JPH0699456A - インサート成形品の製造方法とそれに用いる金型装置 - Google Patents

インサート成形品の製造方法とそれに用いる金型装置

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JPH0699456A
JPH0699456A JP27549792A JP27549792A JPH0699456A JP H0699456 A JPH0699456 A JP H0699456A JP 27549792 A JP27549792 A JP 27549792A JP 27549792 A JP27549792 A JP 27549792A JP H0699456 A JPH0699456 A JP H0699456A
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JP
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insert
mold
pin
molding
molded product
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JP27549792A
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Hiroshi Ozeki
宏 大関
Tadao Hamada
忠男 浜田
Mamoru Suzuki
守 鈴木
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Nippon Zeon Co Ltd
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  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 たとえば反応射出成形のように、粘性の低い
成形材を用いてインサート成形を行う場合に、インサー
ト成形品に埋め込まれるインサート部材の周囲に樹脂バ
リなどが付着せず、成形後に樹脂バリを清掃して取り除
くなどの作業を必要としないインサート成形品の製造方
法とそれに用いる金型装置を提供すること。 【構成】 本発明のインサート成形用金型装置は、第1
金型22と、この第1金型22に組み合わされてキャビ
ティが内部に形成される第2金型24と、これら第1金
型22および第2金型24のいずれか一方に装着され、
キャビティ内に面するピン穴46が形成された弾力性を
有するピン取り付け部44と、このピン取り付け部44
のピン穴46に着脱自在に嵌合されるピン部62が形成
され、インサート成形されるインサートナット66がネ
ジ止めされるインサート留め具60とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インサート成形品の製
造方法とインサート成形用金型装置に係り、さらに詳し
くは、たとえば反応射出成形のように、粘性の低い成形
材を用いてインサート成形を行う場合に、インサート成
形品に埋め込まれるインサート部材の周囲に樹脂バリな
どが付着しないインサート成形品の製造方法とそれに用
いる金型装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチック成形品にネジなどのインサ
ート部材を一体的に埋め込み成形する成形方法をインサ
ート成形法という。インサート成形に際しては、一対の
金型の割面が開いた状態で、少なくともいずれか一方の
金型のキャビティ内周面に、インサート部材を取り付
け、金型の割面相互を組み合わせた状態で、キャビティ
内に成形材を充填し、射出成形を行う。その結果、得ら
れる射出成形品(インサート成形品)には、インサート
部材が一体的に埋め込まれる。
【0003】従来では、インサート成形により成形品に
埋め込まれるインサート部材を金型に対して取り付ける
ための手段として、たとえば図3(A)に示す手段が知
られている。この従来例では、金型2のキャビティ側内
周面2aに、取り付け用ピン4を突出して設け、このピ
ン4を、インサート部材としてのインサートナット6の
ネジ穴に差込むことにより、インサートナット6を金型
2の内周面2aに着脱自在に固定することができる。
【0004】その後、金型のキャビティ内に樹脂を充填
し射出成形し、金型の型開きを行えば、インサートナッ
ト6のネジ穴からピン4が自動的に取り外され、インサ
ートナット6が一体に埋め込まれたインサート成形品を
得ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
方法では、インサートナット6のネジ穴と取り付け用ピ
ン4との間に、クリアランスを必要とするため、キャビ
ティ内に充填した樹脂が、このクリアランス内部に入り
込み、成形後には、このインサートナットのネジ穴内に
入り込んだ樹脂バリを取り除く作業を必要としていた。
特に、反応射出成形によりインサート成形を行う場合の
ように、射出成形時に用いる樹脂成形材の粘性が低い場
合には、インサートナット6のネジ穴に樹脂成形材が特
に入り易いという問題点を有している。
【0006】このような不都合を解消するために、図3
(B)に示すように、インサートナット6のネジ穴にピ
ン8の一端をねじ込み、他端を金型2に形成してあるピ
ン穴9に挿入し、マグネット10により着脱自在に固定
する方法も開発されている。しかしながら、このような
方法では、射出成形時の温度上昇により、マグネット1
0の磁力が弱くなり、成形の途中で、インサートナット
6がピンと共に脱落するおそれがあった。また、成形時
の樹脂が、ピン8とピン穴9とのクリアランス内に入り
込み、一回の成形毎に、ピン穴9の清掃を行う必要があ
り、実用的でなかった。
【0007】また、図3(C)に示すように、金型2か
ら突出する取り付け用ピン4の外周に、弾力性のある軟
質チューブ12を取り付け、その上から、インサートナ
ット6を取り付けることも考えられる。しかしながら、
このような方法では、軟質チューブ12が押し出し成形
などで成形されるために寸法精度が悪く、インサートナ
ット6が脱落したり、インサートナット6のネジ穴内に
樹脂が入り込み、成形後にインサートナット6のネジ穴
内の樹脂バリを取り除くことが必要であるなどの不都合
を有する。
【0008】本発明は、このような実状に鑑みてなさ
れ、たとえば反応射出成形のように、粘性の低い成形材
を用いてインサート成形を行う場合に、インサート成形
品に埋め込まれるインサート部材の周囲に樹脂バリなど
が付着せず、成形後に樹脂バリを清掃して取り除くなど
の作業を必要としないインサート成形品の製造方法とそ
れに用いる金型装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のインサート成形品の製造方法は、インサー
ト成形品に埋め込まれるインサート部材を、インサート
留め具に対してネジ止めする工程と、インサート部材が
ネジ止めされたインサート留め具のピン部を、第1金型
および第2金型のいずれか一方に装着された弾力性を有
するピン取り付け部のピン穴にキャビティ側から取り付
け、インサート部材の端部をピン取り付け部に対して圧
接させる工程と、前記第1金型と第2金型とを組み合わ
せて、内部に形成されるキャビティに成形材を充填する
工程と、成形材の硬化後に、第1金型と第2金型とを開
き、キャビティ内に成形された成形品を取り出す工程
と、この成形品に一体に形成されたインサート部材にネ
ジ止めしてあるインサート留め具を取り外す工程とを有
する。本発明のインサート成形用金型装置は、第1金型
と、この第1金型に組み合わされてキャビティが内部に
形成される第2金型と、これら第1金型および第2金型
のいずれか一方に装着され、キャビティ内に面するピン
穴が形成された弾力性を有するピン取り付け部と、この
ピン取り付け部のピン穴に着脱自在に嵌合されるピン部
が形成され、インサート成形されるインサート部材がネ
ジ止めされるインサート留め具とを有する。
【0010】
【作用】本発明のインサート成形用金型装置を用いてイ
ンサート成形を行う場合には、まず、第1金型および第
2金型が開いた状態で、インサート部材がネジ止めされ
たインサート留め具のピン部を、第1金型および第2金
型のいずれか一方に装着された弾力性を有するピン取り
付け部のピン穴にキャビティ側から取り付け、インサー
ト部材の端部をピン取り付け部に対して圧接させる。そ
の後、第1金型と第2金型とを閉じ、内部に形成される
キャビティに成形材を充填する。その際に、インサート
留め具のピン部は、弾力性を有するピン取り付け部のピ
ン穴に対して挿入してあり、インサート部材の端部は、
ピン取り付け部に圧接していると共に、ピン留め具がイ
ンサート部材にねじ込みしてあるので、反応射出成形の
ように、金型内に充填された成形材の粘性が低い場合で
も、成形材が、インサート部材周辺の不要隙間に入り込
むことがなく、硬化後に樹脂バリとなることがない。成
形材の硬化後に、第1金型と第2金型とを開けば、イン
サート留め具のピン部は、弾力性を有するピン取り付け
部のピン穴から、自動的に抜き出される。インサート留
め具は、成形品に埋め込み成形されたインサート部材に
ネジ止めされたままである。その後、キャビティ内に成
形された成形品を取り出し、成形品に一体に形成された
インサート部材にネジ止めしてあるインサート留め具を
取り外せば、インサート部材が埋め込まれた射出成形品
であるインサート成形品が得られる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例に係るインサート成
形品の製造方法とそれに用いる金型装置について、図面
を参照しつつ詳細に説明する。図1は本発明の一実施例
に係るインサート成形用金型装置の要部を示す概略断面
図、図2は金型装置の全体構成の一例を示す概略図であ
る。
【0012】図2に示すように、本発明の一実施例に係
る金型装置20は、凸形状の第1金型22と、凹形状の
第2金型24とを有している。凹形状の第2金型24
は、固定盤26に対して固定してある。また、凸形状の
第1金型22は、移動盤28に対して固定してある。移
動盤28は、固定盤26に対して接近および離反移動可
能なように、案内ロッド30に沿って平行移動するよう
になっている。
【0013】移動盤28の移動は、移動盤28に取り付
けられた駆動ロッド32が軸方向に移動することにより
行われる。駆動ロッド32は、たとえば圧力シリンダな
どにより駆動される。移動盤28に固定された第1金型
22は、移動盤28と共に移動し、その割面34が他の
第2金型24の割面36に圧接することで、キャビティ
が金型22,24相互間に形成されるようになってい
る。キャビティ内には、図2に示すように、たとえば下
側の第2金型24の下方に形成してある注入口40か
ら、プラスチック成形品となる成形材が充填されるよう
になっている。
【0014】本実施例では、図1に示すように、一方の
第1金型22の一部に、装着穴42が形成してあり、こ
こに弾力性を有するピン取り付け部44が着脱自在に装
着してある。ピン取り付け部44は、大径部45と小径
部47とを有し、第1金型22のキャビティ側内周面2
2aと反対側から、押えプレート48およびボルト50
により、着脱自在に取り付けられる。交換を容易にする
ためである。このピン取り付け部44の小径部47の先
端には、キャビティ側に面するように、ピン穴46が形
成してある。このピン穴46には、インサート留め具6
0のピン部62が隙間なく挿入されるように、その内径
および深さが決定される。
【0015】このようなピン取り付け部44に対して弾
力性を持たせるために、このピン取り付け部44は、た
とえば、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジ
エンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、ニトリル
ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)
などのジエン系ゴム、ブチルゴム(IIR)、エチレン
−プロピレン−ジエンターポリマーゴム(EPDM)、
アクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、フ
ッ素ゴムなどのオレフィン系ゴム、シリコーンゴム、ウ
レタンゴム、多硫化ゴム、またはこれらの発泡体、また
はウレタンもしくはナイロンの発泡体などで構成され
る。ピン取り付け部44は、金型の一部として用いられ
ることから、耐熱性に優れ、重合阻害性がなく、得られ
るプラスチック成形品に対して融着しない材質で構成さ
れることが好ましい。これらの観点からは、ピン取り付
け部44を構成するゴム材としては、NBR、アクリル
ゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、多
硫化ゴムなどが好ましく、中でもフッ素ゴムが好ましく
用いられる。
【0016】インサート留め具60は、先端にピン部6
2が形成してあり、その頭部には、雄ネジ部64が形成
してある。雄ネジ部60は、インサート成形されるイン
サート部材としてのインサートナット66の雌ネジ部6
8に対して螺合可能になっている。ピン部62の外径お
よび長さは、ピン部62がピン取り付け部44のピン穴
46に対して隙間なく挿入され、インサート部材として
のインサートナット66の端部がピン取り付け部44の
キャビティ側表面44aに対して圧接するように決定さ
れる。ピン穴46が形成してあるピン取り付け部44
は、ゴムなどの弾力性を有する部材で構成されるので、
ピン部62の外径は、ピン穴46の内径よりも大きいこ
とが好ましい。
【0017】インサート留め具60の頭部に形成してあ
る雄ネジ部64の軸方向長さL1 は、インサートナット
60の雌ネジ部68の軸方向長さL2 以下であることが
好ましい。雄ネジ部64の軸方向長さL1 が、雌ネジ部
68の軸方向長さL2 以上であると、ピン部62をピン
穴46内に完全に挿入しても、インサートナット66の
端部が、ピン取り付け部44のキャビティ側表面44a
に対して圧接しないおそれがあるからである。ただし、
雄ネジ部64の軸方向長さL1 が雌ネジ部68に対して
余りに短いと、そこでのシールが不完全になるおそれが
あるため、L1は、1/3・L2 以上L2 以下程度が好
ましい。インサート留め具60は、インサートナット6
6に対してねじ込まれ、後で外される必要があると共
に、金型内での射出成形時の温度に耐える必要があるた
め、金属あるいは耐熱性を有するプラスチックなどで構
成される。なお、インサートナット66は、一般に金属
で構成される。
【0018】本実施例の金型装置を用いてインサート成
形を行うには、まず、第1金型22および第2金型24
が開いた状態で、インサートナット66がネジ止めされ
たインサート留め具60のピン部62を、第1金型22
に装着された弾力性を有するピン取り付け部44のピン
穴46にキャビティ側から取り付け、インサートナット
66の端部をピン取り付け部44に対して圧接させる。
その際に、インサート留め具60のピン部62をピン穴
46に対して単純に挿入した後、インサートナット66
をさらに回し込むことが好ましい。そうすると、インサ
ート留め具60のピン部62が摩擦力によりピン穴46
に対して固定してあるので、インサート留め具60の雄
ネジ部64がインサートナット66の雌ネジ部68内に
さらにねじ込まれ、インサートナット66の端部がピン
取り付け部44のキャビティ側表面44aに対してきつ
く圧接する。
【0019】その後、第1金型22と第2金型24とを
閉じ、内部に形成されるキャビティに成形材を充填す
る。反応射出成形により、インサート成形を行う場合に
は、たとえば次のような条件により行う。
【0020】反応射出成形に使用される反応原液として
は、ウレタン系、ウレア系、ナイロン系、エポキシ系、
不飽和ポリエステル系、フェノール系および、ノルボル
ネン系などが挙げられ、一般的成形条件としては、反応
原液温度は20〜80°C、金型温度は20〜150°
C、型締圧は0.1〜10kg/cm2で、反応時間は10秒
から概ね10分の範囲である。反応原液の粘性は、たと
えば、30°Cにおいて、5cps〜3000cps好
ましくは100cps〜1000cps程度である。
【0021】かかる成形においては、補強材を予め金型
内に設置しておき、その中に反応液を供給して重合させ
ることにより強化ポリマー(成形品)を製造することが
できる。補強材としては、例えば、ガラス繊維、アラミ
ド繊維、カーボン繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、
金属繊維、ポリプロピレン繊維、アルミコーティングガ
ラス繊維、木綿、アクリル繊維、ボロン繊維、シリコン
カーバイド繊維、アルミナ繊維などを挙げることができ
る。また、チタン酸カリウムや硫酸カルシウムなどのウ
ィスカーも挙げることができる。さらに、これらの強化
剤は、長繊維状またはチョップドストランド状のものを
マット化したもの、布状に織ったもの、チョップ形状の
ままのものなど、種々の形状で使用することができる。
これらの補強材は、その表面をシランカップリング材等
のカップリング剤で処理したものが、樹脂との密着性を
向上させる上で好ましい。配合量は、特に制限はない
が、通常10重量%以上、好ましくは20〜60重量%
である。
【0022】また、酸化防止剤、充填剤、顔料、着色
剤、発泡剤、難燃剤、摺動付与剤、エラストマー、ジシ
クロペンタジエン系熱重合樹脂およびその水添物など種
々の添加剤を配合することにより、得られるポリマーの
特性を改質することができる。酸化防止剤としては、フ
ェノール系、リン系、アミン系など各種のプラスチック
・ゴム用酸化防止剤がある。充填剤にはミルドガラス、
カーボンブラック、タルク、炭酸カルシウム、水酸化ア
ルミニウム、雲母などの無機質充填剤がある。エラスト
マーとしては、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプ
レン、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、スチ
レン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SB
S)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合
体(SIS)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリ
マー(EPDM)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EV
A)およびこれらの水素化物などがある。添加剤は、通
常、予め反応液のいずれか一方または双方に混合してお
く。
【0023】このような反応射出成形による成形材の硬
化後に、第1金型22と第2金型24とを開けば、イン
サート留め具60のピン部62は、弾力性を有するピン
取り付け部44のピン穴46から、自動的に抜き出され
る。インサート留め具60は、成形品に埋め込み成形さ
れたインサートナット66にネジ止めされたままであ
る。
【0024】その後、キャビティ内に成形された成形品
を取り出し、成形品に一体に形成されたインサートナッ
ト66にネジ止めしてあるインサート留め具60を取り
外せば、インサートナットが埋め込まれた射出成形品で
あるインサート成形品が得られる。
【0025】本実施例では、インサート留め具60のピ
ン部62は、弾力性を有するピン取り付け部44のピン
穴46に対して挿入してあり、インサートナット66の
端部は、ピン取り付け部44のキャビティ側表面44a
に圧接していると共に、ピン留め具60の雄ネジ部64
がインサートナット66の雌ネジ部68にねじ込みして
あるので、反応射出成形のように、金型内に充填された
成形材の粘性が低い場合でも、成形材が、インサートナ
ット66の雌ネジ部68に入り込むことがなく、硬化後
に取り除く必要がある樹脂バリとなることがない。ま
た、一回のインサート成形毎に、ピン取り付け部44の
ピン穴46を清掃する必要もない。さらに、インサート
ナット66の端部が、ピン取り付け部44のキャビティ
側表面44aに対して常に圧接して取り付けることが可
能となるので、インサートナット66の埋め込み高さ
が、インサート成形毎に変化することがなくなり、埋め
込み高さの不揃いなども防止することができる。本発明
者らの実験によれば、以下のような条件で反応射出成形
を行ってインサート成形品を製造した場合でも、インサ
ートナットのネジ穴に樹脂が入り込まない良好なインサ
ート成形品を得られることが確認された。なお、部およ
び%は、断わりのない限り重量基準である。
【0026】フェノール系酸化防止材(商品名イルガノ
ックス1010、チバガイギー社製)を2%含有させた
モノマー混合物(すなわち、ジシクロペンタジエン(D
CP)90%とメチルテトラシクロドデセン10%の混
合物)を2つの容器に入れ、一方には、モノマー混合物
100部に対してジエチルアルミニウムクロイド(DE
AC)を0.4部、n−プロパノールを0.15部、四
塩化ケイ素を0.36部、スチレン−イソプレン−スチ
レンブロック共重合体(クレイトン1170、シェル社
製)を6部添加した(A液)。他方には、モノマー混合
物100部に対して、トリ(トリデシル)アンモニウム
モリブデートを0.3部添加した(B液)。
【0027】A液およびB液をそれぞれギヤーポンプに
て1対1の容積比となるようにパワーミキサーに送液
し、次いで、凸状金型と凹状金型により形成した金型の
キャビティ内に、金型温度70°Cで、注入し、金型内
で3分間反応を行った。これらの一連の操作は窒素雰囲
気下で行った。なお、A液およびB液のそれぞれの粘性
は、ともに、25°Cにおいて、300cpsであっ
た。そして、図1に示すインサートナット66が一体に
成形されたインサート成形品を得た。得られたインサー
トナット66の雌ネジ部68には、樹脂が入り込んでい
ないことが確認された。
【0028】なお、本発明は、上述した実施例に限定さ
れるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変するこ
とができる。例えば、インサート成形品に埋め込まれる
インサート部材は、インサートナットに限定されず、イ
ンサートボルト、あるいはその他の部材が用いられる。
また、インサート部材の取り付け位置および数は、特に
限定されず、得ようとするインサート成形品に応じて種
々に改変することができる。
【0029】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、反応射出成形のように、金型内に充填された成形材
の粘性が低い場合でも、成形材が、インサート部材の周
辺部に入り込むことがなく、硬化後に取り除く必要があ
る樹脂バリとなることがない。また、一回のインサート
成形毎に、ピン取り付け部を清掃する必要もない。さら
に、インサート部材の端部が、ピン取り付け部のキャビ
ティ側表面に対して常に圧接して取り付けることが可能
となるので、インサート部材の埋め込み高さが、インサ
ート成形毎に変化することがなくなり、埋め込み高さの
不揃いなども防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るインサート成形用金型
装置の要部を示す概略断面図である。
【図2】金型装置の全体構成の一例を示す概略図であ
る。
【図3】従来例に係る金型装置におけるインサート部材
の取り付け構造を示す概略図である。
【符号の説明】
20… インサート成形用金型装置 22… 第1金型 22a… キャビティ側内周面 24… 第2金型 44… ピン取り付け部 46… ピン穴 60… インサート留め具 62… ピン部 64… 雄ネジ部 66… インサート部材 68… 雌ネジ部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インサート成形品に埋め込まれるインサ
    ート部材を、インサート留め具に対してネジ止めする工
    程と、 インサート部材がネジ止めされたインサート留め具のピ
    ン部を、第1金型および第2金型のいずれか一方に装着
    された弾力性を有するピン取り付け部のピン穴にキャビ
    ティ側から取り付け、インサート部材の端部をピン取り
    付け部に対して圧接させる工程と、 前記第1金型と第2金型とを組み合わせて、内部に形成
    されるキャビティに成形材を充填する工程と、 成形材の硬化後に、第1金型と第2金型とを開き、キャ
    ビティ内に成形された成形品を取り出す工程と、 この成形品に一体に形成されたインサート部材にネジ止
    めしてあるインサート留め具を取り外す工程とを有する
    インサート成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】 第1金型と、 この第1金型に組み合わされてキャビティが内部に形成
    される第2金型と、 これら第1金型および第2金型のいずれか一方に装着さ
    れ、キャビティ内に面するピン穴が形成された弾力性を
    有するピン取り付け部と、 このピン取り付け部のピン穴に着脱自在に嵌合されるピ
    ン部が形成され、インサート成形されるインサート部材
    がネジ止めされるインサート留め具とを有するインサー
    ト成形用金型装置。
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