転止め2g、2hはこれらのうちどちらか1個であってもよい。
【0014】
そして、バイパス穴2eと吐出穴2dを開口させる。また、前記鏡板2a上面の周囲に一本または複数の均圧流路2iで前記吐出穴2dが開口する鏡板内空間2fと通じるリング溝2jを設ける。この均圧流路2iのみにより前記非旋回引付圧領域29に吐出圧を導入できるため、加工性が向上し高い量産性を実現できる効果がある。この実施の形態では斜めの一本穴であり、一層加工工程数が少なくなり一層高い量産性を実現できるという特有の効果がある。また、前記非旋回スクロール部材2の外周から水平の穴を開けて外周のつば貫通部を塞いでもよい。この場合には、穴加工が容易となる。この均圧流路2iが一本の場合は、加工工程数が少なく量産性を向上できるという効果とともに、前記非旋回引付圧領域29を経由するガスの流れが生じないため、その部分の加熱が抑制され、性能が向上するという特有の効果がある。逆に、前記均圧流路2iが複数本の場合は、前記非旋回引付圧領域29への圧力導入が瞬時に行われ、起動が容易となる効果がある。
【0015】
このような前記非旋回スクロール部材2の前記バイパス穴2eと吐出穴2dの上部に、逆流抑制弁板24aとリテーナ24bからなる逆流抑制弁24(図6ないし図9参照)を設置する。これは、過圧縮抑制及び液圧縮回避のためのバイパス弁、圧縮機停止時に発生する旋回スクロール逆転防止のための逆止弁、及び不足圧縮抑制のための吐出弁、の役割を担う。リテーナ24bは、これら弁が開動作する際の弁ストッパとして働き、弁のばたつきを抑制する作用がある。
【0016】
また、前記非旋回スクロール部材2の前記リング溝2jに、プラスチックやばね材またはゴムのような弾性体から成る断面がコの字状をした弾性体シールであるリングシール22を挿入する(図4、5参照)。ここで、このシールの高さは、前記リング溝2jの深さよりも小さくし、さらに内周壁を外周壁よりも短くする。これにより、前記リング溝2jの底まで前記リングシール22が下がっても内周壁が前記均圧流路2iを塞がないようにできる。さらに、図5に示すように、リングシール22内には、断面形状が半円形状のシールばね22aが挿入されている。このシールばね22aは、リングシール22をリング溝22j内に挿入したとき、リングシール22の内周壁及び外周壁をリング溝2jの内壁に押し付けるように働く。このシールばね22aの機能により、リングシール22とリング溝2jとの密着性が良好になり、圧力漏れが低減されるという効果がある。
【0017】
また、前記均圧流路2iを、前記非旋回鏡板2a内に水平な穴を加工し、その穴と通じるように前記リング溝2jの底面及び前記鏡坂内空間2fの底面からほぼ垂直な穴を開け、水平穴の外周部を塞いで形成すると、前記リングシールが下がっても均圧流路2iを塞ぐことはなくなり、信頼性が向上する。
【0018】
このように、組立に細心の注意が要求される前記非旋回引付圧領域29のシール部を、非旋回スクロール部材2のサブアセンブリ時に行うことができるため、組立後のシールチェックや不具合な場合の再組立も容易となり、組立性を大幅に向上できるという効果がある。
【0019】
オルダムリング5は、一面に非旋回突起部5a、5bが設けられ、図2に示すように、もう一方の面には旋回突起部5c、5dが設けられる。円筒形状の非旋回ホルダ6は、中央の穴に張り出して前記非旋回スクロール部材2を支持するテラス部6aを有し、その上面は非旋回支持面6bとなる。その上部の内周面は前記非旋回スクロール部材2の上下移動時のガイドとなるガイド面6cとなる。さらに、前記テラス部6aに前記ガイド面の中心軸を中心として180度対向で2個の放射溝6d,6eが設けられる。これらの溝の上部は、前記非旋回スクロール部材2の前記回転止め2g、2hを挿入し、下部は前記オルダムリング5の前記非旋回突起2a、2bがスライドするオルダム溝の役目を担う。
【0020】
この放射溝6d,6eは、オルダムリング5の非旋回突起部5a、5bが挿入されることによってオルダムリング5の回転防止の役割を有すると共に、非旋回スクロール部材2の前記回転止め2g、2hが挿入されることによって非旋回スクロール部材2の回転防止の役割をも有している。非旋回スクロール部材2及びオルダムリング5は、旋回スクロール部材3の旋回運動によって同一方向に回転しようとする。これらの回転防止を異なる溝にて行おうとすると、夫々の溝を掘る位置を高精度に行わなければならない。しかし、本実施形態では、両者の回転止めのための溝を兼用しているので、溝の精度をあまり考える必要が無く位置決めをすることができる。すなわち、両者は、同一方向に回転させられる力を受けるため、溝側の受圧面は非旋回スクロール部材2及びオルダムリング5共に同一面である。従って、溝の受圧面とならない面は加工精度がそれほど要求されない。
【0021】
フレーム4は、上面の外周部に前記非旋回ホルダ6を取り付けるホルダ取付け面4b、その同一面の内側に前記旋回スクロール部材3の支持面となるスラスト軸受4aが設けられる。そのスラスト軸受4aにはスラスト軸受部の給油及び吸込み室への給油を目的とする複数のフレーム油溝4cが設けられる。また、このフレーム4を軸方向に貫通して吸込ガスを流す1個または複数の吸込口4eを設ける。これは、フレーム外周の切欠きでもよいし、前記非旋回ホルダ6に設けてもよい。中央部にはシャフトを回転支持する主軸受4dを設ける。この主軸受4dと前記スラスト軸受4aの間からフレーム4の外周面に通じる油排出路を設け、その途中に背圧弁10(図11)を形成する。この背圧弁10は、以下のように形成する。まず、前記フレーム4の側面から内径が研磨された背圧弁シリンダ4g中に外周が研磨された背圧弁体10aを挿入する。そして弁ばね10cを挿入し、それが圧縮ばねとなるように、弁キャップ10fを背圧弁シリンダ4gの入り口に固定する。
【0022】
図1に戻り、シャフト8には内部にシャフト給油孔8aと主軸受給油孔8bと副軸受給油孔8cが設けられる。また、その上部には径の拡大した主軸部8hがあり、そこに旋回軸受8fが設けられる。主軸部の外周面には前記主軸受給油孔8bの出口から給油螺旋溝8i、旋回軸受8fには給油溝8jが設けられる。
【0023】
ロータ15は未着磁の永久磁石(図示せず)を内蔵し、両端にロータバランス15a、15bを設ける。
【0024】
ステータ16は外周部に油をケースの底に流し落とすためのステータ溝16a(図2)を設け、内部にコイルが通り、その上下にコイルエンド部16bがある。ところで、このコイルが通る穴よりも外周側にコイル貫通穴を開け、ガス流や油を通し、前記ステータ16の冷却を行ってもよい。
【0025】
副軸受給油部9は、内周が円筒状で外周が球状のフローティング軸受ブッシュ9aと副軸受給油シリンダ9bと給油パイプ9dの付いたポンプカバー9cから成る。この副軸給油シリンダ9bは上部内周に球面軸受部9gを有し、そこに前記フローティング軸受ブッシュ9aを組み込む。さらに、その上部中央に前記シャフト8の軸方向支持部であるシャフトスラスト面9eを配している。また、その下部には、トロコイド給油ポンプ26のインナロータ26a及びアウタロータ26bが入る偏心した円形掘込み9fを設けている。これは、トロコイド給油ポンプに限ったものではなく、他形式給油ポンプでもよい。
【0026】
ケースは、ハーメチック端子13及び吐出パイプ取出し口19aが溶接またはロウ付けされた上ケース19、下ケース20、円筒ケース21の3個からなり、円筒ケース21の下部には、前記副軸受給油部9を支持し周辺部に油が通る穴を有する副軸受給油支持板18が固定されている。
【0027】
その他の主な構成要素として、前記リングシール22を押さえるための非旋回押え7、前記フレーム4を円筒ケース21に固定するマウンティング部材11、油中の鉄粉を取除くマグネット12、電力をモータ17に供給するハーメチック端子13、そして、吸込パイプ14がある。
【0028】
これらの構成要素を以下のように組み立てる。
まず、前記フレーム4の主軸受4dに、前記ロータ15を圧入した前記シャフト8を挿入し、前記旋回スクロール部材3をその上に載せる。さらに、その上に前記オルダムリング5を旋回突起部5c、5dを前記オルダム溝3g、3hに挿入して載せ、前記非旋回ホルダ6に前記非旋回スクロール部材2を前記放射溝6d,6eの上部に回転止め2g、2hが挿入されるように装着したものを、上から覆い被せる。この時、前記放射溝6d、6eの下部に前記非旋回突起5a、5bを挿入し、前記非旋回基準面2uを前記非旋回支持面6bと接触させる。そして、前記シャフト8を廻しながら回転トルクの最小となる位置でねじにより前記フレーム4に前記非旋回ホルダ6を固定する。そして、前記非旋回押え7の非旋回押え面7aを前記非旋回スクロール部材2の外周及び前記リングシール22を覆うようにして、前記非旋回ホルダ6の上面にねじで固定する。これにより、前記非旋回押え7と前記リング溝2jによりリング状の非旋回引付圧領域29が区画形成される。同時に、前記非旋回スクロール部材2のサブアセンブリ時に前記リング溝に挿入した前記リングシール22は、前記非旋回引付圧領域29内から見て、前記リング溝2jの上縁と前記非旋回押さえ面7aとの境界部である非旋回引付圧領域境界を覆うように配置される。この時、前記非旋回スクロール部材2の上面と前記非旋回押え面7aの間隔が20〜100μm程度になるようにし、前記旋回スクロール部材3と前記非旋回スクロール部材2の軸線方向における最大離間距離を規定する。そして、図1及び図10に示すように、前記吐出口2d及び前記バイパス穴2eを臨む前記非旋回鏡板2aの中央寄りに吐出パイプ25の付いた吐出カバー2cを密着固定し、鏡板内空間2fを設ける。この時、両密着面を研磨するか、Oリングやパッキン材を挟んでシールする。また、前記吐出パイプ25を焼きなまし処理しておく。これは、前記吐出パイプ25を前記上ケース19に固定したとき、上ケース19の装着位置のずれを吐出パイプ25で吸収し前記非旋回スクロール部材2の姿勢がずれるのを防ぐためである。以上のようにして、両スクロール部材間に圧縮室33、前記旋回スクロール部材3の背面でスラスト面3dと前記旋回軸3eの間に旋回背面空間34を形成する。さらに、前記フレーム4の背面外周部に前記マウンティング部材11をねじまたはかしめ固定する。
【0029】
次に、あらかじめ前記ステータ16を焼きばめまたは圧入するとともに前記副軸受給油支持板18を溶接または圧入した円筒ケース21に、上記の組立部を挿入する。この時、前記ステータ16のモータ線16cをその組立部の側面の溝を通して上部に出す。そして、前記マウンティング部材11の側面でタック溶接を行なう。フレーム4や非旋回ホルダ6でタック溶接を行う場合と比較して、それらの変形が回避できる。また、前記ロータ15と前記ステータ16によってモータ17を形成し、前記副軸受給油支持板18と前記フレーム4の間にモータ室30を形成する。
【0030】
次に、前記副軸受給油支持板18の中央部の穴から出た前記シャフト8に、前記非旋回給油部材9の前記フローティング軸受部材9aの内周を挿入して装着する。そして前記副軸受給油シリンダ9bに前記アウタロータ26bを挿入し、前記シャフト8の端部に前記インナロータ26aを圧入する。この状態で、前記シャフト8を回し、回転トルクを検出しながら、前記副軸受給油シリンダ9bの位置を調整し、その回転トルクが最小になる位置で前記副軸受給油シリンダ9bの外周を前記副軸受給油支持板18にスポット溶接する。そして、前記給油パイプ9dを付けた前記給油カバー9cを固定する。
【0031】
最後に、前記マグネット12を固定した前記下ケース20を前記円筒ケース21に溶接し、貯油室31を形成する。また、上ケース19を、前記吐出前記ハーメチック端子13の内部側端子に前記モータ線16cを装着し、前記吐出パイプ取出し口19aに前記吐出パイプ25の垂直部25aを通したうえで、前記円筒ケース21上部に装着溶接し、非旋回背面室32を形成する。この状態で、前記ステータ16に電流を流し、前記ロータ15内部の永久磁石を着磁し、モータ17を形成する。その後、油を入れる。
【0032】
次に動作を説明する。
まず、圧縮ガスの流れに関して説明する。前記モータ17を回転させて前記シャフト8を回転させ、前記オルダムリング5で自転を防止しながら前記旋回スクロール部材3を旋回運動させる。前記吸込パイプ14を通してケース内部に満たされるガスが、前記吸込口4eを通って前記吸込室35に流入し、圧縮室33に閉じ込み圧縮されて、前記吐出穴2dから前記鏡板内空間2fに吐出され、最終的に、前記吐出パイプ25を通って圧縮機外部に出る。過圧縮条件では、これと並行して、前記バイパス穴2eと前記逆流防止弁24のバイパス弁部を通って前記鏡板内空間2fに吐出される。これにより、鏡板内空間2fは吐出圧となる。
さらにその上部は、吸込圧の前記非旋回背面室32であり、吸込圧のかかる非旋回背面中央領域を形成する。非旋回背面中央領域に吸込圧をかけたため、非旋回鏡板2aのたわみが小さくなり、歯先歯底隙間を小さくできるため、エネルギー効率が向上するという効果がある。前記均圧流路2iによって、前記リング溝2jと前記リングシール22で区画形成された前記非旋回引付圧領域29内を容易に吐出圧とすることができる。そして、前記非旋回引付圧領域29の周囲は全て吸込圧の空間となる。つまり、前記リングシール22の内周側は前記非旋回背面室32と通じ、外周は前記吸込室35または前記非旋回背面室32と通じて
いるために、吸込圧となる。このため、前記非旋回引付圧領域29は圧縮機の内部で一番高い圧力であるため、シールが破れても前記非旋回引付圧領域29内部の圧力が増大することはなく、非旋回スクロール部材2及び旋回スクロール部材3同士を接触させる(くっつける)方向に作用させる力である引付力は過大にならない。
【0033】
すなわち、非旋回スクロール部材の鏡板背面側で吐出口を含まない非旋回鏡板背面外周側にそれを取り囲む周辺領域である非旋回引付周辺領域の圧力以上となる非旋回引付領域を設けたので、少なくとも一つの非旋回引付領域の圧力は、それを取り囲む全ての非旋回引付周辺領域の圧力以上となるため、そこのシールが破れても、周囲圧力が引付力を発生する空間の圧力よりも高い従来技術では、シールが破れてしまうと引付力が増大してしまうのに対して、その非旋回引付領域の圧力は上昇することはない。この結果、従来技術の問題点であった、非旋回スクロールの引付力の増大による圧縮機の信頼性低下が抑制されるという効果がある。
【0034】
また、吐出圧は圧縮機内における最高の圧力であるため、全ての非旋回引付領域における圧力は各々の非旋回周辺領域の圧力以上となる。よって、定常運転に至るまでの過渡的運転時でも、全ての非旋回引付領域における圧力をその非旋回周辺領域の圧力以上に保つことができるため、非旋回引付領域の異常な圧力上昇を一層確実に回避できる。この結果、圧縮機の信頼性が一層向上するという効果がある。また、圧縮機内で最高の圧力である吐出圧により非旋回引付力を発生させることから、非旋回引付領域の容積はほぼ最小となる。これより、非旋回引付圧領域境界の長さは概して縮小するため、非旋回引付領域からの漏れの危険性を低減できる。この結果、引付力低下の危険性を低減できるため、確実に本来の性能を実現できるという効果がある。
【0035】
この結果、付勢力の働く前記非旋回ホルダ6のテラス部6aの破損を回避できる。破損に至らなくても、そのたわみによるスクロールラップの歯先歯底接触摩耗及び破損の危険性を抑制できる。また、圧力差から前記リングシール22は左右に開こうとするため、側面が前記リング溝の内周面と外周面に押し付けられる。この結果、前記非旋回引付圧領域29内から見て、前記リングシールは、前記リング溝2jの上縁と前記非旋回押さえ面7aとの境界部である非旋回引付圧領域境界を覆うため、前記非旋回引付圧領域29の内周側と外周側における前記非旋回引付圧周辺領域との2個所のシールを行うことができる。従来は、その2個所に各々シールを設けたため、1本でも細心の注意を要求されるシールの組み込みを、非旋回引付圧領域の区画形成時にほぼ同時に2個のシールを組み込んでいた場合と比較し、大幅に組立て性を改善できるという効果がある。
【0036】
すなわち、非旋回引付圧領域内の圧力が非旋回引付圧周辺領域の圧力よりも高いために、弾性体シールは、非旋回引付圧領域境界側に押し付けられ、その弾性により非旋回引付圧領域境界全域を塞ぐように変形する。この結果、非旋回引付圧領域と非旋回引付圧周辺領域のシールがさらに一層確実になり、圧縮機の信頼性向上及び性能向上という効果がある。さらに、一個のシールで非旋回引付圧領域を形成できるため、組立性を向上できるという効果がある。
【0037】
また、あらかじめ弾性体シールをリング溝に挿入した非旋回スクロール部材を準備できるため、圧縮機組立時に弾性体シールによるシール部の形成が不要となる。よって、慎重な組立を要する弾性体シールによるシール部の形成を、非旋回スクロール部材のサブアセンブリ段階で行うことが可能となる。この結果、組立て性が一層向上するという効果がある。
【0038】
この下方には前記非旋回ホルダ6の前記非旋回支持面6bが配置されているため、非旋回鏡板2aの変形が抑制されてエネルギー効率が非常に高くなるという効果がある。前記リングシール22は、引付力と同一の力で上方に持ち上げられるが、前記非旋回押え7で止められる。また、前記非旋回背面室32が吸込圧となるため、圧縮機のケース内部の圧力は全域で吸込圧となる。この結果、前記ハーメティック端子13はケースのいずれの箇所に設けてもよく、製作性が向上するという特有の効果がある。
【0039】
前記吐出穴2dの出口には、前記逆流抑制弁24のうちで、逆止弁及び吐出弁の役割をもつ中央部の中央弁体24cが設けられている(図6乃至図9参照)。これは、3本の弁脚部24dで支持され、中立の位置は、吐出穴2d上部の円錐面から離れ、前記リテーナ24bに概略接触する位置とする。この結果、過圧縮運転や適正圧力比運転時、ガスは中央弁体24cを押し上げずに吐出できるため、吐出流路抵抗が非常に小さく、性能が向上するという特有の効果がある。また、不足圧縮による前記鏡坂内空間2fから前記吐出穴2dへの逆流時には、流体力により前記中央弁体24cが前記吐出穴2dを塞ぐので、逆流による指圧線図の膨らみが無くなり性能が向上するという特有の効果がある。また、円錐状の吐出穴2dに近い中央弁体24cを用いたために再膨張損失を抑制でき性能が向上するという効果もある。このように、吐出弁の必要な場合のみ、吐出弁が現れる構造であり、運転の全圧力比で非常な高効率を実現できるという特有の効果がある。また、圧縮機停止における前記鏡坂内空間2fから前記吐出穴2dへの逆流時には、流体力により前記中央弁体24cが前記吐出穴2dを塞ぐため、前記旋回スクロール部材3の逆転を抑制できる効果がある。
【0040】
以上のように、前記逆流抑制弁24は、一個で、バイパス弁、吐出弁、逆止弁の役割を担うため、部品点数を抑制でき量産性が向上するという特有の効果がある。また、この弁部の構造は、一枚の板を折り曲げ、プラスチック製の前記中央弁体24cをアウトサート成形して作成することも可能であるため、量産性が向上するという特有の効果がある。
【0041】
また、前記旋回スクロール部材3の前記スクロールラップ3b及び前記旋回鏡板3aのおもて面側になじみ性の皮膜(図示せず)を設ける。これにより、前記した作用の通り、歯先歯底隙間を決定する部品寸法の誤差による隙間の増大をなじみにより回避することが可能となるため、エネルギー効率を一層向上できるという効果がある。
【0042】
次に、油の流れについて説明する。前記貯油室31の油は、前記シャフト8の下端に設けられたトロコイド式の前記給油ポンプ26により前記給油パイプ9dから吸い上げられ、前記シャフト給油孔8aに入る。ここで、わずかな油が、前記インナロータ26aの上面と前記円形掘り込み9fの隙間を通って、前記シャフトスラスト面9eを給油する。その油は、前記フローティング軸受ブッシュ9aの外周にある前記球面軸受部9gを給油して前記モータ室30下部に出る。その後、前記副軸受給油支持板18の外周部にある油穴18aから前記貯油室31に戻る。前記シャフト給油孔8aに入った油はまずその一部が前記副軸受給油孔8cに入り、前記フローティング軸受ブッシュ9aの円筒状軸受を給油する。その油はその後、前記球面軸受部9gを経由するか直接に前記モータ室30に入り、前記油穴18aを通って前記貯油室31に戻る。前記副軸受給油孔8cに入らなかった油は、前記シャフト給油孔8aをさらに上昇し、前記主軸受給油孔8bに入って前記主軸受4dと前記旋回軸受8fを給油する。前記主軸部8hには前記給油螺旋溝8iが設けられ、このねじポンプ作用により主軸受への給油量が決まる。それ以外の量が前記旋回軸受8fに流れる。そこには、給油溝8jが設けられ、それは、旋回軸受全域へ油を供給する油溜めの役割を担う。これら給油を行った油は、前記旋回背面空間34へ流入する。ここで、前記背圧弁10があるため、前記旋回背面空間34の圧力は、前記弁ばね10cの押縮め量に対応する値だけ吸込圧より高くなる。その動作を以下に説明する。
【0043】
図11において、背圧が低い場合、前記背圧弁体10aは前記背圧弁シリンダ4gの底面に押し付けられ、油流入路4hは前記背圧弁体の側面で塞がれる。この結果、前記旋回背面空間34から油は排出されず、そこの圧力は上昇していく。この圧力(以後、背圧と称する)は、油検出路4iにより背圧検出空間10dに導かれるため、前記背圧弁体10aを前記弁キャップ10f側に押す力が増加し、背圧弁体10aを前記キャップ10f側に移動させる。そして、その移動が、油流路溝10eが前記油流入路4hにかかるところへくるまで背圧が高くなると、前記油流路溝10eの底にある油通路10gと前記弁キャップ10fにある油排出路10iにより前記旋回背面空間34から前記フレーム4の側面への油の通路が形成され、油が前記旋回背面空間34から流出するため、背圧の上昇は止まる。このように、背圧は前記フレーム4の側面の圧力である吸込み圧よりも一定値高い圧力に制御される。背圧検出空間10dに圧力が導かれると、背圧弁体10aはばね力に抗して図面右側に移動する。この時、何らかの関係で旋回背面空間に導かれる潤滑油の圧力が急上昇すると油流路溝10eが油流入路4hを通り越して右側へ行ってしまい、自然に旋回背圧空間34の圧力が低下しない限り、この旋回背圧空間34の圧力は高圧力になったままとなってしまう。そこで、本実施の形態では、弁キャップ10fの頂部に背圧弁体10aの反背圧検出空間10d側が当接することで、旋回背圧空間34の圧力が急上昇しても油流路溝10eと油流入路4hとが対向する位置で停止するようにした。これにより、背圧は前記フレーム4の側面の圧力である吸込み圧よりも一定値高い圧力に確実に制御される。
【0044】
この結果、前記旋回背面空間34の圧力は吸込み圧よりも高くなるため、これにより前記旋回スクロール部材3の引付け力が発生する。しかし、この力は、旋回引離し力よりも小さくなるように設定する。この結果、前記旋回スクロール部材3は、その鏡板3aの背面がスラスト面となり、そこにかかる付勢力すなわちスラスト軸受荷重を低減できる。このため、その箇所における摺動損失を低減でき、エネルギー効率が向上するという特有の効果がある。
【0045】
また、図3において、前記スラスト軸受4aのフレーム油溝4c、及び、前記スラスト面3dの旋回油溝3cにより、前記旋回背面空間34と前記吸込み室35を繋ぐ油絞り流路を設けているため、前記背圧弁による圧力差で、スラスト面の給油を行ないながら、前記吸込室35へ流れ込む油経路も形成している。これにより、スラスト軸受の信頼性向上と摩擦係数の低下による性能向上という効果とともに、圧縮室33内のシール性向上による性能向上という効果もある。
【0046】
前記フレーム側面に排出した油は、その後、前記円筒ケース21の内壁を伝って下方に流れ、前記マウンティング部材11のマウンティング外周溝11a、前記ステータ外周溝16aを通って、最終的に前記貯油室31に流れ込む。また、この前記旋回背面空間34の中間圧は外部から供給する必要がないため、使い勝手が向上するという特有の効果もある。
【0047】
ここでは、ケース内を吸込み圧とし非旋回引付圧領域の圧力を吐出圧とした実施例を示したが、これに限らず、非旋回引付圧領域の圧力がケース内圧力よりも高い場合であればよい。例えば、ケース内が吸込み圧、非旋回引付圧領域の圧力が中間圧でもよい。また、ケース内が中間圧、非旋回引付圧領域の圧力が吐出圧でもよい。また、非旋回引付圧領域を複数設けてももちろんよい。また、非旋回スクロール部材を旋回スクロール部材に押し付ける構造のスクロール圧縮機にももちろん採用できる。
【0048】
さて、以上説明したスクロール圧縮機についてその動作を説明する。従来のスクロール圧縮機は、旋回スクロールの半ラップ側に背圧を掛けるもので、旋回スクロールの軸方向移動可能距離は50μm以上もあり、実際に旋回スクロールが動作しているときの挙動を調べると、左右の作動室の圧力バランスやその他製造誤差などで軸方向に揺動運動する場合がある。このような運動は、固定スクロール(非旋回スクロール)から旋回スクロールが引き離される方向に運動した場合、高圧作動室から低圧作動室側に圧縮流体が漏れて損失が発生し、反対に旋回スクロールが固定スクロールに押付けられる方向に運動した場合、スクロールラップの歯先と鏡板とが接触し摺動抵抗が増加するといった問題がある。
【0049】
本実施の形態においては、旋回スクロール部材3の背面に吸込圧力よりも大きく吐出圧力よりも小さい中間圧力を付与し、固定スクロール部材3の背面にこの中間圧力よりも大きい吐出圧力を付与し、非旋回スクロール3の軸方向の移動が非旋回ホルダ6によって規制され、その移動可能距離が50μmの範囲に押さえられているので、旋回スクロール部材3が軸方向に揺動しても、すなわち、両スクロール部材が離される方向に旋回スクロールが運動した場合、非旋回スクロール部材2の背面には中間圧力よりも高い吐出圧がかかっているので、その移動に追従されて漏れ損失を少なくすることができ、また、旋回スクロール部材3が非旋回スクロール部材2に接触する方向に移動した場合、非旋回スクロール部材2を軸方向半非旋回スクロール部材側に移動するのでかじりによる損失を低減することができる。ここで、過圧縮時、旋回スクロール部材3が非旋回スクロール部材2から離反する挙動を示すが、非旋回スクロール部材2がこれに追従するように動く。この時わずかにスクロールラップと鏡板との間に間隙が生じ過圧縮となっている圧縮室から圧力が低い圧縮室へ作動流体(冷媒)が移動する。しかし、次の瞬間その圧縮室も過圧縮となりいつまでも過圧縮状態が改善されない。そこで、本実施の形態では、逆流抑制弁板24aを設け、密閉空間となっている作動室から作動流体を逃がすことで、圧力を逃がしている。
【0050】
すなわち、非旋回スクロール部材2は、非旋回押え7から浮いた状態で運転され、また旋回スクロール部材3は、スラスト軸受4aから浮いた状態で運転される。このため、非旋回スクロール部材2の軸方向の揺動運動に対して、非旋回スクロール部材2が追従するように動作するので、前述したように損失の低減が期待できる。
【0051】
現実には、非旋回スクロール部材2の背面(非旋回引付圧領域29)に印加する圧力は吐出圧であり、旋回スクロール部材3の背面(旋回背面空間34)に加える圧力は所謂中間圧であるため、旋回スクロール部材3半ラップ側面とスラスト面3dとの間には数μmオーダーしか浮かない。この浮いた空間には潤滑油が入り込んでいる。このため、旋回スクロール部材3の軸方向の揺動運動のうち圧縮室内の圧力増大(過圧縮)に起因した非旋回スクロール2から離反する方向の運動はスラスト軸受であるスラスト面3dにより押え込まれる。この時は、逆流抑制弁板24aが開いて過圧縮状態を脱する。
【0052】
一方、何らかの原因で旋回スクロール部材3が非旋回スクロール部材2に近づく方向に運動した場合、非旋回スクロール部材2は反旋回スクロール部材3方向に移動し、かじりが緩和される。
【0053】
なお、液冷媒を吸い込む所謂液圧縮の場合は、相当な力が両スクロール部材に加わるため、両スクロール部材は互いに離反する方向に移動するため、液圧縮によるスクロールラップの破損を効果的に抑制することができる。
【0055】
次に、リングシール22の第二実施の形態を、図12のリングシール22の拡大断面図を用いて説明する。プラスチック製のコの字状リングシール22の内面にシールばね22aを装着した以外は第一の実施例と同様なので、その箇所以外の説明は省略する。これにより、起動時リングシール内外の圧力差が無い時でもばね力によりシール性を確保できるため、吐出ガスが旋回背面空間34や吸込み室35に流入せず、起動が常にスムーズに行うことができるという効果がある。
【0056】
次に、リングシール22の第三の実施の形態を、図13のリングシール22の拡大断面図を用いて説明する。プラスチック製のコの字状リングシール22の内面にリング溝2jの底に圧着する圧着シールばね22bを装着した以外は第二の実施例と同様なので、その箇所以外の説明は省略する。これにより、起動直後のリングシール内外の圧力差が小さい時でもばね力により非旋回引付力を付与できるので、起動を一層スムーズに行うことができるという効果がある。
【0057】
【発明の効果】
【0058】
本発明によれば、非旋回スクロール部材の軸方向における運動が許容される、低圧チャンバ方式のスクロール圧縮機において、信頼性と部品加工性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施例の縦断面図。
【図2】第一実施例の他の縦断面図。
【図3】第一実施例の圧縮室付近の断面拡大図。
【図4】第一実施例のリング溝付近の断面拡大図。
【図5】第一実施例のリングシールの断面図。
【図6】第一実施例の逆流抑制弁体の縦断面図。
【図7】第一実施例の逆流抑制弁体の平面図。
【図8】第一実施例のリテーナの平面図。
【図9】第一実施例の非旋回スクロール部材に逆流抑制弁及びリングシールを装着したサブアセンブリ時の上面図。
【図10】第一実施例の吐出カバーの上面図。
【図11】第一実施例の背圧弁の拡大断面図。
【図12】第二実施例のリングシールの拡大断面図。
【図13】第三実施例のリングシールの拡大断面図。
【符号の説明】
2…非旋回スクロール部材、2j…リング溝、3…旋回スクロ−ル部材、4…フレーム、5…オルダムリング、6…非旋回ホルダ、8…シャフト、10…背圧弁、22…リングシール、24…逆流抑制弁、26…給油ポンプ、29…非旋回引付圧領域、33…圧縮室、34…旋回背面空間。
Claims (7)
- 鏡板とスクロールラップを備え軸方向に垂直な面内を自転せずに旋回運動する旋回スクロール部材と、鏡板とスクロールラップを有し、この旋回スクロール部材と噛み合わされることで作動流体を圧縮する圧縮室が形成され、軸方向における運動が許容される非旋回スクロール部材と、前記両スクロール部材を軸方向に引離す向きの引離し力に対抗して前記両スクロール部材を軸方向に引付ける向きの引付力を各々の前記スクロール部材にかける引付力付加手段と、前記引付力と前記引離し力の合力である付勢力の反力を各々の前記スクロール部材に発生させるスクロール支持部材と、これらを内蔵するケースと、このケース外へ圧縮した前記作動流体を吐出する吐出パイプと、を有する低圧チャンバ方式のスクロール圧縮機において、
前記引付力付加手段は、前記非旋回スクロール部材の鏡板背面側で吐出口を含まない非旋回鏡板背面の外周側に、吐出圧となる非旋回引付領域とを備え、
前記非旋回スクロール部材の鏡板である非旋回鏡板に吐出カバーを配設することで、吐出圧の鏡板内空間を設け、この鏡板内空間から吐出圧の作動流体を前記スクロール圧縮機から吐出する吐出パイプを設けたスクロール圧縮機。 - 請求項1において、
前記吐出パイプを焼きなまし処理したことを特徴とするスクロール圧縮機。 - 請求項2において、
前記吐出パイプは、垂直部を有することを特徴とするスクロール圧縮機。 - 請求項1において、
前記非旋回引付圧領域と前記鏡板内空間とを連通する均圧流路を備えたスクロール圧縮機。 - 請求項4項において、
前記非旋回引付領域内に、前記非旋回引付領域の圧力と前記チャンバ内の圧力とを隔し、かつ、前記均圧流路は覆わない弾性体シールを配置したスクロール圧縮機。 - 請求項5において、
前記非旋回鏡板背面側で前記吐出口の周囲の前記非旋回スクロール部材に形成したリング溝と、
そのリング溝を覆うように配置し、前記弾性体シールを支持するシール支持体とを備え、
前記弾性体シールを前記リング溝の内周面と外周面及び前記シール支持体の面の3面と少なくとも接するような形状及び配置としたスクロール圧縮機。 - 鏡板とスクロールラップを備え軸方向に垂直な面内を自転せずに旋回運動する旋回スクロール部材と、鏡板とスクロールラップを有し、この旋回スクロール部材と噛み合わされることで作動流体を圧縮する圧縮室が形成され、軸方向における運動が許容される非旋回スクロール部材と、前記両スクロール部材を軸方向に引離す向きの引離し力に対抗して前記両スクロール部材を軸方向に引付ける向きの引付力を各々の前記スクロール部材にかける引付力付加手段と、前記引付力と前記引離し力の合力である付勢力の反力を各々の前記スクロール部材に発生させるスクロール支持部材と、これらを内蔵するケースと、このケース外へ圧縮した前記作動流体を吐出する吐出パイプと、を有する低圧チャンバ方式のスクロール圧縮機において、
前記引付力付加手段は、
前記非旋回スクロール部材の鏡板である非旋回鏡板に吐出口と連通する鏡板内空間を設けるために配設された吐出カバーと、
前記非旋回スクロール部材の鏡板背面側で吐出口を含まない非旋回鏡板背面の外周側に非旋回引付領域を形成するために配設されたリング溝、を覆うように前記非旋回スクロール部材の外周を覆う非旋回押えと、
前記リング溝に配設され、前記非旋回引付領域と前記低圧チャンバとを区画する弾性体シールと、
前記鏡板内空間の吐出圧を前記非旋回引付圧領域に導入するための均圧流路とを備えたスクロール圧縮機。
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