JPH069899A - 帯電防止被覆用組成物 - Google Patents
帯電防止被覆用組成物Info
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- JPH069899A JPH069899A JP18743792A JP18743792A JPH069899A JP H069899 A JPH069899 A JP H069899A JP 18743792 A JP18743792 A JP 18743792A JP 18743792 A JP18743792 A JP 18743792A JP H069899 A JPH069899 A JP H069899A
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- polyethylene glycol
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- meth
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Polymerisation Methods In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 ポリエチレングリコール部分のエチレングリ
コール単位のくり返し数が6〜16のポリエチレングリ
コールジ(メタ)アクリル酸エステルと金属塩とを含有
してなる活性エネルギー線硬化性帯電防止被覆用組成
物。 【効果】 本発明の帯電防止性被覆用組成物は、無溶剤
型として得ることが可能であり、それを用いてもうけた
硬化被覆層が、硬くて傷付きにくく優れた帯電防止性能
を有し、かつ高温高湿の環境下に長期間曝してもその性
能を持続し、更に透明な硬化被覆層が得られるように配
合した組成物は、トップコーティングとして好適に使用
できるという多大の効果を奏する。
コール単位のくり返し数が6〜16のポリエチレングリ
コールジ(メタ)アクリル酸エステルと金属塩とを含有
してなる活性エネルギー線硬化性帯電防止被覆用組成
物。 【効果】 本発明の帯電防止性被覆用組成物は、無溶剤
型として得ることが可能であり、それを用いてもうけた
硬化被覆層が、硬くて傷付きにくく優れた帯電防止性能
を有し、かつ高温高湿の環境下に長期間曝してもその性
能を持続し、更に透明な硬化被覆層が得られるように配
合した組成物は、トップコーティングとして好適に使用
できるという多大の効果を奏する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、種々の物体の面に帯電
防止性能を付与する活性エネルギー線硬化性の被覆用組
成物に関する。
防止性能を付与する活性エネルギー線硬化性の被覆用組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、物体、例えばプラスチックやガ
ラスなどの成形物の面が帯電し、その面に埃などが付着
して汚れの原因となる、静電気の高い電圧に起因して
ICやLSI などの破壊、不良が起こる、電磁波ノイズに
より電子機器の誤動作が生じるなどの、静電気に起因す
る問題がクローズアップされている。
ラスなどの成形物の面が帯電し、その面に埃などが付着
して汚れの原因となる、静電気の高い電圧に起因して
ICやLSI などの破壊、不良が起こる、電磁波ノイズに
より電子機器の誤動作が生じるなどの、静電気に起因す
る問題がクローズアップされている。
【0003】従来より帯電防止法としては、界面活性
剤、金属粉、カーボンなどを用い、表面や内部の導電化
を図る方法がとられてきた。帯電を防止するには、帯電
を防止しようとする物体の面に導電性を有する塗料など
を塗布することが最も簡便と考えられるが、従来の方法
ではまだ改良が必要である。即ち、界面活性剤で導電性
を付与する方法では、水分を必須とするため帯電防止能
が周辺雰囲気の湿度に影響されたり、持続性に欠けたり
し、また金属粉やカーボンを含有する塗料で導電性を付
与する方法では、透明な塗膜が得られなかったり、塗膜
の色の選択が制限される等の問題があり、塗布型帯電防
止法の障害となっていた。
剤、金属粉、カーボンなどを用い、表面や内部の導電化
を図る方法がとられてきた。帯電を防止するには、帯電
を防止しようとする物体の面に導電性を有する塗料など
を塗布することが最も簡便と考えられるが、従来の方法
ではまだ改良が必要である。即ち、界面活性剤で導電性
を付与する方法では、水分を必須とするため帯電防止能
が周辺雰囲気の湿度に影響されたり、持続性に欠けたり
し、また金属粉やカーボンを含有する塗料で導電性を付
与する方法では、透明な塗膜が得られなかったり、塗膜
の色の選択が制限される等の問題があり、塗布型帯電防
止法の障害となっていた。
【0004】また、ポリエチレングリコールジ(メタ)
アクリル酸エステル(A)の架橋高分子がイオン性塩を
含み、該ポリエチレングリコールの分子量が2000〜3000
0(繰返し単位の数nに換算して約45〜680)であ
り、その厚さ100μmのフィルムが90°折り曲げて
も割れない柔軟性を有する電気化学的デバイスに用いる
ポリマー固体電解質が、特開平3−207752号公報
に開示されている。
アクリル酸エステル(A)の架橋高分子がイオン性塩を
含み、該ポリエチレングリコールの分子量が2000〜3000
0(繰返し単位の数nに換算して約45〜680)であ
り、その厚さ100μmのフィルムが90°折り曲げて
も割れない柔軟性を有する電気化学的デバイスに用いる
ポリマー固体電解質が、特開平3−207752号公報
に開示されている。
【0005】しかしながら、ポリエチレングリコール部
分の分子量が2000〜30000 と大きいため、上記(A)は
イオン性塩を溶解することができず、架橋ネットワーク
を形成させる前のイオン性塩を含む混合液には、その塩
を溶解するため特殊な溶剤を含有させている。従って、
この混合液を塗布して硬化被覆層をもうける場合、溶剤
蒸発による層厚の減少及び溶剤ガスの影響が発生すると
いう欠点がある。また、上記のようにポリエチレングリ
コール部分の分子量が大きいため、上記混合液が溶剤を
含まない場合は粘度が高くて、塗布しにくく、それを用
いてもうけた架橋被覆層は、硬度が低くて傷付きやすい
という欠点を有する。
分の分子量が2000〜30000 と大きいため、上記(A)は
イオン性塩を溶解することができず、架橋ネットワーク
を形成させる前のイオン性塩を含む混合液には、その塩
を溶解するため特殊な溶剤を含有させている。従って、
この混合液を塗布して硬化被覆層をもうける場合、溶剤
蒸発による層厚の減少及び溶剤ガスの影響が発生すると
いう欠点がある。また、上記のようにポリエチレングリ
コール部分の分子量が大きいため、上記混合液が溶剤を
含まない場合は粘度が高くて、塗布しにくく、それを用
いてもうけた架橋被覆層は、硬度が低くて傷付きやすい
という欠点を有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の欠点を解決するために為されたものであって、硬く
て傷付きにくく、帯電防止性能の持続性を有し、かつ配
合によってはトップコーティング等に用いることのでき
る透明性を有する硬化被覆層も得られる活性エネルギー
線硬化性の帯電防止被覆用組成物を提供することを目的
とする。
術の欠点を解決するために為されたものであって、硬く
て傷付きにくく、帯電防止性能の持続性を有し、かつ配
合によってはトップコーティング等に用いることのでき
る透明性を有する硬化被覆層も得られる活性エネルギー
線硬化性の帯電防止被覆用組成物を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、下
記(1) 及び(2) を要旨とする。 (1) 下記式(I)で示されるポリエチレングリコールジ
(メタ)アクリル酸エステルと金属塩とを含有してなる
活性エネルギー線硬化性帯電防止被覆用組成物。
記(1) 及び(2) を要旨とする。 (1) 下記式(I)で示されるポリエチレングリコールジ
(メタ)アクリル酸エステルと金属塩とを含有してなる
活性エネルギー線硬化性帯電防止被覆用組成物。
【0008】式(I)
【化2】 (式中、RはH又はCH3 、n=6〜16)
【0009】(2) 金属塩が過塩素酸塩、チオシアン酸塩
またはこれらの両方である上記(1)記載の帯電防止被覆
用組成物。
またはこれらの両方である上記(1)記載の帯電防止被覆
用組成物。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
使用するポリエチレングリコールジ(メタ)アクリル酸
エステルは前記式(I)で示され、繰り返し単位の数n
が6〜16の化合物である。このnが6未満では、硬化さ
せた帯電防止被覆層が低い体積抵抗率を示さず、一方、
nが16を越えると金属塩を溶解する能力が低下するので
好ましくない。尚、通常、ポリエチレングリコールジ
(メタ)アクリル酸エステルの繰り返し単位の数nは分
布を有しており、本明細書における繰り返し単位の数n
は平均値である。本発明においては、式(I)で示され
るポリエチレングリコールジ(メタ)アクリル酸エステ
ルを1種又は2種以上組合せて用いることができる。
使用するポリエチレングリコールジ(メタ)アクリル酸
エステルは前記式(I)で示され、繰り返し単位の数n
が6〜16の化合物である。このnが6未満では、硬化さ
せた帯電防止被覆層が低い体積抵抗率を示さず、一方、
nが16を越えると金属塩を溶解する能力が低下するので
好ましくない。尚、通常、ポリエチレングリコールジ
(メタ)アクリル酸エステルの繰り返し単位の数nは分
布を有しており、本明細書における繰り返し単位の数n
は平均値である。本発明においては、式(I)で示され
るポリエチレングリコールジ(メタ)アクリル酸エステ
ルを1種又は2種以上組合せて用いることができる。
【0011】本発明で使用する好ましい金属塩として
は、例えば過塩素酸塩、チオシアン酸塩またはそれら両
者の混合物が挙げられる。具体的には例えば過塩素酸リ
チウム、チオシアン酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、
チオシアン酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、チオシア
ン酸カリウム等があり、好ましくはチオシアン酸塩であ
る。これらの金属塩は2種類以上併用してもよい。
は、例えば過塩素酸塩、チオシアン酸塩またはそれら両
者の混合物が挙げられる。具体的には例えば過塩素酸リ
チウム、チオシアン酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、
チオシアン酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、チオシア
ン酸カリウム等があり、好ましくはチオシアン酸塩であ
る。これらの金属塩は2種類以上併用してもよい。
【0012】金属塩の添加量は、使用する前記式(I)
で示されるポリエチレングリコールジアクリル酸エステ
ル及びジメタクリル酸エステルの総量100 重量部に対し
て、好ましくは0.1〜12重量部、より好ましくは2〜12
重量部、特に4〜8重量部が望ましい。この量が0.1重
量部未満では得られる硬化被覆層の体積抵抗率が高くて
帯電防止性が不十分となりやすく、一方、12重量部より
多いと式(I)の化合物に金属塩を溶解する際に長時間
の加熱が必要になったり、それでも溶解できない場合が
あり、また硬化物のガラス転移温度が上昇するなどし
て、逆に硬化被覆層の体積抵抗率が上昇してくる等の不
都合が生ずることがある。
で示されるポリエチレングリコールジアクリル酸エステ
ル及びジメタクリル酸エステルの総量100 重量部に対し
て、好ましくは0.1〜12重量部、より好ましくは2〜12
重量部、特に4〜8重量部が望ましい。この量が0.1重
量部未満では得られる硬化被覆層の体積抵抗率が高くて
帯電防止性が不十分となりやすく、一方、12重量部より
多いと式(I)の化合物に金属塩を溶解する際に長時間
の加熱が必要になったり、それでも溶解できない場合が
あり、また硬化物のガラス転移温度が上昇するなどし
て、逆に硬化被覆層の体積抵抗率が上昇してくる等の不
都合が生ずることがある。
【0013】本発明の組成物は、活性エネルギー線、例
えば紫外線、可視光線、電子線などの照射によって硬化
させることができる。紫外線、可視光線で重合硬化させ
る場合には光重合開始剤を組成物に含有させることが好
ましい。
えば紫外線、可視光線、電子線などの照射によって硬化
させることができる。紫外線、可視光線で重合硬化させ
る場合には光重合開始剤を組成物に含有させることが好
ましい。
【0014】光重合開始剤の代表的なものとしては、例
えば、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、
4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルベンゾフェノ
ン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノ
ン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイ
ンエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、
ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタ
ール、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2
−メチル−1−フェニル−1−プロパノン、2−メチル
−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリ
ノ−1−プロパノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフ
ェニルケトン、チオキサントン、2−クロルチオキサン
トン、2,4−ジメチルチオキサントン、2−イソプロ
ピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサント
ン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホス
フィンオキサイド、カンファーキノン、アントラキノ
ン、ベンジル、フェニルメチルグリオキシレート等が挙
げられる。光重合開始剤は、1種又は2種以上を組合せ
て使用することができる。
えば、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、
4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルベンゾフェノ
ン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノ
ン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイ
ンエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、
ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタ
ール、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2
−メチル−1−フェニル−1−プロパノン、2−メチル
−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリ
ノ−1−プロパノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフ
ェニルケトン、チオキサントン、2−クロルチオキサン
トン、2,4−ジメチルチオキサントン、2−イソプロ
ピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサント
ン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホス
フィンオキサイド、カンファーキノン、アントラキノ
ン、ベンジル、フェニルメチルグリオキシレート等が挙
げられる。光重合開始剤は、1種又は2種以上を組合せ
て使用することができる。
【0015】更に重合速度を向上させるために、光重合
開始剤に1種又は2種以上の光開始助剤や光増感剤を併
用してもよい。それらの具体例としては、トリエタノー
ルアミン、ジエタノールアミン、メチルジエタノールア
ミン、トリイソプロパノールアミン、4,4’−ジエチ
ルアミノベンゾフェイン、4−ジメチルアミノ安息香酸
エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息
香酸2−ジメチアミノエチル、ジブチルアミン、トリエ
チルアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート、トリブチルホスフィンな
どがある。
開始剤に1種又は2種以上の光開始助剤や光増感剤を併
用してもよい。それらの具体例としては、トリエタノー
ルアミン、ジエタノールアミン、メチルジエタノールア
ミン、トリイソプロパノールアミン、4,4’−ジエチ
ルアミノベンゾフェイン、4−ジメチルアミノ安息香酸
エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息
香酸2−ジメチアミノエチル、ジブチルアミン、トリエ
チルアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート、トリブチルホスフィンな
どがある。
【0016】電子線を照射して硬化させる場合には、重
合開始剤を用いなくても重合硬化させることができる。
合開始剤を用いなくても重合硬化させることができる。
【0017】本発明の帯電防止被覆用組成物には、本発
明を阻害しない範囲で所望により種々の物質を添加配合
することができる。例えば、各種の単官能(メタ)アク
リレート系モノマー、多官能性(メタ)アクリレート系
モノマー、ウレタンアクリレート、オリゴエステル(メ
タ)アクリレート、不飽和ポリエステル等を添加しても
よい。これらの添加量は、本発明で使用するポリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリル酸エステルの総量100
重量部に対して、400 重量部以下、更に好ましくは300
重量部以下である。添加量が400 重量部を大幅に越える
と、帯電防止性能を低下させる。
明を阻害しない範囲で所望により種々の物質を添加配合
することができる。例えば、各種の単官能(メタ)アク
リレート系モノマー、多官能性(メタ)アクリレート系
モノマー、ウレタンアクリレート、オリゴエステル(メ
タ)アクリレート、不飽和ポリエステル等を添加しても
よい。これらの添加量は、本発明で使用するポリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリル酸エステルの総量100
重量部に対して、400 重量部以下、更に好ましくは300
重量部以下である。添加量が400 重量部を大幅に越える
と、帯電防止性能を低下させる。
【0018】更に、染料、顔料、充填剤、シランカップ
リング剤、チタネートカップリング剤、(メタ)アクリ
ロイル基を有するリン酸エステル等の接着性改良剤、液
状の組成物や硬化被覆層のための各種安定剤、レベリン
グ剤等を適宜添加してもよい。
リング剤、チタネートカップリング剤、(メタ)アクリ
ロイル基を有するリン酸エステル等の接着性改良剤、液
状の組成物や硬化被覆層のための各種安定剤、レベリン
グ剤等を適宜添加してもよい。
【0019】本発明の組成物は、例えば式(I)で示さ
れるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリル酸エス
テルに金属塩を加えて溶解し(溶解を促進するために加
温してもよい)、所望により更に光重合開始剤などの種
々の物質を添加混合して液状とすることで容易に製造で
きる。
れるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリル酸エス
テルに金属塩を加えて溶解し(溶解を促進するために加
温してもよい)、所望により更に光重合開始剤などの種
々の物質を添加混合して液状とすることで容易に製造で
きる。
【0020】本発明の組成物は、無溶剤型として得るこ
とが可能であり、かつ本発明の組成物を塗布及び硬化し
てもうけた硬化被覆層は、硬くて傷付きにくく、透明な
層として得ることもできるので下地の外観を損なわず、
トップコーティングとして好適に用いることができる
が、染料や顔料を添加して透明又は不透明に着色して使
用することも可能である。また、高温高湿の条件下に長
期に曝しても、硬化被覆層表面への金属塩の析出も見ら
れず、長期にわたり帯電防止性能が損なわれることもな
いため、幅広い分野での使用が可能である。
とが可能であり、かつ本発明の組成物を塗布及び硬化し
てもうけた硬化被覆層は、硬くて傷付きにくく、透明な
層として得ることもできるので下地の外観を損なわず、
トップコーティングとして好適に用いることができる
が、染料や顔料を添加して透明又は不透明に着色して使
用することも可能である。また、高温高湿の条件下に長
期に曝しても、硬化被覆層表面への金属塩の析出も見ら
れず、長期にわたり帯電防止性能が損なわれることもな
いため、幅広い分野での使用が可能である。
【0021】
【実施例】以下に、本発明を実施例により更に詳細に説
明する。なお、以下の「部」は重量部を示す。
明する。なお、以下の「部」は重量部を示す。
【0022】実施例1 ポリエチレングリコールジアクリル酸エステル(繰り返
し単位:n=6)100部に、LiClO4を2部を添加し、混
合して溶解させた。次いで、これに光重合開始剤ベンジ
ルジメチルケタールを4部添加溶解して液状組成物を得
た。次に、この組成物を凹部を有する平板状の型に注い
だのち、組成物に5000mJ/cm2 相当の紫外線(365nm) を
照射し、注型成形法により透明で、厚さが約2mmの硬化
樹脂成形体を得た。この成形体を試料とし、JIS-K6911
に従い体積抵抗率を測定した。その結果、体積抵抗率は
9.5 ×108 Ω・cmであった。尚、体積抵抗率は、デジタ
ル超高抵抗/微少電流計(R8340型)及びレジステ
ィビティ・チェンバ(R12702A型)〔いずれも
(株)アドバンテスト製〕を用い、印加電圧100ボル
トで測定した。
し単位:n=6)100部に、LiClO4を2部を添加し、混
合して溶解させた。次いで、これに光重合開始剤ベンジ
ルジメチルケタールを4部添加溶解して液状組成物を得
た。次に、この組成物を凹部を有する平板状の型に注い
だのち、組成物に5000mJ/cm2 相当の紫外線(365nm) を
照射し、注型成形法により透明で、厚さが約2mmの硬化
樹脂成形体を得た。この成形体を試料とし、JIS-K6911
に従い体積抵抗率を測定した。その結果、体積抵抗率は
9.5 ×108 Ω・cmであった。尚、体積抵抗率は、デジタ
ル超高抵抗/微少電流計(R8340型)及びレジステ
ィビティ・チェンバ(R12702A型)〔いずれも
(株)アドバンテスト製〕を用い、印加電圧100ボル
トで測定した。
【0023】実施例2〜5及び比較例1〜3 ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリル酸エステル
のポリエチレンオキサイド部分の繰り返し単位の数n
が、表1に示すものを用いたこと以外は実施例1と同様
にして組成物を調製し、透明で厚みが約2mmの硬化樹脂
成形体を得た。これらの成形体それぞれの体積抵抗率の
測定結果を表1に示した。
のポリエチレンオキサイド部分の繰り返し単位の数n
が、表1に示すものを用いたこと以外は実施例1と同様
にして組成物を調製し、透明で厚みが約2mmの硬化樹脂
成形体を得た。これらの成形体それぞれの体積抵抗率の
測定結果を表1に示した。
【0024】
【表1】
【0025】実施例6〜12及び比較例4〜5 ポリエチレングリコールジアクリル酸エステル(繰り返
し単位:n=9)100重量部に、金属塩としてLiClO42
部の代りにKSCNを 0、 0.1、 0.3、 1、 2、 4、 8、12、 16部
づつ添加したこと以外は実施例1と同様にして透明で厚
さが約2mmの硬化樹脂成形体を得た。これらの成形体の
体積抵抗率及び示差走査熱量分析DSC により求めたガラ
ス転移温度を表2に示した。
し単位:n=9)100重量部に、金属塩としてLiClO42
部の代りにKSCNを 0、 0.1、 0.3、 1、 2、 4、 8、12、 16部
づつ添加したこと以外は実施例1と同様にして透明で厚
さが約2mmの硬化樹脂成形体を得た。これらの成形体の
体積抵抗率及び示差走査熱量分析DSC により求めたガラ
ス転移温度を表2に示した。
【0026】
【表2】
【0027】実施例10で得た硬化樹脂成形体を試料と
し、これを温度75℃、湿度85%の高温高湿条件下に最長
2000時間曝した際の体積抵抗率を表3に示した。尚、20
00時間曝したのちも成形体は金属塩の析出なく、透明性
を保持していた。
し、これを温度75℃、湿度85%の高温高湿条件下に最長
2000時間曝した際の体積抵抗率を表3に示した。尚、20
00時間曝したのちも成形体は金属塩の析出なく、透明性
を保持していた。
【0028】
【表3】
【0029】実施例13 LiClO42部の代りに、LiClO42部及びKSCN2部を用いた
こと以外は実施例2と同様にして透明で厚さ約2mmの硬
化樹脂成形体を得た。実施例1と同様にして測定したこ
の成形体の体積抵抗率は、1.1 ×107 Ω・cmであっ
た。
こと以外は実施例2と同様にして透明で厚さ約2mmの硬
化樹脂成形体を得た。実施例1と同様にして測定したこ
の成形体の体積抵抗率は、1.1 ×107 Ω・cmであっ
た。
【0030】実施例14 ポリエチレングリコールジアクリル酸エステル(繰り返
し単位:n=9)60部とトリス(アクリロイルオキシエ
チル)イソシアヌレート40部の混合物にKSCN 2部を添加
し、溶解させた。次いで、これにベンジルジメチルケタ
ール 4部を添加溶解して液状組成物を得た。この組成物
を用いて実施例1同様にして得た透明で厚さ約2mmの成
形体の体積抵抗率は1.1 ×109 Ω・cmであった。
し単位:n=9)60部とトリス(アクリロイルオキシエ
チル)イソシアヌレート40部の混合物にKSCN 2部を添加
し、溶解させた。次いで、これにベンジルジメチルケタ
ール 4部を添加溶解して液状組成物を得た。この組成物
を用いて実施例1同様にして得た透明で厚さ約2mmの成
形体の体積抵抗率は1.1 ×109 Ω・cmであった。
【0031】実施例15 ポリエチレングリコールジアクリル酸エステル(繰り返
し単位:n=9)60部及び市販のウレタンアクリレート
UN-9000H(根上工業社製、ポリカーボネートポリオール
系)40部の混合物に、LiClO4を1部添加溶解し、これに
ベンジルジメチルケタール4部を添加し溶解して組成物
を得た。この組成物を用い、実施例1と同様にして透明
で厚さ約2mmの硬化樹脂成形体を得た。得られた成形体
の体積抵抗率は5.0 ×109 Ω・cmであった。
し単位:n=9)60部及び市販のウレタンアクリレート
UN-9000H(根上工業社製、ポリカーボネートポリオール
系)40部の混合物に、LiClO4を1部添加溶解し、これに
ベンジルジメチルケタール4部を添加し溶解して組成物
を得た。この組成物を用い、実施例1と同様にして透明
で厚さ約2mmの硬化樹脂成形体を得た。得られた成形体
の体積抵抗率は5.0 ×109 Ω・cmであった。
【0032】下記(i) 〜(v) の厚さ約2mmの硬化樹脂成
形体を23℃×65%RHの雰囲気中に48時間放置
後、その成形体の硬さを、上記雰囲気中でスプリング式
硬度計〔(株)上島製作所製、モデルHD-103N /型式SH
ORE A 及びモデルHD-104N /型式SHORE D 〕を用いて測
定した。結果を表4に示す。 硬化樹脂成形体 (i) 比較例1で得た成形体 (ii) 実施例2で得た成形体 (iii) 比較例3で得た成形体 (iv) 実施例4で得た成形体 (v) ポリエチレングリコールジアクリル酸エステル
(繰返し単位の数:n=6)100部の代りに、ポリエ
チレングリコールジメタクリル酸エステル(繰返し単位
の数:n=23)100部及び1,2−ジメトキシエタ
ン20部を用いたこと以外は実施例1と同様にして得た
成形体を減圧下、室温で7日間放置した成形体。
形体を23℃×65%RHの雰囲気中に48時間放置
後、その成形体の硬さを、上記雰囲気中でスプリング式
硬度計〔(株)上島製作所製、モデルHD-103N /型式SH
ORE A 及びモデルHD-104N /型式SHORE D 〕を用いて測
定した。結果を表4に示す。 硬化樹脂成形体 (i) 比較例1で得た成形体 (ii) 実施例2で得た成形体 (iii) 比較例3で得た成形体 (iv) 実施例4で得た成形体 (v) ポリエチレングリコールジアクリル酸エステル
(繰返し単位の数:n=6)100部の代りに、ポリエ
チレングリコールジメタクリル酸エステル(繰返し単位
の数:n=23)100部及び1,2−ジメトキシエタ
ン20部を用いたこと以外は実施例1と同様にして得た
成形体を減圧下、室温で7日間放置した成形体。
【0033】
【表4】
【0034】
【発明の効果】本発明の帯電防止性被覆用組成物は、無
溶剤型として得ることが可能であり、それを用いてもう
けた硬化被覆層が、硬くて傷付きにくく優れた帯電防止
性能を有し、かつ高温高湿の環境下に長期間曝してもそ
の性能を持続し、更に透明な硬化被覆層が得られるよう
に配合した組成物は、トップコーティングとして好適に
使用できるという多大な効果を奏する。
溶剤型として得ることが可能であり、それを用いてもう
けた硬化被覆層が、硬くて傷付きにくく優れた帯電防止
性能を有し、かつ高温高湿の環境下に長期間曝してもそ
の性能を持続し、更に透明な硬化被覆層が得られるよう
に配合した組成物は、トップコーティングとして好適に
使用できるという多大な効果を奏する。
Claims (2)
- 【請求項1】 下記式(I)で示されるポリエチレング
リコールジ(メタ)アクリル酸エステルと金属塩とを含
有してなる活性エネルギー線硬化性帯電防止被覆用組成
物。 式(I) 【化1】 (式中、RはH又はCH3 、n=6〜16) - 【請求項2】 金属塩が過塩素酸塩、チオシアン酸塩ま
たはこれらの両方である請求項1記載の帯電防止被覆用
組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04187437A JP3083916B2 (ja) | 1992-06-23 | 1992-06-23 | 帯電防止被覆用組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04187437A JP3083916B2 (ja) | 1992-06-23 | 1992-06-23 | 帯電防止被覆用組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH069899A true JPH069899A (ja) | 1994-01-18 |
JP3083916B2 JP3083916B2 (ja) | 2000-09-04 |
Family
ID=16206051
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04187437A Expired - Fee Related JP3083916B2 (ja) | 1992-06-23 | 1992-06-23 | 帯電防止被覆用組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3083916B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100579468B1 (ko) * | 2004-01-07 | 2006-05-12 | 주식회사 하나이화 | 대전방지성 용제형 아크릴수지 |
JP2008001795A (ja) * | 2006-06-22 | 2008-01-10 | San Nopco Ltd | 放射線硬化性組成物 |
-
1992
- 1992-06-23 JP JP04187437A patent/JP3083916B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100579468B1 (ko) * | 2004-01-07 | 2006-05-12 | 주식회사 하나이화 | 대전방지성 용제형 아크릴수지 |
JP2008001795A (ja) * | 2006-06-22 | 2008-01-10 | San Nopco Ltd | 放射線硬化性組成物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3083916B2 (ja) | 2000-09-04 |
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