JPH07101887A - ハイドロフルオロカーボンの製造方法 - Google Patents

ハイドロフルオロカーボンの製造方法

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JPH07101887A
JPH07101887A JP5249312A JP24931293A JPH07101887A JP H07101887 A JPH07101887 A JP H07101887A JP 5249312 A JP5249312 A JP 5249312A JP 24931293 A JP24931293 A JP 24931293A JP H07101887 A JPH07101887 A JP H07101887A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】高転化率、高選択率で、安全なハイドロフルオ
ロカーボンの製造方法を提供する。 【構成】一般式II(nは0または1であり、n
が0のときRはC2〜12の直鎖または分岐したポリ
フルオロアルキル基であり、nが1のときRはC2〜
12の直鎖または分岐したポリフルオロアルキレン基で
ある。)のヨードフルオロカーボンをメタノール等の1
級アルコールとイソプロピルアルコール等の2級アルコ
ールからなるアルコール混合物の作用のもとに、アルカ
リ金属水酸化物と反応させる一般式HH(nとR
は上記に同じである。)のハイドロフルオロカーボン
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハイドロフルオロカー
ボンの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハイドロフルオロカーボンは、1,1,
2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン等の
クロロフルオロカーボン化合物の代替化合物であり、オ
ゾン層を破壊しない化合物である。
【0003】
【従来の技術】ヨードフルオロカーボンを出発物質とし
てハイドロフルオロカーボンを合成する方法に関して
は、以下の報告がなされている。
【0004】(1)亜鉛の存在下に還元する方法(J.Flu
orine Chem.,6,297,1975)。 (2)グリニヤール試薬を用いた反応により合成する方
法(J.Fluorine Chem.,3,247,1973) 。
【0005】(3)水素とラネーニッケル触媒を用いた
液相還元反応により合成する方法(Ger.Offen.2,060,04
1,J.Chem.Soc.,3761,1953)。 (4)次亜リン酸ナトリウムとパラジウムまたは白金触
媒を用いた還元反応により合成する方法(J.Fluorine Ch
em.,55,101,1991)。
【0006】(5)アルコリック−ポタシウム−ヒドロ
キサイドと反応させる方法(J.Chem.Soc.,3761,1953) 。 (6)メタノール中で、アルカリ金属水酸化物と反応さ
せる方法(EP 0,449,516A1 )。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】(1)の方法は、亜鉛
および反応により生じる亜鉛スラリーの取り扱いおよび
処理の問題がある。(2)の方法は、水分等によりグリ
ニヤール試薬が発火する恐れがある。また、溶媒とし
て、低沸点のエーテル系の溶媒を用いるために危険性が
高く、廃液処理の点でも問題がある。(3)の方法は、
65℃で60〜80気圧という高温高圧条件で反応させ
なければならないため、危険性が高い。(4)の方法
は、高価な触媒を要するという問題がある。
【0008】(5)の方法は、アルコリック−ポタシウ
ム−ヒドロキサイドを用いて、100〜130℃の高温
で反応させているが、収率が低い問題がある。
【0009】(6)のメタノールのみを用いる方法で、
原料ヨードフルオロカーボンの転化率を実際に99.9
%以上にするのは困難であり、高純度のハイドロフルオ
ロカーボンを得る上で問題がある。また、アルカリ金属
水酸化物として、通常工業用に用いられる安価なアルカ
リ金属水酸化物の水溶液を用いた場合には、転化率がさ
らに低下する。
【0010】また(6)には、イソプロピルアルコール
のみを用いる反応も記載されているが、転化率、選択率
とも低く、収率も22.6%と低い。また、タール状物
質が副生する問題がある。
【0011】さらに、メタノールあるいはイソプロピル
アルコールのみを溶媒として合成したハイドロフルオロ
カーボンを蒸留せずに重合溶媒とすると、目的の反応が
進まない、あるいは、重合体が着色する等の問題が認め
られた。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ヨードフル
オロカーボンを出発物質として、ハイドロフルオロカー
ボンを効率的に製造する方法について鋭意検討を行っ
た。その結果、ヨードフルオロカーボンを1級アルコー
ルと2級アルコールからなるアルコール混合物の作用の
もとに、アルカリ金属水酸化物と反応させることによ
り、安全に、かつ、高転化率、高選択率で、高純度のハ
イドロフルオロカーボンが得られることを見いだした。
【0013】すなわち本発明は、一般式Inf I(た
だし、式中、nは0または1であり、nが0のとき、R
f は炭素数2〜12個の直鎖または分岐したポリフルオ
ロアルキル基であり、nが1のとき、Rf は炭素数2〜
12個の直鎖または分岐したポリフルオロアルキレン基
である。)で表されるヨードフルオロカーボンを、1級
アルコールと2級アルコールからなるアルコール混合物
の作用のもとに、アルカリ金属水酸化物と反応させるこ
とを特徴とする一般式Hnf H(ただし、式中、nと
f は上記に同じである。)で表されるハイドロフルオ
ロカーボンの製造方法を提供するものである。
【0014】本発明の原料であるヨードフルオロカーボ
ンは、一般式Inf Iで表される化合物である。ただ
し、式中、nは0または1である。nが0のとき、Rf
は炭素数2〜12個の直鎖または分岐したポリフルオロ
アルキル基であるが、炭素数3〜8個の場合が好まし
く、特にCF3 CF2 CF2 CF2 CF2 CF2 −であ
る場合が好ましい。nが1のとき、Rf は炭素数2〜1
2個の直鎖または分岐したポリフルオロアルキレン基で
あるが、炭素数3〜8個の場合が好ましく、特に、−C
2 CF2 CF2 CF2 −である場合が好ましい。
【0015】上記ヨードフルオロカーボンの具体例とし
ては、1−ヨード−1,1,2,2,2−ペンタフルオ
ロエタン、1−ヨード−1,1,2,2,3,3,4,
4,4−ノナフルオロブタン、1−ヨード−1,1,
2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−トリデ
カフルオロヘキサン、1−ヨード−1,1,2,2,
3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8
−ヘプタデカフルオロオクタン、2−ヨード−1,1,
1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン、4−ヨ
ード−1,1,1,2,3,3,4,4−オクタフルオ
ロ−2−トリフルオロメチルブタン、6−ヨード−1,
1,1,2,3,3,4,4,5,5,6,6−ドデカ
フルオロ−2−トリフルオロメチルヘキサン、1,2−
ジヨード−1,1,2,2−テトラフルオロエタン、
1,4−ジヨード−1,1,2,2,3,3,4,4−
オクタフルオロブタン、1,6−ジヨード−1,1,
2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−ドデカフル
オロヘキサン等が挙げられるが、これらに限定されな
い。
【0016】本発明は、上記ヨードフルオロカーボンを
1級アルコールと2級アルコールをからなるアルコール
混合物の作用のもとにでアルカリ金属水酸化物と反応さ
せることが特徴である。
【0017】1級アルコールおよび2級アルコールとし
ては、特に限定されず、公知ないしは周知のものを採用
できる。通常の場合は、1級アルコールとしてはメタノ
ール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコ
ール等を用いるのが好ましく、特にメタノールが好まし
い。また、同様の理由から、2級アルコールとしては、
イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール等が好
ましく、特に、イソプロピルアルコールが好ましい。
【0018】1級アルコールと2級アルコールの比は、
特に限定されるものではないが、通常の場合1級アルコ
ール:2級アルコールの重量比が0.5:1〜100
0:1程度の範囲が好適であり、特に1:1〜200:
1の範囲が好適である。2級アルコールの比が大きくな
りすぎると、高沸点化合物の生成量が多くなる恐れがあ
る。一方、2級アルコールの比が余りに小さい時には、
反応速度が遅くなる恐れがある。
【0019】1級アルコールの量としては、通常の場
合、原料のヨードフルオロカーボンの1重量部に対して
0.1〜10重量部程度が好ましい。1級アルコールの
量は、アルカリ金属水酸化物を完全に溶解させる量より
も多く用いるのが好ましい。
【0020】アルカリ金属水酸化物としては、通常の場
合、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が好ましい。
また、本発明においては、該アルカリ金属水酸化物を水
溶液として用いることもできるため、工業用に市販され
ている安価なアルカリ金属水酸化物水溶液をそのまま採
用できる。
【0021】アルカリ金属水酸化物の量としては、通常
の場合、原料のヨードフルオロカーボンの1モルに対
し、1.5モル以上が好ましく、1.5〜3モル程度が
好適である。アルカリ金属水酸化物は、過剰に使用する
と反応速度が速くなるため、反応系中に溶解できる範囲
で、可及的高濃度であることが好ましい。
【0022】上記反応の条件は、反応物およびアルコー
ルの種類、量等によって適宜変更され得る。反応温度
は、低過ぎると反応し難くなり、高すぎると危険なの
で、反応液を還流させる程度の温度に調節するのが好ま
しく、通常は40〜70℃程度である。また反応圧力は
常圧、減圧、加圧のいずれであってもよく、常圧が好ま
しい。反応時間は通常1〜10時間程度である。反応は
加圧下高温の条件で実施しても、何ら問題はない。
【0023】本発明方法においては、反応粗生成物を水
洗することにより、高純度のものが得られる。本発明方
法によれば、原料のヨードフルオロカーボンの転化率が
極めて高いため、数ppmオーダ程度の極微量のヨウ素
化合物を除く必要があるような特殊な用途を除いて、蒸
留精製をしないで用いることができるのが利点である。
【0024】上記反応により生成するハイドロフルオロ
カーボンは、一般式Hnf Hで表される化合物であ
る。ただし、式中、nは0または1である。nが0のと
き、Rf は炭素数2〜12個の直鎖または分岐したポリ
フルオロアルキル基であるが、炭素数3〜8個の場合が
好ましく、特にCF3 CF2 CF2 CF2 CF2 CF2
−である場合が好ましい。nが1のとき、Rf は炭素数
2〜12個の直鎖または分岐したポリフルオロアルキレ
ン基であるが、炭素数3〜8個の場合が好ましく、特
に、−CF2 CF2 CF2 CF2 −である場合が好まし
い。
【0025】ハイドロフルオロカーボンの具体例として
は、1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン、1,
1,1,2,2,3,3,4,4−ノナフルオロブタ
ン、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,
6,6−トリデカフルオロヘキサン、1,1,1,2,
2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8
−ヘプタデカフルオロオクタン、1,1,1,2,3,
3,3−ヘプタフルオロプロパン、1,1,1,2,
3,3,4,4−オクタフルオロ−2−トリフルオロメ
チルブタン、1,1,1,2,3,3,4,4,5,
5,6,6−ドデカフルオロ−2−トリフルオロメチル
ヘキサン、1,1,2,2−テトラフルオロエタン、
1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブタ
ン、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6
−ドデカフルオロヘキサン等が挙げられる。
【0026】本発明によれば、極めて高転化率、高選択
率で、ヨードフルオロカーボンよりハイドロフルオロカ
ーボンを得ることができる。したがって生成物中に残留
する未反応のヨードフルオロカーボン等の量は極めて少
なくなるため、生成物を蒸留精製することなしに、さま
ざまな用途に用いることが可能である。例えば、本発明
によって製造したハイドロフルオロカーボンを重合溶媒
として、重合反応を行うことができ、その場合にも、重
合体を着色させることなしに、反応を行うことができ
る。
【0027】この場合の重合体としては特に限定されな
いが、ポリテトラフルオロエチレン、ポリパーフルオロ
ブテニルビニルエーテル、テトラフルオロエチレンとペ
ルフルオロアルキルビニルエーテルの共重合体、テトラ
フルオロエチレンとエチレンの共重合体等のフッ素系の
重合体が例示され得る。
【0028】従来、これらの重合溶媒として用いられて
きたクロロフルオロカーボン化合物には、オゾン層に対
する悪影響が問題となっているが、本発明によって製造
されるハイドロフルオロカーボンは、オゾン層を破壊す
る恐れがないため、これらを重合溶媒として用いること
によって、環境の対する悪影響を回避できる点において
も、非常に優れた化合物である。
【0029】さらに、本発明のハイドロフルオロカーボ
ンは、従来用いられてきた塩素化炭化水素あるいは塩素
化フッ素化炭化水素と同様に、発泡剤、冷媒、洗浄剤等
の用途にも用いることができる。
【0030】また、本発明方法で合成したハイドロフル
オロカーボンを出発物質としてブロモフルオロカーボン
等を合成して、人工血液あるいは造影剤として用いる場
合においても、ヨウ素化合物に由来すると推定される着
色現象は認められない利点がある。
【0031】
【作用】本発明において、アルコール混合物の作用機能
は必ずしも明確ではないが、1級アルコールと2級アル
コールが相互に作用し合うことによって、それぞれ単独
使用では達成されなかった高転化率、高選択率が得ら
れ、タール等の高沸点化合物の生成が抑制される効果を
生ずるものと考えられる。
【0032】
【実施例】以下に本発明を実施例を挙げて具体的に説明
するが、これらによって本発明が限定されるものではな
い。
【0033】[実施例1]撹拌機と還流冷却器と滴下ロ
ートと温度計を備えた1リットルの4つ口フラスコに、
メタノールの256g、イソプロピルアルコールの3
g、水酸化ナトリウムの46.4g(1.16モル)を
仕込んだ。反応器を加熱し内温を60℃とした後、C6
13Iの223g(0.5モル)を1時間で滴下した。
滴下終了後6時間加熱還流を続けた。転化率は、99.
9%以上であった。反応器を室温まで冷却した後、水の
300gを加え析出したヨウ化ナトリウムを溶かした。
反応粗液を二層分離し、フルオロカーボン層(下層)を
さらに300gの水で2回洗浄し、C613Hを145
g(純度99.9%)得た。反応器内にタールの生成は
認められなかった。
【0034】[実施例2]撹拌機と還流冷却器と滴下ロ
ートと温度計を備えた1リットルの4つ口フラスコに、
メタノールの256g、イソプロピルアルコールの30
g、85%水酸化カリウムの74.3g(1.13モ
ル)を仕込んだ。反応器を加熱し内温を60℃とした
後、C613Iの223g(0.5モル)を1時間で滴
下した。滴下終了後5時間加熱還流を続けた。転化率
は、99.9%以上であった。反応器を室温まで冷却し
た後、水300gを加え析出したヨウ化カリウムを溶か
した。反応粗液を二層分離し、フルオロカーボン層(下
層)をさらに300gの水で洗浄した。フルオロカーボ
ン層をガスクロマトグラフィーで分析したところ、C6
13Hの純度は99.5%であり、C613Iは検出さ
れなかった。得られたC613Hは154gであった。
反応器内にタールの生成は認められなかった。
【0035】[実施例3]撹拌機と還流冷却器と温度計
を備えた20リットルのハステロイC製オートクレーブ
に、メタノールの5130g、イソプロピルアルコール
の60g、85%水酸化カリウムの1485g(22.
5モル)を仕込んだ。反応器を加熱し内温を50℃とし
た後、C613Iの4460g(10モル)を2時間で
フィードした。反応器の内温を50〜55℃に保持し、
10時間撹拌を続けた。転化率は、99.9%以上であ
った。反応器を室温まで冷却した後、水の3200gを
加え析出したヨウ化カリウムを溶かした。反応粗液を二
層分離し、フルオロカーボン層(下層)をさらに320
0gの水で2回洗浄し、C613Hの2975g(純度
99.9%)を得た。反応器内にタールの生成は認めら
れなかった。
【0036】[実施例4]撹拌機と還流冷却器と滴下ロ
ートと温度計を備えた500mlの4つ口フラスコに、
メタノールの256g、イソプロピルアルコールの1.
5g、85%水酸化カリウムの74.3g(1.13モ
ル)を仕込んだ。反応器内温を30〜35℃に維持しな
がらIC48 Iの113.5g(0.25モル)を2
時間で滴下した。滴下終了後、35℃で3時間撹拌を続
けた。転化率は、99.9%以上であった。反応器を室
温まで冷却した後、水の300gを加え析出したヨウ化
カリウムを溶かした。反応粗液を二層分離し、フルオロ
カーボン層(下層)をさらに300gの水で洗浄した。
フルオロカーボン層をガスクロマトグラフィーで分析し
たところ、HC48 Hの純度は99.5%であり、I
48 Iは検出されなかった。得られたHC48
は39gであった。反応器内にタールの生成は認められ
なかった。
【0037】[実施例5]撹拌機と還流冷却器と滴下ロ
ートと温度計を備えた1リットルの4つ口フラスコに、
メタノールの256g、イソプロピルアルコールの3
g、85%水酸化カリウムの74.3g(1.13モ
ル)を仕込んだ。反応器を加熱し内温を60℃とした
後、C817Iの273g(0.5モル)を1時間で滴
下した。滴下終了後8時間加熱還流を続けた。転化率
は、99.9%以上であった。反応器を室温まで冷却し
た後、水の300gを加え析出したヨウ化カリウムを溶
かした。反応粗液を二層分離し、フルオロカーボン層
(下層)をさらに300gの水で洗浄した。フルオロカ
ーボン層をガスクロマトグラフィーで分析したところ、
817Hの純度は99.6%であり、C817Iは検
出されなかった。得られたC817Hは199gであっ
た。反応器内にタールの生成は認められなかった。
【0038】[実施例6]撹拌機と還流冷却器と滴下ロ
ートと温度計を備えた20リットルのハステロイ製オー
トクレーブに、メタノールの7700g、イソプロピル
アルコールの60g、85%水酸化カリウムの1980
g(30モル)を仕込んだ。反応器を加熱し内温を55
℃とした後、C613Iの4460g(10モル)を2
時間でフィードした。反応器を55℃に保持し10時間
撹拌を続けた。転化率は、99.9%以上であった。水
の3200gを加え析出したヨウ化カリウムを溶かし
た。反応粗液を二層分離し、フルオロカーボン層(下
層)をさらに3200gの水で2回洗浄し、C613
の2951g(純度は99.9%。C613Iは3.9
ppm検出された。)を得た。反応器内にタールの生成
は認められなかった。
【0039】[実施例7]撹拌機と還流冷却器と滴下ロ
ートと温度計を備えた1リットルの4つ口フラスコに、
メタノールの128g、イソプロピルアルコールの64
g、48%の水酸化カリウム水溶液の131g(1.1
2モル)を仕込んだ。反応器を加熱し内温を55℃とし
た後、C613Iの223g(0.5モル)を1時間で
滴下した。滴下終了後5時間後の反応転化率は、99.
9%以上であった。また、反応器中には、ヨウ化カリウ
ムの析出はなかった。反応器を室温まで冷却した後、3
00gの水を加え、反応粗液を二層分離し、フルオロカ
ーボン層(下層)をさらに300gの水で3回洗浄し
た。フルオロカーボン層をガスクロマトグラフィーで分
析したところ、C613Hの純度は99.5%であり、
613Iは検出されなかった。得られたC613Hは
135gであった。反応器内にタールの生成は認められ
なかった。
【0040】[比較例1]撹拌機と還流冷却器と滴下ロ
ートと温度計を備えた1リットルの4つ口フラスコに、
メタノールの510gと85%水酸化カリウムの99g
(1.5モル)を仕込んだ。反応器を加熱し、内温を6
5℃とした後、C613Iの446g(1モル)を1時
間で滴下した。滴下終了2時間後の反応器の内温は60
℃であった。転化率は74%以下と低かった。反応粗液
に300gの水を加え、析出したヨウ化カリウムを溶か
した後、二層分離し、フルオロカーボン層(下層)をさ
らに300gの水で洗浄した。得られたフルオロカーボ
ン層からは、大量のC613Iが検出された。
【0041】[比較例2]撹拌機と留出装置付き還流冷
却器と滴下ロートと温度計を備えた1リットルの4つ口
フラスコに、メタノールの256gと48%の水酸化カ
リウム水溶液の131g(1.12モル)を仕込んだ。
反応器を加熱し内温を55℃とした後、C613Iの2
23g(0.5モル)を1時間で滴下した。さらに加熱
還流を5時間続けた後の反応転化率は、45.8%であ
った。
【0042】[比較例3]撹拌機と留出装置付き還流冷
却器と滴下ロートと温度計を備えた1リットルの4つ口
フラスコに、イソプロピルアルコールの510gと85
%水酸化カリウム49.5g(0.75モル)を仕込ん
だ。反応器を加熱し内温を65℃とした後、C613
の223g(0.5モル)を1時間で滴下した。滴下終
了後加熱還流を1時間続けた。反応転化率は、99.9
%以上であったが、反応粗液を蒸留して留分を回収した
後の反応器内には、真っ黒なタール状の残渣が大量に残
されていた。
【0043】[参考例1]内容積1.2リットルのステ
ンレス製反応容器を脱気し、実施例6で合成したC6
13Hの1200g、連鎖移動剤としてn−ペンタンの
0.8gを仕込み、テトラフルオロエチレンの45g、
エチレンの3.7g、パーフルオロブチルエチレンの
0.8gを仕込み、温度を65℃に保持して、重合開始
剤として10重量%のターシャリーブチルパーオキシイ
ソブチレートの1,1,2−トリクロロ−1,2,2−
トリフルオロエタン溶液の3ccを加え、反応を開始さ
せた。反応中にテトラフルオロエチレンとエチレンの混
合ガス(モル比53/47)を導入し、反応圧力を1
7.5g/cm2 に保持した。6時間後、85gの白色
共重合体がスラリー状態で得られた。得られた重合体
は、融点が270℃、熱分解開始点が340℃であっ
た。重合体を300℃で成形したところ着色のない圧縮
成形品を得た。さらに250℃で3日間保持しても着色
は認められなかった。
【0044】[参考例2]比較例1の反応粗液を蒸留し
て、200ppmのC613Iを含むC613Hを得
た。これを重合溶媒として、参考例1と同様の方法で重
合させたところ、10時間後に63gの白色共重合体が
スラリー状態で得られた。該重合体の融点は269℃、
熱分解開始点は313℃であった。重合体を300℃で
成形したところ、著しい着色が認められた。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、高転化率、高選択率
で、ヨードフルオロカーボンからハイドロフルオロカー
ボンを製造することができる。また本発明は、反応速度
が速く、効率的かつ安全で、工業的に非常に有利な方法
である。
【0046】特に、本発明は、原料の転化率が非常に高
く、選択率も高いことから、蒸留操作を行うことなし
に、高純度のハイドロフルオロカーボンを得ることがで
きる。さらに、未反応原料のヨードフルオロカーボン、
および、ヨードフルオロカーボンから生成する種々のヨ
ウ素化合物に由来する様々な不都合を回避できる。
【0047】また、本発明の反応においては、アルカリ
金属水酸化物として、安価な工業用のアルカリ金属水酸
化物の水溶液を採用することもできる。該水溶液を採用
した場合には、アルカリ金属のヨウ化物が析出しないた
め、後処理等の面からも有利である。
【0048】得られたハイドロフルオロカーボンは、オ
ゾン層に悪影響を及ぼさない有用な化合物であり、クロ
ロフルオロカーボン化合物の代替化合物として発泡剤、
冷媒、洗浄剤等の用途に用いることもできる。
【0049】特に重合溶媒に用いた場合には、連鎖移動
性が高いヨードフルオロカーボンによる、不必要な分子
量分布の広がりや、未反応のヨードフルオロカーボンの
混入による重合生成物の着色を防止することができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式Inf I(ただし、式中、nは0
    または1であり、nが0のとき、Rf は炭素数2〜12
    個の直鎖または分岐したポリフルオロアルキル基であ
    り、nが1のとき、Rf は炭素数2〜12個の直鎖また
    は分岐したポリフルオロアルキレン基である。)で表さ
    れるヨードフルオロカーボンを、1級アルコールと2級
    アルコールからなるアルコール混合物の作用のもとに、
    アルカリ金属水酸化物と反応させることを特徴とする一
    般式Hnf H(ただし、式中、nとRf は上記に同じ
    である。)で表されるハイドロフルオロカーボンの製造
    方法。
  2. 【請求項2】Rf が炭素数3〜8個の直鎖または分岐し
    たポリフルオロアルキル基、または炭素数3〜8個の直
    鎖または分岐したポリフルオロアルキレン基である請求
    項1の製造方法。
  3. 【請求項3】Rf がCF3 CF2 CF2 CF2 CF2
    2 −である請求項1の製造方法。
  4. 【請求項4】Rf が−CF2 CF2 CF2 CF2 −であ
    る請求項1の製造方法。
  5. 【請求項5】1級アルコールがメタノールである請求項
    1〜4のいずれかの製造方法。
  6. 【請求項6】2級アルコールがイソプロピルアルコール
    である請求項1〜5のいずれかの製造方法。
  7. 【請求項7】アルカリ金属水酸化物が水酸化ナトリウム
    または水酸化カリウムである請求項1〜6のいずれかの
    製造方法。
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