JPH0617099A

JPH0617099A - タブレット洗剤組成物

Info

Publication number: JPH0617099A
Application number: JP19634092A
Authority: JP
Inventors: Masataka Shiobara; 正隆塩原; Yuji Yoneyama; 雄二米山
Original assignee: Lion Corp
Current assignee: Lion Corp
Priority date: 1992-06-29
Filing date: 1992-06-29
Publication date: 1994-01-25

Abstract

(57)【要約】【構成】１〜５０％のアニオン界面活性剤、ビルダー
を含む洗剤スラリーを噴霧乾燥し、この乾燥粒子と０．
１〜４％のノニオン界面活性剤と１０〜７０％の炭酸カ
リウム粒子とを、（アニオン／ノニオン）＜０．５、
（ノニオン／炭酸カリウム）＜０．２５の重量比で均一
混合後、打錠してタブレット型の洗剤組成物とする。【効果】打錠時に洗浄剤が金型に付着せず、しかも、
発泡剤や崩壊剤を配合しない場合でも、水中に投入後に
タブレットが速やかに溶解し、洗浄効果を発現する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、溶解性および成形時の
金型非付着性に優れたタブレット型の洗剤組成物に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来の衣料用洗剤は、組成物中に洗浄性
能にはほとんど寄与しない増量剤（通常は芒硝が用いら
れる）を添加し、かつこれを噴霧乾燥等により嵩密度
０．３ｇ／ｃｃ程度のビーズ状中空粒子として製造して
いた。

【０００３】しかし、このような洗剤は比重が軽く活性
剤濃度も低いため、輸送コストがかさむ上、保管・陳列
にもかなりのスペースが必要であった。さらに一般家庭
においても、置き場所に困ったり、計量しにくいという
不便があった。そこで最近では、少ない洗剤使用量で洗
浄が可能な高嵩密度粒状洗剤が上市されている。

【０００４】さらに簡便性の向上を図るため、最近タブ
レット洗剤の開発が試みられている。しかし、タブレッ
ト洗剤は、簡便で利用しやすいという反面、水中で速や
かに溶解させることが容易でないという欠点がある。

【０００５】このような易水中崩壊性は、医薬品や食品
などの他の分野で用いられるタブレットにおいても要求
されている。そこで、これら分野のタブレットにおいて
は一般的に、主成分に加え、コハク酸と炭酸ナトリウム
または炭酸水素ナトリウムとを乾燥状態で混合して打錠
成形し、水と接触した際に酸と炭酸塩とを反応させて二
酸化炭素を発生せしめることにより、崩壊性を改善して
主成分の溶解を促進するという方法が取られている。

【０００６】しかしながら、タブレット洗剤において
は、上記のような発泡成分に対して界面活性剤を主活性
成分として配合すると、製造時に金型付着が生じて製造
性が著しく劣化し、また、タブレットの崩壊性自体も不
十分であるという問題があった。さらに、タブレット洗
剤の保存中に、その中に含まれている水分や空気中の水
分を吸収し、徐々に酸−アルカリ反応が起こって二酸化
炭素が発生するため、保存後にタブレット洗剤を水中に
投入すると、崩壊性が著しく劣化するという問題があっ
た。

【０００７】また、本出願人は先に、崩壊剤として水難
溶性カルボキシメチルセルロース粉末を添加することに
より、タブレット洗剤の水中崩壊性および製造時の金型
離型性を改善することを提案した（特開平２−３１１６
００号公報）。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の欠点を克服し、発泡剤や崩壊剤を用いなくとも、
速やかに水中に溶解するとともに、製造時に金型付着が
生じないタブレット洗剤を提供するものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明のタブレット洗剤
組成物は、以下の組成および比率で（Ａ）〜（Ｃ）成分
を含有することを特徴とする。組成：（Ａ）アニオン界面活性剤：１〜５０重量％。（Ｂ）ノニオン界面活性剤：０．１〜４重量％。（Ｃ）炭酸カリウム：１０〜７０重量％。比率：（Ｂ）／（Ａ）＜０．５（Ｂ）／（Ｃ）＜０．２５

【００１０】

【実施態様】

（Ａ）成分のアニオン界面活性剤としては、例えば以下
のものが例示できる。１）平均炭素数８〜１６のアルキル基を有する直鎖ア
ルキルベンゼンスルホン酸塩、２）平均炭素数１０〜２０のα−オレフィンスルホン
酸塩、３）脂肪酸残基の炭素数８〜２２の脂肪酸低級アルキ
ルエステルのスルホン酸塩、

【００１１】４）平均炭素数１０〜２０のアルキル硫
酸塩、５）平均炭素数１０〜２０の直鎖または分岐鎖のアル
キル基もしくはアルケニル基を有し、平均０．５〜８モ
ルのエチレンオキサイドを付加したアルキルエーテル硫
酸塩またはアルケニルエーテル硫酸塩、６）平均炭素数１０〜２２の飽和または不飽和脂肪酸
塩。

【００１２】これらのアニオン界面活性剤における対イ
オンとしては、通常ナトリウムやカリウムなどのアルカ
リ金属塩が適当である。

【００１３】アニオン界面活性剤は、１種を単独で用い
ても、２種以上組合わせて使用してもよく、タブレット
洗剤組成物中に１〜５０重量％、好ましくは１０〜４０
重量％配合される。配合量が１重量％未満では、洗浄力
を満足させるためにタブレットの形状を大きくするか、
あるいは使用個数を多くしなければならず、実用上問題
がある。一方、５０重量％を超えると、ビルダーなどの
他の成分の配合量が少なくなり好ましくない。

【００１４】（Ｂ）成分のノニオン界面活性剤として以
下のものが例示される。１）炭素数８〜１８の１級または２級アルコールにエ
チレンオキサイド（ＥＯ）を平均４〜２５モル付加させ
たＥＯ付加型ノニオン界面活性剤（アルキルエーテルエ
トキシレート）。

【００１５】２）炭素数８〜１８の１級または２級ア
ルコールにエチレンオキサイド（ＥＯ）を平均４〜２５
モル、プロピレンオキサイド（ＰＯ）を３〜１０モル付
加させたＥＯ−ＰＯ付加型ノニオン界面活性剤。

【００１６】３）化１で示される脂肪酸ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル

【化１】ｎ：エチレンオキシドの付加モル数を示し、平均４〜３
０の数Ｒ₃：炭素数１〜５のアルキル基）

【００１７】このノニオン界面活性剤は脂肪酸のエチレ
ンオキサイド付加物のアルキルエーテルであり、常法に
より脂肪酸にエチレンオキサイドを付加させ、ついでア
ルキルエーテル化する２段法によって得られるが、例え
ば３価のアルムニウムイオン、ガリウムイオン、インジ
ウムイオン、トリウムイオンなど、また２価のマンガン
イオンから選ばれる金属イオンの１種以上が添加された
酸化マグネシウムからなる触媒の存在下に脂肪酸アルキ
ルエステルとエチレンオキサイドとを反応させる１段法
によっても製造できる（特願平３−６３９０４号明細書
参照）。

【００１８】４）炭素数６〜１８の脂肪酸と、炭素数
５〜６の単糖類またはそのモノアルキルエーテルとのエ
ステルからなる糖エステル系ノニオン界面活性剤。

【００１９】５）化２で示される糖アルキルエーテル
系ノニオン界面活性剤。

【化２】Ｒ₁Ｏ(ＣＨ₂ＣＨ₂Ｏ)n(Ｚ)x （Ｒ₁：炭素数８〜１８のアルキル基ｎ：０〜１２Ｚ：炭素数５〜６の糖残基ｘ：１．２〜１０）

【００２０】６）炭素数８〜１８の脂肪酸のアルカノ
ールアミド。７）アルキル（炭素数８〜１８）ジメチルアミンオキ
シド。

【００２１】Ｂ成分のノニオン界面活性剤は、１種を単
独で用いても、２種以上組み合わせて配合してもよく、
組成物中に０．１〜４重量％、好ましくは１〜３重量％
配合される。ノニオン界面活性剤は、０．１重量％未満
では洗浄力を満足させないばかりか、製造時に金型付着
の改善効果が不十分であり、一方、４重量％を超える
と、むしろ製造時にノニオン界面活性剤の染み出しが起
こり金型付着が多くなる。

【００２２】また、（Ａ）成分のアニオン界面活性剤と
（Ｂ）成分のノニオン界面活性剤は、重量比で（Ｂ）／
（Ａ）＜０．５、好ましくは（Ｂ）／（Ａ）＜０．２の
範囲で組成物中に配合することが必要である。この比率
が０．５より大きくなると、金型付着の改善効果が不十
分となる。

【００２３】（Ｃ）成分の炭酸カリウムは、タブレット
洗剤組成物中に１０〜７０重量％、好ましくは３０〜６
０重量％配合される。この配合量が１０重量％未満では
溶解性の改善効果が不十分であり、一方、７０重量％を
超えると他の洗剤成分の配合上の制約が大きくなるので
好ましくない。

【００２４】（Ｂ）成分の炭酸カリウムとしては、平均
粒径が３００μｍ以下のものが好ましく、より好ましく
は１５０μｍ以下である。平均粒径が大きくなりすぎる
と、溶解性に悪影響を与える。

【００２５】（Ｃ）成分の炭酸カリウムと（Ｂ）成分の
ノニオン界面活性剤とは、重量比で（Ｂ）／（Ｃ）＜
０．２５、好ましくは（Ｂ）／（Ｃ）＜０．１５の範囲
で配合することが必要である。この比率が０．２５より
大きくなると、溶解性の改善効果が不十分となり好まし
くない。

【００２６】本発明のタブレット洗剤組成物には、上記
（Ａ），（Ｂ），（Ｃ）成分に加え、さらに、トリポリ
リン酸ナトリウムやピロリン酸ナトリウムのような無機
ビルダー；アルミノケイ酸塩（ゼオライト）、クエン酸
ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニト
リロ三酢酸塩、ポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸
ナトリウム−無水マレイン酸ナトリウム共重合物、ポリ
アセタールカルボキシレート等のカルシウムイオン捕捉
ビルダー；炭酸ナトリウム、珪酸塩等のアルカリビルダ
ー；亜硫酸塩、硫酸塩；ポリエチレングリコール等の再
汚染防止剤；パラトルエンスルホン酸塩、トルエンスル
ホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、尿素などの粘度調整
剤；プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ
などの酵素；第４級アンモニウム塩、ベントナイト等の
柔軟付与剤；漂白剤、蛍光剤、香料、色素などを使用す
ることができる。

【００２７】本発明のタブレット洗剤組成物は、通常の
タブレット成形法に従って打錠することにより容易に成
形でき、例えば界面活性剤を含有する粉粒体と炭酸カリ
ウム粉粒体、あるいはさらに他の任意成分を粉体混合
し、直径が約２０〜６０ｍｍ、厚さが約５〜２０ｍｍの
形状で、１錠の重量が約５〜６０ｇのタブレットに成形
される。

【００２８】打錠に供される粉体混合物の含水率は、１
０重量％以下が適当であり、１〜１０重量％が好適であ
る。含水率が低すぎると、製造のために多大のエネルギ
ーを必要とし、経済面から不利である。一方、含水率が
高すぎると、製造時に金型にタブレットが付着し、離型
が困難となる傾向がある。

【００２９】

【発明の効果】本発明によれば、アニオン界面活性剤、
ノニオン界面活性剤および炭酸カリウムを所定の量比で
配合することにより、金型付着を生じることなく打錠で
き、しかも、格別に崩壊剤や発泡剤を用いなくとも、水
に投入したときに速やかに溶解し、洗浄力を発現するタ
ブレット洗剤が得られる。

【００３０】

【実施例】以下、本発明の効果について実施例を挙げて
さらに具体的に説明する。これに先立って、実施例で用
いた評価方法を記す。

【００３１】（１）溶解性の評価法（溶解時間）実施例で調製したタブレット洗剤を、１５℃、２ｌの水
道水を満たしたビーカーに投入し、定速スターラを用い
２５０ｒｐｍの速度で撹拌する。ビーカーには電導度計
を入れ、撹拌しながら電導度の変化を読み取り、完全溶
解時の電導度の９０％の電導度を示す時間を溶解時間
（Ｔ₉₀）とする。

【００３２】（２）金型付着打錠後に、金型に洗剤が付着しているか否かを、以下の
基準により視覚判定した。 ○：金型に洗剤の付着がない。 △：金型に洗剤の付着がわずかに認められる。 ×：金型に洗剤の付着が認められる。

【００３３】実施例１後記表１および表２に示した（Ａ）成分と任意成分を用
いて固形分４５％の洗剤スラリーを調製した。この洗剤
スラリーを、向流式噴霧乾燥塔を用い、熱風温度３８０
℃で、水分が５％となるように乾燥して、アニオン界面
活性剤含有噴霧乾燥品を得た。

【００３４】ついで、上記乾燥品に表１および表２に示
した各種の（Ｂ）および（Ｃ）成分を添加し、均一に混
合した後、打錠して試料Ｎｏ．１〜１５のタブレット洗
剤組成物を得、溶解性を評価した。

【００３５】ここで打錠は、均一混合後の粉末組成物１
５ｇを内径４０ｍｍのシリンダー（金型）に採り、１０
０〜３００ｋｇ／ｃｍ²で１分間加圧することにより行
ない、直径４０ｍｍ、重量１５ｇのタブレット洗剤を得
た。

【００３６】

【表１】試料No. １２３４５６７８組成 (A)成分:AOS-K 10 10 10 10 10 10 10 10 (wt%) LAS-K 10 10 − 10 10 10 10 10 LAS-Na − − − − − − − − α-SF-Na − − 10 − − − − − (B)成分:ノニオン-1 − 2 3 − − − − − ノニオン-2 − − − 3 − − − − ノニオン-3 − − − − 3 − − − ノニオン-4 − − − − − 2 − − ノニオン-5 − − − − − − 2 − ノニオン-6 − − − − − − − 2 ノニオン-7 − − − − − − − − 任意成分:A型ゼオライト 10 10 10 10 10 10 10 10 炭酸-Na 10 10 10 10 10 10 10 10 珪酸-Na 5 5 5 5 5 5 5 5 亜硫酸-Na 2 2 2 2 2 2 2 2 芒硝バランス (C)成分:炭酸-K(150μm) 40 40 40 30 30 30 30 30 炭酸-Na(150μm) − − − − − − − − 組成比 (B)/(A) − 0.1 0.15 0.15 0.15 0.1 0.1 0.1 wt比 (B)/(C) − 0.05 0.08 0.1 0.1 0.07 0.07 0.07 溶解時間Ｔ₉₀(分) 3 3 4 4 4 4 4 4 金型付着 △ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ (1) 試料No.２〜８は実施例、試料No.１は比較例
(2) (A)成分：ＡＯＳ−Ｋ：Ｃ₁₄〜Ｃ₁₈α−オレフィンスルホン酸カリ
ウムＬＡＳ−Ｋ：直鎖Ｃ₁₀〜Ｃ₁₄アルキルベンゼンスルホン
酸カリウムＬＡＳ−Ｎａ：直鎖Ｃ₁₀〜Ｃ₁₄アルキルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム α−ＳＦ−Ｎａ：Ｃ₁₂〜Ｃ₁₆飽和脂肪酸のメチルエステ
ルのスルホン酸ナトリウムノニオン−１：Ｃ₁₂〜Ｃ₁₃１級アルコールにエチレンオ
キシド(ＥＯ)が平均２０モル付加したＥＯ付加型ノニオ
ン界面活性剤ノニオン−２：ラウリン酸メチルのエステル結合の間に
エチレンオキシド（ＥＯ）が平均２０モル付加した脂肪
酸ポリオキシエチレンメチルエーテルノニオン−３：クリコシドのＣ₁₂脂肪酸エステルノニオン−４：Ｃ₁₂〜Ｃ₁₃１級アルコールにエチレンオ
キシド(ＥＯ)が平均１５モルおよびプロピレンオキシド
が平均５モル付加したＥＯ・ＰＯ付加型ノニオン界面活
性剤ノニオン−５：ラウリルジエタノールアミドノニオン−６：Ｃ₁₂〜Ｃ₁₄モノアルキルジメチルアミン
オキシドノニオン−７：Ｃ₁₂アルキルグルコシド (3) (B)成分：カッコ内は平均粒径を示す。

【００３７】

【表２】試料No. ９ 10 11 12 13 14 15 組成 (A)成分:AOS-K 10 10 10 5 10 10 10 (wt%) LAS-K 10 10 5 − − − − LAS-Na − − − 5 10 − − α-SF-Na − 5 5 − − 10 10 (B)成分:ノニオン-1 − − − − − − 2 ノニオン-2 − 3 − 5 5 0.05 − ノニオン-3 − − − − − − − ノニオン-4 − − − − − − − ノニオン-5 − − − − − − − ノニオン-6 − − − − − − − ノニオン-7 2 − − − − − − 任意成分:A型ゼオライト 10 10 10 10 10 10 10 炭酸-Na 10 10 10 10 10 10 10 珪酸-Na 5 5 5 5 5 5 5 亜硫酸-Na 2 2 2 2 2 2 2 芒硝バランス (C)成分:炭酸-K(150μm) 30 10 10 20 40 40 − 炭酸-Na(150μm) − − − − − − 40 組成比 (B)/(A) 0.1 0.15 − 0.5 0.25 0.005 0.1 wt比 (B)/(C) 0.07 0.3 − 0.25 0.125 0.00125 − 溶解時間Ｔ₉₀(分) 4 10 7 15 4 4 15 金型付着 ○ × × × × △ × (1) 試料No.９は実施例、試料No.10〜15は比較例
(2) 各成分の略号は表１に同じ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｃ１１Ｄ 7:12）

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】（Ａ）アニオン界面活性剤：１〜５０重量％（Ｂ）ノニオン界面活性剤：０．１〜４重量％（Ｃ）炭酸カリウム：１０〜７０重量％を含有し、前記（Ａ），（Ｂ）両成分を重量比で（Ｂ）／（Ａ）＜
０．５、前記（Ｂ），（Ｃ）両成分を重量比で（Ｂ）／（Ｃ）＜
０．２５の範囲で含むことを特徴とするタブレット洗剤
組成物。