JPH0698337A - 電子カメラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡易な操作で白紙撮影によるホワイトバラン
ス調整を行える電子カメラを得る。 【構成】 通常の撮影動作中にホワイトバランス回路１
７のモード切り替えスイッチ１８により、白紙モードと
しても白紙を用いた調整は行われない。また白紙撮影時
にはレンズ１を無限遠に焦点を合わせるようにして、多
少汚れた白紙を用いても正確なホワイトバランスデータ
が得られるようにする。さらに、メモリ８にホワイトバ
ランスデータがないときは、切替えスイッチ１８を切替
えなくてもホワイトバランス回路１７が自動的に白紙撮
影可能なモードとなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ＣＣＤ等の固体撮影素
子で撮影した画像情報を電子的に記録するようにした電
子カメラに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ＣＣＤ等の固体撮像素子により被
写体の画像を取り込み、記録媒体に記録する電子カメラ
においては、ホワイトバランス（ＷＢ）を取る場合、撮
影場所の光源の下で白い紙などをファインダいっぱいに
フレーミングしておき、スイッチを押すなどして白紙を
撮影し、この白紙撮影によって得られるホワイトバラン
スデータを用いて通常撮影時にホワイトバランス回路を
動作させる手法が知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
ようにしてホワイトバランスを取る場合、次のような問
題がある。

【０００４】（１）通常の撮影動作中にホワイトバラン
ス回路を動作させると、ホワイトバランスデータが撮影
中の被写体の色により変化するため、正確なホワイトバ
ランスデータが得られない。また、ホワイトバランス調
整モードが複数存在する場合にはこのモード切り替えに
より突然ホワイトバランス状態が変化してしまうといっ
た不都合が生じる。

【０００５】（２）白紙が完全に白くない場合、例えば
汚れがあったり、ノートのように罫線がある場合にも、
同様に正確なホワイトバランスデータが得られない。

【０００６】（３）初めて白紙を撮影することで得られ
たホワイトバランスデータを用いてホワイトバランスを
取る場合は、カメラには白紙のホワイトバランスデータ
が記憶されていないので、必ず白紙を撮影してホワイト
バランス補正データを得る必要があるが、この場合、先
ず白紙を撮影することにより得られたホワイトバランス
データを用いてホワイトバランス調整を行うモードにな
るようにホワイトバランス調整のモードを切り替えるホ
ワイトバランスモード切り替えスイッチを操作した後、
さらに白紙を撮影してホワイトバランスデータを形成す
るためのセットモードになるように上記切り替えスイッ
チを操作する必要があり、操作がわずらわしい。

【０００７】（４）上記ホワイトバランスモード切り替
えスイッチを白紙モードにしたとき、ファインダ内部や
カメラ外部にそれを表示する手段がないので、どのモー
ドにしているのかわかりづらい。

【０００８】本発明は上記のような問題を解決するため
になされたもので、通常の撮影が行われているときはホ
ワイトバランスモードの切り替えや、白紙撮影によるホ
ワイトバランスデータの形成を行えないようにし、ま
た、完全に白くない白紙を用いてもホワイトバランスを
取ることができ、さらにホワイトバランスデータが無い
ときは、白紙撮影によるホワイトバランスデータを用い
てホワイトバランス調整を行うモードになると自動的に
白紙の撮影を行うことができ、またさらに各モードの表
示を行えるようにした電子カメラを提供することを目的
としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】第１の発明においては、
通常の撮影動作が行われている状態を検出したときは、
ホワイトバランス調整手段のモードを切り替える切り替
えスイッチの入力を阻止する制御手段を設けている。

【００１０】また第２の発明においては、白紙を撮影す
る状態になったとき、撮像レンズが無限遠に焦点が合う
位置まで移動するようにレンズ駆動モータを制御するモ
ータ制御手段を設けている。

【００１１】第３の発明においては、上記切り替えスイ
ッチを操作して上記ホワイトバランス調整手段がメモリ
のホワイトバランスデータを用いるモードを設定したと
き、上記メモリに上記ホワイトバランスデータが蓄積さ
れていない場合は、上記ホワイトバランス調整手段を自
動的に白紙を撮影可能なモードに設定する制御手段を設
けている。

【００１２】第４及び第５の発明においては、上記ホワ
イトバランス調整手段が上記白紙を撮影可能なモードに
あることを表示する表示手段及び白紙を撮影したときに
その旨を表示する表示手段を設けている。

【００１３】

【作用】第１の発明では、通常の撮像動作中には、白紙
撮影によるホワイトバランスデータの形成やホワイトバ
ランスモードの切り替えは行われない。

【００１４】第２の発明では、レンズが無限遠に焦点が
合うので、汚れや罫線がある白紙を用いても正確なホワ
イトバランスデータが得られる。

【００１５】第３の発明では、メモリにホワイトバラン
スデータがないときは、切り替えスイッチを操作しなく
ても自動的に白紙撮影が可能な状態となる。

【００１６】第４及び第５の発明では、白紙撮影が可能
な状態であること及び白紙撮影が成されてホワイトバラ
ンスデータが得られたことを使用者が知ることができ
る。

【００１７】

【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の一実施例
を説明する。図１は本発明を適用した電子カメラのブロ
ック図である。１は撮像レンズ、２はレンズ駆動モー
タ、３はレンズ駆動モータ制御部、４は絞りおよびシャ
ッターなどの光量制御部、５はＣＣＤ等の固体撮像素
子、６は固体撮像素子５の出力を所定周期でサンプルし
て保持するサンプルホールド回路、７はＡ／Ｄ変換回
路、８はＤＲＡＭ等のメモリ、９はメモリ８の読み書き
やＤＲＡＭのリフレッシュ動作を制御するためのメモリ
コントローラ、１０は固体撮像素子５を駆動するための
タイミング信号やサンプルホールドパルス、Ａ／Ｄ変換
パルス等を発生するためのタイミング信号発生器、１１
は撮影シーケンス等システムを制御するためのマイクロ
コンピュータを用いたシステムコントローラ、１２は後
述する記録媒体１３とのインターフェース回路、１３は
ハードディスクやメモリーカード等の記録媒体、１４は
撮影スタンバイスイッチ、１５は撮影スイッチ、１６は
ファインダ、１７はホワイトバランス回路、１８はホワ
イトバランス調整のモードを切り替えるホワイトバラン
スモード切り替えスイッチ、１９はホワイトバランスモ
ード切り替えスイッチ１８が白紙モードにあることを表
示するＬＥＤ等の表示装置、２０は白紙撮影スイッチで
ある。

【００１８】図２は、図１のファンダ１６を示すもので
ある。２１、２２、２３はそれぞれＬＥＤ等の表示装置
で、２１はホワイトバランスモード切り替えスイッチ１
８が後述の白紙モードになっていることを表示し、２２
はホワイトバランスモード切り替えスイッチ１８がセッ
トモードになっていることを表示し、２３はセットが完
了したことを表示する。

【００１９】図３はホワイトバランスモード切り替えス
イッチ１８を示すもので、図示のようにダイアル式に構
成されている。このホワイトバランスモード切り替えス
イッチ１８には例えばＡＵＴＯ、ＭＡＮＵＡＬ、白紙、
セットの四つのモードがあるものとする。ここで白紙モ
ードとは、白い紙などを撮影して得たホワイトバランス
データを用いてホワイトバランス調整を行いながら通常
の撮影を行い得るモードである。また、セットモードと
は、その白い紙を撮影するためのモードである。また、
マニュアル（ＭＡＮＵＡＬ）モードとはあらかじめ設定
された複数のホワイトバランスデータの中の１つを不図
示のスイッチによって選択し、この選択されたホワイト
バランスデータを用いてホワイトバランス調整を行いな
がら通常の撮影を行い得るモードである。更に、オート
（ＡＵＴＯ）モードとは不図示の外部測色センサにより
周囲光の色温度を検出し、これによって得られるホワイ
トバランスデータを用いてホワイトバランス調整を行い
ながら通常の撮影を行い得るモードである。

【００２０】また、セットモードにするには、一旦白紙
モードにしてからさらにセットモードにするものとす
る。このためにダイアル式のホワイトバランスモード切
り替えスイッチ１８ははねかえりスイッチになってお
り、操作者が手を離した状態ではセットモードに固定で
きず、白紙モードとなる構成となっている。

【００２１】次に上記のように構成された電子カメラの
ホワイトバランス調整に関する動作について説明する。

【００２２】先ず、ホワイトバランスモード切り替えス
イッチ１８を白紙モードにすると、通常の撮影動作中か
どうかが調べられ、動作中であればこれから先の動作は
行われない。通常の撮影動作が終わるか通常の撮影動作
中でないときは、ホワイトバランスモード切り替えスイ
ッチ１８が白紙モードになっていることを示すＬＥＤ１
９及びファインダ１６内のＬＥＤ２１が点灯または点滅
する。

【００２３】ところで、初めて白紙モードにてホワイト
バランスを取る時は、カメラには白紙のホワイトバラン
スデータが記憶されていないので、必ずホワイトバラン
スを取ることになる。つまり、必ずセットモードにする
ことになる。この操作を自動的に行うためには、白紙を
撮影して得たホワイトバランスデータがメモリ８に記憶
されているかどうか調べ、記憶されていればそのまま白
紙モードになり、記憶されていなければ自動的にセット
モードになる。前者の場合はメモリ８に記憶されている
白紙のホワイトバランスデータを用いてホワイトバラン
ス調整が行われる。なお、白紙モードにおいてもホワイ
トバランス切り替えスイッチ１８がセットモードに切り
替えられればセットモードになる。

【００２４】上記セットモードでの動作は以下のように
なる。まずレンズ駆動モータ２によってレンズ１を無限
端まで移動させる。これは、白紙に汚れやノートの罫線
などがあって完全な白紙でなくても正確なホワイトバラ
ンスが取れるようにするためである。次にセットモード
であることをファインダ１６内部やカメラ外部に表示す
る。これは例えばファインダ１６内部が図２のようであ
るとすると、白紙セットモードであることを示すＬＥＤ
２２が点灯または点滅する。次に白紙撮影スイッチ２０
をＯＮにして白紙を撮影し、そのホワイトバランスデー
タをメモリ８に記憶する。

【００２５】なお、セットモードになった後、所定時間
経過しても白紙を撮影しないときには、自動的にセット
モードが解除される。ただし、メモリ８にホワイトバラ
ンスデータが記憶されていないときは解除されない。つ
まり、始めて白紙によるホワイトバランスを取るときは
所定時間経過しても解除されない。白紙撮影スイッチ２
０をＯＮにして白紙を撮影したときは、白紙を取ったこ
とを示すＬＥＤ２３を点灯または点滅させ白紙モードに
なる。

【００２６】また、ホワイトバランス回路は、メモリ８
に記憶されたホワイトバランスデータを用いてホワイト
バランス調整を行う。

【００２７】図４は上記の動作を行うためのシステムコ
ントローラ１１等で実行される処理を示すフローチャー
トである。

【００２８】この処理はホワイトバランスモード切り替
えスイッチ１８を白紙モードにすることによってスター
トする。まずステップＳ１で通常の撮影動作中であるか
どうか調べ、動作中でなければモード切り替えスイッチ
１８の出力を受けつけてステップＳ２に進む。ステップ
Ｓ２ではホワイトバランスモード切り替えスイッチ１８
が白紙モードになっていることを表示するＬＥＤ１９及
びファインダ１６内のＬＥＤ２１を点灯または点滅させ
る。

【００２９】次にステップＳ３ではメモリ８に白紙を撮
影したホワイトバランスデータが記憶されているかどう
か調べ、記憶されていたらステップＳ４へ、記憶されて
いなかったらステップＳ６へ進む。ステップＳ４では白
紙モードになる。次にステップＳ５ではホワイトバラン
スモード切り替えスイッチ１８がセットモードになって
いるかどうか調べ、セットモードになっていたらステッ
プＳ６へ、なっていなかったらステップＳ４へ進む。ス
テップＳ６ではホワイトバランスのセット動作を行う図
５のサブルーチンへ入る。セット動作が終了するとステ
ップＳ７によりセットモードであることを表示するＬＥ
Ｄ２２と、白紙を撮影したことを表示するＬＥＤ２３と
を消灯する。

【００３０】図５は上記ステップＳ６によるホワイトバ
ランスのセット動作を示すフローチャートである。まず
ステップＳ８でレンズ駆動モータ２によりレンズ１を無
限端まで動かした後、ステップＳ９へ進む。ステップＳ
９ではＬＥＤ２２によりセットモードであることを表示
してステップＳ１０へ進む。ステップＳ１０では白紙撮
影スイッチ２０が押されたかどうか調べ、押されたらス
テップＳ１４へ進み押されなければステップＳ１１へ進
む。

【００３１】ステップＳ１１では、白紙を撮影したホワ
イトバランスデータがメモリ８に記憶されているか調
べ、記憶されていたらステップＳ１２へ、記憶されてい
なかったらステップＳ１０へ進む。ステップＳ１２で
は、カウンタの値が所定値に達したかどうか調べ、達し
ていたらステップＳ１６へ、達していなかったらステッ
プＳ１３へ進む。ステップＳ１３では、カウンタの値に
１を加えてステップＳ１０へ進む。ステップＳ１４では
白紙を撮影してステップＳ１５へ進む。ステップＳ１５
では白紙を撮影したことをＬＥＤ２３により表示してス
テップＳ１６へ進む。ステップＳ１６では、カウンタの
値をリセットしてセットモードを解除した後、図４のス
テップＳ７へ進む。

【００３２】なお、ＬＥＤ１９、２１、２２、２３の点
灯又は点滅に代えて警告音が鳴るようにしても良いし、
ＬＥＤが点灯または点滅すると共に警告音が鳴るように
しても良い。

【００３３】また、セットモードであることを表示する
ＬＥＤ２２の点滅するスピードをカウンタの値によって
変化させるようにしてもよい。例えば、時間が経過する
につれてＬＥＤ２２の点滅するスピードが速くなったり
するようにしてもよい。

【００３４】また、上記実施例では、ファインダ１６内
の表示ＬＥＤ２１、２２、２３で行っていたが、これを
図６に示すように文字で表示するようにしてもよい。

【００３５】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、通
常の撮影動作中はホワイトバランスモード切り替えスイ
ッチによりホワイトバランスの調整モードを切り替えて
もそのモード切替が実行されたり、白紙撮影によるホワ
イトバランスの形成が行われたりしないので、撮影中に
ホワイトバランス状態が変化したり、ホワイトバランス
データが被写体の影響を受けてしまうことがない。ま
た、白紙撮影を行うときは、レンズ駆動モータによりレ
ンズを無限端まで動かすことにより、白紙が汚れていた
り、罫線があったりしても正確なホワイトバランスが取
れる。また、カメラにホワイトバランスデータが記憶さ
れていないときに白紙モードになったときは自動的に白
紙撮影のためのモードになるので操作が簡単になる。さ
らに、白紙モードやセットモードであることをファイン
ダ内部やカメラ外部に表示してカメラの動作状態をわか
りやすくすることができる等の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例を示すブロック図である。

【図２】ファインダ内部の表示装置を示す構成図であ
る。

【図３】ホワイトバランスモード切り替えスイッチの正
面図である。

【図４】動作を示すフローチャートである。

【図５】セットモード時の動作を示すフローチャートで
ある。

【図６】ファインダの他の実施例を示す構成図である。

【符号の説明】

１ 撮像レンズ ２ レンズ駆動モータ ３ レンズ駆動モータ制御部 ８ メモリ １１ システムコントローラ １７ ホワイトバランス回路 １８ ホワイトバランスモード切り替えスイッチ １９、２１、２２、２３ ＬＥＤ ２０ 白紙撮影スイッチ

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 撮影場所の色温度に合わせてホワイトバ
   ランスの調整を行うための複数のモードを持つホワイト
   バランス調整手段と、 上記ホワイトバランス調整手段のモードを切り替える切
   り替えスイッチと、 通常の撮影動作が行われている状態を検出して上記切り
   替えスイッチの入力を阻止する制御手段とを具備するこ
   とを特徴とする電子カメラ。
2. 【請求項２】 撮像レンズとこの撮像レンズを駆動する
   モータとを有し、白紙を撮影することにより、ホワイト
   バランス調整のためのホワイトバランスデータを得るよ
   うになされた電子カメラにおいて、 上記白紙を撮影する状態になったとき、上記撮像レンズ
   が無限遠に焦点が合う位置まで移動するように上記モー
   タを制御するモータ制御手段を設けたことを特徴とする
   電子カメラ。
3. 【請求項３】 撮影場所の色温度に合わせてホワイトバ
   ランスの調整を行うための複数のモードを持つホワイト
   バランス調整手段と、上記ホワイトバランス調整手段の
   モードを切り替える切り替えスイッチとを有し、 白紙を撮影することによりホワイトバランス調整のため
   のホワイトバランスデータを得、これをメモリに蓄積す
   るように成された電子カメラにおいて、 上記切り替えスイッチを操作して上記ホワイトバランス
   調整手段が上記メモリのホワイトバランスデータを用い
   るモードを設定したとき、上記メモリに上記ホワイトバ
   ランスデータが蓄積されていない場合に上記ホワイトバ
   ランス調整手段を上記白紙を撮影可能なモードに設定す
   る制御手段を設けたことを特徴とする電子カメラ。
4. 【請求項４】 上記ホワイトバランス調整手段が上記白
   紙を撮影可能なモードにあることを表示する表示手段を
   設けたことを特徴とする請求項３に記載の電子カメラ。
5. 【請求項５】 白紙を撮影したときにその旨を表示する
   表示手段を設けたことを特徴とする請求項２または３に
   記載の電子カメラ。
6. 【請求項６】 上記表示手段は、白紙を撮影することに
   より得たホワイトバランスデータを用いて撮影を行うと
   きにその旨を表示することを特徴とする請求項５に記載
   の電子カメラ。