JPH0710579B2 - 複合コルゲ−ト体並びにその製法及び装置 - Google Patents

複合コルゲ−ト体並びにその製法及び装置

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JPH0710579B2
JPH0710579B2 JP5316787A JP5316787A JPH0710579B2 JP H0710579 B2 JPH0710579 B2 JP H0710579B2 JP 5316787 A JP5316787 A JP 5316787A JP 5316787 A JP5316787 A JP 5316787A JP H0710579 B2 JPH0710579 B2 JP H0710579B2
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博夫 市川
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博夫 市川
中村 達夫
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Description

【発明の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本発明は被加工シート材に垂直方向の山部と谷部とを交
互に施してコルゲート条列を形成するとともにこのコル
ゲート条列を平面的に蛇行させてコルゲート芯体を形成
し、このコルゲート芯体の少なくとも片方の面に平板ラ
イナーを接着してなる複合コルゲート体並びにその製法
及び装置に関するものである。
《従来の技術》 従来のこの種の複合コルゲート体としては、米国特許第
2,963,128号明細書に示すように、シート材の垂直方向
に山部と谷部とを交互に施してコルゲート条列を形成す
るとともにこれをジグザグ状に配列してコルゲート芯体
を形成し、このコルゲート芯体の両面に平板ライナーを
接着した複合コルゲート体が提案されている。
上記のような複合コルゲート体におけるコルゲート芯体
を製造するには、成形されるコルゲート条列に対応した
凹凸面を有する一対のローラ間に被加工シートを供給し
てプレス形成するローラフオーミング法が最も高速かつ
経済的にして実用的な方法とされている。
しかしながら、上記米国特許に示されたようなコルゲー
ト芯体を紙や金属などように殆ど延伸性を有しない被加
工シートからローラフオーミング法で形成する場合、こ
の被加工シートはジグザグ状の角付屈曲部付近がフオー
ミングローラの歯型頂部の角付突起部により面外から加
圧せしめられつつ所定の角付形状に形成されることにな
り、その屈曲部付近における引張応力の集中が他の部位
のそれよりも著しくかつ急激であるため、シート材の面
内歪み変形を引き起こし、ついには歪限界を越えてシー
ト材の破断に至ることが多い。
また、ローラフオーミング法でこのジグザグ状コルゲー
ト体を加工する場合、被加工シートはコルゲート条列の
軸直交方向に多量かつ急激な段繰りを不可欠とするが、
フオーミングローラのジグザグ状歯型頂部の屈曲部を角
付突起とするため、上記シートが上記歯型上における円
滑なる摺動を妨げられ、所定の段繰りが行なわれずして
コルゲート体の条列に平行線状となるような引裂破損を
各斜壁面上に引き起こすことを常としていた。
また、このローラフオーミング法でジグザグ状コルゲー
ト条列を形成する場合、この被加工シートはコルゲート
条列の軸直交方向だけでなくその軸方向(長手方向)に
も段繰りを不可欠とされ、特にその段繰りに際して段繰
量の微調整のために歯型頂部の噛み合い時にシートの軸
方向への微小なる移動が円滑に行なわなければならない
が、ジグザグ状コルゲート加工用ローラの歯型の角付屈
曲突起部により、その円滑な移動が妨げられ上記段繰り
が充分に行なわれ得ない。その結果、コルゲート条列の
軸直交方向にシートの引き裂き破損と余剰皺が発生せし
められる。
上記何れのトラブルも高速のローラフオーミング時にお
いては不可避的に発生し、このようなジグザグ状コルゲ
ート条列を有する複合コルゲート体の実用化は不可能と
されていた。
このような米国特許の問題点を解決するものとして特公
昭54−23035号に係る複合コルゲート体が提案されてい
る。
この公知の複合コルゲート体では垂直方向に台形状の波
頭及び波底を交互に施してコルゲート条列を形成し、更
にこのコルゲート条列を平面波形に蛇行させてコルゲー
ト芯体を形成し、このコルゲート芯体の両面に平板ライ
ナーを接着したものが開示されている。
《発明が解決しようとする問題点》 しかしながら、この特公昭54−23035号に係る複合コル
ゲート体ではそのコルゲート芯体を比較的肉厚で圧延或
いは延伸可能なシート材から形成する必要があり、形成
されたコルゲート芯体の斜壁面は水平な頂・底部に比べ
てその母線方向に20〜30%引き伸ばされて著しい偏肉と
され、位相幾何学的に展開不能な構造となっている。
このため、紙等のように殆ど伸縮性を有しないシート材
を用いた場合には斜壁面において破断してしまうし、ま
た圧延可能なシート材を用いた場合においても斜壁面に
おいて破断しやすく、この部分において強度低下が著し
いものとなってしまう。
更に大きな問題点は、この複合コルゲート体のコルゲー
ト条列を平面的に見た場合に、隣接するコルゲート条列
の波形に蛇行した頂部(稜線部)が相互にその間隔を大
としており、またその頂部の蛇行形の振幅が上記間隔に
比して極めて小であり、隣接する条列の蛇行形が相互に
組込まれて重合する度合いを著しく微小としている。こ
のためこのコルゲート条列に接着された平板ライナーは
このコルゲート条列間において折れ曲がりやすく、特に
条列の軸直交方向の面外曲げ強度は極めて小さいものと
なっていた。
本発明は上記のような問題点に鑑みてなされたもので、
その第1の目的は特に面外圧縮強度,面外曲げ強度及び
面内圧縮強度の全てにおいて従来より格段に優れた強度
を有する複合コルゲート体を提供するにある。
また、本発明の第2の目的は紙等のように殆ど延伸性を
有しないシート材からローラフオーミング法を用いて平
面的に蛇行したコルゲート条列を有するコルゲート芯体
を形成するとともに、このコルゲート芯体を用いて上記
複合コルゲート体を製造する方法を提供するにある。
また、本発明の第3の目的は上記複合コルゲート体を製
造する方法を実施するための好適な装置を提供するにあ
る。
《問題点を解決するための手段》 上記第1の目的を達成するため、本発明に係る複合コル
ゲート体では、シート材に垂直方向の山部と谷部とを交
互に施してコルゲート条列を形成するとともにコルゲー
ト条列を平面波形に蛇行させてコルゲート条列の各々の
断面波の振幅率H/L(L:波長,H:振幅)を0.2以上とし、
平面形状におけるコルゲート条列間の蛇行重合率D/L
(D:平面蛇行波の振幅)を0.5以上とし、更に平面形状
におけるコルゲート条列の各々の蛇行率N/L(N:平面蛇
行波の波長)を0.2以上としてコルゲート芯体を形成
し、コルゲート芯体の少なくとも片面に平板ライナーを
接着してなるのである。
また、上記第2の目的を達成するため、本発明に係る複
合コルゲート体の製法では、、被加工シート材を移送す
る間に移送方向と直交する方向に山部と谷部を交互に形
成して予めコルゲート加工を施し、次いでこのシートを
周面上の円周方向に山部と谷部を交互に有するとともに
これらの山・谷部を軸方向に波形に蛇行させてなる一対
のフオーミングローラ間に通過させて平面波形に蛇行し
たコルゲート条列を形成し、これらのコルゲート条列の
少なくとも上下何れか一方の面に平板ライナーを接着し
てなるのである。
更にまた、上記第3の目的を達成するため、本発明に係
る複合コルゲート体の製造装置では、被加工シート材の
搬送路を横切るように一対の波付用フオーミングローラ
を設け、フオーミングローラの各々にはその周面の一方
向に沿って山部と谷部を交互に形成するとともに該一方
向と交叉する方向に沿って山部と谷部を波形に蛇行させ
て形成し、搬送路における一対のフオーミングローラの
手前にはシート材の横方向に沿って予め山部と谷部を交
互に形成するための波付ガイド手段を設け、フオーミン
グローラを通過することによって形成されたコルゲート
芯体の上下何れか一方の面に平板ライナーを接着する手
段を設けてなるのである。
《実施例》 以下に本発明の好適な実施例について添附図面を参照に
して説明する。
第1図は本発明に係る片面強化複合コルゲート体10を示
し、これはコルゲート芯体11と平板ライナー12とから構
成されている。このコルゲート芯体11は垂直方向に山部
Mと谷部Vとを施したものをX方向に交互に施して形成
したコルゲート条列13を平面的にy方向に波形に蛇行さ
せ、これらコルゲート条列相互を平行としている。そし
て、平板ライナー12はこのコルゲート条列13の山部Mに
おいてコルゲート条列13と一体的に接着されている。
このコルゲート芯体11のコルゲート条列13の形状は、第
1図における振幅率H/L,蛇行重合率D/L及び蛇行率D/Nに
よって規定される。ここで振幅率H/Lとはコルゲート条
列13を第1図におけるX方向の垂直面で切断した断面波
の振幅Hと波長Lとの関係を示し、第2図(a)〜
(f)にはHを一定にしてLを種々変えた場合の振幅率
を示している。この図から明らかなように、振幅率が大
きくなるにつれて断面波は、その底面との間になす角θ
が徐々に大きくなって立上がり、その結果断面波の頂点
から垂直下方に加えられる面外圧縮力に対する強度は角
度θに比例して増大すると言うことができる。そして、
H/Lが余りにも小さい時には面外圧縮強度が小さいだけ
でなく、当然のことながら隣接するコルゲート条列間の
間隔が大きくなり、所定面積のコルゲート芯体に含まれ
るコルゲート条列の数も少なくなる。従って、実用範囲
としてはH/L≧0.2とすることである。
蛇行重合率D/Lは第1図及び第3図に示されているよう
に、コルゲート条列を平面的に見た場合における各コル
ゲート条の振幅Dと上記断面波の波長Lとの関係を示し
ている。
ここで、コルゲート条の平面波の振幅D及び波長Nを一
定にして断面波の波長Lを順次変えた場合の隣接するコ
ルゲート条列13a,13bと平板ライナー12の接合状態につ
いて、第3図(A)〜(E)を参照にして説明する。こ
れらの図(A)〜(Eはコルゲート条列を平面的に示
し、X方向に隣接するコルゲート条列13a,13bの頂部M1,
M2が実線で蛇行状に示され、この間に両条列の谷底部V
が点線で示され、S2は谷底部Vの上側接線、S3は谷底部
Vの中央横断線、Bは片面強化複合コルゲート体10の底
面を示している。
第3図(A)におけるるD/L=0.4のとき、S1線に沿った
断面位置では、第3図(A1)に示すようにコルゲート条
13aは頂部のみがコルゲート条の波長Nと等間隔で平板
ライナー12に接合しており、その全体は複合コルゲート
体の底面Bから浮き上がった状態となっている。一方、
S2線に沿った断面位置では第3図(A2)に示すように、
コルゲート条13aは谷底部Vが波長Nと等間隔で複合コ
ルゲート体の底面Bと同レベルにあるが、その全体は平
板ライナー12から分離している。また、S3に沿った断面
位置では、第3図(A3)に示すように両コルゲート条13
a,13bの中央部は波長Nの1/2の間隔で複合コルゲート体
の底面Bと同レベルにあるが、その全体は上記S2線に沿
った断面位置の場合と同様に平板ライナー12から大きく
分離している。
このようにD/L=0.4のときにはX方向と直交する任意の
位置においてy方向に切断すると、その切断位置におけ
るコルゲート条は複合コルゲート体の底面Bから浮上し
ているか或いは平板ライナー12から分離している。この
ような状態はD/L<0.5の場合に常時発生する。
即ち、D/L<0.5の片面強化複合コルゲート体の断面
(A1),(A2),(A3)をトラス構造として見た場合、
トラスのウエッブに相当する部分が複合コルゲート体の
肉厚全体(T)に延長する個所がないため、X方向に直
交する垂直面方向の曲げ強度が低い第1のトラス構造と
なっている。
次に、D/L=0.5のときは、第3図(B)に示すよう、S1
線とS2線とは重複し、この線S1,S2に沿った断面位置で
は、第3図(B1)に示すように、コルゲート条13aは波
長Nと等間隔で平板ライナー12に接合するとともに複合
コルゲート体10の底面と同レベルになっている。このよ
うに、D/L=0.5の場合には、D/L=0.4の場合、その他D/
L<0.5の場合と比較し、S1,S2線に沿った断面部をトラ
ス構造として見た場合、トラスのウエッブが複合コルゲ
ート体の肉厚全体に延長しているため、D/L<0.5の場合
と構造自体が質的に異なった第2のトラス構造に移行し
たことになり、全体としてy方向の面外曲げ強度が顕著
に増大するると言うことができる。すなわち、第2のト
ラス構造では、トラスのウエッブの傾斜角が急になりか
つウエッブ材(傾斜するコルゲート体の線分)とフラン
ジ材(水平な平板ライナー)で構成する三角トラス単位
の数が急に多くなっている。
そして、上記第2のトラス構造の質を変えず更に強化し
たものとして、D/Lが0.5を越えて例えばD/L=0.8となる
ように形成したものがあり、第3図(C1)及び(C2)か
ら明らかなように、S1線とS2線との間では断面y方向の
単位長さについて見ると、コルゲート条13aが平板ライ
ナー12に接合する個所及び複合コルゲート体の底面と同
レベルになる個所が増え、トラスの構成密度が更に高ま
り、このS1線とS2線の間、同じくS′線とS′線の
間における面外曲げ強度が増大する。しかし、S1線〜
S′線の間の区間(これらの線上を含まない)では、
S3線に沿った断面位置を示す第3図(C3)から明らかな
ように、これらの断面位置におけるコルゲート条13a,13
bは全て平板ライナー12から分離している。
そして更に、D/L=1.0となると、第3図(D)に示すよ
うに、S1線とS3線とは重複し、この線に沿った断面位置
ではコルゲート条13a,13bは波長Nの1/2の間隔で平板ラ
イナー12に接合するとともに複合コルゲート体の底面レ
ベルBまで波形となって延長している。従って、D/L=
1.0の状態では、第3図(C)においてS1線〜S′
で示したような区間は消失し、X方向に直交する任意の
断面位置において、コルゲート条13a,13bは波長Nより
充分に小さい間隔で平板ライナー12に接合するとともに
複合コルゲート体の底面レベルにまで延長していること
になり、これをトラス構造として見た場合、X方向と直
交する任意の位置において、トラスが複合コルゲート体
の肉厚全体に延長するため、0.5≦D/L<1.0の場合と比
較して構造が更に質的変化を遂げた第3のトラス構造に
移行し、面外最大曲げ強度は0.5≦D/L<1.0の場合と比
較して、一段と増大することになる。即ち、単位三角ト
ラスのウエッブ傾斜角が第2のトラス構造と比較して更
に急となり、しかも平板ライナー12との接合個所または
複合コルゲート体の底面レベルBに到達する個所が増
え、またウエッブ材とフランジ材とからなる三角トラス
単位の数が一段と多くなる。
また更に、上記第3のトラス構造の質を変えず更に強化
したものとして、D/Lが1.0を越えて例えば1.2になるよ
うに形成したものがあり、この場合には第3図(E1),
(E2)に示すように、X方向に直交する任意の断面位置
において、平板ライナー12と複合コルゲート体との間に
延長する波形の波頭がD/L=1.0の場合と比較して鋭角化
し、すなわち単位三角トラスのウエッブ傾斜角が更に急
となり、しかも平板ライナー12との接合個所または複合
コルゲート体の底面レベルBに到達する個所が増え、面
外最大曲げ強度が更に増大する。この傾向はD/Lが大き
くなればそれに比例的に増大すると考えられる。
以上の蛇行重合率D/Lと面外最大曲げ応力指数Mとの関
係を振幅率(H/N=0.1,0.2,0.3,0.4,0.5,0.6)をパラメ
ータ定数にしてグラフに示すと第4図の如くなる。即
ち、D/L<0.5の場合には、各コルゲート条は第1図の任
意の位置におけるy方向断面において平板ライナー12か
ら分離しているか或いは複合コルゲート体の底面(B)
から浮上しているため面外曲げ強度は比較的小さい第1
のトラス構造が、D/Lが0.5に近づくにつれて徐々に大き
くなっていく。D/L=0.5になると、コルゲート条のy方
向断面のうちに平板ライナーに接合するとともに複合コ
ルゲート体の底面と同レベルになる部分が生じ、D/L<
0.5の場合と比べて質的に異とする第2のトラス構造に
突然移行し、これによって面外曲げ強度の上昇率はその
以前と比べて一段と大きくなる。D/Lが0.5を越えて大き
くなるにつれて上記のように平板ライナーに接合すると
ともに、複合コルゲート体の底面と同レベルになるy方
向断面のX方向区分(第3図(C)におけるS1〜S2間及
びS′〜S′間)の構造的に有利な三角トラス単位
の数が徐々に増大するため、D/Lが0.5を越えるとD/L<
0.5の場合に比べてより大きな上昇率とした急な勾配と
なり最大曲げ応力指数が増大する。そして、D/Lが1.0に
なると、y方向断面の任意の位置において、コルゲート
条は平板ライナーに接合するとともに複合コルゲート体
の底面レベルまで延長するようになるため、ここにおい
て0.5≦D/L<1.0の場合と比べて第3トラス構造に再び
突然移行し、、面外曲げ強度は一段と大きくなる。そし
て、D/Lが1.0を越えて大きくなるにつれて、上記コルゲ
ート条が平板ライナーに接合する個所及び複合コルゲー
ト体の底面まで延長する個所が増えるため、D/L<0.5の
場合に比べてより大きな上昇率とした更に急な勾配とな
り最大曲げ応力指数が増大することになる。
上記第4図のグラフから明らかなように、大きなな面外
曲げ強力を得るるために好ましい範囲はD/L≧0.5で、最
も好適な範囲としてはD/L≧1.0とすることである。そし
て、前述したように、振幅率H/Lは0.2以上が好適な範囲
であるため、両者を満足する本発明の好適な範囲はD/L
≧0.5,H/L>0.2の斜線で示した範囲内と言うことができ
る。
次に、本発明に係るコルゲート芯体11を構成するコルゲ
ート条列13の形状を規定する第3の要素である蛇行率D/
Nについて見ると、この蛇行率は各コルゲート条を平面
的に見た場合の振幅Dと波長Nとの関係を示すもので、
第5図から明らかなように、Nが一定の場合D/Nが大き
くなるにつれてコルゲート条は深く(大きく)蛇行する
ようになる。
ここで、コルゲート条(A)〜(D)の各々について蛇
行波の最大傾斜位置におけるy方向の水平線とのなす角
αについて見ると、D/Nが大きくなるにつれてαが大き
くなり、この蛇行部分においてはX方向の成分が徐々に
大きくなっている。このことはX方向に直交する方向の
曲げ応力に対応し、D/Nが大きい程大きな強度を有する
ことを意味し、実用上ははD/N>0.2であればD/L≧0.5の
範囲において大きな最大曲げ強度を得ることができる。
この関係を第6図のグラフを示すと、斜線で示された曲
線部分が本発明のコルゲート芯体11の好適な蛇行率D/N
と蛇行重合率D/Lの範囲内と言うことができる。
以上の理由から、本発明において使用するコルゲート芯
体は、好ましくは振幅率H/L>0.2,蛇行重合率D/L≧0.5,
蛇行率D/L<0.2とすることで、より好ましくはH/L>0.
2,D/L≧1.0,D/N>0.2とすることである。
上記のようにして得られた本発明に係る片面強化複合コ
ルゲート体を従来公知の特公昭54−23035号に係る波形
に蛇行させたコルゲート条列を有する複合コルゲート体
と比較した場合、この図示された公知の複合コルゲート
体では蛇行重合率は0.5より極めて小さく、従って面外
曲げ強度も本発明の場合と比較した場合には著しく小さ
なものとなる。更に、従来の複合コルゲート体ではコル
ゲート条列を形成する場合に、その一部を延伸して偏肉
部を形成するため、被加工シートが延伸可能な素材に限
定されるだけでなく、その肉薄部において面外圧縮強度
が著しく低下することになるのに対し、本発明の複合コ
ルゲート体では紙等のように実質的に延伸しないシート
材を2方向に波付け加工することによって形成すること
ができるから被加工シート材の素材に限定はなく、かつ
成形されたシート材には実質的に偏肉部がないから面外
圧縮強度も極めて大きなものとなる。
次に、本発明に係る片面強化複合コルゲート体をジグザ
グ状に蛇行させたコルゲート条列を有する片面強化複合
コルゲート体と比較すると、主として以下のような種々
の相違点が見られる。
(1)面外圧縮力に対する斜壁面の圧縮強度について: 第7図(A)及び(B)は、それぞれ本発明のように波
形に蛇行されたコルゲート条20とジグザグ状に蛇行され
たコルゲート条30の一部分を示している。また、コルゲ
ート条列の谷部に平板ライナー12が接合されコルゲート
条列の軸直交方向に三角トラス単位が形成されている。
両コルゲート条20,30は共に単位長さNoの間において2
カ所で大きく折れ曲がり、3つの連続した屈曲部N1,N2,
N3を形成し、巨視的に見れば両者は同様な屏風折れとな
っている。このため、コルゲート条20,30の頂部21,31及
び底部22,32に加えられる鉛直方向の圧縮力Pにより、
コルゲート条を画成する斜壁面23a−23b,33a−33bに加
わる面外座屈変形が上記屏風折れによって防止されるこ
とになり、巨視的には波形に蛇行されたコルゲート条20
とジグザグ状に蛇行されたコルゲート条30とは共に一定
レベル以上の大きな面外圧縮強強度を持つと言うことが
できる。
しかし微視的に見ると単位長さNoの間において、ジグザ
グ状に蛇行したコルゲート条30では斜壁面33a−33bが対
となる平坦な板状に形成されるため、頂部31及び底部32
に加えられるる鉛直方向の圧縮力により安易に面外座屈
変形が発生せしめられて充分な圧縮強度を得ることがで
きない。これに対し、波形に蛇行したコルゲート条20の
場合には、単位長さNoの間においても斜壁面23a−23bが
軸方向に対して湾曲しているため屏風折れとなってお
り、上記鉛直方向の圧縮力に対しても面外座屈変形の発
生を防ぎ、極めて高い面外圧縮強度を持つことができ
る。
即ち、ジグザグ状に蛇行したコルゲート条の場合は巨視
的にのみ面外圧縮強度が改善されるのに対し、波形に蛇
行したコルゲート条の場合には巨視的にも微視的にも面
外圧縮強度が改善されることになる。
(2)コルゲート条列と平板ライナーとの接合強度につ
いて: 第8図は同一の周期L,振幅Hを持ち、波形に蛇行したコ
ルゲート条列とジグザグ状に蛇行したコルゲート条列の
頂部21,31の稜線の軌跡を同一図面中に重ね合せて平面
的に示している。
この図から明らかなように、波形に蛇行したコルゲート
条列の頂部21の稜線の軌跡は、ジグザグ状に蛇行したコ
ルゲート条列の頂部31の稜線の軌跡を弦とした円弧状に
形成され前者の方が後者よりも顕著に長くなる。片面強
化複合コルゲート体の平板ライナーは上記頂部の稜線に
沿ってコルゲート条と接着されるわけであるから、単位
面積(L×H)で比較した場合、波形に蛇行したコルゲ
ート条列の方がジグザグ状に蛇行したコルゲート条列よ
りも平板ライナーとの接合長さは著しく大きくなる。こ
のため、前者の波形に蛇行したコルゲート条列からなる
芯体と平板ライナーとの接合強度は、後者のジグザグ状
に蛇行したコルゲート条列からなる芯体と平板ライナー
との接合強度よりもはるかに大きくなる。その結果、前
者の複合コルゲート体の方が後者のそれよりも面外圧縮
強度,面外曲げ強度の何れも優れていると言うことでき
る。
(3)コルゲート条列の頂・底部付近の剛性について: 波形に蛇行したコルゲート条20では、第7図(A)に示
すようにその各斜壁面23a−23bが頂部21の稜線方向に連
続的に湾曲せしめられた線織面として形成され、これに
対し第7図(B)に示すようにジグザグ状に蛇行したコ
ルゲート条30では、各屈曲部N1,N2,N3における各斜壁面
33a−33bが頂部31の稜線方向に平坦状とされる線織面と
して形成されている。このため、前者のコルゲート条で
は平面的に見て各部の曲率の異なる両斜壁面23a−23bが
会合する頂部は鋭角的に先鋭化しようとするため、コル
ゲート条の長さ全体に亘って何れの頂部付近においても
断面形状を維持しようとする剛性が高くなる。一方、後
者のコルゲート条では各ジグザグ状折曲部においては頂
部がその断面形状を維持しようとする剛性は高いが、折
曲部から離れるに従ってその剛性は低下し、全体として
見ると頂部が断面形状を維持しようとする剛性は前者に
比べて大きく低下する。このため、後者のコルゲート条
列を用いた複合コルゲート体では頂・底部における面外
圧縮力に対する最大応力が前者に比べて著しく小さいも
のとなる。また、母線方向の斜壁面全体の外力による座
屈変形は上記項・底部の応力変形が引金になりやすいた
め、剛性の高い頂・底部は斜壁面の剛性を高めるのに極
めて有効に働く。
また、上記のように各コルゲート条の頂部付近の剛性が
高いと言うことは、コルゲート条列に平板ライナーを加
熱加圧することによって貼合する場合、加圧力を増大さ
せて加熱時間を短縮して生産性を上げることもできる。
(4)面内圧縮外力に対する圧縮強度の点について: 第9図(A)に示すように、ジグザグ状に蛇行させたコ
ルゲート条30に軸方向の面内圧縮外力P−Pを加えた場
合、斜壁面33a内の稜線と平行な任意の点i,j,k(尚、各
i,各j,各kは屈曲中心線に対して対称の位置にある)に
おいて相互に等しいPの分力P′i,P′j,P′Kが加わる
と考えることができ、そしてこの場合にはそれぞれの分
力の稜線に直交する方向の成分P′iy,P′jy,P′kyもま
た実質的に等しくなる(P′iy=P′jy=P′ky)。そ
の結果、成分P′iy,P′jy,P′ky……が全てジグザグ状
に蛇行させたコルゲート条の屈曲部中心線mの付近部位
を局部的に折曲変形せしめるように集中作用することに
なり、この屈曲部において局部変形,局部破壊を容易に
発生せしめ、そのため面内圧縮外力に対する圧縮強度は
極めて低いものとなっている。
更に上記事実に加え、ジグザグ状に蛇行されたコルゲー
ト条の斜壁面では各屈曲部中心線mに沿い折曲線34が形
成されているため、この折曲線34が面内圧縮力に対して
折曲げを誘導するように作用し、面内圧縮強度は極めて
低いものとなっている。
これに対し、第9図(B)に示すように、波形に蛇行さ
せたコルゲート条20に前記と同様な面内圧縮外力Pを加
え、上記と同様な点i,j,kにおけるPの分力Pi,,Pj,Pkを
考えると、稜線に直交する方向の成分Piy,Pjy,Pkyは湾
曲部中心線mに接近するに従い漸次低減し、湾曲部にお
いて零となる。その結果、面内圧縮外力Pが波形に蛇行
したコルゲート条を屈曲部中心線mにおいて局部的に折
曲変形せしめるように集中作用することがなく、稜線方
向の斜壁面各部位に分散分布するため、また斜壁面が前
記折曲線34を何ら形成されず滑らかな連続曲面として形
成されるため、この面内圧縮外力に対する圧縮強度を大
きくすることができる。
次に、本発明に係る複合コルゲート体を製造す方法並び
に装置について第10図〜第14図を参照にして説明する。
本発明の方法では、被加工シート材を移送する間に移送
方向と直交する方向に山部と谷部を交互に形成して予め
コルゲート加工を施す工程と、次いでこのシートを周面
上の円周方向に山部と谷部を交互に有するとともにこれ
らの山・谷部を軸方向に波形に蛇行させてなる一対のフ
オーミングローラ間に通過させて平面波形に蛇行したコ
ルゲート条列を形成する工程と、これらのコルゲート条
列の少なくとも上下何れか一方の面に平板ライナー接着
する工程とからなっている。
先づ、説明の便宜上、フオーミングローラについて第10
図(A)〜(C)を参照にして説明する。これらの図で
はフオーミングローラの端縁部が拡大して示され、第10
図(A)にはフオーミングローラ40の一例が示されてい
る。このフオーミングローラ40では周面上に円周方向に
沿って交互に山部と谷部を波形に形成するとともに、こ
れらの山・谷部を軸方向に沿って波形に蛇行させて多数
のコルゲート条列状歯型41を形成している。そしてこの
山部の頂部と谷部の底部は先鋭化させるか或いは僅かに
湾曲状ないしは面取状とさせている。この第10図(A)
に示されたフオーミングローラ40は同形状のものが一対
形成され、これらの一対のフオーミングローラ40−40は
上下に配置されて上下の山・谷部が噛み合うように配設
される。
第10図(B)に示した他の例に係るフオーミングローラ
42では周面上の軸方向に沿って山部と谷部を波形に形成
するとともに、この山・谷部を円周方向に沿って波形に
蛇行させて多数のコルゲート条列状歯型43を形成してい
る。そして、この場合も前記同様に山部の頂部と谷部の
底部は先鋭化させるか僅かに湾曲させている。このフオ
ーミングローラ42の場合も上下一対形成されて、上下の
山・谷部が噛み合うように配設されることは上記の場合
と同様である。
第10図(C)に示した更に他の例に係るフオーミングロ
ーラ44では周面上に円周方向に沿って交互に山部と谷部
とが形成され、これの山部と谷部とからなるコルゲート
条列状歯型45がローラ44の軸方向に沿って波形に蛇行せ
られると同時にローラ44の軸中心としてローラの右半分
と左半分とで反対方向に捩じられ、ローラの中央でそれ
ぞの山部と谷部とが合致するように形成されている。そ
の他の構造は上記の場合と同じである。
本発明では上記の第10図(A)〜(C)に形成されたプ
レスローラ間に紙,金属,合成樹脂等からなるシート材
50が送り込まれる手前に、シート材50の横方向に予め波
付加工を施す波付ガイド手段60設けられる。
第11図に示した実施例では、第10図(A)で示したフオ
ーミングローラ40−40の手前に予めコルゲートを施す手
段として略プレート状のガイドブロック61が設けられ、
このガイドブロック61にはシート材50の搬送方向に沿っ
て貫通路62が設けられ、この貫通路62は第12図(A)〜
(C)に示すようにシート材50の入口側では水平である
が、内方に向けて徐々に波形に形成され、第12図(C)
に示す出口側では比較的振幅の大きな波形となってい
る。このガイドブロック61の出口端は上下一対のフオー
ミングローラ40−40の挟圧部に近接しており、このガイ
ドブロック61から搬出されたシート材50はフオーミング
ローラ40−40によって前述のように波付加工を施され、
コルゲート芯体51として形成される。このフオーミング
ローラ40−40の直後には連続した平板ライナー52の供給
ガイドローラ53が設けられ、片面に接着剤を塗布せられ
た平板ライナー52がこの供給ガイドローラ53を通過する
と、その接着剤によって平板ライナー52がコルゲート芯
体51の上面に接着一体化され、連続した複合コルゲート
体54が製造され、これを所望の寸法に載断して第1図に
示したような片面強化複合コルゲート体10を得る。
フオーミングローラ40の手前に設けられる予めコルゲー
トを施す手段としては、上記のガイドブロック61以外
に、一対のまたは第13図に示したように複数対の波付ロ
ーラ63a〜63cを設けても良い。この各波付ローラは、そ
の周面上に軸方向に沿って波状凹凸64が形成されるとと
もに、各凹凸64は円周方向に沿って環状に形成され、各
対をなす上下の波付ローラの凹凸は相互に噛合されてい
る。そして、フオーミングローラ40から最も離れた波付
ローラ対63aの波状凹凸64の深さは少なく、フオーミン
グローラ40に近ずくにつれて、波付ローラ対63b,63cに
形成される波状凹凸64の深さが大きくなっている。ま
た、好ましくは上記対ローラ間63a〜63cのローラギャッ
プを、フオーミングローラ40に近ずくにつれて順次小と
することである。従って、これらの波付ローラ63a〜63c
を通過する間にシート材50は、その横方向に波状となる
凹凸が徐々に深く形成された後にフオーミングローラ40
−40間に供給されることになる。そして、このシート材
50がフオーミングローラ40−40間に供給される直前にお
いて、シート材50に形成される波状凹凸の深さとその横
方向の段繰り量は、フオーミングローラ40−40によって
波形に蛇行したコルゲート条列がシート材50に形成され
る際にシート材が横方向にそれ以上の段繰りを要しない
程度とすることである。
尚、上記第11図及び第13図ではフオーミングローラ40と
して第10図(A)で示したものを用いたが、このフオー
ミングローラ40の代りに第10図(B)及び第10図(C)
で示したフオーミングローラ42を用いることもできる。
上記のように本発明では被加工シート材50をフオーミン
グローラ40(42,44)に供給する以前に予め波付加工を
施され、フオーミングローラ40によって形成される平面
波形に蛇行するコルゲート条列はその頂底部が第14図
(A)に示すように先鋭化して稜線状に形成され、或い
は第14図(B)に示すように頂・底部が僅かに湾曲して
狭幅帯状に形成される。そして、蛇行する各コルゲート
条の斜壁面には殆ど面内引張応力が作用せしめられるこ
とがなく形成される。その結果、斜壁面において構造的
に欠陥となる材質偏肉や材質疲労が何ら発生することな
く、当初のシート材と同等の材質強度を維持することが
できるため、従来の頂・底部が広幅な断面台形状とな
り、各部位において偏肉が生じるコルゲート条と比較し
て、大幅に高い剛性を有し、位相幾何学的にも展開可能
となっている。
また、第14図(B)に示すように、狭幅帯状Wがコルゲ
ート状の断面波の波長Lに対してW<0.08Lの関係を維
持するように頂・底部を僅かに湾曲或いは面取りした断
面形状に加工形成した帯状稜線部の場合には、そのロー
ラフオーミング過程において各コルゲート後の斜壁面に
面内引張応力が発生するが極く僅かであるので、該傾斜
面母線方向に0.8%以内の伸び変形が生ずるに留まり、
殆ど延伸性を有しない紙の場合でもこれを破損すること
なくローラ・フオーミングによってコルゲート条列を形
成することができ、材質偏肉や材質疲労の発生を充分に
抑制して大きな剛性を有するコルゲート条列を形成する
ことができる。
更に、コルゲート条列を従来のようにジグザグ状に蛇行
させて形成する場合には非延伸性シート材では屈曲部に
おいて山中心軸方向に破断することになるが、本発明の
場合には、フオーミングローラに至る前にシート材に予
め波付加工が施されていることに加え、フオーミングロ
ーラの周面に形成された山部の稜線または稜線部は波形
となって実質上滑らかに蛇行しているため、被加工シー
ト材が一方のフオーミングローラの山部と他方のフオー
ミングローラの山部とで加圧される時、シートに局部的
引張応力が集中することなく、稜線または稜線部に沿い
応力は比較的長い線分に分散され、、その結果、シート
材の面内歪変形が極く僅かとなり、紙等のシート材でさ
えも歪限界を越えて破断することなく、完全なローラフ
オーミングが行なわれる。
また、ローラフオーミング過程にある被加工用シートは
コルゲート条列軸直交方向に30〜50%程の激しい段繰り
がされるが、本発明のフオーミングローラの歯型頂部の
屈曲部が湾曲状となりジグザグ状の突起を持たないた
め、上記段繰りに必要なシートがローラの歯型上を円滑
に摺動することを何ら妨げることがない。
また、ローラフオーミング過程にある被加工用シートは
コルゲート条列の軸方向に沿って約5〜10%程の段繰り
がなされる必要があるが、本発明ではフオーミングロー
ラの歯型頂部が軸方向に滑らかに波状に蛇行しているた
め、段繰量の微調整のためにシート材の軸方向への微小
な移動が円滑に行なわれる。その結果、コルゲート条列
直交方向の引張破損,余剰皺の発生を完全に防止するこ
とができる。そして、コルゲート条列の振幅率H/L,蛇行
重合率D/L,蛇行率N/Lの値を大とし、段繰り量がい場合
でもその成形加工に何ら支障がないものとなる。
尚、本発明の上記実施例ではコルゲート芯体の片面に平
板ライナーを接着した片面強化複合コルゲート体の場合
について述べたが、これは平板ライナーとコルゲート芯
体とによってトラス構造を形成することによって各種の
優れた強度を得るることができるようになったのであっ
て、上記実施例以外にもコルゲート芯体の両面に平板ラ
イナーを接着した両面強化複合コルゲート体の場合には
トラス構造がより強固なものとなるため、面外圧縮強
度,面外曲げ強度及び面内圧縮強度は片面強化複合コル
ゲート体の場合に比べて一段と増大することは明らかで
ある。
また、上記発明に係るコルゲート芯体及び平板ライナー
は紙によって形成されるだけでなく、金属シートなどの
可塑性素材、合成成樹脂シート,フイルム等の熱可塑性
素材、合成樹脂繊維,セラミック繊維、炭素繊維等によ
る織布または不織布、または上記各素材の適宜組合せた
ものによって形成される。
更にまた、本発明ではシート材に山部と谷部とを交互に
施して形成したコルゲート条列を平面波形に蛇行させて
いるが、この「平面波形に蛇行」とは連続曲線状蛇行に
限らず、実質上連続とされる不連続曲線状とされてよ
く、或いは屈曲部(平面蛇行波の頂・底部)は曲線状に
形成される一方、その中間部に直線状部分を含むように
しても良いし、或いは台形状に連続形成された蛇行形と
しその角部をそれぞれ曲線状ないしは面取状に湾曲させ
たものでも良い。更にまた、上記各曲線状部分を適宜複
数の直線小線分の連結状部分に置き換えて得られるもの
も有効である。この場合、このようにして形成したコル
ゲート条列では、各コルゲート条の斜壁面は平板状部分
を含むことになるため、斜壁面が連続した曲面からなる
本発明の好適な実施例の場合に比べて面外圧縮強度及び
頂・底部の剛性は若干低下するが、従来のジグザグ状蛇
行の場合に比べれば、著しく優れ他の種々の強度を有す
ることには変わりない。
更にまた、本発明ではコルゲート条列の断面波の頂・底
部を稜線状または狭幅帯状に形成する例を述べたが、頂
・底部が全て稜線状または狭幅帯状に限定される必要は
なく、頂部を稜線状とし底部を狭幅帯状或いはその逆に
形成しても良い。更に、各コルゲート条列の断面波は、
その両斜壁面の母線方向の長さが相互に等しい二等辺三
角形状に限られず、これらの長さが異なった三角形状で
もよい。
《効果》 以上のように本発明に係る複合コルゲート体では各コル
ゲート条列の断面波の振幅率H/Lを0.2以上としたので、
面外圧縮強度を大きくすることができ、平面形状におけ
るコルゲート条列間の蛇行重合率D/Lを0.5以上とし、更
にコルゲート条列の各々の蛇行率N/Lを0.2以上としたの
で、面外曲げ強度を大きくすることができる。
また、上記の振幅率,蛇行重合率,蛇行率を有するコル
ゲート条列は更に波形に蛇行せられているので、特にジ
グザグ状に蛇行せられるものと比較して、格段に優れた
面外圧縮強度,平板ライナーとの接合強度,面内圧縮強
度を持つことができる。
従って、本発明の複合コルゲート体は包装資材,内装パ
ネル等として丈夫で安価なものを提供することができ
る。
更に、本発明の複合コルゲート体を製造する方法では、
被加工シートをフオーミングローラ間に通過させる前に
シート材に、その移送方向と直交する方向に山部と谷部
とを交互に形成して予めコルゲート加工を施すため、シ
ート材はローラフオーミング時に急激に幅方向に段繰り
されることがないため、紙等のように延伸性のないシー
ト材であってもこれを破損することなく高速でフオーミ
ングローラに通過させ、製造能率を向上させることがで
きる。
また、本発明に係る複合コルゲート体の製造装置では、
フオーミングローラの手前に被加工シート材の横方向に
沿って予め山部と谷部とを交互に形成するための波付ガ
イド手段を設けるとともに、各フオーミングローラの周
面には一方向に沿って山部と谷部を交互に形成するとと
もにこの一方向と交叉する方向に沿って上記山部と谷部
とを波形に蛇行させて形成しているので、フオーミング
ローラによってコルゲート条列を形成する際に、シート
材を折曲形成する応力がフオーミングローラの波形に蛇
行するる山部と谷部によって分散しかつ段繰り調整を可
能とし、その結果、シート材は延伸及び破損されること
なく高速でコルゲート条列の加工を施される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に用いる複合コルゲート体の平板ライナ
ーを一部破断して示す部分斜斜視図、第2図は(A)〜
(F)は複合コルゲート体を構成するコルゲート条の断
面形状で、その波長とその波高との関係を示す図、第3
図(A)〜(E)は複合コルゲート体を構成するコルゲ
ート条列の異なった蛇行重合率におけるコルゲート条列
間の位置関係を示す平面図で、第3図(A1),(A2)〜
第3図(E1),(E2)第3図(A3),(C3)はコルゲー
ト条と平板ライナーとの位置関係を示す断面図、第4図
は蛇行重合率と振幅率と面外最大曲げ強度指数との関係
を示すグラフ、第5図(A)〜(D)は複合コルゲート
体を構成するコルゲート条の異なった蛇行率を示す図、
第6図は蛇行重合率と振幅率と面外最大曲げ強度指数と
の関係を示すグラフ、第7図(A)及び(B)は、それ
ぞれ波形に蛇行させたコルゲート条とジグザグ状に蛇行
させたコルゲート条の一部を示す断面図、第8図は波形
に蛇行させたコルゲート条とジグザグ状に蛇行させたコ
ルゲート条のそれぞれの頂部の軌跡を重合して表わした
線図、第9図(A)及び(B)は、それぞれジグザグ状
に蛇行させたコルゲート条と波形に蛇行させたコルゲー
ト条に作用する面内圧縮力の説明図、第10図(A)〜
(C)は本発明に用いられるフオーミングローラの異な
る例を示す部分斜視図、第11図は本発明の装置の一実施
例を示す斜視図、第12図(A)〜(C)はそれぞれ第1
図におけるガイドブロックの(A)〜(C)に沿った断
面図、第13図は本発明の装置の他の実施例を示す斜視
図、第14図(A)及び(B)はそれぞ本発明によって形
成されるコルゲート条の断面図である。 10,54……複合コルゲート体 11,51……コルゲート芯体 12,52……平板ライナー 13……コルゲート条 40,42,44……フオーミングローラ 41,43,45……コルゲート条列 50……被加工シート材 60……波付ガイド手段 61……ガイドブロック 63a〜63c……波付ローラ

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シート材に垂直方向の山部と谷部とを交互
    に施してコルゲート条列を形成するとともに該コルゲー
    ト条列を平面波形に蛇行させて該コルゲート条列の各々
    の断面波の振幅率H/L(L:波長,H:振幅)を0.2以上と
    し、平面形状における該コルゲート条列間の蛇行重合率
    D/L(D:平面蛇行波の振幅)を0.5以上とし、更に平面形
    状における該コルゲート条列の各々の蛇行率N/L(N:平
    面蛇行波の波長)を0.2以上としてコルゲート芯体を形
    成し、該コルゲート芯体の少なくとも片面に平板ライナ
    ーを接着してなることを特徴とする複合コルゲート体。
  2. 【請求項2】前記蛇行重合率D/Lが1.0以上であることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載の複合コルゲート
    体。
  3. 【請求項3】前記各コルゲート条の頂部及び底部を稜線
    状に形成するとともに該コルゲート条の斜壁面を延伸ま
    たは圧延することなく形成し、該コルゲート条を位相幾
    何学的に展開可能としてなることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項または第2項記載の複合コルゲート体。
  4. 【請求項4】前記各コルゲート条の頂部及び底部を微小
    な帯状幅に形成し、該コルゲート条の斜壁面の母線方向
    の延伸量または圧延量が被加工シートの0.8%を越えな
    い微弱なる範囲とし、該帯状幅の部分を実質的に延伸ま
    たは圧延していないことを特徴とする特許請求の範囲第
    1項または第2項記載の複合コルゲート体。
  5. 【請求項5】被加工シート材を移送する間に移送方向と
    直交する方向に山部と谷部を交互に形成して予めコルゲ
    ート加工を施し、次いで該シートを周面上の円周方向に
    山部と谷部を交互に有するとともに該山・谷部を軸方向
    に波形に蛇行させてなる一対のフオーミングローラ間に
    通過させて平面波形に蛇行したコルゲート条列を形成
    し、該コルゲート条列の少なくとも上下何れか一方の面
    に平板ライナーを接着してなることを特徴とする複合コ
    ルゲート体の製法。
  6. 【請求項6】前記予めコルゲート加工を前記被加工シー
    トの移送方向の複数個所において浅い波付状態から深い
    波付状態へと順次行なうことを特徴とする特許請求の範
    囲第5項記載の複合コルゲート体。の製法。
  7. 【請求項7】被加工シート材の搬送路を横切るように一
    対の波付用フオーミングローラを設け、該フオーミング
    ローラの各々にはその周面の一方向に沿って山部と谷部
    を交互に形成するとともに該一方向と交叉する方向に沿
    って該山部と谷部を波形に蛇行させて形成し、該搬送路
    における該一対のフオーミングローラの手前には該シー
    ト材の横方向に沿って予め山部と谷部を交互に形成する
    ための波付ガイド手段を設け、該フオーミングローラを
    通過することによって形成されたコルゲート芯体の上下
    何れか一方の面に平板ライナーを接着する手段を設けて
    なることを特徴とする複合コルゲート体の製造装置。
  8. 【請求項8】前記波付ガイド手段が入口側から出口側に
    向けて波の断面形状が徐々に深くなる波形貫通路を有す
    るガイドブロックからなることを特徴とする特許請求の
    範囲第7項記載の複合コルゲート体の製造装置。
  9. 【請求項9】前記波付ガイド手段が前記被加工シートを
    上下から挾持する波付ローラからなることを特徴とする
    特許請求の範囲第7項記載の複合コルゲート体の製造装
    置。
  10. 【請求項10】前記フオーミングローラの各々の周面に
    は、円周方向に沿って交互に山部と谷部とが形成される
    とともに、軸方向に沿って該山部と谷部とが波形に蛇行
    されてなることを特徴とする特許請求の範囲第7項また
    は第8項または第9項記載の複合コルゲート体の製造装
    置。
  11. 【請求項11】前記フオーミングローラの各々の周面に
    は、軸方向に沿って交互に山部と谷部とが形成されると
    ともに周方向に沿って該山部と谷部が波形に蛇行されて
    なることを特徴とする特許請求の範囲第7項または第8
    項または第9項記載の複合コルゲート体の製造装置。
  12. 【請求項12】前記フオーミングローラの各々の周面に
    は、周方向に沿って交互に山部と谷部とが形成されると
    ともに、該山部と該谷部が該ローラの軸を中心として該
    ローラの右半分と左半分とで反対方向に捩られて形成さ
    れ、該ローラの左右方向中央部で反対方向に捩られた該
    山部と該谷部とがそれぞ会合してなることを特徴とする
    特許請求の範囲第7項または第8項または第9項記載の
    複合コルゲート体の製造装置。
  13. 【請求項13】前記波付ガイド手段が前記被加工シート
    の搬送方向に沿って複数個所に分離配設された複数対の
    波付ローラからなり、該複数対の波付ローラの波面形状
    が該被加工シートの搬送方向前方に移行するに従い深く
    形成されてなることを特徴とする特許請求の範囲第9項
    または第10項または第11項または第12項記載の複合コル
    ゲート体の製造装置。
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