JPH0710740B2 - 耐火性建築材とその製造方法 - Google Patents

耐火性建築材とその製造方法

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JPH0710740B2
JPH0710740B2 JP63099319A JP9931988A JPH0710740B2 JP H0710740 B2 JPH0710740 B2 JP H0710740B2 JP 63099319 A JP63099319 A JP 63099319A JP 9931988 A JP9931988 A JP 9931988A JP H0710740 B2 JPH0710740 B2 JP H0710740B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は液状熱硬化性樹脂により、中空板状の圧縮繊維
基材とセメント等の耐火材料を連結一体化する耐火性建
築材とその製造方法に関する。
〈従来の技術〉 従来は中空状に成形した圧縮繊維基材に熱硬化性樹脂を
含浸させ、常温または加熱の下で硬化せしめた軽量構造
物の外表面に液状の熱硬化性樹脂と、セメントモルタル
と、ガラス繊維と、親水性樹脂(例えば、ポリビニルア
ルコール)とを、混練して得た不燃性材料を塗着・包囲
して造成していた。(実用新案公報昭63-4721号)上記
の構造物は圧縮繊維基材が中空で、外部が耐火性材料で
あるため、軽量・耐火性屋根材として一応の評価は得た
が、表面塗着材料がセメントモルタルを含んでいるた
め、その水分と、内部の圧縮繊維基材に含浸された熱硬
化性樹脂との接着に悪影響を与え、親水性樹脂は存在し
ているが、表面接着性は充分でなく日時の経過と共に剥
離が進み、強度がかなり低下した。
〈発明が解決しようとする課題〉 従って、本発明は上記従来の欠点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、軽量化した中空圧縮
繊維基材と、その周囲に塗着されるセメント等の混合物
からなる耐火性材料とを、セメント硬化のための水を用
いないで、互いに連結一体化した接着性と耐火性の一層
の強化が図られる耐火性建築材とその製造方法を提供す
ることにある。
〈課題を解決するための手段〉 本発明は、上記課題の上になされたものであり、中空圧
縮繊維基材と、これに塗着される耐火性材料との接着を
阻害する主な原因が、セメントモルタル中の水分であ
り、親水性樹脂が存在しても接着力の強化にはならない
ことに着眼し、親水樹脂の混入を止めると共に、従来の
手法であるセメント混和水を入れたセメントモルタルの
使用をやめたものである。すなわち、セメント及び砂、
及び必要により添加される砂利としての骨材を混合した
混合物に液状の熱硬化性樹脂及び硬化剤を適量添加・混
合し、これらを混練して得られる耐火性材料を、液状の
熱硬化性樹脂を含浸した中空圧縮繊維基材の周囲に、上
記した互いの液状の熱硬化性樹脂により連結・硬化した
ものであり、これにより接着力の極めて高く、永続性の
ある耐火性建築材を得ることができた。
尚、実験を重ねた結果、次に記載する製造条件がより好
適であることが判った。セメントを100重量部とした場
合、骨材は100〜300重量部液状の熱硬化性樹脂(例え
ば、ポリエステル樹脂、またはエポキシ樹脂)は10〜30
重量部であって、これらに硬化剤0.1〜0.3重量部の範囲
内が必要である。この量的限界については実験の結果セ
メントが100重量部に対して骨材が300重量部超では連結
が弱く、100未満だとコストが高くなり、また熱硬化性
樹脂は10重量部未満であると流動性混和物としての耐火
材料が得られないし、30重量部超だと混和物はできるが
得られる建築材の耐火性、変形性が問題となり、硬化剤
も硬化性と経済性の上から0.1〜0.3重量部が適当であ
る。前記硬化性樹脂の硬化剤としてはパーメックN(昭
和高分子株式会社製)等が用いられ、好ましくは硬化促
進剤としてナフテン酸コバルトの添加が好ましく、その
適量は0.05〜0.1重量部である。以上記載のセメント100
重量部に対し、砂、骨材及び必要により砂利の骨材を10
0〜300重量部とし、さらに液状の熱硬化製樹脂10〜30重
量部を加えて硬化剤、及び必要によっては硬化促進剤と
共に混練して、耐火性建築材を得る。
以上の耐火性建築材を後記するように、相互連結、係合
に便なる独自の形状に成形・硬化せしめるようにする。
〈作用〉 上記の製造方法によって得られる耐火性建築材は芯材と
なる圧縮繊維基材に液状の熱硬化性樹脂で含浸硬化し、
これを水の存在なしでセメント・熱硬化性樹脂・硬化剤
の耐火材料で包囲・硬化されているので、芯材と外周材
料としての耐火性材料の接着が完全に行われ、従来のよ
うな水性樹脂による接着の場合のような剥離は全く認め
られず、外部包囲体もセメントが養生・硬化される。
〈実施例〉 次ぎに本発明の一実施例を添付書類について説明する。
第1図は本発明の方法によってつくられた屋根材の横断
面図、第2図は同じ屋根材の縦断面図、第3図は右から
左に傾斜して連続する屋根材の連結を示す縦断面配列
図、第4図は連続する屋根材の連結・係合を示す横断面
配列図、第5図は第1図の平面図である。ここに横方向
とは配列された屋根材の棟方向に対し平行な方向を指
し、縦方向とはこれに対し直角の方向を指す。
第1図は及び第3図において、1は中空圧縮基材として
のダンボール紙、2はその波状板、3は同側板、4は表
面セメント層、5は裏面セメント層、6は山形部分、7
は6の下方に係合する係合部分、第2図において、8は
ねじ部材の穴、8′は屋根材を固定するねじ、第2図及
び第4図において9は屋根材の重複部分(上)、10は重
複部分(下)、である。次に本発明による耐火性屋根材
の製造方法の一実施例を示す。
第1図において中空板状の圧縮繊維基材としてダンボー
ル紙を利用し、これに液状の熱硬化樹脂を含浸した芯材
としての軽量構造物の周囲に、以下に示す接着性の耐火
性材料を成型器により周囲を包囲して、第1図及び第2
図に横断面図及び縦断面図として示すような、耐火性屋
根材を仕上げる。なお、前記芯材と耐火性材料とは、共
に押出成形機でパラレルに押し出して連結することもで
きる。
耐火性材料としてはセメント100重量部に対し砂と砂利
の合計200重量部と、これに液状のポリエステル樹脂20
重量部、硬化剤としてのパーメックN(昭和高分子株式
会社製)0.15重量部、硬化促進剤としてのナフテン酸コ
バルト0.75重量部を加えて混練する。混練した耐火性材
料は未だ粘稠性を保持している間に、成形器に圧入す
る。成型器内には熱硬化性樹脂で含浸し、未硬化の板状
圧縮繊維基材が中空位置に保持されており、混練物はそ
の周囲に充填され、養生・固化されて所期の耐火性屋根
材が得られる。
なお、本発明の実施例では耐火性建築材として屋根材を
挙げたがこの他に壁材や柱材等が所定形状に成形され得
る。
〈発明の効果〉 本発明は、以上説明したように構成されているので、以
下記載のような効果を発揮する。
液状の熱効果性樹脂を含浸した中空板状の圧縮繊維基材
の芯材と、その周囲にセメント、骨材、及び液状の熱硬
化性樹脂に硬化材を混合した上記セメントを硬化する混
和水を用いない耐火性材料とが上記互いの熱硬化性樹脂
で一体・硬化しているので、今まで混和水と混ぜたセメ
ントモルタルや親水性樹脂を混合していたことによる内
部水の介在による接着力への悪影響や、接着硬化後の剥
離強度の低下を防止し、従来にも増して耐圧強度が著る
しく増強され、火災等においても変形・破壊はもちろん
接着剥離による脱落等を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の方法によってつくられた耐火性屋根材
の横断面図、第2図は同じ屋根材の縦断面図、第3図
は、連続する屋根材の連結を示す縦断面配列図、第4図
は連続する屋根材の連結・係合を示す横断面配列図、第
5図は第1図の平面図である。 1……圧縮繊維基材、2……圧縮繊維基材、3……1の
側材、4……表面セメント層、5……裏面セメント層、
6……山形部分、7……6と係合する部分、8……ねめ
じ部材用の穴、8′……固定ねじ、9……屋根の重複部
分(上)、10……屋根の重複部分(下)。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ダンボール紙等の中空板状の圧縮繊維基材
    に液状の熱硬化性樹脂を含浸した芯材と、この芯材の周
    囲に主成分としてセメント、骨材、及び液状の熱硬化性
    樹脂に硬化剤を混合した、実質的に上記セメントを硬化
    する水を含まない耐火性材料を、前記互いの熱硬化性樹
    脂で連結・硬化してなる耐火性建築材。
  2. 【請求項2】ダンボール紙等の中空板状の圧縮繊維基材
    を用い、これに液状の熱硬化性樹脂を含浸し、かつセメ
    ント、骨材及び液状の熱硬化性樹脂を主成分とし、少量
    の硬化剤を加えた実質的に上記セメントを硬化する水を
    含まない混合物を混練し、この混練した耐火性材料を、
    前記液状の熱硬化性樹脂を含浸した圧縮繊維基材の周囲
    に、前記互いの液状の熱硬化性樹脂で連結して一体成形
    する耐火性建築材の製造方法。
JP63099319A 1988-04-23 1988-04-23 耐火性建築材とその製造方法 Expired - Lifetime JPH0710740B2 (ja)

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