JPH07102537B2 - 曲げ加工した木材の製造方法 - Google Patents

曲げ加工した木材の製造方法

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JPH07102537B2
JPH07102537B2 JP26076792A JP26076792A JPH07102537B2 JP H07102537 B2 JPH07102537 B2 JP H07102537B2 JP 26076792 A JP26076792 A JP 26076792A JP 26076792 A JP26076792 A JP 26076792A JP H07102537 B2 JPH07102537 B2 JP H07102537B2
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  • Veneer Processing And Manufacture Of Plywood (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、曲げ加工した木材の製
造方法に関し、とくに、厚い木材を小さい曲率半径で立
体曲面状に曲げ加工できる木材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】曲げ加工した木材は種々の用途に使用さ
れている。曲げ加工した木材は、表面を削って立体曲面
とした木材に比較すると、木材を極めて効率よく使用で
きる。表面を削って立体曲面とした木材は、凹凸が大き
いと材料の使用効率が著しく少なくなる。また、大きく
曲げた形状とすることはできない。削り加工で実現でき
ない形状の木材は、薄い板材を曲げ加工し、曲げ加工し
た板材を積層して所定の厚さとしている。厚い木材を小
さい曲率半径に曲げ加工すると、木材が破損する性質が
ある。それは、小さい曲率半径に曲げ加工すると、外側
で木材が著しく伸長され、内側では圧縮されるからであ
る。外側の伸長量と内側の圧縮量とは、木材を厚くし
て、曲げる曲率半径を小さくするほど大きくなる。この
ため、小さい曲率半径に曲げ加工するためには、板材を
薄くする必要がある。薄い板材を厚くするために、複数
枚を積層して接着する必要がある。このため、従来の曲
げ加工した木材は、製造に著しく手間がかかって、製造
コストが高くなる欠点があった。
【0003】また、薄い板材を積層して接着した木材
は、経時的に接着材が劣化するのを阻止することができ
ない。このため、長期間経過すると積層した板材が剥離
して十分な耐久性とすることができず、用途に制限を受
ける。とくに、接着材の劣化が起こりやすい環境、例え
ば屋外で使用される場合、耐久性が著しく低下する欠点
がある。
【0004】ところで、木材は、湿潤状態において加熱
することによってスムーズに曲げ加工できる性質があ
る。木材の主成分であるリグニンやヘミセルロースのガ
ラス転移温度は、木材が乾燥状態では130℃〜250
℃であるが、湿潤状態にすると80℃〜250℃に低下
する。このため、木材を湿潤状態で加熱すると、ガラス
転移温度が低下して、曲げやすい状態にできる。湿潤状
態で木材をガラス転移温度以上に加熱するために、狭い
通路に木材を圧入して加熱する装置が開発されている
(特公平2−31646号公報)。この公報に記載され
る装置は、湾曲する通路に木材を圧入している。通路
は、圧入される木材を湿潤状態で加熱するために、マイ
クロ波を照射している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この装置は、木材を通
路に圧入して簡単に曲げ加工できる特長がある。また、
湿潤状態で加熱するので木材をガラス転移温度以上に加
熱して、無理なく曲げ加工できる特長もある。しかしな
がら、この構造の装置は、木材の曲げ加工する形状に制
約を受ける。通路を通過させて木材を曲げ加工するの
で、棒状の木材のみを曲げ加工できる。板状の木材の表
面を立体曲面に曲げ加工することはできない。また、通
路を通過させて木材を曲げ加工するので、木材と通路と
の摩擦抵抗が極めて大きく、木材をスムーズに押し出し
できない欠点もあった。
【0006】本発明は、さらにこの欠点を解決すること
を目的に開発されたもので、本発明の重要な目的は、厚
い木材を小さい曲率半径で曲げ加工でき、しかも種々の
形状の木材を自由に曲げ加工できる木材の製造方法を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の製造方法は、前
述の目的を達成するために下記のようにして木材を曲げ
加工する。すなわち、本発明の製造方法は、木材を加熱
状態でプレスして曲げ加工する方法を改良したもので、
木材をプレスして曲げ加工する前工程において、木材を
加熱状態として木目方向に予備圧縮し、予備圧縮した木
材を曲げ方向にプレスして曲げ加工することを特長とす
る。予備圧縮するときに木材を加熱するが、これを冷却
することなくプレスして曲げ加工することもできる。ま
た、木目方向に予備圧縮した木材を一旦冷却した後、再
び加熱しプレスして曲げ加工することもできる。
【0008】
【作用】加熱状態で、木目方向に予備圧縮した木材は極
めて特異な状態となる。予備圧縮した木材は、その後に
プレスして極めて小さい曲率半径でスムーズに曲げ加工
できる性質がある。それは、加熱状態で予備圧縮された
木材は、木目方向の全長が5%〜30%圧縮されること
から、木目が蛇腹状に折曲された状態となるからであ
る。たとえば、筒体を湾曲させるともとの形状に戻りや
すい性質があるが、筒体を蛇腹状に成形して曲げると、
曲げた状態を保持してもとの形状にもどり難くなる。木
目方向に予備圧縮した木材は、ミクロ的にはあたかも木
目を蛇腹状に折曲した状態となり、その後の曲げ加工を
極めてスムーズにする。したがって、本発明の曲げ加工
した木材の製造方法は、従来の方法では想像もできない
ほど、簡単かつ容易に、しかも木材を破損することなく
小さい曲率半径で曲げ加工できる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想
を具体化するための製造方法を例示するものであって、
本発明の製造方法は、製造工程の条件や使用する装置の
構造等を下記のものに特定するものでない。本発明の製
造方法は、特許請求の範囲において、種々の変更を加え
ることができる。
【0010】本発明の曲げ加工した木材の製造方法は下
記の工程で木材を曲げ加工する。 木材を加熱する工程 図1に示すように、木材1を加熱室2に入れ、加熱室2
に蒸気を噴射して木材1を加熱する。加熱室2の内部温
度は、例えば、80℃〜200℃、好ましくは80℃〜
180℃に設定する。木材1を加熱室2に入れておく時
間は、中心部分まで十分に加熱される時間に設定する。
厚い木材は長い時間加熱室2に入れ、薄い木材は短時間
で加熱できる。例えば、厚さが10mm〜50mmの木
材は、30分〜数時間加熱室に入れて加熱する。
【0011】 木材を予備圧縮する工程 加熱した木材1を加熱室2から取り出して冷却すること
なく、図2に示すように、木材1を木目方向に圧縮す
る。木材1を両端から強く圧縮すると曲がることがあ
る。予備圧縮のときに木材1は曲がらないように保持す
る。このことを実現するために、図3に示すように、木
材1は、上面と左面とを、挟着板3で基台4に押圧する
状態で予備圧縮する。基台4は断面形状をL字状とし
て、木材1の下面と右面とを支持する。挟着板3は、シ
リンダー5のロッドの先端に固定されて、シリンダー5
で押圧される。シリンダー5が挟着板3を押圧する力
は、予備圧縮のときに木材1が曲がるのを阻止できる圧
力に設計される。
【0012】図3に示す状態で全周を押圧した木材1
は、図4に示すように、木目方向に押圧して予備圧縮さ
れる。図4に示す装置は、シリンダー6の先端に押圧板
7を固定し、押圧板7で木材1を押圧している。シリン
ダー6が押圧板7を介して木材1を押圧する圧力は、木
材1の種類によって変更されるが、通常は3〜20kg
/cm、好ましは5〜18kg/cmの範囲に調整
される。予備圧縮において木材を木目方向に押圧する圧
力が弱いと、その後の曲げ加工において木材を曲げやす
い状態にできない。また、圧力が強すぎると予備圧縮す
るときに木材1が破損する欠点がある。
【0013】 曲げ加工する工程 図5に示すように、木材1を曲げ加工するプレスにセッ
トし、加熱状態でプレスして曲げ加工する。木材をプレ
スする熱板8の押圧面は、木材を曲げ加工したい立体曲
面に加工されている。熱板8は板材1を曲げる方向、す
なわち、図5において上下方向に木材1をプレスして、
木材を立体曲面に曲げ加工する。木材をプレスする熱板
8は、熱媒体を通過させる通路9を設けている。通路9
には、水、温水、蒸気を通過させて、熱板8を加熱し、
また冷却する。木材1を加熱状態でプレスするときは、
熱板の通路9には、温水や蒸気を通過させて熱板8を、
好ましくは80℃〜150℃に加熱して木材を曲げ加工
する。曲げ加工した後、熱板の通路9に水を流して熱板
8を冷却する。冷却した熱板8で木材1を所定の時間プ
レスして木材1を冷却し、曲げ加工した木材がもとの形
状にもどらないようにした後、熱板8を開いて成形され
た板材を取り出す。
【0014】
【発明の効果】本発明の曲げ加工した木材の製造方法
は、極めてスムーズに厚い木材を小さい曲率半径に曲げ
加工できる特長がある。それは、本発明の製造方法は、
図2に示すように、木材を矢印Bで示す方向に押圧して
曲げ加工する前工程に、矢印Aで示す木目方向に予備圧
縮するからである。加熱状態で木目方向に予備圧縮した
木材は、木目を極めて曲がり易い独特の状態とすること
ができる。それは、前にも述べたように、予備圧縮によ
って、木目を曲がりやすい蛇腹状に折曲しているからで
ある。したがって、本発明の曲げ加工した木材の製造方
法は、従来の方法では想像もできない小さい曲率半径に
厚い木材を曲げ加工できる特長がある。さらに、必要な
らば、木材を立体曲面状に曲げ加工することもできる。
さらにまた、本発明の曲げ加工した木材の製造方法は、
曲げ加工する前工程に、木材を木目方向に予備圧縮する
ことによって、木材を極めて曲がりやすい状態とするの
で、簡単かつ容易に、しかも能率よく木材を曲げ加工し
て、加工コストを著しく低減できる特長がある。また、
薄い板材を積層して接着することなく曲げ加工できるの
で、曲げ加工された木材が優れた耐久性を有し、接着材
が剥離する等の弊害を解消できる。
【0015】ちなみに、本発明の曲げ加工した木材の製
造方法は、厚さが30mmのナラ材を、曲率半径30m
mに曲げ加工して木材の破損を皆無にできた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 木材を加熱する状態を示す断面図
【図2】 木材を予備圧縮する状態を示す斜視図
【図3】 予備圧縮するときに木材の周囲を押圧する状
態を示す断面図
【図4】 木材を予備圧縮する装置の一例を示す断面図
【図5】 木材を曲げる方向にプレスする状態を示す断
面図
【符号の説明】
1…木材 2…加熱室 3…挟着板 4…基台 5…シリンダー 6…シリンダー 7…押圧板 8…熱板 9…通路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木材を加熱状態でプレスして曲げ加工し
    た木材を製造する方法において、木材をプレスして曲げ
    加工する前工程で、木材を加熱状態として木目方向に予
    備圧縮し、予備圧縮した木材を曲げ方向にプレスして曲
    げ加工することを特長とする曲げ加工した木材の製造方
    去。
JP26076792A 1992-09-02 1992-09-02 曲げ加工した木材の製造方法 Expired - Lifetime JPH07102537B2 (ja)

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JPH0679704A JPH0679704A (ja) 1994-03-22
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JP2619226B2 (ja) * 1994-12-05 1997-06-11 株式会社日阪製作所 木材の処理方法および装置
JP5123712B2 (ja) * 2007-05-24 2013-01-23 オリンパス株式会社 木材の成形方法および木材成形装置
KR100970165B1 (ko) * 2010-03-31 2010-07-14 주식회사 남도조경 합성목재 성형장치
US20170151688A1 (en) * 2014-04-02 2017-06-01 Wood Innovations Ltd. Method of manufacturing a corrugated wood element, a corrugated wood element and its uses

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