JPH07101604B2 - メタルハライドランプ - Google Patents
メタルハライドランプInfo
- Publication number
- JPH07101604B2 JPH07101604B2 JP60091121A JP9112185A JPH07101604B2 JP H07101604 B2 JPH07101604 B2 JP H07101604B2 JP 60091121 A JP60091121 A JP 60091121A JP 9112185 A JP9112185 A JP 9112185A JP H07101604 B2 JPH07101604 B2 JP H07101604B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- metal halide
- arc tube
- region
- emission
- infrared
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J61/00—Gas-discharge or vapour-discharge lamps
- H01J61/02—Details
- H01J61/30—Vessels; Containers
- H01J61/35—Vessels; Containers provided with coatings on the walls thereof; Selection of materials for the coatings
Landscapes
- Vessels And Coating Films For Discharge Lamps (AREA)
- Discharge Lamp (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 この発明は、発光特性、特に色温度を改良したメタルハ
ライドランプに関する。
ライドランプに関する。
高圧水銀ランプの発光管中に一種以上の金属ハロゲン化
物を添加封入したメタルハライドランプは、高圧水銀ラ
ンプに比べて高い発光効率と改善された演色性を有する
ため、用途が拡がりつつある。特に、ネオジウムNd,デ
ィスプロシウムDy等の希土類金属のハロゲン化物を封入
したメタルハライドランプは、高い発光効率と良好な演
色性を有するので、用途並びに需要が増大しつつあり、
例えば、従来の白熱ランプの代わりに、家庭用光源とし
て使用する試みがなされている。
物を添加封入したメタルハライドランプは、高圧水銀ラ
ンプに比べて高い発光効率と改善された演色性を有する
ため、用途が拡がりつつある。特に、ネオジウムNd,デ
ィスプロシウムDy等の希土類金属のハロゲン化物を封入
したメタルハライドランプは、高い発光効率と良好な演
色性を有するので、用途並びに需要が増大しつつあり、
例えば、従来の白熱ランプの代わりに、家庭用光源とし
て使用する試みがなされている。
ところが、かかるメタルハライドランプを白熱ランプの
代わりに用いる場合には、次のような問題点がある。す
なわち、メタルハライドランプ、例えばディスプロシウ
ムDyのハロゲン化物を封入したものは、発光効率が70〜
80lm/Wで、平均演色評価指数Raが90前後のものが得られ
ているが、色温度が5000K以上と高く、青白い感じの色
となり、一般家庭用光源の代替品として、そのまま用い
るのは不適当である。更にかかるメタルハライドランプ
を一般家庭用光源として用いるために、小形化した小電
力ランプにすると、希土類金属の蒸気圧が低いことに起
因して、発光管内の蒸気圧が高くならず、ますます色温
度が高くなり且つ発光効率も低下するという問題点が生
ずる。
代わりに用いる場合には、次のような問題点がある。す
なわち、メタルハライドランプ、例えばディスプロシウ
ムDyのハロゲン化物を封入したものは、発光効率が70〜
80lm/Wで、平均演色評価指数Raが90前後のものが得られ
ているが、色温度が5000K以上と高く、青白い感じの色
となり、一般家庭用光源の代替品として、そのまま用い
るのは不適当である。更にかかるメタルハライドランプ
を一般家庭用光源として用いるために、小形化した小電
力ランプにすると、希土類金属の蒸気圧が低いことに起
因して、発光管内の蒸気圧が高くならず、ますます色温
度が高くなり且つ発光効率も低下するという問題点が生
ずる。
従来、かかる問題点を解決するため、発光管設計により
その壁面負荷を高くし、発光管内の上記ハロゲン化物の
蒸気圧を高くして、ディスプロシウムDy等の赤色発光を
増し、演色性を低下させずに色温度を低下する方法が提
案されている。しかし、このように発光管を小型にした
りランプ電力を増したりして、壁面負荷を高くしてハロ
ゲン化物の蒸気圧を高めることによって、赤外発光を増
し、色温度を低減することはできるが、単に壁面負荷を
増す方法では、部分的な管壁温度上昇などが生じ、寿命
の短縮化を招く欠点がある。
その壁面負荷を高くし、発光管内の上記ハロゲン化物の
蒸気圧を高くして、ディスプロシウムDy等の赤色発光を
増し、演色性を低下させずに色温度を低下する方法が提
案されている。しかし、このように発光管を小型にした
りランプ電力を増したりして、壁面負荷を高くしてハロ
ゲン化物の蒸気圧を高めることによって、赤外発光を増
し、色温度を低減することはできるが、単に壁面負荷を
増す方法では、部分的な管壁温度上昇などが生じ、寿命
の短縮化を招く欠点がある。
また、発光管外表面をサンドブラッシング等によりフロ
スト加工し、熱線を吸収して保温し蒸気圧を高めようと
する方法が提案されている。この方法によれば、石英発
光管表面の機械的強度の劣化が生じ、保温効果そのもの
も小さく、ばらつきが多く、加工時間も要するという問
題点がある。
スト加工し、熱線を吸収して保温し蒸気圧を高めようと
する方法が提案されている。この方法によれば、石英発
光管表面の機械的強度の劣化が生じ、保温効果そのもの
も小さく、ばらつきが多く、加工時間も要するという問
題点がある。
更に電極周辺の発光管外表面に、白色粉末の酸化ジルコ
ニウムZrO2又は酸化アルミニウムAl2O3の熱反射膜を設
ける方法なども知られている。しかし、この方法により
十分な保温効果を得るには、熱反射膜をかなり厚く設け
なければならず、厚く形成した場合には剥離しやすく、
また保温能力の制御も困難であるという欠点がある。
ニウムZrO2又は酸化アルミニウムAl2O3の熱反射膜を設
ける方法なども知られている。しかし、この方法により
十分な保温効果を得るには、熱反射膜をかなり厚く設け
なければならず、厚く形成した場合には剥離しやすく、
また保温能力の制御も困難であるという欠点がある。
本発明は、低色温度のメタルハライドランプを得る場合
の、従来の手段の欠点ないしは問題点を解消するために
なされたもので、、100W程度の小電力においても、寿命
の短縮化を招くことなく、演色性に優れ、高発光効率を
有する4500K以下の低色温度のメタルハライドランプを
提供することを目的とする。
の、従来の手段の欠点ないしは問題点を解消するために
なされたもので、、100W程度の小電力においても、寿命
の短縮化を招くことなく、演色性に優れ、高発光効率を
有する4500K以下の低色温度のメタルハライドランプを
提供することを目的とする。
本発明は、水銀ランプの発光管内に、赤外領域又は紫外
領域に強い発光スペクトルを有する金属のハロゲン化物
と、赤外線又は紫外線を10%以上吸収すると共に可視光
線を発光する金属のハロゲン化物とを封入するか、ある
いは可視領域と共に赤外領域又は紫外領域に強い発光ス
ペクトルを有する金属のハロゲン化物を封入し、且つ発
光管の外表面には、可視光線を80%以上透過し、赤外線
又は紫外線を30%以上反射する反射膜を設け、発光管内
におけるアーク放電中において赤外領域又は紫外領域に
強い発光スペクトルを有する金属から放射した赤外線又
は紫外線を、前記反射膜で反射し、その反射された赤外
線又は紫外線を、赤外線又は紫外線を良好に吸収すると
共に可視光線を発光する金属ハロゲン化物に吸収させ、
該金属ハロゲン化物を加熱して発光管内の蒸気圧を高
め、発光効率と寿命の向上を計ると共に、色温度の低減
を計るものである。
領域に強い発光スペクトルを有する金属のハロゲン化物
と、赤外線又は紫外線を10%以上吸収すると共に可視光
線を発光する金属のハロゲン化物とを封入するか、ある
いは可視領域と共に赤外領域又は紫外領域に強い発光ス
ペクトルを有する金属のハロゲン化物を封入し、且つ発
光管の外表面には、可視光線を80%以上透過し、赤外線
又は紫外線を30%以上反射する反射膜を設け、発光管内
におけるアーク放電中において赤外領域又は紫外領域に
強い発光スペクトルを有する金属から放射した赤外線又
は紫外線を、前記反射膜で反射し、その反射された赤外
線又は紫外線を、赤外線又は紫外線を良好に吸収すると
共に可視光線を発光する金属ハロゲン化物に吸収させ、
該金属ハロゲン化物を加熱して発光管内の蒸気圧を高
め、発光効率と寿命の向上を計ると共に、色温度の低減
を計るものである。
以下、本発明の実施例について説明する。第1図は、本
発明を適用したメタルハライドランプの実施例を示す外
観図である。図において、1は石英製の発光管で、両端
にタングステン製の主電極2,2と、一方の主電極に近接
して始動極3とが設けられており、該発光管1は支持金
具4で支持され、外管5内に収納されている。この実施
例では、発光管1として、1cm3の内容積を有し、定格電
力100Wで壁面負荷18W/cm2となるものを用いている。そ
して該発光管1内には、水銀と、始動を容易にするため
のアルゴン等の希ガスと共に、赤外領域に強い発光スペ
クトルを有する沃化セシウムCsIと、赤外線を10%以上
良好に吸収すると共に可視光を発光する沃化ディスプロ
シウムDyI3及び沃化タリウムTlIとを総量で3mg封入して
いる。
発明を適用したメタルハライドランプの実施例を示す外
観図である。図において、1は石英製の発光管で、両端
にタングステン製の主電極2,2と、一方の主電極に近接
して始動極3とが設けられており、該発光管1は支持金
具4で支持され、外管5内に収納されている。この実施
例では、発光管1として、1cm3の内容積を有し、定格電
力100Wで壁面負荷18W/cm2となるものを用いている。そ
して該発光管1内には、水銀と、始動を容易にするため
のアルゴン等の希ガスと共に、赤外領域に強い発光スペ
クトルを有する沃化セシウムCsIと、赤外線を10%以上
良好に吸収すると共に可視光を発光する沃化ディスプロ
シウムDyI3及び沃化タリウムTlIとを総量で3mg封入して
いる。
また、発光管1の外周面には、セシウムCsの赤外領域の
発光波長(852nm,894nm)を中心とした波長に対する反
射特性をもち、且つ可視光に対し高い透過性をもつ反射
膜として、酸化チタンTiO2と酸化けい素SiO2の薄膜を交
互に積層してなる、TiO2−SiO2−TiO2−SiO2−TiO2の5
層の薄膜で形成した選択反射膜6が設けられている。
発光波長(852nm,894nm)を中心とした波長に対する反
射特性をもち、且つ可視光に対し高い透過性をもつ反射
膜として、酸化チタンTiO2と酸化けい素SiO2の薄膜を交
互に積層してなる、TiO2−SiO2−TiO2−SiO2−TiO2の5
層の薄膜で形成した選択反射膜6が設けられている。
所望の波長の光線を反射させるための反射膜の膜厚d
は、一般に反射膜の屈折率をn,所望の反射光の中心波長
をλとしたとき、λ=4n・dを満足するように選定され
る。
は、一般に反射膜の屈折率をn,所望の反射光の中心波長
をλとしたとき、λ=4n・dを満足するように選定され
る。
本実施例においては、TiO2及びSiO2の屈折率をそれぞ
れ、2.3及び1.46とすると、TiO2−SiO2−TiO2−SiO2−T
iO2の各層の膜厚は、97nm−150nm−97nm−150nm−97mm
に設定される。
れ、2.3及び1.46とすると、TiO2−SiO2−TiO2−SiO2−T
iO2の各層の膜厚は、97nm−150nm−97nm−150nm−97mm
に設定される。
このような反射膜6を石英発光管1の外周面に形成する
には、例えば、H.Schrder著「Physics of Thim Fil
m」(1969年発行,第87頁)などに示されている、一般
にゾルーゲル法と呼ばれる方法を適用することができ
る。すなわち、金属アルコキシド液に発光管1を浸漬
し、一定速度で引き上げることにより、一定膜厚のコー
ティングを施すことができる。また、これらの反射膜は
真空蒸着などにより形成することも可能である。
には、例えば、H.Schrder著「Physics of Thim Fil
m」(1969年発行,第87頁)などに示されている、一般
にゾルーゲル法と呼ばれる方法を適用することができ
る。すなわち、金属アルコキシド液に発光管1を浸漬
し、一定速度で引き上げることにより、一定膜厚のコー
ティングを施すことができる。また、これらの反射膜は
真空蒸着などにより形成することも可能である。
このようにして形成した5層5の薄膜からなる反射膜6
の反射特性及び透過特性を測定したところ、第2図に示
すような結果が得られた。すなわち、セシウムCsから放
射される波長852nm,894nmの赤外線については、その70
〜85%を有効に反射しており、発光管のアークからの全
赤外放射量についてもその60%を反射し、しかも可視領
域の透過率も平均80%以上と高くなっている。なお、こ
の反射特性からわかるように、この反射膜は紫外領域の
反射効果も備えているものである。
の反射特性及び透過特性を測定したところ、第2図に示
すような結果が得られた。すなわち、セシウムCsから放
射される波長852nm,894nmの赤外線については、その70
〜85%を有効に反射しており、発光管のアークからの全
赤外放射量についてもその60%を反射し、しかも可視領
域の透過率も平均80%以上と高くなっている。なお、こ
の反射特性からわかるように、この反射膜は紫外領域の
反射効果も備えているものである。
次に、このように構成したメタルハライドランプの動作
について説明する。第3図に示すように、アーク7中で
発光した主としてセシウムCsから放射される約900nmの
赤外光Riは、反射膜6によってその大部分が反射され、
その反射赤外光の一部は管壁に凝集している沃化物8に
吸収される。残りの一部は多重反射を繰り返しながら、
最終的には同様に沃化物8に吸収される。なお、電極2
からの熱放射の一部も前記反射膜6によって有効に反射
され、沃化物8に吸収される。したがって、この吸収動
作により沃化物の温度が上昇し、沃化物の蒸気圧は高く
なる。そのため主としてディスプロシウムDy及びタリウ
ムTlからの可視光Rvの発光量が増大し、該可視光Rvは可
視光に対する透過率の高い反射膜6を通して外部に向け
て放射される。なお、上記反射膜6は紫外領域の反射効
果を備えているので、ディスプロシウムDyから放射され
る紫外領域の発光が、この反射膜6によって反射され、
この反射紫外線によっても凝集している沃化物の加熱が
行われ、蒸気圧の向上作用が行われている。
について説明する。第3図に示すように、アーク7中で
発光した主としてセシウムCsから放射される約900nmの
赤外光Riは、反射膜6によってその大部分が反射され、
その反射赤外光の一部は管壁に凝集している沃化物8に
吸収される。残りの一部は多重反射を繰り返しながら、
最終的には同様に沃化物8に吸収される。なお、電極2
からの熱放射の一部も前記反射膜6によって有効に反射
され、沃化物8に吸収される。したがって、この吸収動
作により沃化物の温度が上昇し、沃化物の蒸気圧は高く
なる。そのため主としてディスプロシウムDy及びタリウ
ムTlからの可視光Rvの発光量が増大し、該可視光Rvは可
視光に対する透過率の高い反射膜6を通して外部に向け
て放射される。なお、上記反射膜6は紫外領域の反射効
果を備えているので、ディスプロシウムDyから放射され
る紫外領域の発光が、この反射膜6によって反射され、
この反射紫外線によっても凝集している沃化物の加熱が
行われ、蒸気圧の向上作用が行われている。
以上のような動作で、発光管1の発光状態が継続される
ので、可視光の発光量が増大して発光効率が向上し、反
射膜を設けない場合の発光効率55lm/Wより22%上昇し
て、67lm/Wになり、また、ディスプロシウムDyの赤色発
光が増すため、色温度は4100Kとなった。したがって、
室内,外での使用に適した特性が得られ、家庭用光源と
して使用することも可能になる。
ので、可視光の発光量が増大して発光効率が向上し、反
射膜を設けない場合の発光効率55lm/Wより22%上昇し
て、67lm/Wになり、また、ディスプロシウムDyの赤色発
光が増すため、色温度は4100Kとなった。したがって、
室内,外での使用に適した特性が得られ、家庭用光源と
して使用することも可能になる。
また、反射膜は、0.1〜0.15μmの薄膜を重ねて形成す
るものであるから、50〜100μmの膜厚を必要とする従
来の酸化物粉末による端部熱反射膜に比べ、材料の使用
量が少なく、反射膜の強度が大で、剥離のおそれがな
い。また、粉末反射膜より表面積が小さくなり、したが
って水の吸着も少ないため、水素等の不純ガスによる始
動性や寿命への悪影響も生じない。
るものであるから、50〜100μmの膜厚を必要とする従
来の酸化物粉末による端部熱反射膜に比べ、材料の使用
量が少なく、反射膜の強度が大で、剥離のおそれがな
い。また、粉末反射膜より表面積が小さくなり、したが
って水の吸着も少ないため、水素等の不純ガスによる始
動性や寿命への悪影響も生じない。
また、発光管には従来と同じ程度の壁面負荷をもたせて
いるので、部分的な高温部などが発生せず、3000時間点
灯後においても、石英製発光管の管壁の部分的な失透や
損傷が生じなかった。また、発光管端部に白色粉末熱反
射膜を併用することにより、更に良好な特性が得られる
が、上記のように反射膜6は電極2からの熱放射の一部
も反射するので、これを省略することができる。
いるので、部分的な高温部などが発生せず、3000時間点
灯後においても、石英製発光管の管壁の部分的な失透や
損傷が生じなかった。また、発光管端部に白色粉末熱反
射膜を併用することにより、更に良好な特性が得られる
が、上記のように反射膜6は電極2からの熱放射の一部
も反射するので、これを省略することができる。
上記実施例において、反射膜6として可視光透過率が80
%以上のものが用いられているが、この可視光透過率が
80%未満になると、この反射膜による赤外線の反射によ
り沃化物の蒸気圧が高くなっても、発光効率が向上しな
いという問題が生ずるため、反射膜の可視光の透過率は
80%以上になるように選定されなければならない。
%以上のものが用いられているが、この可視光透過率が
80%未満になると、この反射膜による赤外線の反射によ
り沃化物の蒸気圧が高くなっても、発光効率が向上しな
いという問題が生ずるため、反射膜の可視光の透過率は
80%以上になるように選定されなければならない。
また上記実施例の反射膜は、全赤外発光の60%を反射さ
せる特性を備えているが、この反射膜はアーク放電部か
らの全赤発光(波長0.78〜2.5μm)と全紫外発光(波
長0.25〜0.38μm)の30%以上を反射させることが必要
であり、可視領域以外の発光に対する反射率が30%に満
たないと、反射膜の吸収損失などが増えて沃化物の加熱
効果が減少し、発光効率を高めることができなくなる。
したがって可視光以外の放射光の反射率は30%以上とす
ることが必要である。
せる特性を備えているが、この反射膜はアーク放電部か
らの全赤発光(波長0.78〜2.5μm)と全紫外発光(波
長0.25〜0.38μm)の30%以上を反射させることが必要
であり、可視領域以外の発光に対する反射率が30%に満
たないと、反射膜の吸収損失などが増えて沃化物の加熱
効果が減少し、発光効率を高めることができなくなる。
したがって可視光以外の放射光の反射率は30%以上とす
ることが必要である。
また反射膜6による反射赤外光を良好に吸収し、且つ可
視光を発光する金属ハロゲン化物において赤外光の吸収
率が10%以上のものを用いているが、この吸収率が10%
以下になると加熱効果が少なくなり、蒸気圧を余り向上
させることができないので、この吸収率は10%以上のも
のを用いる必要がある。
視光を発光する金属ハロゲン化物において赤外光の吸収
率が10%以上のものを用いているが、この吸収率が10%
以下になると加熱効果が少なくなり、蒸気圧を余り向上
させることができないので、この吸収率は10%以上のも
のを用いる必要がある。
次に先に述べた第1の実施例と同様な金属ハロゲン化物
を封入した発光管の外表面に、TiO2−SiO2−TiO2からな
る3層の薄膜を、膜厚がそれぞれ、97nm,150nm,97nmと
なるように設けて反射膜を形成したところ、可視光の透
過率は平均84%となり、5層のものより良好となり、0.
9μm付近の赤外光の反射率は62〜75%となり若干低下
したが、セシウムCsの赤外発光は有効に反射することが
できた。これにより発光効率は、反射膜なし(55lm/W)
に比べて18%上昇し65lm/Wとなり、色温度も4400Kにな
り、室内照明に適した特性が得られた。なお、第4図に
上記3層からなる反射膜を設けた発光管を用いたメタル
ハライドランプ(ランプ電力100W)の分光エネルギー分
布図を示す。また、これと対比するため反射膜を設けず
同じ封入物質を封入した発光管を用いたメタルハライド
ランプの分光エネルギー分布図を第5図に示す。
を封入した発光管の外表面に、TiO2−SiO2−TiO2からな
る3層の薄膜を、膜厚がそれぞれ、97nm,150nm,97nmと
なるように設けて反射膜を形成したところ、可視光の透
過率は平均84%となり、5層のものより良好となり、0.
9μm付近の赤外光の反射率は62〜75%となり若干低下
したが、セシウムCsの赤外発光は有効に反射することが
できた。これにより発光効率は、反射膜なし(55lm/W)
に比べて18%上昇し65lm/Wとなり、色温度も4400Kにな
り、室内照明に適した特性が得られた。なお、第4図に
上記3層からなる反射膜を設けた発光管を用いたメタル
ハライドランプ(ランプ電力100W)の分光エネルギー分
布図を示す。また、これと対比するため反射膜を設けず
同じ封入物質を封入した発光管を用いたメタルハライド
ランプの分光エネルギー分布図を第5図に示す。
これに対して、比較例として、上記各実施例と同様な金
属ハロゲン化物を封入した発光管の外表面に、膜厚を20
0nmとしたTiO2のみの薄膜層を形成して、諸特性を求め
たところ、可視光の透過率は85%以上と高くなるが、赤
外領域の光線、特に0.9μm付近のセシウムCsの発光ラ
インの反射率が20%前後になり、発光効率の増加率も5
%と低く58lm/W程度で、色温度も6200Kと高く、室内照
明用光源としては不適当なものしか得られなかった。
属ハロゲン化物を封入した発光管の外表面に、膜厚を20
0nmとしたTiO2のみの薄膜層を形成して、諸特性を求め
たところ、可視光の透過率は85%以上と高くなるが、赤
外領域の光線、特に0.9μm付近のセシウムCsの発光ラ
インの反射率が20%前後になり、発光効率の増加率も5
%と低く58lm/W程度で、色温度も6200Kと高く、室内照
明用光源としては不適当なものしか得られなかった。
上記各実施例では、紫外領域又は赤外領域に発光スペク
トルを有する封入物質としては、赤外領域に強い発光ス
ペクトルを有する沃化セシウムCsIを用いたものを示し
たが、赤外領域に発光スペクトルを有する金属ハロゲン
化物としては、この他に沃化ナトリウム,沃化ルビジウ
ム,沃化カリウムなどのアルカリ金属のハロゲン化物を
用いることができ、また紫外領域に発光スペクトルを有
する金属ハロゲン化物としては、沃化ディスプロシウム
や沃化スカンジウムなどの希土類金属のハロゲン化物を
用いることができる。
トルを有する封入物質としては、赤外領域に強い発光ス
ペクトルを有する沃化セシウムCsIを用いたものを示し
たが、赤外領域に発光スペクトルを有する金属ハロゲン
化物としては、この他に沃化ナトリウム,沃化ルビジウ
ム,沃化カリウムなどのアルカリ金属のハロゲン化物を
用いることができ、また紫外領域に発光スペクトルを有
する金属ハロゲン化物としては、沃化ディスプロシウム
や沃化スカンジウムなどの希土類金属のハロゲン化物を
用いることができる。
また、上記実施例では、赤外領域の発光を10%以上吸収
すると共に可視領域に発光スペクトルを有する金属ハロ
ゲン化物としては、沃化ディスプロシウムと沃化タリウ
ムを用いたものを示したが、この他に沃化トリウム,沃
化スカンジウムや着色のある多くの金属ハロゲン化物
が、赤外領域の発光を10%以上吸収する特性を備えてお
り、これらの中から可視領域の発光効率などを考慮して
選定し、使用することができる。
すると共に可視領域に発光スペクトルを有する金属ハロ
ゲン化物としては、沃化ディスプロシウムと沃化タリウ
ムを用いたものを示したが、この他に沃化トリウム,沃
化スカンジウムや着色のある多くの金属ハロゲン化物
が、赤外領域の発光を10%以上吸収する特性を備えてお
り、これらの中から可視領域の発光効率などを考慮して
選定し、使用することができる。
上記実施例では、発光管内に、赤外領域に発光スペクト
ルを有する金属ハロゲン化物と、赤外領域の発光を10%
以上吸収すると共に可視領域に発光スペクトルを有する
金属ハロゲン化物とを封入したものを示したが、このよ
うに2種類の特性をもつ金属ハロゲン化物を封入する代
わりに、上記2種類の特性を合わせもつ1つ以上の金属
ハロゲン化物を封入することによっても、同様な作用効
果を奏せしめることができる。例えば、沃化すず,沃化
ガリウム,沃化トリウム等は、可視領域と共に赤外領域
又は紫外領域に発光スペクトルを有するものであるか
ら、反射膜を施した発光管に、これらの中の1つ以上の
ハロゲン化物を封入することによって、高発光効率の低
色温度のメタルハライドランプが得られる。
ルを有する金属ハロゲン化物と、赤外領域の発光を10%
以上吸収すると共に可視領域に発光スペクトルを有する
金属ハロゲン化物とを封入したものを示したが、このよ
うに2種類の特性をもつ金属ハロゲン化物を封入する代
わりに、上記2種類の特性を合わせもつ1つ以上の金属
ハロゲン化物を封入することによっても、同様な作用効
果を奏せしめることができる。例えば、沃化すず,沃化
ガリウム,沃化トリウム等は、可視領域と共に赤外領域
又は紫外領域に発光スペクトルを有するものであるか
ら、反射膜を施した発光管に、これらの中の1つ以上の
ハロゲン化物を封入することによって、高発光効率の低
色温度のメタルハライドランプが得られる。
また上記実施例においては、発光管の反射膜として、高
屈折率材料のTiO2と低屈折率材料SiO2を組み合わせたも
のを用いた例を示したが、高屈折率材料のTiO2の代わり
に酸化タンタルTa2O5なども使用可能であり、Ta2O5を用
いた場合の膜厚も先に述べたように、4n・d=λを満足
するように選定すれば、目的の反射膜が得得られる。ま
た、反射膜を構成する薄膜の重ね数も3層や5層に限ら
ず、7層や9層の薄層で構成することもできる。なお、
石英管の管壁の温度は動作中700〜800℃になるため、反
射膜はこの温度に十分耐える材料を選定して形成する必
要がある。
屈折率材料のTiO2と低屈折率材料SiO2を組み合わせたも
のを用いた例を示したが、高屈折率材料のTiO2の代わり
に酸化タンタルTa2O5なども使用可能であり、Ta2O5を用
いた場合の膜厚も先に述べたように、4n・d=λを満足
するように選定すれば、目的の反射膜が得得られる。ま
た、反射膜を構成する薄膜の重ね数も3層や5層に限ら
ず、7層や9層の薄層で構成することもできる。なお、
石英管の管壁の温度は動作中700〜800℃になるため、反
射膜はこの温度に十分耐える材料を選定して形成する必
要がある。
上記各実施例では、定格電力が100Wのものについて示し
たが、本発明はこれに限らず、これより低電力あるいは
高電力のものについても勿論適用できるものである。
たが、本発明はこれに限らず、これより低電力あるいは
高電力のものについても勿論適用できるものである。
以上実施例に基づいて説明したように、本発明によれ
ば、水銀発光管に封入された金属ハロゲン化物の紫外領
域及び赤外領域の発光を有効に利用して、凝集している
そのハロゲン化物を加熱することができるため、100W程
度の小電力ランプにおいても、ハロゲン化物の蒸気圧が
高くなり、可視光の発光量が増大し発光効率を向上させ
ることができると共に、色温度を4500K以下に低減する
ことができる。
ば、水銀発光管に封入された金属ハロゲン化物の紫外領
域及び赤外領域の発光を有効に利用して、凝集している
そのハロゲン化物を加熱することができるため、100W程
度の小電力ランプにおいても、ハロゲン化物の蒸気圧が
高くなり、可視光の発光量が増大し発光効率を向上させ
ることができると共に、色温度を4500K以下に低減する
ことができる。
また、発光管の管壁負荷を増大させる必要がないから、
発光管壁の部分的な高温部は生ぜず、失透や損傷が発生
するおそれもない。また、反射膜材料の材質,厚さ,層
数を適宜選定することにより、発光特性の制御が容易に
でき、特性のばらつきも少なくすることができる等の効
果が得られる。
発光管壁の部分的な高温部は生ぜず、失透や損傷が発生
するおそれもない。また、反射膜材料の材質,厚さ,層
数を適宜選定することにより、発光特性の制御が容易に
でき、特性のばらつきも少なくすることができる等の効
果が得られる。
第1図は、本発明に係るメタルハライドランプの一実施
例を示す外観図、第2図は、発光管に設けた反射膜の透
過及び反射特性を示す図、第3図は、発光管の動作態様
を示す説明図、第4図は、本発明による反射膜を設けた
発光管を用いたメタルハライドランプの分光エネルギー
分布を示す図、第5図は、反射膜を設けない発光管を用
いたメタルハライドランプの分光エネルギー分布を示す
図である。 図において、1は発光管、2は電極、3は始動極、4は
支持金具、5は外管、6は反射膜、7はアーク、8は凝
集沃化物を示す。
例を示す外観図、第2図は、発光管に設けた反射膜の透
過及び反射特性を示す図、第3図は、発光管の動作態様
を示す説明図、第4図は、本発明による反射膜を設けた
発光管を用いたメタルハライドランプの分光エネルギー
分布を示す図、第5図は、反射膜を設けない発光管を用
いたメタルハライドランプの分光エネルギー分布を示す
図である。 図において、1は発光管、2は電極、3は始動極、4は
支持金具、5は外管、6は反射膜、7はアーク、8は凝
集沃化物を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 百々 宏 埼玉県行田市富士見町1丁目20番地 岩崎 電気株式会社開発センター内 (72)発明者 杉浦 稔 埼玉県行田市富士見町1丁目20番地 岩崎 電気株式会社開発センター内 (56)参考文献 特開 昭57−36768(JP,A) 特開 昭58−155644(JP,A) 特開 昭55−39189(JP,A) 特公 昭56−8466(JP,B1)
Claims (2)
- 【請求項1】水銀と共に金属ハロゲン化物と希ガスを封
入した発光管と該発光管を囲む外管とを有するメタルハ
ライドランプにおいて、発光管内に赤外領域又は紫外領
域に発光スペクトルを有する金属ハロゲン化物と、前記
赤外領域又は紫外領域の発光を10%以上吸収すると共に
可視領域に発光スペクトルを有する金属ハロゲン化物を
封入し、且つ該発光管の外表面に、可視領域以外の発光
を30%以上反射し、可視光を80%以上透過する選択反射
膜を設け、色温度を4500K以下としたことを特徴とする
メタルハライドランプ。 - 【請求項2】水銀と共に金属ハロゲン化物と希ガスを封
入した発光管と該発光管を囲む外管とを有するメタルハ
ライドランプにおいて、発光管内に可視領域と共に赤外
領域又は紫外領域に発光スペクトルを有し、且つ赤外領
域又は紫外領域の発光を10%以上吸収する金属ハロゲン
化物を封入し、該発光管の外表面には、可視領域以外の
発光を30%以上反射し、可視光を80%以上透過する選択
反射膜を設け、色温度を4500K以下としたことを特徴と
するメタルハライドランプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60091121A JPH07101604B2 (ja) | 1985-04-30 | 1985-04-30 | メタルハライドランプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60091121A JPH07101604B2 (ja) | 1985-04-30 | 1985-04-30 | メタルハライドランプ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61250958A JPS61250958A (ja) | 1986-11-08 |
JPH07101604B2 true JPH07101604B2 (ja) | 1995-11-01 |
Family
ID=14017693
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60091121A Expired - Lifetime JPH07101604B2 (ja) | 1985-04-30 | 1985-04-30 | メタルハライドランプ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07101604B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2668828B2 (ja) * | 1988-07-05 | 1997-10-27 | ウシオ電機株式会社 | ショートアーク放電灯 |
JP2928257B2 (ja) * | 1988-12-07 | 1999-08-03 | 松下電子工業株式会社 | メタルハライドランプ |
JP2928262B2 (ja) * | 1989-03-16 | 1999-08-03 | 松下電子工業株式会社 | メタルハライドランプ |
JPH0534925A (ja) * | 1991-08-02 | 1993-02-12 | Arm Denshi:Kk | プリント配線板の製造方法 |
US5952768A (en) * | 1994-10-31 | 1999-09-14 | General Electric Company | Transparent heat conserving coating for metal halide arc tubes |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4197480A (en) * | 1978-09-11 | 1980-04-08 | Westinghouse Electric Corp. | Reflector-type hid sodium vapor lamp unit with dichroic reflector |
JPS568466A (en) * | 1979-07-03 | 1981-01-28 | Dainichi Seika Kogyo Kk | Fibrous top coating material |
JPS5736768A (ja) * | 1980-08-13 | 1982-02-27 | Hitachi Ltd | Koatsukinzokujokihodento |
JPS58155644A (ja) * | 1982-03-10 | 1983-09-16 | Toshiba Corp | 小形金属蒸気放電灯 |
-
1985
- 1985-04-30 JP JP60091121A patent/JPH07101604B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61250958A (ja) | 1986-11-08 |
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