JPH10156864A - 長手部材インサート成形体およびその製造方法 - Google Patents

長手部材インサート成形体およびその製造方法

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JPH10156864A
JPH10156864A JP33278996A JP33278996A JPH10156864A JP H10156864 A JPH10156864 A JP H10156864A JP 33278996 A JP33278996 A JP 33278996A JP 33278996 A JP33278996 A JP 33278996A JP H10156864 A JPH10156864 A JP H10156864A
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JP
Japan
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pipe
mold
molded body
cap
resin
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JP33278996A
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Inventor
Hiroshi Ozeki
宏 大関
Masahiro Funaki
正博 舟木
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パイプによる樹脂成形体の補強効果に優れ、
しかも、パイプと樹脂成形体との熱収縮率の相違にも拘
らず樹脂成形体に歪やクラックなどが発生しないパイプ
インサート成形体を提供すること。また、マグネットを
用いることなく、パイプを金型内に良好に位置決めし、
しかもパイプの内部空洞に樹脂バリが入り込まないパイ
プインサート成形体の製造方法を提供すること。 【解決手段】 パイプ4の両端に、軸方向に弾性変形自
在のキャップ10を取り付け、キャップ10を軸方向に
圧縮変形させるように、キャップ10が取り付けられた
パイプ4を、金型のパイプ取付凹所22に嵌合させ、パ
イプ4を金型20,21内に位置決めすると共に、パイ
プ4の両端を密封する。その後、金型20,21を型締
めして金型20,21のキャビティ28内に樹脂成形体
となる原液を注入し、パイプ4の外周面の面積の半分以
上が露出するように、パイプ4の長手方向一箇所以上を
保持する保持部8が一体成形された蓋本体6を成形す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属製パイプなど
の長手部材が補強用としてインサート成形された長手部
材インサート成形体およびその製造方法に係り、さらに
詳しくは、長手部材と樹脂成形体との熱収縮率の相違に
も拘らず樹脂成形体に歪やクラックなどが発生しない長
手部材インサート成形体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属製品は、重量が重く、耐腐食性や加
工性に難点があることから、従来金属で成形していた製
品を、合成樹脂で成形しようとする試みが盛んである。
特に反応射出成形(RIM)により得られるポリノルボ
ルネン系樹脂は、耐衝撃性に優れ、しかも大型成形体の
成形が容易であることから、多方面の技術分野において
用いられることが検討されている。たとえば従来金属で
構成してあるマンホールの蓋などをRIM成形体で成形
しようとする試みがある。
【0003】しかしながら、マンホールの蓋などとして
用いる場合には、上に車両荷重が加わることも考慮しな
ければならず、RIM成形体単独では、強度的に不足す
るおそれがある。RIM成形体の強度を向上させる方法
として、補強リブなどを成形する方法もあるが、金属パ
イプなどの長手部材をインサート成形する方法が確実で
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の方法
で長手部材をインサート成形した場合には、RIM成形
体と金属製長手部材との熱収縮率の相違が一桁以上あっ
たため、インサート成形体が屋外などの過酷な環境に置
かれた場合に、熱収縮の相違により成形体にクラックや
歪などが発生していた。
【0005】また、金属製長手部材として鉄パイプを用
いる場合には、金型内での金属パイプの位置決めは、マ
グネットを用いて簡単に行えるが、防錆に優れたステン
レス管を採用する場合には、マグネットによる位置決め
ができないと言う課題を有する。さらに、パイプをイン
サート成形する場合には、パイプの内部空洞に、樹脂バ
リが入り込まないようにする工夫が必要となり、そのた
めの簡便な工夫が求められていた。
【0006】本発明は、このような実状に鑑みてなさ
れ、長手部材による樹脂成形体の補強効果に優れ、しか
も、長手部材と樹脂成形体との熱収縮率の相違にも拘ら
ず樹脂成形体に歪やクラックなどが発生しない長手部材
インサート成形体を提供することを目的とする。また、
本発明は、マグネットを用いることなく、長手部材を金
型内に良好に位置決めし、しかもパイプ状長手部材の空
洞に樹脂バリが入り込まない長手部材インサート成形体
の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る長手部材インサート成形体は、軸方向
に細長い長手部材が樹脂成形体にインサート成形された
長手部材インサート成形体であって、前記樹脂成形体に
は、前記長手部材の外周面の面積の半分以上が露出する
ように、前記長手部材の長手方向一箇所以上を保持する
保持部が一体成形してあり、前記長手部材が、前記保持
部に対して軸方向移動可能に保持してある。
【0008】前記長手部材としては、特に限定されない
が、金属製パイプ、特に耐腐食性に優れたステンレス製
パイプであることが好ましい。樹脂成形体に一体成形さ
れた保持部は、長手部材の周方向に沿って連続して成形
しても良いが、周方向に沿って一部分に切り欠きが形成
してあっても良い。前記保持部は、長手部材の少なくと
も両端部に成形されることが好ましい。
【0009】本発明に係る長手部材インサート成形体の
製造方法は、パイプ状の長手部材の両端に、軸方向に弾
性変形自在のキャップを取り付ける工程と、前記キャッ
プを軸方向に圧縮変形させるように、前記キャップが取
り付けられたパイプ状の長手部材を、金型のパイプ取付
凹所に嵌合させ、長手部材を金型内に位置決めすると共
に、パイプ状の長手部材の両端を密封する工程と、前記
金型を型締めして金型のキャビティ内に樹脂成形体とな
る原液を注入し、前記長手部材の外周面の面積の半分以
上が露出するように、前記長手部材の長手方向一箇所以
上を保持する保持部が一体成形された樹脂成形体を成形
する工程とを有する。
【0010】前記キャップは、軸方向に弾性変形自在と
なるように、ゴムまたは合成樹脂などで構成されること
が好ましい。前記キャップは、樹脂成形体と一体成形さ
れた後、パイプ状の長手部材の両端から取り外すことが
好ましいが、取り外さずにそのまま使用しても良い。
【0011】樹脂成形体を構成する合成樹脂としては、
特に限定されないが、反応射出成形により成形される樹
脂であることが好ましい。反応射出成形に用いる反応原
液としては、特に限定されないが、ウレタン系、ウレア
系、ナイロン系、エポキシ系、不飽和ポリエステル系、
フェノール系および、ノルボルネン系などが挙げられ、
一般的成形条件としては、反応原液温度は20〜80°
C、反応原液の粘性は、たとえば、30°Cにおいて、
5cps〜3000cps好ましくは100cps〜1
000cps程度である。かかる成形においては、補強
材を予め金型内に設置しておき、その中に反応液を供給
して重合させることにより強化ポリマー(成形品)を製
造することができる。
【0012】補強材としては、例えば、ガラス繊維、ア
ラミド繊維、カーボン繊維、超高分子量ポリエチレン繊
維、金属繊維、ポリプロピレン繊維、アルミコーティン
グガラス繊維、木綿、アクリル繊維、ボロン繊維、シリ
コンカーバイド繊維、アルミナ繊維などを挙げることが
できる。これらの補強材は、長繊維状またはチョップド
ストランド状のものをマット化したもの、布状に織った
もの、チョップ形状のままのものなど、種々の形状で使
用することができる。これらの補強材は、その表面をシ
ランカップリング材等のカップリング剤で処理したもの
が、樹脂との密着性を向上させる上で好ましい。配合量
は、特に制限はないが、成形品重量当たり、通常10重
量%以上、好ましくは20〜60重量%である。
【0013】また、酸化防止剤、充填剤、顔料、着色
剤、発泡剤、難燃剤、摺動付与剤、エラストマー、ジシ
クロペンタジエン系熱重合樹脂およびその水添物など種
々の添加剤を配合することにより、得られるポリマーの
特性を改質することができる。酸化防止剤としては、フ
ェノール系、リン系、アミン系など各種のプラスチック
・ゴム用酸化防止剤がある。充填剤にはミルドガラス、
カーボンブラック、タルク、炭酸カルシウム、水酸化ア
ルミニウム、雲母などの無機質充填剤がある。エラスト
マーとしては、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプ
レン、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、スチ
レン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SB
S)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合
体(SIS)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリ
マー(EPDM)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EV
A)およびこれらの水素化物などがある。
【0014】添加剤は、通常、予め反応液のいずれか一
方または双方に混合しておく。反応射出成形に用いる金
型は、必ずしも剛性の高い高価な金型である必要はな
く、金属製金型に限らず、樹脂製金型、または単なる型
枠を用いることができる。反応射出成形は、低粘度の反
応液を用い、比較的低温低圧で成形できるためである。
重合反応に用いる成分類は窒素ガスなどの不活性ガス雰
囲気下で貯蔵し、かつ操作することが好ましい。また、
金型のキャビティ内に反応原液を注入する前に、キャビ
ティ内を窒素ガスなどの不活性ガスで置換することが好
ましい。
【0015】金型温度は、好ましくは、10〜150
℃、より好ましくは、30〜120℃、さらに好ましく
は、50〜100℃である。金型圧力は通常0〜100
kgf/cm2 の範囲である。重合時間は、適宜選択す
ればよいが、通常、反応液の注入終了後、20秒〜20
分程度である。
【0016】
【作用】本発明に係る長手部材インサート成形体では、
前記長手部材の外周面の面積の半分以上が露出するよう
に、前記長手部材の長手方向一箇所以上を保持する保持
部が一体成形してあり、この長手部材が、前記保持部に
対して軸方向移動可能に保持してある。長手部材の外周
面の面積の半分以上が露出するように、長手部材を保持
部で保持するのは、長手部材の外周面の面積の半分以上
が保持部で保持されると、これらの間の摩擦が大きくな
り、長手部材が保持部に対して相対的に軸方向移動する
ことが困難になるからである。
【0017】本発明では、長手部材が保持部に対して軸
方向移動可能に保持してあるので、長手部材を構成する
材質の熱収縮率が樹脂成形体の熱収縮率と大幅に相違す
る場合でも、熱収縮(または熱膨張)の差による長手部
材と成形体との変形の差を吸収する。したがって、この
長手部材インサート成形体が、温度変化の激しい場所に
置かれたとしても、樹脂成形体に歪やクラックなどが発
生しない。また、長手部材が、樹脂成形体の強度を補強
するので、この長手部材インサート成形体は、高荷重が
印加される用途にも用いることができる。
【0018】本発明に係る長手部材インサート成形体が
用いられる用途としては、特に限定されないが、マンホ
ールの蓋、容器の底、ステップなどが例示される。
【0019】本発明に係る長手部材インサート成形体の
製造方法では、インサート成形される長手部材が、マグ
ネットに吸着しない部材の場合でも、キャップが取り付
けられたパイプ状の長手部材を、金型のパイプ取付凹所
に押し込むことで、ワンタッチ式に金型内に簡単に位置
決めして取り付けることができる。キャップが取り付け
られたパイプ状の長手部材が金型のパイプ取付凹所に嵌
合した状態では、キャップが圧縮変形してパイプ状長手
部材の開口端に押し付けられるので、パイプ状長手部材
の内部空洞に成形体となる原液が入り込むことはなく、
内部空洞に樹脂バリが生じることもない。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る長手部材イン
サート成形体およびその製造方法を、図面に示す実施形
態に基づき、詳細に説明する。
【0021】図1は本発明の一実施形態に係る長手部材
インサート成形体の概略斜視図、図2,3は同実施形態
の長手部材インサート成形体の製造過程を示す要部断面
図、図4(A)は成形に用いる金型の概略断面図、同図
(B)は同図(A)に示すミキサーの要部断面図、図5
は本発明の他の実施形態に係る長手部材インサート成形
体の概略斜視図である。
【0022】図1に示すように、本実施形態に係る長手
部材インサート成形体としてのマンホール蓋2は、長手
部材として、中空パイプ4がインサート成形されたもの
であり、樹脂成形体としての蓋本体6の背面に一体的に
成形してある三つの保持部8により中空パイプ4が保持
してある。中空パイプ4は、たとえばステンレスなどの
金属パイプで構成してあり、樹脂成形体としての蓋本体
6の補強作用を有する。
【0023】蓋本体6の背面に突出して形成してある保
持部8は、パイプ4の両端部と中央部とを保持するよう
に成形してあり、パイプ4の外周面の面積の半分以上が
露出するように、パイプ4を保持してある。パイプ4と
保持部8を持つ蓋本体6とは、インサート成形により一
体成形されるが、パイプ4は、保持部8に対して軸方向
移動可能である。
【0024】本実施形態では、保持部8を持つ蓋本体6
は、ノルボルネン系モノマーの反応射出成形により成形
される。
【0025】次に、図1に示すマンホール蓋2の製造方
法について説明する。
【0026】まず、図4に示す金型装置について説明す
る。
【0027】図4に示すように、金型装置は、金型20
と金型21とを有し、これらが相対的に接近離反可能に
設けてある。金型20,21が組み合わされた状態で、
型内部には、図1に示す蓋本体6となる形状のキャビテ
ィ28が形成される。キャビティ28は、原液供給手段
としてのミキサー30に連通してあり、ここから反応原
液がキャビティ28内に注入されるようになっている。
金型20,21は、必ずしも剛性の高い高価な金型であ
る必要はなく、金属製金型に限らず、樹脂製金型、また
は単なる型枠を用いることができる。反応射出成形は、
通常の射出成形に比較して充填圧力および型締め圧力が
低いからである。
【0028】ミキサー30は、タンク34内の反応液A
と、タンク36内の反応液Bとを混合して吐出するもの
で、中央に進退ロッド32を有している。そして、図4
(A)に示す注入前の状態では、進退ロッド32が前進
することにより、反応液Aおよび反応液Bはそれぞれ循
環閉回路を循環し、混合されることはないが、図4
(B)に示す注入時には、進退ロッド32が後退するこ
とにより、反応液Aと反応液Bとがミキサー30内で混
合し、注入口を介してキャビティ28に充填される。
【0029】本実施形態では、キャビティ28が形成さ
れる金型21と組み合わされる金型20のキャビティ側
に、図2に示すように、パイプ4が装着されるパイプ取
付凹所22が形成してある。パイプ取付凹所22の軸方
向三箇所(両端部と中央部)には、図1に示す保持部8
となる形状の保持部形成凹所24が形成してある。保持
用凹所24は、図4(A)に示すように、金型20,2
1が閉じられた状態で、キャビティ28に連通し、キャ
ビティ28に充填された樹脂は保持部形成凹所24にも
充填するようになっている。
【0030】パイプ4の両端開口部には、図3に示すキ
ャップ10が装着される。キャップ10は、たとえば天
然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、エ
チレン−プロピレン−ジエンタ−ポリマー(EPDM)
などのゴム、あるいはポリスチレン、ポリプロピレンな
どの合成樹脂、あるいはその他の弾性部材で構成され
る。このキャップ10は、図3に示すように、外方に膨
出している形状のキャップ本体12と、キャップ本体1
2の背後に形成されパイプ4の開口端から内部空洞4a
内に挿入可能な脚部14と、キャップ本体12の外周に
形成されパイプ4の開口端面に接するフランジ部18
と、キャップ本体12の略中央部から外方に突出するよ
うに成形された係合突起16とを有する。
【0031】図2,4に示すように、パイプ4は、その
両端開口部にキャップ10が装着された状態で、パイプ
取付凹所22に装着されるが、パイプ取付凹所22の軸
方向長さL1 は、キャップ10が取り付けられたパイプ
4の長さL2 よりも短く設計される。しかも、パイプ取
付凹所22の軸方向端面25,25は、平坦面に成形し
てある。この端面25,25には、キャップ10の係合
突起16が係合する位置合わせ用係合溝26が形成して
ある。
【0032】キャップ10を弾性部材により成形し、キ
ャップ10のキャップ本体12を外側に膨出形状に成形
し、パイプ取付凹所22の軸方向長さL1 をキャップ付
きパイプ4の長さL2 よりも短く形成することで、キャ
ップ付きパイプ4が金型20のパイプ取付凹所22に装
着した状態で、キャップ10は、軸方向に圧縮弾性変形
する。このため、キャップ10は、金型20のパイプ取
付凹所22にワンタッチ式に嵌合させて位置決めするこ
とができ、嵌合後には、キャップ10が軸方向に圧縮弾
性変形し、パイプ4の開口端部が封止される。
【0033】本実施形態に係るマンホール蓋の製造方法
では、まず、図3に示すキャップ10をパイプ4の両端
開口部に取り付ける。次に、図2に示すように、キャッ
プ10付きのパイプ4を金型20のパイプ取付凹所22
に取り付ける。その際に、キャップ10のキャップ本体
12が曲面状に膨出しており、パイプ取付凹所22の両
端25が平坦面であることから、キャップ10が軸方向
に圧縮変形することにより、キャップ付きパイプ4は、
ワンタッチ式で凹所22に取り付けることができる。し
かも、キャップ10の係合用突起16が端面25の係合
用溝26に係合することで、良好な位置決めがなされ
る。
【0034】次に、図4(A)に示すように、金型2
0,21を閉じ型締めし、反応射出成形を行う。本実施
形態で行う反応射出成形は、ノルボルネン系モノマーを
用いた反応射出成形であり、使用するモノマーは、ジシ
クロペンタジエンやジヒドロジシクロペンタジエン、テ
トラシクロドデセン、トリシクロペンタジエン等のノル
ボルネン環を有するシクロオレフィンである。
【0035】ノルボルネン系モノマーを用いた反応射出
成形において使用することができるメタセシス触媒は、
六塩化タングステン、トリドデシルアンモニウムモリブ
デート、トリ(トリデシル)アンモニウムモリブデート
等のモリブデン酸有機アンモニウム塩等のノルボルネン
系モノマーの塊状重合用触媒として公知のメタセシス触
媒であれば特に制限はないが、モリブデン酸有機アンモ
ニウム塩が好ましい。
【0036】活性剤(共触媒)としては、エチルアルミ
ニウムジクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド等の
アルキルアルミニウムハライド、アルコキシアルキルア
ルミニウムハライド、有機スズ化合物等が挙げられる。
【0037】反応射出成形の前準備として、ノルボルネ
ン系モノマー、メタセシス触媒及び活性剤を主材とする
反応射出成形用材料をノルボルネン系モノマーとメタセ
シス触媒とよりなるA液と、前記のノルボルネン系モノ
マーと活性剤とよりなるB液との安定な2液に分けて、
それぞれを別のタンクに入れておく。本実施形態では、
A液を図4に示すタンク34に貯留し、B液をタンク3
6に貯留してある。
【0038】金型20,21の型締めの圧力は、本実施
形態では、3kgf/cm2 である。また、金型20,
21の温度は、好ましくは、10〜150℃、より好ま
しくは、30〜120℃、さらに好ましくは、50〜1
00℃に設定される。金型20,21の制御温度は、同
じでも異なっていても良い。
【0039】その後、ミキサー30の進退ロッド32を
制御し、タンク34,36からのA液およびB液を混合
し、反応原液としてキャビティ28内に充填する。キャ
ビティ28内に充填された反応原液は、キャビティ28
の内部と共に、保持部形成凹所24にも行き渡る。した
がって、成形後に金型20,21の型開きを行い成形体
を取り出せば、図1に示すように、パイプ4の外周を軸
方向三箇所で保持部8が覆う成形体が得られる。ただ
し、図1では省略してあるが、金型から取り出した直後
の成形体にインサート成形されたパイプ4の両端開口部
には、図2,3に示すキャップ10が装着してある。キ
ャップ10は、そのまま残して使用しても良いが、マン
ホール蓋2として用いる場合に脱落するおそれがある場
合には、図1に示すように、パイプ4の両端から取り外
す。
【0040】図1に示すように、本実施形態に係るマン
ホール蓋2では、パイプ4の外周面の面積の半分以上が
露出するように、パイプ4の長手方向三箇所(両端部と
中央部)を保持する保持部8が一体成形してある。した
がって、パイプ4がマンホール蓋2に対して一体成形し
てあるとは言っても、パイプ4は、保持部8に対して軸
方向に移動が可能であり、パイプ4を構成する材質の熱
収縮率が蓋本体6の熱収縮率と大幅に相違する場合で
も、熱収縮(または熱膨張)の差によるパイプ4の変形
と蓋本体6の変形の差を吸収する。したがって、このマ
ンホール蓋2が、温度変化の激しい場所に置かれたとし
ても、蓋本体6に歪やクラックなどが発生しない。ま
た、パイプ4が、蓋本体6の強度を補強するので、この
マンホール蓋2は、車両荷重などの高荷重にも耐えるこ
とができる。
【0041】本実施形態に係るマンホール蓋2の製造方
法では、インサート成形されるパイプ4が、マグネット
に吸着しない部材(たとえばステンレス管)の場合で
も、キャップ10が取り付けられたパイプ4を、金型2
0のパイプ取付凹所22に押し込むことで、ワンタッチ
式に金型20内に簡単に位置決めして取り付けることが
できる。キャップ10が取り付けられたパイプ4が金型
20のパイプ取付凹所22に嵌合した状態では、キャッ
プ10が圧縮変形してパイプ4の開口端に押し付けられ
るので、パイプ4の内部空洞4aに原液が入り込むこと
はなく、内部空洞4aに樹脂バリが生じることもない。
【0042】なお、本発明は、上述した実施形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変する
ことができる。たとえば、図5に示すように、マンホー
ル蓋2aの蓋本体6aの背面に突出して形成される保持
部8aの周方向一部に切り欠き40が形成されるように
反応射出成形を行うこともできる。切り欠き40の切り
欠き幅は、パイプ4が落下しない程度に狭くする。この
ような切り欠き40を形成することで、蓋本体6aとパ
イプ4の軸方向熱収縮差(または熱膨張差)以外に、蓋
本体6aとパイプ4の半径方向熱収縮差(または熱膨張
差)までも吸収することができる。なぜなら、切り欠き
40を持つ保持部8aが径方向に弾性変形可能となるか
らである。
【0043】また、上記実施形態では、保持部8,8a
として、パイプ4の軸方向に三箇所設けたが、二箇所あ
るいは一箇所あるいは四箇所以上であっても良い。ま
た、上記実施形態では、長手部材として、円形断面のパ
イプを用いたが、その他の断面形状のパイプであっても
良い。さらに、本発明では、パイプと言う概念には入ら
ない長手部材を用いても良い。
【0044】さらにまた、本発明に係る長手部材インサ
ート成形体の具体的用途として、マンホール蓋を例示し
たが、本発明に係る長手部材インサート成形体の用途
は、これに限定されず、その他の用途であっても良い。
【0045】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明に係る
長手部材インサート成形体によれば、長手部材を構成す
る材質の熱収縮率が樹脂成形体の熱収縮率と大幅に相違
する場合でも、長手部材が樹脂成形体に対して軸方向に
相対移動することで、熱収縮(または熱膨張)による変
形の差を吸収する。したがって、この長手部材インサー
ト成形体が、温度変化の激しい場所に置かれたとして
も、樹脂成形体に歪やクラックなどが発生しない。ま
た、長手部材が、樹脂成形体の強度を補強するので、こ
の長手部材インサート成形体は、高荷重が印加される用
途にも用いることができる。
【0046】本発明に係る長手部材インサート成形体の
製造方法によれば、インサート成形される長手部材が、
マグネットに吸着しない部材の場合でも、キャップが取
り付けられたパイプ状の長手部材を、金型のパイプ取付
凹所に押し込むことで、ワンタッチ式に金型内に簡単に
位置決めして取り付けることができる。キャップが取り
付けられたパイプ状の長手部材が金型のパイプ取付凹所
に嵌合した状態では、キャップが圧縮変形してパイプ状
長手部材の開口端に押し付けられるので、パイプ状長手
部材の内部空洞に成形体となる原液が入り込むことはな
く、内部空洞に樹脂バリが生じることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施形態に係る長手部材イン
サート成形体の概略斜視図である。
【図2】図2は同実施形態の長手部材インサート成形体
の製造過程を示す要部断面図である。
【図3】図3は長手部材の端部開口に取り付けられるキ
ャップの要部断面図である。
【図4】図4(A)は成形に用いる金型の概略断面図、
同図(B)は同図(A)に示すミキサーの要部断面図で
ある。
【図5】図5は本発明の他の実施形態に係る長手部材イ
ンサート成形体の概略斜視図である。
【符号の説明】
2,2a… マンホール蓋(長手部材インサート成形
体) 4… パイプ(長手部材) 4a… 内部空洞 6,6a… 蓋本体(樹脂成形体) 8,8a… 保持部 10… キャップ 12… キャップ本体 14… 脚部 16… 係合突起 18… フランジ部 20,21… 金型 22… パイプ取付凹所 24… 保持部形成凹所 25… 端面 26… 係合溝 28… キャビティ 40… 切り欠き

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向に細長い長手部材が樹脂成形体に
    インサート成形された長手部材インサート成形体であっ
    て、 前記樹脂成形体には、前記長手部材の外周面の面積の半
    分以上が露出するように、前記長手部材の長手方向一箇
    所以上を保持する保持部が一体成形してあり、前記長手
    部材が、前記保持部に対して軸方向移動可能に保持して
    ある長手部材インサート成形体。
  2. 【請求項2】 パイプ状の長手部材の両端に、軸方向に
    弾性変形自在のキャップを取り付ける工程と、 前記キャップを軸方向に圧縮変形させるように、前記キ
    ャップが取り付けられたパイプ状の長手部材を、金型の
    パイプ取付凹所に嵌合させ、長手部材を金型内に位置決
    めすると共に、パイプ状の長手部材の両端を密封する工
    程と、 前記金型を型締めして金型のキャビティ内に樹脂成形体
    となる原液を注入し、前記長手部材の外周面の面積の半
    分以上が露出するように、前記長手部材の長手方向一箇
    所以上を保持する保持部が一体成形された樹脂成形体を
    成形する工程とを有する長手部材インサート成形体の製
    造方法。
JP33278996A 1996-11-28 1996-11-28 長手部材インサート成形体およびその製造方法 Pending JPH10156864A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007073167A (ja) * 2005-09-09 2007-03-22 Nok Corp ランプの割れ防止構造
US20160107346A1 (en) * 2014-10-15 2016-04-21 Hyundai Mobis Co., Ltd. Stiffener for insert molding and manufacturing method of crash pad using the same

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