JP3447073B2 - 蛇行状コルゲート体の製造方法及び製造装置 - Google Patents

蛇行状コルゲート体の製造方法及び製造装置

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JP3447073B2
JP3447073B2 JP32205192A JP32205192A JP3447073B2 JP 3447073 B2 JP3447073 B2 JP 3447073B2 JP 32205192 A JP32205192 A JP 32205192A JP 32205192 A JP32205192 A JP 32205192A JP 3447073 B2 JP3447073 B2 JP 3447073B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2方向波形とした蛇行
状コルゲート体のすべてのコルゲート条列断面波形にお
いてその振幅Hが実質上均一となる様に該コルゲート体
をしてロールフォーミングせしめる蛇行状コルゲート体
の製造方法に関するものであり、またそのロールフォー
ミングを可能とする蛇行状コルゲート体の製造装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のロールフォーミング方法ではあら
かじめシート幅方向に均一な幅寄せ率として供給方向に
直行状コルゲート体とされた幅寄せシート1をしてフォ
ーミング用対ロールに供給しロールフォーミング過程に
ある幅寄せシート1′が幅方向に均一な幅寄せ率iを終
始可及的に維持せしめられる様にして最終的に2方向波
形の蛇行状コルゲート体が成形加工されて得られること
を最良とする。製造方法が採用されさらにロール周面軸
方向に設けられた蛇行状歯型条列がその条列のすべての
部位において最大噛合い深さを均一とせしめられる様に
したフォーミングロールがその製造装置として採用され
て来た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、可及的
に幅方向均一な幅寄せ率iが維持される様にしてロール
軸方向均一な噛合い深さとして設けられる歯型条列のロ
ールフォーミングされながら最終的に得られた蛇行状コ
ルゲート体はそのコルゲート条列の各断面波形がその波
形振幅Hを大とされる部位と小とされる部位とから成
り、不均一な波形形状の発生を余儀なくされていた。
【0004】この様な問題発生原因をより詳しく述べる
とあらかじめ幅寄せされた被加工シートが対ロールに供
給され、その成形加工が開始される直前に発生する座屈
変形により、本来幅方向に均一に配合されたはずの幅寄
せ率に偏りがおきるが、該ロールのすべての歯型条列の
すべての部位における噛合い深さが均一であるため、ロ
ールフォーミング過程にある被加工シートは、その幅寄
せ率の相対的に小さい部位では成形困難による弾性限界
に近いシートの折曲加工がなされ、かたや幅寄せ率の相
対的に大きい部位では安易な成形による弾性限界に至ら
ぬシートの折曲加工がなされる。
【0005】その結果、均一な噛合い深さの歯型条列に
よって成形加工された蛇行状コルゲート体は均一なコル
ゲート条列の高さにありながら、ひとたび対ロールから
離脱した直後に残留応力の働きにより戻り変形が発生
し、弾性限界に近い成形応力に至った部位は戻り変形が
小さく、かたや弾性限界に遠い成形応力にとどまった部
位は戻り変形が大きくなり、最終的に不完全な形状の蛇
行状コルゲート体を得ることとなる。その様な各コルゲ
ート条列はその断面波形の振幅を大とした部位と小とし
た部位の差異を著しいものとされその差異が100分の
5mmを越える場合、該コルゲート体に2葉の平板シート
をサンドウィッチ状に貼合して得られる強化複合コルゲ
ート体は完全な一体化がなされにくく、各種構造強度の
著しい低下をきたし、また表面の平坦性に欠ける該複合
コルゲート体はその印刷適正に欠けると云う問題点が指
摘されていた。
【0006】さらに別な云い方をすれば、最終的に求め
る蛇行状コルゲート体のコルゲート条列断面波形におけ
るすべての条列部位が均一な波形振幅を達成出来るため
には、第一にフォーミング用対ロールの歯型条列の噛合
い深さをしてすべての歯型条列とすべての条列部位にお
いて均一にすることが不可欠であり、第二に均一な噛合
い深さとした歯型条列のフォーミングロールを採用する
からにはロールフォーミングすべき幅寄せシートをして
ロール幅方向に均一な幅寄せ率とならしめる様に供給
し、さらにロールフォーミング過程においてもその均一
な幅寄せ率を維持することが不可欠であると云う常識の
下に様々な試行錯誤がなされて来たがその結果として上
記の様な致命的な技術はネックをこえることが出来ず、
期待する様な材料強度と印刷適性をもった蛇行状コルゲ
ート体並びに強化複合コルゲート体が得られなかった。
【0007】この発明は、上述した課題を解決するため
になされたもので、最終的に得られた蛇行状コルゲート
体の波形形状を均一なものとすることができ、その結
果、構造強度を著しく向上するとともに、表面が平坦と
なるので複合コルゲート体の印刷適性を図ることができ
る蛇行状コルゲート体の製造方法及び製造装置を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明は、幅方向に均一な幅寄せ率として供給方
向の直行状コルゲート体とした幅寄せシートを、ロール
周面の軸方向に先行波用歯形と後行波用歯形が交互に連
続する蛇行状歯形条列がロールの回転方向に複数条列設
けられてなるフォーミング用対ロールに供給して成形加
工する蛇行状コルゲートの製造方法であって、前記ロー
ルフォーミング過程にある幅寄せシートは、平面波形に
おける幅方向の長さとこれを幅方向に展開した実延長と
の比率である幅寄せ率が、後行波をして先行波に比して
相対的に大とせしめられていることを特徴とするもので
ある。
【0009】また、幅方向に均一な幅寄せ率として供給
方向の直行状コルゲート体とした幅寄せシートを、ロー
ル周面の軸方向に先行波用歯形と後行波用歯形が交互に
連続する蛇行状歯形条列がロールの回転方向に複数条列
設けられてなるフォーミング用対ロールに供給して成形
加工する蛇行状コルゲートの製造方法であって、前記ロ
ールフォーミング過程にある幅寄せシートは、平面波形
における幅方向の長さとこれを幅方向に展開した実延長
との比率である幅寄せ率が、後行波をして先行波に比し
て相対的に大とせしめられているとともに、前記幅寄せ
シートは、断面波形における供給方向の周期とこれを供
給方向に展開した実延長との比率を段繰率としたとき、
平面波形における幅方向の長さ内における該段繰率の加
重平均である加重平均段繰率が、後行波をして先行波に
比して相対的に大とせしめられていることを特徴とする
ものである。
【0010】さらに、幅方向に均一な幅寄せ率として供
給方向の直行状コルゲート体とした幅寄せシートを成形
加工するフォーミング用対ロールを備えた蛇行状コルゲ
ートの製造装置であって、前記フォーミング用対ロール
は、ロール周面の軸方向に先行波用歯形と後行波用歯形
が交互に連続する蛇行状歯形条列がロールの回転方向に
複数条列設けられてなり、該歯形条列の噛合い深さ加重
平均が、後行波用歯形条列をして先行波歯形条列に比し
て相対的に大とせしめられていることを特徴とするもの
である。
【0011】
【実施例】本発明は、従来の常識を越えた全く新たな発
想と周到な実証により得られたものであり、蛇行状コル
ゲート体のロールフォーミングにおける幅寄せシートか
ら最終コルゲート体に至る各段階の形状変遷の動的解析
を行うことにより従来のロールフォーミングにともなう
様々な問題を解消し得た好適な実施例について詳細に述
べる。
【0012】図1に蛇行状コルゲート体のロールフォー
ミング過程を模式風な斜視図として示しており、幅寄せ
シート1がフォーミング用対ロール3に供給され成形加
工された上、蛇行状コルゲート体2を最終的に得られ、
なお図示されていないが対ロール3間においてロールフ
ォーミング過程にある幅寄せシート1′の状態がある。
【0013】幅寄せシート1は平板シートを加工して幅
方向に原則として均一な幅寄せ率とした直行状コルゲー
ト体としたものであり、対ロール3は周面軸方向の蛇行
状歯型条列を周面周方向に多段として設けた上、所定の
噛合せ深さを保つ様に設置されており、最終的に得られ
る蛇行状コルゲート体2は幅方向と供給方向の2方向波
形とした蛇行状コルゲート体が多段に設けられて成るも
のであり、その詳細を斜視断面図として図2に示してい
る。
【0014】図3には蛇行状コルゲート体2の平面図が
示され、矢印方向にロールフォーミングが進行するとす
れば、その各コルゲート条列において進行方向に先行す
る条列湾曲部を先行波9とし進行方向に遅行する条列湾
曲部を後行波10として各湾曲中央を先行波中心軸6、
後行波中心軸7、先行波9と後行波10の境界を中立軸
8とする。
【0015】図1にもどり幅方向に実質上均一に幅寄せ
されてなる直行状コルゲート体である幅寄せシート1は
対ロール3によりフォーミング開始される直前において
先行波中心軸6に相当部位とその周辺において最初に座
屈変形が発生し、ほんの瞬時ではあるが時間経過ととも
にその座屈変形が順次後行波中心軸7に相当する部位に
向けて移動する。その座屈変形の移動に際して直行状コ
ルゲート体とされる幅寄せシート1のコルゲート条列は
先行波相当部9から後行波相当部10へとたぐり寄せら
れ、先行波相当部の幅寄せ率の多くは後行波相当部に集
積することからシート幅方向にその幅寄せ率の断続的遍
在をおこす。この現象を幅寄せシート1のうける「しご
き変形」と呼ぶにふさわしい。このしごき変形の発生に
より、そもそも幅方向に均一な幅寄せ率分布としたはず
の幅寄せシート1が先行波相当部6においては過小な幅
寄せ率とせられ、かたや後行波相当部7においては過大
な幅寄せ率とせられて対ロール3に供給され、その結果
過小の幅寄せ率とされた本来の形状から変形をおこした
幅寄せシート1′はロールフォーミング過程において最
終的に得られるべき蛇行状コルゲート体2のコルゲート
条列の形成に必要な段繰率は与えられるものの、幅寄せ
率があまりに不足するために多大なシート変形応力を伴
いながらロール周方向とロール幅方向の双方にシート面
内の延伸歪から、ついにはシート破断という成形トラブ
ルが発生し、かたや過大な幅寄せ率とされた後行波相当
部7のシート1′はロールフォーミング過程において段
繰率はともかく、幅寄せ率があまりに過剰であるためロ
ール周方向とともに同幅方向にもシート面内弛緩が著し
いものとして成形され、ついにはロール周方向の倒れこ
み状の余剰じわが発生し、さらに過小な成形応力のもと
で成形された弛緩状態の後行波シートはロール離脱直後
の戻り変形をおこすなどの各種形成トラブルの抑止を目
的としたのが本発明の製造方法とその製造装置である。
【0016】その目的の達成を可能とした本発明の製造
方法ではロールフォーミング過程にある幅寄せシート
1′がその平面後行波相当部10の幅寄せ率i′k をし
て同先行波相当部9の幅寄せ率i′s より大となる様に
フォーミング対ロール3間に供給せられた上、蛇行状コ
ルゲート体に形成加工されることが寛容であり、更に好
ましくは上記幅寄せシート1′がその平面後行波相当部
10の幅寄せ率i′k をして同先行波相当部9の幅寄せ
率i′s より大となる様にフォーミング対ロール間3に
供給せられると同時に、後行波相当部10の加重平均段
繰率jk をして先行波相当部9の加重平均段繰率js
り大となる様に成形加工されることが大切である。
【0017】なお、一般に先行波の幅寄せ率is とは、
図3に示すように平面波形の先行波中心軸を含む先行波
の全域N/2に対するx方向シートの実延長W(折曲部
を直線状に展開した長さ)の比率(W−N/2)×(2
/N)×100=is を示しており、先行波の加重平均
段繰率js とは図2に示すように断面波形の周期L0
対するy方向シート実延長l(折曲部を直線状に展開し
た長さ)の比率(l−L0 )×(1/L0 )×100を
段繰率とし、平面波形上先行波全域N/2内におけるそ
の段繰率の加重平均
【数1】 を意味している。参考までに図9、図10にある歯型条
列の先行波加重平均振幅率 Rs /L0 との関係を示せ
ばjs =( Rs /L0 )×βとなる。被加工シート
1′断面波形の最深振幅の成形に資するロール歯形の最
大噛合い深さの加重平均を Rs とし、同上断面波形の
周期をL0 として補正係数をβとする。
【0018】従来の製造方法の特色は蛇行状コルゲート
体を製造するにはロールフォーミング過程にある幅寄せ
シート1′がその幅寄せ率を幅方向に均一に配分され維
持されることが不可欠であるとされた点であり、その前
提のもとにロールフォーミング直前の幅寄せシート1の
受けるしごき変形を極力抑制防止することに努めて来た
が、実際の生産現場においては被加工シート1の材質、
所与雰囲気などの与条件の変化推移とまた幅寄せ工程の
設定雰囲気、幅寄せシートの走行張力、ロールフォーミ
ング時のロール温度、同スピードなどの設定条件の調
整、制御が必ず伴うため、ロールフォーミング開始後の
幅寄せシート1′における常時安定した幅寄せ率の配
分、維持が容易でなく、例えばロールフォーミング直前
において限りなくゼロに近い張力とした幅寄せシートは
その材質又は加湿量などの不測な変化によりその段繰量
の変動がおき、極端な場合、張力がマイナスとなること
により流れ方向に幅寄せシートの残留をひきおこし、そ
の結果、時として同シートの局部に他の一般部位には見
られない過大な幅寄せ率とした部位と過小な幅寄せ率と
した部位の隣接する後行波と先行波が突如出現すること
を逃れられず、ロールフォーミングが終了した蛇行状コ
ルゲート体2には後行波の余剰じわと先行波の引裂き損
傷の併発が余儀なくされていた。
【0019】本発明の方法では、所定のしごき変形を積
極的に容認し、様々な与条件、設定条件の変化、変動に
左右されにくい比較的自在なシート座屈を促すことによ
り、幅寄せシート1にはy方向に常時安定し、x方向に
規則正しいしごき変形を発生させ、ロールフォーミング
過程に入った幅寄せシート1′のしかるべき部位にしか
るべき幅寄せ率を確実に配分せしめ、つまりシート1′
における後行波の幅寄せ率をして先行波のそれより所定
の差異幅を常時保持しつつ供給することが可能となった
ため、最終的な蛇行状コルゲート体の成形完了時に先行
波の引裂損傷と後行波の余剰じわの発生を事実上抑止す
ることが出来、さらに好ましくは上記方法によりロール
フォーミング過程にある幅寄せシート1′においてその
後行波と先行波に各々所定の幅寄せ率を確実に供給し、
所定の幅寄せ率の差異幅を常時正確に保持した上で、後
行波の成形に需要される段繰率を先行波のそれより前記
幅寄せ率の差異幅に理論上見合う程度に大とせしめて蛇
行状コルゲート体の成形加工を行うことであり、その結
果最終成形時のコルゲート体2においてその後行波の余
剰じわはおろかシート弛緩まで、先行波の引裂損傷はお
ろかシートの延伸歪までを見事に抑止することが可能と
なった。
【0020】上記方法を達成する具体的手段として複数
の製造装置が考えられるが、まずその代表的なものを例
示する。
【0021】図1で示した蛇行状コルゲート体2を成形
するための対ロール3においてそのロール周面に設けら
れた歯型条列群11を展開表示したのが図6の平面波形
であり、実線の波形を各歯型頂部中心線12、点線の波
形を各歯型間各部中心線13とした。矢印の方向にその
歯型条列11が回転移動するとすればその平面波形にお
いて、蛇行状コルゲート条列2の先行波の成形加工に資
する部位を先行波歯型17、同コルゲート条列12の後
行波10の成形加工に資する部位を後行波歯型18と
し、それら中心軸を各々先行波歯型中心軸14、後行波
歯型中心軸15とし、両中心軸境界を歯型中立軸16と
する。
【0022】図7、図8には対ロール3が噛合した状態
において先行波歯型中心軸14附近の軸方向断面、後行
波歯型中心軸15附近の軸方向断面を各々示した。上下
ロールの中心連結線19において上ロール3の歯型条列
11が下ロール3′のそれに最も深く噛合するが、その
時点において成形加工すべき蛇行状コルゲート体2のコ
ルゲート条列断面波形振幅の加重平均Hs ,Hk が実質
上定まる。すなわち下ロール3′中心を共通の円弧中心
とする上ロール最深噛合線20と下ロール最深噛合線2
1の最短距離を実質噛合い深さの加重平均 Rs R
k とすれば本発明の製造装置では図7における後行波歯
型の実質噛合い深さの加重平均 Rk を図8における先
行波歯型の実質噛合い深さの加重平均 Rs より相対的
に大となる様に上下ロール3,3′の歯型条列11を設
けることであり、詳しくは後行波歯型の実質噛合い深さ
の加重平均 Rk を先行波歯型の Rs より大とせしめ
る方法として下ロール3′の後行波歯型頂部と下ロール
3′の中心との距離すなわち後行波歯型高さの加重平均
Dk をして同先行波歯型頂部と下ロール3′の中心と
の距離、すなわち先行波歯型高さの加重平均 Ds より
大として設けることであり、また上ロール3の後行波歯
型頂部と上ロール3の中心との距離すなわち、後行波歯
型高さの加重平均 Uk をして同先行波歯型頂部と上ロ
ール3の中心との距離、すなわち先行波歯型高さの加重
平均 Us より大として設けることであり、さらにまた
下ロール3′の後行波歯型高さの加重平均 Ds と共に
上ロール3の後行波歯型高さの加重平均 Uk をして下
ロール3′の先行波歯型高さの加重平均 Us と共に上
ロール後行波歯型高さの加重平均 Uk より各々大とし
て設けることもいずれも本発明に有効である。
【0023】なお、今後コルゲート条列断面波形振幅の
加重平均Hs ,Hk を各同断面振幅Hs ,Hk とし、ま
た実質噛合い深さの加重平均 Rs Rk を各々噛合
い深さ Rs Rk と略称するものとする。
【0024】ロールフォーミング直前において幅寄せシ
ート1はそのシート材質に応じた設定雰囲気、走行張力
などの条件を厳密に調整、制御しなくてすむ様なややお
おらかなしごき変形の発生が許容された上で、ロールフ
ォーミングが開始され、そのフォーミング過程において
所定のしごき変形をうけた幅寄せシート1′はx,y両
方向に安定的かつ確実な幅寄せ率の配分が行われるた
め、すなわち先行波として形成されるべき幅寄せシート
1′ではその幅寄せ率が小さめの所定値となる様に、か
たや後行波として成形されるべき幅寄せシート1′では
その幅寄せ率が大きめの所定値となる様に常時コントロ
ールされる。小さめの幅寄せ率とされた先行波相当部シ
ート1′は相対的に浅い噛合い Rs とされて設けられ
た先行波歯型17により成形応力が過大となることのな
い様に、かたや大きめの幅寄せ率とされた後行波相当部
シート1′は相対的に深い噛合い Rk とされて設けら
れた後行波歯型18により成形応力が過小となることの
ない様に最終形状の蛇行状コルゲート体2に近い幅寄せ
シート1′へと形成される。
【0025】その結果、当然のことながらロールフォー
ミング完了時における幅寄せシート1′の先行波相当部
の最大断面振幅 Os は先行波歯型17の噛合い深さ R
sに、又後行波相当部の最大断面振幅 Ok は後行波
歯型18の噛合い深さ Rkに各々ほとんど近似して形
成されるため、先行波相当部最大断面振幅 Os は後行
波同振幅 Ok より相対的に小として設けられるが、そ
の直後において成形外力から開放された蛇行状コルゲー
ト体2には形状変化が伴うことはまれでなく、とりわけ
紙などの半弾性可塑性材や紙と同程度の反塑性及び反弾
性を有するプラスチックにおいては成形直後の残留応力
とそれによる戻り変形が無視出来ない程度のものである
ため、それを事前に見込んで設計された先行波歯型17
の浅い噛合い Rs により成形される先行波相当部のシ
ート1′は弾性限界に近づけられてロール離脱後の戻り
変形がわずかである様に、かたや後行波歯型18の深い
噛合い深さ Rk により成形される後行波相当部のシー
ト1′は弾性限界のやや手前にとどめられてロール離脱
後の戻り変形が適度に起きる様に先行波と後行波におけ
る各歯型条列の噛合い深さの差異幅が適正に決定されて
いる。その結果、ロールフォーミング終了後残留応力が
すべて解消され、戻り変形が停止した段階において形状
が安定した蛇行状コルゲート体2はその先行波断面振幅
s と後行波断面振幅Hk が可及的にその値を接近させ
たものとして得られた。
【0026】さらに上記ロールフォーミング時の本発明
の製造方法と製造装置によるロールフォーミングの主要
な過程を具体的な断面波形図により説明すれば、ロール
フォーミング完了からその形状安定に至るまでのコルゲ
ート条列断面波形の変動を図示したのが図4、図5であ
り、後行波断面波形を示した図4及び先行波断面波形を
示した図5において点線波形はロールフォーミング完了
時のコルゲート体1′のそれであり、実線波形はロール
フォーミング完了後、ロール歯型から実質上離脱したコ
ルゲート体2のそれである。
【0027】ロールフォーミング完了時におけるコルゲ
ート条列の後行波10は、その断面波形の最大振幅 O
k (後行波18の歯型噛合い最大深さ Rk に近似す
る)をして同先行波断面波形の最大振幅 Os (先行波
17の歯型噛合い最大深さ Rs に近似する)より所定
の設計幅だけ各々大として成形加工されることから、後
行波の需要する幅寄せ率並びに段繰率が後行波の需要す
る幅寄せ率並びに段繰率より大とした所定値に設定され
る。一方、コルゲート条列の後行波は後行波と同等の段
繰率をもって供給されるが、しごき変形により供給され
る後行波の幅寄せ率が先行波に供給される幅寄せ率より
大幅に大とされる。以上のことからロール離脱後の残留
応力による戻り変形の度合いは後行波と先行波とで著し
く異なり幅寄せ率と段繰率双方の供給が需要を下まわる
状態、すなわちタイトな需給関係におかれるコルゲート
条列先行波はその戻り変形量を小としてその断面振幅 O
sからHs に変動せしめられ、かたや幅寄せ率と段繰
率双方の供給が需要を上まわる状態、すなわちルーズな
需給関係におかれるコルゲート条列後行波はその戻り変
形量を大とし、その断面振幅を Ok −Hk に変動せし
められる。後行波振幅の変動幅 Ok −Hk と先行波振
幅の変動幅 Os −Hs との調整により、すなわち後行
波10と先行波9における上記幅寄せ率と段繰率双方の
各需給量を適正とすることによって最終的に求める蛇行
状コルゲート体2においてその後行波10の断面波形振
幅Hk と同先行波9の断面波形振幅Hs の両値を相互に
限りなく接近せしめることが出来るのである。
【0028】さらに、一歩すすめて本発明によるロール
フォーミング法とその主だったロールフォーミング装置
の働きについて全基本的原理を体系的に説明する。
【0029】そもそも2方向波形とした蛇行状コルゲー
ト体は断面波形の振幅率H/Lと平面波形の蛇行率D/
Nを持つ2つのパラメーターとして幅寄せ率iをパラメ
ーター定数としたH/L=fi (D/N)なる函数関係
とて定式化される純数理的構造体であり、その各形態,
形状を決定づける固有の形状曲線とも対応するものであ
る。そのことは2方向波形とした蛇行状コルゲート体が
平板シートをしてその面内伸縮歪が実質的に伴うことな
く折曲変形せられて得られる時にのみ存在し、さらにそ
のコルゲート体が折曲変形を解除されることにより当初
の平板シートに完全に復元されうると云う極めて気むず
かしくも律義な構造体であることを意味している。
【0030】図9、図10にその形状曲線が示され、縦
・横両座標軸を漸近線として並列分布する双曲線群であ
り、並列する各双曲線はパラメーター定数のi値で特定
されるとともに、パラメーターH/L値と同D/N値に
各々唯一の固有値を与えられてなり、云い方を変えれば
パラメーターD/N値を固定した場合、定数i値を特定
することにより、固有なパラメーターH/L値が決定さ
れる。すなわち蛇行率を一定として幅寄せ率を与えた場
合、それを満たす幅寄せ率は一つしか存在しないと云う
ことである。
【0031】前記形状曲線群を用いてロールフォーミン
グの各過程における幅寄せシート1とロールフォーミン
グ完了後との蛇行状コルゲート体2の各形状と、それに
伴なうパラメーターH/L値,D/N値と定数i値の変
動推移を明らかにするために図9には従来のロールフォ
ーミング法と同フォーミングロール装置によるコルゲー
ト体の形状変遷が、図10には本発明のロールフォーミ
ング法と同フォーミングロール装置によるコルゲート体
の形状変遷が示されている。
【0032】両図に共通する座標上に示される複数の形
状曲線は成形途上時、成形完了時、同形状安定時のロー
ルフォーミング各段階のコルゲート体1′,2並びにロ
ール歯型条列における先行波形状並びに後行波形状に対
応するものである。
【0033】ロールフォーミング過程にあるコルゲート
体1′は勿論のこと、ロールフォーミング後には成形外
力から解放され乍ら原則としてロール歯型に吸着維持さ
れるコルゲート体1はその平面波形の変形を抑制される
ため、その蛇行率がDO /NO ×αとしてロールフォー
ミング3段階を通じて一定とされる。
【0034】したがいて、ロールフォーミング各段階に
おけるコルゲート体1′2の先行波及び後行波の各形状
は6本の形状曲線と縦軸D/N=DO /NO ×αとの交
点上にすべて読み取られ、先行波形状が交点A,同C,
同Eとし、後行波形状が交点B,同D,同Fとして与え
られている。
【0035】より詳しくは、交点A,Bがしごき変形に
より偏った幅寄せ率とした供給されたフォーミング途上
のコルゲート体1′のありうるべき各先行波形状,後行
波形状であり、交点B,Cが歯型の噛合いによって需要
される幅寄せ率としたフォーミング完了時のコルゲート
体1′の各先行波形状,後行波形状であるが近似的に最
大噛合い深さとされた先行波歯型形状,後行波歯型形状
として示されており、交点E,Fが成形外力から解放さ
れた残留応力が実質上解放されたコルゲート体2の各先
行波形状,後行波形状が示されている。
【0036】なお、パラメーターH/Lをコルゲート条
列の断面波形の実質振幅率とすれば、(HO /LO )×
βがその個別値であり、HO /LO をみかけ振幅率とす
ればHO が断面波形振幅の変動値、LO が断面波形周期
の固定値、βが断面波形頂及び底部形状で定まる補正係
数である。なお、H′s Rs ,Hs は先行波各振幅
加重平均であり、H′k Rk ,Hk は後行波各振幅
加重平均である。パラメーターD/Nをコルゲート条列
の平面波形の実質蛇行率とすれば(DO /NO)×αが
その個別値であり、DO /NO をみかけ蛇行率とすれば
O が平面波形振幅の固定値、NO が平面波形周期の固
定値、αが平面波形の頂,底部湾曲形状で定まる補正係
数である。
【0037】次に、図9の形状曲線を用いて、従来の製
造方法と同装置によるロールフォーミング過程を詳細に
述べる。
【0038】同グラフ上座標点EとFは成形完了後の戻
り変形済みの最終コルゲート条列の先行波形状と同後行
波形状を各々示しており、E点とF点とが著しく離れて
シフトしているのはその間隔(Hs /LO )×β−(H
k /LO )×β=(Hs −Hk )×β/LO すなわち、
先行波の断面振幅Hs が後行波の断面振幅Hk と比べて
大きな値とならざるを得ないことを意味している。これ
は、先行波条列のロールフォーミング時の幅寄せ率需給
ギャップi′s Rs で定まるC点とA点の間隔( R
s /LO )×β−(H′s /LO )×β=( Rs
H′s )×β/LO すなわちしごき変形より過小として
与えられる幅寄せ率i′s に理論上見合った架空のコル
ゲート条列の先行波断面振幅H′s より実際提供される
歯型条列の先行波断面振幅 Rs があまりに大とされる
ことから、供給されたシートがそのx,y両方向に需要
されるシートより著しくそのシート量を不足したまま所
定の形状に成形加工されて成る先行波コルゲート条列3
はシートの弾性限界を越え、引裂け直前の延伸歪による
塑性変形をせしめられるためロールから実質離脱後の戻
り変形は微細なものにとどまりその結果、歯型条列の先
行波形状C点のほど近い位置にコルゲート条列の先行波
最終形状E点がシフトすることになる。また後行波条列
のロールフォーミング時幅寄せ率ギャップi′k R
k で定まるB点とD点の間隔( Rk /LO )×β−
(H′k /LO )×β=( Rk −H′k )×β/LO
すなわち、しごき変形により過大とされて与えられる幅
寄せ率i′k に理論上見合った架空のコルゲート条列の
後行波断面振幅H′k より歯型条列の後行波断面振幅 R
k が著しく小とされることにより、供給されたシート
がそのx,y両方向に需要されるシートより、あまりそ
のシート量を過剰としたまま所定の形状に成形加工され
てなる後行波コルゲート条列はシートの弾性限界に遠く
及ばない弛緩状態とされるため、ロールの実質離脱後に
おいて戻り変形は無視出来ないものとなり、結果として
歯型条列の後行波形状C点のはるか下方にコルゲート条
列後行波の最終形状F点がシフトせざるを得なかった。
【0039】この様な望ましくない事態を解消するため
に、すなわち形状E点と形状F点の間隔を縮小、接近せ
しめる手段としてとられて来た唯一の方策は、形状A点
と形状B点を予め近設配置せしめる様にしごき変形によ
る幅寄せシート1′の先行波相当部と後行波相当部の供
給幅寄せ率をしてその差異を可及的に減少せしめること
であったが、より詳しくは歯型条列の先行波振幅 Rs
と同後行波振幅 Rkを差異のない同一の値として設け
ることを特徴とした従来のフォーミングロールを用いる
場合には、ロールフォーミング過程の幅寄せシート1′
をして、その先行波相当部の幅寄せ率i′s と後行波相
当部の幅寄せ率i′k がその差異幅をi′s ≦i′k
1.1i′s となる様にして供給する必要があり、その
差異幅とした幅寄せ率のx,y両方向分布が常時保たれ
るかぎりにおいてはコルゲート体はその最終形状におい
て先行波の延伸歪も後行波の弛緩も発生することなく、
また先行波断面振幅Hs と後行波断面振幅Hk との差異
が常に0.05mm以下におさえられ成形加工された。し
かし上記先行波と後行波の供給幅寄せ率の差異幅をi′
s ≦i′k <1.1i′s に維持するためのしごき変形
抑止には、前述した通りロールフォーミング前,中,後
の各過程における数々の適正な与条件、設定条件を常時
満足させることが不可欠でありながら、それは生産現場
においてはまさに極限的な調整、制御を要求されること
であり、それら条件の常時充足の困難さから突如とした
局部的大規模なしごき変形の発生をしばしば余儀なくさ
れることから、形状A点と形状B点とが極端に離隔して
シフトすることになり、さらに最終的な形状E点と形状
F点との離隔が益々激しいものとしてシフトすることが
決してまれではなかった。すなわち幅寄せ率の差異幅を
最小限におさえ込む努力がコルゲート体のロールフォー
ミング時のトラブルをかえって助長することになってし
まった。
【0040】次に本発明の製造方法と製造装置によるロ
ールフォーミング過程を図10のグラフにより詳細に説
明するとすれば、同グラフ上座標E点とF点が最終段階
のコルゲート体2の先行波形状と後行波形状を各々示し
ており、両点が接近した位置にシフトするのが特徴的で
ある。E,F両点の間隔(Hs −Hk )×β/LO すな
わち先行波断面振幅Hs が後行波断面振幅Hk に対して
著しく近似した値をとりうることを意味している。
【0041】それは先行波条列のロールフォーミング時
の幅寄せ率需給ギャップi′s Rs により定まる形
状C点と同A点の間隔( Rs −H′s )×β/LO
されることから、すなわちしごき変形によりやや過小と
して与えられる幅寄せ率i′s に理論上見合った架空の
コルゲート条列の断面振幅H′s よりも実際提供される
歯型条列噛合い深さ Rs が相対的に大とされることか
らシートの供給量より需要量が大とされ、成形加工せし
められた先行波コルゲート条列がシートの弾性限界を超
えてタイトに塑性加工されるため実質的なロール離脱後
の戻り変形は微細なものにとどまり、結果として歯型条
列先行波形状C点の近傍に最終のコルゲート条列先行波
形状E点はシフトすることとなる。かたやコルゲート条
列後行波においてはロールフォーミング時の幅寄せ率需
要ギャップi′k Rk で定まる形状B点と同D点の
間隔( Rk −H′k )×β/LO とされることから、
すなわちしごき変形による過大として与えられた幅寄せ
率i′k に理論上見合った架空のコルゲート条列の後行
波断面波形の振幅H′k に対して歯型条列の後行波噛合
い深さ Rk が過小となることのない様に設けられてい
ることにより、シートの供給量をやや下廻る需給量とさ
れて成形加工せしめられたコルゲート条列後行波はその
シート弾性限界を越えることなくその比較的近くにおか
れるためロール離脱後における戻り変形はさして大きな
ものになることはなく、コルゲート条列の後行波最終形
状F点は歯型条列の後行波形状D点をやや下まわり歯型
条列の先行波形状C点の近傍にシフトすることが可能と
なる。
【0042】したがい、この様な効果を達成するための
条件は歯型条列の先行波噛合い深さと後行波噛合い深さ
の差異 Rk Rs をしごき変形によってもたらされ
る幅寄せシート1′における後行波供給幅寄せ率と先行
波供給幅寄せ率との差異i′k −i′s に見合ったもの
として設けることであるが、好ましくは現実の生産工場
においては既存の段ボール原紙などの各種パルプシート
や紙と同程度の反塑性及び反弾性を有するプラスチック
を被加工シート1として用いる場合に歯型条列先行波と
同後行波の噛合い深さの差異 Rk Rs をして先行
波噛合い深さ Rs の15%〜1.2%とせしめる様に
して対ロール3の歯型条列を設けることである。
【0043】上記の如く、歯型条列の噛合い深さ差異 R
k Rs を先行波と後行波との間に設けることによ
り、幅寄せシート1′の供給幅寄せ率の遍在にかかわら
ず、すなわち当初において先行波形状A点と後行波形状
B点の間隔を大とされながらコルゲート条列2の先行波
形状E点と後行波形状F点の間隔を小とされて相互の近
接シフトが最終的に実現する。云い変えれば、幅寄せシ
ート1′の先行波形状A点と後行波形状B点をあらかじ
め接近せしめるための大変な努力を要せずして、最終コ
ルゲート体2の先行波と後行波の断面振幅の差異Hk
s を0.05mm以内に容易にとどめることが可能にな
ることであり、それは以下の様な極めて有益な結果を引
き出すこととなった。形状A点とB点の近接シフトにさ
した神経を使わずに済むため、従来の製法と装置におい
て不可欠とされた被加工シート1及び1′に対する雰囲
気、並びに走行張力の極限的調整、制御が開放されるこ
とになるとともに被加工シート1,1′の材質自体のバ
ラツキ変化にもかかわらず蛇行状コルゲート体2のロー
ルフォーミングに併発する局部的引裂損傷と余剰じわの
トラブルを完全に抑止し得て常に安定した製品の生産が
可能になった。
【0044】したがい、本発明の製造方法並びに製造装
置では、従来望ましいとした形成加工条件を捨て、大幅
な発想転換による新しい現実的条件を採用したわけだ
が、望ましくは幅寄せシート1にそのロールフォーミン
グ直前のしごき変形発生を積極的に許容し、それに伴う
ロールフォーミング過程にある幅寄せシート1′にその
幅寄せ率のx方向遍在分布を1.2i′s ≦i′k
5.0i′s とした範囲を設定することであり、より詳
細にはロールフォーミングすべき被加工シート1自体の
材質特性と当初与えられるx方向と一率なる幅寄せ率と
設定雰囲気から予測されるしごき変形の発生量を考慮に
入れて先行波と後行波の供給幅寄せ率のより厳密な差異
幅の固有値が推計され、次に推計された供給幅寄せ率の
差異幅をベースにした上でロールフォーミング時の加工
スピードと同加熱温度レベルと最終的に期待すべきコル
ゲート条列の平面、断面波形の形状とともに断面振幅の
High&Lowの設計差異などを綿密に参酌すること
により前記望ましい歯型噛合い深さの差異幅を15.0
%≧( Rk Rs )×100/ Rs ≧1.2%と
した範囲からロール歯型条列の先行波と後行波の噛合い
深さ Rs Rk の固有値が最終的に選択決定される
とよい。
【0045】なお、上記噛合い深さ Rs Rk は各
歯型条列先行波、後行波における噛合い深さの加重平均
値であるからして歯型条列x方向各部位における噛合い
深さの配分の仕方には複数のものが在り、具体的には図
7,8に示された上、下ロール中心から歯型条列頂部ま
での各距離 UR, DR(以後歯型高さRと称する)を条
列頂部中心線12上の各部位において変化せしめること
であるが、まず先行波中心軸14より中立軸16を経て
さらに後行波中心軸15に向けて単純連続的に増大させ
ることが有効であり、また各歯型条列頂部中心線12の
接線傾斜角θに比例する様な変化率として歯型高さRを
先行波から後行波にかけてなめらかに増大させることが
有効であり、さらにまた先行波中心軸14附近のx方向
所定幅と後行波中心軸15附近のx方向所定幅において
歯型高さRを各々不変とし両平坦部とせしめかつ両歯型
高さRに所定の落差を設けた上、その両平坦部をして傾
斜部でなめらかに連結する様にして歯型を設けることも
有効であり、その他にも多くの方策があり、その選択は
被加工シートの材質特性やロールフォーミング時の設定
条件などを考慮にして行われる。
【0046】以上の実施例の他にも多くの有効な方策が
あり、図7,8に示した通りロールフォーミング時に歯
型条列11と被加工シート1´の最大接触幅(但し以後
歯型段頂幅Wと称する)をして同一の歯型条列における
先行波歯型17から後行波歯型18へ向けてなめらかに
大とせしめることも上記歯型高さを先行波歯型17が後
行波歯型18へ向けてなめらかに大とせしめる方策と同
様に本発明に有効であり、また両方策を併用することも
当然本発明に有効であり、さらにまた図6の歯型条列平
面波形において先行波歯型17の頂部中心線12上x方
向各部位の接線傾斜角θの加重平均値θs より後行波歯
型18の同接線傾斜角θの加重平均値θk をして大とせ
しめることも本発明に有効であり、さらにまた先行波歯
型と後行波歯型において、接線傾斜や角θs と同θk
差異を設けると同時に歯型高さの加重平均Rs と同Rk
に差異を設けた対ロール3も本発明のロールフォーミン
グの方法とその装置に有効である。
【0047】本発明の対ロール3において、その歯型高
さの加重平均Rs と同Rk に差異が設けられるべき対象
を両ロールとした場合と、片側ロールのみとし残る片側
ロールにはRs とRk を同等とした場合があり、いずれ
も効果的であるが、とりわけロールフォーミングの終了
した蛇行状コルゲート体2と平板ライナーとの貼合を行
うための糊ロールと熱プレスロールと実質的に接触する
働きをもたない片側の本フォーミングロールの歯型条列
にはRs とRk の差異を設け、同上働きを持つ一方残る
片側ロールにはRs とRk の差異を設けないことを特徴
としたものは、糊ロール、プレスロールの周面を共に軸
方向に平坦とすることが出来るなどの利点がある。
【0048】以上本発明に関わる具体的各種方策手段が
例示されたがこれらの適宜組合わせはいずれも効果的で
あることは云うまてもない。
【0049】
【発明の効果】本発明の製造方法並びに同製造装置によ
って、被加工シート1,1′の材質、この所与ないしは
設定雰囲気、製品製造スピードなど諸条件のバラツキ変
動に対する優れたエキスパートによる精密かつ持続的な
機械の調整制御を要することなく、最終製品である蛇行
状コルゲート体2の量産が可能となった。また最終製品
である蛇行状コルゲート体2においてそのコルゲート条
列の先行波断面振幅Hsと同後行波断面振幅Hk との最
大差異Hk −Hs を100分の5mm以内にひきとどめ、
安定せしめると同時にコルゲート条列の先行波に発生し
がちなシートの延伸歪と、引裂損傷をコルゲート条列後
行波に発生しがちなシートの弛緩と余剰じわを常時抑止
することが実現したためにそのコルゲート条列のすべて
の部位における寸法精度が大幅に向上するとともに、実
質上均一かつ高度な構造強度を達成し得た。その結果、
歩留まりが高くかつ高速な成形加工が可能となったこと
により生産性がめざましく改善されて得られた蛇行状コ
ルゲート体は単一ライナーと一体化された蛇行状コルゲ
ート片面複合体、二葉ライナーと一体化された蛇行状コ
ルゲート両面複合体として二次製品化が図られたが、該
両複合体ともそのライナー面の平坦性が保たれ、高い面
内圧縮強度と高い面外曲げ強度が約束され、またライナ
ー表面のすぐれた印刷適性が得られたことは云うまでも
ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】2方向波形とした蛇行状コルゲート体のロール
フォーミング過程を模式的に示した斜視図である。
【図2】該蛇行状コルゲート体の斜視断面図である。
【図3】該蛇行状コルゲート体の平面図である。
【図4】蛇行状コルゲート体のSk −Sk 断面図、Ss
−Ss 断面図である。
【図5】図4と同様な蛇行状コルゲート体のSk −Sk
断面図、Ss −Ss 断面図である。
【図6】フォーミングロール周面の歯型条列の展開平面
図である。
【図7】該歯型条列の Rs Rs 断面図、 Rk
Rk 断面図である。
【図8】図7と同様な歯型条列の Rs Rs 断面
図、 Rk Rk 断面図である。
【図9】2方向蛇行状コルゲート体の形状曲線による従
来のロールフォーミング過程のコルゲート体形状変遷図
である。
【図10】該形状曲線による本発明のロールフォーミン
グ過程のコルゲート体形状変遷図である。
【符号の説明】
1 幅寄せシート(加工直前の被加工シート) 1´ 加工途上の被加工シート 2 2方向波形とした蛇行状コルゲート体 3,3′ フォーミング対ロール 4 コルゲート条列頂部中心線 5 コルゲート条列底部中心線 6 コルゲート条列先行波中心軸 7 コルゲート条列後行波中心軸 8 コルゲート条列中立軸 9 コルゲート条列先行波 10 コルゲート条列後行波 11 蛇行状歯型条列 12 歯型頂部中心線 13 歯型底部中心線 14 先行波歯型中心軸 15 後行波歯型中心軸 16 歯型中立軸 17 先行波歯型条列 18 後行波歯型条列 19 対ロール中心連結線 20 上段ロール最深噛合線 21 下段ロール最深噛合線 NO コルゲート体平面波形周期 DO コルゲート体みかけ平面波形振幅 LO コルゲート体みかけ断面波形周期 Hs 最終コルゲート体の条列先行波断面みかけ振幅
の加重平均 Hk 最終コルゲート体の条列後行波断面みかけ振幅
の加重平均 x方向 コルゲート条列軸方向、同左幅方向 y方向 コルゲート条列軸直行方向、同左流れ方向、
ロールフォーミング方向Ok フォーミングロール過程コルゲート条列の後
行波断面最大振幅の加重平均Os フォーミングロール過程コルゲート条列の先
行波断面最大振幅の加重平均Rk ロール歯型条列後行波噛合い深さの加重平均Rs ロール歯型条列先行波噛合い深さの加重平均 θs 先行波歯型中心線の接線勾配 θk 後行波歯型中心線の接線勾配Us 上ロール歯型条列先行波高さの加重平均Uk 上ロール歯型後行波条列高さの加重平均Ds 下ロール歯型先行波高さDk 下ロール歯型後行波高さ W 歯型段頂幅(被加工シートと歯型の最大接触幅) is ,ik ,i′s ,i′k Rs Rk 幅寄
せ率 H/L 最終コルゲート体の実質振幅率 D/N 最終コルゲート体の実質蛇行率 Hs /LO ,Hk /LO ,H′s /LO ,H′k
O Rs /LO Rs/LO 最終コルゲート
体のみかけ振幅率 DO /N みかけ蛇行率 α,β 補正係数
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21D 13/10 B21D 5/08 B21D 13/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 幅方向に均一な幅寄せ率として供給方向
    の直行状コルゲート体とした幅寄せシートを、ロール周
    面の軸方向に先行波用歯形と後行波用歯形が交互に連続
    する蛇行状歯形条列がロールの回転方向に複数条列設け
    られてなるフォーミング用対ロールに供給して成形加工
    する蛇行状コルゲートの製造方法であって、 前記ロールフォーミング過程にある幅寄せシートは、平
    面波形における幅方向の長さとこれを幅方向に展開した
    実延長との比率である幅寄せ率が、後行波をして先行波
    に比して相対的に大とせしめられていることを特徴とす
    る蛇行状コルゲート体の製造方法。
  2. 【請求項2】 幅方向に均一な幅寄せ率として供給方向
    の直行状コルゲート体とした幅寄せシートを、ロール周
    面の軸方向に先行波用歯形と後行波用歯形が交互に連続
    する蛇行状歯形条列がロールの回転方向に複数条列設け
    られてなるフォーミング用対ロールに供給して成形加工
    する蛇行状コルゲートの製造方法であって、 前記ロールフォーミング過程にある幅寄せシートは、平
    面波形における幅方向の長さとこれを幅方向に展開した
    実延長との比率である幅寄せ率が、後行波をして先行波
    に比して相対的に大とせしめられているとともに、 前記幅寄せシートは、断面波形における供給方向の周期
    とこれを供給方向に展開した実延長との比率を段繰率と
    したとき、平面波形における幅方向の長さ内における該
    段繰率の加重平均である加重平均段繰率が、後行波をし
    て先行波に比して相対的に大とせしめられていることを
    特徴とする蛇行状コルゲート体の製造方法。
  3. 【請求項3】 幅方向に均一な幅寄せ率として供給方向
    の直行状コルゲート体とした幅寄せシートを成形加工す
    るフォーミング用対ロールを備えた蛇行状コルゲートの
    製造装置であって、 前記フォーミング用対ロールは、ロール周面の軸方向に
    先行波用歯形と後行波用歯形が交互に連続する蛇行状歯
    形条列がロールの回転方向に複数条列設けられてなり、
    該歯形条列の噛合い深さ加重平均が、後行波用歯形条列
    をして先行波歯形条列に比して相対的に大とせしめられ
    ていることを特徴とする蛇行状コルゲートの製造装置。
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