JPH0765580B2 - スクロール気体圧縮機 - Google Patents

スクロール気体圧縮機

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JPH0765580B2
JPH0765580B2 JP1113390A JP11339089A JPH0765580B2 JP H0765580 B2 JPH0765580 B2 JP H0765580B2 JP 1113390 A JP1113390 A JP 1113390A JP 11339089 A JP11339089 A JP 11339089A JP H0765580 B2 JPH0765580 B2 JP H0765580B2
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はスクロール気体圧縮機のスクロール部材の背面
を付勢する流体の圧力と給油通路の制御に関するもので
ある。
従来の技術 低振動、低騒音特性を備えたスクロール圧縮機は、吸入
室が外周部にあり、吐出ポートが渦巻きの中心部に設け
られ、圧縮流体の流れが一方向の往復動式圧縮機や回転
式圧縮機のように流体を圧縮するための吐出弁を必要と
せず圧縮比が一定で、吐出脈動も小さくて大きな吐出空
間を必要とせず、各分野への利用展開の実用化研究がな
されている。
しかし、圧縮室のシール部が多いので圧縮流体の漏れが
多く、特に、家庭空調用冷媒圧縮機のような小排除容量
のスクロール圧縮機の場合などは、圧縮部の漏れ隙間を
小さくするために渦巻き部の寸法精度を極めて高くする
必要があるが、部品形状の複雑さ、渦巻き部寸法精度バ
ラツキなどにより、スクロール気体圧縮機のコストが高
く、性能のバラツキも大きく、特に圧縮機低速度運転状
態では、圧縮途中の気体漏れが多く、圧縮効率が往復動
式圧縮機や回転式圧縮機よりも低いという欠点を有して
いる。
そこで、この種の課題解決のための方策として、圧縮途
中の気体漏れ防止のために潤滑油を利用した油膜シール
効果により渦巻き部寸法精度の適性化と圧縮効率向上を
期待することが大きく、第23図に示すように吐出室底部
の潤滑油を減圧して圧縮途中の圧縮室に直接流入させる
構成が考えられ、同図は密閉容器701内の上部にモータ7
03を配置し、下部に圧縮部を配置して密閉容器内空間70
2を吐出室とした構成で、吐出室底部の油溜710の潤滑油
を油吸い込み管722を介して圧縮途中の圧縮室723にその
底面部から直接流入させる構成がある(特開昭57−8386
号公報)。
また、第24図の構成も考えられ、圧縮部を上部に配置
し、モータ816と吐出室812に通じる油溜822とを下部に
配置し、旋回スクロール801には密閉空間809と旋回スク
ロール801の背圧室817とを連通する、絞り効果を有した
導通穴818が設けられ、背圧室817が吸入圧力と吐出圧力
の中間圧力状態で旋回スクロール801を固定スクロール8
02に押し付ける構造で、油溜822の潤滑油はクランク軸8
07に設けられた長手方向の溝819,820,821、クランク軸8
07を支持する各軸受の摺動部微少隙間を介して背圧室81
7に流入し、さらに導通穴818を介して密閉空間809に流
入させる構成がある(特開昭59−110884号公報)。
発明が解決しようとする課題 しかしながら上記の第23図のような、吐出室圧力に等し
い密閉容器内空間702の底部の油溜710の潤滑油を圧縮途
中の圧縮室723に差圧により流入させる構成では、冷媒
圧縮機などのように閉循環系で使用する際に、圧縮機停
止中にその自重や差圧等により圧縮機外部の冷凍サイク
ルから圧縮機内に帰還した多量の冷媒が液化状態で油溜
710の上部のモータ703下面にまで溜まり、冷媒液や潤滑
油が油吸い込み管722などを通じて圧縮室723に流入し、
充満する場合もあり、このような状態では圧縮負荷が過
大のため再起動運転不能であり、例えモータ703の起動
トルクが大きくて再起動できるとも圧縮機破損を招く。
また、油溜710の潤滑油を常に圧縮途中の圧縮室723に流
入させる構成では、モータ703の回転速度が変化して圧
縮機運転される場合などは必ずしも圧縮室723への潤滑
油給油によって圧縮効率を向上させ得るものではない。
すなわち、圧縮室間隙間からの吸入気体容積当たりの圧
縮気体漏れ量は、圧縮時間の長い時に多く、圧縮時間の
短い時に少ない。したがって、圧縮機低速度運転時に
は、より積極的な圧縮室への潤滑油供給によって圧縮気
体漏れを少なくし、圧縮効率を改善するものである。し
かし、圧縮機高速度運転時には圧縮効率の改善につなが
らず、むしろ、圧縮気体漏れが少なく、潤滑油中に混入
している冷媒ガスの流入によって圧縮室圧力が高くな
り、過圧縮状態で圧縮トルクが大きくなる。
このような理由により、圧縮機が低速度から高速度まで
の広範囲運転される場合には、圧縮途中の圧縮室への潤
滑油流入量を調整する必要がある。勿論、上図の構成で
も油吸い込み管722からの潤滑油流入開口部が旋回スク
ロールによって間欠的に開閉され、高速度運転時の給油
量がある程度制限されるが、閉塞部長さが短いために給
油量調整範囲も少なく、可変速度運転に供されるスクロ
ール気体圧縮機には積極的に圧縮室へ給油することが困
難であるという課題があった。
また、第24図の構成では圧縮室への給油通路の途中に、
吐出圧力が作用する油溜から差圧給油される背圧室817
を配置しており、圧縮機定常速度運転時には、油溜から
背圧室817へ流入する潤滑油量および背圧室817から圧縮
室の密閉空間809に流入する潤滑油量が適正設定され、
背圧室圧力を適正に維持して効率のよい圧縮運転を継続
できる。しかしながら、上記第23図の場合と同様に、密
閉空間809への潤滑油流入開口部が旋回スクロールによ
って間欠的に開閉され、その結果、通路抵抗が増加し、
背圧室817から圧縮室の密閉空間809に流入する潤滑油量
が次第に少なくなる圧縮機高速度運転時には、背圧室81
7の圧力が必要以上に高くなり、旋回スクロールと固定
スクロールとの間の摺動面の摩擦抵抗が増加し、動力損
失が多くなると共に、摺動面の摩耗が早くなる。
また、圧縮機停止後しばらくの間は、圧縮室と油溜との
間の差圧や圧縮室と背圧室817との間の差圧によって潤
滑油が圧縮室に流入し、圧縮機の再起動時には多量の潤
滑油を圧縮し、起動負荷が過大になり、駆動軸摺動部の
耐久性が低下する。
また、圧縮機運転時に、背圧室817に通じる圧縮室で液
圧縮が生じた場合は、絞り効果を有する給油通路を介し
て圧縮流体が背圧室817に逆流し、背圧室圧力が異常に
上昇し、液圧縮が解除した後も暫くの間、背圧室圧力が
適正圧力にまで降下せず、旋回スクロールと固定スクロ
ールとの間の摺動面の摩擦や摩耗が大きく、過負荷にも
なるという課題があった。
また、このような背圧室の異常圧力上昇や過負荷を防止
する方策の一つとして第25図と第26図の構成が考えられ
ている。第25図と第26図は空気圧縮機の例で、旋回スク
ロールに作用する背圧を制御する構成を有し、背圧異常
上昇時や過負荷時には背圧を低圧吸入系に逃がし、押圧
力を減じる特徴を有する。すなわち、第25図は旋回スク
ロール902を固定スクロール901の側に押しつける背圧が
圧力源915から背圧室935に導入されており、吐出口901d
には逆止弁919aを介して圧力タンク920が接続され、こ
の圧力タンク920には高圧圧力スイッチ921が設置されて
いる。また、固定スクロール901に設けられた吸入口901
cには、吸入フィルタ914から吸入管918が接続され、背
圧室935と吸入管918とは高圧圧力スイッチ921の開閉や
背圧室935の圧力を検知する他の圧力スイッチによって
制御される電磁弁923aを介したバイパス管路924によっ
て接続されている。このような構成において、圧力タン
ク920に吐出された圧力空気が高圧の設定圧力に達して
高圧圧力スイッチ921が作動した場合、または背圧室935
の圧力が異常上昇した場合には、電磁弁923aが開路し、
背圧室935内の圧力ガスを吸入管918である吸入系側に逃
がすべく圧力リリーフ弁として作動し、背圧室935の背
圧力を吸入圧力近くまで降下させ、旋回スクロール902
の軸方向押し付け力を軽減し、圧縮室の軸方向隙間を拡
大して圧縮空気漏れを生じさせ、圧縮空気圧力を低下せ
しめて圧縮負荷を軽減させる構成である(特開昭57−76
291号公報)。また、第26図は、圧縮機本体内に上記第2
5図における電磁弁923のようなリリーフ弁を形成した構
成である。すなわち、固定スクロール901の吸入口901c
と背圧室935を形成するフレーム909とを直接連絡する背
圧逃がし孔929a,929bを設け、途中に弁室935aを形成
し、この弁室935aに鋼球の弁体930および座板931を介し
弁体935aを押圧するバネ932が配置されている。このよ
うな構成において、背圧室935が設定圧力以下の場合に
は、バネ932の押圧力により弁体930は背圧逃がし孔929a
を塞ぎ正常運転が行われる。背圧室935の圧力が異常高
圧になれば、この圧力はバネ932の押圧力に打ち勝って
弁体930の押し下げ逃がし孔929aを開路し、背圧を吸入
口901cに逃がし、背圧力を降下せしめる構成である。
しかしながら、上記第25図の構成では、圧力タンク920
の圧力を検出する高圧圧力スイッチ921、バイパス通路
を開閉するための電磁弁923a、さらには、高圧スイッチ
921と電磁弁923aとを連係させるための電気回路を必要
とするなど、背圧室935の圧力を制御するための機構が
複雑で、コストが高く、圧縮機小型化が困難である。
また、上記第26図の構成では、圧縮機運転速度に関係な
く背圧室935の圧力が制御されるので、圧縮室の流体圧
力や圧力変動さらには旋回スクロール902に生じる遠心
力に起因して生じる旋回スクロール902の傾きやジャン
ピング現象を抑制するために過度の背圧付勢力を付与す
る必要があり、これによって旋回スクロール902と固定
スクロール901との間の摩擦抵抗が大きく、圧縮機効率
や耐久性が著しく低下するなどの課題があった。
また、特開昭62−178791号公報では、上記課題を改善す
るための構成が示されている。同発明は、背圧室と吸入
室(または背圧室と圧縮室)との間を連通する給油通路
を旋回スクロールを介して設け、その給油通路の途中
に、旋回スクロールの旋回速度に追従して給油通路の絞
り開度を変化させる給油通路制御弁装置を設けることに
より、旋回スクロールの旋回速度に追従して背圧室圧力
を制御すると共に吸入室(または圧縮室)への給油量も
制御する構成である。
しかしながら、上記構成は、給油通路の下流側が吸入側
または圧縮室のいづれか一方に限定され、給油通路が背
圧室圧力に関係なく開度制御される構成のため、背圧室
圧力の制御範囲が限られ、最適な背圧力設定による圧縮
機効率の一層の改善が望まれていた。
本発明は、上記従来の課題に鑑み、旋回スクロールの旋
回速度に追従して圧縮室および吸入側への給油通路を切
り換えることのできる給油通路切換え弁装置を提供する
ことを目的とする。
また、本発明は、圧縮機の停止時、または極低速運転時
に、潤滑油供給元と圧縮室および吸入室との間の給油通
路を遮断させる給油通路制御弁装置を提供し、圧縮機起
動初期の負荷軽減と圧縮機破損を防止することを目的と
するものである。
また、本発明は、圧縮機の停止時、または極低速運転時
に、旋回スクロールの背圧室と圧縮室および吸入室との
間の給油通路を遮断させる給油通路制御弁装置の作動信
頼性と耐久性を向上させることを目的とするものであ
る。
また、本発明は、圧縮機起動初期における旋回スクロー
ル周辺部の潤滑油およびその上流側の潤滑油供給元の潤
滑油の流失を阻止し、圧縮機起動初期の焼付きを防止す
ることを目的とするものである。
また、本発明は、圧縮機運転速度に応じて、旋回スクロ
ールを固定スクロールの側に押し付け過ぎないように、
旋回スクロールの背圧室圧力を調整することを目的とす
るものである。
また、本発明は、圧縮機起動初期の異常振動や異常騒音
および背圧室に係わる摺動部の焼付きの発生を防止する
ことを目的とする。
また、本発明は、圧縮機運転速度と流体温度の両方に応
じて(圧縮機運転状態に応じて)、旋回スクロールを固
定スクロールの側に押し付け過ぎないように、旋回スク
ロールの背圧室圧力を調整することを目的とするもので
ある。
また、本発明は、背圧室圧力の制御範囲を拡大すること
のできる給油通路の切り換え弁装置を提供することを目
的とする。
また、本発明は、旋回速度が早く、吸入流体圧力が低
く、圧縮部温度が高いほど旋回スクロールの背圧力を低
く制御して、動力損失を低減できる給油通路の切り換え
弁装置を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段 上記目的を達成するために本発明のスクロール気体圧縮
機は、スクロール圧縮機構を密閉容器に収納した構成に
おいて、吐出圧力の作用する吐出室油溜、旋回スクロー
ルのラップ支持円板の反圧縮室側に設けた旋回スクロー
ルの背圧室、ラップ支持円板内に設けた半径方向通路を
順次経由し、圧縮室および吸入室を下流側とする給油通
路を設け、半径方向通路の途中には、旋回スクロールの
旋回速度に追従して作動する給油通路制御弁装置を配置
し、給油通路制御弁装置には、旋回スクロールの旋回速
度が設定値以下の場合に背圧室と圧縮室とを連通させ、
旋回スクロールの旋回速度が設定値を超えた場合に、背
圧室と圧縮室との間を遮断し、背圧室と吸入室との間を
連通させるべく作動する給油通路切り替え機能を備えた
ものである。
また、本発明は、吐出圧力の作用する吐出室油溜、旋回
スクロールのラップ支持板の反圧縮室側に設けた旋回ス
クロールの背圧室、ラップ支持円板内に設けた半径方向
通路を順次経由し、圧縮室および吸入室を下流側とする
給油通路を設け、半径方向通路の途中には、旋回スクロ
ールの旋回運動に基づく遠心力により作動する給油通路
制御弁装置を配置し、給油通路制御弁装置には、旋回ス
クロールの旋回速度が一定値以下の場合に、半径方向通
路を遮断させるための開閉弁を設けたものである。
また、本発明は、旋回スクロールの旋回速度が一定値以
下の場合に、半径方向通路を遮断させるための開閉弁に
付勢力を与えるバネ装置を備えたものである。
また、本発明は、吐出圧力の作用する吐出室油溜、旋回
スクロールのラップ支持円板の反圧縮室側に設けた旋回
スクロールの背圧室、ラップ支持円板内に設けた半径方
向通路を順次経由し、圧縮室および吸入室を下流側とす
る給油通路を設け、半径方向通路の途中には、逆止弁を
設けたものである。
また、本発明は、吐出圧力の作用する吐出室油溜、旋回
スクロールのラップ支持円板の反圧縮室側に設けた旋回
スクロールの背圧室、ラップ支持円板内に設けた半径方
向通路を順次経由し、吸入室を下流側とする給油通路を
設け、半径方向通路から分岐して半径方向外側部に向か
う弁穴を設け、弁穴には弁穴を移動する弁体と弁体を半
径方向中心部に付勢するバネ装置とを配置し、弁体が弁
体に作用する遠心力と弁体に作用する流体圧力とによっ
てバネ装置に抗して半径方向外側部へ前進すると給油通
路の開度を広げるべく作用する開度調整弁装置を備えた
ものである。
また、本発明は、圧縮機が停止中、吸入室や圧縮室への
給油通路を遮断するものである。
また、本発明は、弁体を付勢するバネ装置は、それ自身
の温度が上昇すれば付勢力を増し、それ自身の温度が低
下すれば付勢力を減じるべく形状記憶特性を備えたもの
である。
また、本発明は、背圧室に連通する圧縮室を圧力の異な
る2室以上備えたものである。
また、本発明は、給油通路制御弁装置の弁体は、旋回ス
クロールの旋回速度が早く、背圧室と圧縮室または吸入
室との間の差圧が大きいほど半径方向通路の外側部へ移
動せしめ、背圧室との連通先圧力を順次切り替えて低下
させるべく作動する給油通路切り替え機能を備えたもの
である。
作用 上記手段による作用は、以下のとおりである。
本発明は、圧縮時間が長くて吸入気体容積当たりの圧縮
途中気体漏れ量の多い圧縮機設定速度以下運転時には、
給油通路制御弁装置が作動して、吸入室への連通が遮断
すると共に潤滑油供給元と圧縮室とが連通する。これに
よって、圧縮気体を含む潤滑油が吐出圧力の作用する吐
出室油溜(以下、潤滑油供給元と称する)から圧縮室に
流入し、隣接する圧縮室間隙間が油膜により密封され、
圧縮気体漏れ量が少なくすると共に、潤滑油に含まれる
気体の流入によって圧縮圧力が所要吐出圧力まで上昇す
る。また、圧縮時間が短くて吸入気体容積当たりの圧縮
途中気体漏れ量の少ない圧縮機設定運転速度を超えた運
転時には、給油通路制御弁装置が作動して、圧縮室への
連通が遮断すると共に潤滑油供給元と吸入室(または吸
入室に通じる吸入側)とが連通して潤滑油流入通路が切
り替わる。その結果、圧縮室への吐出気体を含んだ潤滑
油強制流入がなくなり、圧縮行程最高圧縮の異常上昇が
無くなると共に、潤滑油が潤滑油供給元から吸入室に流
入し、吸入気体と共に圧縮室に自然吸入され、隣接する
圧縮室間隙間を吸入初期行程から吐出行程までの全域に
渡り密閉すると共に圧縮室内壁面を潤滑し、旋回スクロ
ールがジャンピングする際に固定スクロールとの間で生
じる衝突音や振動が緩和できる。
また、本発明は、圧縮機停止中に、潤滑油供給元から圧
縮室および吸入室への潤滑油流入がなく、圧縮機の再起
動時の液圧縮が生じない。また、潤滑油供給元の潤滑油
流出による潤滑油不足も生じない。また、潤滑油供給元
の潤滑油圧力が上昇し得ない極低速運転状態が長く続く
場合でも圧縮途中気体が潤滑油供給元へ逆流せず、潤滑
油供給元の潤滑油が他の部分へ流出することもない。
また、本発明は、圧縮機の運転時振動や潤滑油供給元、
圧縮室、吸入室の圧力変動が多少ある場合でも、安定し
て開閉弁を給油通路を遮断する方向に付勢する。また、
圧縮機運転速度の変動が大きい極低速度運転時のように
開閉弁に作用する遠心力の変動も大きい場合でも、安定
して開閉弁を給油通路を手段とする方向に付着し、開閉
弁の微少振動やチャタリングが生じるのを防止できる。
また、本発明は、圧縮機起動初期や圧縮機停止直後の圧
縮流体逆流の際などのように、潤滑油供給元の潤滑油圧
力よりも圧縮室内圧力が高い場合でも、圧縮室内から圧
縮気体が潤滑油供給元へ逆流するのを阻止し、潤滑油供
給元の潤滑油流出を防ぎ、潤滑油供給元の潤滑油不足を
防ぎ、圧縮機起動初期の摺動部への給油を確保すること
が出来る。
また、本発明は、旋回スクロールの旋回速度が増加し、
吸入気体圧力が低下するに伴って圧縮室内気体圧力も低
下し、旋回スクロールを固定スクロールの側に付勢する
力を減少させる必要のある場合には、背圧室と吸入室と
の間の給油通路の通路抵抗が少なくなり、背圧室から吸
入室への潤滑油流入量が増加して、背圧室圧力が降下
し、旋回スクロールと固定スクロールとの間の軸方向接
触力を弱め、摺動部の摩擦抵抗を少なくする。
また、本発明は、圧縮機停止中、吸入室や圧縮室への給
油通路が遮断され、吸入室および圧縮室への潤滑油の流
入を防止すると共に、圧縮機再起動初期の摺動部への給
油量を確保できる。
また、本発明は、旋回スクロールの旋回速度が増加し、
吸入気体圧力が低下するに伴って圧縮室内気体圧力も低
下し、旋回スクロールを固定スクロールの側に付勢する
力を減少させる必要のある場合には、旋回スクロールの
旋回速度が増加するに伴って、旋回スクロールを駆動す
る駆動軸や固定スクロールとの間の摺動部で発生する摩
擦熱も増加し、それに伴って給油通路を制御する弁体を
付勢するバネ装置の温度が上昇し、給油通路を狭めるべ
く方向に弁体を付勢するバネ付勢力が弱まると共に、弁
体に作用する遠心力も増加して給油通路が広がる。その
結果、背圧室と吸入室との間の給油通路の通路抵抗が少
なくなり、背圧室から吸入室への潤滑油流入量が増加し
て、背圧室圧力が降下し、旋回スクロールと固定スクロ
ールとの間の軸方向接触力を弱め、摺動部の摩擦抵抗を
少なくする。
また、本発明は、旋回スクロールの旋回速度に応じて背
圧室と圧縮室との間の差圧が2種類以上生じ、それに伴
って背圧室圧力も変化し、圧縮室の圧力変化に応じた背
圧室圧力をえることができる。
また、本発明は、旋回スクロールの旋回速度が増加し、
それに伴って圧縮室圧力も低下する。一方、旋回スクロ
ールを固定スクロールの側に背圧付勢するために設けた
背圧室と背圧室の下流側との間の差圧も順次広がり、背
圧室圧力も順次低下し、旋回スクロールの背圧付勢力を
適切に調整することができる。
実施例 以下、本発明による第1の実施例のスクロール冷媒圧縮
機について、第1図〜第12図を参照しながら説明する。
第1図において、1は鉄製の密閉ケースで、その内部が
旋回スクロール18と噛み合って圧縮室を形成する固定ス
クロール部材15eにより、上側のモータ室6と下側のア
キュームレータ室46とに仕切られている。モータ室6は
高圧雰囲気で、上部にモータ3、下部に圧縮部を配置
し、モータ3の回転子3aに固定された駆動軸4を支承す
る圧縮部の本体フレーム5は、軽量化と、軸受部の熱発
散を主目的とした熱伝導特性に優れたアクミニウム合金
製で、固定スクロール部材15eにボルト固定されると共
に、その外周部に溶接性に優れた鉄製のライナー8が焼
ばめ固定され、ライナー8の外周面が密閉ケース1に全
周内接し、部分的に養成固定されている。
モータ3の固定子3bは、密閉ケース1に内接固定されて
いる。
駆動軸4は本体フレーム5の上端部に設けられた上部軸
受11、中央部に設けられた主軸受12、本体フレーム5の
上端面とモータ3の回転子3aの下部端面との間に設けら
れたスラスト玉軸受13とで支持され、その下端部には、
駆動軸4の主軸から偏心した偏心軸受14が設けられてい
る。
固定スクロール部材15eは、アルミニウム合金製の固定
スクロール15と、その外周に焼きばめ固定された溶接性
に優れた鉄製の仕切りライナー79とで構成されている。
固定スクロール15は、渦巻き状の固定スクロールラップ
15aと鏡板15bから成り、鏡板15bの中央部には、固定ス
クロールラップ15aの巻き始め部に開口する吐出ポート1
6が、モータ室6に開通する吐出通路80に連通して設け
られ、固定スクロールラップ15aの外周部には吸入室17
が設けられている。
固定スクロールラップ15aに噛み合って圧縮室を形成す
る渦巻き状の旋回スクロールラップ18aと、駆動軸4の
偏心軸受14に支持された旋回軸18bとを直立させたラッ
プ支持円板18cとから成るアクミニウム合金製の旋回ス
クロール18は、固定スクロール15と本体フレーム5と駆
動軸4とに囲まれて配置されており、ラップ支持円板18
cの表面は硬質アルマイト処理などによる硬化処理がな
されている。
吐出通路80は、本体フレーム5に取りつけられた吐出ガ
スガイド81、本体フレーム5に設けられたガス通路A80
a、固定スクロール13に設けられたガス通路B80b、ガス
通路C80cとから成り、吐出ポート16に連通して横方向に
設けられたガス通路C80cと縦方向に設けられたガス通路
B80bとの通路途中には、逆止弁装置50が設けられてい
る。
逆止弁装置50は、逆止弁穴50aと弁体50bと弁体付勢用の
バネ装置50cとから成る。逆止弁穴50aはガス通路C80cの
直径よりも大きい円筒状の横穴で、固定スクロール15の
外周面に開口し、側面にはガス通路B80bが開口してお
り、その開口端は弁体50bやバネ装置50cの外形寸法より
も小さく設定されている。
弁体50bは、ガス通路C80cと逆止弁穴50aとの接続部の段
付き部にまで移動し得る寸法構成である。
仕切りライナー79は、固定スクロール15の段付き外周部
の下側の小径外周部に焼きばめ固定され、その焼きばめ
面を密封すると共に、逆止弁穴50aの開口端を塞ぐ。
また、仕切りライナー79の外周面とその外周面部の全周
に設けられた突起条部79aは、上部密閉ケース1aと下部
密閉ケース1bとの内壁面とに当接しており、突起条部79
aと上部密閉ケース1aと下部密閉ケース1bとが単一の溶
接ビード79bによって密封溶接されている。
冷凍サイクルの蒸発器側に通じるアキュームレータ室46
は、下部密閉ケース1bと固定スクロール部材15eとで形
成され、下部密閉ケース1bの内側には樹脂製の断熱カバ
ー82が取りつけられている。
樹脂製のバッフル83は、固定スクロール部材15eと断熱
カバー82との間に挟持されて、アキュームレータ室46を
下側の気液分離室84と上側の吸入通路85とに仕切ってい
る。
下部密閉ケース1bと断熱カバー82の側壁を貫通してバッ
フル83より下部に設けられた吸入管47は、その終端部が
バッフル83に対抗して開口し、気液分離室84と吸入通路
85とを連通するバッフル83に設けられた吸入ガイド穴86
から離れた位置に設けられている。
また、吸入管47の途中には小径の油穴87が設けられ、気
液分離室84の底部に滞留している冷媒液や潤滑油が少量
ずつ吸入管47に再流入する。
固定スクロール15に設けられた縦穴の2個の吸入穴43は
吸入室17と吸入通路85とを連通している。
本体フレーム5に固定された割りピン形の平行ピン19に
拘束されて軸方向にのみ移動が可能なスラスト軸受20
と、固定スクロール15の鏡板15bとの間には、スペーサ2
1が設けられ、スペーサ21の軸方向寸法は、油膜による
摺動部のシール性向上のために、ラップ支持円板18cの
厚さよりも約0.015〜0.020mm大きく設定されている。
駆動軸4の偏心軸受14の底部と、旋回スクロール18の旋
回軸18bの軸部との間の偏心軸受空間36と、ラップ支持
円板28cの外周部空間37とは、旋回軸18bとラップ支持円
板18cに設けられた油穴A38aにより連通されている。
スラスト軸受20は焼結合金製で、第2図、第5図、第6
図のように、その中央部が2つの平行な直線部分22と、
それに連なる2つの円弧状曲線部分23から成る形状の精
密な穴が貫通成形されている。
旋回スクロール18の自転阻止部材(以下、オルダムリン
グという)24は、焼結成形や射出成形工法などに適した
軽合金や強化繊維複合樹脂材料から成り、含油特性も有
し、第2図、第4図、第5図、第6図のように両面が平
行な薄い環状板24aと、その一面に設けられた一対の平
行キー部分24bとから成り、環状板24aの外輪郭は、2つ
の平行な直線部分25とそれに連なる2つの円弧状曲線部
分26から成り、直線部分25が第5図、第6図のようにス
ラスト軸受20の直線部分22に微少隙間で係合し、摺動可
能であり、平行キー部分24bの側面24cは、直線部分25の
中央部で直交し、そして第2図のように、旋回スクロー
ル18のラップ支持円板18cに設けられた一対のキー溝71
に微少隙間で係合し、摺動可能な形状に設定されてい
る。なお、環状板24aの内輪郭は、外輪郭に類似した形
状である。また、平行キー部分24bの付け根に設けられ
たヘコミ部24dは潤滑油の通路にもなる。また、円弧状
曲線部分に設けられたヘコミ部24eも同様な潤滑油の通
路である。
第1図、第3図のように、本体フレーム5とスラスト軸
受20との間には、約0.1mmのレリース隙間27が設けら
れ、そのレリース隙間27に対向して本体フレーム5にも
環状溝28が設けられ、環状溝28を囲んだゴム製のシール
リング70が、本体フレーム5とスラスト軸受20との間に
装着されている。
上部密閉ケース1aの上端壁の外周部には、吐出管31、中
央部にはモータ電源接続用のガラスターミナル88が取り
つけられている。
吐出管31とガラスターミナル88との側と、モータ3の側
とを、上部密閉ケース1aに取りつけられた薄板の油セパ
レータ89が仕切り、油セパレータ89の中央部には、打ち
抜き穴90が設けられている。
モータ室6の下部に設けられた吐出室油溜34は、モータ
室6の上部とモータ3の固定子3bの外周の一部をカット
して設けた冷却通路35により連通されている。また、吐
出室油溜34は、本体フレーム5に設けられた油穴D38dを
介して環状溝28に通じると共に、油穴B38bを介してオル
ダムリング24が配置された旋回スクロール18の背圧室39
にも、下部軸受11の摺動部微少隙間と主軸受12の摺動部
油溝(図示なし)を介して通じ、更に偏心軸受14に設け
られた油溝A40aを介して偏心軸受空間36へも連通してい
る。
また、本体フレーム5に設けられた油穴B38bは、駆動軸
4の上部軸受11に対応する下部軸部4aの表面に設けられ
た螺旋状油溝41にも通じており、螺旋状油溝41の巻き方
向とその通路は、駆動軸4が正回転する時に潤滑油の粘
性を利用したネジポンプ作用により油穴B38bからの潤滑
油が循環するような経路を構成して設けられ、その上端
は上部軸受4aの途中まで形成されている。
駆動軸4の下端部の偏肉部重量と偏心量および旋回スク
ロール18の重量によって生じる回転不釣り合いは、回転
子3aの上端と下端に取りつけられたバランスウェイト7
5,76により解消される。
吸入室17にも吐出ポート16にも連通しない第2圧縮室51
と外周部空間37とは、第2圧縮室51に開口して、旋回ス
クロール18のラップ支持円板18cに設けられた細径のイ
ンジェクション穴52と油穴C38cとから成るインジェクシ
ョン通路55で連通され、油穴C38cには第8図〜第10図に
示すような、旋回スクロール18の旋回速度に応じてその
給油通路が切り替わり、且つ、逆止弁機能を備えた給油
通路制御弁装置91が装着されている。
逆止弁装置91は、油穴C38cの段付き小径円筒穴92に装着
された弁体93と、油穴C38cの大径円筒穴92aに装着され
たプランジャー94、プランジャー94を付勢するコイルバ
ネ95と、コイルバネ95の移動を止め、その中央部に油通
路96を備えた止めネジ97とで構成されている。
テフロンやセラミックスのような軽比重材質から成る弁
体93は、その外周部に貫通した縦溝93aが設けられ、小
径円筒穴92の中で円滑な往復移動が可能である。真鍮の
ような比重の大きい材質から成るプランジャー94は、そ
の中央部に通路A98a、その外周部に円周溝98c、通路A98
aと円周溝98cとを連通する通路B98bが設けられている。
コイルバネ95は、それ自身の温度が設定温度以上(例え
ば130℃)になると収縮し、それ自身の温度が下降する
と伸長する形状記憶特性を備えた材質から成る。
旋回スクロール18のラップ支持円板18cには、吸入室17
と大径円筒穴92とを連通する細径のバイパス穴99が設け
られ、プランジャー94の静止位置によりバイパス穴99が
開閉される。
第11図において、横軸は駆動軸4の回転角度を示し、縦
軸は冷媒圧力を示し、吸入・圧縮・吐出過程における冷
媒ガスの圧力変化状態を示し、実線62は正常圧力で運転
時の圧力変化を示し、点線63は異常圧力上昇時の圧力変
化を示す。
第12図において、横軸は駆動軸4の回転角度を示し、縦
軸は冷媒圧力を示し、実線64は、吐出室2にも吸入室17
にも連通しない第2圧縮室51a,51bのインジェクション
穴52a,52bの開口位置における圧力変化を示し、点線65
は吸入室17に連通する第1圧縮室61a,61b(第7図参
照)の定点における圧力変化を示し、一点鎖線66は吐出
室2に連通する第3圧縮室60a,60bの定点における圧力
変化を示し、二点鎖線67は、第1圧縮室61a,61bと第2
圧縮室51a,51bとの間の定点における圧力変化を示し、
二重点線68は背圧室39の圧力変化を示す。
次に、他の発明による給油通路の開度調節弁装置の実施
例のスクロール冷媒圧縮機について第13図〜第16図を参
照しながら説明する。
第13図、第14図は、給油通路の開度調整弁装置を旋回ス
クロールのラップ支持円板の外周部に装着した例で、上
記実施例と同じ構成部品には同符号を付与している。
第13図は、圧縮機停止時における開度調節弁装置101の
弁体位置と給油通路の開度状態を示しており、背圧室39
と吸入室17との間が円筒状のプランジャー194によって
遮断されている。すなわち、旋回スクロール118のラッ
プ支持円板118cの外周部には、円筒状の弁穴192がラッ
プ支持円板118cの半径方向に設けられている。弁穴192
は、その最外端部が盲栓197によって塞がれ、その底部
がラップ支持円板118cに設けられたガス抜き穴102を介
して吸入室17に通じており、旋回スクロール118の中心
部に近い側が段付形状を成してプランジャー194の端面
が当接している。
弁穴192にはプランジャー194とコイルバネ195が装着さ
れ、プランジャー194の外周部と弁穴192の内周部との間
は潤滑油を密封できる程度の微少隙間が保持され、プラ
ンジャー194がコイルバネ195の付勢力によって弁穴192
の底部まで移動している。この状態で、ラップ支持円板
118cに設けられた小穴196と弁穴192の底部と斜め穴199
とで形成され背圧室39と吸入室17との間を連通する給油
通路がプランジャー194によって遮断されている。コイ
ルバネ195は、それ自身の温度が上昇すると長さが収縮
してその付勢力を弱め、それ自身の温度が低下すると長
さが伸長してその付勢力を強める形状記憶特性を有する
材質から成る。
第14図は、圧縮機運転時における開度調節弁装置101の
弁体位置と給油通路の開度状態を示しており、プランジ
ャー194に作用する遠心力とプランジャー194の両端面に
作用する流体の差圧力との合力とコイルバネ195の付勢
力とが釣り合った位置でプランジャー194が静止し、そ
の事によって、弁穴192への斜め穴199の開口端の一部を
塞いでいる。
また、第15図、第16図は、背圧室と圧縮室との間を連通
する給油通路の途中に開度調節弁装置を上記第13図、第
14図と同様に、旋回スクロールのラップ支持円板の外周
部に装着した例で、上記実施例と同じ構成部品には同符
号を付与している。
第15図は、圧縮機停止時における開度調整弁装置201の
弁体位置と給油通路の開度状態を示してとおり、上記第
13図、第14図における背圧室39よりも背圧面積の少ない
背圧室239と第2圧縮室(51a,51b)との間が円筒状のプ
ランジャー294によって遮断されている。すなわち、旋
回スクロール218のラップ支持円板218cの外周部には、
円筒状の弁穴292がラップ支持円板218cの半径方向に設
けられている。弁穴292は、その最外端部が盲栓で297に
よって塞がれ、その底部がラップ支持円板218cに設けら
れたガス抜き穴202を介して吸入室17に間欠的に連通す
る第2圧縮室(51a,51b)に通じており、旋回スクロー
ル218の中心部に近い側が段付形状を成してプランジャ
ー294の端面が当接している。
弁穴292にはプランジャー294とコイルバネ295が装着さ
れ、プランジャー294の外周部と弁穴292の内周部との間
は潤滑油を密封できる程度の微少隙間が保持され、プラ
ンジャー294がコイルバネ295の付勢力によって弁穴292
の底部まで移動している。この状態で、ラップ支持円板
218cに設けられた小穴296と弁穴292の底部と斜め穴292
とで形成され背圧室239と第2圧縮室(51a,51b)との間
を連通する給油通路がプランジャー294によって遮断さ
れている。コイルバネ295は、上記第13図、第14図の場
合と同様に、それ自身の温度が上昇すると長さが収縮し
てその付勢力を弱め、それ自身の温度が低下すると長さ
が伸長してその付勢力を強める形状記憶特性を有する材
質から成るが、温度変化に対する付勢力の変化する割合
は、設定温度(例えば100℃)を越えた範囲で急増する
特性を有している。
第16図は、圧縮機運転時における開度調節弁装置201の
弁体位置と給油通路の開度状態を示しており、プランジ
ャー294に作用する遠心力とプランジャー294の両端面に
作用する流体の差圧力との合力とコイルバネ295の付勢
力とが釣り合った位置でプランジャー294が静止し、そ
の事によって、弁穴292へ斜め穴299の開口端の一部を塞
いでいる。
更に、別の発明の給油通路切り換え弁装置の実施例を第
17図〜第22図に示す。同図は、背圧室と圧縮室および吸
入室との間を連通する給油通路の途中に給油通路切り換
え弁装置を上記第13図、第14図と同様に、旋回スクロー
ルのラップ支持円板の外周部に装着した例で、上記実施
例と同じ構成部品には同符号を付与している。
第17図は、圧縮機停止時における給油通路切り換え弁装
置301の弁体位置と給油通路を示しており、背圧室339と
吸入室17,吸入室17と間欠的に連通する第2圧縮室(51
a,51b)および吐出室と一時的にも連通しない常時密閉
空間の第4圧縮室362との間が円筒状の比重の大きい材
質から成るプランジャー394によって遮断されている。
すなわち、旋回スクロール318のラップ支持円板318cの
外周部には、円筒状の弁穴392がラップ支持円板318cの
半径方向に設けられている。弁穴392は、その最外端部
が盲栓397によって塞がれ、その底部がラップ支持円板3
18cに設けられたガス抜き穴302を介して吸入室17に間欠
的に連通する第2圧縮室(51a,51b)に通じており、旋
回スクロール318の中心部に近い側が段付形状を成して
プランジャー394に隣接して配置されたセラミックなど
の軽比重材質から成る逆止弁393の端面が当接してい
る。
弁穴392にはプランジャー394とそれぞれの自由長さが異
なるコイルバネ395a,395b,395cが装着され、プランジャ
ー394の外周部と弁穴392の内周部との間は潤滑油を密封
できる程度の微少隙間が保持され、プランジャー394と
逆止弁393とが自由長さの最も長いコイルバネ295aの付
勢力によって弁穴392の底部まで移動している。この状
態で、ラップ支持円板318cに設けられた細径の小穴396
と弁穴392の底部と吸入室17に開口する細径の斜め穴39
9,第2圧縮室(51a,51b)に開口する細径のインジェク
ション穴352,第4圧縮室362に開口する細径インジェク
ション穴370とで形成され背圧室339と第2圧縮室(51a,
51b)との間を連通する給油通路がプランジャー394によ
って遮断されている。プランジャー394の中心部には通
路A398a、外周部には環状の通路C398c、通路A398aと通
路C398cとの間を連通する通路B398bが設けられている。
逆止弁393は第21図のように、その外周部に切り欠きA39
3a、プランジャー394に接する側の面に切り欠きB393bが
設けられている。
自由長さ2番目のコイルバネ395bはコイルバネ395aより
もバネ定数が大きく、自由長さが最も短いコイルバネ39
5cのバネ定数は最も大きく設定さている。
第18図は、圧縮機低速運転時における給油通路切り換え
弁装置301の弁体位置と給油通路を示しており、プラン
ジャー394に作用する遠心力プランジャー394の両端面に
作用する流体の差圧力との合力とコイルバネ395aの付勢
力とが釣り合った位置でプランジャー394が静止し、そ
の事によって、背圧室339と第4圧縮室(362a,362b)と
の間の連通のみを可能にし、背圧室339と吸入室17およ
び第2圧縮室51a,51bとの間を遮断している。
第19図は、圧縮網の中速〜高速運転時における給油通路
切り換え弁装置301の弁体位置と給油通路を示してお
り、プランジャー394に作用する遠心力とプランジャー3
94の両端面に作用する流体の差圧力との合力とコイルバ
ネ395aおよびコイルバネ395bの付勢力とが釣り合った位
置でプランジャー394が静止し、その事によって、背圧
室339と第2圧縮室(51a,51b)との間の連通のみを可能
にし、背圧室339と吸入室17および第4圧縮室(362a,36
2b)との間を遮断している。
第20図は、圧縮機の高速〜超高速運転時における給油通
路切り換え弁装置301の弁体位置と給油通路を示してお
り、プランジャー394に作用する遠心力とプランジャー3
94の両端面に作用する流体の差圧力との合力とコイルバ
ネ395a,コイルバネ395bおよびコイルバネ395cの付勢力
とが釣り合った位置でプランジャー394が静止し、その
事によって、背圧室339と吸入室17との間の連通のみを
可能にし、背圧室339と第2圧縮室(51a,51b)および第
4圧縮室(362a,362b)との間を遮断している。
以上のように構成されたスクロール気体圧縮機につい
て、その動作を説明する。
第1図〜第12図において、モータ3によって駆動軸4が
回転駆動すると、旋回スクロール18は、駆動軸4のクラ
ンク機構によって駆動軸4の主軸回りに回転しようとす
るが、オルダムリング24の平行キー部分24bが旋回スク
ロール18のキー溝71に係合し、直線部分25が回転を阻止
されたスラスト軸受20の直線部分に係合しているので、
自転を阻止され、公転運動をして固定スクロール15と共
に圧縮室の容積を変化させ、冷媒ガスの吸入・圧縮作用
を行う。
そして、圧縮機に接続した冷凍サイクルから潤滑油を含
んだ気液混合の吸入冷媒が、吸入管47からアキュームレ
ータ室46に流入し、バッフル83に衝突し、気体と液体の
重量差や方向転換時の慣性力によって気液分離し、液冷
媒がアキューネレータ室46の底部に溜まる。
上部密閉ケース1aを介して下部密閉ケース1bに伝わるモ
ータ室6の熱量は断熱特性を備えた断熱カバー82,バッ
フル83によって遮熱され、吸入冷媒への伝熱が少ない。
また、冷媒がアキュームレータ室46に流入し、内壁など
に衝突した際に生じる衝突音や振動は、断熱カバー82に
よって遮閉,吸振される。
気液分離された吸入冷媒ガスは、吸入ガイド穴86、吸入
通路42、吸入穴43を順次経て吸入室17に流入し、旋回ス
クロール18と固定スクロール15との間に形成された第1
圧縮室61a,61bを経て圧縮室内に閉じ込められ、第2圧
縮室51a,51b、第3案室61a,60bへと順次移送圧縮され、
中央部の吐出ポート16から逆止弁装置50の付勢力に抗し
て吐出通路80を経てモータ室6へと吐出される。
吐出ガスガイド81の先端から斜め内向き方向に排出した
吐出冷媒ガスは、モータ3の回転子3aとドランスウエイ
ト75に衝突して拡散され、モータ3の下部コイルエンド
30aの巻き線の間を通過後、固定子3bの外周部の冷却通
路35を経て、モータ3を冷却しながらモータ室6の上部
空間に流れ、再び、内向きの流れに変換後、中央部の打
ち抜き穴90を経て、外周部の吐出管31から外部の冷凍サ
イクルへ送出される。
この際、吐出冷媒ガス中の潤滑油は、その一部がモータ
コイルエンドの多数の巻き線の表面に付着して冷媒ガス
から分離し、吐出室油溜34に収集する。
吐出室油溜34の潤滑油は、後述する経過を経て背圧室39
に流入し、次第に背圧室圧力が高まる。その背圧力によ
り旋回スクロール18のラップ支持円板18cが固定スクロ
ール15の鏡板15bに付勢接触し、圧縮室の軸方向隙間が
無くなり圧縮室が密封され、吸入冷媒ガスが効率良く圧
縮され、安定運転が継続する。
圧縮機停止中は、圧縮機内圧力が均衡し、アキュームレ
ータ室46は勿論のこと、圧縮室内にまで液冷媒が存在し
ており、圧縮機冷時起動初期には液圧縮が生じやすく、
圧縮室内の圧縮冷媒圧力によって旋回スクロール18に吐
出ポート16と反対の方向のスラスト力が作用する。しか
し、圧縮機起動初期はモータ室6の圧力上昇が少なく、
吐出室油溜34に作用するガス圧力も低いので、冷媒ガス
を含んだ潤滑油が背圧室39に流入しない。
また、第2圧縮室51a,51bと背圧室39との間の給油通路
の途中に設けた給油通路制御弁装置91の逆止弁93の逆止
作用によって、第2圧縮室51a,51bの圧縮ガスも背圧室3
9に流入しない。その結果、圧縮機起動初期は、旋回ス
クロール18の背面には付勢に必要な背圧力が生じていな
いので、旋回スクロール18が固定スクロール15から離
れ、スラスト軸受20に支持される。この時、圧縮室の軸
方向には約0.015〜0.020mmの隙間が生じる。その結果、
圧縮室内圧力が一時的に降下して、起動初期の圧縮負荷
が軽減する。
なお、スラスト軸受20が旋回スクロール18を支持する初
期の支持力は後述する如く、シールリング70の弾性力と
補助的なバネ装置(例えば、米国特許第3600114号公報
に記載のバネ装置)に依存する。
万一、圧縮室内で液圧縮などが生じて瞬時的に圧縮室圧
力が異常上昇した場合は、旋回スクロール18に作用する
スラスト力が旋回スクロール18の背面に作用する付勢力
よりも大きくなり、旋回スクロール18が軸方向に移動
し、旋回スクロール18のラップ支持円板18cが固定スク
ロール15の鏡板15bから離れてスラスト軸受20に支持さ
れると共に、圧縮室の密封が解除して、圧縮室圧力が降
下し、圧縮負荷が軽減する。
吐出室油溜34の潤滑油は、油穴B38bから吸い込まれ、駆
動軸4の上部軸部4aの表面に設けられた循環経路を形成
する螺旋状油溝41のネジポンプ作用により、上部軸受10
の摺動面に循環供給され、その油膜のシール作用によ
り、モータ室6の吐出冷媒ガス雰囲気と上部軸受10の上
流側空間とが遮断される。
吐出室油溜34の溶解吐出冷媒ガスを含んだ潤滑油は、下
部軸受11の微少隙間を通過する際に、吐出圧力と吸入圧
力との中間圧力に減圧され、背圧室39に流入する。その
後、偏心軸受14の油溝A40a、偏心軸受空間36、旋回スク
ロール18を通り油穴A38を経て漸次減圧されながら外周
部空間37に流入する。
一方、駆動軸4の回転速度が設定回転数以下の場合(例
えば6000rpm)には、旋回スクロール18の旋回運動に伴
ってプランジャー94に発生する遠心力がコイルバネ95の
付勢力より小さいので、プランジャー94の端面は第8図
のように大径円筒穴92aの底面に接して静止し、通路A98
aに通じる円筒溝98cがラップ支持円板18cのバイパス穴9
9に通ぜず、段付き小径円筒穴92、弁93に設けられた縦
溝93a,細径のインジェクション穴52a,52bを介して吐出
ポート16にも吸入室17にも通じない第2圧縮室51a,51b
に連通している。
それゆえ、外周部空間37の潤滑油は、油通路96、油穴C3
8c、インジェクション穴52a,52bを経て第2圧縮室51a,5
1bに流入し、その通路途中の各摺動面を潤滑する。
第2圧縮室51a,51bにインジェクションされた潤滑油
は、吸入冷媒ガスと共に圧縮室に流入した潤滑油と合流
し、隣接する圧縮室間の微少隙間を油膜により密封して
圧縮冷媒ガス漏れを防ぎ、圧縮空間の摺動面を潤滑しな
がら圧縮冷媒ガスと共に吐出ポート16を経てモータ室6
に再び吐出される。
また、吐出室油溜34は、環状溝28やレリース隙間27とも
通じているので、スラスト軸受20はその背圧力により付
勢されてスペーサ21の端面に当接する。そして旋回、ス
クロール18のラップ支持円板18cは、スラスト軸受20と
固定スクロール15の鏡板15bとの間で微少隙間を保持さ
れて円滑に摺動すると共に、固定スクロールラップ15a
の端面とラップ支持円板18cとの間、旋回スクロールラ
ップ18aの端面との鏡板15bとの間の隙間も微少に保持さ
れ、隣接する圧縮室間の気体漏れを少なくする。
第2圧縮室51a,51bのインジェクション穴52a,52b開口部
は、第12図の如くの圧力変化をし、モータ室6の圧力に
追従して変化する背圧室圧力68よりも瞬時的に高いが平
均圧力が低い。また、極細のインジェクション穴5a,52b
の通路抵抗やインジェクション穴52a,52bから外周部空
間37までに充満した潤滑油の粘性抵抗、更には、後述す
るような逆止弁93の逆止作用によって、第2圧縮室51a,
51bから外周部空間37への圧縮ガス瞬時的な逆流もな
い。そのため、インジェクション穴52a,52bと第2圧縮
室51a,51bとの間が固定スクロールラップ15aの端面によ
って間欠的に開閉されることにより、背圧室39からの潤
滑油は、間欠的に第2圧縮室51a,51bに流入する。
また、前述のように圧縮機起動初期には、シールリング
870の弾性力やバネ装置によりスラスト軸受20を介して
旋回スクロール18を支持するが、圧縮機起動安定後の背
圧室39に差圧供給された潤滑油は、中間圧力の付勢力を
旋回スクロール18に作用させて、ラップ支持円板18cを
鏡板15bとの摺動面に押圧油膜シールし、外周部空間37
と吸入室17との間の連通を遮断する。また、背圧室39の
潤滑油は、スラスト軸受20とラップ支持円板18cとの摺
動面の隙間に介在し、その瞬間(約0.015〜0.020mm)を
密封する。
また、圧縮機の冷時起動後しばらくの間は、第11図、第
12図から理解できるように、モータ室6の圧力が第2圧
縮室51a,51bの圧力よりも低く、圧縮途中の冷媒ガスが
第2圧縮室51a,51bから給油通路制御弁装置91を経て背
圧室39に逆流しようとするが、第10図のように、弁体93
の逆止作用によって外周部空間37への逆流が阻止され、
吐出室油溜34の潤滑油はモータ室6の圧力上昇と共に背
圧室39、外周部空間37にまで差圧給油される。
すなわち、圧縮機の冷時起動後しばらくの間は、外周部
空間37の潤滑油圧力が低い。このため、圧縮途中の冷媒
ガスがインジェクション穴52a,52bから段付き小径円筒
穴92に逆流し、コイルバネ95の付勢力に抗して、弁体93
がプランジャー94の端面を塞いだ状態で外周部空間37の
方へ移動し、コイルバネ95をほぼ密着状態にまで収縮さ
せて停止し、円筒溝98cと細径のバイパス穴99とが連通
する。これによって、第2圧縮室51a,51bから外周部空
間37への圧縮冷媒ガスの逆流が阻止されると共に、外周
部空間37と吸入室17とが連通する。その結果、吐出室油
溜34の潤滑油は、順次、背圧室39、外周部空間37を経て
吸入室17に流入し、給油途中の摺動部を潤滑する。
その後、モータ室の圧力上昇に伴い、外周部空間21の潤
滑油は昇圧し、段付き小径円筒穴92との差圧によって弁
体93が第9図の位置に移動し、インジェクション穴52a,
52bから第2圧縮室51a,51bへインジェクションされ、吸
入室17への通路を断つ。
また、冷時起動直後のように吸入冷媒ガス圧力が非常に
高く、スクロール圧縮機の圧縮比が一定であることから
圧縮室圧力も非常に高くなった場合、あるいは、異常な
液圧縮が生じた場合などは、上述のように旋回スクロー
ル18が固定スクロール15から離反し、スラスト軸受20に
支持される。しかしながら、背圧付勢されたスラスト軸
受20は、異常に上昇した圧縮室圧力に関係して旋回スク
ロール18に作用するスラスト荷重を支持できず、レリー
ス隙間27を減少させる方向に後退して、旋回スクロール
18と固定スクロール15との間の軸方向隙間が拡大する。
これにより、圧縮空間に多くの漏れが生じて圧縮室圧力
が急低下し、圧縮負荷が瞬時に軽減した後、スラスト軸
受20が瞬時に元の位置に復帰して、背圧室39の圧力は著
しい低下もせず、安定運転が再継続する。
また、旋回スクロール18と固定スクロール15との間の軸
方向隙間部に異物噛み込みが生じた場合も上述と同様
に、スラスト軸受20が後退して異物を除去する。
また、冷時起動初期や定常運転時に、瞬時的な液圧縮が
生じた場合の圧縮室圧力は、第11図の点線63のように異
常な圧力上昇と過圧縮が生じるが、吐出ポート16に連通
する高圧空間容積が大きいため、モータ室6圧力の上昇
は極めて小さい。
また、液圧縮により第2圧縮室51a,51bに連通する段付
き小径円筒穴92なども異常圧力上昇するが、逆止弁93の
逆止作用により、外周部空間37と段付き小径円筒穴92と
の間は遮断される。その結果、背圧室39の圧力は変わら
ず、スラスト軸受け20の背面に作用する背圧付勢力にも
変動がない。その結果、液圧縮時には、旋回スクロール
18に作用する過大なスラスト力によって、上述のように
スラスト軸受け20が後退し、圧縮室圧力が降下して正常
運転を継続する。
なお、液圧縮途中でスラスト軸受け20が後退することに
より、圧縮室圧力は第11図の一点鎖線63aの如く途中で
降圧する。
また、単位時間当たりの圧縮室気体漏れが少なくなるに
伴って第2圧縮室51a,51bと背圧室39との差圧が低くな
り、圧縮室への油インジェクション量が抑制され、背圧
室39の圧力が漸次上昇する圧縮機高速運転時(例えば、
モータ3の回転数が10000rpm)には、旋回スクロール18
の旋回運動に伴って、逆止弁93とプランジャー94に発生
する遠心力の合力が、コイルバネ95の付勢力よりも大き
くなり、逆止弁93とプランジャー94が、コイルバネ95の
付勢力に抗して移動し、液圧縮発生の場合と同様に、第
10図の位置に停止する。このため、外周部空間37と第2
圧縮室51a,51bとの間が遮断され、外周部空間37と吸入
室17とが連通する。そして、外周部空間37の潤滑油は、
第2圧縮室51a,51bへ流入せず、バイパス穴99を通過す
る際に減圧されて吸入室17に流入する。吸入室17への潤
滑油流入によって外周部空間37に通じる背圧室39の圧力
が適正背圧にまで低下し、固定スクロール15への旋回ス
クロール18の付勢力が適正に保持される。吸入室17に流
入した潤滑油は、吸入冷媒ガスと共に圧縮室に吸入され
た後、モータ室6に吐出される。
また、吐出室油溜34の潤滑油が不足状態になり、吐出室
油溜34から吐出冷媒ガスが背圧室39に流入などして背圧
室39の圧力が異常上昇した場合には、旋回スクロール18
のラップ支持円板18cと固定スクロール15の鏡板15bとの
間の摺動面の摩擦熱により、形状記憶バネ特性を有する
コイルバネ95が設定温度を超えてプランジャー94への付
勢力を弱める。その結果、圧縮機高速運転時と同様に、
プランジャー94がコイルバネ95の方へ移動し、第10図の
位置に停止する。そして上述と同様に、吸入室17と外周
部空間37とが連通し、背圧室39の圧力が低下し、適正に
保持される。
圧縮機停止後は、圧縮室内圧力により、旋回スクロール
18に逆旋回トルクが生じ、旋回スクロール18が逆旋回し
て吐出冷媒ガスが吸入側に逆流する。この吐出冷媒ガス
の逆流に追従して、逆止弁装置50が第1図の位置ら吐出
ポート16の側へ移動し、逆止弁穴50aの底面を密封して
吐出冷媒ガスの逆流を制止し、旋回スクロール18の逆旋
回が停止し、吸入通路42とガス通路C80cとの間の空間
は、吸入側圧力を保持する。
また、モータ室6の圧力がある程度にまで低下すると、
吐出室油溜34の潤滑油は、給油通路の通路抵抗によって
外周部空間37への差圧給油が停止する。
また、圧縮機運転中、上部軸受11の給油上流側は、吐出
室油溜34に連通し、給油下流側は中間圧力状態の背圧室
39に連通してその間に差圧が生じ、モータ3の回転子3a
を固定した駆動軸4が旋回スクロール18の方向へ付勢さ
れる。この付勢力は、スラスト玉軸受13を介して本体フ
レーム5に支持され、駆動軸4が上部軸受10と主軸受12
との間の隙間の範囲内で、駆動軸4の不釣り合いや圧縮
負荷に起因して倒れが生じるのを阻止して、上部軸受10
と主軸受12の片当たりを防止する。
また、圧縮機運転時の温度上昇により、アルミニウム合
金製の本体フレーム5は熱膨張して鉄製のライナー8を
拡管し、ライナー8の外周面と密閉ケース1の内壁との
密着を強めて互いの剛性向上に役立つ。
また、上記実施例では吐出室油溜34の潤滑油を第2圧縮
室51a,51bに油インジェクションしたが、圧縮機使用条
件などにより吸入室17に通じる第1圧縮室61a,61bに油
インジェクションしてもよい。
また、上記実施例ではスラスト軸受20の背面に設けたレ
リース隙間27や環状溝28に吐出室油溜34の潤滑油を導入
したが、モータ室6の吐出冷媒ガスや吐出ポート16に通
じる直前の最高圧力領域圧縮室の圧縮冷媒ガス、また
は、第2圧縮室51a,51bなどから中間圧力冷媒ガスを導
入してもよい。
また、上記実施例では吐出通路80に逆止弁装置50を設け
たが、密閉ケース1の内容積や潤滑油量によっては、吸
入室17と吸入穴43との間に、上下方向に作動するフリー
バルブ型の逆止弁を設けてもよい。
また、上記実施例では吸入穴43と吸入ガイド穴86との間
に吸入通路85を設けたが、吸入穴43と吸入ガイド86とを
直接連通してもよい。
また、上記実施例では固定スクロールに吐出ポートを設
けたが、米国特許4552518号明細書で記載のように、旋
回スクロールに吐出ポートを設けてもよい。
次に、別の実施例の動作について、第13図、第14図を参
照しながら説明する。
旋回スクロール118の背圧室39は、例えば第1図で示し
たような手段や他の手段で吐出室油溜34から潤滑油が供
給されて適正な中間圧力の背圧が維持されており、しか
も旋回スクロール118が設定値以下の回転域(例えば100
0〜6000rpm)で旋回運動をしている場合は、第13図で示
すような給油通路を遮断すべく形成されている。すなわ
ち、旋回スクロール118のラップ支持円板118c内に設け
られた給油通路の開度調節弁装置101のコイルバネ195の
付勢力が、プランジャー194の内外端面に作用する背圧
室39と吸入室17との差圧力、および、プランジャー194
の旋回運動に基づく遠心力に抗してプランジャー194を
弁穴192の右端(旋回スクロール118の中心方向)に移動
せしめた状態にある。弁穴192内のプランジャー194がこ
の位置に制止することによって背圧室39に開口する小穴
196と吸入室17に開口する小径の斜め穴199との間が遮断
されている。
背圧室39の圧力上昇と旋回スクロール118の旋回速度が
速くなるに伴いプランジャー194の両端面に作用する差
圧力とプランジャー194の遠心力が増加して、コイルバ
ネ195の反力に抗してプランジャー194が外方へ前進し、
第14図の位置で停止する。そ結果、弁穴192と斜め穴199
との間の開口部通路面積が広くなり、背圧室39の潤滑油
が吸入室17に流入し、背圧室39の圧力が低下する。
このようにして背圧室39の圧力は、旋回スクロール118
の旋回速度が速くなるに伴い低くなるように調整され、
旋回スクロール118と固定スクロール15との間の摺動面
の摩擦損失の増加を抑制する。
この結果、吐出室油溜34から吸入室17迄の給油通路の通
路抵抗が旋回スクロール118の旋回速度に応じて変化す
るので、吸入室17への給油量もそれに追従して増減し、
給油通路を兼ねた摺動部へ適正給油をする。
なお、旋回スクロール118の旋回速度が低い状態におい
ても、背圧室39が異常圧力上昇した場合には、プランジ
ャー194に作用する差圧力が増大することによって、プ
ランジャー194が外側へ移動して第14図の状態になり、
背圧室39の圧力を瞬時に降下させる。
また、旋回スクロール118の旋回速度が速い場合や、背
圧室39の圧力が高い場合には、旋回スクロール118と固
定スクロール15との間の摺動部の温度上昇が高くなる。
その結果、コイルバネ195の温度が設定温度を越え、コ
イルバネ195はその付勢力を弱め、第14図のように、プ
ランジャー194が外側へ前進して背圧室39の圧力を下
げ、旋回スクロール118と固定スクロール15との間の摩
擦や摩耗を少なくする。
また、第15図、第16図に示した別の実施例の開度調節弁
装置201は、背圧室から第2圧縮室51a,51bへの潤滑油の
流入を制御するもので、その動作説明は第13図、第14図
の場合と類似するので詳しい動作説明を省略する。
更に、第1図の実施例とは別の実施例の背圧室から圧縮
室への給油通路を切り変えることのできる逆流防止機能
を備えた弁装置の動作について、第17図〜第22図を参照
しながら説明する。
第17図は、第13図の場合と同様に、圧縮機停止中、また
は圧縮機起動初期の極低速運転状態における背圧室339
を上流側とする給油通路の遮断状態を示す。
すなわち、圧縮機停止中、または圧縮機起動初期の極低
速運転状態においては、背圧室339と吸入室17との間の
差圧が少ないのでプランジャー394の両端面に作用する
差圧力も僅かであると共に、プランジャー394に作用す
る遠心力も小さいので、コイルバネ395aの付勢力によっ
てプランジャー394が弁穴392の右端(旋回スクロール31
8の中心側)に後退した位置で静止し、その結果、プラ
ンジャー394が背圧室339と第4圧縮室362a,362b、第2
圧縮室51a,51b、吸入室17との間の通路を塞いでいる。
第18図は、旋回スクロール318の旋回速度が比較的低い
第1の旋回速度範囲(例えば、1000〜3000rpm)で圧縮
運転される時には、吸入冷媒圧力が高く圧縮室圧力も高
いので、旋回スクロール318が固定スクロール15から離
反しないように、旋回スクロール318を固定スクロール1
5の側に付勢する背圧力を比較的高くする必要があり、
この目的達成のための背圧室339から圧力の高い第4圧
縮室362a,362bへの給油通路の形成を示している。
すなわち、旋回スクロール318と共に旋回運動するプラ
ンジャー394の両端面に作用する背圧室339と吸入室17と
の間の差圧力、およびプランジャー394に発生する遠心
力によって、コイルバネ395aの付勢力に抗してプランジ
ャー394が弁穴392内を外側部へ前進するが、コイルバネ
395aよりもバネ定数・付勢力の大きいコイルバネ395bの
反力に阻止されて、第18図、第22図の位置で停止する。
その結果、背圧室339と第4圧縮室362a,362bとの間が開
通する。
これによって、吐出室油溜34から供給された背圧室339
の潤滑油は、旋回スクロール318に設けられた細径の小
穴396,逆止弁393に設けられた溝393a,393b、プランジャ
ー394に設けられた通路A398a,通路B398b,通路C398c、旋
回スクロール318に設けられた細径のインジェクション
穴370を順次経て、漸次減圧されながら第4圧縮室362a,
362bに流入する。
このようにして、吐出室油溜34から背圧室339への潤滑
油の流入と背圧室339から第4圧縮室362a,362bへの流入
とのバランスによって背圧室339の圧力が適当に維持さ
れる。
また、第4圧縮室362a,362bに流入した潤滑油は、圧縮
空間の隙間を油膜密封したり、圧縮室を形成する旋回ス
クロール318と固定スクロール15との間の接触面を潤滑
したり、両スクロールの接触時衝突音を油膜の緩衝作用
によって緩和したりしながら吸入冷媒ガスと共に圧縮さ
れ、モータ室6に吐出後、再び、吐出冷媒ガスから分離
して吐出室油溜34に収集される。
圧縮機の運転速度が更に増加して、第2の運転速度範囲
(例えば、4000〜9000rpm)で運転される時には、冷凍
サイクイルにおける高圧側圧力が上昇し、低圧側圧力が
低下することによって圧縮室内冷媒圧力も低くなるの
で、旋回スクロール318と固定スクロール15との間の軸
方向接触力が過大になるのを防止するために、第17図の
場合よりも背圧室339の背圧力を低減させる必要があ
る。このような場合には第19図のように、プランジャー
394に作用する遠心力が増加して、コイルバネ395bの反
力に抗してプランジャー394が外側へ前進し、コイルバ
ネ395bよりもバネ定数・付勢力の大きいコイルバネ395c
に阻止され、プランジャー394は第19図の位置で停止す
る。
その結果、背圧室339と第4圧縮室362a,362bとの間が遮
断され、背圧室339と第2圧縮室51a,51bとの間が開通
し、背圧室339の潤滑油が第18図の場合と同様の通路を
経て細径のインジェクション穴352から第2圧縮室51a,5
1bに流入する。そして、第2圧縮室51a,51bの圧力は、
第4圧縮室362a,362bの圧力よりも低いので、背圧室339
の背圧力は第18図の場合よりも低い値で維持される。
更に、圧縮機の運転速度が増加して第3の運転速度範囲
(例えば、10000rpm以上)で運転され、低圧側圧力の低
下に伴って背圧室339の背圧力も低下させる必要のある
場合には、第20図のように、プランジャー394に作用す
る遠心力が更に増加し、プランジャー394がコイルバネ3
95cの反力に抗して更に外側へ前進し、背圧室339と第2
圧縮室51a,51bとの間が遮断され、背圧室339と吸入室17
とが開通し、背圧室339の潤滑油が細径の斜め穴399から
吸入室17に流入する。
背圧室339の潤滑油が第2圧縮室51a,51bよりも圧力の低
い吸入室17に流入するので、背圧室339の背圧力は第19
図の場合よりも更に低く維持される。
このような背圧力調整によって、旋回スクロール318を
固定スクロール15の側へ付勢する力が過大になるのを防
ぐ。
また、コイルバネ395a,395b,395cは、それ自身の温度が
上昇するとその付勢力を弱める形状記憶特性を備えてい
るので、旋回スクロール318の旋回速度が増加したり、
背圧室339の背圧力が高すぎたりして旋回スクロール318
と固定スクロール15との間の摺動部の摩擦熱が異常上昇
したりした場合には、プランジャー394が外側へ前進し
て、より下流側に属する潤滑油流入先を自動的に選択
し、背圧室339の圧力を低減調整し、摩擦損失や異常温
度上昇を自動的に制限する。
以上のように上記実施例によれば、 固定スクロール15の一部をなす鏡板15bの一面に形成さ
れた渦巻き状の固定スクロールラップ15aに対して旋回
スクロール18の一部をなすラップ支持円板18c上の旋回
スクロールラップ18aを揺動回転自在に噛み合わせ、両
スクロール間に渦巻き形の圧縮空間を形成し、固定スク
ロールラップ15aの中心部に吐出ポート16を設け、固定
スクロールラップ15aの外側には吸入室17を設け、圧縮
空間は吸入側より吐出側に向けて連続移行する複数個の
圧縮室(61a,61b,51a,51b,60a,60b)に区画されて流体
を圧縮すべく、旋回スクロール18と固定スクロール15に
結合された静止部材である本体フレーム5、および本体
フレーム5に回転方向移動を規制されたスラスト軸受20
との間に旋回スクロール18の自動阻止部材であるオリダ
ムリング24を係合させて旋回スクロール18を旋回運動さ
せるスクロール圧縮機構を形成し、スクロール圧縮機構
を密閉ケース1内に収納し、ラップ支持円板18c内に設
けた半径方向通路(油通路96,大径円筒穴92a,通路A98a,
通路B98b,段付き小径円筒穴92、縦溝93a)を経由し、且
つ、吐出圧力が作用する吐出室油溜34を上流側に、第2
圧縮室51a,51bおよび吸入室17を下流側とする給油通路
を設け、半径方向通路(油通路96,大径円筒穴92a,通路A
98a、通路B98b、段付き小径円筒穴92、縦溝93a)の途中
には、旋回スクロール18の旋回運動に基づく遠心力によ
り作動する給油通路制御弁装置91を配置し、給油通路制
御弁装置91には、旋回スクロール18の旋回速度が設定値
以下の場合に吐出室油溜34と第2圧縮室51a,51bとを連
通させ、旋回スクロール18の旋回速度が設定値を超えた
場合に吐出室油溜34と吸入室17とを連通させるべく作動
する給油通路切換え機能を備えたことにより、圧縮時間
が長くて吸入気体容積当たりの圧縮途中気体漏れ量の多
く圧縮不足の生じやすい圧縮機設定速度以下運転時に
は、給油通路制御弁装置91が作動して、吐出室油溜34か
ら吸入室17への連通が遮断されると共に吐出室油溜34と
第2圧縮室51a,51bとが連通する。これによって、圧縮
冷媒ガスを含む潤滑油が吐出室油溜34から第2圧縮室51
a,51bに流入し、隣接する圧縮室隙間が油膜により密封
され、圧縮冷媒ガス漏れ量が少なくすると共に、潤滑油
に含まれて流入した冷媒ガスを再圧縮することによって
圧縮不足を生じることなく、最終圧縮圧力を所要吐出圧
力まで上昇することができる。また、圧縮時間が短くて
吸入冷媒ガス容積当たりの圧縮途中冷媒ガス漏れ量の少
ない圧縮機設定運転速度を超えた運転時には、給油通路
制御弁装置91が作動して、吐出室油溜34から第2圧縮室
51a,51bへの連通が遮断されると共に吐出室油溜34と吸
入室17とが連通して潤滑油流入通路が切り替わる。その
結果、第2圧縮室51a,51bへの吐出冷媒ガスを含んだ潤
滑油強制流入がなくなり、過圧縮が解消されると共に、
潤滑油が吐出室油溜34から吸入室17に流入し、吸入冷媒
ガスと共に圧縮室に自然吸入され、隣接する圧縮室隙間
を吸入初期行程から吐出行程までの全域に渡り密封する
と共に圧縮室内壁面を潤滑し、旋回スクロール18が駆動
軸4による旋回駆動に基づき生じるジャンピング現象
や、圧縮室圧力変動に基づく生じる傾き現象などの際に
固定スクロールとの間で生じる衝突音や振動を緩和し
て、振動・騒音を低減すると共に、両スクロールの破損
を防止することもできる。
また、上記実施例によれば、旋回スクロール318のラッ
プ支持円板318c内に設けた半径方向通路の弁穴392を経
由し、且つ、吐出圧力の作用する吐出室油溜34を上流側
に、第2圧縮室51a,51bおよび吸入室17を下流側とする
給油通路を設け、半径方向通路の弁穴392の途中には、
旋回スクロール318の旋回運動に基づく遠心力により作
動する給油通路切り換え弁装置301を配置し、給油通路
切り換え弁装置301には、旋回スクロール318の旋回速度
が一定値以下の場合に、半径方向通路の弁穴392を遮断
させるための逆止弁393を設けたことにより、圧縮機停
止中に、吐出室油溜34から第2圧縮室51a,51bおよび吸
入室17への潤滑油流入がないので、圧縮機の再起動時の
液圧縮を防止して、起動初期の圧縮負荷軽減、旋回スク
ロール318と固定スクロール15の破損や旋回スクロール3
18に係わる摺動部の摩耗、焼付きを防ぎ、圧縮機耐久性
を向上することができる。また、吐出室油溜34の潤滑油
が第2圧縮室51a,51b、吸入室17へ流出することもない
ので、吐出室油溜34の潤滑油を常時確保することがで
き、圧縮機起動初期からの摺動部や第2圧縮室51a,51b
への給油が可能で摺動部潤滑や圧縮室の油膜密封作用に
よって圧縮機効率を高めることができる。また、吐出圧
力の作用する吐出室油溜34の潤滑油圧力が第2圧縮室51
a,51bの圧力以上に上昇し得ない長時間極低速運転状態
の場合でも、圧縮途中冷媒ガスが吐出室油溜34へ逆流せ
ず、吐出室油溜34の潤滑油が他の部分へ流出するのを防
止し、上述のように、摺動部の焼付き防止による耐久性
向上を図ることができる。
また、上記実施例によれば、旋回スクロール318の旋回
速度が一定値以下の場合に、ラップ指示円板318cに設け
られた半径方向通路の弁穴392を遮断させるためのプラ
ンジャー394や逆止弁393に付勢力を与えるコイルバネ39
5aを備えたことにより、圧縮機起動初期や極低速運転時
に、プランジャー394や逆止弁393に作用する不安定な遠
心力、激しい吐出圧力変動に起因する背圧室339の圧力
変動によって生じるプランジャー394や逆止393のチャタ
リング現象を抑制し、給油通路を確実に遮断することが
できると共に、プランジャー394や逆止393の摩耗、破損
を防止して給油通路切り換え弁装置301の作動信頼性と
耐久性を向上することができる。
また、上記実施例によれば、旋回スクロール318のラッ
プ支持円板318c内に設けた半径方向通路の弁穴392を経
由し、且つ、吐出圧力の作用する吐出室油溜34を上流側
に、第2圧縮室51a,51bを下流側とする給油通路を設
け、半径方向通路の弁穴392の途中には、逆止弁393を備
えたことにより、吐出室油溜34の圧力よりも第2圧縮室
51a,51bの圧力の方が高い圧縮機起動初期に、第2圧縮
室51a,51b内の圧縮途中冷媒ガスが給油通路を経て吐出
室油溜34に逆流するのを逆止弁393の逆止効果によって
防ぐことができる。その結果、旋回スクロール318の周
辺部の潤滑油流出と吐出室油溜34の潤滑油の粘性劣化を
防ぐと共に、吐出室油溜34の潤滑油が圧縮途中冷媒ガス
によって拡散され、潤滑油中に含まれた多量の冷媒ガス
が発泡することによって、潤滑油が冷媒ガスと共に圧縮
機外に流出するのを防ぎ、圧縮機起動初期および定常運
転時の摺動部摩耗や焼付きを防止して耐久性を向上する
ことができる。
また、上記実施例によれば、旋回スクロール118の背圧
室39と吸入室17との間を連通する給油通路を旋回スクロ
ール118のラップ支持円板118cに設け、給油通路の途中
にはその給油通路から分岐して半径方向外側部に向かう
弁穴192を設け、弁穴192には弁穴192を移動するプラン
ジャー194とプランジャー194を半径方向中心部に付勢す
るコイルバネ195とを配置し、プランジャー194がプラン
ジャー194に作用する遠心力とプランジャー194の端部に
作用する背圧室39と吸入室17との差圧力とによって、コ
イルバネ195に抗して半径方向外側部へ前進することに
よって、前述の給油通路途中の弁穴192と斜め穴199との
開口面積を広げるべく作用する開度調整弁装置101を備
えたことにより、旋回スクロール118の旋回速度が増加
し、吸入気体圧力が低下するに伴って圧縮室内気体圧力
も低下し、旋回スクロール118を固定スクロール15の側
に付勢する力を減少させる必要のある場合には、背圧室
39と吸入室17との間の給油通路の通路抵抗を少なくする
ことができ、背圧室39から吸入室17への潤滑油流入量を
増加させ、背圧室17の圧力を降下させることができる。
その結果、圧縮機運転速度の増加に伴い、旋回スクロー
ル118を固定スクロール15の側に押し付け過ぎないよう
に、旋回スクロール118と固定スクロール15との間の軸
方向接触力を弱め、摺動部の摩擦抵抗を少なくして動力
損失を低減し、圧縮機効率と耐久性を向上させることが
できる。
また、上記実施例によれば、圧縮機が停止した後、圧縮
機内圧力が均衡し、背圧室39と吸入室17との間の差圧が
無くなると共に、プランジャー194に作用する遠心力も
解除して、コイルバネ195の付勢力によってプランジャ
ー194が弁穴192内を後退して、背圧室39と吸入室17との
間の給油通路が遮断されることにより、圧縮機停止中
に、背圧室39内の潤滑油が吸入室17に流出することを防
ぐことができる。それによって、背圧室17内に貯蓄した
潤滑油を、圧縮機再起動直後の背圧室17周辺摺動部の潤
滑に供することができ、オルダムリング24の摺動部隙間
に起因して生じる振動や騒音を潤滑油の油膜緩衝作用に
よって低減し、摺動部の摩耗を少なくして、静粛で耐久
性を有する圧縮機を提供することができる。また、圧縮
機停止中に、背圧室39内の潤滑油が吸入室17に流入しな
いので、圧縮機再起動時、潤滑油を圧縮することによる
液圧縮を防止して、旋回スクロール118や固定スクロー
ル15の破損、駆動軸4に係わる摺動部の摩耗や焼付きを
防止し、耐久性を向上することができる。
また、上記実施例によれば、プランジャー194を付勢す
るコイルバネ195は、それ自身の温度が上昇すれば付勢
力を増し、それ自身の温度が低下すれば付勢力を減じる
べく形状記憶特性を備えたことにより、圧縮機高速運転
時など、旋回スクロール118の旋回速度と冷媒循環量と
が増加し、旋回スクロール118を駆動する駆動軸4や固
定スクロール15との間の摺動部で発生する摩擦熱も増加
して、摺動部温度が上昇する一方、吸入気体圧力と吸入
気体の蒸発温度が低下するに伴って圧縮室内気体圧力も
低下するので、旋回スクロール118を固定スクロール15
の側に付勢する力を減少させ、圧縮機入力損失と摺動部
摩耗を少なくする必要のある場合には、給油通路を制御
するプランジャー194に付勢力を与えるコイルバネ195の
温度も上昇し、給油通路を狭めるべく方向にプランジャ
ー194を付勢するコイルバネ195の付勢力を弱めると共
に、プランジャー194に作用する遠心力も増加するので
給油通路を広げることができる。その結果、背圧室39と
吸入室17との間の給油通路の通路抵抗を少なくして、背
圧室39から吸入室17への潤滑油流入量を増加させ、背圧
室39の圧力を降下させることができる。それによって、
旋回スクロール118と固定スクロール15との間の軸方向
接触力を弱め、摺動部の摩耗抵抗を少なくし、圧縮機入
力損失と摺動部摩耗を少なくすることができる。
また、圧縮機起動初期の低速運転時など、吸入冷媒ガス
圧力が高く、圧縮室内圧力が高く、吐出圧力が作用する
吐出室油溜34の圧力が低い場合には、圧縮機内温度が低
く、背圧室39内の潤滑油の温度が低く、潤滑油の粘性が
高く、且つ、プランジャー194に作用する遠心力も少な
いので、プランジャー194が給油通路を狭める方向に後
退し、給油通路抵抗を増加させ、吐出室油溜34に通じる
背圧室39から吸入17への潤滑油流入量を制限して、背圧
室39の圧力を高めることができる。それによって、旋回
スクロール118が固定スクロール15から離反しないよう
に、旋回スクロール118に適切な背圧を付勢させ、摺動
部の入力損失と圧縮空間の冷媒ガス漏れを少なくし、圧
縮効率と耐久性を高めることができる。
また、圧縮機運転速度に基づきプランジャー194に作用
する遠心力と、コイルバネ195の温度に基づくプランジ
ャー194への付勢力とによって、給油通路内のプランジ
ャー194の静止範囲を制限し、給油通路抵抗を調整して
背圧室39の圧力をコントロールし、圧縮機運転速度と圧
縮機内温度に応じて、固定スクロール15への旋回スクロ
ール118の背圧力を適切に調整することができる。その
結果、摺動部の入力損失と圧縮室間の冷媒ガス漏れを少
なくし、圧縮機運転状態に応じて圧縮効率と耐久性を高
めることができる。
また、上記実施例によれば、旋回スクロール318のラッ
プ支持円板318c内に設けた半径方向通路を経由し、且
つ、吐出圧力が作用する吐出室油溜34を上流側に、第2
圧縮室51a,51b、第4圧縮室362a,362bおよび吸入室17を
下流側とする給油通路を設け、吐出室油溜34と吸入室17
または第2圧縮室51a,51b、第4圧縮室362a,362bとの間
の前記給油通路の途中に、ラップ支持円板318cの反圧縮
室側に設け旋回スクロール318を圧縮室側に付勢するた
めの背圧室339を設け、半径方向通路の途中には、旋回
スクロール318の旋回運動に基づく遠心力、および背圧
室339と第2圧縮室51a,51b、第4圧縮室362a,362bまた
は吸入室17との間の差圧により作動する給油通路切り換
え弁装置301を配置し、給油通路切り換え弁装置301に
は、旋回スクロール318の旋回速度が設定値以下の場合
に吐出室油溜34と第2圧縮室51a,51bまたは第4圧縮室3
62a,362bとを連通させ、旋回スクロール318の旋回速度
が設定値を超えた場合に吐出油溜34と吸入室17とを連通
させるべく作動する給油通路切り換え機能を備えたこと
により、吸入冷媒ガスの圧力が高く、圧縮室で発生する
圧縮冷媒ガス圧力も高くなる旋回スクロール318の旋回
速度が設定値以下の場合には、吐出圧力の作用する吐出
室油溜34の潤滑油圧力が高い。したがって、吐出室油溜
34と第2圧縮室51a,51bまたは第4圧縮室362a,362bとの
間の通路途中にある背圧室339の中間圧力を適当に高く
維持することができ、高い圧縮荷重を受ける旋回スクロ
ール318を固定スクロール15側に付勢するに適した高い
背圧力を得ることができる。また、吸入冷媒ガス量の増
加によって吸入通路抵抗が増加し、吸入冷媒ガスの圧力
も低くなる旋回スクロール318の旋回速度が設定値を越
えた圧縮機高速運転時には、圧縮室で発生する圧縮圧力
が低くなると共に、吐出室油溜34と吸入室17との間の通
路途中にある背圧室339の中間圧力を圧縮室との連通の
場合よりも低くすることができ、低い圧縮荷重を受ける
旋回スクロール318を固定スクロール15側に付勢するに
適した低い背圧力を得ることができる。このように、旋
回スクロール318に作用する圧縮荷重に応じて給油通路
を自動的に切り換え、それによって、背圧室339の圧力
を調整することができ、固定スクロール15への旋回スク
ロール318の押し付け過ぎ防止として、旋回スクロール3
18と固定スクロール15との間の摺動部摩擦を少なくで
き、動力損失と摩耗を防いで圧縮効率と耐久性を高める
ことができる。
また、上記実施例によれば、背圧室339に連通する圧縮
室を第2圧縮室51a,51bと第4圧縮室362a,362bの圧力の
異なる2室としたことにより、圧縮室への2種類の差圧
給油通路を確保して背圧室339の圧力制御範囲を拡大す
ることができ、旋回スクロール318に作用し変化する圧
縮荷重に応じて背圧室339の圧力を調整することがで
き、固定スクロール15への旋回スクロール318の押し付
け過ぎ防止として、旋回スクロール318と固定スクロー
ル15との間の摺動部摩擦を少なくでき、動力損失と摩耗
を防いで圧縮効率と耐久性を高めることができる。ま
た、背圧室339から圧縮室への給油量制御範囲を拡大す
ることができ、それによって圧縮室への適量供給が可能
となり、供給過多による過圧縮を防止して、圧縮効率の
低下を防ぐことができる。
また、上記実施例によれば、給油通路切り換え弁装置30
1は、プランジャー394を、旋回スクロール318の旋回速
度が速く、背圧室339と圧縮室(第2圧縮室51a,51b、第
4圧縮室362a,362b)または吸入室17との間の差圧が大
きいほど半径方向通路の外側部へ移動せしめ、背圧室17
との連通先圧力を順次低圧側へ切り換え、背圧室17の圧
力を順次低下させるべく作動する給油通路切り換え機能
を備えたことにより、旋回スクロール318の旋回速度が
増加し、吸入冷媒ガス圧力が低下し、それに伴って圧縮
室圧力も低下し、旋回スクロール318を固定スクロール1
5の側に背圧付勢するために設けた背圧室339と背圧室33
9の下流側との間の差圧も順次広げることができるの
で、背圧室339の圧力も順次低下させ、圧縮室圧力に応
じて旋回スクロール318の背圧付勢力を順次適切に低下
調整させることによって、圧縮機運転速度に応じた背圧
調整ができ、摺動部動力損失と圧縮部温度を低減して、
圧縮効率と耐久性を高めることができる。
また、上記実施例によれば、給油通路切り換え弁装置30
1を経由する給油通路の上流側が吐出圧力の作用する吐
出室油溜34としたことにより、吐出側圧力と吸入側圧力
および旋回スクロール318の旋回速度に応じて旋回スク
ロール318の背圧力を適正に制御する給油通路切り換え
弁装置を提供することができる。それによって、圧縮機
低速運転時などのように、吐出冷媒ガスの部分的な逆流
に基づいて圧縮室圧力が吐出側圧力に影響を受ける場合
でも、旋回スクロール318への適正な背圧付勢ができ、
旋回スクロール318と固定スクロール15との間の圧縮冷
媒ガス漏れと摺動部動力損失および圧縮部温度を低減し
て、圧縮効率と耐久性を高めることができる。
また、上記実施例によれば、吐出室油溜34からの差圧給
油通路を駆動軸4に係わる軸受部を経由させたことによ
り、吐出圧力の作用する吐出室油溜34の潤滑油圧力が圧
縮機運転速度に比例して上昇するので、圧縮機運転速度
と圧縮機負荷に応じた軸受摺動部への潤滑油供給がで
き、軸受摺動部の摩耗や摩擦を少なくして圧縮効率と耐
久性を向上することができる。
発明の効果 上記実施例より明らかなように本発明は、スクロール圧
縮機構を密閉容器内に収納し、吐出圧力の作用する吐出
室油溜、旋回スクロールのラップ支持円板の反圧縮室側
に設けた旋回スクロールの背圧室、ラップ支持円板内に
設けた半径方向通路を順次経由し、圧縮室および吸入室
を下流側とする給油通路を設け、半径方向通路の途中に
は、旋回スクロールの旋回速度に追従して作動する給油
通路制御弁装置を配置し、給油通路制御弁装置には、旋
回スクロールの旋回速度が設定値以下の場合に背圧室と
圧縮室とを連通させ、旋回スクロールの旋回速度が設定
値を超えた場合に、背圧室と圧縮室との間を遮断し、背
圧室と吸入室との間を連通させるべく作動する給油通路
切り替え機能を備えたことにより、圧縮時間が長くて吸
入気体容積当たりの圧縮途中気体漏れ量の多く圧縮不足
の生じやすい圧縮機設定速度以下の運転時には、給油通
路制御弁装置が作動して、潤滑油給油元から吸入室への
連通が遮断されると共に潤滑油供給元と圧縮室とが連通
する。これによって、圧縮気体を含む潤滑油が潤滑油供
給元から圧縮室に流入し、隣接する圧縮室間隙間が油膜
により密封され、圧縮気体漏れ量が少なくすると共に、
潤滑油に含まれた流入した吐出気体を再圧縮することに
よって圧縮不足を生じることなく、最終圧縮圧力を所要
吐出圧力まで上昇することができる。また、圧縮時間が
短くて吸入気体容積当たりの圧縮途中気体漏れ量の少な
い圧縮機設定運転速度を超えた運転時には、給油通路制
御弁装置が作動して、潤滑油供給元から圧縮室への連通
が遮断されると共にと吸入室が連通して潤滑油流入通路
が切り替わる。その結果、圧縮室への吐出気体を含んだ
潤滑油強制流入がなくなり、過圧縮が解消されると共
に、潤滑油が潤滑油供給元から吸入室に流入し、吸入気
体と共に圧縮室に自然吸入され、隣接する圧縮室間隙間
を吸入初期行程から吐出行程までの全域に渡り密封する
と共に圧縮室内壁面を潤滑し、旋回スクロールが旋回ス
クロールの駆動軸による旋回駆動に基づき生じるジャン
ピング現象や、圧縮室圧力変動に基づく生じる傾き現象
などの際に固定スクロールとの間で生じる衝突音や振動
を緩和して、振動・騒音を低減すると共に、両スクロー
ルの破損を防止することもできる。
また、本発明は、吐出圧力の作用する吐出室油溜、旋回
スクロールのラップ支持円板の反圧縮室側に設けた旋回
スクロールの背圧室、ラップ支持円板内に設けた半径方
向通路を順次経由し、圧縮室および吸入室を下流側とす
る給油通路を設け、半径方向通路の途中には、旋回スク
ロールの旋回運動に基づく遠心力により作動する給油通
路制御弁装置を配置し、給油通路制御弁装置には、旋回
スクロールの旋回速度が一定値以下の場合に、半径方向
通路を遮断させるための開閉弁を設けたことにより、圧
縮機停止中に、潤滑油供給元から圧縮室および吸入室へ
の潤滑油流入がないので、圧縮機の再起動時の液圧縮を
防止して、起動初期の圧縮負荷軽減、旋回スクロールと
固定スクロールの破損や旋回スクロールに係わる摺動部
の摩耗、焼付きを防ぎ、圧縮機耐久性を向上することが
できる。また、潤滑油供給元の潤滑油が圧縮室と吸入室
へ流出することもないので、潤滑油供給元の潤滑油を常
時確保することができ、圧縮機起動初期からの摺動部や
圧縮室への給油が可能で、摺動部潤滑や圧縮室の油膜密
封作用によって圧縮機効率を高めることができる。ま
た、圧縮機の運転速度に追従して昇圧する潤滑油供給元
の潤滑油圧力が圧縮室の圧力以上に上昇することが少な
い長時間極低速運転状態の場合でも、圧縮途中気体が潤
滑油供給元の側へ逆流せず、潤滑油供給元の潤滑油が他
の部分へ流出するのを防止し、上述のように、摺動部の
焼付き防止による耐久性向上を図ることができる。
また、本発明は、旋回スクロールの旋回速度が一定値以
下の場合に、半径方向通路を遮断させるための開閉弁に
付勢力を与えるバネ装置を備えたことにより、圧縮機起
動初期や極低速運転時に、開閉弁に作用する不安定な遠
心力、激しい吐出圧力変動などに起因して開閉弁に作用
する圧力変動によって生じる開閉弁のチャタリング現象
を抑制し、給油通路を確実に遮断することができると共
に、開閉弁の摩耗、破損を防止して給油通路切り換え弁
装置の作動信頼性と耐久性を向上することができる。
また、本発明は、吐出圧力の作用する吐出室油溜、旋回
スクロールのラップ支持円板の反圧縮室側に設けた旋回
スクロールの背圧室、ラップ支持円板内に設けた半径方
向通路を順次経由し、圧縮室および吸入室を下流側とす
る給油通路を設け、半径方向通路の途中には、逆止弁を
設けたことにより、潤滑油供給元の圧力よりも圧縮室の
圧力の方が高い圧縮機起動初期に、圧縮室内の圧縮途中
気体が給油通路を経て潤滑油供給元に逆流するのを逆止
弁の逆止効果によって防ぐことができる。その結果、旋
回スクロールの周辺部の潤滑油流出と潤滑油供給元の潤
滑油の粘性劣化を防ぐと共に、潤滑油供給元の潤滑油が
圧縮途中気体によって拡散され、潤滑油中に含まれた多
量の吐出気体が発泡することによって、潤滑油が吐出気
体と共に圧縮機外に流出するのを防ぎ、圧縮機起動初期
および定常運転時の摺動部摩耗や焼付きを防止して耐久
性を向上することができる。
また、本発明は、吐出圧力の作用する吐出室油溜、旋回
スクロールのラップ支持円板の反圧縮室側に設けた旋回
スクロールの背圧室、ラップ支持円板内に設けた半径方
向通路を順次経由し、吸入室を下流側とする給油通路を
設け、半径方向通路から分岐して半径方向外側部に向か
う弁穴を設け、弁穴には弁穴を移動する弁体と弁体を半
径方向中心部に付勢するバネ装置とを配置し、弁体が弁
体に作用する遠心力と弁体に作用する流体圧力とによっ
てバネ装置に抗して半径方向外側部へ前進すると給油通
路の開度を広げるべく作用する開度調整弁装置を備えた
ことにより、旋回スクロールの旋回速度が増加し、吸入
気体圧力が低下するに伴って圧縮室内気体圧力も低下
し、旋回スクロールを固定スクロールの側に付勢する力
を減少させる必要のある場合には、背圧室と吸入室との
間の給油通路の通路抵抗を少なくすることができ、背圧
室から吸入室への潤滑油流入量を増加させ、背圧室の圧
力を降下させることができる。その結果、圧縮機運転速
度の増加に伴い、旋回スクロールを固定スクロールの側
に押し付け過ぎないように、旋回スクロールと固定スク
ロールとの間の軸方向接触力を弱め、摺動部の摩擦抵抗
を少なくして動力損失を低減し、圧縮機効率と耐久性を
向上させることができる。
また、本発明は、圧縮機が停止した時、旋回スクロール
の背圧室から圧縮室や吸入室への給油通路が遮断される
ことにより、圧縮機停止中に、背圧室内の潤滑油が吸入
室に流出することを防ぐことができる。それによって、
背圧室内に貯蓄した潤滑油を、圧縮機再起動直後の背圧
室周辺摺動部の潤滑に供することができ、自転阻止材な
どの摺動部隙間に起因して生じる振動や騒音を潤滑油の
油膜緩衝作用によって低減し、摺動部の摩耗を少なくし
て、静粛で耐久性を有する圧縮機を提供することができ
る。また、圧縮機停止中に、背圧室内の潤滑油が吸入室
に流入しないので、圧縮機再起動時、潤滑油を圧縮する
ことによる液圧縮を防止して、旋回スクロールや固定ス
クロールの破損、旋回スクロールの駆動軸などに係わる
摺動部の摩耗や焼付きを防止し、耐久性を向上すること
ができる。
また、本発明は、旋回スクロールの背圧室から圧縮室や
吸入室への給油通路の開度調整弁装置を構成し、且つ給
油通路の開度を調整する弁体を付勢するバネ装置が、そ
れ自身の温度が上昇すれば付勢力を減じ、それ自身の温
度が低下すれば付勢力を増すべく形状記憶特性を備えた
ことにより、圧縮機高速運転時など、旋回スクロールの
旋回速度と吐出気体潤滑量とが増加し、旋回スクロール
を駆動する駆動軸や固定スクロールとの間の摺動部で発
生する摩擦熱も増加して、摺動部温度が上昇する一方、
吸入気体圧力が低下するに伴って圧縮室内気体圧力も低
下するので、旋回スクロールを固定スクロールの側に付
勢する力を減少させ、圧縮機入力損失と摺動部摩耗を少
なくする必要のある場合には、給油通路を制御する弁体
に付勢力を与えるバネ装置の温度も上昇し、給油通路を
狭めるべく方向に弁体を付勢するバネ装置の付勢力を弱
めると共に、弁体に作用する遠心力も増加するので給油
通路を広げることができる。その結果、背圧室と吸入室
との間の給油通路の通路抵抗を少なくして、背圧室から
吸入室への潤滑油流入量を増加させ、背圧室の圧力を降
下させることができる。それによって、旋回スクロール
と固定スクロールとの間の軸方向接触力を弱め、摺動部
の摩擦抵抗を少なくし、圧縮機入力損失と摺動部摩耗を
少なくすることができる。
また、圧縮機起動初期の低速運転時など、吸入気体圧力
が高く、圧縮室内圧力が高く、潤滑油供給元の圧力が低
い場合には、圧縮機内温度は低く、背圧室内の潤滑油の
温度が低く、潤滑油の粘性が高く、且つ、弁体に作用す
る遠心力も少ないので、弁体が給油通路を狭める方向に
後退し、給油通路抵抗を増加させ、潤滑油供給元に通じ
る背圧室から吸入室への潤滑油流入量を制御して、背圧
室の圧力を高めることができる。それによって、旋回ス
クロールが固定スクロールから離反しないように、旋回
スクロールに適切な背圧を付勢させ、摺動部の入力損失
と圧縮空間の圧縮気体漏れを少なくし、圧縮効率と耐久
性を高めることができる。
また、圧縮機運転速度に基づき弁体に作用する遠心力
と、バネ装置の温度に基づく弁体への付勢力とによっ
て、給油通路内の弁体の静止範囲を制限し、給油通路抵
抗を調整して背圧室の圧力をコントロールし、圧縮機運
転速度と圧縮機内温度に応じて、固定スクロールへの旋
回スクロールの背圧力を適切に調整することができる。
その結果、摺動部の入力損失と圧縮空間の圧縮気体漏れ
を少なくし、圧縮機運転状態に応じて圧縮効率と耐久性
を高めることができる。
また、本発明は、背圧室に連通する圧縮室を圧力の異な
る2室以上備えたことにより、圧縮室への2種類の差圧
給油通路を確保して背圧室の圧力制御範囲を拡大するこ
とができ、旋回スクロールに作用し、且つ、変化する圧
縮荷重に応じて背圧室の圧力を調整することができ、固
定スクロールへの旋回スクロールの押し付け過ぎ防止し
て、旋回スクロールと固定スクロールとの間の摺動部摩
擦を少なくでき、動力損失と摩耗を防いで圧縮効率と耐
久性を高めることができる。また、背圧室から圧縮室へ
の給油量制御範囲を拡大することができ、それによって
圧縮室への適量給油が可能となり、給油過多による過圧
縮を防止して圧縮効率の低下を防ぐことができる。
また、本発明は、給油通路制御弁装置の弁体が、旋回ス
クロールの旋回速度が速く、背圧室と圧縮室または吸入
室との間の差圧が大きいほど半径方向通路の外側部へ移
動し、背圧室との連通先を順次切り換え、圧力低下させ
るべく作動する給油通路切り換え機能を備えたことによ
り、旋回スクロールの旋回速度が増加し、吸入気体圧力
が低下し、それに伴って圧縮室圧力も低下し、旋回スク
ロールを固定スクロールの側に背圧付勢するために設け
た背圧室と背圧室の下流側との間の差圧も順次広げるこ
とができるので、背圧室の圧力も順次低下させ、圧縮室
圧力に応じて旋回スクロールの背圧付勢力を順次適切に
低下調整させることによって、圧縮機運転速度に応じた
背圧調整ができ、摺動部動力損失と圧縮部温度を低減し
て、圧縮効率と耐久性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例におけるスクロール冷媒圧縮機
の縦断面図、第2図は同圧縮機における主要部品の分解
図、第3図は同圧縮機におけるスラスト軸受部の部分詳
細図、第4図は同圧縮機におけるオルダムリングの外観
図、第5図は同圧縮機におけるオルダム機構部の組立外
観図、第6図は第5図における上平面図、第7図は第1
図におけるA−A線に沿った横断面図、第8図、第10図
は第1図における給油通路制御弁装置の装着部の詳細
図、第9図は第8図、第10図における給油通路制御弁装
置を構成する部品の外観図、第11図は同圧縮機の吸入行
程から吐出行程までの冷媒ガスの圧力変化を示す特性
図、第12図は各圧縮室における定点の圧力変化を示す特
性図、第13図、第14図は本発明の第2の実施例における
スクロール冷媒圧縮機に用いられる給油通路の開度調整
弁装置の動作を説明する部分断面図、第15図、第16図は
本発明の第3の実施例におけるスクロール冷媒圧縮機に
用いられる給油通路の開度調整弁装置の動作を説明する
部分断面図、第17図〜第20図は本発明の第4の実施例に
おけるスクロール冷媒圧縮機に用いられる給油通路の給
油通路切り換え弁装置の動作を説明する部分断面図、第
21図は第17図〜第20図の給油通路切り換え弁装置に用い
られる逆止弁の外観図、第22図は第18図におけるプラン
ジャーと逆止弁とに関する給油通路の詳細部分断面図、
第23図、第24図は従来のそれぞれ異なる圧縮室への給油
通路を備えたスクロール圧縮機の縦断面図、第25図は従
来の旋回スクロールの背圧室圧力調整装置を備えたスク
ロール圧縮機の縦断面図、第26図は同圧縮機における背
圧室圧力調整装置の部分断面図である。 2……吐出室、3……モータ、4……駆動軸、5……本
体フレーム、6……モータ室、15……固定スクロール、
15a……固定スクロールラップ、15b……鏡板、16……吐
出ポート、17……吸入室、18……旋回スクロール、18a
……旋回スクロールラップ、18c……ラップ支持円板、2
0……スラスト軸受、27……リリース隙間、28……環状
溝、34……吐出室油溜、39……背圧室、43……吸入穴、
46……アキュームレータ室、47……吸入管、51a,51b…
…第2圧縮室、91……給油通路制御弁装置、101……開
度調整弁装置、192……弁穴、194……プランジャー、19
5……コイルバネ、201……開度調整弁装置、301……給
油通路切り換え弁装置、362a,362b……第4圧縮室、35
2,370……インジェクション穴、393……逆止弁、395a,3
95b,395c……コイルバネ。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定スクロールの一部をなす鏡板の一面に
    形成された渦巻き状の固定スクロールラップに対して旋
    回スクロールの一部をなすラップ支持円板上の旋回スク
    ロールラップを搖動回転自在に噛み合わせ、両スクロー
    ル間に渦巻き形の圧縮空間を形成し、前記固定スクロー
    ルラップまたは前記旋回スクロールラップの中心部には
    吐出ポートを設け、前記固定スクロールラップの外側に
    は吸入室を設け、前記圧縮空間は吸入側より吐出側に向
    けて連続移行する複数個の圧縮室に区画されて流体を圧
    縮すべく、駆動軸を支承する本体フレームと前記旋回ス
    クロールとの間に前記旋回スクロールの自転阻止部材を
    係合させて前記旋回スクロールを旋回運動させるスクロ
    ール圧縮機構を形成し、前記スクロール圧縮機構を密閉
    容器に収納した構成において、吐出圧力の作用する吐出
    室油溜、前記ラップ支持円板の反圧縮室側に設けた前記
    旋回スクロールの背圧室、前記ラップ支持円板内に設け
    た半径方向通路を順次経由し、圧縮室および前記吸入室
    を下流側とする給油通路を設け、前記半径方向通路の途
    中には、前記旋回スクロールの旋回速度に追従して作動
    する給油通路制御弁装置を配置し、前記給油通路制御弁
    装置には、前記旋回スクロールの旋回速度が設定値以下
    の場合に前記背圧室と前記圧縮室とを連通させ、前記旋
    回スクロールの旋回速度が設定値を超えた場合に、前記
    背圧室と前記圧縮室との間を遮断し、前記背圧室と前記
    吸入室との間を連通させるべく作動する給油通路切り替
    え機能を備えたスクロール気体圧縮機。
  2. 【請求項2】固定スクロールの一部をなす鏡板の一面に
    形成された渦巻き状の固定スクロールラップに対して旋
    回スクロールの一部をなすラップ支持円板上の旋回スク
    ロールラップを搖動回転自在に噛み合わせ、両スクロー
    ル間に渦巻き形の圧縮空間を形成し、前記固定スクロー
    ルラップまたは前記旋回スクロールラップの中心部には
    吐出ポートを設け、前記固定スクロールラップの外側に
    は吸入室を設け、前記圧縮空間は吸入側より吐出側に向
    けて連続移行する複数個の圧縮室に区画されて流体を圧
    縮すべく、駆動軸を支承する本体フレームと前記旋回ス
    クロールとの間に前記旋回スクロールの自転阻止部材を
    係合させて前記旋回スクロールを旋回運動させるスクロ
    ール圧縮機構を形成し、前記スクロール圧縮機構を密閉
    容器に収納した構成において、吐出圧力の作用する吐出
    室油溜、前記ラップ支持円板の反圧縮室側に設けた前記
    旋回スクロールの背圧室、前記ラップ支持円板内に設け
    た半径方向通路を順次経由し、圧縮室および前記吸入室
    を下流側とする給油通路を設け、前記半径方向通路の途
    中には、前記旋回スクロールの旋回運動に基づく遠心力
    により作動する給油通路制御弁装置を配置し、前記給油
    通路制御弁装置には、前記旋回スクロールの旋回速度が
    一定値以下の場合に、前記半径方向通路を遮断させるた
    めの開閉弁を設けたスクロール気体圧縮機。
  3. 【請求項3】旋回スクロールの旋回速度が一定値以下の
    場合に、半径方向通路を遮断させるための開閉弁に付勢
    力を与えるバネ装置を備えた請求項(2)記載のスクロ
    ール気体圧縮機。
  4. 【請求項4】固定スクロールの一部をなす鏡板の一面に
    形成された渦巻き状の固定スクロールラップに対して旋
    回スクロールの一部をなすラップ支持円板上の旋回スク
    ロールラップを搖動回転自在に噛み合わせ、両スクロー
    ル間に渦巻き形の圧縮空間を形成し、前記固定スクロー
    ルラップまたは前記旋回スクロールラップの中心部には
    吐出ポートを設け、前記固定スクロールラップの外側に
    は吸入室を設け、前記圧縮空間は吸入側より吐出側に向
    けて連続移行する複数個の圧縮室に区画されて流体を圧
    縮すべく、駆動軸を支承する本体フレームと前記旋回ス
    クロールとの間に前記旋回スクロールの自転阻止部材を
    係合させて前記旋回スクロールを旋回運動させるスクロ
    ール圧縮機構を形成し、前記スクロール圧縮機構を密閉
    容器に収納した構成において、吐出圧力の作用する吐出
    室油溜、前記ラップ支持円板の反圧縮室側に設けた前記
    旋回スクロールの背圧室、前記ラップ支持円板内に設け
    た半径方向通路を順次経由し、圧縮室および前記吸入室
    を下流側とする給油通路を設け、前記半径方向通路の途
    中には、逆止弁を設けたスクロール気体圧縮機。
  5. 【請求項5】固定スクロールの一部をなす鏡板の一面に
    形成された渦巻き状の固定スクロールラップに対して旋
    回スクロールの一部をなすラップ支持円板上の旋回スク
    ロールラップを搖動回転自在に噛み合わせ、両スクロー
    ル間に渦巻き形の圧縮空間を形成し、前記固定スクロー
    ルラップまたは前記旋回スクロールラップの中心部には
    吐出ポートを設け、前記固定スクロールラップの外側に
    は吸入室を設け、前記圧縮空間は吸入側より吐出側に向
    けて連続移行する複数個の圧縮室に区画されて流体を圧
    縮すべく、駆動軸を支承する本体フレームと前記旋回ス
    クロールとの間に前記旋回スクロールの自転阻止部材を
    係合させて前記旋回スクロールを旋回運動させるスクロ
    ール圧縮機構を形成し、前記スクロール圧縮機構を密閉
    容器に収納した構成において、吐出圧力の作用する吐出
    室油溜、前記ラップ支持円板の反圧縮室側に設けた前記
    旋回スクロールの背圧室、前記ラップ支持円板内に設け
    た半径方向通路を順次経由し、前記吸入室を下流側とす
    る給油通路を設け、前記半径方向通路から分岐して半径
    方向外側部に向かう弁穴を設け、前記弁穴には前記弁穴
    を移動する弁体と前記弁体を半径方向中心部に付勢する
    バネ装置とを配置し、前記弁体が前記弁体に作用する遠
    心力と前記弁体に作用する流体圧力とによって前記バネ
    装置に抗して半径方向外側部へ前進すると前記給油通路
    の開度を広げるべく作用する開度調整弁装置を備えたス
    クロール気体圧縮機。
  6. 【請求項6】圧縮機が停止した時、給油通路が遮断され
    る請求項(5)記載のスクロール気体圧縮機。
  7. 【請求項7】弁体を付勢するバネ装置は、それ自身の温
    度が上昇すれば付勢力を増し、それ自身の温度が低下す
    れば付勢力を減じるべく形状記憶特性を備えた請求項
    (5)記載のスクロール気体圧縮機。
  8. 【請求項8】背圧室に連通する圧縮室を圧力の異なる2
    室以上備えた請求項(1)記載のスクロール気体圧縮
    機。
  9. 【請求項9】給油通路制御弁装置の弁体は、旋回スクロ
    ールの旋回速度が速く、背圧室と圧縮室または吸入室と
    の間の差圧が大きいほど半径方向通路の外側部を移動せ
    しめ、背圧室との連通先圧力を順次切り替えて低下させ
    るべく作動する給油通路切り替え機能を備えた請求項
    (8)記載のスクロール気体圧縮機。
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