JPH07107077B2 - 9−デオキソ−9(z)−ヒドロキシイミノエリスロマイシンaおよびそのo−誘導体 - Google Patents

9−デオキソ−9(z)−ヒドロキシイミノエリスロマイシンaおよびそのo−誘導体

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JPH07107077B2
JPH07107077B2 JP4058188A JP5818892A JPH07107077B2 JP H07107077 B2 JPH07107077 B2 JP H07107077B2 JP 4058188 A JP4058188 A JP 4058188A JP 5818892 A JP5818892 A JP 5818892A JP H07107077 B2 JPH07107077 B2 JP H07107077B2
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    • C07H17/04Heterocyclic radicals containing only oxygen as ring hetero atoms
    • C07H17/08Hetero rings containing eight or more ring members, e.g. erythromycins
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、細菌に感染された哺乳動物の治
療に有効な、抗菌活性を有する新規化合物に関するもの
である。化合物それ自身は他の抗菌物質を合成する際の
中間体としても有用である。特に加えて、本発明は以下
の構造で示されるマクロライド抗生物質として良く知ら
れるエリスロマイシンAの誘導体に関するものである。
【化3】
【0002】更に、本発明は以下の構造を有する化合物
に関するものである。
【化4】 ここでRは水素、C1-10のアルキルあるいはアリールス
ルホニル基である。
【0003】新規薬理学的な構成成分、および抗菌剤と
して使用するその使用法も本発明に含まれる。
【0004】エリスロマイシンAオキシムのZ型の幾何
異性体は今まで得られず、E型異性体のみが使用されて
いた。
【0005】エリスロマイシンAのC−9カルボニル基
は考慮すべき化学修飾の位置であった。例えばケトンを
還元して9−ヒドロキシ誘導体に変換し、そしてヒドロ
キシアミンおよびヒドラジンと縮合させ、相当するオキ
シムおよびヒドラゾン誘導体を調製する(M. V. Sigal,
Jr., P. F. Wiley, K. Gerzon, E. H. Flynn, U. C.Qu
ark および O. Weaver J. Am. Chem. Soc., 1956
年、78巻、388ページ; E. H. Massey, B. Kitche
ll, L. D. Martin, K. Gerzon および H. W. Murphy Te
trahedron Lett., 1970年、157ページ)。9位
の炭素を化学修飾したすべての化合物のうち、オキシム
誘導体がおそらく最も抗菌作用および更に化学修飾を行
なう上での基質として価値のある物質である。オキシム
基のアルキル化によって、生物学的に興味のある9−ア
ルコキシイミノ誘導体を調製することができる。このう
ちロキシスロマイシン(roxithromycin)は臨床応用の可
能性がある(US Patent 4,349,545)。オキシ
ム基はまた還元を受け、相当する9−イミノおよび9−
アミノ誘導体が調製される。これは転じて更に化学修飾
を受ける中間体でもある(G. H. Timms および E. Wild
smith TetrahedronLett., 1971年、195ペー
ジ)。9−(S)−アミノ異性体の特に有用な誘導体に
臨床において使用される可能性のあるジリスロマイシン
(dirithromycin)がある。更に近年、エリスロマイシン
Aオキシムのベックマン転位により環が伸張した一連の
9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシン類縁体が調製
された。これらの興味ある抗菌作用および改善された薬
物動態特性を有する(S. Djokic,G. Kobrehel, G. Laza
revski, N. Lopotar および Z. Tamburasev, J. Chem.
Soc. Perkin Tras. I,1986年、1881ペー
ジ)。これらの内、特に有効なメンバーに臨床応用の可
能性のあるアジスロマイシン (azithromycin) がある。
【0006】エリスロマイシンAオキシムにおけるオキ
シイミノ基の立体配置はエリスロマイシンBオキシムの
主要異性体のプロトン核磁気共鳴(1H NMR)スペ
クトルと比較することにより(9E)であると帰属され
た(R. S.Egan, L. A. Freiberg および W. H. Washbu
rn, J. Org. Chem., 1974年、39巻、2492ペ
ージ)。エリスロマイシンBはエリスロマイシンAの1
2−ヒドロキシ基が水素原子に置き換わった化合物であ
る。エリスロマイシンBではマイナー成分の不安定な
(9Z)オキシム異性体が単離され、 1H NMR、13
C NMRおよび赤外吸収スペクトルにより同定され
た。今日まで、これがエリスロマイシンZ−オキシムの
単離と同定についての最初でかつ唯一の報告例である
(同前述論文)。エリスロマイシンAのZ型の立体配置
を決定するための同様の試みは、単離可能なマイナー異
性体を得ることができない為に行なうことができなかっ
た。
【0007】本発明はエリスロマイシンAオキシムの
(9E)体を相当する(9Z)体に異性化する方法に関
するものであり、またこれまで知られていなかった(9
Z)体を安定な結晶体として単離する方法に関するもの
である。(9E)体で記述したように、(9Z)体も抗
菌活性を有しており、新規合成物へと変換する更なる化
学修飾のための化合物として供給される。
【0008】本発明は、9位のオキシイミノ基の立体配
置がZ型である以下の構造式に示される新規化合物に関
するものである。
【化5】
【0009】上記の化合物の薬事上許容されている塩も
本発明に含まれる。そのような塩は、通常、不活性な溶
媒中で構造式IIの化合物を適当な酸の化学等量的量と結
合させる方法で、酸添加により調製される。そして塩
は、減圧溜去、あるいは自然に塩が沈殿した時は濾過に
より、あるいは他の溶媒を添加したり、非極性の溶媒を
添加したりして沈殿を形成させた後、それを濾過するこ
とにより調製する。代表的な塩は以下に示すようなもの
があげられる。
【0010】酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸
塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化
物、カルシウムEDTA塩、カンファースルホン酸塩、
炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、ジヒド
ロ塩酸塩、EDTA塩、1,2−エタンジスルホン酸
塩、ラウリルプロピオン酸流酸塩、エタンスルホン酸
塩、コハク酸エチル塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸
塩、グルコヘプタン酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸
塩、グリコリルアルザニリン酸塩(4−アミノフェニル
砒酸塩)、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン、臭
酸塩、塩酸塩、ヨウ化物、イソチオネート、乳酸、ラク
トビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸
塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、臭化メチル塩、硝酸メ
チル塩、硫酸メチル塩、ガラクタリン酸塩、2−ナフタ
レンスルホン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、オキザル酸
塩、パモン酸塩、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リ
ン酸塩/2リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サリチル
酸塩、ステアリン酸塩、水酢酸塩、コハク酸塩、タンニ
ン酸塩、酒石酸塩、8−クロロテオフィリン酸塩、トシ
ル酸塩、 Triethiodode 、ペンタン酸塩。
【0011】アルキルとは直鎖、あるいは枝分れした、
炭素数1から10の、1つ以上の不飽和度を有するアル
カン、アルケン、アルキンを意味する。
【0012】アリールとはフェニル基を意味する。
【0013】薬理学的に有効な量とは組織、器官組織、
動物固体に対して、生物学的あるいは医学的な反応を惹
起させるだけの薬剤、あるいは製薬的な化合物の量であ
る。そして上記の生物学的な反応は科学者、あるいは医
者が研究しているものである。
【0014】抗菌的に有効な量とは、菌が感染した場所
であるレベルの抗菌活性を示す抗菌剤の量であり、ある
意味では被感染動物が感染に打ち勝つだけの量である。
【0015】構造式IIの化合物は既に有効な出発物質、
試薬、および既存の合成経路を用いた反応経路あるいは
修飾により簡単に調製できる。これらの反応には、この
分野で普通に使われているが、詳細には記述されていな
い様々な方法も含まれる。
【0016】1反応過程で以下の構造の9−デオキソ−
9(Z)−ヒドロキシイミノエリスロマイシンA
【化6】 が、以下の構造の9−デオキソ−9(E)−ヒドロキシ
イミノエリスロマイシンA
【化7】 を水素性、あるいは無水素性の溶媒下で塩基と反応させ
調製される。塩基はアルカリ金属の水酸化物で溶媒はア
ルコールが好ましい。塩基が水酸化リチウム(1水和
物)で溶媒がエタノールが最も好ましい。
【0017】本発明の合成法の最適化には、 IIIの9位
のヒドロキシイミノ基の脱水素化を完全にできるだけの
十分な塩基性を示す塩基と溶媒の組合せが必要である。
更にオキシムアニオンは、完全に異性化が遂行する間、
適当な塩基と溶媒の組合せによる反応条件下でかなり安
定でなければならない。
【0018】IIIに塩基を添加する時、以下の反応式に
示されるような平衡状態になる。
【化8】
【0019】アニオンの反応の後処理はオキシムアニオ
ンへの水素付加により行ない、中性のオキシム混合物が
産生される。この混合物から、結晶化や、クロマトグラ
フィーそれに続く結晶化により目的物質であるZ異性体
が単離される。
【0020】平衡混合物中のE異性体とZ異性体のオキ
シムアニオン(反応終了後の中性化合物も含む)の相対
量は、幾つかの因子によって制御することができる。こ
れらの因子は(a)塩基の強さや量、(b)対イオン
(M+ )の大きさ、(c)反応溶媒、および(d)反応
温度である。
【0021】適切な塩基は水酸化物、アルコキシド、炭
酸塩、金属アミド、アミンおよび金属水素化物である。
構造式IIにおいてRがC1-10アルキル基又はアリール
スルホニル基である化合物は、構造式IIにおいてRが
水素である化合物、すなわち後述する実施例2の9
(Z)−オキシムを使用して容易に生成できる。すなわ
ち、9(Z)の窒素原子上の水酸基は、例えば前述した
米国特許第4,349,545号に教示されるように、
アルキル化剤又はアリールスルホン化剤(例えば、アル
キルハライド、アリールスルホンアミドなど)を利用し
て、アルキル化又はアリールスルホン化される。
【0022】以下の試薬のリストは適切な塩基や溶媒の
例であるが、これらは全てを例示しているのではなく、
通常よく使用されることで知られた他の塩基や溶媒も除
外することはない。好ましい塩基や溶媒はアステリスク
で示し、最も好ましい塩基や溶媒はダガーで示した。塩基 1.水酸化物 *† LiOH 水酸化リチウム *† NaOH 水酸化ナトリウム * KOH 水酸化カリウム CsOH 水酸化セシウム Ca(OH)2 水酸化カルシウム Mg(OH)2 水酸化マグネシウム * Me4NOH 水酸化テトラメチルアンモニウム BnMe3NOH 水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム Et4NOH 水酸化テトラエチルアンモニウム Bu4NOH 水酸化テトラブチルアンモニウム 2.アルコキシド *† LiOMe リチウムメトキシド *† LiOEt リチウムエトキシド LiOiPr リチウムイソプロポキシド LiOnBu リチウムn−ブトキシド LiOsBu リチウムsec −ブトキシド *† NaOMe ナトリウムメトキシド *† NaOEt ナトリウムエトキシド NaOPr ナトリウムn−プロポキシド NaOiPr ナトリウムイソプロポキシド NaOnBu ナトリウムn−ブトキシド NaOsBu ナトリウムsec −ブトキシド NaOtBu ナトリウムtert−ブトキシド NaOSiMe3 ナトリウムトリメチルシラネート KOMe カリウムメトキシド * KOEt カリウムエトキシド KOtBu カリウムtert−ブトキシド KOSiMe3 カリウムトリメチルシラノエート KOsBu カリウムsec −ブトキシド CsOtBu セシウムtert−ブトキシド Ca(OMe)2 カルシウムメキシド * Mg(OEt)2 マグネシウムメトキシド Ti(OEt)4 チタニウム(IV)エトキシド Ti(OiPr)4 チタニウム(IV)イソプロポキシド BnMe3NOMe ベンジルトリメチルアンモニウムメトキシド 3.炭酸塩 K2CO3 炭酸カリウム * Cs2CO3 炭酸セシウム Na2CO3 炭酸ナトリウム 4.アミド(無水素溶媒中で使用) LiNH2 リチウムアミド LiNMe2 リチウムジメチルアミド * LiNiPr2 リチウムジイソプロピルアミド LiN(C6H11)2 リチウムジシクロヘキシルアミド LiN(SiMe3)2 リチウムビス(トリメチルシリル)アミド NaNH2 ナトリウムアミド KN(SiMe3)2 カリウムビス(トリメチルシリル)アミド 5.アミン * TMG 1,1,3,3−テトラメチルグアニジン DBU 1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデカ−7 −エン プロトンスポンジ1,8−ビス(ジメチルアミノ)−ナフタレン 6.ハイドライド(無水素溶媒中で使用) LiH リチウムハイドライド * NaH ナトリウムハイドライド KH カリウムハイドライド 7.溶媒 a.水素性 H2O 水(通常アルコール溶媒と組み合せて使用する) *† MeOH メタノール *† EtOH エタノール * iPrOH イソプロパノール n−BuOH n−ブタノール s−BuOH sec −ブタノール t−BuOH tert−ブタノール b.非水素性 i.非極性(このグループは通常水素性あるいは極性溶媒と組合せて使用する ) Et2O ジエチルエーテル THF テトラヒドロフラン DME ジメトキシエタン PhMe トルエン CH2Cl2 ジクロロメタン CHCl3 クロロホルム ii.極性 * DMF ジメチルホルムアミド DMAC ジメチルアセトアミド DMI 1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン * NEP 1−エチル−2−ピロリジノン * NMP 1−メチル−2−ピロリジノン HMPA ヘキサメチルホスホルアミド MeNO2 ニトロメタン * MeCN アセトニトリル ジオキサン ピリジン * DMSO ジメチルスルホキシド
【0023】好ましくは、本発明の化合物を合成する反
応はE異性体が溶媒中に1−25%(w/v)の濃度で
行なわれるのが良く、最も好ましいのは10%(w/
v)である。使用される塩基される塩基の量は好ましく
は出発物質のEオキシムに対して1.0−10.0モル
当量が良く、より好ましいのは1.0−3.0モル当量
であり、最も好ましいのは2.0モル当量である。反応
は通常0から80℃で進行させるが、より好ましくは2
2−25℃である。反応は0.5時間から20日間遂行
するが、最も好ましいのは20から24時間以上であ
る。
【0024】以下の例は本発明の合成法を更に分りやす
く例示したものである。このような文献中でよく使用さ
れ前記の様々な塩基や溶媒中で反応させる合成法は簡単
に理解でき、本発明においても使用される。
【0025】
【実施例】
【実施例1】9−デオキソ−9(E)−ヒドロキシイミ
ノエリスロマイシンAの合成
【化9】 ピリジン(500mL) に溶解したエリスロマイシンA
(100g,約95%純度,0.129モル, Aldrich
Chemical Inc., ミルウォーキー,ウィスコンシンより
購入)溶液にヒドロキシルアミン塩酸(224g,3.
23モル)を添加した。この混合溶液を室温にて27時
間攪拌し、約40℃で減圧濃縮した。半乾固した残渣を
1晩真空ポンプにて減圧下放置した。その後エタノール
(600mL)に溶解し、15分間攪拌し、濾過した。集
めた固体を熱エタノール(50℃)で洗浄した。濾液と
洗浄画分を集め、減圧濃縮し淡青の泡状物質を得た。こ
の泡状物質を水(850mL)で振ると、厚いエマルジョ
ンが形成した。これを直ちに室温にて2.5時間攪拌
し、濾過可能な沈殿物を得た。この沈殿物を集め、水
(150mL)で洗浄し、減圧下乾燥し白色の固体(11
7.7g)を得た。
【0026】粗オキシム塩酸を5%重炭酸ナトリウム溶
液(1000mL)とメチレンクロライド(1000mL)
に懸濁させ、混合液を5Nの水酸化ナトリウムを添加し
ながらpHを9.5にし、攪拌した。この層を分離し、水
層を酢酸エチル(500mL)およびジエチルエーテル
(500mL)で抽出した。有機層と抽出液を合せ、硫酸
ナトリウムで脱水し、濾過後、減圧濃縮し白色固体(9
2.3g)を得た。この固体を熱酢酸エチル(250m
L)に溶解し、この溶液を熱ヘキサン(400mL)で希
釈し、冷蔵庫に1晩放置した。9−デオキソ−9(E)
−ヒドロキシイミノエリスロマイシンAの結晶を集め、
減圧乾固し白色固体(88.5g)を得た。
【0027】赤外吸収(メチレンクロライド中) 3560,
3400 (br), 2980, 2950, 1735, 1460, 1389, 1165, 1
110, 1085, 1050, および 1010 cm-11 H NMR (CDCl3 中) δ 5.05 (dd, H-13)、 4.90 (d, H-
1") 、 4.38 (d, H-1') 、 4.01 (m, H-5") 、 3.99
(d, H-3)、 3.74 (m, H-8)、 3.66 (s, H-11) 、3.54
(d, H-5)、 3.45 (m, H-5') 、 3.28 (s, OCH3) 、 3.2
3 (dd, H-2')、 2.96 (t, H-4") 、 2.87 (m, H-2)、
2.64 (q, H-10) 、 2.43 (m, H-3') 、 2.32 (d, H-2"
エカトリアル)、 2.27 (s, N(CH3)2)、 1.98 (m, H-
4)、 1.87 (m, H-14a)、 1.63 (m, H-4' エカトリア
ル)、 および 1.46 (s, 6-CH3)1 H NMR (CD3OD 中) δ 5.19 (dd, H-13)、 4.48 (d, H-
1') 、 4.15(dq, H-5")、 3.98 (d, H-3)、 3.76 (m, H
-8)、 3.70 (m, H-5') 、 3.67 (s, H-11) 、3.58 (d,
H-5)、 3.33 (s, OCH3) 、 3.23 (dd, H-2')、 3.01
(d, H-4") 、 2.92 (m, H-2)、 2.72 (m, H-10) 、 2.7
0 (m, H-3') 、 2.43 (d, H-2" エカトリアル)、 2.3
3 (s, N(CH3)2)、 2.01 (m, H-4)、 1.88(m, H-14a)、
1.72 (m, H-4' エカトリアル)、 1.58 (dd, H-2" ア
キシャル)、 1.48 (m, H-14b)、1.45 (s, 6-CH3)、 1.
26 (d, 5"-CH3) 、 1.23 (s, 3"-CH3) 、 1.14 (s, 12-
CH3) 、 1.10 (d, 4-CH3)、 1.05 (d, 8-CH3) および
0.84 (t, CH2C 3)13 C NMR (CDCl3 中) δ 175.3、 171.3、 103.1、 96.
3 、 83.5 、 80.3 、78.1 、 77.1 、 75.1 、 74.3
、 72.6 、 71.2 、 70.9 、 68.8 、 65.4 、65.3 、
49.4 、 44.6 、 40.3 、 38.8 、 37.8 、 35.1 、 3
2.6 、 29.2 、27.0 、 25.4 、 21.5 、 21.3 、 18.7
、18.6 、 16.3 、 14.3 、 10.6 、および 9.313 C NMR (CD3OD 中) δ 177.5、 171.6、 104.0、 98.
0 、 84.2 、 81.2 、79.3 、 78.3 、 76.3 、 74.2
、 72.9 、 72.2 、 69.0 、 66.7 、 65.2 、50.0 、
46.3 、 40.7 、 39.3 、 36.2 、 32.0 、 27.4 、 2
6.7 、 22.3 、22.0 、 21.6 、 19.3 、 19.1 、 17.3
、16.6 、 14.8 、 11.2 、 および10.2 EI 質量分析スペクトル、 m/e 748 、 590、 574、 4
62、 431、 416、 398、 174、 159、 158、 および
116
【0028】
【実施例2】
【化10】 9−デオキソ−9(E)−ヒドロキシイミノエリスロマ
イシンAの9−デオキソ−9(Z)−ヒドロキシイミノ
エリスロマイシンAへの変換 方法1 9−デオキソ−9(E)−ヒドロキシイミノエリスロマ
イシンA(20.0g,26.7ミリモル)を水酸化リ
チウム1水和物(2.25g,53.5ミリモル)を溶
解した無水エタノール(200mL)に攪拌しながら添
加した。溶液を窒素気流下、室温にて1晩攪拌した。溶
媒を減圧溜去し、残渣を酢酸エチル(200mL)と食塩
水(120mL)で分液操作した。この混合液を2N塩酸
にてpHが11から9.3になるよう調整した。酢酸エチ
ルを除去し、食塩水を再度酢酸エチル(2×200mL)
で抽出した。酢酸エチル層を合せて食塩水(100mL)
で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水し、濾過後減圧
濃縮し、泡状物質(約20g)を得た。
【0029】粗オキシム混合物をメチレンクロライド
(220mL)に溶解し、室温にて1時間攪拌し、白色固
体(18.7g)を得た。これを酢酸エチル(100m
L)に溶解し、ニトロメタン(100mL)で希釈した。
このうち50mLを減圧濃縮した。更にニトロメタン(5
0mL)を添加し、80mLの溶媒を減圧濃縮した。この溶
液に9(Z)異性体を添加し室温にて3時間攪拌した。
この懸濁液を濾過し、ニトロメタン(20mL)で洗浄
後、窒素気流下で乾燥させ、白色固体の9−デオキソ−
9(Z)−ヒドロキシイミノエリスロマイシンA(1
4.8g,収率74%)を得た。
【0030】融点 157−164℃ 赤外吸収(CHCl3 中) 3680, 3435 (br), 2970, 2940,
1725, 1455, 1375, 1345, 1165, 1105, 1085, 1045, 10
05, および950 cm -1 1 H NMR (CDCl3 中) δ 5.01 (dd, H-13)、 4.87 (d, H-
1") 、 4.40(d, H-1') 、 3.98 (m, H-3 および H-
5")、 3.80 (s, H-11) 、 3.49 (m, H-5 および H-
5')、 3.27 (s, OCH3) 、 3.21 (dd, H-2')、 2.99 (t,
H-4") 、 2.8 (m, H-8, H-2 および H-10)、 2.74 (m,
H-10) 、 2.43 (m, H-3’)、 2.32 (d, H-2"エカトリ
アル)、 2.27 (s, N(CH3)2)、 1.91 (m, H-4)、 1.87
(m, H-14a)、 1.63 (m, H-4' エカトリアル)、 1.51
(m, H-2" アキシャルおよび H-7)、 1.42 (m, H-14
b)、 1.37 (s, 6-CH3) 、 1.28 (d, 10-CH3) 、 1.24
(d, 5"-CH3) 、 1.19 (s, 3"-CH3) 、 1.18 (d, 5'-C
H3) 、 1.12 (d, 2-CH3)、 1.11 (s,12-CH3) 、 1.08
(d, 8-CH3)、 1.04 (d, 4-CH3) および 0.79 (t, CH2C
3)1 H NMR (CD3OD 中) δ 5.20 (br d, H-13)、 4.50 (br
d, H-1')、 4.16 (dq,H-5")、 4.02 (d, H-3)、 3.70
(m, H-5') 、 3.56 (br d, H-5) 、3.34 (s,OCH3) 、
3.25 (dd, H-2')、 3.03 (d, H-4") 、 2.87 (m, H-
8)、 2.84 (m, H-2)、 2.73 (m, H-3') 、 2.44 (d, H-
2" エカトリアル)、 2.33 (s, N(CH3)2)、 1.97 (m,
H-4)、 1.88 (m, H-14a)、 1.73 (m, H-4' エカトリア
ル)、 1.64 (m, H-7)、 1.59 (dd, H-2" アキシャ
ル)、 1.47 (m, H-14b)、 1.36 (br s,6-CH3) 、 1.28
(d, 5"-CH3) 、 1.24 (s, 3"-CH3) 、 1.18 (m, 5'-CH
3, 2-CH3, 8-CH3 および 10-CH3)、1.13 (s, 12-C
H3)、 1.08 (d, 4-CH3)、および 0.86 (t, CH2C 3)13 C NMR (CDCl3 中) δ 176.2、 168.2、 102.8、 95.
9 、 83.6 (br)、 79.3 (br)、 77.9 、 77.3 、 75.2
、 75.1 、 72.7 、 71.0 、 70.9 、 68.8 、65.5 、
65.3 、 49.4 、 40.2 、 39.9 (br)、 37.8 (br)、3
5.7 (br) 、 34.9 、 34.1 (br)、 28.9 、 26.0 (b
r)、 21.4 、 21.3 、 19.8 (br)、 18.4 、16.8 、 1
5.3 (br)、 10.7 、および 9.213 C NMR (CD3OD 中) δ 177.7、 170.0、 103.9、 97.
7 、 84.3 (br)、 80.7 、 79.2 、 78.1 、 77.0 (b
r)、 76.1 、 74.1 、 72.8 、 71.7 (br)、 69.2 、 6
6.7 、 65.1 、 49.9 、 46.2 (br)、 41.8 (br)、 40.
8 、 40.5 (br)、36.0 、 33.8 (br)、 31.9 、 26.7
(br)、 22.8 、 21.8 、 21.7 (br)、 21.6 、 19.1 、
17.5 、 15.8 (br)、 12.2 (br)、 11.3 、および 10.
1 FAB 質量分析スペクトル、 m/e 749 、 591、 416、 3
98、 174、 159、 158、および 116 元素分析 C37H68N2O13 に対する計算値: C,59.34 ; H,9.
15 ; N,3.74. 実測値: C,59.12 ; H,8.80 ; N,3.82.
【0031】方法2:エタノール中1.0 LiOH 無水エタノール(2.55mL)に溶解した水酸化リチウ
ム1水和物(14.3mg,0.34ミリモル)溶液に9
−デオキソ−9(E)−ヒドロキシイミノエリスロマイ
シンA(255mg,0.34ミリモル)を添加した。こ
の溶液を室温にて25時間攪拌した後、68時間冷凍庫
中にて−20℃で68時間放置した。室温に戻した後、
溶液を減圧濃縮乾固した。この残渣を希塩酸添加により
pHを9.2にし、飽和食塩水(5mL)および酢酸エチル
(5mL)中で攪拌した。攪拌後、層を分離し、水層を更
に酢酸エチル(2×2.5mL)で抽出した。酢酸エチル
層を合せ、飽和食塩水(4mL)で洗浄後、硫酸マグネシ
ウムで脱水し、濾過し、減圧濃縮し白色の泡状物質(2
63mg)を得た。 1H NMRスペクトルによる解析に
よりこれらは9−デオキソ−9(E)−ヒドロキシイミ
ノエリスロマイシンAと9−デオキソ−9(Z)−ヒド
ロキシイミノエリスロマイシンAの31:69の混合物
であると判明した。
【0032】方法3:エタノール中2.0 LiOH 無水エタノール(2.9mL)に溶解した水酸化リチウム
1水和物(32.6mg,0.776ミリモル)溶液に9
−デオキソ−9(E)−ヒドロキシイミノエリスロマイ
シンA(291mg,0.333ミリモル)を添加した。
この溶液を室温、窒素下にて22.5時間攪拌した。溶
液を減圧濃縮乾固し、残渣を2N塩酸添加によりpHを9
にし、飽和食塩水(5mL)および酢酸エチル(5mL)中
で攪拌した。この混合液を振盪した後、2層を分離し、
水層を更に酢酸エチル(2×2.5mL)で抽出した。酢
酸エチル層を合せ、飽和食塩水(4mL)で洗浄後、硫酸
マグネシウムで脱水し、濾過し、減圧濃縮し白色の泡状
物質(299mg)を得た。1H NMRスペクトルによ
る解析によりこれらは9−デオキソ−9(E)−ヒドロ
キシイミノエリスロマイシンAと9−デオキソ−9
(Z)−ヒドロキシイミノエリスロマイシンAの21:
79の混合物であると判明した。
【0033】方法4:エタノール中3.0 LiOH 無水エタノール(2.4mL)に溶解した水酸化リチウム
1水和物(40.2mg,0.957ミリモル)溶液に9
−デオキソ−9(E)−ヒドロキシイミノエリスロマイ
シンA(239mg,0.319ミリモル)を添加した。
この溶液を室温にて窒素置換下、21.7時間攪拌し
た。方法3と同様にして後処理を行ない、白色の泡状物
質(236mg)を得た。 1H NMRスペクトルによる
解析によりこれらは9−デオキソ−9(E)−ヒドロキ
シイミノエリスロマイシンAと9−デオキソ−9(Z)
−ヒドロキシイミノエリスロマイシンAの19:81の
混合液であると判明した。
【0034】方法5:メタノール中2.0 NaOEt 窒素下、無水エタノール(7.8mL)に新しく切った金
属ナトリウム(48mg,2.087ミリモル)を溶解し
た。9−デオキソ−9(E)−ヒドロキシイミノエリス
ロマイシンA(782mg,1.043ミリモル)を上記
の溶媒に添加し、室温にて攪拌した。薄層クロマトグラ
フィーにより出発物質のオキシムであると同定された結
晶状の沈殿物が2〜3時間後現れた。1晩攪拌すると、
再び混合物は透明な溶液になった。54時間後、約半分
(3.9mL)の反応混合物を除去し、減圧溜去した。希
塩酸(2Nおよび0.2N溶液)を添加しpHを9.2に
し、ゴム状の残渣を酢酸エチル(5mL)と飽和食塩水
(5mL)中で攪拌した。混合液を振盪し、層を分離し、
水層を更に酢酸エチル(2×2.5mL)で抽出した。酢
酸エチル層を合せ飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウ
ムで脱水後、濾過し、減圧濃縮することにより、白色の
泡状物質(361mg)を得た。 1H NMRスペクトル
による解析によりこれらに9−デオキソ−9(E)−ヒ
ドロキシイミノエリスロマイシンAと9−デオキソ−9
(Z)−ヒドロキシイミノエリスロマイシンAの22:
78の混合物であると判明した。
【0035】方法6:エタノール中2.0 NaOH 方法5における別の反応混合物の半分は水(0.018
8mL,1.04ミリモル)で処理し、効果のある水酸化
ナトリウムとオキシムのエタノール溶液を得た。この溶
液を室温にて23時間攪拌し、後処理を方法5と同様に
行ない白色の泡状物質(402mg)を得た。 1H NM
Rスペクトルによる解析によりこれらは9−デオキソ−
9(E)−ヒドロキシイミノエリスロマイシンAと9−
デオキソ−9(Z)−ヒドロキシイミノエリスロマイシ
ンAの24:76の混合物であると判明した。
【0036】方法7:メタノール中2.0 LiOH 9−デオキソ−9(E)−ヒドロキシエリスロマイシン
A(330mg,0.44ミリモル)、水酸化リチウム1
水和物(37mg,0.88ミリモル)、およびメタノー
ル(3.3mL)溶液を65.5時間室温にて攪拌した。
溶液を13日間−20℃で放置し、室温に戻した後、減
圧濃縮した。この残渣を酢酸エチル(5mL)および飽和
食塩水(5mL)に溶解し、希塩酸にてpHが9.2にし、
攪拌した。混合物を振り、2層を分離し、水層を更に酢
酸エチル(2×2.5mL)で抽出した。酢酸エチル層を
合せ、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水
後、減圧濃縮し、白色の泡状物質(324mg)を得た。
1H NMRスペクトルによる解析によりこれらは9−
デオキソ−9(E)−ヒドロキシイミノエリスロマイシ
ンAは9−デオキソ−9(Z)−ヒドロキシイミノエリ
スロマイシンAの45:55の混合物であると判明し
た。
【0037】方法8:メタノール中2.0 NaOEt 無水メタノール(3.5mL)に溶解した9−デオキソ−
9(E)−ヒドロキシイミノエリスロマイシンA(37
5mg,0.5ミリモル)を氷浴中で冷却し、窒素置換下
で攪拌し、メタノール中のナトリウムメトキシド(25
重量%溶液を0.23mL,1.01ミリモル)をシリン
ジを用いて添加した。冷却浴を除去し、室温にて窒素置
換下66時間攪拌した。溶液を−20℃で13.3日間
放置すると、方法7で記載した白色泡状物質(329m
g)が形成された。 1H NMRスペクトルによる解析
によりこれらは9−デオキソ−9(E)−ヒドロキシイ
ミノエリスロマイシンAと9−デオキソ−9(Z)−ヒ
ドロキシイミノエリスロマイシンAの35:65の混合
物であると判明した。
【0038】方法9:メタノール中10.0 NaOEt 無水メタノール(4.70mL)に溶解した9−デオキソ
−9(E)−ヒドロキシイミノエリスロマイシンA(1
00mg,0.134ミリモル)をナトリウムメトキシド
(25重量%メタノール溶液を0.305mL,1.33
5ミリモル)で処理し、室温にて74.5時間攪拌し
た。溶液を減圧濃縮し、残渣を酢酸エチル(5mL)およ
び飽和食塩水(5mL)中で、水層を2N塩酸でpHを9.
4にし、攪拌した。混合液を振り、2層を分離し、更に
水層を酢酸エチル(2×2.5mL)で抽出した。酢酸エ
チル層を合せ、飽和食塩水(5mL)で洗浄し、硫酸マグ
ネシウムで脱水、濾過後、減圧濃縮し、白色泡状物質
(102mg)を得た。 1H NMRスペクトルによる解
析によりこれらは9−デオキソ−9(E)−ヒドロキシ
イミノエリスロマイシンAと9−デオキソ−9(Z)−
ヒドロキシイミノエリスロマイシンAの26:74の混
合物であると判明した。
【0039】 方法10:イソプロパノール中2.0 LiOH イソプロパノール(2.7mL)に溶解した水酸化リチウ
ム1水和物(30.3mg,0.721ミリモル)溶液に
9−デオキソ−9(E)−ヒドロキシイミノエリスロマ
イシンA(279mg,0.361ミリモル)を添加し、
混合液を栓をした容器中で室温にて攪拌した。鮮明な白
色の沈殿物が2〜3分の後形成され、それを1晩攪拌す
ると混合液はもやもやした懸濁になった。21時間後、
−20℃の冷凍庫に移し、15日間放置した。室温に戻
した後、溶媒を減圧濃縮し、残渣を酢酸エチル(5mL)
および飽和食塩水中で、希塩酸を用いてpHが9.2に
し、攪拌した。混合液を振り、2層を分離し、更に水層
を酢酸エチル(2×2.5ml)で抽出した。酢酸エチル
層を合せ、飽和食塩水(4mL)で洗浄後、硫酸マグネシ
ウムで脱水後、濾過し減圧濃縮することにより白色泡状
物質(249mg)を得た。 1H NMRスペクトルによ
る解析によりこれらは9−デオキソ−9(E)−ヒドロ
キシイミノエリスロマイシンAと9−デオキソ−9
(Z)−ヒドロキシイミノエリスロマイシンAの26:
74の混合物であると判明した。
【0040】方法11:アセトニトリル中1.0 LiOH 9−デオキソ−9(E)−ヒドロキシイミノエリスロマ
イシンA(500mg,0.668ミリモル)、水酸化リ
チウム1水和物(28mg,0.668ミリモル)、およ
び無水エタノールの混合物を室温にて10分間攪拌し、
溶液を形成させた。溶液を減圧濃縮し、得られた残渣を
エタノール(10mL)で2倍希釈し、減圧濃縮し、無水
アセトニトリルに懸濁させ、減圧濃縮した。固形残渣を
無水アセトニトリル(5mL)に懸濁させ、混合溶液を室
温にて18日間攪拌した。溶媒を減圧濃縮し、希塩酸を
用いて水層をpH9.5にし、酢酸エチル(5mL)および
飽和食塩水(5mL)中で攪拌した。混合液を振り、2層
を分離し、更に水層を酢酸エチル(2×2.5ml)で抽
出した。酢酸エチル層を合せ、飽和食塩水(5mL)で洗
浄後、硫酸マグネシウムで脱水後、濾過し減圧濃縮する
ことにより白色泡状物質(442mg)を得た。 1H N
MRスペクトルによる解析によりこれらは9−デオキソ
−9(E)−ヒドロキシイミノエリスロマイシンAと9
−デオキソ−9(Z)−ヒドロキシイミノエリスロマイ
シンAの44:56の混合物であると判明した。
【0041】方法12:DMF中1.0 LiOH 9−デオキソ−9(E)−ヒドロキシイミノエリスロマ
イシンA(500mg,0.668ミリモル)、水酸化リ
チウム1水和物(28mg,)、およびジメチルホルムア
ミドの混合物を栓をした容器中で室温にて攪拌した。数
時間後、出発懸濁は溶液となった。18日間と18時間
攪拌した後、減圧濃縮し、方法11と同様の処理を行な
い、泡状物質(402mg)を得た。 1H NMRスペク
トルによる解析によりこれらは9−デオキソ−9(E)
−ヒドロキシイミノエリスロマイシンAと9−デオキソ
−9(Z)−ヒドロキシイミノエリスロマイシンAの6
2:38の混合物であると判明した。
【0042】 方法13:アセトニトリル中1.2 LiN (SiMe3)2 無水アセトニトリル(4mL)に溶解した9−デオキソ−
9(E)−ヒドロキシイミノエリスロマイシンA(50
0mg,0.668ミリモル)をリチウム6メチル2シラ
ジド(ヘキサンに溶解した1M溶液を0.80mL,0.
80ミリモル)で処理した。この懸濁液は直ちに溶液と
なるが、室温にて数日間攪拌すると、再び懸濁液となっ
た。18日間と19時間後、反応混合物を方法11と同
様の方法で後処理し、泡状物質(423mg)を得た。 1
H NMRスペクトルによる解析によりこれらは9−デ
オキソ−9(E)−ヒドロキシイミノエリスロマイシン
Aと9−デオキソ−9(Z)−ヒドロキシイミノエリス
ロマイシンAの50:50の混合物であると判明した。
【0043】
【実施例3】9−デオキソ−9(Z)−ヒドロキシイミ
ノエリスロマイシンAの結晶化9−デオキソ−9(Z)
−ヒドロキシイミノエリスロマイシンAおよび9−デオ
キソ−9(E)−ヒドロキシイミノエリスロマイシンA
の3:1の混合物(30.0g)を2分以上かけて、よ
く攪拌した酢酸エチル(60mL)に添加した。この溶液
に直ちにメチレンクロライド(60mL)を添加し、でき
た懸濁液を氷浴中で1時間攪拌した。沈殿物を濾過し、
メチレンクロライド(60mL)で洗浄し、窒素気流下で
乾燥させ、9−デオキソ−9(Z)−ヒドロキシイミノ
エリスロマイシンAと9−デオキソ−9(E)−ヒドロ
キシイミノエリスロマイシンAの86:14の混合物
(26.5g)を得た。
【0044】上記の固体を酢酸エチル(60mL)に溶解
した溶液をメチレンクロライド(120mL)で希釈し
た。この懸濁液を氷浴中で1時間冷却し、濾過した。集
めた固体をメチレンクロライド(60mL)で洗浄し、窒
素気流化で乾燥させ、95:5の9−デオキソ−9
(Z)−ヒドロキシイミノエリスロマイシンAと9−デ
オキソ−9(E)−ヒドロキシイミノエリスロマイシン
Aの混合物(23.4g)を得た。
【0045】構造式(II)のZ異性体は基本骨格であ
り、酸を添加した塩を形成する。製薬上容認されている
酸添加による塩は無毒の塩であり、それらは文献中で通
常よく使用されている方法によって調製される。
【0046】通常、酸添加による塩を調製するには、構
造式(II)の化合物を、不活性な溶媒中で化学量的に等
量の適当な酸と結合させ形成するか、あるいは自然に塩
が沈殿してきた時は濾過するか、あるいは非極性の溶媒
を添加して沈殿させ、その後濾過し調製する。
【0047】構造式(II)の化合物は直に他のマクロラ
イドを合成するための中間体として使用される。以下の
例は他のマクロライドを調製するための合成法を例示し
たものである。
【0048】
【実施例4】ベックマン転位による9−デオキソ−9
(Z)−ヒドロキシイミノエリスロマイシンAからの8
a−アザ−8a−ホモエリスロマイシンAおよび9−デ
オキソ−6−デオキソ−6,9−エポキシ−8a,9−
ジデヒドロ−8a−アザ−8a−ホモエリスロマイシン
Aの合成
【化11】 9−デオキソ−9(Z)−ヒドロキシイミノエリスロマ
イシンA(200mg,0.27ミリモル)をアセトン
(2mL)に溶解し、この溶液を氷浴中で冷却し、窒素置
換下攪拌した。重炭酸ナトリウム(84mg,1.0ミリ
モル)の水溶液(2mL)を添加し、更にパラトルエンス
ルホニルクロライド(100mg,0.53ミリモル)の
アセトン溶液(2mL)を滴下法により5分間以上かけて
添加した。
【0049】0−5℃にて1.5時間攪拌した後、混合
液をメチレンクロライド(10mL)で希釈し、pHを2N
塩酸で10から5.5に調整した。メチレンクロライド
層を捨て、水層をメチレンクロライド(2×10mL)で
洗浄し、メチレンクロライド層は捨てた。メチレンクロ
ライド(10mL)を水層に添加し、pHを2.5水酸化ナ
トリウムで8.5に調整した。メチレンクロライド層を
分離し、更にメチレンクロライド(2×20mL)で抽出
した。メチレンクロライド層を合せ、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥後、濾過し、減圧濃縮することにより表題の
化合物の混合物(150mg)を泡上物質として得た。
【0050】上記の混合物を薄層クロマトグラフィー
(2枚の0.1mm×20×20cmの Analtech シリカゲ
ルGFプレート、展開溶媒および抽出溶媒としてメチレ
ンクロライド−メタノール−濃アンモニア水60:1
0:1を用いた。)により精製し、8a−アザ−8a−
ホモエリスロマイシンA(95mg,収率48%)および
9−デオキソ−6−デオキソ−6,9−エポキシ−8
a,9−ジデヒドロ−8a−アザ−8a−ホモエリスロ
マイシンA(33mg,収率17%)を得た。
【0051】
【実施例5】9−デオキソ−6−デオキソ−9,12−
エポキシ−8a,9−ジデヒドロ−8a−アザ−8a−
ホモエリスロマイシンAおよび9−デオキソ−6−デオ
キソ−6,9−エポキシ−8a,9−ジデヒドロ−8a
−アザ−8a−ホモエリスロマイシンAから9−デオキ
ソ−8a−アザ−8a−ホモエリスロマイシンAの合成
【化12】
【化13】 9−デオキソ−9(Z)−ヒドロキシイミノエリスロマ
イシンA(5g,6.68ミリモル)を氷で冷却したピ
リジン(50mL)に溶解し、この溶液にパラトルエンス
ルホニルクロライド(2.5g,13.1ミリモル)を
溶解した酢酸エチル(25mL)を10分間以上かけて添
加した。この溶液を2時間、氷浴中で冷却しながら攪拌
し、その後溶媒を減圧濃縮した。残渣を水(200mL)
とメチレンクロライド(200mL)で分配した。メチレ
ンクロライド層を捨て、更にメチレンクロライド(20
0mL)を添加した。混合液のpHを2.5Nの水酸化ナト
リウムで5.5に調整し、メチレンクロライド洗浄画分
を分離した。更にメチレンクロライド(200mL)を添
加し、混合液のpHを2.5Nの水酸化ナトリウムで5.
3から6.0に調整した。メチレンクロライド洗浄画分
を分離し、メチレンクロライド(200mL)を添加し
た。混合液のpHの2.5Nの水酸化ナトリウムで5.8
から9.5に調整した。メチレンクロライド抽出層を分
離し、水層を再びメチレンクロライド(2×200mL)
で抽出した。pHが9.5である混合液からの抽出画分を
合せ、無水硫酸マグネシウムで脱水し、濾過後、減圧濃
縮し9−デオキソ−6−デオキソ−9,12−エポキシ
−8a,9−ジデヒドロ−8a−アザ−8a−ホモエリ
スロマイシンAおよび9−デオキソ−6−デオキソ−
6,9−エポキシ−8a,9−ジデヒドロ−8a−アザ
−8a−ホモエリスロマイシンAを黄色泡状物質(4
g)として得た。
【0052】泡状物質のメタノール溶液を氷浴中で冷却
し1時間以上かけて少しずつソディウムボロハイドライ
ド(2.5g,66ミリモル)で処理した。この溶液を
氷浴中で冷却しながら2時間攪拌し、室温で1晩攪拌し
た。
【0053】2Nの塩酸でメタノール溶液のpHを10.
5から2.5に調整し、5Nの水酸化ナトリウムで溶液
のpHを6にし、溶媒を減圧溜去した。残渣を水(200
mL)およびメチレンクロライド(200mL)に溶解攪拌
し、5Nの水酸化ナトリウムで水層のpHを6.5に調整
した。メチレンクロライド層を除去し、新たにメチレン
クロライド(200mL)を添加し、5Nの水酸化ナトリ
ウムで混合液のpHを7.0に調整した。メチレンクロラ
イド層を分離し、更にメチレンクロライド(200mL)
を添加した。混合液のpHを5Nの水酸化ナトリウムで
9.5に調整した。メチレンクロライド抽出層を分離
し、水層を更にメチレンクロライド(2×200mL)で
再抽出した。pH9.5の抽出層を合せ、無水硫酸マグネ
シウムで脱水し、濾過後、減圧濃縮し泡状物質として粗
生成物(3.4g)を得た。
【0054】表題の化合物を上記泡状物質を得た(12
mL)に溶解し、蒸留水(12mL)で希釈し、1晩攪拌し
た。できた懸濁液を濾過し、集めた固体を2:1の水−
エタノール溶液(2mL)で洗浄し、窒素気流で乾燥させ
9−デオキソ−8a−アザ−8a−ホモエリスロマイシ
ンA(1.15g)を白色固体として得た。
【0055】
【実施例6】9−デオキソ−8a−アザ−8a−ホモエ
リスロマイシンAの合成
【化14】 9−デオキソ−6−デオキソ−6,9−エポキシ−8
a,9−ジデヒドロ−8a−アザ−8a−ホモエリスロ
マイシンA(100mg)、酢酸(4mL)、および酸化白
金(120mg)の混合物を1晩、2000psi の条件で
水素処理した。混合液をセライトを用いて濾過し、濾液
を減圧乾固し、残渣をメチレンクロライド(12mL)と
飽和重炭酸ナトリウム(5mL)で分配した。メチレンク
ロライドを分離し、水層を更にメチレンクロライド(2
×5mL)で再抽出した。メチレンクロライド抽出層を合
せ、無水硫酸マグネシウムで脱水し、濾過後、減圧濃縮
し、油状物質(60mg)を得た。
【0056】この油状物質を薄層クロマトグラフィー
(Analtech 0.1mm×20×20cmアルミナプレー
ト、5%メタノール−メチレンクロライド溶液で展開
し、溶出した)により精製し、表題の化合物(42mg,
収率42%)を白色泡状物質として得た。
【0057】
【実施例7】9−デオキソ−8a−アザ−8a−メチル
−8a−ホモエリスロマイシンAの合成
【化15】 9−デオキソ−8a−アザ−8a−ホモエリスロマイシ
ンA(1.00g,1.36ミリモル)のクロロホルム
(6mL)溶液を37%ホルムアルデヒド(0.102m
L,1.36ミリモル)水溶液および98%ぎ酸(0.
106mL,2.76ミリモル)で処理した。この溶液を
48時間還流しながら熱し、その後室温に戻し、よく攪
拌した水(50mL)とメチレンクロライド(50mL)の
混合液に添加した。水層のpHを1Nの塩酸を用いて5.
4から5.1に調整した後、メチレンクロライド層を分
離し、更にメチレンクロライド(50mL)を添加した。
pHを1Nの水酸化ナトリウムを用いて8.6にした後、
メチレンクロライド抽出層を分離し、更に水層をメチレ
ンクロライド(2×50mL)で再抽出した。pH8.6か
らのメチレンクロライド抽出層を合せ、無水硫酸マグネ
シウムで脱水し、濾過後、減圧濃縮し、泡状物質(73
5mg)を得た。
【0058】この泡状物質のエタノール(5mL)溶液を
約3mLに濃縮し、蒸留水で(2mL)で希釈した。2時間
攪拌後、この懸濁液を濾過し、固体を集め、エタノール
−水1:1の溶液(6mL)で洗浄し、窒素気流下で乾燥
させ、表題の化合物(590mg,収率58%)を白色固
体として得た。
【0059】抗生物質として構造式(II)の化合物は錠
剤、カプセル、丸薬、粉末、顆粒、エリキシル剤、チン
キ、懸濁液、シロップ、および乳濁液の形で経口投与さ
れる。同様に、本薬剤は薬理学論文中でに常用されてい
る静脈内、腹腔内、皮下、筋肉投与される。通常、好ま
しい投与法は経口投与である。有効で無毒な化合物量で
哺乳動物用抗生物質として使用される。
【0060】構造式(II)の化合物の摂取量は型、種、
年齢、体重、性別や患者の健康状態;治療する動物の罹
病状態の悪さ;投与経路;腎臓、肝臓の機能;元の化合
物かあるいはその塩か、等の様々な因子により選択され
る。訓練された医者や獣医は、治療したり病気の進行を
止めたり防いだりするのに要求される前述の化合物の有
効量を簡単に決定できる。
【0061】効果が見られる構造式(II)の化合物の量
はおよそ毎日体重kg当り0.2mg(mg/kg/日)からお
よそ120mg/kg/日であり、好ましくは10−50mg
/kg/日である。有効に使用するには、化合物を1日に
1回、あるいは全量を日に2、3、4回に分けて投与す
る。
【0062】更に構造式(II)の化合物を適切な賦形剤
を使用して局所、耳あるいは眼にも投与される。
【0063】化合物(II)の使用する時に、活性構成成
分を形成し、例えば、経口錠剤、カプセル、エリキシル
剤、シロップ等適切に投与するために選択される点で製
薬的に使用される希釈剤、賦形剤、担体(全体的にここ
で“担体”材料としてここで列挙されている)と混合し
て投与される。そして以上は因習的に薬理学的に使用さ
れている。
【0064】例えば、錠剤やカプセルの形で経口投与す
るのに経口可能な無毒な乳糖、澱粉、シュークロース、
グルコース、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシ
ウム、リン酸2カルシウム、硫酸カルシウム、マンニト
ール、ソルビトール等の製薬的に容認されている不活性
な担体と混合して使用する。液状で経口投与する場合、
エタノール、グリセロール、水等の経口可能な無毒な不
活性担体と混合して使用する。更に望まれたり必要な時
は、適当な結合剤、潤滑剤、分解剤および着色剤が混合
物に混ぜられる。適切な結合剤とは澱粉、ゲラチン、グ
ルコースやベーター乳糖、コーン甘味料等の自然糖、ア
カシアやトラガカントゴム、アルギン酸ナトリウム、カ
ルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、
ワックス等の合成ゴム等である。分解剤は規制なく、澱
粉、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンチ
ンゴム等である。
【0065】構造式(II)の化合物は小単一薄層担体、
大単一薄層担体、複薄層担体等のリポソームデリヴァリ
ーシステムの形でも投与される。リポソームはコレステ
ロール、ステアリルアミン、あるいはホスファチジルコ
リンのような様々なリン脂質から形成される。
【0066】構造式(II)の化合物は標的薬剤担体のよ
うな可溶性ポリマーと組み合せられる。このようなポリ
マーとはポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポ
リヒドロキシプロピルメタアクリルフェニルアミド、ポ
リヒドロキシエチルアウパルトアミド−フェノール、あ
るいはパルミトイル基が置換したポリエチレンオキシド
−ポリリジンである。更に構造式(II)の化合物は薬剤
の放出を積極的に制御するのに使用される生体内で分解
されるポリマーと結合させる。これらは例えばポリ乳
酸、ポリグリコリル酸、ポリ乳酸とポリグリコリル酸の
混合ポリマー、ポリエプシロンカプロラクトン、ポリヒ
ドロキシブチリン酸、ポリオルトエステル、ポリアセタ
ール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリル酸およ
びクロスリンクしたあるいは両親媒性の保護されたヒド
ロゲルの混合ポリマーである。
【0067】本発明の化合物の活性を測定するのに用い
た実験方法を以下に記述する。
【0068】
【実施例8】9−デオキソ−9(Z)−ヒドロキシイミ
ノエリスロマイシンA(II)の表に記した好気性グラム
陽性および陰性細菌に対する抗菌活性を以下の表に示し
た。検定は脳心臓培地での最少阻害濃度(MIC)を液
体濁度計法を用いて行なった。 mcg/mlのMIC終点値
は細菌の生長を完全に阻害する(検出できる濁度が観測
されない)試験化合物の最も少ない量で定義される。M
ICは通常、絶対値ではなく2倍ずつ希釈していく濃度
範囲で示される。通常、初期濃度128 mcg/mlから2
倍希釈で12段階希釈し、試験化合物を試験する。表に
見られるよう9(Z)異性体の活性は既知化合物である
9−デオキソ−9(E)−ヒドロキシイミノエリスロマ
イシンA(III)およびエリスロマイシンA(I)と比較
した。
【0069】化合物(II)および関連化合物の in vitr
o 活性
【表1】 (II) 9−デオキソ−9(Z)−ヒドロキシイミノエ
リスロマイシンA (III) 9−デオキソ−9(E)−ヒドロキシイミノエ
リスロマイシンA (I) エリスロマイシンA ‡(Z)異性体の決定不能な画分は検定状態の下で
(E)異性体に変換する。
【0070】構造式(II)の化合物は抗菌物質として i
n vitro および in vivo において有用であり、これら
の抗菌スペクトルはエリスロマイシンAと類似してい
る。結果的にこれらはエリスロマイシンAと同様な目
的、方法で使用され得る。通常、構造式(II)の抗菌化
合物およびその塩は Staphylococcus aureus や Strep
tococcus pyogenes 等の様々なグラム陽性菌、および球
形か楕円形の形をした(cocci)のようなグラム陰性菌に
対して in vitro 活性を示す。これらの活性は様々な微
生物に対して簡単に in vitro 試験で示される。これら
の in vitro活性は化合物を局所的な応用;病室の器具
等の殺菌目的;水質保全、土壌保全、塗料や木材等の保
存等、産業面での応用において有用物質とする。このよ
うなマクロライド化合物の応用の捕捉する in vitro 試
験の補外法は U. S. Patent No. 4,518,590に
記述されている。局所面での in vitro 使用のために
は、軟膏やクリームの形で示されるような製薬上容認さ
れている担体や希釈剤と構造式 IIIの化合物を混合して
薬剤を調製するのが通常便利である。この使用目的のた
めの適当な担体や希釈剤には鉱物油、野菜油や水、アル
コール、グリセロール等の溶媒、あるいはこれらの混合
物がある。このような薬剤は通常、製薬上容認されてい
る担体と構造式IIの化合物が、1:4から1:200の
割合の質量で含有されている。
【0071】更に構造式IIの抗菌化合物、およびそれの
製薬上容認されている塩は、ヒトを含む動物に投与する
時に経口および腸管外投与経路を通してStaphylococcus
aureus や Streptococcus pyogenes 等の様々なグラ
ム陽性細菌、およびある種のグラム陰性細菌に対して有
効である。これらの in vivo 活性は in vitro 活性と
比較して感受性細菌の点において限定される。 In vivo
試験は経口あるいは腸管外投与を通して試験薬が大体
同じ体重のネズミを試験菌の感染から治癒すると言う通
常の方法で決定される。マクロライド化合物のヒトへの
応用を補足するこのような In vivo 試験の補外法は、
U. S. Patent No. 4,518,590に同様に記され
ている。
【0072】本発明はある化合物の好例に関して記述あ
るいは例示したものであるが、ここで記述されたこと
は、本発明の主旨から離れないならば、様々な変換、修
飾および置換化も可能である。
【0073】それゆえ、本発明は、上述の特許請求の範
囲だけにより限定され、このような請求は広く解釈され
ているので道理にかなったものであると思われる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の構造式で示される化合物、および
    その薬事上許容される塩。 【化1】 ここでRは水素、C1-10アルキルあるいはアリールスル
    ホニル基である。
  2. 【請求項2】 以下の構造式で示される化合物、および
    その薬事上許容される塩。 【化2】
  3. 【請求項3】 9−デオキソ−9(Z)−ヒドロキシイ
    ミノエリスロマイシンA、およびその薬事上許容される
    塩。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の化合物の抗生物質として
    作用するのに十分な量と薬事上許容される担体からなる
    抗菌剤。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の化合物の抗生物質として
    作用するのに十分な量と薬事上許容される担体からなる
    抗菌剤。
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