JPH073229B2 - スクロ−ル気体圧縮機 - Google Patents

スクロ−ル気体圧縮機

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JPH073229B2
JPH073229B2 JP29947886A JP29947886A JPH073229B2 JP H073229 B2 JPH073229 B2 JP H073229B2 JP 29947886 A JP29947886 A JP 29947886A JP 29947886 A JP29947886 A JP 29947886A JP H073229 B2 JPH073229 B2 JP H073229B2
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JP
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oil
compression
back pressure
pressure
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勝晴 藤尾
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C28/00Control of, monitoring of, or safety arrangements for, pumps or pumping installations specially adapted for elastic fluids
    • F04C28/06Control of, monitoring of, or safety arrangements for, pumps or pumping installations specially adapted for elastic fluids specially adapted for stopping, starting, idling or no-load operation
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C29/00Component parts, details or accessories of pumps or pumping installations, not provided for in groups F04C18/00 - F04C28/00
    • F04C29/02Lubrication; Lubricant separation
    • F04C29/021Control systems for the circulation of the lubricant

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はスクロール気体圧縮機に関するものである。
従来の技術 低振動、低騒音特性を備えたスクロール圧縮機は、吸入
室が外周部に有り、吐出ポートが渦巻きの中心部に設け
られ、圧縮流体の流れが一方向で往復動式圧縮機や回転
式圧縮機のような流体を圧縮するための吐出弁を必要と
せず圧縮比が一定で、吐出脈動も比較的小さくて大きな
吐出空間を必要としないことが一般に知られている。
しかし、特に気体を圧縮する場合などは圧縮部の漏れ隙
間を小さくするために渦巻き部の寸法精度を極めて高く
する必要があるが、部品形状の複雑さ、寸法精度のバラ
ツキなどにより、スクロール気体圧縮機のコストが高く
性能のバラツキも大きいという問題があった。
そこで、この種の問題解決のための方策として、圧縮途
中の気体漏れ防止のために潤滑油膜を利用したシール効
果により渦巻き部寸法精度の適正化と圧縮機性能の安定
化を期待することが大きく、第18図に示す構成が考えら
れ、摺動部に供給した潤滑油の一部を吸入気体と共に圧
縮室に流入させ、圧縮吐出後に圧縮気体から潤滑油を分
離後、油戻し通路を介して再び潤滑油溜に通じる空間に
戻して圧縮機外部への潤滑油流出を少なくするという考
え方の下に、吐出空間582に設けられたキャップ519内の
空間520で圧縮気体から分離された潤滑油が孔522〜孔58
4の油戻し通路を通じて吸入通路となる空間580に戻さ
れ、油溜508に集められ、ポンプ装置によって再び摺動
部に供給される構成であった(特開昭60−75795号公
報)。
また、第19図の構成も考えられ、吐出室674に設けられ
た油分離エレメント672によって圧縮気体に含まれる潤
滑油を分離して固定スクロール鏡板603上の油溜673に潤
滑油を収集し、固定スクロール601と旋回スクロール606
との間の摺動面631に差圧給油の後、吸入室699に潤滑油
を流入させて油膜のシール効果によって圧縮室内での圧
縮気体漏れを少なくする構成であった(特開昭56−1657
87号公報)。
また、第20図,第21図のように潤滑油を圧縮途中の圧縮
室に直接流入される構成も考えられ、第20図は密閉容器
701内の上部にモータ703を配置し下部に圧縮部を配置し
て密閉容器内空間702を吐出室とした構造で、吐出室底
部の油溜710の潤滑油を油吸い込み管722を介して圧縮途
中の圧縮室723に直接流入させる構成であり(特開昭57
−8386号公報)、第21図は密閉容器801内の上部に圧縮
部を配置し下部にモータ803を配置して密閉容器内空間8
02を吐出室とした構造で、旋回スクロール804の気体圧
縮時に作用するスラスト力を軽減するために旋回スクロ
ール804の反圧縮室側背面に設けた中間圧力状態の背圧
室808を中継し、その前後に設けた駆動軸802内の油穴89
9、給油配管815を通して密閉容器801内底部の油溜809の
潤滑油を圧縮途中の圧縮室823に差圧により流入させる
構成であった(特開昭59−110893号公報)。
発明が解決しようとする問題点 しかしながら上記の第18図のような油戻し通路(孔522
〜孔584)を介して吐出空間582と低圧側の空間580とが
常に連通している構成では、例え常に空間520や吐出空
間582に潤滑油が存在する場合でも圧縮機駆動軸の回転
速度の変化に伴い摺動部給油量などが変化して、圧縮気
体中に含まれる潤滑油量も変化すると共に吐出空間582
と低圧側の空間580との差圧や潤滑油の粘性も変化する
などして、過不足なく潤滑油を戻す油戻し通路の設定が
極めて困難であり、圧縮機高速運転時などは潤滑油の吐
出量が多くて圧縮機外部への潤滑油多量流出を防ぐこと
が不可能である。
また、圧縮機停止中に空間520や吐出空間582の潤滑油が
差圧や自重などで圧縮機底部の油溜508に流入し、圧縮
機再起動後しばらくの間は空間520や吐出空間582に充分
な潤滑油が無く、多量の圧縮気体が油戻し通路(孔522
〜孔584)を通して低圧側の空間580に流入して吸入効
率、圧縮効率の著しい低下や耐久性劣化を招くという問
題があった。
また、上記の第19図のような固定スクロール鏡板603上
の油溜673の潤滑油を摺動面631を介して吸入室699に流
入させる構成では、第18図の場合と同様に圧縮機駆動軸
が高速回転して気体吐出量が増加すると油溜673の潤滑
油が無い状態もある。このような場合には吐出室674の
圧縮気体が摺動面631を介して吸入室699に多量流入し、
吸入効率、圧縮効率の著しい低下は勿論のこと摺動面63
1の摩耗や焼き付きを引き起こすなどの問題があった。
また、上記の第20図のような吐出圧力に等しい密閉容器
内空間702の底部の油溜710の潤滑油を圧縮途中の圧縮室
723に差圧により流入させる構成では、冷媒圧縮機など
に使用する際、圧縮機停止中にその自重や差圧などによ
り圧縮機外部の冷凍サイクルから圧縮機内に帰還した多
量の冷媒が液化状態で油溜710の上部のモータ703下面に
まで溜まり、冷媒液や潤滑油が油吸い込み管722などを
通じて圧縮室723に流入し充満する場合もあり、このよ
うな状態では圧縮負荷が過大のため再起動運転不能であ
り、例えモータ703の起動トルクが大きくて再起動でき
るとも圧縮機破損を招く。
また、圧縮機運転条件によって油溜710の潤滑油が不足
する場合もあり、このような状態では圧縮室723に圧縮
気体が流入して圧縮効率の著しい低下や圧縮室内異常圧
力上昇に伴う圧縮機破損などを招くという問題があっ
た。
また、上記の第21図のような圧縮機底部の油溜809に通
じる中間圧力状態の背圧室808を経由して圧縮途中の圧
縮室823に潤滑油を供給する構成でも、上記の第20図の
場合と同様に油溜809の潤滑油が不足する場合には圧縮
効率の著しい低下や耐久性低下を招くという問題もあっ
た。
また一方、第22図、第23図でも示すように圧縮機運転時
に吐出室910底部の油溜916に通じる給油通路919を開い
て圧縮部に差圧給油し、圧縮機停止時に給油通路を閉じ
る構成の発明が特公昭59−44517号公報によっても知ら
れているが、この発明は吐出ポート907の下流に吐出弁9
08を必要とするスライドベーン型回転式圧縮機の吐出弁
908通過前のシリンダ927の圧力と吐出弁908通過後の吐
出室910の圧力との差圧を利用してプランジャー922を作
動させ給油通路919の開閉弁925を制御する構成である。
しかし、圧縮機冷時起動運転直後しばらくの間などは、
吐出室910の圧力が低くてシリンダ927内圧縮初期行程か
ら吐出弁908が開き吐出室910とシリンダ927との圧力差
が小さい。このため開閉弁925が開かず圧縮部への給油
も無いので、ベーン5のジャンピング現象が生じて異音
や圧縮効率低下を招くなどの問題があり、圧縮機運転条
件に影響されない給油通路制御装置の実用化が望まれて
いた。
そこで、本発明はスクロール圧縮機が圧縮室圧力を上昇
させるための吐出弁を必要とせず圧縮比が一定であるこ
とに着目し、吸入室および吐出室に連通しない圧縮室と
吸入室などとの圧力差を利用して応用範囲の広い給油通
路制御装置を実用化することにより高効率、耐久性に優
れたスクロール気体圧縮機を提供するものである。
問題点を解決するための手段 上記問題を解決するために本発明のスクロール気体圧縮
機は、油溜まり部とその油溜まり部よりも圧力の低い空
間とを給油通路により連通させ、給油通路の途中には給
油通路を開閉する開閉弁とその開閉弁を制御するアクチ
ェータとで構成される給油通路制御弁装置を設け、アク
チェータには弁体とその弁体の両側に配置した背圧室A
および背圧室Bを設け、背圧室Aは吐出室にも吸入室に
も連通しない第1圧縮室に通じ、背圧室Bは吸入室に通
じる第2圧縮室または吸入室またはこれに通じる吸入側
に通じ、背圧室Aと背圧室Bとの間の差圧により弁体が
前進して開閉弁を開き、差圧の無い場合に弁体の自重ま
たはバネ装置の付勢力などによって弁体が後退して開閉
弁を閉じる給油通路制御弁装置を備えた構成である。
作用 本発明は上記構成によって、圧縮機が始動し旋回スクロ
ールが旋回運動をして吸入室内の気体が圧縮室(第2圧
縮室)に吸入され一定の圧縮比にまで圧縮されて吐出室
に吐出されると共に、給油通路の途中に設けられた給油
通路制御弁装置のアクチェータの弁体は吐出室にも吸入
室にも連通しない第1圧縮機に通じる背圧室Aと、吸入
室に通じる第2圧縮室などに通じる背圧室Bとの間の差
圧力により前進して開閉弁を開いて給油通路を連通さ
せ、油溜まり部の潤滑油は給油を必要とする空間に差圧
給油される。
圧縮機が停止すると圧縮室間の隙間を通じて圧縮空間の
圧力と吸入室圧力とがほぼ等しくなり(圧縮機停止後
は、逆流防止弁が圧縮空間と吐出室との間に設けられて
いる場合は圧縮室と吸入室の圧力が吸入側の圧力にな
り、逆流防止弁が吸入側に設けられている場合は圧縮室
と吸入室の圧力が吐出室圧力になり、逆流防止弁のない
場合は旋回スクロールが逆転をして圧縮室と吸入室との
圧力差が瞬時に無くなる)、圧縮空間および吸入室にそ
れぞれ通じる背圧室Aと背圧室Bとの間の差圧も無くな
って弁体の自重またはバネ装置の付勢力などによって弁
体が後退して開閉弁を閉じて給油通路を遮断し、油溜ま
り部の潤滑油の無駄な流失を防ぎ、有益な潤滑油の使用
によって圧縮効率と耐久性を向上することができる。
実 施 例 以下本発明の7実施例のスクロール気体圧縮機につい
て、図面を参照しながら説明する。第1図は本発明の第
1の実施例における密閉型スクロール冷媒圧縮機の縦断
面図を示し、第2図、第3図は第1図における給油通路
制御弁装置の動作を説明する縦断面図を示し、第4図は
第1図のA−A線における圧縮部の横断面図を示し、第
5図、第15図は吸入行程から吐出行程までの気体の圧力
変化の説明図を示し、第6図、第16図は吐出側に近くて
吐出室に連通しない圧縮室の圧力変化と給油通路制御弁
装置に導入された圧力変化との比較説明図を示し、第7
〜第14図、第17図は本発明の別の実施例における密閉型
スクロール冷媒圧縮機の縦断面図と給油通路制御弁装置
の動作などを説明する部分断面図を示す。
第1図において、1,2は鉄製の密閉ケース、3は鉄製の
フレームでその外周面部で密閉ケース1,2と共に単一の
溶接ビード4によって溶接密封され密閉ケース1,2内を
上側の吐出室5と下側の駆動室6(低圧側)に仕切って
いる。
フレーム3に支承されインバータ電源(図示なし)によ
って運転制御されるモータ7により回転駆動される駆動
軸8の上端部の偏心穴9には旋回スクロール10の旋回軸
11が填め込まれ、旋回スクロール10の自転阻止部品12が
旋回スクロール10とフレーム3に係合し、旋回スクロー
ル10に噛み合う固定スクロール13がフレーム3にボルト
固定され、固定スクロール13の鏡板14には吐出ポート15
が設けられ、鏡板14の上面には吐出ポート15の開口端を
塞ぐ逆止弁16と給油通路制御弁装置17が取り付けられて
いる。吐出室5の底部は吐出室油溜18でその上部には多
数の小穴を有した傘状のパンチングメタル19が密閉ケー
ス1に取り付けられ、密閉ケース1とパンチングメタル
19との間には細鉄線から成るフィルター20が詰められ、
吐出室5は密閉ケース1の上面に設けられた吐出管21を
通じて外部の冷凍サイクル配管系を経て密閉ケース2の
側面に設けられた吸入管22を通じて低圧側の駆動室6に
連通し、駆動室6の底部にはモータ室油溜23が設けら
れ、偏心穴9とモータ室油溜23とを連通する偏心油穴24
を有した駆動軸8の下端がモータ室油溜23に埋没してい
る。
第2図、第3図、第4図において、給油通路制御弁装置
17は鏡板14にガスケット25を挟んで取り付けられ、本体
ケース26に設けられてその一端がメクラ栓27によって塞
がれたシリンダ28内には外周溝29を有したプランジャー
30が移動可能に装着されている。シリンダ28はプランジ
ャー30によって2つの背圧室に仕切られ、メクラ栓27の
側の背圧室B31はガス穴32によって吸入室33に通じ、他
方の背圧室A34は極細の圧力導入穴35によって吐出ポー
ト15とは連通せず吐出ポート15に最も近い圧縮室A36
(第1圧縮室)に連通している。背圧室B31にはプラン
ジャー30の一端に設けられた円筒穴37に挿入支持された
形状記憶合金材料製のコイルバネ38が配置され、コイル
バネ38はその一端がメクラ栓27に押接してコイルバネ38
に付勢力を与え、その付勢力は吸入室33と圧縮室A36と
の間の差圧がほとんど無い場合に背圧室B31の容積を広
げるべくプランジャー30を一定量移動させ、第3図の位
置でプランジャー30が停止し、吸入室33と圧縮室A36と
の間の差圧が設定値を超えた場合に背圧室B31の容積を
一定量まで狭めるべくプランジャー30を移動させ、第2
図の位置でプランジャー30が停止し、それ自身の温度が
設定温度(例えば130℃)を超えるとバネ定数が急増し
て付勢力を強けて吸入室33と圧縮室A36との間の差圧が
設定値を超えた場合でも背圧室B31の容積を広げるべく
プランジャー30を一定量移動させるように設定されてい
る。吸入室33と圧縮室A36との間に位置して吸入室33と
は連通しない圧縮室B39(第3圧縮室)(圧縮室Ba39a)
は極細の油インジェクション穴40(インジェクション管
40a)と外周溝29と極細の油吸い込み穴41を介して吐出
室油溜18の底部に通じ、プランジャー30の停止位置によ
り連通または遮断される。
第5図において、横軸は駆動軸8の回転角度を表し、縦
軸は冷媒圧力を表し、吸入・圧縮・吐出過程における冷
媒ガスの圧力変化状態を表す。
第6図において、横軸は駆動軸8の回転角度を表し、縦
軸は冷媒圧力を表し、実線42は圧縮室A36の圧力を表
し、一点鎖線43は背圧室A34の圧力を表し、二点鎖線42a
は圧縮室B39の圧力を表す。
第7図は別の実施例のスクロール冷媒圧縮機の縦断面図
で、固定スクロール13aの鏡板14aに取り付けられた給油
通路制御弁装置17を介して吐出室油溜18がフレーム3aの
軸受油溜44に通じている。すなわち、吐出室油溜18から
軸受油溜44までの給油通路は、固定スクロール13aの鏡
板14aに設けられた油吸い込み穴41a、給油通路制御弁装
置17のプランジャー30の外周溝29、鏡板14aに設けら
れ、その途中に逆流防止弁(図示なし)を内蔵した油穴
A45、フレーム3aに設けられた油穴B46によって順次通じ
ている。
第8図は別の実施例のスクロール冷媒圧縮機の断面図
で、1b、2bは鉄製の密閉ケース、45は鉄製の支持板でそ
の外周面部で密閉ケース1b、2bと共に単一の溶接ビード
によって溶接密封され、支持板45の上面には旋回スクロ
ール10bを挟んで固定スクロール13bが取り付けられ下面
には駆動軸8bを支承するフレーム3bが取り付けられ、吐
出室5bと駆動室6bとは固定スクロール13bの鏡板14bの上
面に開口した吐出ガス通路46aと支持板45に設けられた
吐出ガス通路46bとで連通し、旋回スクロール10bと支持
板45とフレーム3bとで形成された中間圧背圧室47は駆動
軸8bに設けられた軸芯油穴48や駆動軸8bに係合する軸受
49,50,旋回軸受51の各微小隙間を経由してモータ室油溜
23bに連通すると共に旋回スクロール10bに設けられた極
細のバイパス穴50を介して吸入室33bにも連通してい
る。旋回スクロール10bが中間圧背圧室47の圧力によっ
て押し付けられる固定スクロール13bの鏡板14bの下面に
設けられた環状油溝53は鏡板14b上面に取り付けられた
給油通路制御弁装置17を介して吐出室油溜18bに通じて
いる。すなわち、吐出室油溜18bから環状油溝53までの
給油通路は、固定スクロール13bの鏡板14bに設けられた
油吸い込み穴41b、給油通路制御弁装置17のプランジャ
ー30の外周溝29、鏡板14bに設けられた油穴54によって
順次通じている。
吸入管22bは密閉シェル1bと鏡板14bを貫通して吸入室33
bに達し、吸入管22bの端部と吸入室33bとの間には逆止
弁16bが設けられ、吐出管21bは密閉シェル2bに設けられ
て駆動室6bに通じている。
第9図は別の実施例のスクロール冷媒圧縮機の縦断面図
で、密閉シェル1cの内部全体が吐出室5cで、上部にモー
タ7、下部に圧縮部と給油通路制御弁装置17cとが固定
スクロール13cの鏡板14cに取り付けられ底部の油溜23c
に浸漬して配置され、油溜23cから吸入室33cまでの給油
通路は給油通路制御弁装置17cの本体ケース26cに設けら
れた油吸い込み穴41c、外周溝29、鏡板14cに設けられた
油穴55、フレーム3cと固定スクロール13cに挟まれた支
持板45cに設けられた油穴56、フレーム3cに設けられた
油穴57、駆動軸8cを支承する軸受58の微小な軸受隙間、
フレーム3cと支持板45cと旋回スクロール10cとで形成さ
れた中間圧背圧室47c、駆動軸8cの下端に設けられた旋
回軸受51cと旋回スクロール10cの旋回軸11cとの間の微
小な軸受隙間、旋回スクロール10cに設けられた油穴5
9、バイパス穴52cで構成され、吐出ポート15cから吐出
室5cまでの圧縮ガス通路は固定スクロール13cと本体ケ
ース26cとで形成された吐出ガス通路60、固定スクロー
ル13cと支持板45cとフレーム3cにそれぞれ設けられた吐
出ガス通路61,62,63で構成される。
また、フレーム3cに設けられた軸受64に対向する駆動軸
8cの表面には螺線状の油溝65が設けられ、油溝65の巻き
方向は駆動軸8cの回転に伴うネジポンプ作用により油穴
57の潤滑油を軸受64の上部開口端へも供給できる方向に
設けられている。
また、吸入管22cは密閉シェル1cを貫通して固定スクロ
ール13cに挿入され逆止弁(図示なし)を介して吸入室3
3cに連通し、吐出管21cは密閉ケース1cの上側面に設け
られている。
第10図は給油通路制御弁装置の開閉弁部を固定スクロー
ル13dの鏡板14dの内部に設けた別の実施例のスクロール
冷媒圧縮機の部分断面図で、シリンダ28dが鏡板14dに設
けられ、吐出室5とは連通せず吐出室5に最も近い側の
圧縮室A36と背圧室A34dとは埋め込みネジ66とネジ穴と
の微小隙間を介した圧力導入穴35dで連通され、吸入室3
3とは連通せず吸入室33に近い側の圧縮室B39とプランジ
ャー30の外周溝29とは鏡板14dに設けられたインジェク
ション穴40d、鏡板14dとガスケット25dとガスケット押
さえ67とで形成される極細のインジェクション通路68と
で連通し、プランジャー30に付勢力を与えるコイルバネ
38はそれ自身が設定温度(例えば130℃)を超えるとそ
の付勢力を強めて外周溝29とインジェクション通路68と
の連通を断つべくプランジャー30を作動させるようなバ
ネ特性を備えた形状記憶合金材質から成り、吐出室油溜
18から圧縮室B39までの給油通路が油吸い込み穴41d、外
周溝29、インジェクション通路68、インジェクション穴
40dで構成される。
第11図は給油通路制御弁装置の通路開閉機構の異なる別
の実施例のスクロール冷媒圧縮機の縦断面図で、第11図
〜第16図において、プランジャー30に付勢力を与えるバ
ネ装置がコイルバネA38aとコイルバネB38bの二重構造で
形成され、コイルバネB38bの外側に配置されたコイルバ
ネA38aはその自由長さがコイルバネB38bよりも長く、コ
イルバネB38bのバネ定数はコイルバネA38aよりも極端に
大きく設定され、通常運転時の吐出室油溜18から圧縮室
A36までの給油通路が第12図に示すように鏡板14に設け
られた油吸い込み穴41、プランジャー30の外周溝29、シ
リンダ28eに開口して本体ケース26eに設けられたインジ
ェクション穴40e(またはインジェクション管40a)、鏡
板14に設けられたインジェクション穴40によって形成さ
れ、プランジャー30はコイルバネB38bを僅かに収縮せし
めた状態で停止している。また、圧力導入穴35を介して
圧縮室A36に通じる背圧室A34の圧力が異常上昇した場合
には、プランジャー30がコイルバネA38a、コイルバネB3
8bに抗して移動し、第14図の状態で停止して吐出室油溜
18と圧縮室B39との給油通路が遮断される。
また、第13図は吸入室33に通じる背圧室B31と背圧室A34
との間の背圧がほとんど無くなった場合にプランジャー
30がコイルバネA38aの付勢力によって移動して給油通路
が遮断された状態を示す。
また、コイルバネB38bはそれ自身の温度が設定温度(例
えば130℃)を超えた場合にプランジャー30に付勢力を
与えない程度にまで収縮するような特性を備えた形状記
憶合金材質から出来ている。
第15図において、横軸は駆動軸8の回転角度を表し、縦
軸は冷媒圧力を表し、実線42は正常運転時の圧縮室A36
の圧力、点線71は異常圧力上昇時の圧縮室A36の圧力、
一点鎖線43は正常運転時の背圧室B34の圧力、二点鎖線7
2は圧縮室A36の圧力が異常上昇した場合に追従して変化
する背圧室A34の圧力をそれぞれ表す。
第17図は給油通路制御弁装置の別の実施例を固定スクロ
ールに取り付けた状態の部分断面図を示し、本体26gと
ケース26fとで挟まれた薄板のダイヤフラム80がその外
周部で単一の溶接ビード81により本体26gとケース26fと
共に密封溶接され、本体26gとケース26fとで形成される
内部空間を背圧室B31fと背圧室A34fに仕切っている。背
圧室A34fは圧力導入管35gと固定スクロール13の鏡板14
に設けられた極細の圧力導入穴35fを介して圧縮室A36に
通じ、背圧室B31fは本体26gに設けられたガス穴82と鏡
板14に設けられたガス穴32fとを介して吸入室33に通じ
ている。本体26gには背圧室B31fに開口したシリンダ28f
と、シリンダ28fに継続して設けられシリンダ28fの直径
よりも大きく本体26gの鏡板41取り付け面に開口した弁
穴83とが設けられ、弁穴83の開口端は鏡板14に設けられ
吐出室油溜18の底部に開口した油吸い込み穴41に通じて
いる。本体26gに設けられたインジェクション穴40fはそ
の上端をシリンダ28fの中央部内壁に開口し、その他端
が鏡板14に設けられたインジェクション穴40を介して圧
縮室B39に通じている。弁穴83にはシリンダ31fの直径よ
りも大きいコイルバネ38fとその上部に鋼球84が装着さ
れ、シリンダ31fにはその下半部が細径ピン形状で上半
部が精密円筒形状でその中央部に外周溝29fを有したプ
ランジャー30fが遊合状態で装着されている。外周溝29f
は小穴85を介して弁穴83に通じプランジャー30fの上端
はダイヤフラム80によって移動を規制され、下端はコイ
ルバネ38fによって付勢力を得た鋼球84によって移動を
規制される。
以上のように構成されたスクロール冷媒圧縮機につい
て、その動作を説明する。
第1図〜第6図において、モータ7によって駆動軸8が
回転駆動されると旋回スクロール10が旋回運動をし、圧
縮機に接続した冷凍サイクルから吸入冷媒ガスが吸入管
22を通して駆動室6に流入し、その中に含まれる潤滑油
の一部が分離された後に吸入室33に吸入され、吸入冷媒
ガスは旋回スクロール10と固定スクロール13との間に形
成された圧縮室内に閉じ込められ、旋回スクロール10の
旋回運動に伴って順次圧縮され中央部の吐出ポート15、
逆止弁16を経て吐出室5へ吐出され、吐出冷媒ガス中に
含まれる潤滑油の一部はその自重およびパンチングメタ
ル19の小穴や細鉄線から成るフィルター20を通過する際
にその表面に付着などして吐出冷媒ガスから分離して吐
出室油溜18に収集され、残りの潤滑油は吐出冷媒ガスと
共に吐出管21を経て外部の冷凍サイクルへ搬出され、再
び吸入冷媒ガスと共に吸入管22を通して圧縮機内に帰還
する。
一方、駆動室6で吸入冷媒ガスから分離した底部のモー
タ室油溜23に収集された潤滑油は駆動軸8の偏心油穴24
による遠心ポンプ作用で偏心油穴24、駆動軸8に係わる
軸受隙間(偏心穴9と旋回軸11との隙間を含む)、旋回
スクロール10に係わるスラスト軸受部や自転阻止部品12
の摺動面を順次潤滑して吸入冷媒ガスと共に吸入室33へ
流入し、隣接する圧縮空間の隙間を油膜で密封し圧縮冷
媒ガスの漏洩を少なくする。
また、吐出室5に連通せず吐出ポート15に最も近い側の
圧縮室A36の圧縮機運転中の圧力は第6図に示すように
大きく変化するが、極細の圧力導入穴35を介して導入し
た背圧室A圧力43はその変化が少なくて圧縮室B圧力42
aの最大値よりも大きい。このため背圧室A34の圧力は吸
入室33に通じる背圧室B31の圧力よりも安定して大き
く、このためにプランジャー30がコイルバネ38の付勢力
に抗してメクラ栓27の方向へ移動し、第2図に示すよう
に吐出室油溜18と圧縮室B39(吸入室33に連通せず吸入
室に近い側の圧縮室)との間が油吸い込み穴41、外周溝
29、極細のインジェクション穴40で構成される給油通路
により連通され、吐出室油溜18の潤滑油が給油通路を通
り適切に漸次減圧されて圧縮室B39に間欠給油され、こ
の潤滑油はモータ室油溜23から給油され、吸入冷媒ガス
と共に吸入室33を経て圧縮室B39に搬送されて来た潤滑
油と合流し、隣接する圧縮室間の隙間を油膜でより一層
の密封を図る。
また、圧縮機停止後は逆止弁16が閉じ、吐出室5の圧力
は数分間ほぼ吐出圧力状態を保持されるが相対滑り運動
の無い圧縮室間の隙間は油膜による密封効果が無く、吐
出ポート15と各圧縮室の圧力は旋回スクロールの瞬時逆
転によって吸入室33と同じ圧力になる。この結果、プラ
ンジャー30はコイルバネ38の付勢力によって移動し、第
3図に示すように給油通路が遮断されて吐出室油溜18か
ら圧縮室B39への給油が停止する。
また、万一、圧縮機運転中に冷凍サイクル配管系の詰ま
り現象などによって圧縮機内への潤滑油帰還が無く吐出
室油溜18の潤滑油が不足して給油通路を経て吐出冷媒ガ
スが多量に圧縮室B39に流入した場合は、短時間に圧縮
室や吐出室5内で異常温度上昇しコイルバネ38が設定温
度(例えば130℃)を超え、形状記憶合金材質から成る
コイルバネ38の付勢力が増大してプランジャー30は第3
図の位置(圧縮機停止中と同じ位置)で停止し給油通路
が遮断される。
第7図においては、圧縮機運転中の吐出室油溜18の潤滑
油は上述のようにプランジャー30の作動によって油吸い
込み穴41a、外周溝29、油穴A45、油穴B46で構成される
給油通路を経て適切に漸次減圧され軸受油溜44に給油さ
れ、その後は駆動軸8に係わる軸受部や旋回スクロール
10のスラスト軸受部などの摺動面を潤滑しながら低圧側
の駆動室6や吸入室33に流入する。吸入冷媒ガスと共に
吸入室33に流入した潤滑油は上述のように隣接する圧縮
室間の隙間を油膜により密封して圧縮効率を高め、駆動
室6に流入した潤滑油は底部のモータ室油溜23に収集さ
れた後、駆動軸8に設けられた偏心油穴24の遠心ポンプ
作用によって上述のように各摺動面へ供給される。
なお、圧縮機停止後の給油通路の遮断や冷媒ガスの流
れ、冷媒ガス中の潤滑油の分離などについては上述と同
様で説明を省略する。
第8図においては、モータ7によって駆動軸8が回転駆
動されて旋回スクロールが旋回運動をし、圧縮機に接続
した冷凍サイクルから吸入冷媒ガスが吸入管22bを通
り、その終端部に設けられた逆止弁16bに抗して吸入室3
3bに流入され、圧縮室内で一定の圧縮比にまで圧縮され
た後、吐出室5bへ吐出され、吐出冷媒ガス中に含まれる
潤滑油の一部はその自重などによって吐出冷媒ガスから
分離して吐出室油溜18bに収集される。その後、吐出冷
媒ガスは吐出冷媒ガス通路46a、46bを経て駆動室6bに搬
送され、吐出冷媒ガス中の潤滑油の一部は駆動室6bでも
分離して底部のモータ室油溜23bに収集される。モータ
室油溜23bの潤滑油は中間圧背圧室47との差圧により駆
動室8bの軸心油穴48、旋回軸受51の微小隙間、フレーム
3bの軸受49、50の微小隙間を経て漸次減圧されて中間圧
背圧室47に給油された後、バイパス穴52を通じて吸入室
33bに流入して隣り合う圧縮室間隙間を油膜で密封して
圧縮効率を高める。
また、中間圧背圧室47の潤滑油圧力は旋回スクロール10
bを固定スクロール13bの鏡板14b面に押圧するスラスト
力を生じる。
また、給油通路制御弁装置17のプランジャー30は前述の
如く圧縮機運転中に給油通路を開き、吐出室油溜18bの
潤滑油は油吸い込み穴41b、外周溝29、油穴54を経て鏡
板14bの環状油溝53に差圧給油され、鏡板14bと旋回スク
ロール10bとの摺動面の潤滑に供された後、吸入室33bに
流入して隣り合う圧縮室間の隙間の密封にも寄与する。
また、圧縮機停止後は逆止弁16bが吸入管22bが塞ぎ、圧
縮室圧力は吐出室圧力に等しくなり、前述の如くプラン
ジャー30は給油通路を遮断する。
第9図においては、吸入管22cを通して吸入室33cに流入
した吸入冷媒ガスは圧縮された後、吐出ポート15c、吐
出ガス通路60、61、62、63を経て吐出室5cに吐出され、
吐出冷媒ガス中に含まれる潤滑油の一部はその自重など
によって吐出冷媒ガスから分離して底部のモータ室油溜
23cに収集され、残りの潤滑油は吐出冷媒ガスと共に吐
出管21cを通して外部の冷凍サイクルへ搬出される。
前述の如く圧縮機運転中は、給油通路制御弁装置17cの
プランジャー30が作動して給油通路を開き、モータ室油
溜23cの潤滑油は油吸い込み穴41c、外周溝29、油穴55、
56、57、駆動軸8cと軸受58との間の微小隙間、中間圧背
圧室47c、旋回軸11cと旋回軸受51cとの間の微小隙間、
油穴59、バイパス穴52cを経て漸次減圧され摺動面を潤
滑しながら吸入室33cに流入し、吸入冷媒ガスと共に再
び圧縮・吐出される。なお、油穴57の潤滑油の一部は駆
動軸8cの外周に設けられた螺線状の油溝のネジポンプ作
用により吐出室5cへも搬出されて軸受64の摺動面を潤滑
する。
また、前述の如く圧縮機停止後は、プランジャー30が給
油通路を遮断する。
第10図においては、圧縮機運転中に吐出室油溜18の潤滑
油が不足した場合には、高温で粘性の少ない圧縮冷媒ガ
スが給油通路(油吸い込み穴41d、外周溝29、インジェ
クション通路68、インジェクション穴40d)を経て圧縮
室B39に多量流入し、圧縮冷媒ガスの圧力や温度を異常
上昇せしめる。この結果、鏡板14dの内部に装着された
形状記憶合金材質から成るコイルバネ38は圧縮室A36、
圧縮室B39、吐出室5か等の直接的伝熱によって早急に
設定温度(例えば130℃)を超えて付勢力が増大しプラ
ンジャー30を後退せしめて給油通路を遮断する。
また、吐出室油溜18に潤滑油が充分にあり、通常の圧縮
機運転中や停止後の給油通路の開閉については上述の通
りである。
第11〜第16図においては、圧縮機に接続する冷凍サイク
ルから吸入冷媒ガスが吸入管22を通して駆動室6に流入
し吐出室5、吐出管21を経て再び冷凍サイクルへ搬出さ
れる過程およびモータ室油溜23の潤滑油の流れ過程は第
1図と同様であるが、給油通路制御弁装置17eの動作が
前述の内容と異なる。すなわち、吐出室油溜18に充分な
潤滑油が存在した圧縮機運転中は、吐出室5に連通せず
吐出ポート15に最も近い側の圧縮室A36の圧力導入穴開
口部圧力42は第16図に示すように大きく変化するが、極
細の圧力導入穴35を介して導入した背圧室Aの圧力43は
その変化が少なくてインジェクション穴開口部の圧縮室
Bの圧力42aの最大値よりも大きいので吸入室33に通じ
る背圧室B31の圧力よりも安定して大きい。このため、
プランジャー30がコイルバネA38aの付勢力に抗して前進
しコイルバネB38bにも付勢力を与える。しかし、コイル
バネB38bの付勢力が大きいのでプランジャー30は第12図
に示す位置で停止して給油通路が開かれ、吐出室油溜18
の潤滑油は油吸い込み穴41、外周溝29、インジェクショ
ン穴40e(またはインジェクション管40a)、インジェク
ション穴40を経て漸次減圧されて圧縮室B39に流入し、
上述の如く潤滑油の効果を生じて圧縮冷媒ガスと共に吐
出室5へ吐出される。また、万一、圧縮機運転中に冷凍
サイクル配管系の詰まり現象などによって圧縮機内への
潤滑油帰還が無く吐出室油溜18の潤滑油が不足して給油
通路を経て高温で粘性の小さい吐出冷媒ガスが圧縮室B3
9に多量流入した場合は、第15図に示すように圧縮室の
圧力が点線70のように異常上昇し、第16図に示すように
圧力導入穴開口部の圧縮室Aの圧力72もその平均圧力が
高くなる。この結果、プランジャー30はコイルバネB38b
の付勢力に抗して前進し第14図に示す位置で停止し給油
通路を遮断する。また、圧縮機停止後は前述の如くプラ
ンジャー30が第13図に示す位置に後退して給油通路を遮
断する。
第17図においては、圧縮機が運転され圧縮室A36に通じ
る背圧室A34fが圧力上昇し、吸入室33に通じる背圧室B3
1fと背圧室A34fとの差圧によってダイヤフラム80が変形
してその中央部はプランジャー30fの先端を押圧し、コ
イルバネ38fの付勢力に抗して鋼球84を移動させ、吐出
室油溜18から圧縮室B39までの給油通路(油吸い込み穴4
1、弁穴83、シリンダ28f、小穴85、外周溝29、インジェ
クション穴40、40f)が開き、潤滑油が差圧給油され
る。
圧縮機停止後は上述の実施例と同様に、コイルバネ38f
の付勢力によってプランジャー30fを介してダイヤフラ
ム80は80aの位置まで復帰し、鋼球84がシリンダ28fの弁
穴83開口端部を塞ぎ給油通路を遮断する。
以上のように上記実施例によれば吐出室油溜18の底部と
吸入室33にも吐出室5にも通せず吸入室33に近い側の圧
縮室B39(または吸入通路に通じる駆動室6、または駆
動軸8を支承するフレーム3の軸受49、50の隙間部や軸
受49と軸受50との間に設けられた軸受油溜44、または固
定スクロール13の鏡板14と旋回スクロール10との摺動面
部の環状油溝53)との間を油吸い込み穴41、外周溝29、
インジェクション穴40で形成される給油通路により連通
させ、給油通路の途中には給油通路を開閉するプランジ
ャー30(または鋼球84)とプランジョー30(または鋼球
84)を制御するアクチェータとで構成される給油通路制
御弁装置17を設け、そのアクチェータにはプランジャー
30(またはダイヤフラム80)とプランジャー30(または
ダイヤフラム80)の両側に配置した背圧室A34(または3
4f)および背圧室B31(または31f)を設け、背圧室A34
(または34f)は吐出室5にも吸入室33にも連通しない
圧縮室A36(第1圧縮室とする)に通じ、背圧室B31(ま
たは31f)は吸入室33に通じ、背圧室A34(または34f)
と背圧室B31(または31f)との間の差圧によりプランジ
ャー30(またはダイヤフラム80)が前進して油吸い込み
穴41とプランジャー30の外周溝29とインジェクション穴
40との間(または弁穴83とシリンダ28fとインジェクシ
ョン穴40fとの間)を連通し、背圧室A34(または34f)
と背圧室B31(または31f)との間の差圧の無い場合にプ
ランジャー30の自重(またはコイルバネ38fの付勢力と
油吸い込み穴41の潤滑油圧力)によってプランジャー30
(またはダイヤフラム80)が後退して開閉通路を閉じる
給油通路制御弁装置17を備えることにより、冷媒ガスの
圧縮比が一定なために圧縮室A36の圧力は吐出室5の圧
力に影響されずに吸入室33の圧力の一定倍率の圧力まで
確実に上昇し、プランジャー30(またはダイヤフラム8
0)が差圧力によって前進して圧縮機起動直後から給油
通路を開き、吐出室油溜18の潤滑油を圧縮初期行程から
圧縮室B39へ油インジェクションさせて隣接する圧縮室
間の隙間を油膜で密封して、圧縮機起動初期から圧縮効
率を高めると共に圧縮冷媒ガスの異常温度上昇を防ぎ耐
久性を向上できる。また、圧縮室への油インジェクショ
ンによりスクロール部の加工寸法精度を適性化して圧縮
機コストの低減が図れる。
また、圧縮機停止後は吸入室33と圧縮室A36との差圧が
無くなりコイルバネ38(またはコイルバネ38fの付勢力
と油吸い込み穴41の潤滑油圧力)によってプランジャー
30(または鋼球84)が後退して給油通路が遮断されるの
で、吐出室油溜18から圧縮室B39への無駄な潤滑油流入
を防止して、冷却効果や隙間密封効果を有する潤滑油の
有効利用により摺動面の耐久性や圧縮効率の向上、圧縮
機再起動時の油圧縮による圧縮機破損防止を図ることも
出来る。
また、上記実施例によればアクチェータを構成するプラ
ンジャー30が給油通路の開閉弁を兼ねることにより、給
油通路の開閉弁機構が簡単で省スペースなため安価で使
用場所制限の少ない給油通路の制御装置を提供でき、圧
縮機の小型化やコスト低減が出来る。
また、上記実施例によれば背圧室A34fと背圧室B31fとの
間に挟まれた薄箔状のダイヤフラム80の周囲を背圧室A3
4fや背圧室B31fの外壁と共に密封固定したことにより、
高圧側の背圧室A34fから低圧側の背圧室B31fへの冷媒ガ
スの漏洩が無く、圧縮室A36と吸入室B33との間の僅かな
圧力差でもプランジャー30fを前進させて弁穴83を開通
させて吐出室油溜18の潤滑油を圧縮室B39にインジェク
ションできるので圧縮比の小さいスクロール気体圧縮機
でも上述したように圧縮機運転状態に応じた給油通路の
開閉制御が出来る。
また、ダイヤフラム80は、背圧室A34fと背圧室B31fとの
間の差圧が設定値をこえれば背圧室B31fの方へ反り、差
圧の無い場合にはコイルバネ38fの付勢力と油吸い込み
穴41の潤滑油圧力の付勢力とで背圧室A34fの方へ反るト
ッグル変形バネ特性を備えることにより、吸入室33と圧
縮室A36との間に差圧脈動のある場合でもダイヤフラム
の変形が安定しており、給油通路を開閉する鋼球84にチ
ャタリング現象が生じないので安定した給油通路の開閉
が出来、摺動部の耐久性や圧縮効率の安定化を図ること
が出来る。
なお、上記実施例では冷媒圧縮機について動作を説明し
たが、潤滑油を使用する酸素、窒素、ヘリゥムなどの他
の気体圧縮機の場合も同様の作用効果を期待できる。
また、上記実施例ではインジェクション管40aを用いて
プランジャー30の外周溝29と圧縮室A36とを連通した
が、インジェクション管40aの代わりに鏡板14にその通
路を設けてもよい。また、上記実施例では背圧室B31と
吸入室33とを連通したが、プランジャー30の外周隙間や
コイルバネ38の付勢力などを適切に選定することによ
り、吸入室33に通じる圧縮室(第2圧縮室とする)と背
圧室B31とを連通して差圧の少なくしプランジャー30を
作動させてもよい。また、第8図では給油通路の最上流
を吐出室油溜18bとしたが、中間圧背圧室47を給油通路
の最上流としてもよい。
また、上記実施例に限定せず給油通路の上流を適当に選
択してもよい。
また、上記実施例ではプランジャー30の外周部に特別な
シール部材を設けていないが、例えばテフロン製のピス
トンリングやテフロン被膜を施して滑りを良くしたゴム
製のオーリングなどを使用してプランジャー30外周部か
らの軸方向漏れを少なくしてもよい。
発明の効果 以上のように本発明は、油溜まり部とその油溜まり部よ
りも圧力の低い空間とを給油通路により連通させ、給油
通路の途中には給油通路を開閉する開閉弁とその開閉弁
を制御するアクチェータとで構成される給油通路制御弁
装置を設け、アクチェータには弁体とその弁体の両側に
配置した背圧室Aおよび背圧室Bを設け、背圧室Aは吐
出室にも吸入室にも連通しない第1圧縮室に通じ、背圧
室Bは吸入室に通じる第2圧縮室または吸入室またはこ
れに通じる吸入側に通じ、背圧室Aと背圧室Bとの間の
差圧により弁体が前進して開閉弁を開き、差圧の無い場
合に弁体の自重またはバネ装置の付勢力などによって弁
体が後退して開閉弁を閉じる給油通路制御弁装置を備え
ることにより、気体の圧縮比が一定なために第1圧縮室
の圧力は吐出室の圧力に影響されずに吸入室の圧力の一
定倍率の圧力まで確実に上昇し、第1圧縮室に通じる背
圧室Aと第2圧縮室(または吸入室またはこれに通じる
吸入側)に通じる背圧室Bとの間の差圧力によってアク
チェータの弁体が前進して開閉弁を開き、これによって
圧縮機起動直後から給油通路が開いて油溜まり部からそ
れよりも圧力の低い空間(例えば給油装置のある油溜、
軸受油溜、軸受隙間、圧縮空間など)に潤滑油が差圧給
油され、冷却効果、微小隙間の密封効果、油膜形成によ
る摺動抵抗低減効果や緩衝効果などによって、圧縮機起
動初期から圧縮空間の圧縮気体漏れを少なくして圧縮効
率を高めると共に圧縮気体や摺動面部などの異常温度上
昇を防いで耐久性を向上し、スクロール部の加工寸法精
度を適正化して圧縮機コストの低減を図ることもでき
る。
また、圧縮機停止後は第1圧縮室と第2圧縮室(または
吸入室またはこれに通じる吸入側)とが同じ圧力にな
り、背圧室Aと背圧室Bとの差圧が無くなり弁体の自重
やバネ装置の付勢力などによって弁体が後退して開閉弁
を閉じて給油通路が遮断されるので、油溜まり部からの
他の空間(例えば圧縮空間や給油装置を有する油溜な
ど)への無駄な潤滑油流入を防止して圧縮機再起動後の
給油不足や油圧縮を無くして耐久性を向上できる。ま
た、潤滑油の有効利用により上述の圧縮機運転中の効果
を一層高めることも出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例における密閉型スクロー
ル冷媒圧縮機の縦断面図、第2図、第3図は第1図にお
ける給油通路制御弁装置の動作を説明する要部縦断面
図、第4図は第1図のA−A線における圧縮部の横断面
図、第5図、第15図は吸入行程から吐出行程までの気体
の圧力変化の説明図、第6図、第16図は圧縮室の定点に
おける圧力変化などの比較説明図、第7図、第8図、第
9図、第11図は本発明のそれぞれ異なる別の実施例の密
閉型スクロール冷媒圧縮機の縦断面図、第10図は本発明
の別の実施例のスクロール型冷媒圧縮機の部分断面図、
第12図、第13図、第14図、第17図は本発明の別の実施例
における給油通路制御弁装置の動作説明部分断面図、第
18図、第19図、第20図、第21図はそれぞれ異なる従来の
スクロール型気体圧縮機の縦断面図および部分断面図、
第22図は従来の給油通路制御装置を備えたロータリ型気
体圧縮機の縦断面図、第23図は第22図のA−A線におけ
る縦断面図である。 1,2……密閉ケース、5……吐出室、6……駆動室、7
……モータ、10……旋回スクロール、13……固定スクロ
ール、15……吐出ポート、17……給油通路制御弁装置、
18……吐出室油溜、23……モータ室油溜、30……プラン
ジャー、31……背圧室B、33……吸入室、34……背圧室
A、36……圧縮室A、38……コイルバネ、39……圧縮室
B、40……インジェクション穴、41……油吸い込み穴、
44……軸受油溜、47……中間圧背圧室、80……ダイヤフ
ラム、84……鋼球。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定スクロールに対して旋回スクロールを
    揺動回転自在に噛み合わせ、両スクロール間に渦巻き形
    の圧縮空間を形成し、前記圧縮空間は吸入側より吐出側
    に向けて連続移行する複数個の圧縮室に区画されて流体
    を圧縮するスクロール式圧縮機構を形成し、油溜まり部
    と前記油溜まり部よりも圧力の低い空間とを給油通路に
    より連通させ、前記給油通路の途中には前記給油通路を
    開閉する開閉弁と前記開閉弁を制御するアクチェータと
    で構成される給油通路制御弁装置を設け、前記アクチェ
    ータには弁体と前記弁体の両側に配置した背圧室Aおよ
    び背圧室Bを設け、前記背圧室Aは吐出室にも吸入室に
    も連通しない第1圧縮室に通じ、前記背圧室Bは吸入室
    に通じる第2圧縮室または吸入室またはこれに通じる吸
    入側に通じ、前記背圧室Aと前記背圧室Bとの間の差圧
    により前記弁体が前進して前記開閉弁を開き、前記差圧
    の無い場合に前記弁体の自重またはバネ装置の付勢力に
    よって前記弁体が後退して前記開閉弁を閉じる給油通路
    制御弁装置を備えたスクロール気体圧縮機。
  2. 【請求項2】弁体が開閉弁を兼ねた特許請求の範囲第1
    項記載のスクロール気体圧縮機。
  3. 【請求項3】弁体がその周囲を密封固定されたダイヤフ
    ラムで構成された特許請求の範囲第1項記載のスクロー
    ル気体圧縮機。
  4. 【請求項4】ダイヤフラムは、差圧が設定値を超えれば
    背圧室Bの方へ反り、差圧の無い場合にバネ装置または
    油溜まり部圧力の付勢力を得て背圧室Aの方へ反るバネ
    特性を備えた特許請求の範囲第3項記載のスクロール気
    体圧縮機。
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