JPH0698837B2 - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JPH0698837B2
JPH0698837B2 JP63306935A JP30693588A JPH0698837B2 JP H0698837 B2 JPH0698837 B2 JP H0698837B2 JP 63306935 A JP63306935 A JP 63306935A JP 30693588 A JP30693588 A JP 30693588A JP H0698837 B2 JPH0698837 B2 JP H0698837B2
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晶子 岩崎
邦隆 豊福
義之 高橋
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新王子製紙株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は感熱記録材料に関するものであり、特に、熱応
答性および画像保存性に優れた感熱記録材料に関するも
のである。
〔従来の技術〕
通常無色または淡色のロイコ染料と、フェノール類また
は有機酸との加熱発色反応を利用した感熱記録材料は特
公昭43−4160号、特公昭45−14039号、特開昭48−27736
号等に発表され、広く実用化されている。近年、このよ
うな感熱記録体は、単に加熱するだけで発色画像が形成
され、記録装置が比較的コンパクトなものにすることが
できるなどの利点により、各種情報記録材料として広範
囲に使用されている。特に、このような感熱記録体を用
いる感熱ファクシミリ、感熱プリンター等は、その装置
の改良が進み、従来は難しかった高速印字、高速の画像
の形成が可能となっている。このような機器、ハードの
分野の高速化に伴い、使用される感熱記録材料も微少な
熱量でも十分な発色記録となるように、従来よりも大幅
な記録感度の向上が要求されている。この要求を満たす
為に多くの顕色剤が提案がされてきた。
感熱記録材料の顕色剤については特公昭45−14039号を
初め数多くの文献に記載されているが、品質、価格、性
能などの点から最もバランスのとれたものとして4,4′
−イソプロピリデンジフェノール(ビスフェノールA)
が幅広く利用されてきた。しかし、このビスフェノール
Aは融点が高いため、微少な熱エネルギーに対して十分
な発色記録を行なうことができなかった。感熱記録材料
を高感度化するための顕色剤としてp−ヒドロキシ安息
香酸ベンジル(特開昭52−140483号)が提案されたが、
このものは発色した画像が粉を吹いたようになるいわゆ
る白化という現像象を生じるため発色画像の安定性とい
う面で問題があった。そのほかにも、p−ヒドロキシ安
息香酸トリル(特開昭57−156444号)、4−ヒドロキシ
−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン(特開昭60
−13852号)、1,7−ジ(フェニルチオ)−3,5−ジオキ
サヘプタン(特開昭59−52694号)などが提案されてい
るがいずれも実用に供する場合にはなんらかの問題があ
り新しい材料が求められてきた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は、熱応答性に優れるとともに発色画像の安定性
に優れた感熱記録材料を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
前記目的を達成する為に、本発明者らは研究を重ねた結
果、顕色剤として、下記一般式[I]または[II] [但し、一般式(I)および(II)においてRは、ハロ
ゲン原子、炭素原子が1〜8個のアルキル、ハロゲン化
アルキル、アラルキル、アリール、 (但し、R1は水素原子、低級アルキル基又はフェニル基
を表す)を表し、n,kは1又は2の整数を表し、l,mは0
又は1を表し、lとmは互いに等しくない。]で示され
るアセチルアセトキシ基を有する有機化合物の少なくと
も一種を用いると、従来から広く用いられているビスフ
ェノールAに比べ発色感度が格段に優れていて、かつ今
までに提案されてきた顕色剤のいくつかを用いると経験
した白色度の低下、発色画像の比較的短時間での消失、
発色画像の品質を経時的に悪化させる白化というような
現像を経験することがないことを見出し、本発明を完成
するに至った。
本発明は、無色ないし単色の塩基性ロイコ染料と顕色剤
との発色反応を利用する感熱記録材料において、感熱記
録体発色層中に、前記一般式[I]又は[II]で表わさ
れる化合物の少なくとも一つを該顕色剤として含有せし
めたことを特徴とする感熱記録材料である。これらの新
規な顕色剤が、それが含まれている感熱記録材料の発色
感度を向上する理由のひとつはこれら化合物の融点が適
当な範囲にあること、また発色度を低下させないのは、
その水に対する難溶性の為、白化等の記録画像品質を悪
化させる現象の極めて少ないのは、その低い昇華性とロ
イコ染料との適度な相溶性の為と考えられるが、発明者
はこの解釈に固執するものではない。本発明を構成する
顕色剤の具体的な例としては、以下の様な化合物を挙げ
ることができる。
これらアセチルアセトニル基を有する有機化合物は、下
に反応式で示すように対応するフェノール又はナフトー
ルとジケテンより容易にかつ高収率で合成することがで
きる。
[但し、上記反応式においてRは、ハロゲン原子、炭素
原子が1〜8個のアルキル、ハロゲン化アルキル、アラ
ルキル、アリール、 (但し、R1は水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基
又はフェニル基を表す)を表わし、n,kは1又は2の整
数を表し、l,mは0又は1を表わし、lとmは互いに等
しくない。] 本発明を構成するアセチルアセトキシ基を有する顕色剤
はそのいずれか1種の化合物をロイコ染料とともに用い
てもよいしまた2種以上を併用してもよい。また、本発
明の所望の効果を阻害しない範囲内で、他の電子受容性
顕色剤と併用して用いることもできる。さらに、本発明
の顕色剤は必要に応じて増感剤として知られる融点が60
℃から120℃の熱可融性物質と供に用いても差し支えな
い。本発明の化合物の使用量はロイコ染料に対して10〜
1,000重量%好ましくは50〜300重量%である。
本発明の化合物を用いる感熱発色層は主にロイコ染料と
本発明の顕色剤からなる。又、発色層は無機顔料を含ん
でいることが好ましく、更に必要に応じて、ワックス類
を含んでいてよい。その他これらの成分を支持体に固着
する為のバインダーを必須成分として含んでいる。
本発明に使用されるロイコ染料としては従来公知のもの
でよく、例えば以下のものがあげられる。
クリスタルバイオレットラクトン、3−(N−エチル−
N−イソペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−
7−(o、p−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−
(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−アニ
リノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N
−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)
フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフル
オロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ
−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルア
ミノ−6−メチルフルオラン、3−シクロヘキシルアミ
ノ−6−クロロフルオラン等である。これらは2種以上
を混合して用いてもよい。
本発明の顕色剤と併用しうる他の顕色剤としては従来公
知のものでよく、以下のものがその例として上げられ
る。
ビスフエノールA、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、
ジ(4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−ブチル、ビスフ
ェノールS、4−ヒドロキシ−4′−イソプロピルオキ
シジフェニルスルホン、1,1−ジ(4−ヒドロキシフェ
ニル)シクロヘキサン、1,7−ジ(ヒドロキシフェニル
チオ)−3,5−ジオキサヘプタン等である。
また本発明の化合物と併用してもさしつかえのない増感
剤としては、これも従来公知のものでよく融点60〜120
℃の熱可融性有機化合物が用いられるが、以下が代表的
な例である。p−ヒドロキシナフトエ酸フェニルエステ
ル、(特開昭57−191089号)、p−ベンジルビフェニル
(特開昭60−82382号)、ベンジルナフチルエーテル
(特開昭58−87094号)、ジベンジルテレフタレート
(特開昭58−98285号)、p−ベンジルオキシ安息香酸
ベンジル(特開昭57−201691号)、炭酸ジフェニル、炭
酸ジトリル(特開昭58−136489号)、m−タ−フェニル
(特開昭57−89994号)、エチレングリコール、ジ−m
−トリルエーテル(特開昭60−56588号)。
又、発色層中に用いられる有機又は無機の顔料としては
炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸
化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、
タルク、表面処理された炭酸カルシウムやシリカ等の無
機系微粉末の他、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メ
タクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂等の有機系の微
粉末を挙げることができる。
更に本発明の発色層は種々のワックス類を必要に応じて
含有する事を得る。それらはパラフィン、アミド系ワッ
クス、ビスイミド系ワックス、高吸脂肪酸の金属塩など
公知のものでかまわない。又、ヒンダードフェノール、
ヒンダードアミンに代表される酸化防止剤、ゴムプラス
チック用耐候性改良剤を含んでいてもさしつかえない。
前記接着剤については、種々の分子量のポリビニルアル
コール、デンプン及びその誘導体、メトキシセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、
エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル
酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド/
アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アク
リル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレン
/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルア
ミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶
性高分子の他、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレ
ン/ブタジエン共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリ
ル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリ
ブチルメタクリレート、エチレン/酢酸ビニル共重合
体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体等のラ
テックスを用いることができる。
これら各材料を適宜混合してなる加熱により発色する混
合物は、紙、表面に粘土、プラスチックなどを塗工した
コーテッド紙、または主にプラスチックから作られる合
成紙さらにはプラスチックフィルム上に塗布し、感熱記
録体となす。塗工量は、塗工量が乾燥した状態で1〜10
g/m2が好ましく、2〜8g/m2が特に好ましい。
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明する。な
お、数字は特にことわらない限り重量部を示す。
〔実施例〕
合成例1 22.0gのハイドロキノンを60ccのテトラヒドロフランに
溶解し、これにジケテン8.4gを加えよく攪拌する。この
混合液に触媒としてピリジンを5〜6滴滴下する。1日
放置後、テトラヒドロフランを留去し、黄色の固体を得
た。これからクロロホルムで抽出することにより淡黄色
の結晶を得た。クロロホルムよりさらに再結晶を行ない
6.4gの白色結晶を得た。融点103〜105℃、質量分析およ
び核磁気共鳴分析の結果、顕色剤具体例3)の化合物で
あることを確認した。
合成例2 16.0gの2,3−ジヒドロキシナフタレンを50ccのテトラヒ
ドロフランに溶解し、これにジケテン16.8gを加えよく
攪拌する。この混合液に触媒としてピリジンを5〜6滴
滴下する。1日放置することにより淡黄色の結晶を得
た。トルエンにより再結晶して16.5gの白色結晶を得
た。融点122〜124℃。質量分析および核磁気共鳴分析の
結果、顕色剤具体例49)の化合物であることを確認し
た。
合成例3 19.8gの没食子酸エチルエステルを50ccのテトラヒドロ
フランに溶解し、これにジケテン16.8gを加えよく攪拌
する。この混合液に触媒としてピリジンを5〜6滴滴下
する。1日放置後、これにテトラヒドロフラン100ccを
追加し、均一な溶液とした後、カラムクロマトにより分
離して15.5gの白色結晶を得た。融点94〜96℃。質量分
析および核磁気共鳴分析の結果、顕色剤具体例31)の化
合物であることを確認した。
実施例1 分散液A調製 3−(N−イソペンチル−Nエチルアミノ)−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン 20 ポリビニルアルコール 10%液 10 水 70 この組成物をサンドラインダーで平均粒径1μmまで粉
砕した。
分散液B調製 合成例1の化合物 20 ポリビニルアルコール 10%液 10 水 70 この組成物をサンドグラインダーで平均粒径1μmまで
粉砕した。
発色層の調製 上記A液40部、B液80部、炭酸カルシウム顔料40部、30
%パラフィン分散液20部、10%ポリビニルアルコール水
溶液180部を混合、攪はんし、塗工用液とした。この塗
工液を50g/m2の原紙に乾燥後の塗布量が7.0g/m2となる
ように塗布乾燥して感熱記録紙を得た。
実施例2 顔料下塗り紙の調製 焼成クレイ(商品名アンシレックス)85部を水150部に
分散して得られた分散液にスチレン〜ブタジエン共重合
エマルジョン(固形分50%)を20部、10%酸化でんぷん
水溶液を50部混合して得た塗液を48g/m2の原紙上に乾燥
後の塗布量が7.0g/m2になるよう塗工して、顔料下塗り
紙を得た。
発色層の調製 実施例1のA分散液50部、B分散液100部と炭酸カルシ
ウム25部、30%パラフィン分散液20部、10%ポリビニル
アルコール水溶液180部を混合、攪はんし、塗液とし
た。
得られた塗液を上記顔料下塗り紙に、乾燥後の塗布量が
5.0g/m2となるように塗布乾燥し、感熱記録紙を得た。
実施例3 分散液B調製 合成例2の化合物 20 ポリビニルアルコール 10%液 10 水 70 この組成物をサンドラインダーで平均粒径1μmまで粉
砕した。
実施例2のB分散液として上記分散液を用いたほかは、
実施例と同様にして感熱記録紙を得た。
実施例4 分散液B調製 合成例3の化合物 20 ポリビニルアルコール 10%液 10 水 70 この組成物をサンドラインダーで平均粒径1μmまで粉
砕した。
実施例2のB分散液として上記分散液を用いたほかは、
実施例2と同様にして感熱記録紙を得た。
比較例1 B液調製において、合成例1の化合物のかわりに、2,2
−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェ
ノールA)を用いた以外は実施例1と同様にして感熱記
録紙を得た。
比較例2 B液調製において、合成例1の化合物のかわりに、10部
のビスフェノールAと10部の1−ヒドロキシ−2−ナフ
トエ酸フェニルの混合物を用いた以外は実施例2と同様
にして感熱記録紙を得た。
比較例3 B液調製において、合成例1の化合物のかわりに、p−
ヒドロキシ安息香酸ベンジルを用いた以外は実施例2と
同様にして感熱記録紙を得た。
上記の様にして得られた6種類の感熱記録紙は、スーパ
ーカレンダーによってその表面の平滑度をベック平滑度
計で測定した平滑度が600〜1,000秒になるように処理し
た。こうして得られた試料について、記録感度の測定、
記録層面未発色部の色濃度の測定、および白化の比較試
験を行いその結果を第1表に示した。
記録感度は東洋精機製傾斜試験器を用い、温度120℃圧
力2.5kg/cm2で10msec試料を加熱し、その際の発色濃度
をマクベスRD−914で測定し、感熱紙の記録感度を代表
する値とした。記録紙の未発色部(白紙部)の濃度を同
濃度計で測定し、白色度の代表値とした。
白化は、上記試験器で、温度150℃で試料を発色させ、
発色部を40℃、90%の環境に24時間放置ないし1ケ月間
放置し、その表面の変化を官能的に評価した。表で、○
は発色印字部の変化が認められないことを示し、×は印
字表面が粉をふいたようになる、いわゆる白化が発生し
た事を示す。
〔発明の効果〕 本発明で得られる感熱記録材料は、ロイコ染料に対する
顕色剤として前記一般式[I]又は[II]で示されるア
セチルアセトキシ基含有化合物を用いたため熱応答性に
優れ、白色度も高く、記録画像部における白化のような
好ましくない性質も示さず画像安定性にも優れている。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無色ないし淡色の塩基性染料と顕色剤との
    発色反応を利用した感熱記録材料において、該顕色剤と
    して、下記一般式[I]または[II]で示されるアセチ
    ルアセトキシ基を有する有機化合物を用いたことを特徴
    とする感熱記録材料。 [但し、一般式(I)および(II)においてRは、ハロ
    ゲン原子、炭素原子が1〜8個のアルキル、ハロゲン化
    アルキル、アラルキル、アリール、 (但し、R1は水素原子、低級アルキル基又はフェニル基
    を表す)を表し、n,kは1又は2の整数を表し、l,mは0
    またし1を表し、lとmは互いに等しくない。]
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