JPH0710567B2 - 両歯歯付ベルトの製造方法 - Google Patents

両歯歯付ベルトの製造方法

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JPH0710567B2
JPH0710567B2 JP28881789A JP28881789A JPH0710567B2 JP H0710567 B2 JPH0710567 B2 JP H0710567B2 JP 28881789 A JP28881789 A JP 28881789A JP 28881789 A JP28881789 A JP 28881789A JP H0710567 B2 JPH0710567 B2 JP H0710567B2
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正雄 西岡
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えば自動車のエンジンに設けられる歯付ベ
ルトの製造方法に関し、特に両面に歯を形成されたベル
トの製造方法に関する。
〔従来の技術〕
歯付ベルトはプーリ間の動力伝達能力が高いことから、
種々の分野において使用されており、通常内側のみに歯
を有していた。ところが近年、自動車あるいは一般産業
用機械において、多数の機器を駆動するために、内側だ
けでなく外側すなわち背面にも歯を有する両歯歯付ベル
トが用いられるようになってきている。
この両歯歯付ベルトは、例えば、両面に歯を形成された
長尺の帯状体を所定の長さに切断し、その両端の切断面
どうしを突き合わせて装着させて成形されるか、あるい
は、内側に歯を有する無端体を成形するとともに、背面
に歯を有する長尺の帯状体をその無端体の周囲長に合わ
せて切断し、これを無端体の外周面に接着するとともに
切断面どうしを接着させて成形されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、このように長尺の帯状体を所定の長さに切断
して両端の切断面どうしを接合する構成によると、これ
らの切断面の形状が正確には一致していないことがあ
り、このような場合、その接合部分において歯形が不揃
いになってピッチに誤差が生じ、また十分に接着させる
ことが困難になるという問題が生じる。また、長尺の帯
状体を必要な分だけ切断する場合、最後には若干の不要
な部分が生じ、材料歩留りが良くないという問題があ
る。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもの
であり、全周にわたって正確な歯形を有し、製造が容易
であり、しかも材料歩留りの良い両歯歯付ベルトの製造
方法を得ることを目的としてなされたものである。
〔問題を解決するための手段〕
本発明に係る両歯歯付ベルトの製造方法は、外周面に歯
形を有する円筒状金型に、周方向に伸縮性を有する第1
の帆布を被せるとともにこの帆布の外周に第1のゴム層
を巻回する工程と、上記円筒状金型の外周に設けられた
第1の帆布および第1のゴム層を、短時間の間だけ加熱
加圧してベルト歯を予備成形する工程と、上記第1のゴ
ム層の外周に心線を巻付けるとともに第2のゴム層を巻
回して円筒体を成形する工程と、上記円筒体を上記円筒
状金型から離型するとともに、この離型された円筒体の
外周に第2の帆布を被せる工程と、上記第1の帆布、第
1のゴム層、心線、第2のゴム層および第2の帆布から
なる円筒体にプレス加工を施して上記第1および第2の
ゴム層を加硫させてベルト歯を成形する工程とを備えた
ことを特徴としている。
〔実施例〕
以下図示実施例により本発明を説明する。
第2図は両歯歯付ベルト10を示す。このベルト10は無端
状に成形され、内側のベルト歯11と外側のベルト歯21
は、それぞれ全周にわたって均一なピッチで設けられ
る。また、内側のベルト歯11と外側のベルト歯21の形状
およびピッチは相互に同じである。
第3図は、両歯歯付ベルト10の断面を拡大して示したも
のである。この両歯歯付ベルト10は、ベルト歯11と歯底
部12から成る内側無端体13と、ベルト歯21と歯底部22か
ら成る外側無端体23と、これらの無端体13、23の間に設
けられた心線31とを有する。心線31はベルト10の長さ方
向すなわち周方向に沿って延びる。内側ベルト歯11およ
び外側ベルト歯21は同じ位置に設けられ、すなわち内側
の歯底部12と外側の歯底部22は同じ位置に形成される。
内側無端体13の表面には帆布14が、また外側無端体23の
表面には帆布24がそれぞれ被覆される。
次に、両歯歯付ベルト10の製造方法および製造装置を説
明する。
まず内側無端体13の製造工程について説明する。
第4図は内側無端体13の表面に被覆される第1の帆布14
を示す。この帆布14は、ベルトの周方向に対して伸縮性
を有する布をミシン等により縫って無端状に成形され
る。すなわち、ミシンによる縫製部15は帆布14の幅方向
(図中、縦方向)に延び、帆布14は、この縫製部15に沿
う方向には伸縮性を有しない。なお、ミシンは通常のも
のでもよく、また超音波を利用したものでもよい。図か
ら理解されるように、製造業者名および製造ロット番号
等の印刷文字16は帆布14の内側に位置する。
帆布14の材料は、ナイロンからなる合成繊維であり、耐
熱性と強度に優れたものであれば、いかなるものであっ
ても良い。また帆布14の織りについては、平織り、朱子
織り、綾織り、あるいはこれらの変形織りでも良い。
無端状に成形された帆布14は、第5図に示すように、円
筒状金型40に被せられる。この円筒状金型40は、その外
周面に、軸心方向に延びるとともに相互に等間隔に形成
された多数の歯形溝41を有し、この歯形溝41はベルト歯
に対応する。
第6図は帆布14を円筒状金型40に被せた状態を拡大して
示す。この図から理解されるように、帆布14は円筒状金
型40と略同径を有し、各溝41の間に形成された隆起部42
の先端面に接する。一方、帆布14の縫製部15は、円筒状
金型40の溝41に合致させて配置されている。
さて、円筒状金型40に被せられた帆布14には、第7図に
示すように、さらに第1のゴム層51すなわち素材層が全
周にわたって巻付けられる。このゴム層51は、円筒状金
型40の溝41内に充填されるのに十分な厚さを有する。す
なわちゴム層51は、実質的に内側無端体13のベルト歯11
となるものである。
ゴム層51の材料としては、ベルト伝動のために歯形に剛
性を持たせる必要があるので、モジュラスの高いゴムが
望ましい。このようなゴムとしては、クロロプレンゴ
ム、エチレンプロピレンゴム、クロルヒドリンゴム等が
あるが、厳しい使用に耐えるゴムとして例えば水素添加
ニトリルゴムが好ましい。
ゴム層51が巻回された円筒状金型40は、第8図に示すよ
うに加硫缶44内に収納され、予備的な成形が行われる。
この予備的な成形は、加硫缶44内において加熱加圧を行
うものであるが、その処理時間は通常の加硫処理よりも
短く、加硫の程度を抑えたものである。この予備的な成
形の結果、ゴム層51は円筒状金型40の溝41内に流動し、
これにより帆布14も溝41に沿う形状に成形されるととも
にゴム層に接着され、内側のベルト歯がほぼ成形される
ことなる。
第9図は、第8図に示す予備成形工程において成形され
たベルト歯11を示す。予備成形工程により、帆布14がベ
ルト歯11の表面に接着され、また、帆布14の縫製部15は
ベルト歯11の歯先部の近傍に位置している。これは、も
し縫製部15が肉厚の薄い歯底部12に位置すると、ベルト
の使用時に水分が縫製部15からベルト内部に浸入し易
く、この水分によってベルトの耐久性が損なわれること
となるからである。
予備成形工程の後円筒状金型40は加硫缶44から取り出さ
れ、第10図に示すように、心線31を巻付けられる。この
図から理解されるように、円筒状金型40の外周側におい
てゴム層51は、ほとんど溝41(第6図)内に移動してお
り、隆起部42(第6図)に対応した部分には帆布14が現
れている。
心線31は、周知のように、相互に逆向きに撚る(いわゆ
るS撚りおよびZ撚り)ことにより得られる一対の心線
からなる。また心線31は、本実施例において硝子繊維か
ら成形されるが、これに限定されるものではなく、例え
ばアラミド繊維等の合成繊維でもよく、またアルミニュ
ウム等の金属繊維あるいはカーボン繊維でもよい。
心線31が円筒状金型40の外周面の全体にわたって巻回さ
れると、次に、第11図に示すように心線31の外周側に第
2のゴム層52が巻付けられる。第2のゴム層52は、予備
成形前の第1のゴム層51と実質的に同じ厚さを有し、外
側無端体23(第3図)を構成するものである。
第2のゴム層52は、第1のゴム層51と同じ種類のゴムか
ら成形されてもよいが、異なる種類のゴムから成形され
てもよい。
第1の帆布14、第1のゴム層51、心線31および第2のゴ
ム層52からなる円筒体17は、第12図に示すように、円筒
状金型40から脱型される。そして、この円筒体17の外周
には第2の帆布18が被せられる。この第2の帆布17は周
方向に伸縮性を有し、第1の帆布14と同じ材質のもので
もよい。
第2の帆布17が被せられた円筒体18は、例えば第1図に
示すベルト製造装置に装着され、次に述べるように相互
に圧着されるとともに歯形を成形されて無端状のベルト
10となる。
この製造装置は、内側無端体13が巻回される一対の歯付
プーリ61、62と、第1のプレス金型71と、第2のプレス
金型72とを備える。一対の歯付プーリ61、62は所定の間
隔を置いて設けられ、これらのプーリ61、62の間におい
て内側無端体13がほぼ水平になるように構成されてい
る。第1のプレス金型71は、内側無端体13の内周側に配
設されるとともに昇降自在に設けられており、また上面
には、内側無端体13のベルト歯に係合する複数(例え
ば、15)の成形溝73を有する。第2のプレス金型72は、
第1のプレス金型71に対向して配設されるとともに昇降
自在に設けられており、下面には、第1のプレス金型71
と同形の複数(例えば、15)の成形溝74を有する。
第2のプレス金型71は、両端部に設けられた一対の固定
プレス金型部材75、76と、中央部に設けられた成形プレ
ス金型部材77とを備える。これらの金型部材75、76、77
は、それぞれ独立に昇降するように構成される。固定プ
レス金型部材75、76は第1のプレス金型71の両端部に対
向しており、このプレス金型71と協働して内側無端体13
と第2のゴム層52を挟持するものである。成形プレス金
型部材77は、第1のプレス金型71と協働して、ゴム層52
を内側無端体23に圧着するとともにベルトの歯形を成形
するものである。
固定プレス金型部材75、76は、例えば内部に形成された
水路に冷却水を通すことにより、常時室温に保持される
ように構成される。一方、成形プレス金型部材77は、内
部に加熱蒸気あるいは電気ヒータ等の加熱機構を有して
おり、またその熱容量は中央部ほど小さく、両端に近づ
くほど大きく定められている。すなわち、固定プレス金
型部材75、76の近傍において、成形プレス金型部材77の
熱容量は大きく、これにより成形プレス金型部材77の第
2のゴム層52との接触面における温度が全体にわたり均
一になる。
第1のプレス金型71は、固定プレス金型部材75、76に対
応した部位において冷却水等により冷却されて室温に保
持され、また成形プレス金型部材77に対応した部位にお
いて、両端ほど熱容量が大きくなるように加熱される。
すなわち、第1のプレス金型71の成形プレス金型部材77
に対応した部分の表面温度は全体にわたり均一である。
第1のプレス金型71の両端部に位置する2つの成形溝73
間の距離W1は、次の(1)式に従って定められる。すなわ
ち、 W1=2×π×(r−PLD値)×n/NX(1−c)・・・(1) ここで、r:ベルトを円形にした時における心線31の半
径、 n:成形プレス金型部材77に係合するベルト歯の数、 N:全てのベルト歯の数、 c:第1のプレス金型71を構成する材料の熱膨張係数 である。
またPLD値は、本実施例の場合、第3図に示すように心
線31の中心と歯底12、22との距離である。
一方、第2のプレス金型72の両端部に位置する2つの成
形溝74間の距離W2は、次の(2)式に従って定められる。
すなわち、 W2=2×π×(r+PLD値)×n/N×(1−d) ・・・
(2) ここで、d:第2のプレス金型72を構成する材料の熱膨張
係数 である。
(1)および(2)式から理解されるように、第1および第2
のプレス金型71、72を同じ金属材料から構成した場合、
c=dであるので、W1とW2は、PLD値の分だけ異なる。
つまり、第2のプレス金型72の両端の成形溝間距離W2
は、第1のプレス金型71の両端の成形溝間距離W1よりも
長く、その割合は、 W2/W1=(r+PLD値)/(r−PLD値) である。
次に第1図および第13図(a)、(b)を参照して、内
側無端体13と第2のゴム層52の圧着および歯形の成形を
行う工程を説明する。
内側無端体13と帆布18を被覆された第2のゴム層52とか
らなる円筒体はあらかじめ一対の歯付プーリ61、62に巻
回されている。まず第1のプレス金型71が上方へ変位し
てその歯溝73が内側無端体13の歯に係合する。そして第
13図(a)に示すように、固定プレス金型部材75、76が
下降して第2の帆布18の上から第2のゴム層52を押圧す
る。ここで、第2のプレス金型72の成形溝間距離W2は第
1のプレス金型71よりも長いので、第2のゴム層52は、
固定プレス金型部材75、76の係合により、第1および第
2のプレス金型71、72の成形溝間距離の差に対応する分
だけ伸張せしめられる。
この状態で、第13図(b)に示すように成形プレス金型
部材77が下降し、第2のゴム層52が内側無端体13に対し
て押圧される。しかして第1のプレス金型71と成形プレ
ス金型部材77による加熱および押圧により、内側無端体
13と第2のゴム層52のゴムが加硫してベルト歯が成形さ
れ、また内側無端体13の第1のゴム層51と第2のゴム層
52とが相互に圧着される。この時、固定プレス金型部材
75、76により押圧される部分は、加熱されないのでゴム
は加硫せず、ベルト歯の成形は行われない。
次いで、成形プレス金型部材77により成形されたベルト
歯のうち最も右側のベルト歯Rが左側の固定プレス金型
部材75の直下に位置するようにして内側無端体13と第2
のゴム層52が移動せしめられる。そして、以下同様にし
て、上述のプレス工程が繰り返され、ベルト歯が成形さ
れるとともに、第2のゴム層52が第1のゴム層51に圧着
される。この工程の間、第2のゴム層52は少しずつ引き
延ばされる。
このようにして、外側無端体23(第3図)が成形され、
その長さは内側無端体13よりもPLD値に対応した分だけ
長くなる。したがって、全周にわたって正確な歯形を有
し、しかも残留歪みを極力抑えられた両歯歯付ベルトが
得られる。また、本実施例は従来のように長尺の帯状体
を所定の長さに切断して切断面どうしを接着させるもの
ではなく、円筒体に成形したゴム層にプレス加工を施し
てベルト歯を形成するものであるから、製造が容易であ
り、また材料歩留りもよい。
なお、円筒体にベルト歯を成形するプレス工程は、本実
施例のものに限定されず、従来公知のいかなるプレス工
程を適用してもよい。
〔発明の効果〕
以上のように本発明によれば、全周にわたって正確な歯
形を有し、製造が容易であり、しかも材料歩留りの良い
両歯歯付ベルトを得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の製造方法を実施するための装置の一例
を示す断面図、 第2図は両歯歯付ベルトの概略の構成を示す斜視図、 第3図は両歯歯付ベルトの要部を示す断面図、 第4図は帆布を示す斜視図、 第5図は帆布を円筒状金型に被せる工程を示す斜視図、 第6図は円筒状金型に帆布が被せられた状態を示す断面
図、 第7図は円筒状金型に第1のゴム層を巻回する工程を示
す斜視図、 第8図はゴム層を巻回された円筒状金型を加硫缶に収納
した状態を示す斜視図、 第9図は第8図の工程後におけるゴム層と帆布を示す断
面図、 第10図は円筒状金型の心線を巻回する工程を示す斜視
図、 第11図は円筒状金型に第2のゴム層を巻回する工程を示
す斜視図、 第12図は円筒状金型から内側無端体を取り出すとともに
第2の帆布を被せる工程を示す斜視図、 第13図(a)は成形プレス金型部材が下降する前を示す
断面図、 第13図(b)は成形プレス金型部材が下降した後を示す
断面図である。 14……第1の帆布 18……第2の帆布 51……第1のゴム層 52……第2のゴム層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外周面に歯形を有する円筒状金型に、周方
    向に伸縮性を有する第1の帆布を被せるとともにこの帆
    布の外周に第1のゴム層を巻回する工程と、 上記円筒状金型の外周に設けられた第1の帆布および第
    1のゴム層を、短時間の間だけ加熱加圧してベルト歯を
    予備成形する工程と、 上記第1のゴム層の外周に心線を巻付けるとともに第2
    のゴム層を巻回して円筒体を成形する工程と、 上記円筒体を上記円筒状金型から離型するとともに、こ
    の離型された円筒体の外周に第2の帆布を被せる工程
    と、 上記第1の帆布、第1のゴム層、心線、第2のゴム層お
    よび第2の帆布からなる円筒体にプレス加工を施して上
    記第1および第2のゴム層を加硫させてベルト歯を成形
    する工程と を備えたことを特徴とする両歯歯付ベルトの製造方法。
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WO2008093669A1 (ja) 2007-01-30 2008-08-07 Murata Manufacturing Co., Ltd. 感光性ガラスペーストおよび多層配線チップ部品

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