JPH07103326B2 - 硬化性組成物 - Google Patents

硬化性組成物

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JPH07103326B2
JPH07103326B2 JP23229987A JP23229987A JPH07103326B2 JP H07103326 B2 JPH07103326 B2 JP H07103326B2 JP 23229987 A JP23229987 A JP 23229987A JP 23229987 A JP23229987 A JP 23229987A JP H07103326 B2 JPH07103326 B2 JP H07103326B2
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一也 原田
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は特性の著しく改善された活性エネルギー線硬化
性組成物に関し、更に詳しくは塗膜表面に耐擦傷性及び
帯電防止性を同時に付与する活性エネルギー線硬化性組
成物に関する。
(従来の技術) ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネイト樹脂
等より製造された合成樹脂成形品はガラス製品に比較し
て軽量かつ耐衝撃性に優れているばかりでなく、安価で
成形加工が容易であるなど種々の利点を有しており、有
機ガラス、照明器具カバー、眼鏡用レンズ、フィルタ
ー、サングラス、光学レンズなどの光学的用途、コンピ
ューター関係カバー、計器目盛板、透視パネルなどの電
器関係、その他自動車部品、建築材料など多くの分野で
その用途開発が進められている。しかし、これらの合成
樹脂成形品は、その表面の耐擦傷性が不足しているた
め、成形品の輸送中、部品の取付け時、あるいは使用中
に他の物体との接触、引っかきなどの作用によって表面
が損傷を受けることがしばしばある。さらに、合成樹脂
は本来、電気絶縁性に優れているが、その反面静電気が
発生しやすくホコリを吸着してその美観を損うなど、表
面特性に関する解決すべき問題点が多い。前者の問題点
に対しては、すでに合成樹脂成形品の表面に耐擦傷性の
皮膜を形成させる方法がいくつか工業的に採用されてお
り、かなりの用途分野においては実質的に問題が解決さ
れている。しかしながら、例えば計器の目盛板、透視パ
ネル等の用途においては単に耐擦傷性ばかりでなく、帯
電防止性をも兼備したコーティング剤に対する要求が強
い。
(発明が解決する問題点) 従来技術では市場の要求を充分に満足させるような耐擦
傷性と帯電防止性を同時に発現できるコーティング剤は
工業的には得られていない。例えば、日本特許231959に
は耐擦傷性のある帯電防止剤としてポリシロキサン系の
コーティング剤が記載されている。しかしながら、この
コーティング剤は耐擦傷性及び表面硬度も実用的には充
分でなく、硬化工程においても加温乾燥が必要でありさ
らに帯電防止を発現するまでには3〜5日も必要とする
など、生産性の点についてもまだ解決すべき問題点があ
る。また特開61−213271にはウレタンを主鎖としたカチ
オン性グラフトポリマーの有機溶媒溶液とウレタンを主
鎖としたアニオン性グラフトポリマーの有機溶媒とを混
合して得られるいわゆるポリイオンコンプレックス又
は、好ましくは更に水を添加した溶液からなる導電性塗
料が記載されている。しかし、ここではゲル状のポリイ
オンコンプレックスゲル又は更に水を加えて溶解した溶
液であるため物体の表面に塗布した後熱風乾燥工程が必
要であり、かつ、それを用いて得られる塗膜の耐擦傷
性、硬度は、ともに不充分であり、実用的にはほど遠い
ものである。その他のコーティング用帯電防止剤として
は界面活性剤系および導電性フィラーが良く用いられて
いる。しかしながら、界面活性剤系を用いた場合、塗膜
表面にベタツキが生じ易く、帯電防止性も湿度に強く影
響される傾向にある。また、界面活性剤系は樹脂への練
り込みタイプが多いことから、摩擦などの剥離に弱いな
ど、まだ解決すべき問題点がある。一方、帯電防止剤と
して導電性フィラーを用いる場合は電子伝導による電荷
漏洩効果のため鎖状に配向することが必須条件となる。
そのため、樹脂への添加量が多量となり、透明性、可撓
性の低下を生じ実用性が著しく損われる。
(問題点を解決するための手段) 本発明は前記の欠点を解決するため、鋭意検討した結
果、特定の重合性化合物と、少くとも一方がイオン性モ
ノマー及びイオン性オリゴマーであるイオンコンプレッ
クスを必須成分とする組成物を硬化したものが耐擦傷性
及び帯電防止性を同時に発現することを見い出し、本発
明に到達したものである。即ち、本発明は、分子中に少
なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する
重合性化合物(A)70〜99重量部と、カチオン性モノマ
ー、オリゴマー及び/又はポリマーと、アニオン性モノ
マー、オリゴマー及び/又はポリマーとから成るイオン
コンプレックス(B)を30〜1重量部とを必須成分とす
ることを特徴とする活性エネルギー線硬化性組成物に関
し、特にイオンコンプレックス(B)を構成するカチオ
ンモノマーが下記の一般式(1)で示されるモノマーで
ある活性エネルギー線硬化性組成物。
及びイオンコンプレックス(B)を構成するアニオンモ
ノマーが下記の一般式(2)で示されるモノマーである
活性エネルギー線硬化性組成物 及び重合性化合物(A)70〜99重量部とイオンコンプレ
ックス(B)30〜1重量部の他に、一般式(3)で示さ
れる(メタ)アクリロイル基を有する反応性希釈剤を、
アニオンモノマー100重量部に対し50〜300重量部を含有
する活性エネルギー線硬化性組成物が特に好適である。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を構成する分子
中に少なくとも2個のアクリロイルオキシ基またはメタ
アクリロイルオキシ基を有する重合性化合物(A)とし
ては、多価アルコールと、アクリル酸又はメタアクリル
酸またはそれらの誘導体とから得られるエステル化合
物、及び多価アルコールと多価カルボン酸と(メタ)ア
クリル酸、もしくはそれらの誘導体とから得られる複合
エステル化合物及びそれらのエステルの混合物が挙げら
れる。前記エステル化合物の具体例としてはジエチレン
グリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジ
アクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレー
ト、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,4−ブ
タンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオール
ジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレ
ート、トリメチロールエタントリアクリレート、ペンタ
エリスリトールテトラアクリレート、ジペンタグリセロ
ールペンタアクリレート、ジペンタグリセロールヘキサ
アクリレート及びそのメタ体等を挙げることができる。
又、前記の複合エステル化合物は多価アルコールのヒド
ロキシル基と多価カルボン酸及び(メタ)アクリル酸の
カルボルボキシル基とから成るものであり、例えば、多
価アルコールとして2価アルコール及び/又は3価アル
コールと、多価カルボン酸として2価のカルボン酸及び
/又は(メタ)アクリル酸とから成る複合エステル化合
物が挙げられる。3価のアルコールと2価のアルコール
の混合物を用いる場合、3価のアルコールと2価のアル
コールの混合モル比は任意に選ぶことができる。また、
2価カルボン酸と(メタ)アクリル酸とのモル比は、2
価カルボン酸のカルボキシル基と(メタ)アクリル酸の
カルボキシル基との当量比が2:1〜0:1の範囲であること
が好ましい。2価カルボン酸が上記の範囲より過剰の場
合には、生成するエステルの粘度が高くなりすぎて塗膜
の形成に困難を生じるようになる。2価カルボン酸とし
ては例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸などの脂
肪族ジカルボン酸類、テトラヒドロフタル酸、3,6−エ
ンドメチレンテトラヒドロフタル酸などの脂環式ジカル
ボン酸類、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の
芳香族ジカルボン酸類、チオジグリコール酸、チオジバ
レリン酸、ジグリコール酸あるいはマレイン酸、フマル
酸、イタコン酸などが挙げられる。
又、本発明に用いるイオンコンプレックスを構成するカ
チオンモノマー種としては一般式(1)で示されるN,N
−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジエ
チルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジブチルア
ミノプロピルアクリルアミド、アミノプロピルアクリル
アミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリ
ルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アク
リルアミド、N,N−ジブチルアミノプロピル(メタ)ア
クリルアミド、アミノプロピル(メタ)アクリルアミド
等のアミノアルキル(メタ)アクリルアミドもしくはア
ミノアルキル(メタ)アクリルアミド類の他、N,N−ジ
メチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート等のアミノアルキルアク
リレートもしくはアミノアルキル(メタ)アクリレート
類及びこれらのオリゴマー体が挙げられる。
又、カチオンポリマー種としてはポリアリルアミン、ポ
リビニルアミン、及びポリスチレンスルホン酸のイミド
誘導体等が挙げられる。
また、アニオンモノマー種としては、一般式(2)で示
されるターシャリィブチルアクリルアミド、スルフォニ
ックアミド、n−プロピルアクリルアミド、スルフォニ
ックアミド等のスルホン酸基含有のアクリルアミド誘導
体モノマーの他、アクリル酸、メタクリル酸、フタリッ
クアミド、アクリレート等のカルボキシル基含有アクリ
ルモノマー及びスチレンスルホン酸等が挙げられる。
又、前記イオンコンプレックスを構成するアニオンポリ
マー種としてはポリメチルメタクリレート/アクリル酸
共重合体及びポリスチレンスルホン酸、スチレンマレイ
ン酸共重合体等が挙げられるが、ポリメチルメタクリレ
ート/アクリル酸共重合体は特に酸価が30以上のものが
好ましい。
本発明において、分子中に少なくとも2個のアクリロイ
ルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を有する重合
性化合物(A)とイオンコンプレックス(B)との混合
比は、重合性化合物(A)70〜99重量%に対して、イオ
ンコンプレックス(B)1〜30重量%である。イオンコ
ンプレックス(B)の添加量が1重量%未満の場合は得
られた塗膜表面の帯電防止性が充分でなく、一方、30重
量%を越える場合は帯電防止性は充分であるが耐擦傷性
が低下し好ましくない。尚、イオンコンプレックス形成
のためのカチオン/アニオン種の組成比は一般に1/1〜1
/9(官能基数比)が好ましく、この範囲を逸脱すると塗
膜の耐水性が劣る等の不都合が生じることがある。
上記アニオン種及びカチオン種からイオンコンプレック
スを形成させる方法は、次の要領で行なうことができ
る。基本的には、アニオン種又はカチオン種の一方を前
記重合性化合物に溶解して実質的に希釈した後他のイオ
ン種を少量づつ添加する事によりイオンコンプレックス
を生じる。
この際、本発明においては、後に示すような反応性希釈
剤を用いることができ、特に前記のアニオン種の中のタ
ーシャリイブチルアクリルアミドスルフォニックアシド
のように固形のものはあらかじめ反応性希釈剤を用いて
溶解した後、重合性化合物(A)に加えるのが好まし
い。
更に、液状のイオン種であっても、あらかじめ各イオン
種をそれぞれ反応性希釈剤で希釈した場合は、両希釈液
をあらかじめ混合してイオンコンプレックスを精製せし
めた後重合性化合物(A)に添加することができる。
希釈されていない両イオン種を直接混合すると発熱が著
しく好ましくない。
前記の反応性希釈剤としては前記の一般式(3)に示し
たように(メタ)アクリロイル基を有するモノマーが好
適であり、例えばジメチル(メタ)アクリルアミド、ジ
エチル(メタ)アクリルアミド、ジプロピル(メタ)ア
クリルアミド、モノメチル(メタ)アクリルアミド、モ
ノエチル(メタ)アクリルアミド、モノプロピル(メ
タ)アクリルアミドが挙げられ、この中でも特にジアル
キルアクリルアミドが好ましい。
また、これら反応性希釈剤の添加量は一方のイオン種に
対し300重量%以下が好ましく、300重量%より多く添加
するとアニオンモノマーを充分溶解させることはできる
が、活性エネルギー線による硬化後、塗膜の耐擦傷性が
低下するので好ましくない。又、固形イオン種を用いる
場合は50重量%以上用いるのが好ましい。添加量が50重
量%未満であると、固形イオン種を充分に溶解させるこ
とができない。
又、本発明において、活性エネルギー線として紫外線、
電子線、X線その他の放射線等が用いられるが、生産性
の面から紫外線が実用的であり、その際重合開始剤とし
て光開始剤を用いるのが好ましく、例えばベンゾイン、
ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテ
ル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインブチルエ
ーテル、α−メチルベンゾイン等のベンゾイン類、ベン
ジル、ベンジルジメチルケタール等のベンジル類、ベン
ゾフェノン、ジメトキシフェニルアセトフェノン、4,
4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、チオキ
サンソン又はその誘導体等のイオウ化合物等があげられ
る。もちろんこれらの光開始剤は塗膜の速硬性を高める
という意味で数種同時に併用してもさしつかえない。光
開始剤の添加量は前記の活性エネルギー線硬化性組成物
100重量部に対して0.1〜10重量部であることが好まし
い。光開始剤の添加量が0.1重量部より少なすぎると、
塗膜の重合硬化が遅くなり生産性が低下し、他方添加量
が10重量部を越えると塗膜と耐候性の低下、曇りの発生
等を引き起し易くなる。
本発明においては前記の各成分の他に希望により増感助
剤、光重合性プレポリマー、有機溶剤、顔料、不活性有
機ポリマー、レベリング剤、チクソトロープ性付与剤、
熱重合禁止剤等を添加することもできる。
本発明において用いることができる前記の増感助剤は光
開始剤の効果を高めるために用いられ、N,N−ジメチル
アミノアントラニル酸メチル、エチルジメチル安息香酸
等のアミノ化合物、またはo−トリルチオ尿素、アリル
尿素またはナトリウムジエチルジチオフォスフェート、
s−ベンジル−イソ−チウロニウム−p−トルエンスル
フィネート等のイオウ化合物、及びトリ−n−ブチルホ
スフィン等のリン化合物が具体的に挙げられる。
また、本発明において用いることができる光重合性プレ
ポリマーとしてはトリレンジイソシアネートのようなイ
ソシアネート基をもつものに、ヒドロキシル基を有する
アクリレートを反応させて得られるポリウレタンアクリ
レート並びにエポキシ樹脂のエポキシ基をアクリル酸及
び(メタ)アクリル酸でエステル化し官能基をアクリロ
イル基及び(メタ)アクリロイル基としたエポキシアク
リレート並びにポリエステルをアクリル化して得られる
ポリエステルアクリレートが挙げられる。
これらの光重合性プレポリマーは、イオンコンプレック
スに対し、0〜70重量%の添加量が好ましい。70重量%
より多く添加すると、活性エネルギー線硬化性組成物の
取り扱いにおける作業性が著しく悪くなり好ましくない
ためである。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は合成樹脂成型
品の表面にそのままコーティングすることができるが、
基板のアーニング並びに脱脂洗浄を行なった方が良好な
塗膜を得ることができる。また、本発明の活性エネルギ
ー線硬化性組成物の合成樹脂成型品への塗布方法として
は、組成物の粘度及び目的用途に応じ刷毛塗り、流し塗
り、スプレー塗装、回転塗装及び浸漬塗装法等、公知の
方法を用いることができる。只し、本発明にある活性エ
ネルギー線硬化性組成物の塗膜の厚さは1μm未満であ
ると耐擦傷に劣り、50μmより厚いと塗膜にクラックを
生じる恐れがあるため、1〜50μmの範囲内に塗膜厚を
保つことが好ましい。
また、前記の有機溶剤は本発明の硬化性組成物を成型品
及び基材にコーティングする際、作業性を向上させるた
めに希望により希釈剤として用いられるものであるが、
希釈剤として用いることができる有機溶剤として例え
ば、エタノール、イソプロパノール、ノルマルプロパノ
ール、イソブチルアルコール、ノルマルブチルアルコー
ル等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン、
エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチ
ルエチルケトン等のケトン類、ジオキサン等のエーテル
類、酢酸n−ブチル、プロピオン酸等の酸エステル類、
N,N−ジメチルホルムアミド等が具体的に挙げられる。
しかし、これらの有機溶剤は、成型品又は基材の種類に
よっては曇りやソルベントクラックを生じる恐れがある
ので有機溶剤の使用に当っては成型品又は基材の種類に
よって適宜選択して使用することが望ましい。又、上記
希釈用として用いられる有機溶剤のかわりに反応性モノ
マーから成る反応性希釈剤を用いることができる。反応
性希釈剤としては、単官能系の(メタ)アクリロイルオ
キシ基又は(メタ)アクリロイル基を有するもので、具
体例としては、シクロヘキシルアクリレート、エチルジ
エチレングリコールアクリレート、テトラヒドロフルフ
リルアクリレート、N−ラウリルアクリレート、2−フ
ェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタク
リレート、イソデシルアクリレート、イソオクチルアク
リレート、イソボニルアクリレート、N−ビニルピクド
ン、アククロイルモルホリン、n−ヘキシルアクリレー
ト、ステアリルアクリレート、グリシジルアクリレー
ト、シクロヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエ
チルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、
2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ベンジルメタク
リレート、ベンジルアクリレート、EO変性ジシクロペン
テニルアクリレート、EO変性ジシクロペンテニルメタク
リレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシエチ
ルメタクリレート、ECH変性ブチルアクリレート、3−
クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等が挙
げられる。
又、前記顔料としてはカーボンブラック、黄鉛、チタン
白、ミロリブルー、クロムパーミリオン等の無機顔料、
ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、バルカンオレン
ジ、パーマネントオレンジ、レーキレッドC、ブリリア
ンカーミンB、ローダミンレーキ、エオシン、フロキシ
ン、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、
フタロシアニングリーン、キナクリドンレッド、ジオキ
サンジシバイオレット等の有機顔料等が挙げられる。
また、熱重合禁止剤としては例えば、ハイドロキノン、
p−メトキシフェノール、ピロガロール、カテコール、
2,6−ジ−第3ブチル−p−クレゾール、β−ナフトー
ル、第3ブチルハイドロキノン等が挙げられる。
塗膜は活性エネルギー線によって硬化されるが、この活
性エネルギー線を照射する雰囲気としては、窒素ガス、
炭酸ガスなどの不活性ガス雰囲気下、あるいは酸素濃度
を低下させた雰囲気下でももちろん支障はない。
(作用及び効果) 本発明による特定重合性化合物と特定イオンコンプレッ
クスとから成る活性エネルギー線硬化性組成物を用いた
場合、得られる塗膜物性として、鉛筆硬度4H以上、表面
固有抵抗値で1011Ω未満を示し、特に前記、一般式
(1)で示されるカチオンモノマーと、一般式(2)で
示されるアニオンモノマーを組成とするイオンコンプレ
ックスを帯電防止剤として用いた場合、耐擦傷性及び帯
電防止性に非常に優れた被膜が得られ、例えば塗膜物性
として鉛筆硬度6H以上、表面固有抵抗値で109Ω未満を
示すものである。
本発明の帯電防止性的役割を担うイオンコンプレックス
自身は特定の重合性化合物(A)と共重合または、から
み合いにより被膜中に構造的に組み込まれるため、表面
のベタツキがなく光沢があり、耐擦傷性にもすぐれ、か
つ帯電防止性も湿度の影響を殆ど受けないという優れた
特長を有するものである。
(実施例) 以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。実施
中の部は重量部を示す。なお実施中の測定評価は次のよ
うな方法で行なった。
a)表面硬度…JIS K−5400の6,14に準じた。鉛筆引っ
かき値を鉛筆硬度として示す。
b)耐擦傷性テスト…#0000のスチールウールによる擦
傷テスト ○…スチールウールでこすっても塗膜表面に傷がつかな
い △…スチールウールでこすると塗膜表面に少し傷がつく ×…スチールウールでこすると塗膜表面にひどく傷がつ
く c)密着性…ニチバンCT−18セロテープを塗膜に貼りつ
け、急激にはがす ○…剥離なし ×…少しでも剥離あり d)帯電防止性 i)タバコの灰付着テスト 塗布面を木綿で20回強く摩擦した後、直ちに新しいタ
バコの灰から約1cm近付けて灰の付着性を評価 *JIS L 0803準拠 カナチン3号(日本規格協会) ○…灰付着全くなし △…若干付着 ×…著しく付着す
る e)表面固有抵抗値の測定…JIS K−6911に準じた試験
を、 超絶縁抵抗計 横河ヒューレットパッカード社製 4329A 抵抗率測定電極 横河ヒューレットパッカード社製1600
8A 相対湿度65%、温度20℃の恒温恒湿下に24時間、試料を
放置、コンディショニングした後表1に示した条件下で
測定を行なった。
f)透明性…塗膜を活性エネルギー線で硬化後、視覚試
験により、くもりの有無を評価 実施例1〜4 表1に示したアニオン系モノマー及びカチオン系モノマ
ーの各々の量を、表1に示した希釈剤の量の各量により
別々に希釈・溶解した後、両液を混合し、イオンコンプ
レックスを生成せしめた。この混合液を表1に示した重
合性化合物に添加混合し、更に表1に示す光開始剤を添
加混合して活性エネルギー線硬化性組成物を調合した。
これを3mm厚のメタクリル樹脂板(住友化学工業 商品
名スミペック)にメイヤーバーで10μmの厚さになるよ
うに塗布し、直ちに空気中で高圧水銀灯(トスキュア10
00東芝電材(株)80W/cm)を用い、コンベアスピード3m
/minにて硬化を行ない、得られた硬化膜の評価を行なっ
た。その結果を表1に示した。
比較例1〜3 表1に示したようにイオンコンプレックス、希釈剤を用
いない他は実施例1〜4と同様にして活性エネルギー線
硬化性組成物を調合し、この組成物を用いて実施例1〜
4と同様にして塗布し、硬化せしめてその硬化膜の評価
を行なった。その結果を表1に示した。
以上の結果からわかるように、イオンコンプレックスを
含有しない比較例1〜3の場合、耐擦傷性、密着性は良
いものの帯電防止性は著しく劣るが、しかしこれらにイ
オンコンプレックスを添加した実施例1〜4で示される
組成物の硬化被膜は耐擦傷性を保持し、旦、帯電防止性
にも非常に優れた性能を有している。更に、この帯電防
止性は相対湿度65〜40%においても殆ど影響を受けない
という優れた性質を示す。
実施例5,比較例4 実施例1及び比較例1と同じ組成を有する活性エネルギ
ー線硬化性組成物を実施例1と異なる各種合成樹脂基板
(厚さ3mm)にメイヤーバーで10μmの厚さになるよう
に塗布し、直ちに空気中で高圧水銀灯(トスキュア100
0,東芝電材(株)80W/cm)を用いコンベアスピード3m/m
inにて硬化を行ない、得られた硬化膜の評価結果を表2
に示した。この表2の結果と実施例1の結果より本発明
のイオンコンプレックスを含有する活性エネルギー線硬
化性組成物は、ここに挙げたいずれの合成樹脂基板に対
しても良好な接着性を有すると共に、各基板による帯電
防止性にも殆ど差異がない。
実施例6〜8及び比較例5〜9 実施例6〜8として、表3に示した各成分を用いて、ま
ず、重合性化合物にイオンコンプレックス形成成分の内
のアニオン系モノマーを溶解させた後、カチオン系モノ
マーを添化してイオンコンプレックスを形成させた後、
光重合開始剤を加えて活性エネルギー線硬化性組成物を
調合した。
又、比較例5〜9として表3に示したようにイオンコン
プレックス形成成分の内アニオン系モノマーを用いない
他は実施例6〜8と同様にして活性エネルギー線硬化性
組成物を調合した。
これらの組成物を3mm厚のメタクリル樹脂板(住友化学
工業 商品名スミペック)にメイヤーバーで10μmの厚
さになるように塗布し、直ちに空気中で高圧水銀灯(ト
スキュア1000)を用いコンベアスピード3m/minにて硬化
を行ない得られた硬化膜の評価結果を表3に示した。
実施例9及び比較例10 実施例9として、表3に示した各成分を用いて、まず、
反応性希釈剤を撹拌している中にアニオン系モノマーを
加えて均一溶液とした後、これにカチオン系モノマーを
加えてイオンコンプレックス含有液を得た。又、別に重
合性化合物に光開始剤を添加溶解した後、この液と前記
のイオンコンプレックス含有液とを混合して活性エネル
ギー線硬化性組成物を得た。
又、比較例10として、カチオン系モノマーを用いない他
は実施例9と同様にして活性エネルギー線硬化性組成物
を得た。得られた組成物について、実施例6〜8と同様
にして硬化膜を形成させ、得られた硬化膜の特性を評価
し、その結果を表3に示した。
表3の結果から明らかなように、アニオン系モノマーと
カチオン系モノマーの両方を用いてイオンコンプレック
スを含む本発明の組成物を硬化させた被覆膜は耐擦傷性
及び帯電防止性が共に優れていたが、比較例5〜10のよ
うにアニオン系モノマー又はカチオン系モノマーのいず
れか一方を用いないでイオンコンプレックスを形成して
いない組成物を硬化させた被覆膜は耐擦傷性、帯電防止
性、密着性あるいは均一性、透明性等の少くとも1項目
に欠陥があり、実用上不充分なものであった。
実施例10〜12 実施例10〜12として表4に示す各成分を用いて、まず、
希釈剤を撹拌している中に、イオンコンプレックス形成
成分の内カチオン系モノマーを溶解して均一溶液とした
後、アニオン系モノマーを加えて溶解させる。次に、こ
れに重合性化合物を加えて活性エネルギー線硬化性組成
物を得た。これらの組成物を3mμ厚のメタクリル樹脂板
(住友化学工業 商品名スミペック)にメイヤーバーに
て10μmの厚さになるように塗布し、直ちにパルス型電
子線照射装置ユニトロン200/2000型(ウシオ電材製)を
用いて印加電圧200KeV、照射線量率0.7Mrad/パルスの条
件下で照射量1.5Mradとなるように電子線を照射した。
硬化後の塗膜の物性を評価して表4に示した。表4の結
果からも、本発明の組成物はEB硬化でもUV硬化と同様に
耐擦傷性及び帯電防止製に優れた塗膜を得ることができ
ることがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 290/04 MRS

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリ
    ロイルオキシ基を有する重合性化合物(A)70〜99重量
    部と、カチオン性モノマー、オリゴマー及び/又はポリ
    マーと、アニオン性モノマー、オリゴマー及び/又はポ
    リマーとから成るイオンコンプレックス(B)を30〜1
    重量部とを必須成分とすることを特徴とする活性エネル
    ギー線硬化性組成物。
  2. 【請求項2】イオンコンプレックス(B)を構成するカ
    チオン性モノマーが、下記一般式(1)で示されるモノ
    マーである事を特徴とする特許請求の範囲第1項の硬化
    性組成物。
  3. 【請求項3】イオンコンプレックス(B)を構成するア
    ニオンモノマーが、下記の一般式(2)で示されるモノ
    マーであることを特徴とする特許請求の範囲第1項の活
    性エネルギー線硬化性組成物
  4. 【請求項4】重合性化合物(A)70〜99重量部とイオン
    コンプレックス(B)30〜1重量部の他に、一般式
    (3)で示される(メタ)アクリロイル基を有する反応
    性希釈剤を、アニオンモノマー100重量部に対し50〜300
    重量部を含有することを特徴とする特許請求の範囲第1
    項の活性エネルギー線硬化性組成物。
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