JPH0699546A - 加工性に優れた高耐食性塗装鋼板 - Google Patents

加工性に優れた高耐食性塗装鋼板

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JPH0699546A
JPH0699546A JP27354792A JP27354792A JPH0699546A JP H0699546 A JPH0699546 A JP H0699546A JP 27354792 A JP27354792 A JP 27354792A JP 27354792 A JP27354792 A JP 27354792A JP H0699546 A JPH0699546 A JP H0699546A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐食性,加工性に優れた塗装鋼板に関し、硬
度,耐汚染性,耐候性等の表面物性を容易に制御する塗
装鋼板を提供する。 【構成】 鋼板1の少なくとも片面に、第1層として3
0〜200μのポリプロピレン,ポリエチレンテレフタ
レート,ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂ラミネート層
2を有し、第2層として10〜30μのエステル系,ア
ルキド系等の熱硬化性塗料の塗膜層3を有してなる塗装
鋼板である。 【効果】 厚膜タイプの塗装鋼板にもかかわらず、表面
特性に優れ、加工性,耐食性に優れた塗装鋼板が得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐食性,加工性に優れ
た塗装鋼板に関し、この塗装鋼板は、従来の塗装鋼板と
同様に家電,建材等々の多くの用途に使用出来る。
【0002】
【従来の技術】従来から鋼板の意匠性,耐食性を向上す
る目的で、各種の有機樹脂皮膜が鋼板上に施されてい
る。特に近年は、家電,建材用途で、製造工程省略を目
的として鋼板を加工した後に塗装する方法から、プレコ
ート材(加工前に鋼板に塗装したもの)の使用比率が増
大している。
【0003】耐食性に対する要求は益々高度化している
のが現状であり、こうした高耐食性を確保する方法とし
て、塗装用の原板として表面処理鋼板を使用したり、塗
膜を多層化して塗膜厚を厚くする方法等が実施されてい
る。
【0004】ところが塗装膜を厚くする方法を採用する
ことは、従来のような塗装樹脂を有機溶剤中,又は水中
に溶解,又は分散させた熱硬化性塗料を用いて製造され
る熱硬化性樹脂塗装鋼板では、その品質上、特に塗装鋼
板の加工性の観点から難しく、加工性を確保するために
塗膜厚みが制限されていた。
【0005】またビニール系樹脂のように、エマルジョ
ン系熱可塑性樹脂塗料を使用した塗装鋼板では、一般的
には厚膜であっても加工性が良好であるが、厚膜の塗装
鋼板を製造する際は、二回以上の塗装が必要である等の
欠点があった。
【0006】こうした問題を回避する方法として、事前
に着色され、また必要に応じて絵柄が印刷されている樹
脂フイルムを製造し、この樹脂フイルムを鋼板に接着す
る所謂ラミネート法により塗装鋼板が製造されている。
【0007】しかしこの方法では、熱可塑性樹脂のフイ
ルムしか使用出来ず、塗膜の表面硬度が不足する等の欠
点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の熱硬化性塗装鋼
板では、熱硬化性樹脂塗膜層が厚くなると、塗膜層の加
工性が劣化するため膜厚みに限界があった。この為近年
は、加工性を改善した厚膜タイプの塗装鋼板として、熱
可塑性樹脂フイルムを鋼板に直接ラミネートした所謂ラ
ミネート鋼板が開発された。
【0009】前者の熱硬化性樹脂塗装鋼板は、塗装樹脂
の種類を選択することで、塗膜の硬度,耐汚染性,耐候
性等々の塗膜物性を任意に制御でき、耐食性も良好であ
るが、年々要求が厳しくなる耐食性についてはなお不十
分である。何故なら、耐食性を向上する為には有機樹脂
の塗膜層を厚くする必要がある。
【0010】しかし熱硬化樹脂層の膜厚が厚くなると、
熱硬化樹脂塗膜中に生ずる熱硬化時の歪み等により、塗
膜と鋼板の密着性が劣化したり、塗膜層の加工性が劣化
する等の欠点があった。
【0011】本発明は、従来の厚膜型塗装鋼板と同様に
耐食性に優れた塗装鋼板を提供するものであり、本発明
の鋼板は、加工性,耐食性に優れ、且つ硬度、耐汚染
性、耐候性等の表面物性を容易に制御することが可能で
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】第1の本発明は、鋼板の
少なくとも片面に、第1層として30〜200μのポリ
プロピレン,ポリエチレンテレフタレート,ポリアミド
樹脂等の熱可塑性樹脂ラミネート層を有し、第2層とし
て10〜30μのエステル系,アルキド系等の熱硬化性
塗料の塗膜層を有してなることを特徴とする加工性に優
れた高耐食性塗装鋼板である。
【0013】また第2の本発明は、鋼板の少なくとも片
面に、第1層として30〜200μのポリプロピレン,
ポリエチレンテレフタレート,ポリアミド樹脂等の熱可
塑性樹脂ラミネート層を有し、第2層として30〜10
0μのビニール系の熱可塑性塗料の塗膜層を有してなる
ことを特徴とする加工性に優れた高耐食性塗装鋼板であ
る。
【0014】
【作用】本発明者らは鋭意検討した結果、冷延鋼板,ま
たは各種の表面処理鋼板上に、先ず耐食性を確保するに
十分な厚みの熱可塑性樹脂を第1層として被覆し、しか
る後に、その熱可塑性樹脂の上層に、第2層として、従
来の熱硬化性樹脂皮膜層,またはビニール樹脂等の熱可
塑性樹脂皮膜層を塗装により施すことにより、従来の塗
装鋼板と同等の表面光沢,硬度,耐候性,意匠性を有
し、且つ耐蝕性に優れた厚膜タイプの塗装鋼板が得られ
ることを見出した。
【0015】すなわち本発明は、従来の塗装鋼板では難
しかった高耐食性を、下層の熱可塑性樹脂層で確保した
ものである。また逆に、従来の厚膜塗装鋼板として一般
的であった熱可塑性樹脂ラミネート鋼板の欠点である耐
候性,表面硬度,耐汚染性等を、表層に熱硬化性樹脂樹
脂層を施すことで解決した耐蝕性,加工性に優れた高性
能の塗装鋼板である。また従来のビニール樹脂等の熱可
塑性樹脂ラミネートを第2層として施すことで、更に、
厚膜タイプの塗装鋼板が容易に提供できるようになっ
た。
【0016】以下、本発明の内容を更に詳しく説明す
る。
【0017】従来の家電,建材等の用途に使用されるプ
レコート塗装鋼板は、有機溶剤,又は水に分散,溶解し
た塗料を、鋼板にロールコート,スプレー,又はフロー
コート法等の方法で塗布した後乾燥・硬化したものであ
り、塗装鋼板に要求される各種の品質特性、すなわち耐
食性,表面硬度,耐汚染性,耐候性,並びに鋼板との密
着性等々の特性を全て満足するように調整された組成の
塗料が、鋼板に塗装されたものである。
【0018】しかし塗装鋼板に要求されるこれら品質特
性に対する要求は、年毎に厳しくなっており、これに伴
って塗料の品質改善が進んでいる。しかしこうした各種
の品質特性の全てを、単一の塗装系で満足させることは
難しくなっている。特に耐食性に関する品質要求は厳し
くなっており、前述した従来の塗装鋼板では、高度な耐
食性を得るのが難しく、その結果2回,3回と塗装した
多層型塗装鋼板が開発され、塗膜の多層化,厚膜化等で
高耐食性を確保している。
【0019】しかし複数回塗装する方法でも、塗膜中に
残る樹脂硬化反応等による樹脂中の歪み等が大きくな
り、塗膜厚みが厚くなるにつれ加工性や、鋼板と塗膜と
の密着性が劣化する等の欠点があった。また比較的厚膜
の得やすいビニール系塗装鋼板でも、膜厚みが大きくな
るにつれ密着性が劣化する等の欠点があった。
【0020】これら方法を解決する方法として、本発明
者らは第1層として耐蝕性,加工性に優れた熱可塑性塗
膜を施し、しかる後にこの第1層の上層に、第2層とし
て従来の塗装鋼板に使用されていると同じエステル系,
アクリル系,アルキド系等の熱硬化性樹脂、又はビニー
ル系の熱可塑性樹脂を施した2層塗膜型塗装鋼板の発明
に到った。
【0021】本発明の2層塗膜型塗装鋼板の構造、並び
に各層に要求される品質特性について以下詳しく説明す
る。
【0022】図1に本発明の2層塗膜型塗装鋼板の構造
例を示した。1は鋼板で冷延鋼板,又は表面処理鋼板を
示す。2は第1層の熱可塑性樹脂層を示す。3は第2層
の塗膜層を示す。
【0023】図1は片面側のみに塗装した例を示した
が、本発明の製品は、図3に示すように両面に同じ構成
を持った塗膜層を有する鋼板、または図2に示すように
反対面は従来と同じ塗膜層を有する鋼板等の例も含む。
【0024】先ず鋼板について説明する。本発明では鋼
板について特に限定するものではないが、塗膜との密着
性,並びに耐食性向上の為に表面処理鋼板が望ましい。
例えば、冷延鋼板に燐酸塩処理,クロメート処理等を施
した鋼板、または亜鉛,亜鉛−ニッケル合金めっき等の
金属めっきを施した鋼板に、同じく燐酸塩処理,クロメ
ート処理等の処理を施した表面処理鋼板が使用できる。
【0025】特に高耐食性を確保する為には、後者の金
属めっきを施した後に、更に燐酸塩処理,クロメート処
理等を施した表面処理鋼板が好ましい。
【0026】次に本発明の特徴である塗膜層の構成につ
いて説明する。第1層の熱可塑性樹脂層であるが、ポリ
エチレン(以下PEと略称する),ポリプロピレン(以
下PPと略称する),ポリエチレンテレフタレート(以
下PETと略称する),またはポリアミド(以下PAと
略称する)等の熱可塑性樹脂を単独,又は混合して、又
は共重合樹脂として使用出来る。
【0027】これら熱可塑性樹脂と鋼板との密着性を確
保する為に、適宜これら樹脂を変成して密着性を改善し
た樹脂層を鋼板との界面に配置することが好ましい。例
えばPE,PPの如きポレオレフィン樹脂の場合、分子
中に水酸基(−OH),カルボキシル基(−COOH)
等の官能基が無い為に鋼板との密着性に乏しい。
【0028】これを解決する方法として、PE,又はP
Pに不飽和カルボン酸,もしくはこれらの酸無水物,ま
たはこれらの誘導体で酸変成を行って、上記官能基を分
子中に配置する等の方法がある。こうした酸変成樹脂を
鋼板との界面に配置し、その上層に酸変成しない一般的
な熱可塑性樹脂層を設けることで、鋼板との密着性に優
れた熱可塑性樹脂層(図1符号2)を安価に得ることが
出来る。
【0029】この熱可塑性樹脂層の厚みは、30〜20
0μに限定する。30μ未満では、本発明の目的である
高耐食性の確保が難しいばかりでなく、樹脂層が薄い為
に均一な膜厚みの塗膜層を得ることが難しいためであ
る。また上限を200μとしたのは、この第1層の熱可
塑性樹脂層に要求される耐食性向上の効果が飽和するた
め、これ以上の膜厚みは樹脂費用の増大に比し得られる
耐食性向上の効果が小さく、経済的に得策でないからで
ある。
【0030】次に第2層(図1符号3)について説明す
る。第2層は、通常の塗装鋼板で使用される各種の塗料
が使用出来る。すなわち、有機溶剤,又は水に溶解,分
散した通常の塗料が使用出来る。第2層皮膜の種類,皮
膜の構成,並びに皮膜の膜厚は特に限定するものでな
く、現行の塗装鋼板と同じく目的に応じた皮膜構成又は
膜厚とすれば良い。
【0031】先ず皮膜の種類であるが、加工性に優れた
塗膜としたい場合は塩化ビニールゾル塗料,ポリエステ
ル系塗料等を選択すれば良い。また表面の光沢,高硬度
が必要な場合はアクリル系塗料やメラミン系の熱硬化塗
料等を選択すれば良い。
【0032】次に皮膜の構成についてであるが、これら
塗料を第1層の熱可塑性樹脂上に直接塗装した場合、第
1層の樹脂と、その上層の塗料樹脂との間で優れた密着
性が得られない場合がある。こうした場合は、第1層の
上に、先ず両方の樹脂との密着性に優れた塗料,例えば
エポキシ樹脂系塗料等を塗装し、しかる後に第2層目の
樹脂を塗装する。また非常に高い表面硬度等が必要な場
合は、第2層の上層に紫外線硬化樹脂等を塗装してもよ
い。
【0033】次に第2層の皮膜の厚みについてである
が、本発明では、第2層の塗膜厚みについて特に限定す
るものではない。皮膜の厚みは、多くの場合塗装鋼板の
耐食性能に大きく影響することから、塗膜の厚みは必要
とされる耐食性能に応じて決められる。しかし本発明の
製品では、耐食性能は、第1層の熱可塑性樹脂層で確保
され、第2層については、表面硬度、色調、耐候性等々
の表面物性についての品質確保を主たる目的としてい
る。
【0034】従って第2層の膜厚みは、これら表面特性
を確保するに十分な厚みを確保すれば良い。例えば表面
色調を確保する為には色調によって異なるが、一般的に
は10〜20μで十分であり、また耐候性を確保する為
には、必要な耐候性に応じて10〜50μの塗装をすれ
ば良い。
【0035】以上本発明の塗装鋼板について説明した
が、本発明の塗装鋼板の特徴は、塗装鋼板に要求される
各種品質特性を、第1層と第2層とで機能分担して確保
しようとするものであり、第1層は主に鋼板との密着
性,並びに耐蝕性の確保を、また第2層は、硬度,色
調,耐候性,及び意匠性等の表面品質特性を確保したも
のである。
【0036】従って第1層は厚膜としても、加工性,密
着性に優れた熱可塑性樹脂が最適であり、上層はそれぞ
れ優れた表面物性を持った特徴ある樹脂系を選択するこ
とが出来る。
【0037】
【実施例】以下本発明の塗装鋼板を、実施例に基づいて
説明する。
【0038】実施例1:0.6mmの低炭素冷延鋼板に
電気亜鉛めっき(めっき量20g/m2 )し、その上層
にクロメート処理した電気亜鉛めっき鋼板を原板として
使用する。この電気亜鉛めっき鋼板を200℃に加熱し
た後、鋼板の片面に変成PET(ポリエチレンテレフタ
レート)樹脂(三井デュポンポリケミカル(株)製,商
品名シラーPT)を溶融押し出し法で、30,50,1
00,150μの厚みにラミネートする。
【0039】次にその上層に、ロールコーター法により
エポキシ系塗料を5μ塗装し、乾燥焼付け後に同じくロ
ールコーター法で市販の塩化ビニール樹脂塗料,ポリエ
ステル系樹脂塗料,メラミン系樹脂塗料,アクリル系樹
脂塗料をそれぞれ20μ塗装し、各塗料に応じた焼付け
条件で焼付け硬化する。このようにして製造した本発明
の塗装鋼板の加工性,耐食性について、従来材と比較し
て調査した。
【0040】従来例:従来例としては、市販の熱硬化性
樹脂を塗装した鋼板を使用した。
【0041】比較例:比較例として、本発明の塗装鋼板
の製造に使用したと同じ電気亜鉛めっき鋼板に、第1層
としての熱可塑性樹脂層を施すことなく、直接に、同じ
エポキシ系塗料を5μ塗装し、焼付け乾燥する。しかる
後に同じく本発明例で使用したと同じ市販の塩化ビニー
ル系樹脂塗料とアクリル系樹脂塗料をそれぞれ50,1
00,150μ塗装し、各塗料に応じた焼付け条件で乾
燥硬化させる。この場合50μ,100μ,150μの
塗膜厚みは、ロールコート法でそれぞれ1回,2回,3
回塗装して確保した。
【0042】耐食性,加工性,並びに表面硬度の測定結
果を表1に示した。
【0043】
【表1】
【0044】表1において: *1)塗装鋼板を180°折り曲げを行い、折り曲げ部
の亀裂を20倍ルーペで観察する。 ◎ 塗膜の亀裂が認められない。 ○ 微細な亀裂が認められる。 △ 塗膜の亀裂が認められる。
【0045】*2)上記の加工試験と同じ加工を行った
試験片に塩水噴霧を行う。2000時間の塩水噴霧試験
を行った後の錆発生状況で評価する。 ◎ 錆発生が全く認められない。 ○ 一部白錆(亜鉛の腐食生成物)が認められる。 △ 白錆の他、僅かに赤錆が認められる。 × 加工部の50%以上に、赤錆が認められる。
【0046】*3)硬さの異なる鉛筆で、塗装鋼板上に
疵を入れ、疵が付き始めた時の鉛筆硬度。
【0047】表1から明らかな如く、本発明の鋼板は加
工性が向上することで加工部の耐食性も向上し、従来の
製品,並びに比較材に比べて優れた性能を示す。
【0048】実施例2:0.6mmの低炭素冷延鋼板に
電気亜鉛めっき(めっき量20g/m2 )し、その上層
にクロメート処理した電気亜鉛めっき鋼板を原板として
使用する。この電気亜鉛めっき鋼板を180℃に加熱し
た後、鋼板の片面にPP(ポリプロピレン)−PE(ポ
リエチレン)共重合樹脂(三井石油化学工業(株)製・
商品名アドマーQE−050),並びにPP(三井石油
化学工業(株)製・商品名PP・L−840)を2層押
し出し型Tダイで溶融押し出しする。
【0049】この場合鋼板側を密着性に優れたPP(ポ
リプロピレン)−PE(ポリエチレン)共重合樹脂と
し、その上層を通常のPP(L−840)としたフイル
ム構造とした。ラミネート皮膜の厚みは、下層のアドマ
ーQE−050が30μ,L−840が70μ、計10
0μとした。
【0050】この第1層のPP樹脂層の上に、ロールコ
ーター法でポリエステル系樹脂塗料,アクリル系樹脂塗
料を20μ塗装し、それぞれの硬化条件で乾燥硬化させ
た。このようにして製造した本発明塗装鋼板の加工性,
耐食性について、従来材と比較して調査した。
【0051】従来例:従来例としては、市販のPE(ポ
リエチレン)ラミネート鋼板を使用した。
【0052】耐食性,加工性,並びに表面硬度の測定結
果を表2に示した。
【0053】
【表2】
【0054】表2から明らかな如く、第2層に熱硬化性
塗料を塗装することで、熱可塑性ラミネート鋼板の表面
硬度が向上し、表面処理鋼板の耐疵付性が向上する。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように本発明の塗装鋼板
は、第1層に熱可塑性樹脂をクストリュード法または熱
ラミネート法でラミネートし、しかる後に第2層として
溶剤タイプの塗料を使用して塗装し、第1層は鋼板との
密着性,加工性に優れ、第2層は目的に応じて塗装鋼板
に必要な意匠性,表面硬度を付与する塗料を塗装するこ
とで、高耐食性の塗装鋼板が望まる耐食性に優れ、且つ
表面特性に優れた塗装鋼板が得られる。本発明は、厚膜
タイプの塗装鋼板にもかかわらずその大部分が熱可塑性
樹脂であり、塗装に伴う有機溶剤の使用を減少させるこ
とができ、かつ密着性とともに加工性,耐食性に優れた
塗装鋼板が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の2層塗膜型塗装鋼板の構造例を示す図
面である。
【図2】片面は第2層塗膜のみとした塗装鋼板の構造例
を示す図面である。
【図3】両面に同じ塗膜層を有する塗装鋼板の構造例を
示す図面である。
【符号の説明】
1 鋼板 2 第1層の熱可塑性樹脂層 3 第2層の溶剤タイプ塗料層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板の少なくとも片面に、第1層として
    30〜200μのポリプロピレン,ポリエチレンテレフ
    タレート,ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂ラミネート
    層を有し、第2層として10〜30μのエステル系,ア
    ルキド系等の熱硬化性塗料の塗膜層を有してなることを
    特徴とする加工性に優れた高耐食性塗装鋼板。
  2. 【請求項2】 鋼板の少なくとも片面に、第1層として
    30〜200μのポリプロピレン,ポリエチレンテレフ
    タレート,ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂ラミネート
    層を有し、第2層として30〜100μのビニール系の
    熱可塑性塗料の塗膜層を有してなることを特徴とする加
    工性に優れた高耐食性塗装鋼板。
JP27354792A 1992-09-18 1992-09-18 加工性に優れた高耐食性塗装鋼板 Expired - Lifetime JP2987665B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007190821A (ja) * 2006-01-19 2007-08-02 Nippon Steel & Sumikin Coated Sheet Corp 樹脂被覆金属板及びその製造方法

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