JPH0699233A - グリッパーフィードの送り方向正逆切替装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 調整ねじを調整するだけで送り方向を切り替
えることができるようにすることにより、送り方向切替
作業を簡単化、構成を簡単化すること。 【構成】 駆動軸４２と直交しかつ駆動軸４２と一体と
なって回転する調整ねじ４８を備える。調整ねじ４８に
は、偏心ピン４９がねじ対偶で取付けられている。コネ
クティングロッド１８は、一端が偏心ピン４９に、他端
が移送グリッパー１に連結されている。移送グリッパー
１の材料送り量（移動距離）は、偏心ピン４９の偏心量
に応じて定まる。偏心ピン４９は、正側、負側のいずれ
の偏心量をもとりうるよう調整ねじ４８にねじ対偶で取
付けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、プレス機本体の加工位
置へコイル材等の材料を送り込むようにして供給する機
能と、打抜き加工等された後の廃材又は製品を引っ張る
ことにより加工位置へ材料を供給する機能の両機能を一
台で併せて持つことができるようにしたグリッパーフィ
ードの送り方向正逆切替装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、プレス機械本体の加工位置へコイ
ル材等の材料を供給するグリッパーフィードは、例えば
実公平３−５３７７６号公報に記載されるように、駆動
軸と直交しかつ該駆動軸と一体となって回転する調整ね
じと、この調整ねじにねじ対偶で取付けられた偏心ピン
と、この偏心ピンに一端が連結されたコネクティングロ
ッドと、このコネクティングロッドの他端側に連結され
た移送グリッパーとを備え、上記偏心ピンの偏心量に応
じて上記移送グリッパーの材料送り量が定められるよう
構成される。

【０００３】そして、従来のグリッパーフィードは、プ
レス機械本体の加工位置へコイル材等の材料を送り込む
ようにして供給する送り込み専用のものと、この送り込
み専用のグリッパーフィードを使用して薄肉のコイル材
等を供給すると、薄肉コイル材等の表面に付着した油等
が原因となって薄肉コイル材等が橈み、供給ミスが生じ
やすくなることから、打抜き加工等された後の廃材又は
製品を引っ張ることにより材料を加工位置へ供給する引
っ張り専用のものとの二種類に分類されていた。

【０００４】そして、場合によっては、送り込み専用の
グリッパーフィードを引っ張り用とし、又は引っ張り専
用のグリッパーフィードを送り込み用として変更使用す
ることがあった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような変更使用をするためには、送り方向（引っ張り方
向をも含めて定義する。）を切り替えるために、駆動側
でベルトを掛け変えたり、特別に歯車を設けるなどして
駆動軸の回転方向を逆転する必要があった。

【０００６】本発明は、上記の問題点にかんがみ、送り
方向切替作業が簡単で、しかも構成が簡単な、グリッパ
ーフィードの送り方向正逆切替装置を提供することを課
題とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係るグリッパーフィードの送り方向正逆切
替装置は、駆動軸と直交しかつ前記駆動軸と一体となっ
て回転する調整ねじと、前記調整ねじにねじ対偶で取付
けられた偏心ピンと、前記偏心ピンに一端が連結された
コネクティングロッドと、前記コネクティングロッドの
他端側に連結された移送グリッパーとを備え、前記偏心
ピンの偏心量に応じて前記移送グリッパーの材料送り量
が定まるグリッパーフィードにおいて、前記偏心ピン
は、正側、負側のいずれの偏心量をもとりうるよう前記
調整ねじにねじ対偶で取付けられていることを特徴とす
る。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。

【０００９】図２は、本実施例に係る送り方向正逆切替
装置が組み込まれたグリッパーフィードの断面図、図３
は、図２図示III −III 線による断面図、図４は図２図
示IV−IV線による断面図をそれぞれ示している。また、
図１は、図３の部分拡大図を示している。

【００１０】図示のグリッパーフィードは、後に詳述す
るように、コイル材等の材料Ｗ１、廃材又は製品Ｗ２
（図２）のいずれかを図２に示す矢印ａ方向及びｂ方向
のいずれの送り方向（引っ張り方向をも含んで定義す
る。）へも間欠的に移送することができるよう構成され
ており、包括的構成要素である移送グリッパー１、固定
グリッパー２、クランク機構３及び可動レール上下動手
段４を含んで構成される。以下、上記各構成要素の具体
的構成を説明する。

【００１１】 移送グリッパー１ 移送グリッパー１は、図２に示すように、移送台５と、
フォロア６と、可動レール７と、固定ジョー維持手段８
とを備える。

【００１２】移送台５は、図４に示すように、スライダ
ー９とシリンダホルダー１０とからなる。スライダー９
は、フレームｆの側壁１１、側壁１２間に架設された二
本のガイド棒１３，１４に滑り嵌めされる筒部１５，１
６を備えた双眼鏡形状のものである。シリンダホルダー
１０は、固定ジョー維持手段８のシリンダ１７を支持す
るものである。移送台５には、後述するようにクランク
機構３のコネクティングロッド１８が連結されている。

【００１３】フォロア６は、移送台５の両筒部１５，１
６間に配設されている。フォロア６はアーム１９と滑り
子２０とを備える。アーム１９は、移送台５の両筒部１
５，１６間に架設された支軸２１に枢着されている。ア
ーム１９は圧縮コイルばね２２により常時下方へ付勢さ
れている。アーム１９の上面には、上下動する可動ジョ
ー２３が固着されている。滑り子２０は、アーム１９の
下部に設けられている。

【００１４】可動レール７は、フォロア６の滑り子２０
の下方に配設されている。可動レール７は筒状に形成さ
れ、その長さは移送台５の最大移動距離よりも長く設定
されている。可動レール７の両端はピン２４、ピン２５
で枢支されている。ピン２４、ピン２５には、後述する
可動レール上下動手段４の揺動レバー２６が連結されて
いる。可動レール７の上面にはローラ２７が敷かれ、ロ
ーラ２７に滑り子２０が圧縮コイルばね２２の付勢力に
より圧接されている。

【００１５】固定ジョー維持手段８は、シリンダ１７と
ピストン２８とスペーサー２９とからなる。ピストン２
８の下端には、可動ジョー２３と対向して固定ジョー３
０が固着されている。

【００１６】 固定グリッパー２ 固定グリッパー２は、図２に示すように、揺動アーム３
１と、揺動アーム駆動手段３２と、固定ジョー維持手段
３３とを備える。

【００１７】揺動アーム３１は支軸３４に枢着されてい
る。揺動アーム３１の上面には、可動ジョー３５が固着
されている。

【００１８】揺動アーム駆動手段３２は、揺動アーム３
１の下方に配設されている。揺動アーム駆動手段３２
は、第１押上ロッド３６と、第２押上ロッド３７と、リ
リースレバー３８（図２，図３）と、カム３９（図３）
とを備えてなる。第１押上ロッド３６は、その上端が揺
動アーム３１の下面と当接し、下端がリリースレバー３
８の先端に枢着されている。第２押上ロッド３７は揺動
アーム３１の支軸３４を挟んで第１押上ロッド３６の反
対側に配設されている。第２押上ロッド３７はフランジ
４０を有し、上端は揺動アーム３１の下面と当接し、下
端はフレームｆに滑り嵌めされている。第２押上ロッド
３７は、圧縮コイルばね４１で上方へ付勢されている。
リリースレバー３８の後端は、図３に示すように、カム
３９に当接している。カム３９は駆動軸４２に形成され
ている。カム３９は、駆動軸４２の一回転でリリースレ
バー３８の先端を上下動させ、第１押上ロッド３６、揺
動アーム３１を介して可動ジョー３５を上下動させ、固
定ジョー４３と可動ジョー３５とが材料Ｗ１又は廃材も
しくは製品Ｗ２を挟持、解放することができるようにす
る。材料Ｗ１又は廃材もしくは製品Ｗ２の挟持は、移送
台５が送り方向ａ又はｂと反対方向へ移動する期間行な
われ、材料Ｗ１又は廃材もしくは製品Ｗ２の解放は、移
送台５が送り方向ａ又はｂへ移動する期間行なわれる。

【００１９】固定ジョー維持手段３３は、シリンダ４４
と、ピストン４５と、スペーサー４６とを備えてなり、
移送グリッパー１の固定ジョー維持手段８と同様に構成
されている。ピストン４５の下端には、固定ジョー４３
が固着されている。

【００２０】 クランク機構３ クランク機構３は、図１及び図３に示すように、ブラケ
ット４７と、調整ねじ４８と、偏心ピン４９と、コネク
ティングロッド１８とを備えてなり、本発明にいう送り
方向正逆切替装置に対応するものである。

【００２１】ブラケット４７は駆動軸４２の端面に固着
されている。ブラケット４７は、一端が閉塞された縦長
四辺形の筒状をしている。

【００２２】調整ねじ４８は、頭部４８ａを残してブラ
ケット４７内に挿入されており、ブラケット４７の内側
でロックナット５０が螺合され、また、調整ねじ４８の
頭部４８ａとブラケット４７との間、及び、ブラケット
４７とロックナット５０との間には、それぞれスラスト
ベアリング５１，５２が設けられ、調整ねじ４８はロッ
クナット５０及びスラストベアリング５１，５２により
ブラケット４７に対し回転可能かつ強固に固定されてい
る。

【００２３】偏心ピン４９は断面Ｔ字状であり、螺合部
５３とクランクアーム５４とからなる。螺合部５３は調
整ねじ４８にねじ対偶で取り付けられ、調整ねじ４８の
回転により偏心ピン４９が調整ねじ４８の軸方向へ移動
可能となる。偏心ピン４９は、クランクアーム５４の軸
線が駆動軸４２の軸線と一致する位置を中心として調整
ねじ４８の軸方向へ移動可能とされている。換言する
と、偏心ピン４９は、正側、負側のいずれの偏心量をも
とりうるよう調整ねじ４８にねじ対偶で取付けられてい
る。ここで、正側の偏心量とは、例えば、クランクアー
ム５４の軸線が上記一致位置よりも奥に位置する場合の
偏心量を意味し、また、負側の偏心量とは、クランクア
ーム５４の軸線が上記一致位置よりも手前に位置する場
合の偏心量を意味する。偏心ピン４９の螺合部５３とロ
ックナット５０との間には、調整ねじ４８にねじ対偶で
取り付けられたばねケース５５が配設され、ばねケース
５５内には圧縮コイルばね５６が配設されている。圧縮
コイルばね５６は、螺合部５３を調整ねじ４８の軸方向
へ押圧して、両者のねじ山を圧接状態に維持し、調整ね
じ４８に対する偏心ピン４９のがたつきを防止するため
のものである。クランクアーム５４にはキャップ５７が
被せられている。

【００２４】コネクティングロッド１８の一端は、キャ
ップ５７の外周面に配設されたコロ軸受５８を介して偏
心ピン４９のクランクアーム５４に連結されている。他
端は、移送グリッパー１の移送台５のスライダー９とシ
リンダホルダーとの連結部に連結ピン５９で枢着されて
いる。なお、図１及び図３に示す符号６０はチャックロ
ックナット、６１，６２はベベルギヤを表わしている。

【００２５】上記のように構成されたクランク機構３に
おいて、所定の一方向のみに回転する駆動軸４２が回転
すると、偏心ピン４９のクランクアーム５４が駆動軸４
２の軸線を中心として回転し、コネクティングロッド１
８を介して移送台５がガイド棒１３，１４の軸方向へ往
復動する。この移送台５の移動距離は、偏心ピン４９の
偏心量に対応している。そして、この駆動軸４２の回転
開始時に、偏心ピン４９の偏心量が正側に設定されてい
る場合と、負側に設定されている場合とでは、移送台５
の移動方向は互いに反対方向となる。したがって、移送
グリッパー１は、上述したような固定グリッパー２の可
動ジョー３５の上下駆動機構、及び、後述するような移
送グリッパー１の可動ジョー２３の上下駆動機構が、移
送台５のように偏心ピン４９の初期設定次第で動作が正
反対になることはなく、常に駆動軸４２の回転に対して
１対１の関係で動作が決定されるため、これらの動作と
協働して、例えば、偏心ピン４９の偏心量が正側のとき
は、矢印ａ方向へ材料又は廃材を移送し、一方、負側の
ときは、矢印ｂ方向へ移送するようになる。

【００２６】 可動レール上下動手段４ 可動レール上下動手段４は、図４に示すように、揺動レ
バー２６と、カム６３とを備える。

【００２７】揺動レバー２６は送り方向ａ，ｂへ配設さ
れた支軸６４にその略中心を枢着して、送り方向ａ，ｂ
と直交する方向へ揺動可能とされている。揺動レバー２
６の一端は、可動レール７のピン２４，２５に固定され
ている。他端にはカムフォロア６５が設けられており、
カムフォロア６５は、圧縮コイルばね６６の付勢力によ
りカム６３に当接している。

【００２８】カム６３は駆動軸４２に形成されている。
カム６３は、駆動軸４２の一回転で可動レール７を上下
動させる。すなわち、カム６３は、移送台５が送り方向
ａ，ｂへ移動する期間可動レール７を上昇させ、アーム
１９を介して可動ジョー２３を上昇させ、固定ジョー３
０と可動ジョー２３とで材料Ｗ１又は廃材もしくは製品
Ｗ２を挟持させる。そして、移送台５が送り方向ａ，ｂ
と反対方向へ移動する期間可動レール７を下降させ、ア
ーム１９を介して可動ジョー２３を下降させ、材料Ｗ１
又は廃材もしくは製品Ｗ２を解放するようにする。

【００２９】以上の説明から明らかなように、本実施例
の送り方向正逆切替装置（クランク機構）は、駆動軸４
２と直交しかつ駆動軸４２と一体となって回転する調整
ねじ４８と、調整ねじ４８にねじ対偶で取付けられた偏
心ピン４９と、偏心ピン４９に一端が連結されたコネク
ティングロッド１８と、コネクティングロッド１８の他
端側に連結された移送グリッパー１とを備え、偏心ピン
４９の偏心量に応じて移送グリッパー１の材料送り量
（移動距離）が定まるグリッパーフィードにおいて、偏
心ピン４９は、正側、負側のいずれの偏心量をもとりう
るよう調整ねじ４８にねじ対偶で取付けられている。

【００３０】このため、調整ねじ４８を調整するだけ
で、送り方向を切り替えることができるようになると共
に、構成が簡単になる。

【００３１】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によると、送り方向切替作業が簡単で、しかも構成が簡
単になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図３の部分拡大図

【図２】一実施例に係る送り方向正逆切替装置が組み込
まれたグリッパーフィードの断面図

【図３】図２図示III −III 線による断面図

【図４】図２図示IV−IV線による断面図

【符号の説明】

１ 移送グリッパー １８ コネクティングロッド ４２ 駆動軸 ４８ 調整ねじ ４９ 偏心ピン

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 駆動軸と直交しかつ前記駆動軸と一体と
   なって回転する調整ねじと、前記調整ねじにねじ対偶で
   取付けられた偏心ピンと、前記偏心ピンに一端が連結さ
   れたコネクティングロッドと、前記コネクティングロッ
   ドの他端側に連結された移送グリッパーとを備え、前記
   偏心ピンの偏心量に応じて前記移送グリッパーの材料送
   り量が定まるグリッパーフィードにおいて、 前記偏心ピンは、正側、負側のいずれの偏心量をもとり
   うるよう前記調整ねじにねじ対偶で取付けられているこ
   とを特徴とするグリッパーフィードの送り方向正逆切替
   装置。