JP3329736B2 - 歯付ベルトの製造方法 - Google Patents

歯付ベルトの製造方法

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JP3329736B2 JP20596998A JP20596998A JP3329736B2 JP 3329736 B2 JP3329736 B2 JP 3329736B2 JP 20596998 A JP20596998 A JP 20596998A JP 20596998 A JP20596998 A JP 20596998A JP 3329736 B2 JP3329736 B2 JP 3329736B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は歯付ベルトの製造方
法に係り、ミシン縫いした円筒状帆布におけるジョイン
ト部の位置を正確に設定でき、そしてジョイント部から
のゴムの滲み出しを無くして外観を良好にし、更に該ジ
ョイント部からの早期の亀裂や発音を防止した歯付ベル
トの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の歯付ベルトは、クロロプレンを原
料ゴムとするゴム配合物を歯部と背部に、SBR系のビ
ニルピリジンラテックスをラテックス成分とするRFL
(レゾルシン・ホルマリン・ラテックス)液にて接着処
理されたガラス繊維コードもしくはアラミド繊維コード
を心線に、そして捲縮加工されたナイロンを緯糸として
ベルト長手方向に使用されたカバー帆布から構成され、
自動車用OHC駆動(オーバーヘッドカム駆動)用のベ
ルトとして使用されている。
【0003】そして、上記のカバー帆布は一般にジョイ
ント部があり、帆布の端部を合わせて加熱溶融し接合す
るホットメルトジョイントや、またジョイント部の強度
を高めるためにミシンによりジョイントする方法が採用
されている。しかし、OHC駆動用歯付ベルトの場合に
は、エンジンルームのコンパクト化やFF化によって使
用する環境温度が高温となり、ホットメルトジョイント
では強度的に充分耐えることができないために、ミシン
ジョイントが主になっている。
【0004】更には、ミシンジョイント部が歯谷部や歯
底の角部に位置する場合には、ジョイント部のミシン糸
が大きく伸ばされ、最後には切断して帆布を開口させ、
亀裂を発生させることがあった。このため、本出願人は
特公平3−18821号公報においてこれを改善した。
この方法では、ミシン縫いした円筒状帆布の内側のジョ
イント部に針金を挿入し、これをモールドに挿入装着
し、コードをスピニングした後、上記針金を抜き取り、
この上に未加硫ゴムを積層して加硫することにより、ベ
ルトスリーブを作製していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ミシンジョイ
ント部の場合、ミシン縫いの強さは帆布の剛さや、また
ミシン縫いする際に帆布表面の状態によってその送り量
に変化(スリップ率の変化)が生じた場合などに変わり
やすく、これらの状態が変わった場合に、同じミシン縫
い条件でもミシン縫いの強さがバラツクことがあった。
そして、縫いが強くても、また弱くても、歯付ベルトが
不良になっていた。
【0006】例えば、縫いが強い円筒状帆布は、ジョイ
ント部が突き上がった形態になり、これを歯付ベルトの
製造に使用すると、ジョイント部の突き上がり部が歯部
内に埋設し、この部分から早期の亀裂が発生してベルト
走行時における早期のワレ不良の原因になっていた。
【0007】一方、縫いが弱くなると、モールドの歯部
表面に位置する帆布はコードで押さえられているために
動かないが、溝部の帆布はゴムの流れにより局部的にミ
シン糸が伸ばされ、歯付ベルトの製造中の未加硫ゴムが
この部分から溢れ出る、いわゆるパンク不良が発生し
た。これが発生したベルトはゴムがプーリに接するとき
に音が発生した。
【0008】本発明はこのような問題点を改善するもの
であり、ミシン縫いした円筒状帆布におけるジョイント
部の位置を正確に設定でき、そしてジョイント部からの
ゴムの滲み出しを無くして外観を良好にし、更に該ジョ
イント部からの早期の亀裂や発音を防止した歯付ベルト
の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本願の請求項1記
載の発明では、長さ方向に沿って所定間隔で設けた歯部
とその反対側に設けた背部との間に心線を埋設し、該歯
部の表面に帆布を被覆した歯付ベルトの製造方法におい
て、金属製の挿入棒を、円筒状帆布の外側に位置するミ
シン縫いしたジョイント部に差し込む工程と、上記挿入
棒を差し込んだ円筒状帆布を、挿入棒がモールド溝部に
位置するようにモールドに装着した後、モールド溝部に
設置した磁性体の磁力により挿入棒とともに円筒状帆布
を溝部に押し込んで予備成形体を作製する工程と、上記
挿入棒と磁性体を抜き取った後に予備成形体の上にコー
ドからなる心線をスピニングし、この上に未加硫ゴムを
積層し、そして該未加硫ゴムをモールド溝部に流し込む
ように加硫成型してベルトスリーブを作製する工程、か
らなる歯付ベルトの製造方法にある。
【0010】本発明では、上記金属製の挿入棒を差し込
んだ円筒状帆布を、挿入棒がモールド溝部に位置するよ
うにモールドに装着した後、モールド溝部に設置した磁
性体の磁力により挿入棒とともに円筒状帆布を溝部に押
し込んで予備成形体を作製する工程を設けており、この
予備成形体では帆布が挿入棒の容積分だけモールド溝部
に押し込まれた状態になっている。そのため、次の加硫
工程で未加硫ゴムが溝部に流れ込んでもジョイント部は
大きく変形せず、しかも大きな力を受けることがないた
めに、この部分からゴムの溢れ出る、パンク不良が発生
しにくくなる。
【0011】本願の請求項2記載の発明では、挿入棒が
鋭角の先端形状を有する丸形断面の細長い剛性体であ
り、ミシン縫い目のミシン糸と帆布との間に差し込まれ
る歯付ベルトの製造方法にあり、挿入棒がミシン縫い目
のミシン糸と帆布との間に挿入しやすくて、作業が容易
になる。
【0012】本願の請求項3記載の発明では、円筒状帆
布を、挿入棒がモールド溝部に位置するようにモールド
に装着した後、該挿入棒をモールドに設けた貫通孔に嵌
入し、かつモールド溝部の底面方向に向かって移動可能
に設置する歯付ベルトの製造方法であり、特に挿入棒を
モールドに設けた貫通孔に嵌入してモールド溝部の底面
方向に向かって移動可能に設置することにより、ミシン
縫いした円筒状帆布のジョイント部をモールド溝部に合
わせる位置合わせの作業も確実で、かつ迅速に行うこと
ができ、更には挿入棒のモールド溝部への移動を自由に
行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1〜図9はそれぞれ本発明に係
る歯付ベルトの製造工程を示している。そのうち図1は
使用する円筒状帆布の斜視図である。この円筒状帆布1
は平織物、綾織物、朱子織物等からなり、ベルト長手方
向の緯糸2はアラミド繊維、6ナイロン、6.6ナイロ
ン、12ナイロン等のポリアミド繊維、ポリエステル繊
維、ポリビニルアルコール繊維等であり特に限定されな
いが、中でもパラ系アラミド繊維のマルチフィラメント
糸を含んだ糸が好ましい。このパラ系アラミド繊維のマ
ルチフィラメント糸にメタ系アラミド繊維からなる糸を
含めることができる。
【0014】具体的な緯糸2の構成は、パラ系アラミド
繊維のマルチフィラメント糸、メタ系アラミド繊維から
なる紡績糸、そしてウレタン弾性糸の3種の糸を合撚し
たものである。また、他の緯糸2構成は、パラ系アラミ
ド繊維のマルチフィラメント糸、脂肪族繊維糸(6ナイ
ロン、6.6ナイロン、ポリエステル、ポリビニルアル
コール等)、そしてウレタン弾性糸の3種の糸を合撚し
たものでもよい。
【0015】また、円筒状帆布1の経糸3としては、パ
ラ系アラミド繊維、メタ系アラミド繊維からなるアラミ
ド繊維のフィラメント糸、6ナイロン、6.6ナイロ
ン、12ナイロン等のポリアミド、ポリビニルアルコー
ル、ポリエステル等のフィラメント糸からなる。好まし
くは、アラミド繊維のフィラメント糸が緯糸2にパラ系
アラミド繊維のフィラメント原糸を収束したマルチフィ
ラメント糸を使用すれば、剛性のバランスが取れ、均一
な厚みのカバー帆布になる。
【0016】上記パラ系アラミド繊維のマルチフィラメ
ント糸は、0.3〜1.2デニールのフィラメント原糸
を複数収束したものを複数本寄せ集めたマルチフィラメ
ント糸、あるいは0.3〜1.2デニールのフィラメン
ト原糸を複数収束したマルチフィラメント糸であり、例
えば商品名ケブラー、テクノーラ、トワロンからなって
いる。このフィラメント原糸の太さが0.3デニール未
満であると、ベルト長手方向のカバー帆布の引張強さが
低下し、またプーリとの接触による耐摩耗性に劣ってく
る。一方、フィラメント原糸の太さが1.2デニールを
越えると、製織後においてカバー帆布として接着処理を
する際に、その過程でパラ系アラミド繊維のマルチフィ
ラメント糸を打込んだ方向の糸の剛性が過大になるた
め、帆布としての経糸と緯糸のバランスが取れなくなっ
て、布厚みの不均一でシワが発生した状態となり、均一
なPLD値が要求される歯付ベルトには使用できない。
【0017】また、ベルト長手方向の緯糸は、全量の2
0〜80重量%がパラ系アラミド繊維のマルチフィラメ
ント糸が好ましい。この理由として、20重量%未満で
はベルト長手方向の帆布の引張強さが低下し、高負荷で
のベルト走行時に歯欠けが発生しやすくなり、また一方
80重量%を越えると、パラ系アラミド繊維のマルチフ
ィラメント糸の打込み方向の剛性が前記理由と同じく過
大になるため、均一な厚みの帆布を得ることできなくな
るためである。
【0018】ジョイント部4は、円筒状帆布1の端部を
突き合わせて、6ナイロン、6.6ナイロン、12ナイ
ロン等のポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、
アラミドなどのフィラメント撚糸、モノフィラメント糸
よりなるミシン糸6を通して縫い合わせる。
【0019】上記帆布1は、RFL液、イソシアネート
溶液あるいはエポキシ溶液によって予め処理される。R
FL液はレゾルシンとホルマリンとの初期縮合物をラテ
ックスに混合したものであり、ここで使用するラテック
スとしてはスチレン. ブタジエン. ビニルピリジン三元
共重合体、水素化ニトリルゴム、クロロスルフォン化ポ
リエチレン、エピクロルヒドリンなどのラテックスであ
る。
【0020】円筒状帆布1のミシン縫いの強さは、ミシ
ン縫い目のミシン糸と帆布との間に挿入棒を押し込む抵
抗値によって測定され、通常1〜5kgの範囲に設定さ
れた大きさのものを使用する。この測定方法は、先端が
鋭角の針状態になった金属製で長さ200〜500m
m、直径1〜3mmの差込棒をテンションゲージに溶接
にて装着したミシン縫い強さ測定治具を使用して挿入時
における機械的な抵抗値を測定するもので、具体的には
差込棒を円筒状帆布外側のミシン縫い目のミシン糸と帆
布との間に100〜400mm程度差し込み、押し込み
圧である機械的抵抗値の最大値をテンションゲージによ
り定量的に測定できる。ミシン縫いの強さが小さい場合
には、機械的な抵抗値は小さく、逆にミシン縫いの強さ
が大きい場合には、機械的な抵抗値は大きくなる。
【0021】本発明の場合、機械的な抵抗値が1kg未
満になると、ミシン糸が伸ばされ、加硫成型中において
未加硫ゴムがジョイント部4から溢れ出ることがあり、
一方抵抗値が5kgを超えると、ジョイント部4で突き
上がった形態になり、これを使用すると、ジョイント部
4の突き上がり部が歯部21内に埋設し、この部分から
早期の亀裂が発生し、ベルト走行時のワレ不良になる。
【0022】図2及び図3は挿入棒10を円筒状帆布の
外側に位置するミシン縫いしたジョイント部4に差し込
んだ状態を示している。挿入棒10は先端が鋭角形状
で、断面が円形、楕円形のような丸形の細長い針金、樹
脂棒のような金属製であり、円筒状帆布1外側のミシン
縫い目のミシン糸6と帆布1との間に差し込まれ、円筒
状帆布1の全幅にまたがっている。
【0023】挿入棒10はモールド溝部12に充分に侵
入できる程度の断面積を有しているが、その断面積は通
常モールド溝部12の容積の5〜50%が好ましい。5
%未満になると、下記に示すように加熱加圧によって該
円筒状帆布1を挿入棒10とともにモールド溝部12に
押し込んで予備成形体8を作製する工程において、円筒
状帆布1の変形量が少なく、加硫成型中においてゴムの
流れによる帆布の変形量が多くなり、未加硫ゴムがジョ
イント部4から溢れ出ることがある。一方、50%を越
えると、挿入棒10がジョイント部4に差し込みにく
く、外側のミシン糸6が伸ばされてジョイント部4の変
形や切断が起こりやすくなる。
【0024】図4は挿入棒10を差し込んだ円筒状帆布
1を、挿入棒10がモールド溝部12に位置するように
モールド11に挿入している状態を示している。挿入棒
10はジョイント部4を正確にモールド溝部12に位置
することができる。特に、円筒状帆布1を正確に位置固
定するために、図5に示すようにモールド11のフラン
ジ部13に一定間隔で貫通孔15を配し、挿入棒10の
端部を該貫通孔15に嵌入して係止すればよい。上記貫
通孔15は挿入棒10がモールド溝部12の底面方向へ
向かって移動出来る程度の大きさである。
【0025】しかして、本発明では磁性体17がモール
ド溝部12内に予め配置固定されている。この磁性体1
7が金属製の挿入棒10を磁力によって引き付けて円筒
状帆布1をモールド溝部12に押し込めた予備成形体8
を作製する。即ち、図7に示すように、この予備成形体
8では円筒状帆布1が挿入棒10の容積分近くモールド
溝部12に押し込まれた状態になっている。
【0026】この予備成形体8を作製する工程は、室温
下でも実施可能であり、無論雰囲気温度を50〜80°
Cに設定した条件下であってもよい。また、磁性体17
はモールド溝部12の長手方向に沿って所定間隔をおい
て複数個配置してもよく、また細長い棒状体であって該
棒状体の中に磁性体を一定間隔で配置した一体物を使用
することができる。本発明では、後者の方がモールドか
ら容易に除去することができるために、好ましい。
【0027】予備成形体8を作製すると、挿入棒10を
円筒状帆布1から抜き取るとともに磁性体17をモール
ド溝部12から除去する。このとき、ジョイント部4の
変形は応力緩和により元に戻ろうする。しかし、ジョイ
ント部4がいったん変形すれば、その後の加硫工程にお
いて未加硫ゴムが溝部に流れ込んでもジョイント部が大
きな力を受けることなく変形するために、この部分から
ゴムの溢れ出るパンク不良が発生しにくくなる。
【0028】その後、上記の予備成形体8を装着したモ
ールド11は、図8に示すように、その上に心線21を
形成するガラス繊維コードあるいはアラミド繊維コード
をスパイラルに巻き付け、そして歯部22及び背部23
を形成する未加硫ゴム24を積層した後、これにジャケ
ットを被せ加硫缶中で加硫する。加硫成型中、ゴムの流
れによって円筒状帆布1とともにモールド溝部12へ流
し込み、ベルトスリーブを作製する。加硫したベルトス
リーブをモールド11から抜き取った後、これを切断機
の2つの軸に取り付け、張力を与えて回転させながら、
カッターによって所定幅に切断して歯付ベルト20を作
製する。
【0029】上記の未加硫ゴム24としては水素化ニト
リルゴムを始めとして、水素化ニトリルゴムに不飽和カ
ルボン酸の金属塩を添加したもの、クロロスルホン化ポ
リエチレン(CSM)、アルキル化クロロスルホン化ポ
リエチレン(ACSM)、クロロプレンゴムなどの耐熱
老化性の改善されたゴムが好ましい。尚、水素化ニトリ
ルゴムは水素添加率が80%以上であり、耐熱性及び耐
オゾン性の特性を発揮するためには90%以上が良い。
水素添加率80%未満の水素化ニトリルゴムは、耐熱性
及び耐オゾン性は極度に低下する。
【0030】図9は本発明に係る歯付ベルトの側面図で
あり、歯付ベルト20はベルト長手方向に沿って複数の
歯部22とガラス繊維コードあるいはアラミド繊維コー
ドからなる心線21を埋設した背部23とからなり、上
記歯部22の表面には円筒状帆布1が貼着され、また帆
布1のジョイント部4が大きく歯部22内に侵入せず、
またミシン糸6も伸張していない。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例にて詳細に説明する。 実施例1 帆布の経糸に1.5デニールのパラ系アラミド繊維のフ
ィラメント原糸を収束した200デニールのフィラメン
ト糸と、そして緯糸(テクノーラ200D /2本とコー
ネックス30番手とスパンデックス140D /1本から
なる)と緯糸(テクノーラ200D /1本)を使用し、
織時組織(経110本/5cm、緯120本/5cm)
からなる2/2綾織帆布を製織した。製織後、帆布を水
中にて振動を与えて製織時の幅の約1/2幅まで収縮さ
せた後、水素化ニトリルゴム配合物をメチルエチルケト
ン中に溶解し、イソシアネートを添加した処理液に浸
漬、乾燥し0.9mmの処理帆布とした。上記帆布は緯
糸方向をベルトの長手方向に使用した。
【0032】上記の処理帆布を所定長さに切断した後、
帆布の端部を突き合わせ、ミシン糸として6ナイロンの
モノフィラメント糸を使用し、また帆布の送り速度を調
節して円筒状帆布1を作製した。そして、円筒状帆布1
の外側にミシン糸6と帆布1との間に直径2.5mm、
長さ1200mmの針金からなる挿入棒10を差し込ん
だ。
【0033】心線21として、溶融紡糸され、シランカ
ップリング剤で表面処理された素線径約9μmのガラス
繊維フィラメント約200本を束ねてストランドとし、
3本のストランドを引き揃えてRFL液中に浸漬し、1
30°Cで2分間乾燥、250〜300°Cで2分間ベー
キング後、下撚りを約12回/10cmにてS方向に撚
った下撚り糸と、同回数Z方向に撚った下撚り糸を準備
した。
【0034】次にS方向の下撚り糸を13本引き揃え、
上撚りを約8回/10cmの割合でZ方向に撚られたガ
ラス繊維コードとし、また同様にZ撚り下撚り糸を同様
に13本引き揃え、S方向に8回/10cmの撚り数の
ガラス繊維コードとした。そして、RFL処理ガラス繊
維コードを背部、歯部そして歯布に接着させるために、
更にゴム組成物を溶剤に溶解させ、イソシアネートを添
加したオーバーコート液に浸漬、乾燥させて心線となる
ガラス繊維コードを作製した。
【0035】歯付ベルトの作製では、1本の棒状の磁性
体17をモールド溝部12の長手方向に沿って装着した
モールド11を用意した。室温雰囲気下で金属製の挿入
棒10を差し込んだ円筒状帆布1を、挿入棒10がモー
ルド溝部12に位置するようにモールド11に挿入して
装着した。磁性体17が金属製の挿入棒10を磁力によ
って引き付けてジョイント部4をモールド溝部12に押
し込めた予備成形体8を作製した。
【0036】挿入棒10を円筒状帆布1から抜き取ると
ともに磁性体17をモールド溝部12から除去した。そ
して、この予備成形体8の上に前記ガラス繊維コードを
スピニングした後、更に水素化ニトリルゴム配合物から
なるゴムシートを巻き付けた。続いて、これを従来通り
に加硫して、得られた加硫ベルトスリーブを所定の幅に
切断して個々のベルトを得た。ベルトのサイズは105
S8M19(ベルトの歯型:STPDタイプ、歯数:1
05、ベルト幅:19.1mm、歯ピッチ:8mm)で
あった。得られた複数の歯付ベルトのジョイント部4を
外観検査した結果、いずれのベルトにおいてもゴムの滲
み出しは観測されなかった。
【0037】また、歯付ベルトを高負荷走行での歯欠け
に至る走行時間を測定した。ここで使用する走行試験機
は駆動プーリ(歯数21)、従動プーリ(歯数21)、
そしてアイドラープーリ(歯数21)の3軸からなり、
これらのプーリに歯付ベルトを巻き付け、従動プーリと
の噛み合い歯数を6歯に設定した。このようにして歯付
ベルトを雰囲気温度120°C、駆動プーリの回転数
6,000rpm、従動プーリの負荷7馬力での歯欠け
に至る走行時間を測定した。その結果、歯欠けに至る走
行時間は平均480時間であった。
【0038】比較例1 挿入棒10を上記円筒状帆布1内側のジョイント部4に
差し込み、この円筒状帆布1を、挿入棒10がモールド
溝部12に位置するようにモールド11に挿入して装着
した後、挿入棒10を抜き取り、該帆布1の上に実施例
と同様のガラス繊維コードをスピニングした後、更に水
素化ニトリルゴム配合物からなるゴムシートを巻き付け
た。続いて、これを実施例と同様に加硫して、得られた
加硫ベルトスリーブを所定の幅に切断して個々のベルト
を得た。ベルトスリーブから得られた複数の歯付ベルト
のジョイント部を外観検査すると、一部のベルトでジョ
イント部がわずかに黒ずみ、ゴムの滲み出しが見られ
た。また、歯欠けに至る走行時間は平均400時間であ
った。
【0039】この結果、実施例では、外観検査でも帆布
のジョイント部が歯部内に大きく侵入せず、しかもミシ
ン糸も伸ばされてゴムの滲み出も観察されなかった。ま
た、実施例の歯付ベルトを高負荷走行せさた場合でも、
ジョイント部からの亀裂も見られず、歯欠けに至る走行
時間も改善させていることが判る。
【0040】
【発明の効果】以上のように本願の請求項1記載の発明
では、金属製の挿入棒を差し込んだ円筒状帆布を、挿入
棒がモールド溝部に位置するようにモールドに装着した
後、モールド溝部に設置した磁性体の磁力により挿入棒
とともに円筒状帆布を溝部に押し込んで予備成形体を作
製する工程を設けており、この予備成形体では帆布が挿
入棒の容積分だけモールド溝部に押し込まれた状態にな
っている。そのため、次の加硫工程で未加硫ゴムが溝部
に流れ込んでもジョイント部は大きく変形せず、しかも
大きな力を受けることがないために、この部分からゴム
の溢れ出る、パンク不良が発生しにくくなる効果があ
る。
【0041】本願の請求項2記載の発明では、挿入棒が
鋭角の先端形状を有する丸形断面の細長い剛性体であ
り、ミシン縫い目のミシン糸と帆布との間に差し込まれ
る歯付ベルトの製造方法にあり、挿入棒がミシン縫い目
のミシン糸と帆布との間に挿入しやすくて、作業が容易
になる効果がある。
【0042】本願の請求項3記載の発明では、円筒状帆
布を、挿入棒がモールド溝部に位置するようにモールド
に装着した後、該挿入棒をモールドに設けた貫通孔に嵌
入し、かつモールド溝部の底面方向に向かって移動可能
に設置する歯付ベルトの製造方法であり、特に挿入棒を
モールドに設けた貫通孔に嵌入してモールド溝部の底面
方向に向かって移動可能に設置することにより、ミシン
縫いした円筒状帆布のジョイント部をモールド溝部に位
置させる位置合わせの作業も確実で、かつ迅速に行うこ
とができ、更には挿入棒のモールド溝部への移動を自由
に行うことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る歯付ベルトの製造方法において使
用するミシン縫いした円筒状帆布の斜視図である。
【図2】挿入棒をミシン縫いした円筒状帆布の外側に位
置するジョイント部に差し込んだ状態を示す図である。
【図3】図2に示すジョイント部の拡大図である。
【図4】挿入棒を差し込んだ円筒状帆布を、挿入棒がモ
ールド溝部に位置するようにモールドに挿入している状
態を示す正面図である。
【図5】貫通孔を有するモールドのフランジ部の部分拡
大図である。
【図6】挿入棒を差し込んだ円筒状帆布をモールドに装
着した直後のモールド溝部の部分拡大図である。
【図7】挿入棒を差し込んだ円筒状帆布をモールドに装
着した後のモールド溝部の部分拡大図である。
【図8】予備成形体の上にコードからなる心線をスピニ
ングした後、未加硫ゴムを積層した成形している状態を
示すモールドの断面図を示す。
【図9】本発明の方法によって得られた歯付ベルトの側
面図である。
【符号の説明】
1 円筒状帆布 4 ジョイント部 6 ミシン糸 8 予備成形体 10 挿入棒 11 モールド 12 モールド溝部 13 フランジ 15 貫通孔 17 磁性体 21 心線 24 未加硫ゴム
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−150141(JP,A) 特開 平6−39944(JP,A) 特開 平11−90997(JP,A) 特開 平9−309157(JP,A) 特公 昭3−18821(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29D 29/08 F16G 1/28

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長さ方向に沿って所定間隔で設けた歯部
    とその反対側に設けた背部との間に心線を埋設し、該歯
    部の表面に帆布を被覆した歯付ベルトの製造方法におい
    て、 金属製の挿入棒を円筒状帆布の外側に位置するミシン縫
    いしたジョイント部に差し込む工程と、 上記挿入棒を差し込んだ円筒状帆布を、挿入棒がモール
    ド溝部に位置するようにモールドに装着した後、モール
    ド溝部に設置した磁性体の磁力により挿入棒とともに円
    筒状帆布をモールド溝部に押し込んで予備成形体を作製
    する工程と、 上記挿入棒と磁性体を抜き取った後に予備成形体の上に
    コードからなる心線をスピニングし、この上に未加硫ゴ
    ムを積層し、そして該未加硫ゴムをモールド溝部に流し
    込むように加硫成型してベルトスリーブを作製する工
    程、 からなることを特徴とする歯付ベルトの製造方法。
  2. 【請求項2】 挿入棒が鋭角の先端形状を有する丸形断
    面の細長い剛性体であり、ミシン縫い目のミシン糸と帆
    布との間に差し込まれる請求項1記載の歯付ベルトの製
    造方法。
  3. 【請求項3】 円筒状帆布を、挿入棒がモールド溝部に
    位置するようにモールドに装着した後、挿入棒をモール
    ドに設けた貫通孔に嵌入し、かつモールド溝部の底面方
    向に向かって移動可能に設置する請求項1記載の歯付ベ
    ルトの製造方法。
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