JPH0710655Y2 - 化粧用コンパクト容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、開蓋角度を任意に維持できるようにした化粧
用コンパクト容器に関する。

〈従来の技術〉 従来のコンパクト容器は、容器本体後縁に枢着した蓋体
蝶番足片と容器本体後端面との間に弾材を介在させ、常
に蓋体の蝶番足片に向かって弾力を作用せしめることに
より、蓋体の閉合ロックを解除した時、自動的に或は限
度まで開くようにしたものがある。例えば実公昭64-672
1号公報参照。

〈考案が解決しようとする課題〉 しかし、上記従来例は、ゴム、合成ゴム、或はスプリン
グ等の弾材と蝶番足片と容器本体後端面との迫り合い部
に嵌入しているので構造上このような迫り合い部に嵌入
することは組立が容易でない。

又、蓋の初期開扉動作と蓋のフリーストップ性とを同一
部分で効かせているので確実な動作が得られず、例えば
フリーストップ性は得られても、蓋が開かなかったり、
或は開きにくいなどの欠点があった。

そこで本考案は拘る上記従来例の欠点に対処し、作業性
が良く、しかも確実に蓋の開蓋動作が得られ、しかも開
き角度を任意に維持できるコンパクト容器を提供しよう
とする。

〈課題を解決する為の手段〉 容器本体と蓋体との枢着部分において、該蓋体の中空突
出枢着部前面と、容器本体後側面との間に弾性材を介在
させて初期開扉動作を行わせるようにすると共に、蓋体
の中空突出枢着部横側面と、容器本体後部の切欠凹所横
側面との間に弾性材を介在接触されることにより蓋体と
容器本体との間に摩擦力を付与せしめるようにしてな
る。

〈作用〉 蓋体と容器本体との閉合ロックを解除することにより、
蓋体を蓋体の中空突出枢着部前面と容器本体後側面との
間に介在させた弾性材の弾力により一定限度まで開放
し、その後該蓋体は容器本体後部の切欠凹所横側面と蓋
体の中空突出枢着部横側面との間に介在させた弾性材に
よる摩擦力により自由回動を阻止し、任意の開度を維持
する。

〈実施例〉 以下、本考案について図面に示す実施例により詳細に説
明すると、第１図に示すように容器本体１の後端部に、
その中間の一部に切欠凹所２を設けると共に、該凹所２
の相対する一方の横側面に第４図のように切欠部３を形
成する。

そして、該容器本体１の上面を覆蓋する蓋体６の後端部
には、第２図のようにその中央部に前記容器本体の凹所
２の切欠幅と略等しい横幅の中空突出枢着部７を下面に
突設しており、しかも、該突出枢着部７の片方の側面、
即ち前記容器本体の凹所２の切欠部３と直面する横側面
（第２図参照）に切欠孔８を設けると共に、該中空突出
枢着部７の前面部における上記切欠孔８寄り位置に鈎字
形の切欠孔９を形成し、該中空突出枢着部７内には略凸
字状の弾性体11を、それぞれの突片12及び13を前記切欠
孔８及び９へ一致させながら各端面12′及び13′を外方
へ臨ませて第３図のように上部より嵌入し、更に該蓋体
６の上面凹所内に天板15を陥入定着することにより枢着
部へ嵌入した弾性体11を上面から抑止することにより脱
出なきよう保持するものである。

このようにして得られた上蓋６は枢着部７を第５図に示
すように容器本体１の凹所２内に挿入し、該容器本体１
の凹所２の両側部に穿設した軸孔５から蓋体６の枢着部
７に穿設した軸孔10に跨がって軸を挿通することにより
蓋体を容器本体へ開閉自由に枢着する。

そして、該容器本体１の前端面の凹所17内には、背面に
２本の弾性片20を一体に突設形成した掛止具18を挿入
し、ピン21により容器本体１の凹所側面に穿設した横長
孔22によって装着保持し、前記蓋体６を閉合した時、該
蓋体６の前縁に下向突設した掛止片16が前記掛止具18の
掛止爪19と掛合してその状態を維持する。

尚、図中符号14は鏡板である。

次に、上記構成の動作について述べると、先ずコンパク
ト容器を開くには容器本体前面の掛止具18を押動するこ
とにより、該掛止具18は裏面の弾性片20に抗して、長孔
22の範囲内で後退し、掛止爪19が掛止片16から解離す
る。

これと同時に、閉蓋状態において、蓋体６は、凹所２の
後側面４にて圧縮されていた弾性体11の突片13が、一挙
に圧縮から解放されるので、その弾性によって該蓋体６
を軸５の部分を中心にして回動する。この時弾性体の突
片12の端面12′は、容器本体の凹所横側面切欠部３内に
おいて非接触状態であり、模式的には第６図に示すよう
に切欠部３の遊び範囲ｌだけ蓋体が抵抗なく回動する。

そして、該弾性体の突片13が弾性を失った時点から蓋体
を更に回動すると該弾性体11の突片12の端面12′が、容
器本体凹所２の横側面切欠部３を越えて切欠凹所横側面
４′上で弾圧接触することになり、蓋体の回動には摩擦
抵抗が生じる。即ち、蓋体６は容器本体１に対し弾性体
11の突片端面12′と側面４′との圧接によって摩擦保持
され任意の開き角度に保たれる。

〈考案の効果〉 本考案は、上述のように弾性体による蓋の跳ね上げ動作
終了後において蓋にフリーストップ性が作用するから、
蓋の初期開蓋動作が不十分となることなく確実に開くこ
とができる。

更に弾性体の挿入組込みが容易であり、そして蓋体枢着
部を中空体としているので成形時におけるヒケによる歪
変形を生じなく正確な形状に仕上げることが可能である
など多くの優れた作用効果を揺する実用価値の高い考案
である。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第６図は本考案実施例を示す。 第１図は、分解斜視図、 第２図は、蓋体の斜視図、 第３図は、蓋体の部分平面図、 第４図は、第１図Ｘ−Ｘ断面図、 第５図は、組立状態の要部縦断面図、 第６図は、要部の動作説明図である。 １……容器本体、２……凹所 ３……切欠部、４……壁面 ６……蓋体、７……中空突出枢着部 8,9……切欠孔、11……弾性体 12,13……突片部、12′,13′……端面

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】コンパクト容器本体の後側部中間に形成し
   た凹所の相対する少なくとも一方の横側面に切欠部を設
   けると共に、該凹所に嵌入する蓋体後部の中空突出枢着
   部に、前記凹所の後側面と該凹所横側面切欠部とに夫々
   直面する切欠孔を設け、該各切欠孔から前記容器本体凹
   所の後側面と、凹所横側面切欠部とに夫々相対する弾性
   体を臨ませ、該蓋体を後部の中空突出枢着部で前記容器
   本体の凹所内に開閉自由に枢設したことを特徴とする化
   粧用コンパクト容器。