JP5123712B2 - 木材の成形方法および木材成形装置 - Google Patents

木材の成形方法および木材成形装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5123712B2
JP5123712B2 JP2008096166A JP2008096166A JP5123712B2 JP 5123712 B2 JP5123712 B2 JP 5123712B2 JP 2008096166 A JP2008096166 A JP 2008096166A JP 2008096166 A JP2008096166 A JP 2008096166A JP 5123712 B2 JP5123712 B2 JP 5123712B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wood
compressive force
mold
thickness direction
compression
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008096166A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009001001A (ja
Inventor
達哉 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Corp filed Critical Olympus Corp
Priority to JP2008096166A priority Critical patent/JP5123712B2/ja
Priority to CN2008100979384A priority patent/CN101310944B/zh
Publication of JP2009001001A publication Critical patent/JP2009001001A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5123712B2 publication Critical patent/JP5123712B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Chemical And Physical Treatments For Wood And The Like (AREA)

Description

本発明は、木材を圧縮することによって所定の3次元形状に成形する木材の成形方法および当該成形方法で使用する木材成形装置に関する。
近年、自然素材である木材が注目されている。木材はさまざまな木目を有するため、原木から形取る箇所に応じて個体差が生じ、その個体差が製品ごとの個性となる。また、長期の使用によって生じる傷や色合いの変化自体も、独特の風合いとなって使用者に親しみを生じさせることがある。これらの理由により、合成樹脂や軽金属を用いた製品にはない、個性的で味わい深い製品を生み出すことのできる素材として木材が注目されており、その成形技術も飛躍的に進歩しつつある。
従来、かかる木材の成形技術として、吸水軟化した1枚の木材を圧縮し、その木材を圧縮方向と略平行にスライスして板状の一次固定品を得た後、この一次固定品を加熱吸水させながら所定の3次元形状に成形する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。また、軟化処理した状態で圧縮した1枚の木材を仮固定し、この木材を型に入れて回復させることによって型成形する技術も知られている(例えば、特許文献2を参照)。
特許第3078452号公報 特開平11−77619号公報
しかしながら、上述した従来技術では、木材を所定の最終形状に圧縮成形する前に、固定品を得るための予備的な圧縮工程を行わなければならないため、成形を完了するまでに多くの手間と時間がかかってしまうことがあった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、木材の3次元形状への成形を容易にかつ迅速に行うことができる木材の成形方法および木材成形装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る木材の成形方法は、平板状の木材を、曲面を含む3次元形状に成形する木材の成形方法であって、大気よりも高温高圧の水蒸気雰囲気中で、前記木材の板厚方向と平行な端面の少なくとも一部に当該端面と略直交する方向への圧縮力を加えるとともに、前記木材の板厚方向と直交する表面の一部に当該表面と略直交する方向への圧縮力を加える圧縮工程を有することを特徴とする。
また、本発明に係る木材の成形方法は、上記発明において、前記木材の端面に圧縮力を加え始めるタイミングは、前記木材の表面に圧縮力を加え始めるタイミングより前であるか、または前記木材の表面に圧縮力を加え始めるタイミングと同じであることを特徴とする。
また、本発明に係る木材の成形方法は、上記発明において、前記圧縮工程で前記端面の一部に加える圧縮力の大きさは、当該圧縮力を加える場所によらず均一であることを特徴とする。
また、本発明に係る木材の成形方法は、上記発明において、前記圧縮工程で前記端面の一部に加える圧縮力の大きさは、当該圧縮力を加える場所に応じて定められた値を有することを特徴とする。
また、本発明に係る木材の成形方法は、上記発明において、前記圧縮工程は、前記端面の一部に加わる圧縮力を前記木材の変形に応じて変化させることを特徴とする。
また、本発明に係る木材成形装置は、平板状の木材を、曲面を含む3次元形状に成形する木材成形装置であって、前記木材を板厚方向に挟持可能であり、一方が他方に対して移動することによって前記木材の板厚方向への圧縮力を加える第1および第2の金型と、
前記第1および第2の金型の間に介在し、前記第1および第2の金型が挟持する前記木材の板厚方向と平行な端面の少なくとも一部に当該端面と略直交する方向への圧縮力を加える加圧手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る木材成形装置は、上記発明において、前記加圧手段は、前記第1および第2の金型のうち少なくともいずれか一方の金型と連動することを特徴とする。
また、本発明に係る木材成形装置は、上記発明において、前記木材の周縁部であって前記第1および第2の金型による圧縮力が加わらない周縁部の一部を、当該木材の板厚方向に沿って前記第1および第2の金型のいずれか一方の表面に押さえ付けるとともに、前記周縁部の一部を当該木材の板厚方向と直交する方向への摺動が可能な状態で保持する押さえ部材をさらに備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る木材成形装置は、上記発明において、前記加圧手段の動作を制御する制御手段をさらに備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る木材成形装置は、前記加圧手段が加える圧縮力の大きさを検出する圧縮力検出手段をさらに備え、前記制御手段は、前記圧縮力検出手段の検出結果を用いることによって前記加圧手段の動作を制御することを特徴とする。
また、本発明に係る木材成形装置は、上記発明において、前記制御手段は、前記加圧手段が前記木材の端面の一部に加える圧縮力の大きさを当該圧縮力が加えられる場所によらず均一とする制御を行うことを特徴とする。
また、本発明に係る木材成形装置は、上記発明において、前記制御手段は、前記加圧手段が前記木材の端面の一部に加える圧縮力の大きさを当該圧縮力が加えられる場所に応じて定める制御を行うことを特徴とする。
また、本発明に係る木材成形装置は、上記発明において、前記第1または第2の金型の位置を検出する位置検出手段をさらに備え、前記制御手段は、前記位置検出手段の検出結果を用いることによって前記加圧手段が前記木材の端面の少なくとも一部に加える圧縮力を変化させる制御を行うことを特徴とする。
本発明によれば、大気よりも高温高圧の水蒸気雰囲気中で、平板状の木材の板厚方向と平行な端面の一部に当該端面と略直交する方向への圧縮力を加えるとともに、その木材の板厚方向と直交する表面の一部に当該表面と略直交する方向への圧縮力を加えることにより、予備的な圧縮工程と、曲面を含む3次元形状へ成形する圧縮工程とを一括して行うことができる。したがって、木材の3次元形状への成形を従来よりも少ない工程数で容易にかつ迅速に行うことが可能となる。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態(以後、「実施の形態」と称する)を説明する。なお、以下の説明で参照する図面はあくまでも模式的なものであって、同じ物体を異なる図面で示す場合には、寸法や縮尺等が異なる場合もある。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る木材の成形方法の概要を示すフローチャートである。本実施の形態1に係る木材の成形方法においては、最初に平板状をなす木材を原木から形取る(ステップS1)。このステップS1では、後述する工程によって減少する分の容積を予め加えた容積を有するように木材の形取りを行う。原木としては、ヒノキ、ヒバ、桐、杉、松、桜、欅、黒檀、紫檀、竹、チーク、マホガニー、ローズウッドなどの中から、成形後の木材の用途に応じて最適なものを選択すればよい。また、原木のどの部分を形取るかは、その木材に対して要求する強度や美観等の条件に応じて定めればよい。
続いて、ステップS1で形取った木材を、大気よりも高温高圧の水蒸気雰囲気中で所定時間放置し、水分を過剰に吸収させることによって十分に軟化させる(ステップS2)。ここでいう高温高圧とは、温度が100〜230℃、より好ましくは120〜150℃程度であり、圧力が0.1〜3.0MPa(メガパスカル)、より好ましくは0.45〜2.5MPa、さらに好ましくは1.0〜1.6MPa程度の状態を指す。このような水蒸気雰囲気は、例えば圧力容器を用いることによって実現することができる。圧力容器を用いる場合には、その圧力容器の中に木材を放置することによって軟化工程が行われる。なお、このステップS2では、上述した水蒸気雰囲気中で木材を放置して軟化させる代わりに、木材の表面に水分を供給した後、マイクロウェーブの如き高周波の電磁波によって木材を加熱して軟化させてもよいし、木材を煮沸することによって軟化させてもよい。
この後、ステップS2で十分に軟化した木材を、木材成形装置を用いることによって圧縮する(ステップS3)。このステップS3では、木材を軟化させた時と同様の水蒸気雰囲気中で木材成形装置が木材に圧縮力を加えることにより、その木材を所定の3次元形状に変形する。圧力容器の中で木材を軟化させる場合には、引き続きその圧力容器の中で木材を圧縮すればよい。
図2は、この圧縮工程で木材1に圧縮力が加わり始めた状態を示すとともに、本実施の形態1に係る木材成形装置の要部の構成を示す図である。図2において、木材1は、木材成形装置10を構成する3つの金型11、21、31によって取り囲まれる位置に配置されている。木材成形装置10を構成する3つの金型のうち、金型11(第1の金型)、21(第2の金型)は、圧縮工程の際に木材1の板厚方向と直交する表面の一部にそれぞれ当接し、その表面と略直交する方向(木材1の板厚方向と略平行な方向)への圧縮力を加える。一方、金型31は、木材1の板厚方向に平行な端面の一部に当接し、その端面と略直交する方向(木材1の板厚方向と略直交する方向)への圧縮力を加える。金型31には、アンギュラピン41が取り付けられている。アンギュラピン41の先端部は、所定の角度をなして金型11に挿通されている。このため、金型31は、金型11の移動に連動して移動可能である。金型31およびアンギュラピン41は、木材1の端面の一部に当接して木材1に圧縮力を加える加圧手段を構成している。
圧縮時に木材1の上面に当接して圧縮力を加える金型11は、図2で上下方向下向きに突出する凸部12と、凸部12の上方で凸部12の外周方向に延出したフランジ部13とを有する。フランジ部13には、金型31に取り付けられたアンギュラピン41の先端部付近を挿通する孔部14が形成されている。また、フランジ部13の縁端部には、金型31の縁端部と摺動可能であり、金型31が木材1の端面からの反作用によって外側にスライドするのを防止するとともに金型31の底面が金型21の表面と離間するのを防止する機能を有する突起部15が設けられている。
金型11は、金型21に対して図2で上下方向に移動可能である。金型11の移動は、電気的な駆動手段を用いて実現してもよいし、金型11と金型21とをネジで連結し、このネジを手動または自動で締めたりゆるめたりする構成とすることによって実現してもよい。
圧縮時に木材1の下面に当接して圧縮力を加える金型21は、図2で上下方向下向きに窪んだ凹部22を有する。凹部22の外周の表面には、圧縮対象の木材1の周縁部であって金型11、21による圧縮力が加わらない周縁部の一部を木材1の板厚方向に沿って金型21の表面に押さえ付けるとともに、その周縁部の一部を木材1の板厚方向と直交する方向への摺動が可能な状態で保持する爪状部材51(押さえ部材)が、ネジ部材52を介して取り付けられている。
金型31は、アンギュラピン41を所定の傾斜角で取り付ける孔部32を有する。金型31の端部のうち木材1に当接する側の端部は、木材1の板厚とほぼ同じ厚みを有する。
図3は、木材成形装置10の一部をなす金型21、31、爪状部材51の構成を示す平面図であり、図2に示す状態を、金型11およびアンギュラピン41を除いて上方から見た図である。図3に示すように、金型31と爪状部材51は、金型21の表面上で、凹部22の縁端部(図3では破線で表示)をなす略長方形の各辺に沿って交互に配設されている。
金型31は、金型11の移動と連動することにより、凹部22の縁端部をなす略長方形の各辺と直交する方向にスライド可能である。具体的には、図3において、凹部22の長手方向縁端部をなす長辺に沿って配設されている金型31は、図3の左右方向にスライド可能である一方、凹部22の短手方向縁端部をなす短辺に沿って配設されている金型31は、図3の上下方向にスライド可能である。
これに対して、爪状部材51は、木材1を圧縮成形する際に木材1を図2で上下方向下向きに押さえ付け、木材1の周縁部が圧縮時に変形し、図2で上下方向上向きに逃げるのを防止する機能を有する。爪状部材51は、金型11等と同じく金属製であれば好ましいが、上述した水蒸気雰囲気中でも変形しない合成樹脂によって実現してもよい。また、爪状部材51の木材1と接触する表面を、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素樹脂によって被覆する加工を予め施しておいてもよい。これにより、圧縮時に木材1が爪状部材51と接触しても高い摺動性を確保することができる。さらに、爪状部材51の木材1と接触する表面にローレット加工等を施し、軟化した木材1が爪状部材51に貼り付いてしまうのを防止するようにしてもよい。
ところで、図2において、金型31は木材1の端面に当接し始めている一方、金型11は木材1に当接していない。これは、圧縮工程において、金型31が木材1に圧縮力を加え始めるタイミングを、金型11、21が木材1に圧縮力を加え始めるタイミングよりも前となるようにしたことによる。このようにして、木材1と各金型との間で圧縮力を加えるタイミングを調整することにより、金型11、21から圧縮力を受け始めた時点では、木材1に板厚方向と直交する方向への圧縮力がすでに加わった状態となっているため、従来技術における予備的な圧縮工程と同様、木材1が金型11、21からの圧縮力によって変形する際に、その変形箇所に作用する引張り応力を緩和することができる。その結果、圧縮工程で木材1に割れが生じる可能性を著しく低減することが可能となる。
金型11、21が木材1に圧縮力を加え始めるタイミングと、金型31が木材1に圧縮力を加え始めるタイミングとの関係は、アンギュラピン41の傾斜角や設置位置、突起部15と金型31で互いに接触する面の傾斜角、金型31のストロークなどを変更することによって調整可能である。
なお、成形後の形状によっては、金型31が木材1に圧縮力を加え始めるタイミングを、金型11、21が木材1に圧縮力を加え始めるタイミングと同じとしても、同様の効果を得ることができる。
引き続き圧縮工程について説明する。図2に示す状態からさらに金型11を下降させていくと、木材1は金型11の凸部12に当接し、圧縮力を受けながら徐々に変形していく。やがて、木材1の上面の中央部は金型11の凸部12の表面と密着した状態になる一方、木材1の下面の中央部は金型21の凹部22の表面と密着した状態となる。
図4は、上述した木材1と金型11、21との密着状態を示す図であって、圧縮工程における木材1の変形がほぼ完了した状態を示す図である。図4において、木材1は、金型11と金型21との隙間に相当する3次元形状に変形している。金型31は、図2に示す状態から図4に示す状態に達するまで、金型11の下降に連動して金型21の中央部へ向けてスライドしながら、木材1の端面に圧縮力を加え続ける。
圧縮後に金型11、21によって挟持された部分の木材1の肉厚は、圧縮前の同じ部分の肉厚の30〜50%程度であれば好ましい。換言すると、木材1の圧縮率(圧縮による木材の肉厚の減少分ΔRとその木材の圧縮前の肉厚Rの比の値ΔR/R)は、0.50〜0.70程度であれば好ましい。なお、金型11、21によって挟持されていない部分(木材1の外周部)の肉厚は、圧縮前とほとんど変わらない。
図4に示す状態で木材1を所定時間(1〜数十分、より好ましくは5〜10分程度)圧縮力を加えた後、上述した水蒸気よりさらに高温の水蒸気を木材成形装置10の周囲に加えることにより、木材1の形状を固定化する(ステップS4)。この固定化処理を圧力容器中で行う場合には、圧縮工程における水蒸気よりもさらに高温の水蒸気を圧力容器に吹き込めばよい。
続いて、上記水蒸気雰囲気を解いて木材1を乾燥させる(ステップS5)。ステップS2〜S4の処理を圧力容器中で行った場合には、木材成形装置10を圧力容器の内部を大気中へ開放する。この乾燥工程の際には、木材成形装置10の型締め状態を解除し、金型11または21を木材1から離間することによって木材1の乾燥を促進させるようにしてもよい。以下、ステップS5の乾燥工程が終了した木材1のことを「木材2」と称する。
図5は、木材2の構成を示す斜視図である。同図に示す木材2は、略長方形状の表面を有し平板状をなす主板部2aと、主板部2aの表面の長手方向に略平行な2辺の各々から主板部2aに対して立ち上がるように延出する二つの側板部2bと、主板部2aの表面の短手方向に略平行な2辺の各々から主板部2aに対して立ち上がるように延出する二つの側板部2cと、側板部2b、2cの各端部のうち主板部2aに連なる端部とは異なる端部から、主板部2aの表面と略平行な方向に全周にわたって延出する延出部2dと、を備える。図5のA−A断面やB−B断面は、図4に示す木材1の断面と同様の形状をなす。
延出部2dは、金型31によって端面の一部が押圧されるとともに、爪状部材51によって金型21の表面側へ押さえ付けられているため、図5に示す平板状ではなく、波を打った形状をなしていることもあり、その形状は個々の木材2によって異なる。ただし、延出部2dは、後述する整形工程において切り落とされる部分であるため、木材2ごとの個体差を有していても、最終形状に対して何ら影響を及ぼすことがない。
ステップS5の後、木材2に対して切削または穿孔等の処理を施すことにより、木材2を所定の形状に整形する(ステップS6)。このステップS6では、まず木材2の延出部2dを切削によって切り落とした後、所定の整形処理を行う。図6および図7は、木材2の整形例を示す図であり、具体的には、木材2を整形することによって得られるデジタルカメラ外装用のカバー部材の構成を示す図である。
図6に示すカバー部材3は、デジタルカメラの前方を外装するものであり、木材2の主板部2a、側板部2bおよび2cにそれぞれ対応する主板部3a、側板部3bおよび3cを有する。カバー部材3の主板部3aには、撮像レンズを表出する開口部301とフラッシュを表出する開口部302とが形成されている。また、カバー部材3の側板部3bには、シャッターボタンを表出する切り欠き303が形成されている。
図7に示すカバー部材4は、デジタルカメラの後方を外装するものであり、木材2の主板部2a、側板部2bおよび2cにそれぞれ対応する主板部4a、側板部4bおよび4cを有する。カバー部材4の主板部4aには、液晶画面を表出する開口部401が形成されている。また、カバー部材4の側板部4bには、カバー部材3の切り欠き303と合わさってシャッターボタンを表出する開口部を形成する切り欠き402が形成されている。
図8は、上述した構成を有するカバー部材3、4によって外装されるデジタルカメラの構成を示す斜視図である。同図に示すデジタルカメラ100は、撮像レンズを含む撮像部101と、フラッシュ102と、シャッターボタン103とを備える。デジタルカメラ100の内部には、撮像処理等に関する駆動制御を行う制御回路、CCDやCMOS等の固体撮像素子、音声の入出力を行うマイクロフォンやスピーカ、制御回路の制御のもと各機能部材を駆動する駆動回路などを含み、デジタルカメラ100の機能を実現する各種電子的部材および光学的部材が収納されている(図示せず)。
なお、木材2を整形することによって得られる外装体を適用可能な電子機器としては、デジタルカメラ100の他にも、携帯電話、PHSまたはPDA等の携帯型通信端末、携帯型オーディオ装置、ICレコーダ、携帯型テレビ、携帯型ラジオ、各種家電製品のリモコン、デジタルビデオなどの携帯用小型電子機器を挙げることができる。これらの携帯用小型電子機器に適用する場合の外装体の肉厚は、1.6〜2.0mm程度が好適である。
以上説明した本発明の実施の形態1によれば、大気よりも高温高圧の水蒸気雰囲気中で、平板状の木材の板厚方向と平行な端面の一部に当該端面と略直交する方向への圧縮力を加えるとともに、その木材の板厚方向と直交する表面の一部に当該表面と略直交する方向への圧縮力を加えることにより、予備的な圧縮工程と、曲面を含む3次元形状へ成形する圧縮工程とを一括して行うことができる。したがって、木材の3次元形状への成形を従来よりも少ない工程数で容易にかつ迅速に行うことが可能となる。
また、本実施の形態1によれば、木材の板厚方向と直交する方向への圧縮力が加わり始めるタイミングを、木材の板厚方向への圧縮力が加わり始めるタイミングより前とするか、または木材の板厚方向への圧縮力が加わり始めるタイミングと同じとすることにより、木材が板厚方向に圧縮される際の割れを確実に防止することが可能となる。
さらに、本実施の形態1によれば、木材の圧縮成形時に、木材の周縁部であって第1および第2の金型による圧縮力が加わらない周縁部の一部を当該木材の板厚方向に沿って第2の金型の表面に押さえ付けるとともに、その周縁部の一部を当該木材の板厚方向と直交する方向への摺動が可能な状態で保持する爪状部材を備えたことにより、この爪状部材によって押さえ付けられた部分の圧縮時の変形(逃げ)が抑制される。したがって、木材の周縁部全体の変形も少なくて済み、加圧手段が木材の端面の少なくとも一部に対して圧縮力を確実に加えることができる。
また、本実施の形態1によれば、平板状の部材を用いて様々な3次元形状を成形することが可能となるため、はじめから最終形状に近い形状の木材を形取る必要がなくなる。この結果、木材の無駄を少なくし、コストの削減を実現することができる。
なお、本実施の形態1において、爪状部材を第2の金型に対してネジ部材によって固設する代わりに、爪状部材の外縁部を第2の金型に蝶着するなどして、爪状部材を取り付けたまま、木材の第2の金型への取り付けを容易に行うことができるような構成としてもよい。
また、本実施の形態1において、加圧手段を構成する金型を第2の金型と連動させる構成としてもよい。
(実施の形態2)
図9は、本発明の実施の形態2に係る木材成形装置の要部の構成を示す部分断面図である。同図に示す木材成形装置60は、上記実施の形態1と同様に電子機器の外装体を構成するカバー部材を圧縮成形する装置である。
以下、図9を参照して木材成形装置60の詳細な構成を説明する。木材成形装置60は、成形対象の木材5を圧縮する際に、木材5の板厚方向と直交する表面の一部に当接し、その表面と略直交する方向への圧縮力を加える一対の金型61(第1の金型)、62(第2の金型)と、金型61を上下に駆動する金型駆動部63と、金型61を移動自在に挿通する中空部を有する金型64と、金型62と金型64との間にそれぞれ配置され、木材5の板厚方向と平行な端面に圧縮力を加える複数の金属製の加圧部材65と、複数の加圧部材65をそれぞれ駆動する複数の加圧部材駆動部66と、複数の加圧部材駆動部66にそれぞれ設けられ、加圧部材駆動部66によって駆動する加圧部材65が木材5に加える圧縮力の単位面積当たりの値である圧力を検出する圧力センサー67(圧縮力検出手段)と、加圧部材駆動部66を載置する台座部68と、木材成形装置60の動作に関する情報等が入力される入力部69と、金型駆動部63および加圧部材駆動部66の駆動を制御する制御部70と、を備える。加圧部材65および加圧部材駆動部66は、木材の端面の少なくとも一部に対して圧縮力を加える加圧手段を構成している。
図10は、木材成形装置60の要部の構成を示す平面図であり、木材5の上方に位置する金型61、64および金型駆動部63を除いて上方から見た図である。なお、図10では煩雑さを避けるために、圧力センサー67の記載を省略している。
圧縮時に木材1の底面に当接して圧縮力を加える金型62はキャビティ金型であり、コア金型である金型61との間で木材5を挟持して圧縮力を加える。金型62は、木材5の圧縮後の最終形状に対応してくぼんでいる凹部621と、金型64と対向する表面に設けられ、加圧部材65の進退をガイドする溝状のガイド部622とを有する。
加圧部材65は、平板状をなして木材5に当接する当接部65aと、当接部65aの長手方向の一端から棒状に延びる基端部65bとを有する。加圧部材65は、平板状の木材5の側面を取り囲むように複数個配置されている。複数の加圧部材65の中には、木材5の四隅の面取りされた部分に当接するように配置されているものがある。このように、木材5の面取りされた部分に加圧部材65を当接させて圧縮力を加える構成とすることにより、圧縮工程の際に様々な方向から引張力が加わる木材5の四隅部分に圧縮力を加えて木材5の割れを確実に防止することができる。
加圧部材駆動部66はソレノイドである。このソレノイドの軸には、軸線を一致させた状態で基端部65bが取り付けられている。したがって、加圧部材65はソレノイドの軸線方向に沿って進退可能である。
制御部70は、木材成形装置60の動作を制御するプログラム等を記憶するメモリー71を有する。このような制御部70は、CPUやRAMなどを用いて実現される。
本実施の形態2に係る木材の成形方法の処理の流れは、上記実施の形態1に係る木材の成形方法の処理の流れと同じである(図1を参照)。このうち、形取工程(図1のステップS1)では、上述したように表面が長方形をなす平板状の木材の四隅を面取りすることによって木材5を形取る。
次に、木材成形装置60を用いて行う圧縮工程(図1のステップS3)を説明する。圧縮工程を行う際、木材成形装置60の金型部分は、上記実施の形態1で説明した圧縮工程と同様の水蒸気雰囲気下に置かれる。
圧縮工程において、まず入力部69から圧縮工程を開始する操作指示信号が入力されると、制御部70は金型駆動部63および加圧部材駆動部66に制御信号を送信する。金型駆動部63および加圧部材駆動部66は、制御信号を受信すると金型61および加圧部材65をそれぞれ駆動し始める。この圧縮工程において、加圧部材65の駆動を開始するタイミングは、金型61が下降して金型61の下端部が木材5に当接するタイミングと同じかまたはこのタイミングよりも後である。この後、金型61は、所定の距離だけ移動するように制御される。一方、複数の加圧部材65は、木材5の端面に対して互いに同じ圧縮力を加えるように制御される。
図11は、圧縮工程において木材5の変形が完了した状態を示す図である。図11において、木材5は、金型61と金型62との隙間に相当する3次元形状に変形している。加圧部材65は、図9に示す状態から図11に示す状態に達するまで、木材成形装置60の中心方向に移動しながら木材5の端面に圧縮力を加え続ける。加圧部材65は、木材5の変形が完了して金型61が下降を停止するタイミングとほぼ同時かそのタイミングよりも若干早いタイミングで停止する。
本実施の形態2では、複数の加圧部材65が互いに均一な圧縮力を木材5に加えるように制御されているため、複数の加圧部材65が圧縮力を加え始めてから停止するまでの移動量は場所によって異なることもある。これは、複数の加圧部材65が互いに均一な圧縮力を加えたとしても、木材5の形状や木材5が有する木目などの条件に応じて、加圧部材65が当接する場所ごとの木材5の変形の度合いが同じとは限らないからである。
上述した圧縮工程の後、固定化、乾燥、整形の各工程(図1のステップS4〜S6)を経ることにより、図6に示すカバー部材3や図7に示すカバー部材4が得られる。
以上説明した本発明の実施の形態2によれば、上記実施の形態1と同様、予備的な圧縮工程と、曲面を含む3次元形状へ成形する圧縮工程とを一括して行うことができる。したがって、木材の3次元形状への成形を従来よりも少ない工程数で容易にかつ迅速に行うことが可能となる。
また、本実施の形態2によれば、加圧部材は一定の圧縮力を木材に加え続けるため、木材の変形に連動して加圧部材がストロークする。したがって、変形の度合いが少ない場所に対して過度の圧縮力が加わるのを防止することができる。
また、本実施の形態2によれば、入力部を介して加圧部材が加える圧縮力の値を設定することができるため、木材の個体差を反映した圧縮成形を実現することができる。
なお、本実施の形態2においては、加圧部材駆動部としてソレノイドを用いる代わりに、加圧部材の基端部をラックとして所定のピニオンと噛合させ、このピニオンを適宜回転させることによって加圧部材の進退動作を実現してもよい。
(実施の形態3)
図12は、本発明の実施の形態3に係る木材成形装置の要部の構成を示す部分断面図である。同図に示す木材成形装置80は、上記実施の形態1と同様に電子機器の外装体を構成するカバー部材を圧縮成形する装置であり、上記実施の形態2に係る木材成形装置60に対して、金型61の位置を検出する位置センサー81(位置検出手段)を加えた構成を有している。
位置センサー81は、発光素子と受光素子とを備えた反射型の光センサーであり、金型64の上面に設けられて金型61の下降位置を検出する。図12に示す場合、位置センサー81の発光素子が発光した光は、金型61の側面で反射されて受光素子で受光される。
本実施の形態3に係る木材の成形方法の処理の流れは、上記実施の形態1に係る木材の成形方法の処理の流れと同じである(図1を参照)。また、形取工程(図1のステップS1)では、上記実施の形態2と同様にして木材5の形取りを行う。
次に、木材成形装置80を用いて行う圧縮工程(図1のステップS3)を説明する。圧縮工程を行う際、木材成形装置80の金型部分は、上記実施の形態1で説明した圧縮工程と同様の水蒸気雰囲気下に置かれる。
圧縮工程において、まず入力部69から圧縮工程を開始する操作指示信号が入力されると、制御部70の制御のもとで金型61および加圧部材65が駆動を開始する。金型61および加圧部材65の駆動開始のタイミングについては、上記実施の形態2と同様に制御される。
この後、金型61が下降し続けると、図13に示すように、発光素子が発光した光が金型61の上面で反射するため、受光素子が反射光を受光しなくなり、制御部70には受光に応じたセンサー信号が出力されなくなる。この場合、制御部70は、加圧部材65が木材5の端面に加える圧縮力の大きさを変化させる制御信号を加圧部材駆動部66に対して出力する。制御部70が出力する制御信号に対応する圧縮力の大きさの変化量は予め定められており、メモリー71が記憶するプログラムに記述されている。この変化量は、木材5の圧縮後の形状や圧縮力を変化させた後の木材5の変形の度合いなどを考慮して定められる。したがって、変化量は、増加するように定められる場合もあれば、減少するように定められる場合もある。
本実施の形態3においては、加圧部材65が木材5に加える圧縮力を一様に変化させてもよいし、加圧部材65ごとに異なる態様で変化させてもよい。後者の場合には、例えば加圧部材65のストロークを検出する位置センサーを加圧部材駆動部66に設けておき、加圧部材65のストロークに応じて変化量を制御するようにしてもよい。
また、各加圧部材65の圧縮力の変化量を利用者が入力部69を介して設定できるようにしてもよい。この場合には、木材成形装置80に圧力センサー67や位置センサー81の検出結果等を含む木材5の圧縮時の情報を表示する表示部を具備させれば、利用者は表示部の表示内容に基づいて入力部69から設定入力を行うことができるのでより好ましい。
圧縮工程を終了する処理、および圧縮工程の後、固定化、乾燥、整形の各工程(図1のステップS4〜S6)を経ることによって図6に示すカバー部材3や図7に示すカバー部材4が得られる点は、上述した実施の形態2と同じである。
以上説明した本発明の実施の形態3によれば、圧縮工程の際の金型の位置に応じて加圧部材が木材に加える圧縮力を小さくする制御を行っているため、木材に対して過度の圧縮力を加えずに済み、木材の割れを防止することができる。したがって、木材の圧縮成形を歩留まりよく行うことが可能となる。
また、本実施の形態3によれば、加圧手段が加える圧縮力を調整することができるため、木目が異なる木材だけでなく、種類が異なる木材に対しても適用することができる。したがって、個々の木材に特有の性質(木目や種類など)に適合した圧縮工程を実現することができる。
なお、本実施の形態3において適用する位置センサーは透過型の光センサーでもよいし、光センサー以外のセンサーでもよい。また、位置センサーの設置位置は、図12に示す場合に限られるわけではない。
また、本実施の形態3では、複数の加圧部材が木材に圧縮力を加え始めるタイミングを個別に調整することも可能である。
(実施の形態4)
図14は、本発明の実施の形態4に係る木材成形装置の要部の構成を示す部分断面図である。同図に示す木材成形装置90は、上記実施の形態1と同様に電子機器の外装体を構成するカバー部材を圧縮成形する装置であり、上記実施の形態2に係る木材成形装置60と加圧手段および制御手段の構成が異なっている。
木材成形装置90は、木材5の板厚方向と平行な端面の一部に圧縮力を加える加圧部材91と、加圧部材91の木材と当接しない側の端部を収容するシリンダー92と、シリンダー92に接続されたチューブ93(中間部は破線で省略)と、チューブ93に所定の圧力を有するエアーを発生するエアーコンプレッサー94と、エアーコンプレッサー94に接続されたメインチューブ95と、メインチューブ95と複数のチューブ93とを接続してエアーの流路を分岐する分岐部材96と、を備える。加圧部材91、シリンダー92、チューブ93、エアーコンプレッサー94、メインチューブ95および分岐部材96は加圧手段を構成する。また、エアーコンプレッサー94は、加圧手段の動作を制御する制御手段としての機能も具備している。
加圧部材91は、平板状をなして木材5に当接する当接部91aと、当接部91aの長手方向の一端を軸支するとともに、シリンダー92の内部でピストンの役割を果たす基端部91bとを有する。
図15は、木材成形装置90の要部の構成を示す平面図であり、木材5の上方に位置する金型61、64および金型駆動部63を除いて上方から見た図である。エアーコンプレッサー94が発生したエアーの圧力は、メインチューブ95および分岐部材96を介して複数のチューブ93に分岐され、各チューブ93に接続されるシリンダー92へ伝達される。分岐部材96はメインチューブ95から送られてくるエアーを各チューブ93に対して均等に供給する。このため、エアーコンプレッサー94の動作によってシリンダー92に発生するエアーの圧力は均一である。
本実施の形態4に係る木材の成形方法の処理の流れは、上記実施の形態1に係る木材の成形方法の処理の流れと同じである(図1を参照)。また、形取工程(図1のステップS1)では、上記実施の形態2と同様にして木材5の形取りを行う。
次に、木材成形装置90を用いて行う圧縮工程(図1のステップS3)を説明する。圧縮工程を行う際、木材成形装置90の金型部分は、上記実施の形態1で説明した圧縮工程と同様の水蒸気雰囲気下に置かれる。
圧縮工程において、まず入力部69から金型61の動作を開始する操作指示信号が入力されると、制御部70は金型61が駆動を開始する制御信号を金型駆動部63に送信する。その後、金型61の下端部が木材5の上面に当接する位置まで下降した時、制御部70はエアーコンプレッサー94に動作を開始させる制御信号を送信する。エアーコンプレッサー94が動作を開始すると、各シリンダー92に所定の圧力が発生し、加圧部材91の基端部91bがエアーによって押し出され、当接部91aが木材5の端面に均一な圧縮力を加え始める。この後、制御部70は、金型61の下降量が所定の停止位置に到達するよりも前にエアーコンプレッサー94の動作を停止する制御を行う。圧縮工程の最後に金型61が停止した時、木材5は金型61と金型62との隙間に相当する3次元形状に変形している。
上述した圧縮工程の後、固定化、乾燥、整形の各工程(図1のステップS4〜S6)を経ることにより、図6に示すカバー部材3や図7に示すカバー部材4が得られる。
以上説明した本発明の実施の形態4によれば、エアーコンプレッサーを用いて加圧手段を構成しているため、簡単な制御によって木材の端面の一部に均一な圧縮力を加えることができる。
なお、本実施の形態4において、第1の金型の動作とエアーコンプレッサーの動作を独立に行ってもよい。この場合には、木材成形装置に対して第1の金型の位置を表示することができる表示部を設けておき、利用者は表示部の表示内容に基づいてエアーコンプレッサーの動作を開始または終了するようにすればよい。
(実施の形態5)
図16は、本発明の実施の形態5に係る木材成形装置の要部の構成を示す部分断面図である。同図に示す木材成形装置110は、上記実施の形態1と同様の形状を有するカバー部材を成形する装置である。
木材成形装置110は、成形対象の木材6を圧縮する際に、木材6の板厚方向と直交する表面の一部に当接し、その表面と略直交する方向への圧縮力を加える一対の金型61(第1の金型),111(第2の金型)と、金型駆動部63と、金型64と、入力部69と、制御部70と、木材6の外縁を包囲するように設けられるゴムチューブ112と、ゴムチューブ112へ注入する所定の圧力を有するエアーを発生するエアーコンプレッサー113と、ゴムチューブ112とエアーコンプレッサー113とを接続してエアーコンプレッサー113が発生するエアーの流路をなすチューブ114と、を備える。キャビティ金型である金型111は、木材6の最終形状に対応してくぼんでいる凹部1111と、ゴムチューブ112および木材6を載置する載置部1112とを有する。ゴムチューブ112、エアーコンプレッサー113およびチューブ114は加圧手段を構成している。
図17は、木材成形装置110の要部の構成を示す平面図であり、木材6の上方に位置する金型61、64および金型駆動部63を除いて上方から見た図である。図17に示すように、ゴムチューブ112は木材6の端面を包囲しており、その端面全周にわたって圧縮力を加える。本実施の形態5では、木材成形装置110を用いて木材6を圧縮する際にゴムチューブ112が破けるのを防止するために、木材6の表面の四隅がR形状に面取りされている。
本実施の形態5に係る木材の成形方法における処理の流れは、上記実施の形態1に係る木材の成形方法における処理の流れと同じである(図1を参照)。このうち、形取工程(図1のステップS1)では、上述したように表面が長方形をなす平板状の木材の四隅をR形状に面取りすることによって木材6を形取る。
次に、木材成形装置110を用いて行う圧縮工程(図1のステップS3)を説明する。圧縮工程を行う際、木材成形装置110の金型部分は、上記実施の形態1で説明した圧縮工程と同様の水蒸気雰囲気下に置かれる。
圧縮工程において、まず入力部69から金型61の動作を開始する操作指示信号が入力されると、制御部70は金型61が駆動を開始する制御信号を金型駆動部63に送信する。その後、金型61の下端部が木材5の上面に当接する位置まで下降した時、制御部70はエアーコンプレッサー113に動作を開始させる制御信号を送信する。これにより、エアーコンプレッサー113からゴムチューブ112に対してエアーが供給され、ゴムチューブ112は金型61の下降に伴って徐々に膨張していきながら木材6の端面に圧縮力を加え始める。この後、制御部70は、金型61の下降量が所定の停止位置に到達するよりも前にエアーコンプレッサー113の動作を停止する制御を行う。圧縮工程の最後に金型61が停止した時、木材6は金型61と金型111との隙間に相当する3次元形状に変形している。
上述した圧縮工程の後、固定化、乾燥、整形の各工程(図1のステップS4〜S6)を経ることにより、図6に示すカバー部材3や図7に示すカバー部材4が得られる。
以上説明した本発明の実施の形態5によれば、圧縮対象の木材の外周を周回するゴムチューブを有する加圧手段を用いるため、単純な構成によって木材の端面全周に均一な圧力を加えることができる。
なお、本実施の形態5においても、第1の金型の下降動作とエアーコンプレッサーの動作を独立に行うことができる。
ここまで、本発明を実施するための最良の形態を説明してきたが、本発明は、上述した実施の形態1〜5によってのみ限定されるべきものではない。すなわち、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態等を含みうるものであり、特許請求の範囲により特定される技術的思想を逸脱しない範囲内において種々の設計変更等を施すことが可能である。
本発明に係る木材の成形方法および木材成形装置は、平板状の木材を、曲面を含む3次元形状に圧縮成形するのに有用である。
本発明の実施の形態1に係る木材の成形方法の概要を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1に係る木材の成形方法の圧縮工程の概要および木材成形装置の一部の構成を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る木材の成形方法の圧縮工程で使用する木材成形装置の一部の構成を示す平面図である。 本発明の実施の形態1に係る木材の成形方法の圧縮工程において、木材の変形がほぼ完了した状態を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る木材の成形方法の乾燥工程後の木材の構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る木材の成形方法によって成形した木材の適用例(デジタルカメラの前方を外装するカバー部材)の構成を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る木材の成形方法によって成形した木材の適用例(デジタルカメラの後方を外装するカバー部材)の構成を示す図である。 図6および図7に示すカバー部材によって外装されたデジタルカメラの外観構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態2に係る木材成形装置の要部の構成を示す部分断面図である。 本発明の実施の形態2に係る木材成形装置の要部の構成を示す平面図である。 本発明の実施の形態2に係る木材の成形方法の圧縮工程において、木材の変形がほぼ完了した状態を示す図である。 本発明の実施の形態3に係る木材成形装置の要部の構成を示す部分断面図である。 本発明の実施の形態3に係る木材成形装置において、位置センサーが一方の金型の所定位置を検出する状況を示す図である。 本発明の実施の形態4に係る木材成形装置の要部の構成を示す平面図である。 本発明の実施の形態4に係る木材成形装置の要部の構成を示す部分断面図である。 本発明の実施の形態5に係る木材成形装置の要部の構成を示す平面図である。 本発明の実施の形態5に係る木材成形装置の要部の構成を示す平面図である。
符号の説明
1、2、5、6 木材
2a、3a、4a 主板部
2b、2c、3b、3c、4b、4c 側板部
2d 延出部
3、4 カバー部材
10、60、80、90、110 木材成形装置
11、21、31、61、62、64、111 金型
12 凸部
13 フランジ部
14、32 孔部
15 突起部
22、1111 凹部
41 アンギュラピン
51 爪状部材(押さえ部材)
52 ネジ部材
63 金型駆動部
65、91 加圧部材
65a、91a 当接部
65b、91b 基端部
66 加圧部材駆動部
67 圧力センサー
68 台座部
69 入力部
70 制御部
71 メモリー
81 位置センサー
92 シリンダー
93、114 チューブ
94、113 エアーコンプレッサー
95 メインチューブ
96 分岐部材
100 デジタルカメラ
101 撮像部
102 フラッシュ
103 シャッターボタン
112 ゴムチューブ
301、302、401 開口部
303、402 切り欠き
621 凹部
622 ガイド部
1112 載置部

Claims (12)

  1. 平板状の木材を、曲面を含む3次元形状に成形する木材の成形方法であって、
    大気よりも高温高圧の水蒸気雰囲気中で、前記木材の板厚方向と平行な端面の少なくとも一部に当該端面と略直交する方向への圧縮力を加えるとともに、前記木材の板厚方向と直交する表面の一部に当該表面と略直交する方向への圧縮力を加える圧縮工程を有し、
    前記木材の端面に圧縮力を加え始めるタイミングは、前記木材の表面に圧縮力を加え始めるタイミングより前であることを特徴とする木材の成形方法。
  2. 前記圧縮工程で前記端面の一部に加える圧縮力の大きさは、当該圧縮力を加える場所によらず均一であることを特徴とする請求項1記載の木材の成形方法。
  3. 前記圧縮工程で前記端面の一部に加える圧縮力の大きさは、当該圧縮力を加える場所に応じて定められた値を有することを特徴とする請求項1載の木材の成形方法。
  4. 平板状の木材を、曲面を含む3次元形状に成形する木材の成形方法であって、
    大気よりも高温高圧の水蒸気雰囲気中で、前記木材の板厚方向と平行な端面の少なくとも一部に当該端面と略直交する方向への圧縮力を加えるとともに、前記木材の板厚方向と直交する表面の一部に当該表面と略直交する方向への圧縮力を加える圧縮工程を有し、
    前記圧縮工程は、圧縮力が加わらない前記木材の周縁部の一部を、板厚方向と直交する方向への摺動が可能な状態で、該板厚方向に沿って押さえ付けながら行うことを特徴とする材の成形方法。
  5. 平板状の木材を、曲面を含む3次元形状に成形する木材の成形方法であって、
    大気よりも高温高圧の水蒸気雰囲気中で、前記木材の板厚方向と平行な端面の少なくとも一部に当該端面と略直交する方向への圧縮力を加えるとともに、前記木材の板厚方向と直交する表面の一部に当該表面と略直交する方向への圧縮力を加える圧縮工程を有し、
    前記圧縮工程は、前記端面の一部に加わる圧縮力を前記木材の変形に応じて変化させることを特徴とする材の成形方法。
  6. 平板状の木材を、曲面を含む3次元形状に成形する木材成形装置であって、
    前記木材を板厚方向に挟持可能であり、一方が他方に対して移動することによって前記木材の板厚方向への圧縮力を加える第1および第2の金型と、
    前記第1および第2の金型の間に介在し、前記第1および第2の金型が挟持する前記木材の板厚方向と平行な端面の少なくとも一部に当該端面と略直交する方向への圧縮力を加える加圧手段と、
    前記木材の周縁部であって前記第1および第2の金型による圧縮力が加わらない周縁部の一部を、当該木材の板厚方向に沿って前記第1および第2の金型のいずれか一方の表面に押さえ付けるとともに、前記周縁部の一部を当該木材の板厚方向と直交する方向への摺動が可能な状態で保持する押さえ部材と、
    を備えたことを特徴とする木材成形装置。
  7. 前記加圧手段は、
    前記第1および第2の金型のうち少なくともいずれか一方の金型と連動することを特徴とする請求項6記載の木材成形装置。
  8. 前記加圧手段の動作を制御する制御手段をさらに備えたことを特徴とする請求項6載の木材成形装置。
  9. 前記加圧手段が加える圧縮力の大きさを検出する圧縮力検出手段をさらに備え、
    前記制御手段は、
    前記圧縮力検出手段の検出結果を用いることによって前記加圧手段の動作を制御することを特徴とする請求項記載の木材成形装置。
  10. 前記制御手段は、
    前記加圧手段が前記木材の端面の一部に加える圧縮力の大きさを当該圧縮力が加えられる場所によらず均一とする制御を行うことを特徴とする請求項8または9記載の木材成形装置。
  11. 平板状の木材を、曲面を含む3次元形状に成形する木材成形装置であって、
    前記木材を板厚方向に挟持可能であり、一方が他方に対して移動することによって前記木材の板厚方向への圧縮力を加える第1および第2の金型と、
    前記第1および第2の金型の間に介在し、前記第1および第2の金型が挟持する前記木材の板厚方向と平行な端面の少なくとも一部に当該端面と略直交する方向への圧縮力を加える加圧手段と、
    前記加圧手段の動作を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、
    前記加圧手段が前記木材の端面の一部に加える圧縮力の大きさを当該圧縮力が加えられる場所に応じて定める制御を行うことを特徴とする材成形装置。
  12. 前記第1または第2の金型の位置を検出する位置検出手段をさらに備え、
    前記制御手段は、
    前記位置検出手段の検出結果を用いることによって前記加圧手段が前記木材の端面の少なくとも一部に加える圧縮力を変化させる制御を行うことを特徴とする請求項8〜11のいずれか一項記載の木材成形装置。
JP2008096166A 2007-05-24 2008-04-02 木材の成形方法および木材成形装置 Expired - Fee Related JP5123712B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008096166A JP5123712B2 (ja) 2007-05-24 2008-04-02 木材の成形方法および木材成形装置
CN2008100979384A CN101310944B (zh) 2007-05-24 2008-05-19 木材成形方法和木材成形装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007138288 2007-05-24
JP2007138288 2007-05-24
JP2008096166A JP5123712B2 (ja) 2007-05-24 2008-04-02 木材の成形方法および木材成形装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009001001A JP2009001001A (ja) 2009-01-08
JP5123712B2 true JP5123712B2 (ja) 2013-01-23

Family

ID=40099862

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008096166A Expired - Fee Related JP5123712B2 (ja) 2007-05-24 2008-04-02 木材の成形方法および木材成形装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5123712B2 (ja)
CN (1) CN101310944B (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101803783B1 (ko) 2016-03-31 2017-12-05 창원대학교 산학협력단 가공원점 설정이 가능한 절삭장치

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4981836B2 (ja) * 2009-04-02 2012-07-25 オリンパス株式会社 圧縮木製品の製造方法
CN109366656B (zh) * 2018-09-18 2021-01-19 华南农业大学 一种单侧压缩木密度峰型形态的控制方法
CN109465932B (zh) * 2018-12-21 2021-12-03 王凯 基于高周波无胶压密硬木的方法
CN112277107B (zh) * 2020-09-18 2021-10-26 无锡职业技术学院 一种可调式家具原料弯曲装置
KR20230020690A (ko) 2021-08-04 2023-02-13 현대모비스 주식회사 리얼우드 시트를 구비한 차량용 크래쉬 패드 제작용 우드 프리포밍 장치

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0234284B2 (ja) * 1984-03-15 1990-08-02 Akyama Emono Jugen Mokuzainosorikyoseihoho
JPH0245101A (ja) * 1988-08-05 1990-02-15 Shigeru Yoshihara 木質材の曲げ成形機
JPH0479603U (ja) * 1990-11-26 1992-07-10
JPH07115234B2 (ja) * 1991-11-25 1995-12-13 株式会社ヨシツカ精機 粉末成形プレスにおける加圧位置の補正方法
JPH07102537B2 (ja) * 1992-09-02 1995-11-08 良昌 永井 曲げ加工した木材の製造方法
JPH0732325A (ja) * 1993-07-12 1995-02-03 Ibiden Co Ltd 集成材及び集成材の製造方法
JP2774485B2 (ja) * 1996-08-22 1998-07-09 株式会社日阪製作所 蒸気式高温プレス装置
JP4429965B2 (ja) * 2005-05-23 2010-03-10 オリンパス株式会社 加工装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101803783B1 (ko) 2016-03-31 2017-12-05 창원대학교 산학협력단 가공원점 설정이 가능한 절삭장치

Also Published As

Publication number Publication date
CN101310944B (zh) 2012-02-15
CN101310944A (zh) 2008-11-26
JP2009001001A (ja) 2009-01-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5123712B2 (ja) 木材の成形方法および木材成形装置
JP4506734B2 (ja) 成形装置
JP4598727B2 (ja) 木材の加工方法
US7726367B2 (en) Method of processing wooden piece
JP5097741B2 (ja) 木材の成形方法
JP4331699B2 (ja) 加工方法および加工装置
US8011400B2 (en) Compressed wood product and electronic device exterior material
WO2008010439A1 (fr) moule métallique pour le façonnage du bois
JP5097604B2 (ja) 木材の成形方法
JP4429965B2 (ja) 加工装置
JP4199210B2 (ja) 木材の加工方法
US20060236650A1 (en) Processing apparatus, mold for wood processing, and method of processing wood
JP4328331B2 (ja) コア金型、キャビティ金型、および木材加工装置
JP2009107296A (ja) 木材成形用金型および木材の成形方法
JP4331701B2 (ja) 木材の加工方法、木材加工用型枠、および加工装置
JP5248949B2 (ja) 木材の成形方法
JP4466624B2 (ja) 成形装置
KR101805456B1 (ko) 누룩 성형기와 누룩 성형방법
JP2007253345A (ja) 圧縮木製品の製造方法
JP2009083252A (ja) 圧縮木製品、電子機器用外装体、および木材成形用金型
JP2006297796A (ja) 木材の加工方法
JP2006321201A (ja) 木材の加工方法および圧縮木製品
JP4624975B2 (ja) 圧縮木製品、楽器、および木材の加工方法
JP4813441B2 (ja) 木材成形用金型
KR100398926B1 (ko) 구면(球面) 스크린 제조 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110217

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120711

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120731

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120927

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121016

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121026

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151102

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151102

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees