JPH07109079A - エレベータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 制御装置から出力される異常検知信号を簡単
な構成で処理できるとともに、乗かご救出運転の完了を
監視センタ側で確認できるエレベータの提供。 【構成】 乗かご２の運転制御を行なう制御装置４から
出力される乗かご２の異常検知信号を端末装置９から着
床制御装置５に転送する信号転送手段と、着床制御装置
５の制御により乗かご２が最寄階に着床したことを監視
センタ８に報知する報知手段とを備え、異常検知信号に
応じて端末装置９が乗かご２の作動状態の異常を監視セ
ンタ８に連絡した後、乗かご２が最寄階に着床して乗客
を救出する乗客救出運転が完了したことを端末装置９が
監視センタ８に報知する。 【効果】 製造コストと作業コストを低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、乗かごの作動状態の異
常を監視センタに連絡する端末装置と、通常電源の停電
により乗かごが階床間に停止したときにこの乗かごを自
動的に最寄階に着床させる着床制御装置とを有するエレ
ベータに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般にエレベータにおいて、乗かごの走
行中に駆動電力を供給する通常電源が停電状態となった
場合、前記の乗かごが階床と他の階床との間に停止して
乗かご内に乗客が閉じ込められる事故、いわゆる閉じ込
め事故が発生することがある。このような場合、前記の
通常電源とは異なる非常電源を用いて乗かごを低速で最
寄階まで運転して最寄階に停止させて乗かごドアを開く
ことにより、閉じ込められた乗客を乗かご内から救出す
る乗客救出運転を行なうようになっている。また、この
とき前記の停電や閉じ込め事故を端末装置から通信回線
を介して監視センタに連絡するようになっている。

【０００３】図２はこの種の従来のエレベータを示すブ
ロック図である。この図２に示すエレベータは、通常電
源１に接続され、乗かご２を駆動する駆動装置３と、こ
の駆動装置３に接続され、乗かご２の運転制御を行なう
制御装置４と、この制御装置４に接続され、通常電源１
の停電により乗かご２が図示しない階床間に停止したと
きに乗かご２を自動的に最寄階に着床させる着床制御信
号を出力する着床制御装置５と、非常電源６に接続さ
れ、前記の着床制御信号に応じて乗かご２を駆動する他
の駆動装置７と、制御装置４に接続され、乗かご２の作
動状態の異常を監視センタ８に連絡する端末装置９とを
有している。

【０００４】前記の着床制御装置５には、制御装置４の
インタフェース部２１に信号線２３を介して接続される
入力部３１と、前記の他の駆動装置７に信号線２５を介
して接続される制御部３２とが備えられ、一方、前記の
端末装置９には、前記のインタフェース部２１に信号線
２４を介して接続される入力部４１と、前記の監視セン
タ８に通信回線２６を介して接続される処理部４２とが
備えられている。そして前記の入力部３１、４１には、
前記の通常電源１が停電状態となった場合、それぞれ停
電検知信号３１ａ、４１ａが入力されるとともに、乗か
ご２が階床と他の階床との間に停止して乗かご２内に乗
客が閉じ込められる事故、いわゆる閉じ込め事故が発生
した場合、閉込め検知信号３１ｂ、４１ｂが入力され
る。さらに端末装置９の入力部４１には、他の異常検知
信号４１ｎも入力される。

【０００５】この従来のエレベータでは、乗かご２の走
行中に通常電源１が停電状態となって乗かご２が階床間
に停止して閉じ込め事故が発生した場合、制御装置４か
ら通信線２３を介して着床制御装置５の入力部３１に停
止検知信号３１ａ、および閉込め検知信号３１ｂが入力
され、これに伴い制御部３２より着床制御信号が駆動装
置７へ出力されるので、この駆動装置７は非常電源６を
用いて乗かご２を低速で駆動して最寄階に着床させる。

【０００６】同時に、制御装置４から通信線２４を介し
て端末装置９の入力部４１に停止検知信号４１ａ、およ
び閉込め検知信号４１ｂが入力され、これに伴い処理部
４２より通信回線２６を介して監視センタ８に異常発報
を行ない、乗かご２の作動状態の異常を連絡する。そこ
で監視センタ８は、保守技術員を前記のエレベータまで
派遣して乗かご２の閉じ込め事故の復旧を図るようにな
っている。

【０００７】なお、この種のエレベータの着床制御装置
に関連するものとして、例えば特開昭６３−８３３号公
報に記載されるものが挙げられ、また、エレベータの監
視装置としては、例えば特開昭６３−２６２９９６号公
報に記載されるものが挙げられる。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】ところで上述した従来
技術では、制御装置４から通信線２３、２４を介してそ
れぞれ別個に異常検知信号を入力部３１、４１に送って
入力するようになっていることから、２本の通信線２
３、２４および２つの入力部３１、４１を要し、多くの
費用がかかるという問題があった。

【０００９】また、乗かご２の走行中に通常電源１が停
電状態となり乗かご２が階床間に停止して乗客の閉じ込
め事故が発生した場合、端末装置９から乗かご２の作動
状態の異常を監視センタ８に連絡するようになっている
が、その後の乗かご２の状態については端末装置９から
連絡することがない。したがって、制御部３２の制御に
より乗かご２が実際に最寄階に着床して乗客救出運転が
完了したかどうかを確認するため、監視センタ８は必ず
保守技術員を現地に派遣する必要があり、作業費が大幅
にかかるという問題もあった。

【００１０】本発明はこのような従来技術における実情
に鑑みてなされたもので、その目的は、制御装置から出
力される異常検知信号を伝達する構成が簡単なもので済
むとともに、乗かごの作動状態の異常を監視センタに連
絡した後、乗かごが最寄階に着床して乗客救出運転が完
了したことを監視センタ側で確認することのできるエレ
ベータを提供することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明は、乗かごの運転制御を行なう制御装置と、こ
の制御装置に接続され、前記乗かごの作動状態の異常を
通信回線を介して監視センタに連絡する端末装置と、通
常電源の停電により前記乗かごが階床間に停止したと
き、この乗かごを自動的に最寄階に着床させる着床制御
装置とを有するエレベータにおいて、前記制御装置より
出力される異常検知信号を前記端末装置から前記着床制
御装置に転送する信号転送手段と、前記着床制御装置の
制御により前記乗かごが最寄階に着床して乗客を乗かご
内から救出する乗客救出運転が完了したことを前記監視
センタに報知する報知手段とを備えた構成にしてある。

【００１２】

【作用】本発明は上記のように構成したので、乗かごの
走行中に通常電源が停電状態となって乗かごが階床間に
停止して閉じ込め事故が発生した場合、制御装置から端
末装置に停電検知信号および閉込め検知信号が送られる
ので、これらの異常検知信号に応じて、前記の端末装置
は乗かごの作動状態の異常を通信回線を介して監視セン
タに連絡する。また、信号転送手段により前記の異常検
知信号が前記の端末装置から着床制御装置に転送される
ので、この着床制御装置は乗かごを自動的に最寄階に着
床させる。これによって、制御装置から出力される異常
検知信号を処理するのに２本の通信線および２つの入力
部を要しないことから、前記の異常検知信号を処理する
構成が簡単なもので済む。

【００１３】そして、前記の着床制御装置の制御により
乗かごが最寄階に着床して乗客救出運転が完了したと
き、この救出運転完了を報知手段により監視センタに報
知する。これによって、乗かごの作動状態の異常を監視
センタに連絡した後、乗かごが最寄階に着床して乗客救
出運転が完了したことを監視センタ側で確認できる。

【００１４】

【実施例】以下、本発明のエレベータの実施例を図に基
づいて説明する。図１は本発明のエレベータの一実施例
を示すブロック図である。なお、前述した図２に示すも
のと同等のものには同一符号を付してある。

【００１５】図１に示す本実施例のエレベータでは、前
述した図２に示す従来のものと比較して、通信線４３Ａ
を介して処理部４２より制御部３２へ乗かご２の異常検
知信号を転送するとともに、着床制御装置５の制御によ
り乗かご２が最寄階に着床して乗客を乗かご２から救出
する乗客救出運転が完了したとき、この救出運転完了信
号を着床制御装置５から他の信号線４３Ｂを介して出力
し、処理部４２により前記の救出運転完了信号を通信回
線２６を介して監視センタ８へ発報するようになってい
る。なお、前記の処理部４２および通信線４３Ａによ
り、制御装置４から出力される乗かご２の異常検知信号
を端末装置９から着床制御装置５に転送する信号転送手
段が構成され、前記の制御部３２、処理部４２および信
号線４３Ｂによって、着床制御装置５の制御により乗か
ご２が最寄階に着床して乗客救出運転が完了したことを
監視センタ８に報知する報知手段が構成されている。

【００１６】この実施例にあっては、乗かご２の走行中
に通常電源１が停電状態となって乗かご２が階床間に停
止して閉じ込め事故が発生した場合、制御装置４に接続
される端末装置９に停電検知信号および閉込め検知信号
が送られ、これらの異常検知信号に応じて、端末装置９
が処理部４２により乗かご２の作動状態の異常を通信回
線２６を介して監視センタ８に連絡する。同時に、前記
の処理部４２から前記の異常検知信号が信号線４３Ａを
介して着床制御装置５に転送されるので、この着床制御
装置５は、前記の異常検知信号に応じて制御部３２より
着床制御信号を駆動装置７へ出力し、その結果、乗かご
２が自動的に最寄階に着床される。

【００１７】次いで、この乗かご２が最寄階に着床して
乗かご２から乗客を救出する乗客救出運転が完了したと
き、制御部３２から通信線４３Ｂを介して救出運転完了
信号が出力されるので、前記の救出運転完了信号が処理
部４２から通信回線２６を介して監視センタ８に発報さ
れる。

【００１８】このように構成した実施例では、制御装置
４から出力される異常検知信号を処理するために異なる
２本の通信線および２つの入力部を要しないことから、
前記の異常検知信号を処理する構成が簡単なもので済
む。また、乗かご２の作動状態の異常を監視センタ８に
連絡した後、乗かご２が最寄階に着床して乗客を救出す
る乗客救出運転が完了したことを監視センタ８側で確認
することができる。

【００１９】なお、本実施例では、停電検知信号および
閉込め検知信号のそれぞれに応じて端末装置９から監視
センタ８へそれぞれ単独に発報するようにしたが、前記
の停電検知信号および閉込め検知信号を救出運転時間だ
け遅くして同時に発報することもできる。

【００２０】

【発明の効果】本発明は以上のように構成したので、制
御装置から異常検知信号を送るために２本の通信線およ
び２つの入力部を要しないことから、前記の異常検知信
号を処理する構成が簡単なもので済み、したがって、製
造コストの低減を図ることができる。また、着床制御装
置の制御により乗かごが最寄階に着床して乗客救出運転
が完了したことを監視センタに自動的に連絡でき、した
がって、保守員を必ずしも派遣する必要がなくなり、作
業コストを低減することもできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のエレベータの一実施例を示すブロック
図である。

【図２】従来のエレベータを示すブロック図である。

【符号の説明】

２ 乗かご ４ 制御装置 ８ 監視センタ ９ 端末装置 ５ 着床制御装置 ２６ 通信回線 ３２ 制御部 ４２ 処理部 ４３Ａ、４３Ｂ 信号線

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 乗かごの運転制御を行なう制御装置と、
   この制御装置に接続され、前記乗かごの作動状態の異常
   を通信回線を介して監視センタに連絡する端末装置と、
   通常電源の停電により前記乗かごが階床間に停止したと
   き、この乗かごを自動的に最寄階に着床させる着床制御
   装置とを有するエレベータにおいて、前記制御装置より
   出力される異常検知信号を前記端末装置から前記着床制
   御装置に転送する信号転送手段と、前記着床制御装置の
   制御により前記乗かごが最寄階に着床して乗客を乗かご
   内から救出する乗客救出運転が完了したことを前記監視
   センタに報知する報知手段とを備えたことを特徴とする
   エレベータ。