JPH0710720Y2 - 布片欠陥検査装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は連続水洗装置システムにおけるロールアイロナ
に適用される布片の検査装置に関する。

［従来の技術］ 第１図（Ｂ）に示される連続水洗装置のシステムブロッ
ク図において、１は連続水洗機、２は脱水機、３は乾燥
機、４はロールアイロナ、５は折りたたみ機である。

ホテルや病院等で使用された汚れたリネンの内シーツや
テーブルクロス類は、一般に上記連続水洗装置等で洗
濯、仕上げられる。汚れたシーツ類は、先ず、一定重量
分が一魂りとして連続水洗機１に投入され洗剤による洗
濯とすすぎが連続的に行なわれ、その後脱水機２に送ら
れ脱水された後、乾燥機３に入れられて乾燥される。

次に、シーツ類はロールアイロナ４に１枚ずつ供給され
アイロンがけが行なわれる。さらに、この後、折りたた
み機５に送られ一定サイズに折りたたまれることで一連
の洗濯、仕上げ工程が完了される。

上記、シーツ類の洗濯作業において、作業者が直接的に
介在する工程は連続水洗機１へシーツ類の布片魂の投入
作業、ロールアイロナ４へ１枚ずつシーツ類を供給する
作業、および最終の折りたたまれたシーツ類をユーザ別
に類別し出荷する選別作業工程のみである。従って、シ
ーツ類の残存汚れや，穴あき，および破れ等を対象とす
る欠陥検査は、ロールアイロナ４の入口部において担当
作業者が１枚ずつシーツ類を拡げてロールアイロナ４へ
供給する作業途中において同時的に目視により行なわ
れ、不良品と思われるシーツ類の排除が行なわれている
のが現状である。

［考案が解決しようとする課題］ 上記のように、洗濯されたシーツ等の不良品検査は、ロ
ールアイロナ４へのシーツ類の供給作業と並列的にその
作業者の目視（肉眼）によって行なわれる。このため、
次ような問題がある。

ロールアイロナ４の入口部における作業は殆んどが老
婦人のパートタイマにより行なわれており、また担当場
所での主作業は、ロールアイロナ４へのシーツ類の供給
である。このため副次的な不良品検査作業はおろそかと
なり、欠陥検出の担当作業者の個人的差異から生ずるバ
ラツキが極めて大きく、基準に満たない不良品を見逃す
ことが多い。

ロールアイロナ４へ供給するシーツ類は、ロールアイ
ロナ４におけるアイロン仕上げ効果を助長するために、
通常、残水率50wt％程度の湿り化があることと、洗いの
直後にシーツ自体にしわが多いため10φmm程度の汚れや
破れの欠陥は、検出が難かしく、殆んど検査されない。

以上の理由から結果として検査不充分のシーツやテーブ
ルクロス等が病院やホテルに納入されユーザによるベッ
トメーキング、テーブルセット等の段階で不良品である
ことがそのユーザによって発見され返品される可能性が
多い。この故に、洗濯業者であるリネサブライヤは必要
以上のシーツ類をユーザに納入する必要にせまられ業務
のコスト高を招くとともに自社の信用を損なう結果とな
っている。

そこで本考案の目的は、シーツ類の欠陥検査を自動化す
る検査装置を備えた布片欠陥検査装置を提供することに
ある。

［課題を解決するための手段］ 上記の課題を解決し目的を達成するために、次のような
手段を講じた。

ロールアイロナの後端部に布片の有無を検知する布片検
知器と、布片の表面状態を検出し映像信号とするライン
イメージセンサと、前記映像信号を入力して布片の欠陥
判別を行い合否信号を出力する信号処理器と、前記信号
処理器からの不合格信号を受けて前記ロールアイロナの
コンベア上の布片を後工程である折りたたみ機に通過さ
せないよう排除するリジェクタと、を具備したことを特
徴とする布片の欠陥検査装置。

ロールアイロナの出口部につぎの要素からなる布片欠陥
検査装置を設け洗濯後のシーツ類の穴あき，破れ，およ
び残存汚れ等の欠陥の有無を検査する。すなわち、本考
案の検査装置は、 １枚ずつのシーツ等布片の検査開始終了のタイミング
を決定する布片検知器412、 シーツ類の欠陥を検出するラインイメージセンサ41
4、 シーツ類の欠陥をラインイメージセンサで検出しやす
くするための照明装置413、 ラインイメージセンサからの信号を処理して欠陥の有
無を判断し、合格、不合格の信号を出力する信号処理器
415、 信号処理器より不合格信号を受けて、不良シーツ類を
折りたたみ機に供給せず不良品として排除するリジェク
タ416。

以上の主要構成部分より構成される。

［作用］ （１）照明装置413によりシーツの検査面411が照明さ
れ、ラインイメージセンサ414は、この検査面の線状の
明暗状態を電気信号に変換し信号処理器415へ出力す
る。なおシーツ等布片411に「汚れ」がある場合、その
汚れ度合に応じて明暗レベルは低下し電気信号レベルも
低下する。また「破れ」のある場合は、裏面にあるコン
ベア410の暗色がとらえられ同様に低（low）レベルの電
気信号となる。

（２）布片検知器412はシーツ等の布片411を検知すると
Highレベルの信号を出力し、布片411を検知しなくなる
とLowレベルの信号を信号処理器415へ出力する。

（３）信号処理器は、図３に示すような布片検知器415
からの信号によりつぎの信号処理を連続的に行う。

布片検知器412からの信号レベルがHighになると入力
部Ａのゲートが開き、ラインイメージセンサ414からの
明暗信号を１ライン分ずつ連続的に入力し微分部Ｂへ送
信する。

微分部Ｂではラインイメージセンサ414自身が持って
いる光学係のシェーディング（光量分布）を微分処理で
補正し信号レベルを平坦化し弁別部Ｃへ送信する。

弁別部Ｃでは一定の弁別レベルで欠陥信号と正常信号
を弁別し、信号をLowとHighに２値化して、次の反転部
Ｄへ送信する。

反転部Ｄでは部Ｃからの信号レベルを反転し欠陥部相
当信号をHighレベルにし積分部Ｅへ送信する。

積分部Ｅでは上記の欠陥部相当信号を布片検知信号が
Lowレベルになるまで積分処理し、比較部Ｆへ送信す
る。なお、布片検知信号がLowレベルからHighレベルに
なるとそれまで積分した積分値を０にリセットし積分を
再開する。

比較部Ｆは、あらかじめ設定された設定値ｉと積分部
ｄから送信される信号レベルとの比較を行い、設定値ｉ
より積分値が大きくなると出力部ＧへHighレベルの信号
を出力する。

出力部Ｇは比較部Ｆからの信号がHighレベルの場合、
リジェクタ416へリジェクト信号を出力する。

（４）リジェクタ416は前述の信号処理器415の出力部Ｇ
からのリジェクト信号を受けるとシーツ等の布片411を
後続の折りたたみ機５に供給せず、不良品として排除
（リジェクト）する。

以上によりシーツ等の布片の欠陥検査が行なわれる。

［実施例］ 第１図（Ａ）は本考案による連続水洗装置のレイアウト
を示し、ロールアイロナ４の後部に布片欠陥検査装置41
を備えている。

本位置におけるシーツ類411は、アイロンがけが終了し
てしわが伸ばされ、１枚ずつコンベア410によって水平
方向に搬送されるため、シーツ類411の先端から終端ま
で連続的に検査するに最っとも適切な場所に設置され
る。

第２図は布片欠陥検査装置のシステム系統のレイアウト
を示す。

ロールアイロナ４で「アイロンがけ」が終ったシーツ類
411はコンベア410によって折りたたみ機５へ搬送され
る。

投光器と受光器からなる光電式の布片検知器412は、シ
ーツ類411を検出するとHighレベルの信号が生じ、また
シーツ類が検知位置からなくなると、Lowレベルの信号
を信号処理器415に対して出力される。

照明装置413は、高周波蛍光灯であり、ラインイメージ
センサ414の受光感度に見合う光量でコンベア410の検査
面上に照射を行う。

ラインイメージセンサ414は、上記の照明によって得ら
れる検査面の線状の明暗状態を光電変換し、ライン映像
信号として信号処理器415に出力する。なおコンベア410
は被検物のシーツ類411とは光学的差異を付けるため暗
色のベルト面を用いている。従ってシーツ類に破れや穴
あきがあると、その部分の明暗値は大きく低下する。ま
た汚れやしみがあった場合も、その程度に応じた明暗度
低下を生じ、ラインイメージセンサ414のライン映像信
号も同様な変化を示す信号として出力される。

信号処理器415は第３図に示すように入力部Ａ、微分部
Ｂ、弁別部Ｃ、反転部Ｄ、積分部Ｅ、比較部Ｆ、出力部
Ｇから構成され、前述のライン映像信号は布片検知器41
2からの検知信号がHighレベルとなると入力部Ａのゲー
トが開きその信号が入力され、一方、検知信号がLowレ
ベルである場合は入力部Ａのゲートを閉じその信号の入
力を停止する。入力部Ａで受信したライン映像信号は、
微分部Ｄへ送信され、この微分部Ｂでは微分処理により
ラインイメージセンサ414の光学系のシェーディング補
正を行い信号レベルを平坦化し、次の弁別部Ｃへその信
号を送信する。

弁別部Ｃでは、一定の弁別レベルで入力された信号をLo
w,Lighに２値化し欠陥部分を抽出できるように変換した
後、反転部Ｄへ送信する。

反転部Ｄではこの信号を正逆反転し欠陥部分に相当のLo
wレベル信号をHighレベル信号に変換し積分部Ｅへ送信
する。

積分部Ｅは、前述の布片検知信号がLowレベルからHigh
レベルに切り変わると同時リセットを行うとともに布片
検知信号がHighレベルの間、反転部Ｄから入力した欠陥
に相当するHighレベル信号の積分を行い、この信号を比
較部Ｆへ送信する。

比較部Ｆはあらかじめ設定された設定値ｉと積分部Ｅか
ら送信される積分値信号との比較を行い、設定値より積
分値が大きくなる場合はシーツの「欠陥」と見なして出
力部Ｇに対してHighレベルの信号を出力する。この出力
部Ｇは比較部からこのHighレベル信号を受信すると、リ
ジェクタ416へリジェクト信号を出力する。リジェクタ4
16は該当するシーツを取りのぞく。なお上記の信号処理
における信号形態を第４図（ａ）〜（ｄ）に示す。

リジェクタ416は真空ポンプ（不図示）と吸引ノズル
（不図示）で構成され、前述の信号処理器出力部Ｇから
のリジェクト信号を受信すると吸引ノズルがコンベア面
上のシーツ面に接近し、欠陥布片411を吸引しその欠陥
シーツをリジェクトする。リジェクトされた欠陥シーツ
類は、コンベア410の終点に配設されている折りたたみ
機５には送られず、リジェクタ416によりコンベアベル
ト面上から他の場所に移動され放棄される。

以上の如き一連の流れに従って１枚毎の処理が連続的に
行なわれる。

なお本考案は上述した実施例に限定されるものではな
い。この他に本要旨を逸脱しない範囲で種種の変形実施
も可能である。

［考案の効果］ 本考案によれば、シーツ類の欠陥検査を自動化すること
により一定基準以下のシーツ類の欠陥を確実に検出し、
排除することが可能な布片欠陥検査装置を提供すること
ができる。よって、この装置の使用者は客に残存汚れや
破れのあるシーツ種を納入することがなくなり、納品の
品質が向上する。このため、必要以上の数量のシーツを
納入する必要がなく、しいては、業務上のコスト低減に
寄与できるとともに、客の信頼を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図（Ａ）は、本考案の第１実施例に係る連続水洗装
置のシステムブロック図、第１図（Ｂ）は、従来の連続
水洗装置のシステムブロック図、第２図は、本考案の特
徴である布片欠陥検査装置のシステムレイアウト図、第
３図は、同布片欠陥検査装置の信号処理系統図、第４図
（ａ）〜第４図（ｄ）は、第３図の各機能部位における
信号波形を表わすグラフである。 41……布片欠陥検査装置、412……布片検知器、413……
照明装置、414……ラインイメージセンサ、415……信号
処理器、416……リジェクタ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ロールアイロナ後端部に布片の有無を検知
   する布片検知器と、前記布片の表面の状態を検出し映像
   信号として出力するラインイメージセンサと、前記映像
   信号を入力して布片の欠陥判別を行いその結果に対応す
   る合格信号または不合格信号を出力する信号処理器と、
   前記信号処理器からの不合格信号を受けて前記ロールア
   イロナのコンベア上の布片を、その後行程にある折りた
   たみ機に通過させないように排除するリジェクタと、を
   具備したことを特徴とする布片欠陥検査装置。