JPH07102300A

JPH07102300A - タブレット洗剤組成物

Info

Publication number: JPH07102300A
Application number: JP27612093A
Authority: JP
Inventors: Takashi Saito; 恭士斉藤; Rieko Mitsui; 利恵子三井; Toshiyuki Watanabe; 利幸渡辺
Original assignee: Lion Corp
Current assignee: Lion Corp
Priority date: 1993-10-07
Filing date: 1993-10-07
Publication date: 1995-04-18

Abstract

(57)【要約】【構成】（Ａ）アニオン界面活性剤、（Ｂ）ノニオン
界面活性剤、（Ｃ）吸油性粉粒体を、３＞（Ｂ）／
（Ａ）＞０．５の範囲で含有し、（Ａ）および（Ｂ）成
分の合計量が５〜５０重量％であるタブレット洗剤組成
物。【効果】金型付着やキャッピングを生じることなく打
錠でき、しかも、格別に崩壊剤や発泡剤を用いなくと
も、水に投入したときに速やかに溶解して洗浄力を発現
するタブレット洗剤が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、打錠成形性および溶解
性に優れたタブレット型の洗剤組成物に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の衣料用洗剤は、組成物中に洗浄性
能にはほとんど寄与しない増量剤（通常は芒硝が用いら
れる）を添加し、かつこれを噴霧乾燥等により嵩密度
０．３ｇ／ｃｃ程度のビーズ状中空粒子として製造して
いた。しかし、このような洗剤は比重が軽く活性剤濃度
も低いため、輸送コストがかさむうえ、保管・陳列にも
かなりのスペースが必要であった。さらに一般家庭にお
いても、置き場所に困ったり、計量しにくいという不便
があった。そこで最近では、少ない洗剤使用量で洗浄が
可能な高嵩密度粒状洗剤が上市されている。

【０００３】さらに簡便性の向上を図るため、最近タブ
レット洗剤の開発が試みられている。しかし、タブレッ
ト洗剤は、簡便で利用しやすいという反面、水中で速や
かに溶解させることが容易でないという欠点がある。こ
のような易水中崩壊性は、医薬品や食品などの他の分野
で用いられるタブレットにおいても要求されている。そ
こで、これら分野のタブレットにおいては一般的に、主
成分に加え、コハク酸と炭酸ナトリウムまたは炭酸水素
ナトリウムとを乾燥状態で混合して打錠成形し、水と接
触した際に酸と炭酸塩とを反応させて二酸化炭素を発生
せしめることにより、崩壊性を改善して主成分の溶解を
促進するという方法が取られている。

【０００４】しかしながら、タブレット洗剤において
は、上記のような発泡成分に対して界面活性剤を主活性
成分として配合すると、製造時に金型付着が生じて製造
性が著しく劣化し、また、タブレットの崩壊性自体も不
十分であるという問題があった。さらに、タブレット洗
剤の保存中に、その中に含まれている水分や空気中の水
分を吸収し、徐々に酸−アルカリ反応が起こって二酸化
炭素が発生するため、保存中に包装容器が膨張したり、
タブレットが膨張変形する欠点があり、さらに、保存後
にタブレット洗剤を水中に投入すると、崩壊性が著しく
劣化するという問題点もあった。

【０００５】また、本出願人は先に、崩壊剤として水難
溶性カルボキシメチルセルロース粉末を添加することに
より、タブレット洗剤の水中崩壊性および製造時の金型
離型性を改善することを提案した（特開平２−３１１６
００号公報）。さらに最近では、ノニオン界面活性剤を
主界面活性剤とし、ここにＡ型ゼオライト、多孔性吸油
担体を組み合わせることで崩壊剤を用いずとも溶解性の
良好なタブレット洗剤が提案されている（特開平４−３
０６２９９号公報）。しかしながらこの組成の洗剤は、
タブレット成型時にキャッピング（タブレットの上面ま
たは下面が帽子状に剥れる現象）が生じ易く、また成形
圧を高めても、移送や輸送に耐えうる十分な強度のタブ
レットを得ることができないという問題点を有してい
る。また、溶解性も冬期の水道水使用を想定した低温で
は不十分である。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の欠点を克服し、発泡剤や崩壊剤を用いなくとも、
速やかに水中に溶解するとともに、製造時に金型付着お
よびキャッピングが生じず打錠安定性の良好なタブレッ
ト洗剤を提供するものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明のタブレット洗剤
は、以下の（Ａ），（Ｂ）および（Ｃ）成分を下記の条
件で含有することを特徴とする。（Ａ）アニオン界面活性剤。（Ｂ）ノニオン界面活性剤。（Ｃ）吸油性粉粒体。但し、（Ａ），（Ｂ）両成分を重量比で３＞（Ｂ）／（Ａ）＞０．５の範囲で含み、（Ａ）および（Ｂ）成分の合計含有量
［（Ａ）＋（Ｂ）］が５〜５０重量％の範囲にある。

【０００８】

【発明の実施態様】

（Ａ）成分のアニオン界面活性剤としては、例えば以下
のものが例示できる。１）平均炭素数８〜１６のアルキル基を有する直鎖ア
ルキルベンゼンスルホン酸塩、２）平均炭素数１０〜２０のα−オレフィンスルホン
酸塩、３）脂肪酸残基の炭素数８〜２２の脂肪酸低級アルキ
ルエステルのスルホン酸塩、４）平均炭素数１０〜２０のアルキル硫酸塩、５）平均炭素数１０〜２０の直鎖または分岐鎖のアル
キル基もしくはアルケニル基を有し、平均０．５〜８モ
ルのエチレンオキサイドを付加したアルキルエーテル硫
酸塩またはアルケニルエーテル硫酸塩、６）平均炭素数１０〜２２の飽和または不飽和脂肪酸
塩。これらのアニオン界面活性剤における対イオンとして
は、通常ナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属塩が
適当である。

【０００９】（Ｂ）成分のノニオン界面活性剤として以
下のものが例示される。１）炭素数８〜１８の１級または２級アルコールにエ
チレンオキサイド（ＥＯ）を平均４〜２５モル付加させ
たＥＯ付加型ノニオン界面活性剤（アルキルエーテルエ
トキシレート）。２）炭素数８〜１８の１級または２級アルコールにエ
チレンオキサイド（ＥＯ）を平均４〜２５モル、プロピ
レンオキサイド（ＰＯ）を３〜１０モル付加させたＥＯ
−ＰＯ付加型ノニオン界面活性剤。３）化１で示される脂肪酸ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル

【００１０】

【化１】ｎ：エチレンオキシドの付加モル数を示し、平均４〜３
０の数Ｒ₃：炭素数１〜５のアルキル基）

【００１１】このノニオン界面活性剤は、エステル結合
の間にエチレンオキサイドが付加した脂肪酸のエチレン
オキサイド付加物のアルキルエーテルであり、常法によ
り脂肪酸にエチレンオキサイドを付加させ、ついでアル
キルエーテル化する２段法によって得られるが、例えば
３価のアルムニウムイオン、ガリウムイオン、インジウ
ムイオン、タリウムイオンなど、また２価のマンガンイ
オンから選ばれる金属イオンの１種以上が添加された酸
化マグネシウムからなる触媒の存在下に脂肪酸アルキル
エステルとエチレンオキサイドとを反応させる１段法に
よっても製造できる（特開平４−２７９５５２号公
報）。

【００１２】４）炭素数６〜１８の脂肪酸と、炭素数
５〜６の単糖類またはそのモノアルキルエーテルとのエ
ステルからなる糖エステル系ノニオン界面活性剤。５）化２で示される糖アルキルエーテル系ノニオン界
面活性剤。

【００１３】

【化２】Ｒ₁Ｏ(ＣＨ₂ＣＨ₂Ｏ)n(Ｚ)x （Ｒ₁：炭素数８〜１８のアルキル基ｎ：０〜１２Ｚ：炭素数５〜６の糖残基ｘ：１．２〜１０）

【００１４】６）炭素数８〜１８の脂肪酸のアルカノ
ールアミド。７）アルキル（炭素数８〜１８）ジメチルアミンオキ
シド。

【００１５】（Ａ）成分のアニオン界面活性剤は１種を
単独で用いても、２種以上組合わせて使用してもよく、
（Ｂ）成分のノニオン界面活性剤も１種を単独で用いて
も２種以上組合わせて使用してもよい。タブレット洗剤
組成中には、（Ａ）成分のアニオン界面活性剤と（Ｂ）
成分のノニオン界面活性剤とが合計量で５〜５０重量
％、好ましくは１０〜４０重量％配合される。この配合
量が５重量％未満では、タブレット成型時に十分な強度
が得られない。一方、５０重量％を超えると、ビルダー
など他の成分の配合量が少なくなり好ましくない。

【００１６】また、（Ａ）成分のアニオン界面活性剤と
（Ｂ）成分のノニオン界面活性剤は重量比で３＞（Ｂ）
／（Ａ）＞０．５、好ましくは２＞（Ｂ）／（Ａ）＞
０．５、さらに好ましくは１．５＞（Ｂ）／（Ａ）＞
０．７５の範囲で組成中に配合することが必要である。
この比率が３より大きいとタブレット成形性が悪く、キ
ャッピングを起こし易い。また、０．５より小さいと打
錠時に金型付着を引き起こすと共に溶解性が劣化する。

【００１７】（Ｃ）成分の吸油性粉粒体としては、多孔
性または比表面積が大きく吸油性に優れた物質が用いら
れ、例えば、トクシール（徳山曹達（株）製）、ニップ
シール（日本シリカ（株））等として市販されている非
晶質シリカ、天然澱粉や加工澱粉から得られるデキスト
リンや炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、パーライム
（真珠岩）等が挙げられる。

【００１８】（Ｃ）成分の吸油性粉粒体は、タブレット
洗剤組成物中に１〜３０重量％、好ましくは２〜２０重
量％、さらに好ましくは５〜１０重量％配合される。こ
の配合量が１％未満ではタブレット成形時にしみ出しが
起こるためにノニオン界面活性剤を十分配合できず、３
０重量％を超えるとタブレット成形性が劣化してキャッ
ピングを起こす。

【００１９】本発明のタブレット洗剤組成物には、上記
（Ａ），（Ｂ），（Ｃ）成分に加え、さらに、トリポリ
リン酸ナトリウムやピロリン酸ナトリウムのような無機
ビルダー；アルミノケイ酸塩（ゼオライト）、クエン酸
ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニト
リロ三酢酸塩、ポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸
ナトリウム−無水マレイン酸ナトリウム共重合物、ポリ
アセタールカルボキシレート等のカルシウムイオン捕捉
ビルダー；炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸塩等の
アルカリビルダー；亜硫酸塩、硫酸塩；ポリエチレング
リコール等の再汚染防止剤；パラトルエンスルホン酸
塩、トルエンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、尿
素などの粘度調整剤；プロテアーゼ、リパーゼ、セルラ
ーゼ、アミラーゼなどの酵素；第４級アンモニウム塩、
ベントナイト等の柔軟付与剤；漂白剤、蛍光剤、香料、
色素などを使用することができる。

【００２０】本発明のタブレット洗剤組成物は、通常の
タブレット成形法に従って打錠することにより容易に成
形でき、例えばアニオン界面活性剤を含有する粉粒体
と、ノニオン界面活性剤を含浸させた吸油性粉粒体と
を、あるいはさらに他の任意成分を粉体混合し、直径が
約２０〜６０ｍｍ、厚さが約５〜２０ｍｍの形状で、１
錠の重量が約５〜６０ｇのタブレットに成形される。打
錠に供される粉体混合物の含水率は、２０重量％以下が
適当であり、１〜１５重量％が好適である。含水率が低
すぎるとキャッピングを起こしやすく、一方、含水率が
高すぎるとしみ出しが起こる。

【００２１】

【発明の効果】本発明によれば、アニオン界面活性剤、
ノニオン界面活性剤および吸油性粉粒体を配合し、か
つ、アニオン界面活性剤とノニオン界面活性剤の配合比
率ならびに合計配合量を特定することにより、金型付着
やキャッピングを生じることなく打錠でき、しかも、格
別に崩壊剤や発泡剤を用いなくとも、水に投入したとき
に速やかに溶解して洗浄力を発現するタブレット洗剤が
得られる。

【００２２】

【実施例】以下、本発明の効果について実施例を挙げて
さらに具体的に説明する。これに先立って、実施例で用
いた評価方法を記す。（１）溶解性の評価法（溶解時間）実施例で調製したタブレット洗剤を、１０℃、２リット
ルの水道水を満たしたビーカーに投入し、定速スターラ
を用い２５０ｒｐｍの速度で１０分間撹拌する。残渣を
濾過し、１日風乾したのち重量を測定して溶解量を算出
した。（２）タブレット成形性タブレットの側面から直径方向に力を掛け、割れたタブ
レットの断面の様子から以下の基準により視覚判定し
た。ここで、キャッピングとは、タブレットの直径方向
に亀裂が入り、タブレットの一部が剥れることを指す。
また、ラミネーションとは、タブレットの厚さ方向には
一体を保っているが、直径方向に内部に剥離が生じ、空
隙が発生している状態をいう。 ○：タブレットのキャッピングやラミネーションがない △：タブレットにややキャッピングが認められる ×：タブレットのキャッピング、ラミネーションが認め
られる

【００２３】実施例１後記表１および表２に示した（Ａ）成分と任意成分（酵
素を除く）を用いて固形分４５％の洗剤スラリーを調製
した。この洗剤スラリーを、向流式噴霧乾燥塔を用い、
熱風温度３８０℃で、水分が５％となるように乾燥し
て、アニオン界面活性剤含有噴霧乾燥品を得た。つい
で、(Ｃ)成分に各種(Ｂ)成分を均一に含浸させ、さらに
上記乾燥品および酵素を均一に混合した後、打錠して打
錠成形性を評価した。さらに、得られたタブレット洗剤
組成物の溶解性を評価し、評価結果を表１および表２に
示した。ここで打錠は、均一混合後の粉末組成物１５ｇ
を内径４０ｍｍのシリンダー（金型）に採り、３００〜
５００ｋｇ／ｃｍ²で１分間加圧することにより行な
い、直径４０ｍｍ、重量１５ｇのタブレット洗剤を得
た。

【００２４】

【表１】試料No. １２３４５６７組成 (A)成分:AOS-Na − 15 15 15 − − − (wt%) AOS-K − − − − 15 − − AS-Na − − − − − 15 − α-SF-Na − − − − − − 15 (B)成分:ノニオン-1 30 15 − − 15 15 15 ノニオン-2 − − 15 − − − − ノニオン-3 − − − 15 − − − (C)成分:非晶質シリカ 10 5 5 5 5 5 5 任意成分:A型ゼオライト 25 25 25 25 25 25 25 亜硫酸-Na 2 2 2 2 2 2 2 酵素 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 炭酸-Na バランス組成比 (B)／(A)[−] − 1 1 1 1 1 1 合計量 (A)＋(B)[％] 30 30 30 30 30 30 30 溶解量(％) 35 85 70 55 85 100 70 タブレット成形性 × ○ ○ ○ ○〜△ ○〜△ ○〜△ （１）試料Ｎｏ．２〜７は実施例、試料Ｎｏ．１は比
較例（２）（Ａ）成分：ＡＯＳ−Ｎａ：Ｃ₁₄〜Ｃ₁₈α−オレフィンスルホン酸ナ
トリウムＡＯＳ−Ｋ：Ｃ₁₄〜Ｃ₁₈α−オレフィンスルホン酸カリ
ウムＡＳ−Ｎａ：Ｃ₁₂〜Ｃ₁₅アルキル硫酸ナリウム α−ＳＦ−Ｎａ：Ｃ₁₂〜Ｃ₁₆飽和脂肪酸のメチルエステ
ルのスルホン酸ナトリウム（Ｂ）成分：ノニオン−１：ラウリン酸メチルのエステル結合の間に
エチレンオキシド（ＥＯ）が平均１５モル付加した脂肪
酸ポリオキシエチレンメチルエーテルノニオン−２：Ｃ₁₂〜Ｃ₁₃１級アルコールにエチレンオ
キシド（ＥＯ）が平均１５モルおよびプロピレンオキシド（ＰＯ）が平均１０
モル付加したＥＯ・ＰＯ付加型ノニオン界面活性剤ノニオン−３：Ｃ₁₂〜Ｃ₁₃１級アルコールにエチレンオ
キシド（ＥＯ）が平均１５モルおよびプロピレンオキシ
ドが平均３モル付加したＥＯ・ＰＯ付加型ノニオン界面
活性剤（Ｃ）成分：非晶質シリカ：トクシールＮ（徳山曹達（株）製）任意成分：酵素：サビナーゼ６．０Ｔ／リポラーゼ１００Ｔ＝５／
１の混合物（共に、ノボ社製酵素の商品名）

【００２５】

【表２】試料No. ８９ 10 11 12 13 組成 (A)成分:AOS-Na 25 5 − 5 − 2.5 (wt%) AOS-K − 5 5 − − − AS-Na − − − − 5 − LAS-Na − − 5 − 5 2.5 α-SF-Na − − − 5 − − (B)成分:ノニオン-1 5 20 15 15 25 5 (C)成分:非晶質シリカ 2 10 5 5 10 2 任意成分:A型ゼオライト 25 25 25 25 25 25 亜硫酸-Na 2 2 2 2 2 2 酵素 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 炭酸-Na バランス組成比 (B)／(A)[−] 0.2 2 1.5 1.5 2.5 1 合計量 (A)＋(B)[％] 30 30 25 25 30 10 溶解量(％) 30 85 75 75 70 90 タブレット成形性 ○ ○ ○〜△ ○ ○〜△ ○〜△ （１）試料Ｎｏ．９〜１３は実施例、試料Ｎｏ．８は
比較例（２）（Ａ）成分：ＡＯＳ−Ｎａ：Ｃ₁₄〜Ｃ₁₈α−オレフィンスルホン酸ナ
トリウムＡＯＳ−Ｋ：Ｃ₁₄〜Ｃ₁₈α−オレフィンスルホン酸カリ
ウムＡＳ−Ｎａ：Ｃ₁₂〜Ｃ₁₅アルキル硫酸ナリウムＬＡＳ−Ｎａ：アルキル直鎖（Ｃ₁₀〜Ｃ₁₄）ベンゼンス
ルホン酸ナトリウム α−ＳＦ−Ｎａ：Ｃ₁₂〜Ｃ₁₆飽和脂肪酸のメチルエステ
ルのスルホン酸ナトリウム（Ｂ）成分：ノニオン−１：ラウリン酸メチルのエステル結合の間に
エチレンオキシド（ＥＯ）が平均１５モル付加した脂肪
酸ポリオキシエチレンメチルエーテル（Ｃ）成分：非晶質シリカ：トクシールＮ（徳山曹達（株）製）任意成分：酵素：サビナーゼ６．０Ｔ／リポラーゼ１００Ｔ＝５／
１の混合物（共に、ノボ社製酵素の商品名）

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】（Ａ）アニオン界面活性剤、（Ｂ）ノニオン界面活性剤、（Ｃ）吸油性粉粒体を含有し、前記（Ａ），（Ｂ）両成分が重量比で３＞（Ｂ）／（Ａ）＞０．５の範囲にあり、かつ、（Ａ）および（Ｂ）成分の合計量
が５〜５０重量％であることを特徴とするタブレット洗
剤組成物。