JP4642970B2 - 動力伝動用ベルトとその製造方法 - Google Patents

動力伝動用ベルトとその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4642970B2
JP4642970B2 JP2000149176A JP2000149176A JP4642970B2 JP 4642970 B2 JP4642970 B2 JP 4642970B2 JP 2000149176 A JP2000149176 A JP 2000149176A JP 2000149176 A JP2000149176 A JP 2000149176A JP 4642970 B2 JP4642970 B2 JP 4642970B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cog
rubber layer
reinforcing cloth
power transmission
transmission belt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2000149176A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001330082A (ja
Inventor
武彦 伊東
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsuboshi Belting Ltd filed Critical Mitsuboshi Belting Ltd
Priority to JP2000149176A priority Critical patent/JP4642970B2/ja
Publication of JP2001330082A publication Critical patent/JP2001330082A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4642970B2 publication Critical patent/JP4642970B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はスノーモービル、スクーター及び一般産業用の変速ベルトとして使用される動力伝動用ベルトとその製造方法に係り、詳しくは補強布を重ねたオーバーラップ部から発生する内側帆布の末端のシワ発生を阻止するとともに早期の亀裂発生を抑制し、ベルト走行寿命を向上させた高負荷伝動に最適な動力伝動用ベルトとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、スクーターまたは一般産業用の機械分野の駆動系において、駆動プーリと従動プーリに動力伝動用ベルトを懸架し、プーリの有効径を変化させて変速させるベルト式変速装置が用いられている。ここで使用されている動力伝動用ベルトは圧縮ゴム層と伸張ゴム層の少なくとも一方のゴム層にコグ山部とコグ谷部を交互に配したコグ部を有し、心線を接着ゴム層内に埋設した構成からなり、ローエッジシングルコグベルトあるいはローエッジダブルコグベルトなどのローエッジコグベルトとして知られている。
【0003】
上記ローエッジコグベルトの製造方法としては、予め用意したベルト周長よりも長い平面状のゴク付母型の上に未加硫ゴムシートを設置し、プレスにより加熱加圧してコグ形状に型付けしたコグパッドを作製する。このコグパッドを成形ドラム上に装着した円筒状母型の凹条部と凸条部に嵌め込み、コグパッドのカット面を突き合わせてジョイントした後、心線を巻き付け、更に他のゴム層、補強布をこの上から巻き付けて成型を終え、加硫工程へ移行していた。
【0004】
上記コグパッドは、1ないし数プライの補強布と未加硫ゴムシートとの積層体であって、長さ方向に一定ピッチでコグ山部とコグ谷部を交互に有している。
【0005】
従来、このコグパッドの切断は、熟練作業者の手作業によって行われており、作業者は予めベルト周長に合わせてコグ数を数えて、切断するコグ谷部にチョークで印をつけた後、一方のコグ山部(コグ部の頂部)をカッターによって切断し、また他方のコグ山部を同様に切断していた。
【0006】
そして、上記コグパッドの一方の端部において補強布の末端部を除去して未加硫ゴムシートを露出させ、他方の端部において補強布を未加硫ゴムシートの切断面から突出するように切断加工した後、該コグパッドを溝付きモールドに巻き付けて切断面を当接させ、かつ補強布の末端を重ねてオーバーラップジョイントを行っていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この方法で得られた成形体を加硫すると、図7に示すようにベルト動力伝動用ベルトのコグ部50では、加硫時において補強布の外側帆布51が突っ張るために内側帆布52を引き付け、その結果内側帆布52がコグ谷部53でシワ54を発生させていた。このベルトを走行させると、コグ谷部53が繰り返しの屈曲点となり、このシワ54から早期に亀裂が発生することがあった。これらが成長して本格的な亀裂になって、ベルトを破損させていた。
【0008】
そこで、本発明は上記に関わるような問題点を解消し、補強布の端部を重ねたオーバーラップ部から発生する内側帆布の末端付近のシワ発生を阻止するとともに早期の亀裂発生を抑制し、ベルト走行寿命を向上させた高負荷伝動に最適な動力伝動用ベルトとその製造方法の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本願請求項1記載の発明は、圧縮ゴム層と伸張ゴム層の少なくとも圧縮ゴム層にコグ山部とコグ谷部を交互に配したコグ部を有し、心線を接着ゴム層内に埋設し、そして少なくとも圧縮ゴム層のコグ部表面に補強布を積層した動力伝動用ベルトにおいて、上記補強布の端部を重ねたオーバーラップ部における内側帆布の末端をコグ山部の一方の側壁面に設け、また外側帆布の末端を同じコグ山部の他方の側壁面に設けた動力伝動用ベルトにある。
即ち、本発明の動力伝動用ベルトでは、補強布の端部を重ねたオーバーラップ部における内側帆布の末端をコグ山部の一方の側壁面に設け、また外側帆布の末端を同じコグ山部の他方の側壁面に設けたことによって、内側帆布の端部にはシワが発生せず、コグ谷部から早期に亀裂が発生しなくなり、またオーバーラップ部の重ね代も十分とることができてこの部分からの剥離も起こりにくくなる。
【0010】
本願請求項2記載の発明は、コグ部に配したゴム層のジョイント部が補強布の端部を重ねたオーバーラップ部の存在するコグ山部に隣接したコグ山部の領域内に存在する動力伝動用ベルトであり、これによってジョイント部からの亀裂も発生しにくくなる。
【0011】
本願請求項3記載の発明は、圧縮ゴム層と伸張ゴム層の少なくとも圧縮ゴム層にコグ山部とコグ谷部を交互に配したコグ部を有し、心線を接着ゴム層内に埋設し、そして少なくとも圧縮ゴム層のコグ部表面に補強布を積層した動力伝動用ベルトの製造方法において、
凹条部と凸条部を交互に有する平坦なコグ付き型に補強布と未加硫ゴムシートを積層するとともに一方の端部の補強布と未加硫ゴムシートとが剥離可能な状態で加圧形成して型付けしてコグ山部とコグ谷部を有するコグパッドを作製する工程、
上記コグパッドの一方の端部における補強布を剥離して未加硫ゴムシートを露出させ、他方の端部における補強布を未加硫ゴムシートの切断面から突出するように末端加工する工程、
該コグパッドを溝付きモールドに巻き付けて切断面を当接させ、かつ補強布の端部を重ねたオーバーラップ部における内側帆布の末端をコグ山部の一方の側壁面に設け、また外側帆布の末端を同じコグ山部の他方の側壁面に設ける工程、
心線と伸張ゴム層を構成する材料を順次巻き付けて成形体を作製した後、加硫し、得られた加硫スリーブをV状に切断して動力伝動用ベルトを作製する工程、からなる動力伝動用ベルトの製造方法にある。
【0012】
この発明では、補強布の端部を重ねたオーバーラップ部における内側帆布の末端をコグ山部の一方の側壁面に設け、また外側帆布の末端を同じコグ山部の他方の側壁面に設けたことによって、加硫中に外側帆布の端部が内側帆布を引張る力も小さいために内側帆布の端部にはシワが発生せず、コグ谷部から早期に亀裂が発生しなくなり、またオーバーラップ部の重ね代も十分とることができてこの部分からの剥離も起こりにくくなる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を添付図面に従って説明する。
図1は本発明に係る動力伝動用ベルトの部分正面図である。
本発明の動力伝動用ベルト1は、接着ゴム層2内にポリエステル繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等のコードからなる心線3が埋め込まれ、接着ゴム層2の上部、下部にはそれぞれ補強布4とゴム層5を積層した伸張ゴム層6、また同様に補強布4とゴム層5を積層した圧縮ゴム層7がある。伸張ゴム層6および圧縮ゴム層7には、それぞれ一定ピッチでベルト長手方向に沿ってコグ谷部8とコグ山部9とを交互に配した上下コグ部11、12が設けられている。
【0014】
上記下コグ部12では、ジョイント部14がコグ山部の領域a内に存在し、心線3との角度θが60〜90°、好ましくは65〜90°のバイアスであり、接着ゴム層2のゴムもほとんどジョイント部14へ流れ込むこともなく、亀裂の発生しやすい個所が少なくなってベルト走行寿命も向上する。即ち、バイアスのジョイント部14は接着ゴム層2の流れ込みを防止する役割を果たしている。
【0015】
一方、ジョイント部14の一端がコグ山部9の領域aを越えてコグ谷部8まで侵入する場合には、接着ゴム層2のゴムがコグ谷部8の領域のジョイント部14まで侵入し、この結果コグ谷部8の領域は屈曲疲労を受けやすくなって短時間に亀裂が発生する。
【0016】
また、下コグ部12のジョイント部14がコグ山部9の領域a内に存在し、心線3との角度が直角であってもよい(図示せず)。ジョイント部14が垂直面であるため、接着ゴム層2のゴムのジョイント部14への流れ込みが起こり易くなっているが、この流れ込みもコグ山部9のみで、しかも深くまで侵入していないことから、屈曲疲労性に大きな影響を与えない。
【0017】
しかして、上記補強布4の端部を重ねたオーバーラップ部17では、内側帆布18の末端19がコグ谷部8の最底部20を超えることなくコグ山部9の側壁面21aにあり、他方外側帆布23の末端24も同じコグ山部9の他方の側壁面21bにあり、オーバーラップ部17の量ね代を十分にとることができる。これによって内側帆布18の末端19にはシワが発生せず、コグ谷部8から早期に亀裂が発生しなくなる。
【0018】
上記コグ山部の側壁面21a、21bは、比較的平坦な側面とコグ山部の最頂部25を含む側壁であり、コグ谷部8の最底部20とこの付近の底面を含まなければよい。
【0019】
上記圧縮ゴム層7および伸張ゴム層6になるゴムは、天然ゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、アルキル化クロロスルファン化ポリエチレン、水素化ニトリルゴム、水素化ニトリルゴムと不飽和カルボン酸金属塩との混合ポリマー等のゴム材の単独、またはこれらの混合物が使用される。
【0020】
そして、上記圧縮ゴム層7および伸張ゴム層6には、アラミド繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、綿等の繊維からなり繊維の長さは繊維の種類によって異なるが1〜10mm程度の短繊維が用いられ、例えばアラミド繊維であると3〜5mm程度、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、綿であると5〜10mm程度のものが用いられる。そして、上記ゴム層中の短繊維の方向はベルトの長手方向に対して直角方向を向いているのを90°としたときほとんどの短繊維が70°〜110°の範囲内に配向されていることが望ましい。
接着ゴム層2には、上記短繊維を含めてもよいが、好ましくは含めない。
【0021】
補強布4は綿、ポリエステル繊維、ナイロン等からなり、平織、綾織、朱子織等に製織した布で、経糸と緯糸との交差角が90〜120°程度の広角度帆布でもよい。補強布4はRFL処理した後、ゴム組成物をフィリクション・コーチングしてゴム付帆布とする。RFL液はレゾルシンとホルマリンとの初期縮合物をラテックスに混合したものであり、ここで使用するラテックスとしてはクロロプレン、スチレン・ブタジエン・ビニルピリジン三元共重合体、水素化ニトリルゴム(H−NBR)、NBRなどである。
【0022】
以下に、上記の動力伝動用ベルトの一種であるダブルコグベルトの製造方法を詳述する。
(1)第一工程はコグパッド30を作製する工程である。図2はコグパッド30の作製状態を示す図であり、凹条部31と凸条部32を交互に有する平坦なコグ付き型33を用意し、このコグ付き型33に補強布4と未加硫ゴムシート34を積層し、樹脂フィルム、離型紙等の離型部材35を一方の端部領域36aにある補強布4と未加硫ゴムシート34との間に介在させた後、40〜100°Cの所定温度に設定した条件下でプレス板により加圧成形し、型付けして図3に示すコグ山部37とコグ谷部38を有するコグパッド30を作製する。
上記未加硫ゴムシート34は圧縮ゴム層7と接着ゴム層2を形成するゴムシートを積層して使用することができる。
【0023】
(2)第二工程はコグパッドの末端加工工程である。図3はこのコグ付き型33からコグパッド30を取り出して、補強布4を上面においた状態のコグパッドの正面図を示す。まず、一方の端部領域36aにある補強布4と未加硫ゴムシート34とを剥離し、この間に介在していた離型部材35を除去した後、未加硫ゴムシート34を幅方向に沿ってコグ山部37の頂部をカッターで切断し、また補強布4をハサミ、カッター等で切断する。そして、補強布4の末端部39を未加硫ゴムシート34の切断面40から2コグ分以内の長さに突出させる。
【0024】
他方の端部領域36bでは、補強布4と未加硫ゴムシート34を幅方向に沿ってコグ山部37の頂部をカッターで切断し、更に未加硫ゴムシートの切断面40から1ゴク分程度の長さだけ後退した位置にある補強布4に幅方向に沿って切れ目41を入れた後、端部の補強布4を除去して未加硫ゴムシート34を露出させる。このように末端加工したコグパッド30の正面図を図4に示す。
【0025】
(3)第三工程は補強布のオーバーラップ部に係る処理工程である。図5に示すように、成形機(図示せず)に歯部43と溝部44を交互に有するた溝付きモールド45を装着し、該溝部44にコグ山部37を嵌合しながら上記の末端加工したコグパッド30を、切断面40が当接してジョイント部45となるように溝付きモールド45に巻き付け、かつ補強布4の内側帆布18の末端19がコグ谷部8の最底部20を超えることなくコグ山部37の側壁面21aにあり、他方外側帆布23の末端24も同じコグ山部37の他方の側壁面21bにあり、オーバーラップ部17の量ね代が十分にとられている。
【0026】
(4)第四工程は成形工程であり、図6に示すように、心線3をスパイラルに巻き付け、その上に伸張ゴム層の未加硫ゴムシート46と1〜数枚の補強布4の積層物を巻き付けて、成形体47を作製する。
無論、本実施例では、上記歯部43と溝部44を交互に有する溝付きモールド45に代えて、円周方向に沿って所定の間隔で溝部を設けた加硫ゴム製の内母型を装着したモールドを使用することもできる。
そして、本実施例では、成形機から取り出した溝付きモールド45を支持台上に設置し、円周方向に沿って所定の間隔で設けた凹状部を有する、加硫ゴム製からなる母型(図示せず)、そしてジャケット(図示せず)を嵌入する。
【0027】
(5)第五工程として、成形体47を加硫缶へ移して通常の方法で加硫を行う。
加硫した後、ジャケット、母型、続いて円筒状のスリーブを溝付きモールド45から抜き取り、スリーブを所定幅に切断して図1に示すようなダブルコグベルト1に仕上げる。
【0028】
【実施例】
以下、更に具体的な実施例により本発明の効果を確認する。
実施例1
心線として、1,100デニールのポリエチレンテレフタレート繊維を上撚り数11.4回/10cm、下撚り数21.0回/10cmで上下逆方向に撚糸して2×3の撚り構成とし、トータルデニール6,600の未処理コードを準備した。次いで、この未処理コードをイソシアネート系接着剤でプレディプした後、約170〜180°Cで乾燥し,RFL液に浸漬した後、200〜240°Cで延伸熱固定処理を行なった処理コードを用いた。
【0029】
補強布として、綿の紡績糸を使用し平織帆布を用いた。これらの帆布をRFL液に浸漬した後、150°Cで2分間熱処理して処理帆布とした。その後、これらの処理帆布にゴム組成物をフリクション・コーチングしたゴム付帆布を用いた。
【0030】
圧縮ゴム層と伸張ゴム層にはアラミドの短繊維を含んだクロロプレンゴムからなる未加硫ゴムシートを用い、また接着ゴム層には短繊維を含まないクロロプレンゴムからなる未加硫ゴムシートを用いた。また、圧縮ゴム層と接着ゴム層の未加硫ゴムシートを予め積層したものを用意した。
【0031】
コグパッドとして、1枚の補強布と圧縮ゴム層用シートとの積層物を、歯部と溝部を交互に配した平坦なコグ付き型に設置し、80°Cで加圧することによってコグ部を型付けした。
【0032】
上記コグパッドの末端加工工程としては、上記コグパッドの一端に介在したポリエチレンフィルムを除去した後、未加硫ゴムシートを幅方向に沿ってコグ山部の頂部をカッターで約60度のバイアスに切断し、また補強布をハサミで切断し、補強布の末端を未加硫ゴムシートの切断面から約1コグ分の長さ突出させた。
他方の端部領域では、補強布と未加硫ゴムシートを幅方向に沿ってコグ山部の頂部をカッターで約60度のバイアスに切断し、更に未加硫ゴムシートの切断面から半ゴク分だけ後退した位置にある補強布に幅方向に沿って切れ目を入れた後、補強布を剥離して未加硫ゴムシートを露出させた。
【0033】
続いて、末端加工したコグパッドを円筒状モールドに装着した内母型に巻き付けて、切断面を当接し、かつ補強布の内側帆布の末端をコグ谷部の一方の側壁面に設け、また外側帆布の末端を同じコグ山部の他方の側壁面に設けるようにオーバーラップ部を形成した。
【0034】
更に、心線、伸張ゴム層の未加硫ゴムシート、補強布を順次巻き付けて成形体を作製した。続いて、モールドを支持台の所定位置に設置した後、6本のガイド棒を一定間隔で装着し、母型をガイド棒に沿って挿入した。
【0035】
上記全てのガイド棒を除去した後、ジャケットを被せてモールドを加硫缶に設置し、加硫してベルトスリーブを得た。このスリーブをカッターによってV状に切断してスノーモービル用のローエッジダブルコグベルトに仕上げた。
【0036】
得られたローエッジダブルコグベルトの補強布のオーバーラップ部では、内側帆布の末端と外側帆布の末端が同じコグ山部の側壁面に位置し、内側帆布の末端部分にはシワが発生していなかった。
【0037】
比較例1
本比較例のコグパッドの末端処理では、実施例1と同様に行って、補強布の末端を未加硫ゴムシートの切断面から1ゴク分強だけ突出させた。また、他方の端部領域では、1ゴク分弱の補強布を除去して未加硫ゴムシートを露出させた。
続いて、円筒状モールドに装着した内母型に、末端処理したコグパッドを巻き付けて切断面を当接し、かつ補強布の内側帆布の末端がコグ谷部の最底部を超えた位置に、また外側帆布の末端をコグ山部の最頂部を超えた位置に配置するように重ね代を大きくとったオーバーラップ部を形成した。
【0038】
このような状態で実施例1と同様に成形加硫して得られたローエッジダブルコグベルトの補強布のオーバーラップ部では、内側帆布の末端部分にはシワが発生した。
【0039】
【発明の効果】
以上のように本願請求項記載の発明では、補強布の端部を重ねたオーバーラップ部における内側帆布の末端をコグ谷部の一方の側壁面に設け、また外側帆布の末端を同じコグ山部の他方の側壁面に設けたことによって、加硫中に外側帆布の端部が内側帆布を引張る力も小さいために内側帆布にはシワが発生せず、コグ谷部から早期に亀裂が発生しなくなり、またオーバーラップ部の重ね代も十分とることができてこの部分からの剥離も起こりにくくなる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る動力伝動用ベルトの部分正面図である。
【図2】本発明に係る動力伝動用ベルトの製造方法において、コグパッドの作製状態を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る動力伝動用ベルトの製造方法において、コグ付き型から取り出したコグパッドの正面図を示す。
【図4】末端加工したコグパッドの正面図を示す。
【図5】本発明に係る動力伝動用ベルトの製造方法において、補強布のオーバーラップ部の拡大正面図である。
【図6】本発明に係る動力伝動用ベルトの製造方法において、ベルト成形体を作製している図である。
【図7】従来の動力伝動用ベルトの部分正面図である。
【符号の説明】
1 動力伝動用ベルト
2 接着ゴム層
3 心線
4 補強布
5 ゴム層
6 伸張ゴム層
7 圧縮ゴム層
8 コグ谷部
9 コグ山部
11 上コグ部
12 下コグ部
17 オーバーラップ部
18 内側帆布
19 末端
20 コグ谷部の最底部
21a コグ山部の側壁面
21b コグ山部の側壁面
23 外側帆布
24 末端
25 コグ山部の最頂部
30 コグパッド
33 コグ付き型
34 未加硫ゴムシート
35 離型部材
37 コグ山部
38 コグ谷部
39 補強布の末端部

Claims (3)

  1. 圧縮ゴム層と伸張ゴム層の少なくとも圧縮ゴム層にコグ山部とコグ谷部を交互に配したコグ部を有し、心線を接着ゴム層内に埋設し、そして少なくとも圧縮ゴム層のコグ部表面に補強布を積層した動力伝動用ベルトにおいて、上記補強布の端部を重ねたオーバーラップ部における内側帆布の末端をコグ山部の一方の側壁面に設け、また外側帆布の末端を同じコグ山部の他方の側壁面に設けたことを特徴とする動力伝動用ベルト。
  2. コグ部に配したゴム層のジョイント部が補強布の端部を重ねたオーバーラップ部の存在するコグ山部に隣接したコグ山部の領域内に存在する請求項1記載の動力伝動用ベルト。
  3. 圧縮ゴム層と伸張ゴム層の少なくとも圧縮ゴム層にコグ山部とコグ谷部を交互に配したコグ部を有し、心線を接着ゴム層内に埋設し、そして少なくとも圧縮ゴム層のコグ部表面に補強布を積層した動力伝動用ベルトの製造方法において、
    凹条部と凸条部を交互に有する平坦なコグ付き型に補強布と未加硫ゴムシートを積層するとともに一方の端部の補強布と未加硫ゴムシートとが剥離可能な状態で加圧形成して型付けしてコグ山部とコグ谷部を有するコグパッドを作製する工程、
    上記コグパッドの一方の端部における補強布を剥離して未加硫ゴムシートを露出させ、他方の端部における補強布を未加硫ゴムシートの切断面から突出するように末端加工する工程、
    該コグパッドを溝付きモールドに巻き付けて切断面を当接させ、かつ補強布の端部を重ねたオーバーラップ部における内側帆布の末端をコグ山部の一方の側壁面に設け、また外側帆布の末端を同じコグ山部の他方の側壁面に設ける工程、
    心線と伸張ゴム層を構成する材料を順次巻き付けて成形体を作製した後、加硫し、得られた加硫スリーブをV状に切断して動力伝動用ベルトを作製する工程、からなることを特徴とする動力伝動用ベルトの製造方法。
JP2000149176A 2000-05-22 2000-05-22 動力伝動用ベルトとその製造方法 Expired - Lifetime JP4642970B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000149176A JP4642970B2 (ja) 2000-05-22 2000-05-22 動力伝動用ベルトとその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000149176A JP4642970B2 (ja) 2000-05-22 2000-05-22 動力伝動用ベルトとその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001330082A JP2001330082A (ja) 2001-11-30
JP4642970B2 true JP4642970B2 (ja) 2011-03-02

Family

ID=18655071

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000149176A Expired - Lifetime JP4642970B2 (ja) 2000-05-22 2000-05-22 動力伝動用ベルトとその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4642970B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4772518B2 (ja) * 2006-01-31 2011-09-14 三ツ星ベルト株式会社 動力伝動用ベルトの製造方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62220741A (ja) * 1986-03-22 1987-09-28 Mitsuboshi Belting Ltd ロ−エツジコグ付vベルトおよびその製造方法
JPH06137381A (ja) * 1992-10-23 1994-05-17 Bando Chem Ind Ltd ベルト
JPH0722157U (ja) * 1993-09-27 1995-04-21 三ツ星ベルト株式会社 動力伝動用vベルト

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62220741A (ja) * 1986-03-22 1987-09-28 Mitsuboshi Belting Ltd ロ−エツジコグ付vベルトおよびその製造方法
JPH06137381A (ja) * 1992-10-23 1994-05-17 Bando Chem Ind Ltd ベルト
JPH0722157U (ja) * 1993-09-27 1995-04-21 三ツ星ベルト株式会社 動力伝動用vベルト

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001330082A (ja) 2001-11-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8002922B2 (en) Power transmission belt and method of making a power transmission belt
EP1150034B1 (en) Power transmission belt and a method of forming a power transmission belt
JP3745963B2 (ja) 動力伝動用ベルトとその製造方法
US6962639B2 (en) Power transmission belt and a method of forming a power transmission belt
JPS6369627A (ja) 歯付ベルトの製造方法
JP4642970B2 (ja) 動力伝動用ベルトとその製造方法
JP3833901B2 (ja) 動力伝動用ベルトの製造方法
JP2843549B2 (ja) ダブルコグベルトの製造方法
JP4094976B2 (ja) 伝動用ベルトの製造方法
JP4566320B2 (ja) 動力伝動用ベルトの製造方法
JP5329613B2 (ja) 動力伝動用ベルトの製造方法
JP4772518B2 (ja) 動力伝動用ベルトの製造方法
JP3069968U (ja) 動力伝動用ベルト
JP3713436B2 (ja) 動力伝動用ベルトの製造方法
JP2006132784A (ja) 動力伝動用ベルト
JP4094978B2 (ja) 伝動用ベルトの製造方法
JP3172102B2 (ja) 動力伝動用ベルトの製造方法
JP2005351317A (ja) 伝動用ベルト
JP3168164B2 (ja) ベルトスリーブ作製用ジャケットおよびその製造方法
JP2006150612A (ja) 伝動用ベルトの製造方法
JP2001041292A (ja) 動力伝動用ベルト
JP2002089631A (ja) 動力伝動用ベルト
JP2005199690A (ja) 伝動用ベルトの製造方法
JPH10323914A (ja) コグドベルトの製造方法とこれに使用する金型
JP2007051765A (ja) 動力伝動用ベルトとその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070509

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100817

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101008

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101130

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101202

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4642970

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131210

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term