JPH07101368A - 自動二・三輪車の盗難防止装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動二・三輪車の盗難を防止するためスタン
ドロック装置において、スタンドのロックを第三者に容
易に解除されないようにする。 【構成】 メインスタンド8は、上部に板体9が固定さ
れ、該板体9の上端がピン7でフレームに枢着されてい
る。メインスタンドの起立状態で板体9の係止穴12に、
スタンドロック装置10のロックピン11が進入するとスタ
ンドはロックされ、ロックピン11が脱出するとロックは
解除される。車体のカバー17の一部は凹部18が設けら
れ、その開口部に錠21付きの蓋24が取り付けられ、内部
にレバー25が枢着され、ケーブル16の芯線がレバー25と
前記ロックピン11を連結しており、レバー25を回動する
ことによりロックピン11を進退させてメインスタンド8
をロック又は解除する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動二輪車・三輪車等
で、駐車時にメインスタンド又はサイドスタンドを起立
させて車体を支持させるようにした車両における盗難防
止装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】前記の形式の車両において車両の盗難を
防止する手段は、車両の電気系統を開閉するスイッチに
キーで操作されるハンドルロック機構を設け、ハンドル
の回動をロックするのが一般である。

【０００３】また、特開昭６０−１４３１８８号公報，
特開昭５８−１４９８７１号公報に示されるように、車
両のメインスイッチのロータに連動する部材によって、
スタンドロック装置をロック又は解除可能にするものも
知られている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前記のようにハンドル
をロックしても、前輪側は、軽量であり、かつハンドル
を持って持ち上げ易いため、前輪を非接地状態にして後
輪のみを転動させながら車両を移動することが可能で、
持ち去られ易いという不具合がある。

【０００５】また、前記の公開公報に示されるものは、
目に付き易いメインスイッチに連動する部材を介して操
作されるから、該部材のある場所がすぐ判ってロックを
解除されるおそれがある。

【０００６】したがって、本発明は、これらの行為が行
なわれ難い手段を得ることを課題とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明における前記課題
の解決手段は、車体を覆う部材に凹部を設け、この凹部
の開口部に錠止めできる蓋を配設し、車体下部に駐車用
のスタンドを起立収納自在に取り付けた自動二・三輪車
において、前記スタンドの起立位置で該スタンドに係脱
自在のスタンドロック装置を車体に設置し、前記凹部内
に前記スタンドロック装置の操作部を設け、該スタンド
ロック装置を遠隔操作するようにしたことを特徴とす
る。

【０００８】

【作用】前記の手段により、スタンドは起立状態でロッ
クされているから、そのまま車両を移動させようとして
も、該スタンドが路面側に接するため邪魔になって移動
を防止できる。そして、スタンドロック装置を操作する
操作部は、車体を覆う部材に設けた、蓋を錠止めできる
凹部内に設置されるので、人目につきにくく、いたずら
もされにくい。

【０００９】

【実施例】以下、図面を参照に本発明の実施例を説明す
る。図１、図２は本発明の第１実施例で、1は自動二輪
車のフレーム、2は該フレーム1の前部に設けられたハン
ドル、3はフロントパネル、4は点火スイッチでエンジン
点火回路や照明回路等の電気系統を開閉する接点を有し
キー穴4aに挿入されるキー5で操作される。この点火ス
イッチ4には、キー5が不作動位置に回動されたとき作動
する、前記の盗難防止用のハンドルロック装置4bが設け
られており、該装置4bによってハンドル2が回動操作さ
れるのを阻止し、車両が自由に移動されるのを防止して
いる。

【００１０】フレーム1の後輪寄りの部分には、ブラケ
ット6，6が突設され、ピン7によってメインスタンド8が
これに突設した一対の板体9，9で回動自在に連結されて
いる。

【００１１】メインスタンド8を起立位置にロックし、
又はロックを解除できるように、ブラケット6の一方に
スタンドロック装置10が設けられ、そのロックピン11が
一方の板体9の係止穴12内に進退して係脱するようにな
っている。該係止装置10のロックピン11は、ブラケット
6に固定された外筒13内に挿入され、外面の凹部14a、14
bと弾発球15とによって前進位置と後退位置にクリック
止めされるようになっており、ケーブル16の外チューブ
16aが外筒13に接続され、芯線16bがロックピン11に接続
されている。そして、該芯線16bを操作するため機構
が、フレーム1又は車体を覆うカバー17に設けた凹部18
の内部に設けられる。

【００１２】前記凹部18は、ヒンジ19でカバー17に枢着
された蓋20で開閉自在とされ、該蓋20は前記キー5又は
他ののキーで操作される錠21によって錠止めされる。錠
21の後端には半径方向に屈曲されたアーム2２が設けら
れ、該アーム22は、キー5の回動によって回動される。
一方、凹部18の内面にはアーム22の回動軌跡に係止溝23
が設けられ、該係止溝23にアーム22が係合したとき蓋20
はロックされ、係合が外されたときロックは解除され
る。

【００１３】凹部18内には、支軸24でＬ型のレバー25が
枢着されて前記スタンドロック装置10に対する操作部を
形成しており、該レバー25の短いアーム25aにケーブル1
6の芯線16bが連結され、外チューブ16aは凹部18の壁に
固定される。

【００１４】メインスタンド8を起立させ、キー5で蓋20
を開けてレバー25を押込むと、芯線16aを介してロック
ピン11が前進して係止穴12に係合してメインスタンド8
をロックすることができ、蓋20を錠止めすることによ
り、メインスタンド8がみだりに収納位置に動かされる
のが防止される。また蓋20を開けてレバー25を引出し方
向に戻すと、ロックピン11は後退してメインスタンド8
のロックは解除される。

【００１５】次に図３は第２実施例を示し、32は、ロッ
クピン11と同様にメインスタンド8をロックするために
用いられるロックピンであり、このロックピン32は、外
周長手方向にラック31が刻設され、軸方向のスリットを
もつシリンダ内に保持されている。

【００１６】ピニオン33は、レバー34が一体に固着され
ると共に支軸35で車体に枢支され、前記のスリット内に
挿入されてラック31にかみ合っており、レバー34の端部
にケーブル16の芯線16bが接続されている。

【００１７】芯線16bは、適宜の操作部に接続され、黒
矢印の方向に引かれると、ロックピン32は白矢印の方向
に動いてメインスタンド8をロックするようにされる。

【００１８】以上の実施例は、スタンドの係止穴12の側
方からロックピン11を進退させているが、図４の第３実
施例のようにスタンド8の上端にセクタギヤ76を固着
し、該セクタギヤ76の谷に先端が尖ったストッパ77を進
退させるようにしてもよく、該ストッパ77は、前記ロッ
クピンの操作機構と同等の機構を用いて操作される。

【００１９】次に図５により第４実施例を説明する。こ
の実施例は、モータの動力でスタンドを起立させるいわ
ゆるオートスタンドに用いられている。図において80は
スタンド駆動用の正逆転可能のモータで、点火スイッチ
4により電線81を経て正転又は逆転するように通電され
る。モータ80の回転は、ギヤ装置82を介してウオームギ
ヤ83、ウオームホイル84に伝達され、ウオームホイル84
と一体のドライブギヤ85によってスタンド8と一体のセ
クタギヤ86を駆動するようになっている。

【００２０】また、ウオームホイル84とドライブギヤ85
に共通の軸87は、ガイド89中で進退できる軸受88に支持
され、該軸受88は、スプリング90でギヤ85と86が咬合う
方向に加圧されていると共にケーブル91が接続されてお
り、そのケーブル91の他端は、キー付きのポケット又は
トランク内に設けた切替レバー93に接続されている。ス
タンド8と車体フレームの間には引上げ方向に作用する
スプリング94が設けられている。

【００２１】従来のこの種のオートスタンドでは、モー
タが正逆転せず、モータの動力をスタンド起立方向のみ
に作用させるようになっており、スタンド起立状態で車
体を前方へ押すと伝動系統は外れ、スタンドは、引上げ
スプリングで収納位置に上昇するようになっている。

【００２２】しかしながら、本実施例においては正逆転
可能のモータ80を用いてウオームギヤ83とウオームホイ
ル84、及びドライブギヤ85とセクタギヤ86を常時咬合わ
せた状態で使用するようになっており、例えばモータ80
を正転させてスタンドを起立させ、モータ80を逆転させ
てスタンドを収納する。そして、ウォームギヤ83とウオ
ームホイル84の不可逆伝動性によって、モータ80側から
駆動するとスタンド8は動くが、スタンド8側からは動か
すことができないようになっている。

【００２３】しかし、切替レバー93によって軸受88を後
退させ、ドライブギヤ85をセクタギヤ86から外すとスタ
ンド8は自由になり、車体を押してスプリング94が中立
点を越すと該スプリングで収納位置に引上げられる。し
たがって、ウオーム機構83,84とギヤ85、86はスタンド
ロック装置を構成している。またこの機構は、電池消耗
時にスタンドを人力操作するときにも解除状態にするこ
とにより利用できる。

【００２４】前記各実施例において、スタンドロック装
置を操作する手動部材を車体を覆うカバーに設けたポケ
ット、トランクルーム等の凹部内に設けると、人目につ
かず点火スイッチも複雑にならず便利である。

【００２５】図６の二輪車130においては、トランクル
ーム131の開口は、ヒンジ132に枢着されたシート133の
背部で開閉されるようになっており、該シート133は、
開口を閉鎖した位置で点火キー134によってロックされ
る。

【００２６】スタンド135には、例えば図５に示すもの
と同様のオートスタンド機構136が連設され、ケーブル1
37を介して接続される切替レバー138がトランクルーム1
31内に枢着されている。キー134を用いてシート133を解
錠して仮想線のように前傾させることにより、切替レバ
ー138が操作可能になる。

【００２７】スタンドロック装置を電気的に操作するも
ののにおいても、そのスイッチ機構を前記のようにトラ
ンクルーム内に設けることができる。

【００２８】

【発明の効果】以上のように、スタンドロック装置を解
除できる操作部を車体を覆う部材の適所に凹部に設け、
該凹部を覆蓋、錠止めするようにしたので、該操作部及
びその設置場所が人目につきにくいと共にみだりに操作
されるのを防止することができ、車両の盗難の防止のた
めに極めて有効である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 第１実施例の斜視図

【図２】 同上要部の断面図

【図３】 第２実施例の要部正面図

【図４】 第３実施例の要部正面図

【図５】 第４実施例の要部正面図

【図６】 第５実施例の要部正面図

【符号の説明】

8,135 スタンド 10,85 スタンドロック装
置 17 カバ 18 凹部 20 蓋 21 錠

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車体を覆う部材に凹部を設け、この凹部
   の開口部に錠止めできる蓋を配設し、 車体下部に駐車用のスタンドを起立収納自在に取り付け
   た自動二・三輪車において、 前記スタンドの起立位置で該スタンドに係脱自在のスタ
   ンドロック装置を車体に設置し、 前記凹部内に前記スタンドロック装置の操作部を設け、 該スタンドロック装置を遠隔操作するようにしたことを
   特徴とする、自動二・三輪車の盗難防止装置。