JPH0698000B2 - ヒトインターロイキン2活性をもつポリペプチドをコードする遺伝子 - Google Patents

ヒトインターロイキン2活性をもつポリペプチドをコードする遺伝子

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JPH0698000B2
JPH0698000B2 JP1109059A JP10905989A JPH0698000B2 JP H0698000 B2 JPH0698000 B2 JP H0698000B2 JP 1109059 A JP1109059 A JP 1109059A JP 10905989 A JP10905989 A JP 10905989A JP H0698000 B2 JPH0698000 B2 JP H0698000B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ヒトインターロイキン2活性をもつポリペプ
チドを有する遺伝子に関する。
インターロイキン2(以下、「IL−2」と略記する。)
は、以前はT細胞増殖因子と呼ばれており、レクチンあ
るいは抗原で活性化されたT細胞より産生される可溶性
たんぱく(一般には「リンホカイン」として知られてい
る)である(Morganら,Snience,193,1007〜1008(197
6),Gillisら,J.Immunol.,120,2027〜2033(1978).IL
−2はリンパ球の反応性を調節でき、抗原特異的なエフ
エクターT−リンパ球のin vitroにおける長期培養を可
能ならしめることができる(Gillisら,Nature,268,154
〜156(1977))。またIL−2は、胸腺細胞の分裂の促
進(Chenら,Cell Immunol.,22,221〜224(1977),Shaw
ら,J.Immunol.,120,1967〜1973(1978)),ヌードマウ
スの脾細胞の培養系での細胞障害性Tリンパ球活性(Wa
gnerら,Nature,284,278〜280,(1980))や抗−SRBCプ
ラーク形成細胞反応の誘導(Gillisら,J.Exp.Med.149,1
960〜1968(1979))等の関連する他の生成活性をもつ
ことが明らかにされている。従って、このリンパ球調節
因子は液体免疫や細胞性免疫反応を増強したり免疫不全
状態を正常な液体や細胞性免疫の状態に回復させるのに
有用である。これらの明らかにされたIL−2の免疫学的
活性は、IL−2が悪性腫瘍,細菌またはウイルス感染,
免疫不全,自己免疫疾患(Papermasterら,Adv.Immunopn
arm.,507,(1980))に対する医科免疫療法に有用であ
ることを示している。インターフェロンと同様に、IL−
2はナチュラルキラー細胞活性を増強することが示され
てきたが、これは悪性腫瘍治療への有用性を強く示唆し
ている。更に、IL−2は単クローン性の活性化T細胞の
保持を可能とし、この事は、T細胞分化の分子機構,T細
胞機能の分化機構,T細胞の抗原リセプターの機構を研究
する上で重要な役割を担っていることを示している。ま
た、IL−2は単クローン性T細胞を長期培養することに
より、他の種々の分野で有用な様々なT細胞由来のリン
ホカインを製造するためにも使用できる。更に、IL−2
の産生とリンパ球のIL−2に対する応答性は、免疫学的
機能の重要なパラメーターであり、免疫異常の臨床診断
に有用である。
IL−2は従来の技術では、マイトジェンでマウス,ラッ
トあるいはヒトのリンパ球を刺激することにより製造さ
れてきた(Gillisら,Nature,268,154〜156,(1977)),
Farrarら,Immunol.,121,1353〜1360,(1978),Gillis
ら,J.Immunol.,120,2027〜2033,(1978))。ヒトの末
梢血リンパ球をマイトジェンで刺激することにより(Gi
llisら,J.Immunol.,124,1954〜1962,(1980))、Gilli
sらはTリンホーマ細胞株からのマウスIL−2の製造(G
illisら,J.Immunol.,125,2570〜2578(1980))とヒト
白血病細胞株からのヒトIL−2の製造(Gillisら,J.Ex
p.Med.,152,1709〜1719,(1980)) を報告している。
Gillisらによる上記の技法は、細胞培養法を用いてマイ
トジェンで活性化されたT白血病細胞株からヒトIL−2
を製造する方法に関するものである。しかしながら、こ
の方法では低濃度のヒトIL−2しか産性されないので難
点で、大量の培養液から微量のIL−2を得るために、複
雑な精製工程を必要とする。更に、ヒト白血病細胞株は
少量のヒトIL−2に酷似した他の生理活性物質も産生す
るので、IL−2をこれらの他の免疫活性を有する分子と
分離、あるいは時として共存する細胞毒物質(toxic le
ctin)と分離するにはかなりの困難が伴う。
IL−2を製造する他の方法として、インターフェロンの
ような他の生理活性ヒト由来たんぱくを製造するために
用いられた組換えDNA(デオキシリボ核酸の略)法(Gra
yら,Nature 295,503〜508,(1981),Nagataら,Nature 2
84,316〜320(1980),Taniguchiら,Gene 10,11〜15,(1
980))が好ましいと思われる。しかしながら、本発明
の以前には組換えDNA法によってIL−2を製造する試み
は成功していなかった。例えば、組換えDNA法によってI
L−2を産生する生命体を作成しようとする試みは、恐
らくIL−2ポリペプチドをコードする遺伝子が未だクロ
ーン化されていなかったために成功していないという事
が、“日経バイオテクノロジー,第19号,1982年7月5
日”に報告されていた。
従って、IL−2をコードするクローン化遺伝子とその遺
伝子を持った組換えDNAが渇望されてきた。また、組換
えDNA体を有する生細胞株と、その細胞株を使ってIL−
2を製造する方法が渇望されてきた。
本発明の要旨は以下の記述から更に容易に明白となる。
本発明の目的受はIL−2活性を有するポリペプチドをコ
ードする遺伝子を創出したことにある。
すなわち、本発明はヒトインターロイキン2活性をも
つ、次のアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードす
る遺伝子を提供するものである。なお、本明細書におい
てアミノ酸のうちGlnとAsnとそれぞれGINとAsNと記載す
ることがある。
本発明の遺伝子は、次の塩基配列からなる。
本発明の遺伝子を利用することによって、IL−2はIL−
2活性を有するポリペプチドを産生すべくコードされた
遺伝子の挿入と、細胞の中で複製され得るベクターDNA
の挿入で組換え法により修飾され、該遺伝子のコードシ
ーケンスが、プロモーターシーケンスの下流に位置する
DANによってIL−2を産生すべく形質転換させた原核生
物細胞株、特にエシェリヒア・コリを培地に浮遊培養
(好気的)することによって製造される。
本発明のIL−2ポリペプチドをコードしたクローン化遺
伝子は、IL−2活性を有するポリペプチドを産生する能
力をもつことによって特徴づけられる哺乳動物細胞に由
来するIL−2に相当するメッセンジャーRNA(mRNA;“RN
A"はリボ核酸の略,以下“IL−2 mRNA"という)を相
補的DNA(cDNA)に逆転写することによって得られる。
得られた2重鎖cDNA(ss−cDNA)は一重鎖cDNA(ds−cD
NA)に変換させることができる。
cDNAを調製するための鋳型として用いるmRNAは、IL−2
ポリペプチドを産生する哺乳動物細胞から単離すること
ができる。単離されたRNAはポリアデニル化され(GiLLi
sら,Immunological Rev.,63,167〜209(1892))、ポリ
アデニル化されたRNAは、例えばショ糖密度勾配遠心法
によって11〜12S画分に分画することができる。13SのmR
NAにIL−2mRNA活性が現われることがあるが、この場合
は11〜12SmRNAの凝集物であることが考えられる。
mRNAの供給源となるIL−2を産生することができる哺乳
動物細胞は、哺乳動物より摘出できる末梢血単核球,扁
桃腺細胞,脾臓細胞のようなT−リンパ球で良い。細胞
にIL−2産生能を与えたり、またはIL−2活性を増強す
るために、ナイロンカラム処理,抗血清と捕体処理,密
度勾配分画,ノイラミニダーゼとガラクトースオキシダ
ーゼの組合せ処理,トリプシン処理のような様々な酵素
処理,X線照射など従来知られた方法で前処理しても良
い。上記哺乳動物細胞をT細胞増殖因子存在下で培養後
得られるクローン化Tリンパ球もmRNAの供給源として用
いることができ、これはより好ましいT−リンパ球であ
る。白血病やリンパ腫細胞株に由来するTリンパ球それ
自体または上記の方法で前処理または変異したそれらの
誘導体などの形質転換されリンパ球細胞株またはクロー
ニングされた形質転換細胞株もmRNAの供給源として好ま
しい。明らかに、クローン化した細胞株は通常クローン
化前の親株に比較して多量のIL−2mRNAを含んでいる。
上記したリンパ球由来細胞とCEM,Molt 4F,BW5147のごと
き腫瘍細胞株を融合することによって得られたT細胞ハ
イブリドーマもまた使用するのに好ましい哺乳動物細胞
である。この場合のリンパ球由来細胞は、(1)IL−2
の自発産生細胞および(2)IL−2産生を補助する他の
細胞の存在下または非存在下に培養液中にマイトジェン
が導入され存在している時のみIL−2を産生する細胞を
含む。
IL−2自発産生細胞においてIL−2mRNAを誘導するため
に、IL−2自発産生細胞は、細胞培養の分野でよく知ら
れた方法で培養される。マイトジェン存在下のみでIL−
2を産生する細胞においてmRNAを産生する場合は、培養
した細胞は倍地で良く洗った後、血清を含むかまたは含
まないローズウエルパークメモリアルインスティテュー
ト1640(以下、“RPMI 1640"と略す。),ダルベッコウ
変法イーグル培地(以下“DMEM“と略す。)またはクリ
ック培地のごとき倍地に再び浮遊する。これらの細胞培
養地には、ペニシリン,ストレプトマイシンまたは他の
抗生物質,L−グルタミン,ヘペス緩衝液,または炭酸水
素ナトリウムのような種々の添加物を細胞培養の分野で
一般に使われる濃度で加えても良い。好ましい細胞濃度
は0.5〜4×106細胞/mlである。mRNAの活性化とIL−2
の産生を誘導するために適当な刺激剤が加えられる。こ
の適当な刺激剤の中には、マイトジェン,ノイラミニダ
ーゼ,ガラクトースオキシダーゼ,塩化合亜鉛の如き亜
鉛化合物またはプロテインA,ストレプトリシン−Oの如
き細胞由来のリンパ球活性化因子が含まれる。刺激され
た細胞は回収され、洗浄される。マイトジェン刺激の
際、マクロファージまたはデンドリティック細胞を共存
させるとやはりmRNAを活性化し、あるいは活性化mRNAの
収量を増大させ得る。同様にRaji,Daudi,K562,BALL−1
の如きBリンパ球またはBリンパ球細胞株に由来する細
胞株を共存させてもmRNAは活性化され、または活性化mR
NAの収量を増大させ得る。
哺乳動物細胞を増殖させるために、細胞は通常の条件下
でin vitroで細胞培養により、または組織適合動物の体
内で維持される。mRNAの供給源を調製するためにin vit
ro培養による継代を行なう場合には、従来T細胞の生育
を促進することが知られている培地であればどのような
培地にもこれら細胞を生育する。これらの培地には哺乳
動物の血清,血清成分または血清アルブミンを添加して
も良い。mRNAの活性化のための培養時間は、mRNAを生成
するための活性化に必要な時間に対応する。この時間
は、通常IL−2の培地中への産生が開始されるまでに必
要な時間と対応している。好ましい時間は、マイトジェ
ン等の刺激剤を添加してから3〜12時間である。培養時
間が長すぎる場合、生成したIL−2 mRNAが分解されるこ
とがある。IL−2産生細胞の活性化に際し、PMAまたはT
PAの如きホルボールエステル類を10〜50ng/ml添加して
活性化レベルを上昇させることもできる。
IL−2 mRNA活性化のための上記工程はpH7.0〜7.4,温度
範囲32〜38℃の飽和水蒸気の環境下で行なわれる。
IL−2を産生する哺乳動物細胞を取得し培養する方法を
以下に述べる。
(イ)IL−2自発産生株の取得 ヒトTリンパ球由来白血病細胞であるジュルカット細胞
(フレッド・ハッチンソン・癌研究所/シアトル/アメ
リカ,ソーク研究所/サンジエゴ/アメリカ,西ドイツ
国立癌センター/ハイデルベルヒ/西ドイツ等で自由に
手に入る。)を1×106個/mlの細胞密度でクリック培地
中に懸濁させ、150レントゲン/分の照射速度で合計8,0
00レントゲンのX線照射を行なう。この後、本発明を0.
1細胞/200μ培地の細胞密度で96穴の平穴マイクロタ
イタープレート(「ファルコン3072」)に添加し、5%
牛胎児血清を含むクリック培地中で3週間37℃にて5%
CO2インキュベーター中にて培養する(限界希釈法によ
るクローニング)。細胞の生育が認められた培養ウエル
中の細胞は、細胞が底面全体をおおう密度に到達する前
に24穴のヌンク社製培養プレートに移し、クリック培地
中にて5日間細胞を増殖させる。さらに、本細胞を1〜
2×106個/mlの細胞密度にて血清も血清由来アルブミン
も含まない無血清合成培地に懸濁して2日間培養し、本
培養上清を遠心分離操作で分離し、次いで0.22μのミリ
ポアフィルターにてデブリス除去と無菌化を行なった。
このようにして得た培養上清のIL−2活性を測定するこ
とによってIL−2を自発産生するX線処理変異株が選択
され、かつクローニングされた。
(ロ)ヒト末梢血単核細胞よりIL−2産生株の取得ヒト
の末梢血を採血し、フイコール・ハイパークの密度勾配
遠心法により末梢血リンパ球(以下、PBLと略す)。を
採取する。本PBLを1×106個/mlの細胞密度で5%FCSを
含むクリック培地に懸濁し、各2ml宛24穴のヌンクの培
養プレートに接種する。ここにフイトマグルチニン−M
(ギブコ社製)を5μg/mlの週末濃度になるように100
μ添加し、上述の条件下に48時間培養し、次いで細胞
を培養液で洗浄し、再び1×105個/mlの細胞密度でクリ
ック培地1mlに接種する。さらに、コンカナバリンA
(以下、ConAと略す。)2.5μg/mlで48時間刺激したヒ
ト脾細胞から調製したコンディショニングした培地1ml
を加え、該コンディショニングした培地50%を含む培地
を3日毎に取り換えて、PBLからのヒトTリンパ球を長
期継代培養する。このように長期継代培養して得たTリ
ンパ球を、前述と同様の限界希釈法でコンディショニン
グした培地に由来するヒト脾細胞の存在下、クローニン
グを行ない、かつ同様に細胞増殖を行なう。こうして得
られたクローン化Tリンパ球を1×106個/mlの細胞密度
に10μg/mlのフイトヘマグルチニン(以下、PHAと略
す。)の存在下、24穴のヌンク培養プレート中のRPMI 1
640培地1mlに接種し、24時間,37℃で7.5%CO2インキュ
ベーター中にて培養した。本培養上清を遠心分離操作で
分離し、次いで0.22μのミリポアフィルターで無菌化を
行なった後、IL−2産生ヒト正常Tリンパ球クローンを
同定するために、IL−2活性検定を行なった。
(ハ)マイトジェン刺激でIL−2を生産するヒトリンパ
球由来悪性化細胞の取得 前述のジュルカット細胞や前記した限界希釈法によりク
ローン化されたJ−111株は、前記の無血清培地や血清
1〜2%を含むBPMI 1640培地中にてConA 10μg/mlやP
HA2.5μg/mlの存在下に24時間培養すると、10〜4,000単
位/mlのIL−2を産生することができる。また、これら
ヒト悪性化細胞は塩化亜鉛,プロティンA,ピシバニール
存在下に培養しても、IL−2を産生する。
(ニ)他の細胞もしくはその細胞の産生する因子の存在
下にマイトジェンで刺激することによりIL−2を産生す
る細胞の取得 ヒトリンパ球悪性化細胞Molt 4Fや前述の限界希釈法で
クローン化されたジュルカット細胞の1つのクローン,
ジュルカット99株は、上述のごときレクチンやマイトジ
ェンを広い濃度範囲で加えて24〜72時間培養してIL−2
を産生しない。ところが、この間モノカインの1種であ
るインターロイキン1を5〜10u/mlまたは50%のK562や
ラージ(Raji)細胞を共存させて37℃,24時間培養する
と、IL−2を確認しうる量(10〜100u/ml)産生する。
このようにして活性化された細胞よりIL−2mRNAを抽出
するには、細胞の種類を問わず常法によって行なえばよ
い。たとえば、NP−40,SDS,Triton−x100,デオキシコー
ル酸などの界面活性剤を添加して細胞を部分的または完
全に分解するか、ホモゲナイザーや凍結融解などの物理
的方法を用いて、細胞を部分的あるいは完全に破壊,可
溶化する。その際にRNaseによるRNAの分解を防ぐため
に、抽出液中にRNaseインヒビター、たとえばヘパリ
ン,ポリビニル硫酸,ベントナイト,マカロイド,ジエ
チルピロカーボネート,バナジウム複合体などを添加し
ておくのが好ましい。また、場合に応じては、抗IL−2
抗体を用いてIL−2合成途上のポリゾームを沈降せし
め、これよりmRNAを界面活性剤などで抽出する方法も行
ない得る。
また、poliAを含むmRNAの精製についてはオリゴdT−セ
ルロース,セファロース2Bを担体とするポリU−セファ
ロースなどのアフィニティ・カラムあるいはバッチ法に
よる精製法,SDG遠心法による分画,アガロースゲル電気
泳動法等によって行なうことができる。
上記の如くして得られたmRNAがIL−2mRNA活性を有する
ものであることを確認するためには、mRNAが蛋白に翻訳
させ、その生理活性を調べるか、抗IL−2ペプチド単ク
ローン性抗体を用い該翻訳蛋白を同定する等の方法を行
なえばよい。たとえばmRNAは通常、アフリカツメガエル
(Xenopus laevis)の卵にマイクロインジェクション
することにより(Gurdonら,Nature,233,177〜182(197
2))あるいは網状赤血球または小麦胚無細胞翻訳シス
テムを使用することにより対応する蛋白に翻訳される。
IL−2活性は、先にGillisら(Gillisら,J.Immunol.,12
0,2027〜2033(1978))によって基本的には述べらてい
るミクロ検定法によって確認できる。この検定法では、
Gillisらによって確立された方法に従って作成した細胞
障害性Tリンパ球細胞株(以下、CTLLと略す。)のIL−
2に依存細胞のDNA合成上昇(IL−2 dependent cellula
rproliferation)を指標している。即ち、4×103個のC
TLL細胞を2%のFCSを含むRPMI−1640培地100μに懸
濁し、100μの連続希釈した翻訳産物と共に96穴の平
底マイクロプレートに接種する。37℃,5%CO2下で20時
間培養した後、細胞を0.5μCi/ウエルの3H−TdRで4時
間ラベルし、自動細胞ハーベスター用いて帯状ガラス繊
維上に細胞を回収し、細胞が取り込んだ放射能を液体シ
ンチレーション法で測定する。この検定により、IL−2
存在下に培養されたCTLL細胞が投与量に依存して3H−Td
Rを取込むことが判明し、このことから液体中に含まれ
るIL−2量を明確に計算することができる。
IL−2はTリンパ球の増殖を促す活性を有するので、IL
−2活性をTリンパ球の増殖を指標として測定すること
ができる。促ち、5個のCTLL細胞を2%のFCSを含むDME
M100μに懸濁し、100μの連続希釈した翻訳産物と
共に96穴の平底マイクロプレートに接種する。72〜96時
間,37℃,5%CO2下で培養した後、活性化し増殖した細胞
の数を顕微鏡下で計測する。対照群として100U/ml,10U/
mlのIL−2を用い、この対照群の増殖した生細胞数と比
較して検体のIL−2活性を求める。
このようにして最も高活性の画分から得られたIL−2 mR
NAはds−cDNAを合成するための鋳型として用い、ds−cD
NAはベクターDNAと結合させる。cDNAの合成は従来の方
法によって行なう。
まず、mRANを鋳型し、オリゴdTをプライマーとして2AT
P,dGTP,dTTPの存在下で逆転写酵素によりmPNAと相補的
なss−cDNAを合成し、アルカリ処理で鋳型mRNAを分解除
去した後、今度は単鎖cDNAを鋳型にして逆転写酵素ある
いはDNAポリメラーゼを用いてds−cDNAを合成する。
このようにして得られたds−cDNAと原核生物で複製でき
るレプリコンを含むベクターDNAから組み換えDNA体が作
られる。しかる後、この組み換えDNA体は宿主細胞に組
み込まれる。
このds−cDNA及び原核生物で増殖し得るベクターDNA
は、これらを結合させる前にエキソヌクレアーゼ処理,
化学合成DNA断片の追加,ds−cDNAやベクターDNAの末端
に連結可能な端末をつけるためにC,C−鎖を伸ばすなど
の各種処理によって装飾される。これらの連結可能なDN
Aは、例えばATP共存下にT4ファージのDNAライゲースに
よってつぎ合わせることが出来る。
このようにして調製された組換えDNA体によってクロー
ン化されたcDNAを増巾させるため又はIL−2ポリペプチ
ドを製造するために生細胞を形質転換する。
IL−2生産のための適当な原核生物宿主としてはエシェ
リヒア・コリ,パチルス・ズブチリスなどが含まれる。
宿主細胞中でのDNA増巾のためにはエシェリヒア・コリ
を宿主とすることが出来るが、その他の宿主細胞とする
ことも出来る。
適当なエシェリヒア・コリ用ベクターとしてはEK型プラ
スミベクター(ストリンゼント型)としてpsC101,pRK35
3,pRK646,pRK248,pDF41など.,EKタイププラスミドベク
ター(リラックスドタイプ):Co1E1,pVH51,pAC105,RSF2
124,pCR1,pMB9,pBR313,pBR322,PBR324,pBR325,pBR327,p
BR328,pKY2289,pKY2700,pKN80,pKC7,pKB158,pMK2004,pA
CYC1,pACYC184,dul等.,λgtタイプファージベクター:
λgt.λc,λgt.λB,λWES,λC,λWES.λB,λZJvir.,λ
B′,λALO,λB,λWES.Ts622,λDam等が含まれてい
る。一般に、pBR322はエシェリヒア・コリ用ベクターと
してしばしば利用されてきたが、この場合最も良いクロ
ーニング部位はPst1ならびにEcoR1部位である。
組換えDNA体を用いた宿主細胞の形質転換には、通常よ
く用いられる次の方法がある。エシェリヒア・コリの如
き原核生物が宿主の場合、このDNAを取り込むことの出
来るコンピテント細胞は対数増殖期における細胞を回収
後、よく知られているCaCl2法によって形質転換出来
る。形質転換反応液中にMgCl2又はRbClを共存させれば
形失転換効率は向上する。また、宿主細胞のプロトプラ
スト調製後形質転換させることも可能である。
IL−2遺伝子を保有する細胞は、次の2つの方法の何れ
かの用いて形質転換後分離可能である。
(1) プラス−マイナス法:抗原刺激した哺乳動物細
胞抽出液より蔗糖密度勾配遠心分離にて11−12S画分と
して部分精製したIL−2mRNAを調製し、この部分精製mRN
Aを鋳型として32P−放射能ss−cDNAを合成する。アルカ
リ処理にて鋳型mRNAを除去後、単離されたcDNAは、抗原
刺激しない哺乳動物細胞ら抽出され、部分精製した11−
12SmRNAでハイブリダイズする。引続いてハイブリダイ
ズしなかったcDNAとハイブリダイズしたcDNAはハイドロ
キシアパタイトカラムクロマトグラフィーで分画する。
ハイブリダイズしなかったcDNAとハイブリダイズしたcD
NAをそれぞれプローブA、及びプローブBと呼ぶ。何れ
の組換え体も同一の方法によりそれぞれニトロセルロー
ス濾紙上で生育させる。そして、細胞のDNAをアルカリ
処理にて濾紙上に固定する。プローブA及びBをそれぞ
れ、二つの異った濾紙上でDNAとハイブリダイズさせ
る。その後、オートラジオグラフィーを行ってプローブ
Aと陽性に反応する組換え体(プラス)、プローブBと
僅か又は反応しない組換え体(マイナス)を選別する
(谷口ら;Proc.Jap.Acad.,V155B 464〜469(1979). (2) 第2の方法は、例えば100〜10,000の組換体ク
ローンを2〜30ないし2〜300クローン宛のクローング
ループに大別し、それぞれのクローングループをそれぞ
れ常法によって培養しプラスミドDNAsを調製する。次い
で、これらプラスミドDNAsを例えば熱変性してss−cDNA
をニトロルセルロース濾紙上に固定し、活性化IL-2-mRN
Aを含有する哺乳動物細胞から調製されたmRNAと相補的
にハイブリダイゼーションを行う。あるいはまた、IL−
2 mRNAを含有するmRNA(混合物)を熱変性したプラスミ
ドDNA(混合物)とハイブリダイズさせるとDNA−mRNAハ
イブリッドがニトロセルロース濾紙上に固定される。こ
の濾紙を1mMのHEPES、あるいは10mMの食塩水のごとき低
塩類緩衝液で洗浄し、濾紙上に吸着されたmRASを0.5mM
EDTA;0.1%SDS溶液含有液で例えば95℃,1分間処理して
抽出する。精製mRNAはこれをoligodT−セルロースカラ
ムクロマトグラフィーにて溶出回収する。次いで、mRNA
をアフリカツメガエル卵母細胞にマイクロインジェクシ
ョンして蛋白質に翻訳してIL−2活性を確認する。ある
いはmRANAに依存性の網状赤血球系又は小麦胚のin vitr
o無細胞合成系を用いてこのmRNAを蛋白に翻訳させ、抗I
L−2抗体を用いてIL−2−活性を分析することが出来
る。これらの方法によってIL−2活性が検出されたグル
ープをさらに少数の組換え体クローンを含有する群に類
別し最終手にはIL−2 DNAを有する単一クローンが得ら
れるまで繰返し実施する。
IL−2産生能のある組換え体よりIL−2ポリペプチドを
コードするcDNAを得るには、先ずトランスフォーマント
中の組換えDNA体を分離し、これを制限酵素エンドヌク
レアーゼで切断する。切断によって得られるNNA分画よ
り組込まれたcDNA画分を分離する。
pIL−2−50Aを組換えたDNAよりIL−2ポリペプチドを
コードするPst1 DNAインサートの全ヌクレオチド配列
は、Maxam and Gilbert法(Meth.Enzym.65,499〜560,
(1980));ならびに二デオキシヌクレオチド鎖末端法
(Smit,A.J.M.Meth.Enzym.65,560〜580,(1980))にて
決定された。
cDNAインサートの制限酵素エンドヌクレアーゼによる切
断図を第1図及び第2図(a)に示す。第2図(a)に
示すごとく、このcDNAはそれぞれBstN1,Xba I,BstN Iな
る制限酵素エンドヌクレアーゼで切断される構造を有す
る。
本cDNAインサートのDNA配列は1つの大きなオープンリ
ーディングフレームを保有する。真核生物の読み取り開
始配列となることの多い第一のATG配列(Kozak,M,Cell,
15,1109〜1123(1978))は、5′一端から48−50ヌク
レオチド位に存在し、読み終り配列TGAが存在するヌク
レオチド位507−509迄152の配列がこのATGにつながって
いる。mRNAの3′−poly(A)末端に相当するAのつな
がりがcDNA末端に見出され、通常真核生物mRNAのほとん
どに見出される6個からなるヌクレオチドAATAAA(771
−776位)が先に位置する。
(Proudfoot,N.J.& Brownlee C.G.,Nature 263,211-21
4,(1976)) cDNAによってコードされるアミノ酸配列は第2図(b)
アミノ酸配列1)のごとく演えきでき、しかもアミノ酸
配列Iのポリペプチドは153個のアミノ酸からなり、そ
の分子量は17631.7ダルトンと計算される。今日迄知ら
れている分泌蛋白の殆んどに見られると報告されている
ように(Blobel G.et al,Sym.Soc.Exp.Med.,33,9〜36
(1979))、上記演えきIL−2ポリペプチドのN末端領
域はやはり疎水性である。本領域は成熟IL−2の分泌時
に切断されるシグナルペプチドの役割を果しているであ
ろう。切断は20−21位のSerとAla間で起るか21−22位間
のAla-Pro間で切断されるアミノ酸配列IIおよびIIIを有
するポリペプチドを生成する。何故ならば同様な切断位
置は今迄知られたその他の分日蛋白にもしばしば見出さ
れているからである(Blobel,G.et al,Symp.Soc.Exp.Me
d.,33,9〜36(1979))。従って、成熟IL−2ポリペプ
チドは133ないし132個のアミノ酸から成り、分子量は15
420.5または15349.4ダルトンと算出される。本分子量値
はジュルカット細胞から得られたヒトIL−2蛋白の分子
量(15000ダルトン)として報告されたものを対比され
る (Gillis .et al,Immunological Rev.,63,67〜209(198
22))。また実施例3に示すごとく塩基配列111〜113位
にあるCCT配列から始まるDNA画分、即ち、22位に位置す
るProから始まるポリペプチドに対するコード(第2
(b)図中のアミノ酸配列III)はIL−2活性を有する
ポリペプチドを表現していることが確認された。塩基配
列107〜110位にあるGCAから始まるDNA画分、即ち第2
(B)図のアミノ酸配列IIに示すごとく、21位に位置す
るAlaから始まるポリペプチドをコードするDNA画分は、
実施例6に示すごとくIL−2活性を有するポリペプチド
を表現していることが確認された。
有該生物の遺伝子はヒトインターフェロン遺伝子でも知
られている様に多形現象を示すことが知られている(谷
口ら,Gene 10,11〜15(1980),大野,谷口.,Proc.Nat
l,Acad.Sci.USA,77,5305〜5309(1981);Gray et al,Na
ture 295,501〜50(1981))。この多形現象によって、
蛋白生産物のアミノ酸のあるものが置換される場合もあ
れば、塩基配列の変化はあっても全く変らない場合もあ
る。ヒトIL−2・cDNAの場合、pIL-2-50A cDNAの503位
のA残基がG残基で置き換えられた他のcDNAクローン
(pIL-2-503)も検出できる。pIL-2-50A cDNAとは塩基
配列が異なるその他のcDNAクローンの存在も期待でき
る。
上記説明からも明らかごとく、本発明の遺伝子は、第2
(a)図に示された塩基配列するDNA,48−50位のATG配
列から始まり、504〜506位にある少くともACT配列に至
る連続塩基配列を有するDNAs,108-110位のGCA配列から
始まり、GCA配列から少なくともACT配列に至る連続塩基
配列を有するDNA,また111-113位のCCT配列から少なくと
もACT配列に至る連続塩基配列を有するDNAを包含する。
本発明の遺伝子はまた、504〜506位のACT配列に終り、
1位のAに始まるDNA,48-50位のATGで始まるDNA,108-11
0位のGCA配列で始まるDNA又は111-113位のCCT配列で始
まるDNAを包含する。更に本発明の遺伝子は、507〜509
のTGA配列に終り、1位のAに始まるDNA,48〜50位のATG
配列で始まるDNA,108〜110位のGCA配列で始まるDNAまた
は111-113位のCCT配列で始まるDNAを包含する。更に本
発明の遺伝子は、801位のCで終り、1位のAで始まるD
NA,48-50位のATGで始まるDNA,108-110位のGCAで始まるD
NAまたは111-113位のCCT配列で始まるDNAを包含する。
本発明の遺伝子はまたpoly(A)で終り、48-50位のATG
配列から始まるDNA,108-110位のGCA配列で始まるDNAま
たは111-113位のCCT配列で始まるDNAを含む。また、本
発明の遺伝子は、アミノ酸配列I,II,IIIに相当する塩基
配列を有する遺伝子を含む。アミノ酸配列Iの中で1個
ないしそれ以上のアミノ酸を欠くポリペプチド、あるい
はアミノ酸配列Iの中の1個ないしそれ以上のアミノ酸
が1個ないしそれ以上のアミノ酸で置換されたポリペプ
チドはIL−2活性を有することもあり、従ってこの様な
ポリペプチドをコードする遺伝子は本発明の遺伝子とし
て使える。同様にアミノ酸配列I,IIまたはIIIに対して
1個ないしそれ以上のアミノ酸を表現し得る1個ないし
それ以上の塩基を余分に結合した遺伝子であっても追加
されたアミノ酸が、ポリペプチドのIL−2活性発現に邪
魔しない限り本発明の遺伝子の中に包含される。IL−2
としてのポリペプチド機能を阻害する追加アミノ酸配列
を有する修飾領域であっても新たに追加さた領域が容易
に除去出来るものならば本発明の遺伝子として利用出来
る。同じことはアミノ酸配列I,IIおよびIIIに対応する
遺伝子のアミノ配列I,IIおよびIIIのC−末端にアミノ
酸追加をコードするDNAが3′−末端に追加結合せしめ
たDNAの場合にも言える。
上記の如くして得られた本発明の遺伝子を利用してIL−
2を生産するには、まず本発明の遺伝子を含有する組換
えDNA体を作り、次いで該組換えDNA体により宿主細胞を
形質転換し、該形質転換された生物細胞を培地で培養す
ればよい。
生細胞中でIL−2産生をする組換えDNA体は、次の各種
方法で作られる。例えば、IL−2・cDNAをコードする配
列を発現ベクターのプロモーター配列下流に挿入する。
あるいはプロモーター配列を持つcDNA片を発現ベクター
のcDNA挿入の前あるいは後にIL−2をコードする配列の
上流に挿入することが出来る。
IL−2−cDNAを発現し、IL−2−ポリペプチドを産生す
る原核生物の造成法を詳述すれば以下の通りである。
(1) エシェリヒア・コリによるIL−2・cDNAの発現 エシェリヒア・コリ中でIL−2・cDNAを発現させるとき
には、先ずcDNAを各種細菌プロモーターと結合せしめた
後、プロモーター下流にcDNAを含有するハイブリドプラ
スミドを作る。このプラスミドを、例えばエシェリヒア
・コリHB101に感染させ、ヒトIL−2活性を有する蛋白
を生合成する細菌がクローンされる。本来細菌のプロモ
ーターならば如何なるものでもcDNAに適当に接続されて
いればIL−2−cDNAを発現する。この様なcDNAの発現例
は以下のとおりである。
IL−2をコードするクローン化cDNAは第2図に示される
様な153個のアミノ酸からなるポリペプチドをコードす
る。本ポリペプチドの20個のアミノ酸に相当するN−末
端領域は極めて疎水性であり、殆んどの分泌蛋白の特徴
でもある。この様な疎水性配列はシグナル配列と称し分
泌過程で切断される。故に、成熟IL−2ポリペプチド
は、153個のアミノ酸より少ない筈である。このことか
ら、成熟IL−2ポリペプチドをコードするcDNA部分を発
現させることが望ましく、IL−2シグナル配列相当部分
を発現させるのは望ましくはない。
(i) プラスミドベクターpTrs-3の構築 pTrs-3は、エシェリヒア・コリTrpプロモーターを含
み、pTrs-3のリーダーペプチドのためのリボソーユ結合
部位(SD配列)は既に報告されている(G.Miozzari and
Yanofsky J.Bacteriol.133,1457〜1466(1978))。SD
配列の下流13塩基対にあるATGコードンの存在も報告さ
れている(Nishi et al,生化学54,No.8.676(198
2))。このプラスミドベクターはまた、ATG開始配列
(第3図)の下流に一つのSph I部位を含んでいる。
IL−2・cDNAを発現させるため、先ずプラスミドをSph
Iで消化しエシェリヒア・コリDNAポリメラーゼI
(クレノウ(klenow)フラグメント)または、バクテリ
オフォージT4 DNAポリメラーゼIで処理し3′−位突き
出し末端を除去する(第4図(a))。プラスミドpIL-
2-50AをPst IおよびHgiA Iで2回消化し、より大きいcD
NA画分を単離する。次いでDNAをエシェリヒア・コリDNA
ポリメラーゼI(クレノウフラグコメント)又はバクテ
リオファージT4 DNAポリメラーゼで処理し3′−突き出
し末端を切りはなす。この処理をしたcDNAは132個のア
ミノ酸のIL−2ポリペプチドをコードする(第4(a)
図)。このcDNAを上述のごとく前処理したpTrs−3プラ
スアミドDNAに接合せしめ、ATG開始コードンをIL−2cDN
AのCCT(Pro)配列につなぎ合せる。こうしてプラスミ
ドpT IL-2-22が得られる。trpプロモーター配列とpT IL
-2-22のIL−2cDNA配列の結合は第4(a)図に示す。
プラスミドpT IL-2-22はエシェリヒア・コリによりプロ
リンから始まる132個のアミノ酸からなるIL−2ポリペ
プチド合成を指令する。
(ii)成熟IL−2はプロリンの代りにN−末端アミノ酸
としてアラニン(21位)を含むこともあり、133個のア
ミノ酸から成るIL−2ポリペプチド合成を指示するプラ
スミドを以下の如く作ることができる。
プラスミドpTrs−3はSD配列とATG配列との間に1つのC
Ia I切断部位がある(第3図)。本プラスミドはCIa I
とSal Iで切断される。プラスミドpIL-2-50AをPst Iで
部分分解し、エシェリヒア・コリDNAポリメラーゼIで
処理し、最も長いDNAを単離する。次いでDNAを制限酵素
Xho I切断部位を含む合成DNAリンカーと結合させ、IL−
2をコードする配列の3′−側下流にDNAリンカーを導
入したプラスミドpIL-2-50A(Xho)を含むクローンを単
離する。プラスミドpIL-2-50A(Xho)を先ずHgiA Iで切
断し、エシェリヒア・コリ クレノウフラグメントまた
はT4 DNAポリメラーゼで処理し、Xho Iで消化すればcDN
A画分が単離できる。このcDNAフラグメントをCIa Iおよ
びSal Iで前記したpTrS-3- DNAに結合させ第4(b)図
の如く合成DNAにつなげる。かくしてAlaからスタートす
る133個のアミノ酸から成るIL−2ポリペプチドをエシ
ェリヒア・コリ中で合成させるプラスムドpTIL-2-21が
得られる。(第4(b)図)。同様なことはXho Iリン
カーを使用しなくとも作られる。
(iii) 異ったN−末端アミノ酸を有する異った大き
さのIL−2ポリペプチドはpTrS-3発現プラスミドクター
を用いても作られる。以下に示すごとく、PIL-2-50Aに
クローンされたIL−2 cDNAはヌクレオチド結合部位81−
85に唯一だけDde I部分を有する。プラスミドpIL-2-50A
(Xho)を、Dbe Iで切断し、cDNAのより大きい区分を含
有するDNA画分を単離する。本画分はpBR322より3000塩
基対を有するDNAを含んでいる(第4(c)図)。DNA画
分をエクソヌクレアーゼBal 31で処理し、次いでXho I
で切断する。ここで得られたDNAをSph Iで切断したpTrS
-3と結合せしめ、KlenowフラグメントまたはT4 DNAポリ
メラーゼで処理し次いでSal Iで消化する(第4(c)
図)。つなぎ合せたDNAをエシェリヒア・コリHB 101に
感染させ、ヒトIL−2を発現するクローンを検索する。
これらのクローンは色色な大きさのヒトIL−2を発現す
る筈である。何故ならばヒトIL−2のN−未満領域に相
当するDNAは種々切断除去されるからである。かくしてI
L−2 cDNAを含有するpTIL-2-14と15が得られる。
(iv)IL−2 cDNAはまたはpKT 218(Talmageより提供を
受けた;Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77,P.3369〜3373(198
0))を用いても発現可能である。プラスミドpKT 218は
Pst Iで切断し、pIL-2-50AをHgiAIとPst Iで切断(第5
図)して得たIL−2 cDNA挿入部分とつなぎ合わせる。出
来上ったプラスミドpKIL-2-21は第5図に示したよう
に、蛋白合成開始の始発位に配列を有している。したが
って、このプラスミドpKIL-2-21はIL−2の133個のアミ
ノ酸とβ−ラクタマーゼのアミノ酸からなる両者が融合
したポリペプチドからなり、これをエシェリヒア・コリ
中で合成することが出来る筈である(最初のメチオニン
はエシェリヒア・コリでは切断除去される)。
(v)p-BR.322にtufBに対するプロモーター配列を挿入
したプラスミドpTuBlp-5の発現は既に行なわれている
(谷口ら,生化学53 966(1981))。このプラスミドは
一つのCla I切断部位を含み、第6図に示すごとく本切
断部位はSD配列の2塩基対だけ下流に位置する。pTrS-3
もまたSD配列とATG始発配列の間にある一つのCla I切断
部位を含み、同時にこのCla I部位はpTrS-3とIL−2 cDN
Aを用いて発現用プラスミドを作る過程で壊されないの
で細菌TrpプロモーターをtufBプロモーターで置き換え
ることは極めて簡単である。従ってヒトIL−2 cDNAはtu
fBプロモーターの制御下で発現される。例えばpTIL-2-2
2をCla IとPvu IIで切断し、IL−2 cDNAを含むDNA画分
を分離する。次いでこの画分pTuBlP-5でつなぎ合わせ、
Cla IとPvu IIで予め切断後、第6図に図示される様に
プラスミドpTuIL-2-22が造成される。IL−2活性はプラ
スミドpTuIL-2-22を含むエシェリヒア・コリHB101の抽
出液に検出できる。
(vi)例えばpTIL-2-21を使っても、また基本的にはpTr
S-3を用いて達成したすべての発現用プラスミドを用い
ることによっても同様に造成できる。また例えばpTuIL-
2-22をCla Iで切断し、Bal31またはSIまたはDNAポリメ
ラーゼI(エシェリヒア・コリ)にてDNAの塩基対2−
3個を除去または補充し再度プラスミドをつなげること
によってSDおよびATG配列の距離を至適の長さにするこ
とも可能である。
次いで、組換えDNA体を挿入したエシェリヒア・コリ,
バチルス・ズブチリスの如き形質転換された原核生物細
胞を培養して組換えDNA体を増巾し又はIL−2ポリペプ
チドを生産する。この培養は通常の方法で行なわれる。
細胞内または細胞外に生産されたIL−2硫安沈澱,塩類
除去のための透析(常圧または減圧下),ゲル濾過,ク
ロマトグラフィー,等電点平板上濃縮,ゲル電気泳動,
高速液体クロマトグラィー(以下HPLCと略記),(イオ
ン交換,ゲル濾過並びに逆相クロマトグラフィー),及
び色素結合担体、IL−2に対するモノクローナル抗体を
結合した活性化セファロース4B又はレクチン結合セファ
ロース4B等によるアフィニティクロマドグラフィー等,
公知の方法によって回収することができる。IL−2の単
離精製法はWatsonら(J.Exp.Med.,150,849-861(197
9),Gillis et al,J.Immunol.,124,1954-1962(1980),
Mochizuki et al,J.Immunol.,Methods 39,185-201(198
0),Welte,K et al,J.Kxp.Med.156,454-464(1982))
によって報告されている。
かくして得られたポリペプチドはマイトジェン刺激によ
って哺乳動別細胞から作られるIL−2について知られて
いるものと同一の生化学的並びに生物学的挙動を示しIL
−2活性を有する。分子量は約15000ダルトンでありIL
−2活性は、Igsorb(Enzyme Center)の様な免疫吸着
剤の有無にかかわらず完全に中和され、またはモロクロ
ーナル抗IL−2抗体で沈澱した。免疫電気泳動におい
て、IL−2ポリペプチドは、対応する抗IL−2抗体に対
して唯1個の沈降線を示す。IL−2活性は2−メルカプ
トエタノールで還元後も安定であり、DNAse及びRNAse処
理しても、又56℃,30分熱処理しても安定である。活性
はpH2〜9で安定である。この様にして生産されたIL−
2はモノクローナルな機能を有するT細胞(細胞障害性
Tリンパ球)の増殖を促進し、胸腺細胞の分裂を強め、
更に抗原非存在下、メモリー状態から抗癌特異的細胞障
害Tリンパ球への分化を惹き起こす。また、YAC-1細胞
やRL 1細胞に対するナチュラルキラー細胞の活性化の
増強に役立つ。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
実施例1 (1) ヒトT細胞系白血病細胞株であるジュルカット
細胞(日本、西独および米国では自由に入手可能であ
る)を10%FCSを含むPRMI 1640培地にけん濁し、X線照
射装置Exs 150/300-4(東芝・日本)により50秒間、室
温で10,000レントゲンに達するまで照射した。その後照
射された細胞は上述の培地中、初期細胞密度1×105個/
mlで5%炭酸ガス、37℃のインキュベーター中で5日間
培養した。
この変異細胞(0.2個/穴)を96穴の平底のマイクロプ
レートの10穴にまき、5%炭酸ガス、37℃のインキュベ
ーター中で21日間培養した。生育してくる穴から得られ
るクローンはクローン量を増加させるため新たな培地へ
移し、その増加したクローンはConA 50μg/ml存在下で
初期細胞密度1×106個/mlで24時間培養した。そしてIL
−2活性は前述の方法に従って測定した。
この結果、ジュルカット−111(ATCC CRL 8129)(以後
“J−111"と称する)と命名されたヒト細胞株が親株の
ジュルカットからクローン化、選択され、この細胞のIL
−2生産能は親株の40倍に増加していた。
このクローン化したJ−111細胞株は通常条件下で増殖
し、その増殖速度は通常のジュルカット細胞とほとんど
同じであった。
(2) J−111細胞(1×105個/ml)を無血清合成培
地RIT C 55-9(Sato,T.et al.,Exp.Cell Res.,138,127-
134,(1982))1000mlに接種し、ローラー培養ボトル
(ファルコン3027)内で37℃、4日間培養し、増殖した
細胞を遠心分離により取得した。この細胞を再び4×10
6個/mlとなるように上述のConA 25μg/ml含有培地に接
種した。ローラー培養ボトル(ファルコン)4バッチの
各々に細胞を接種した培養液100mlを入れ、6時間回転
培養した。
(3) このようにCoaA 25μg/mlで6時間刺激したジ
ュルカット細胞(1.2×106)は生理食塩−リン酸緩衝液
(以後PBSと略す)8.000mlに懸濁した。この細胞は遠心
操作により2回洗浄し、ヌクレアーゼ阻害剤であるリボ
ヌクレオシドーバナデイル複合体(10mM)を含有するRS
B溶液(10mlトリス−塩酸緩衝液、pH7.5、10mM NaCl、
1.5mM MgCl2)800mlに再懸濁した。その後、界面活性剤
NP−40を最終濃度0.05%となるように加え、ゆっくり混
合し、細胞核を3,000rpm、5分、4℃下で遠心し分離し
た。SDS(0.5%)及びEDTA(5mA)を上清液へ加え、細
胞質RNAを上清液と同量のフェノールを加え抽出した。
フェノールによる抽出を3回繰返した後、RNAは2培量
のエタノールにより沈澱され、本沈澱物を遠心により集
め、pH7.5の10mMTトリス−塩酸に溶解した。得られたRN
A量は196mgであった。
mRNAの分画はオリゴ(dT)−セルロース(P.L.Biochemi
cals,Type 7)のアフィニティークロマドグラフィーを
使用し行った。吸着液は20mMトリス−塩酸、0.5M NaC
l、1mM EDTA及び0.5%SDSを含むpH7.5の溶液であり、
溶出はカラム緩衝液(20mMトリス−塩酸、pH7.5、0.05M
NaCl、1mM EDTA)で洗浄後、水と10mMトリス−塩酸
(pH7.5)で交互に行った。溶出により得られたmRNAは
3.6mgであった。次にこの得られたmRNA 2.4mgを蔗糖密
度勾配遠心法(50mM トリス−塩酸、1mM EDTA、0.2 M
NaClを含むpH7.5の溶液中で蔗糖密度勾配5−25%、26,
000rpmで4℃下24時間)により分画した。mRNAの11から
12Sが分画No.12、13、14へ分画され、各々59μg、46μ
g、60μgであった。
(4) No.13の分画に得られたmRNAをアフリカツメガ
エル(Xenopu Iaevis)の卵母細胞へ注入した(50ng mR
NA/卵母細胞)。この卵母細胞の培養液をIL−2活性測
定した。表1に示す如く、3H−チミジン(3H-TdR)の取
込みの上昇及び活性化Tリンパ球数の増加を確認され、
明らかにこの分画中のmRNAはヒトIL−2 mRNAを含んでい
る事が立証された。
(5) その後IL−2 mRNAを含む11〜25S mRNAのNo.13
分画からin vitroでcDNAを合成した。
組換え体DNAはプラスミドベクターpBR 322と構成した。
組換え体DNAをエシェリヒア・コリに形質転換し、IL−2
cDNAクローンを獲得したクローンを以下に示す如き方
法により選択した。
(5−1)50mM トリス−塩酸緩衝液(pH7.5)、30mM N
aCl、6mM MgCl2、5mMジチオスレイトール(以後DTTと略
す)、0.05mMの各dATP、dGTP、dCTP、dTTP(dCTPは32P
放射標識したものを含む)、0.7μgオリゴ(dT)10、1
0μg mRNA及び15単位AMV逆転写酵素(J.W.Beard)を混
合し、41℃下で90分保った。反応終了後、DNAはフェノ
ール処理後エタノール沈澱物として回収し、このDNAお2
0mMトリスおよび1mM EDTAを含むpH7.5の溶液に溶解し
た。
ss−cDNA2.5μgが合成された。本反応液よりmRNAを除
くために反応液にNaOH溶液を加えて0.33N NaOH溶液と
し、室温にて15時間置き、次いでpH7.5の1Mトリス−塩
酸緩衝撃液を同量加えて中和しクファデックスG−50カ
ラムをカラムを通した。回収されたcDNAは1.8μgであ
った。
(5−2)50mM リン酸緩衝液(pH7.5)、10mM MgC
l2、10mM DTT、0.75mMの各dATP、dGTP、dCT、dTTP(dCT
Pは3Hで標識したものを含む)、1.8μg cc-cDNAおよび
8単位ポリメレースI(BRL、米国)を混ぜ15時間、15
℃で反応を行った。反応終了後DNAをフェノール及びク
ロロホルム処理後エタノール沈澱物として回収した。1.
10μgのds−cDNAが生成した。50mM酢酸ソーダ(pH4.
5)、0.2M MaCl、1m ZnCl2および1.10μg二本鎖cDNAの
混合物を37℃で30分間インキュベートした後0.25単位の
ヌクレアーゼS1(三井、日本)を加え、さらに15分間イ
ンキュベートした。反応終了後、フェノール処理を2回
行った反応生成物をセファデックスG−50へ供し、二本
鎖cDNA0.55μgを得た。
(5−3)0.14Mカコジル酸カリウム、30mM トリス塩
基、0.1mM DTT、1mM CoCl2、0.64mM32P−dCTP(比活性
2.7×106cpm/n mol)、0.55μg ds−cDNAおよび5単位
のターミナルトランスフェラーゼ(BRL)を混合し、37
℃で7分間インキュベートした後フェノール処理し、次
いでセファデックスG−50カラムに供し、エタノール沈
澱物として0.50μg DNAを得た。回収したことのDNAは約
50個のdCMPの残基が両3′末端に付加されている事が判
明した。
pBR 322 DNA 10μgを制限酵素Pst Iで切断したのちdCT
PのかわりにdGTPを用いたこと以外は前述のds−cDNAにd
CMP鎖を付加したときに用いた方法と全く同じ条件によ
り、切断したDNAの両3′末端にdGMP鎖を付加した。
(5−4)50mM トリス−塩酸(pH7.5)0.1M NaCl、5mM
DETA、0.05μg dGMP残基付加pBR 322および0.01μg dC
MP残基付加cDNAをまず65℃で2時間、次いで46℃で120
分間、さらに37℃で60分間、そして室温60分間インキュ
ベートした。
エシェリヒア・コリ χ 1776(Curtiss III,R.et al.,
in Molecular Cloning of Recombinant DNA,(W.A.Scot
t&R.werner ed.)Academic Press,(1977))を50mlの
L培地(100μg/mlのジアミノピメリン酸、50μg/mlの
チミジン、1%トリプトファン、0.5%酵母エキス、0.5
%NaClおよび0.1%グルコースを含む)に接種し培養液
の吸光度が562nmで0.3付近になるまで、37℃で振とう培
養した。培養終了後、培養液を30分間0℃に保持し、菌
体を遠心分離により集め、5mM トリス−塩酸(pH7.
6)、0.1M NaCl、5mM MgCl2および10mM RbClを含む溶液
25mlで2回洗浄した。
得られた菌体を5mM トリス−塩酸(pH7.6)、0.25M KC
l、5mM MgCl2、0.1M CaCl2および10mM RbClを含む溶液2
0mlに懸濁し、0℃で25分間静置後、菌体を集め上記と
同じ溶液1mlに菌体を再懸濁し、得られた菌体懸濁液の
0.2mlに上記霧換え体DNAを入れ、0℃で60分間静置し
た。その後L培地0.7mlを加え37℃で30分間振とう培養
した。こうして得られた培養液(0.1ml)を100μg/mlジ
ミノピメリン酸、50μg/mlチミジンおよび15μg/mlテト
ラサイクリンを含むL培地の1.5%寒天培地上に一面に
塗抹し、37℃で2日間インキュベートした。
(5−5)出現した432のコロニーを18のグループに分
け、(その各グループは24の異なるバクテリアクローン
を含む)100μg/mlのジミノピメリン酸、50μg/mlのチ
ミジンおよび10μgのテトラサイクリンを含むL培地20
0mlに接種し、37℃で5〜7時間振とう培養した。次に
最終濃度170μg/mlとなるように加えられたクロラムフ
ェニコールを含む新たなL培地200mlを加え、さらに一
晩培養した。
このようにして増強されたプラスミドDNAを常法に従い
精製した。
IL−2 cDNAを有するクローンmRNAハイブリダイゼーショ
ン−トランスレーションアッセイ(以後H−Tアッセイ
と略称する)により選択した。
ここで用いられたH−Tアッセイは以下に示す如く行っ
た。
純化したDNA(25μg)を制御酵素HindIIIにより開裂し
フェノールで3回、フェノール−クロロホルムおよびク
ロロホルムで各々処理し、エタノールで沈澱させ80%エ
タノールで洗浄し、80%ホルムアミド40mlに溶解した。
反応液を変性させるため90℃で5分間加熱後10×SSC
(1.5M NaCl、0.15M クエン酸ソーダ)で1.3mlに希釈
した。その後、本DNAをニトロセルロース濾紙上に固定
し、これを80℃で3時間乾燥させ、50%ホルムアミド、
20mM Pipes(pH6.5)、0.75M NaC、5mM EDTA、0.2%SdS
及びJ−111細胞由来のpoly(A)mRNA250μgを含む溶
液中で37℃、18時間インキュベートし、濾紙上に固定さ
れたDNAとIL−2mRNAをハイブリダイズした。
次にその濾紙を65℃で3回pH6.5の10mM Pipes,0.15M Na
Cl溶液、1mM Pipes,10mM NaCl溶液で洗浄し0.5mM EDT
A、0.1%SDS溶液で95℃、1分間処理し濾紙からハイブ
リダイズしたmRNAを回収した。
このよううにして抽出したmRNAを常法に従ってオリゴdt
−セルロースカラム上で精製し、アフリカツメガエル卵
母細胞へ注入し、翻訳された蛋白のIL−2活性を測定し
た。
各々24クローンからなる18グループのうちの1グループ
が前述の3H−TdR取込みによるアッセイで48単位/mlのIL
−2活性陽性を示した。一方他のグループは明らかに陰
性であった。
次に、陽性のグループに属する24の各単一コロニーを既
述と同じ組成のL培地200mlへ接種し、37℃で5〜7時
間好気的に培養し、同様にクロマムフェニコール含有の
L培地をさらに添加した。
一晩培養して、プラスアミドDNAを増強後、プラスミドD
NAを同様に標準法に従って精製した。HindIIIで各プラ
スミドDNA約5μgを開裂後、各プラスミドを同様にニ
トロセルロース濾紙へ固定した。その濾紙をIL−2mRNA
とハイブリダイズし、ハイブリダイジしたmRNAをアフリ
カツエガエル卵母細胞へ注入し、翻訳された蛋白のIL−
2活性を測定するため回収した。
表2に示す如く、p3−16と表示した単一コロニーから精
製されたプラスミドDNAのみが陽性のIL−2活性が示し
た。それ故、本クローンがIL−2cDNAを有するクローン
.coli χ 1776/p3−16AJ11995(FERM-BP-225))と
同定された。このようにプラスミドDNA、p3−16はIL−2
mRNAと特異的ハイブリッドを形成する能力のあるDNA
(IL−2遺伝子)を確かに有している事が確認された。
プラスミドp3−16のcDNAインサートは制限酵素Xba Iに
より1部位で、又Bst NIにより2部位(Xba I開裂部位
の上流及び下流)で切断されるという特徴を示した。し
かしながら、プラスミドp3−16は約650塩基対より構成
されるcDNAインサートを含んでおり、これは明らかに11
〜12Sの大きさのIL−2 mRNAの一部分に相当するもので
ある。それ故、他のcDNAライブラリーを、鋳型としてIL
−2 mRNAを用い、Land等の方法(Land等の方法(Land e
t al.Nucleic Acids Res.,vol9,p2551,(1981))に従
って作製した。一本鎖cDNA(1.6μg)を、dCMP残基を
付加したIL−2 mRNA 4μgを用いて合成し、そしてds−
cDNAを、DNAポリメラーゼI(klenow断片)によりピラ
イマーとしてオリゴ(dG)12=18を用いる事により合成
した。680塩基対DNAサイズマーカー(size marker)よ
り長いcDNA(0.6μg)は蔗糖密度遠心法によって得ら
れ、標準的なG−Cティリング法によりpBR322のPst I
部位へ挿入出来た。
組換えDNA体によるエシェリヒア・コリ χ 1776の形質
転換後、その場所でプローブとしてニック翻訳された
(nick-translated)p3-16 cDNAインサートを用いたGru
nstein-Hognessのハイブリダイゼーション法により約20
00コロニーを選別し、およそ850塩基対を含むプラスミ
ドpIL 2-50Aを含有するコロニー及び形質転換されたク
ローン(エシェリヒア・コリ χ 1776/pIL2-50A、AJ11
996(FERM-BP-226))を同定した。pIL2-50AのcDNAイン
サートの制限酵素切断図を第1図に示した。
形質転換されたエシェリヒア・コリ χ 1776/pIL2-50A
からのIL−2ペプタイドをコードしている遺伝子を単離
するため、プラスミドDNAを通常法に従い、菌体からDNA
を単離後制限酵素Pst Iにより切断した。この処理によ
り生成する2つのDNA断片のうちより小さな断片はIL−
2ペプタイドをコードしているDNA遺伝子であった。pIL
2-50AからのPst Iインサートの完全なヌクレオチド配列
はMaxam and Gilbertの方法(Maxam,A,W,etal.,Enzym,6
5,,499-560,1980)により決定した。全構造を第2図
(a)に示す。
実施例2 実施例1に記載された方法に従ってジュルカット細胞か
らクローン化された構成的IL−2産生細胞株J-A 1886
(ATCC CRL 8130)は同様にローラー培養ボトルで生育
した。生育した細胞は初期細胞密度1×106個/mlで新鮮
な合成培地RITC-55-9に再懸濁し、培養開始8時間後
に、実施例1で詳細に示したステップに従って3×109
個の細胞から11〜12S分画としてのIL−2mRNA抽出のため
に使用された。
ds−cDNAは実施例1と同様に合成され、600塩基対より
長いcDNA(2.4μg)が蔗糖密度勾配遠心法による分画
により得られた。次にこのcDNAをターミナルデオキシヌ
クレオチジルトランスフェラーゼを用い、dCMP残基で伸
長し、その50ngがdGMPで伸長したPst I切断pBR 322 250
ngとアニールされた。
生成したハイブリッドプラスアミドはエシェリヒア・コ
リ χ 1776に形質転換され、約4,000クローンのトラン
スホーマントが得られた。
Grunstein-Hognessの方法に従い、プローブとして用い
たプラスミド3-16 cDNAと相補的な3個のクローンが選
択された。すなわち、このようにして選択された形質転
換されたクローンはヒトIL−2遺伝子を有するクローン
である。
実施例3 エシェリヒア・コリ細胞でヒトIL−2の合成を指令する
プラスアミドを以下の如きき方法で構築した。
プラスミドpt IL−2-22は第4(a)図で図解されてい
る如く、一連の改変の方法によりpTrS-3(Nishi T.,Tan
iguchi T.et al.,SEIKAGAKU 53,967,(1981),同54,67
6(1982))及びIL−2 cDNAを含むpIL2-50Aから構築し
た。プラスミドpTrS-3はTrpプロモーターとpBR 322のEc
oRI部位とCla I部位の間にShine Dalgarno(以後SDと略
号する)の領域の挿入を含む。
本プラスミドはまた第3図で示した如く、単一のSph I
部位と同様にSD配列の下流13bpにATGイニシエーション
コードンを含んでいる。
言及している蛋白に対応するDNA配列がATGコードンの丁
度下流の部位に挿入されるとそのベクターは蛋白を生産
するのには非常に効果的である。このATGコードンはpTr
S-3のSph I消化に引続きT4 DNAポリメラーゼによる処理
によって生成される。それ故プラスミドpTrS-3(30μ
g)は制限酵素Sph Iで、常法により切断され、引続き
フェノール,クロロホルム処理,エタノール沈澱法によ
り回収され両末端がT4 DNAポリメラーゼ処理によりフラ
ッシュにされた。
次に、同様の方法によるフェノール,クロロホルム処理
及びエタノール沈澱法によりDNA(21.4μg)を回収し
た。他方IL−2 cDANを含むpIL2-50A 380μgはPst Iに
より切断され、IL−2 cDNAインサートはアガロースゲル
電気泳動により単離された。cDNAインサート(11μg)
はHgiA Iにより切断され、T4 DNAポリメラーゼによって
処理され、大きい方の部分のDNA 10μgがアガローゲル
電気泳動により単離された。本法に従って132個のアミ
ノ酸をコードするcDNA(7.2μg)が得られ、このDNA断
片はブランドエンドで有していた(第7(a)図)。
次に、このようにして得られたCDNA断片をATG配列の丁
度下流で、前もってSpH Iにより消化されたT4 DNAポリ
メラーゼにより処理されたpTrS-3ベクターへ連結した。
このように連結したプラスミドはそれから、常法に従い
エシェリヒア・コリHB 101へ形質転換された。その連結
は次のようにして行った。IL−2 cDNA(0.4μg)の前
述の大きい方の断片およびpTrS-3ベクターDNA0.2μgを
6.6mM MgCl2,1mM ATPおよび10mM DTTを含むpH7.5の66mM
トリス−塩酸中でT4 DNAリガーゼ0.8単位と共に混合
し、混合物を4℃,一晩反応させた。アンピシリンを含
むL培地寒天プレート上に出現するトランスホーマント
の中で、132個のアミノ酸をコードしているIL−2 cDAN
部分の含むプラスミドを持つコロニーをその場でコロニ
ーハイブリダイゼーションアッセイ法により選択した。
こうして選択したコロニーを再び培養(10ml)し、リゾ
チーム処理および凍結,融解による処理によりプラスミ
ドDNAを調整した。このプラスミドDNAをPst IとXba Iで
切断し、その結果の生成物をアガロースゲル電気泳動に
より分析し、cDNAがpTrS-3のATG配列の後に正しい方向
で凍結しているpTIL-2-22を同定した。
pTIL-2-22を含むエシェリヒア・ソリHB 101を微生物の
増殖のために知られている通常法の下に培養した。細胞
は25μg/mlストレプトマイシンおよび25μg/mlのアンピ
シリンを含むχ培地(2.5%バクトトリプトン,1%酵母
エキス,0.1%グルコース,20mM MgSO4,50mMトリス−塩
酸,pH7.5)10ml中で37℃で一晩生育させた。ついで培養
懸濁液1mlを同じχ培地(100ml)へ接種し、37℃で培養
した。650mμのO.D.がおよそ1.5−2.0に達した時点で3
−インドールアクリルイ酸(IAA)を加えた。インデュ
ーサーの添加3時間後に、細胞を集め、20mMトリス−塩
酸(pH7.5,30mM NaClを含む)で洗浄し、同じ緩衝液8ml
中に再び懸濁した。
Trpプロモーターの効果的な機能発現のために、IAAの如
きインデューサーを最終濃度60μg/mlになるように添加
した。かくして細菌細胞中に産生される蛋白をソニック
処理(0℃,2分間)またはリゾチーム(8μg)消化
(0℃,20分)に引き続き凍結融解を3回行う事により
抽出した。この方法により、一般的にIL−2は細胞から
抽出された。抽出されたIL−2活性は10,000から120,00
0単位/mlの範囲であった。
pTIL2-22を含むエシェリヒア・コリ HB 101(AJ 1200
9)はFERM-BP245として寄託されている。
実施例4 IL−2 cDNAを有するプラスミドpTuIL2-22はpTuBIP-5(T
aniguchi,T.et al.,Seikagaku,53,966,1981)および実
施例3に示したpTIL2-22から第6図に図解した方法によ
り構築された。プラスミドpTuB1P-5はpBR322中にtufBの
プロモーター配列が挿入されている。このプラスミドは
また単一のCla I部位を含んであり、これは第6図に示
した如くSD配列の2bp下流に位置している。pTrS-3もま
たSD配列とATGイニシェーションコードンの間にCla I部
位を含んでおり、このCla I部位は実施例3に記載した
如くpTrS-3およびIL−2 cDNAを用いる事による発現プラ
スミド構築中に破壊されないことから、Trpプロモータ
ーをtufBプロモーターに置き換える事はきわめて簡単で
あり、その結果IL−2 cDNAはtufBプロモーターの制御下
で発現される。
それ故、プラスミドpTuIL2-22(30μg)は制限酵素Cla
IとPvu IIにより通常の方法で切断された。IL−2 cDNA
を含む断片(約2.2kb)はアガロースゲル電気泳動によ
り単離精製され、3μgのDAAが回収れた。他方,pTuBlP
−5ベクター20μgが同様にCla IとPvu IIにより切断
され、アンピシリン耐性遺伝子を含む大きい方の断片
(約3.4kb)がアガロースゲル電気泳動により単離精製
され、DNA3.5μgが回収された。次にこのようにして得
られた2個の断片は1つはtufBプロモーターを含み(約
3.4kB)、他方はIL−2 cDNAを含んでおり(約2.2kb)以
下に示す如く連結した。
IL−2 cDNA(1.2μg)を含む断片およびtufBプロモー
ターを含む断片0.3μg6.6mM MgCl2,1mM ATPおよび10mM
DTTを含むpH7.5の6.6mMトリス−塩酸中で、T4 DNAリガ
ーゼ0.8単位と混合し、4℃で一晩反応した。次にこの
ようにして連結したプラスミドは常法に従いエシェリヒ
ア・コリHB 101へ形質転換された。
アンピシリンを含むL培地寒天プレート上に出現するト
ランスホーマントの中で第6図のpTuIL2−22の如くIL−
2 cDNA部分を含む組み換え体DNAを持つ8個のコロニー
が選択され、プラスミDNAは実施例3に記載された如く
調整された。
pTuIL2−22を含むエシェリヒア・コリ HB 101を37℃で
L培地(100ml)中で培養した。650mμのO.D.がおよそ
0.5−1.0に達した時、歯体を集め、30mM NaClを含む20m
Mトリス−塩酸(pH7.5)で洗浄し、同じ緩衝液2ml中に
再び懸濁した。このようにして産生した蛋白は実施例3
と同様に抽出された。抽出液中のIL−2活性は6,000か
ら56,000単位/mlの範囲であった。
pTuIL2−22を含むエシェリヒア・コリ HB 101(AJ1201
0)はFERM-BP 246として寄託されている。
実施例5 IL−2 cDNAを有するプラスミドpGIL2-22はpGL 101(Rob
erts,T.M.and Laucer G.D.,Meth Enzym.,68,473-483,
(1979),Gail Lauer,et al,J.Mol.Appl.Genet.,,No.
2,139〜147(1981),T.Taniguchi,et al,Proc.Natl,Aca
d.Sci.USA,77,No.9,5230〜5233(1980),Egon Amann,et
al,Gene,25,167〜178(1983))と実施例3に示された
pTIL2-22とから構築された。
すなわち、lacプロモーターを含むプラスミドpGL 101
(20μg)が制限酵素Pvu IIで常法により切断され、引
続きフェノール,クロロホルム処理およびエタノール沈
澱法により17μgのDNAが回収された。他方、pTIL2-22
(75μg)の方はCla IおよびSal Iで切断し、アガロー
スゲル電気泳動によりIL−2 cDNAが含むDNA片2.2μgを
回収した。この断片はDNAポリメラーゼI(クレノウ断
片)で処理する事によりフラッシュにされた。次にこの
ようにして得られた2個の断片(0.25μgおよび0.66μ
g)を実施例4と同じ方法でT4 DNAリガーゼ1.0単位で
もって連結した。かくしてこの連結したプラスミドは常
法に従いエシェリヒア・コリ HB 101に形質転換され
た。トランスホーマントの中で、IL−2 cDNAを含むCla
I−Sal I断片の挿入を有するトランスホーマント32Pラ
ベルしたIL−2 cDNAをプローブとして選択した。次にこ
れ等のトランスホーマントを、アンピシリン25μg/mlを
含む10mlのχ培地中で培養し、実施例3で記載した方法
によりプラスミドDNAを調製した。かくしてIacプロモー
ターの丁度下流にIL−2 cDNAの開始配列ATGを有するプ
ラスミドDNAはPst IおよびXba Iでの切断部位を検定す
る事により得られた。このようにして得られるたpGIL2-
22を含むエシェリヒア・コリHB 101は25μg/mlアンピシ
リンおよび25μg/mlアストレプトマイシンを含有するL
培地100mlに接種し培養した。650mμのO.D.が約0.5に達
した時イソプロピル−β−D−チオガラクタピラノサイ
ド(IPTG)を1mMの濃度で加え、1時間後に菌体を集
め、実施例4に記載した方法に従って菌体抽出液を調製
した。抽出液のIL−2活性は6,000から80,000単位/mlの
範囲であった。
pGIL2-22を含むエシェリヒア・コリ HB 101(AJ12011)
はFERM−BP 247として寄託されている。
実施例6 プラスミドptrS-3(10μg)を先ず制限酵素Sal Iで切
断しSal I部位をDNAポリメラーゼ(クレノウ断片)ある
いはT4 DNAポリメラーゼ処理によりフラッシュ(flus
h)にした。
Cla Iで切断後、Trpプロモーター領域を有する大きい方
の断片を常法に従ってアガロースゲル電気泳動により単
離精製し、DNA 3μgを回収した。
他方、pIL2-50AのPst I切断により得られるcDNAインサ
ート11μgがHgiAIで切断され、T4 DNAポリメラーゼ処
理され、大きい方の断片がアガロースゲル電気泳動によ
り単離,精製された。このようにしてIL−2の132個の
アミノ酸をコードするcDNA断片が7.2μg得られた。次
に、trpプロモーター(上記)を含む断片0.45μg,IL−2
cDNAを含むHgiAI-Pst I断片0.5μgおよび合成オリゴ
ヌクレオチド(5′)CGATAAGCTATGGCA(3′)と
(3′)TATTCGATACCGAT(5′)(各々20pmole)は両
方とも5′未満でリン酸化されているが、これ等を実施
例3に記載されている方法と同じ方法でT4 DNA リガー
ゼ1単位に連結した(第4図(b))。このように連結
されたプラスミドはエシェリヒア・コリ HB 101に形質
転換された。出現したトランスホーマントの中で、目標
とするトランスホーマントは次のようにして選択した。
まず最初に、IL−2 cDNAおよび合成オリグヌクレオチド
の両方とハイブリダイズ可能なトランスホーマントがコ
ロニーハイブリダイゼーション法により選択された。
次、ATGGCA配列の丁度下流に第2図(a)の111から113
の位置のCTT配列から始まるDNA断片(CCTACT………)が
挿入されているプラスミドDAAを持ったトランスホーマ
ントをPst I,Xba I切断個所を検定することににより選
択した。
pTIL2-21aまtはpTIL2-21bを含む上記のトランスホーマ
ントを実施例3に示す方法によりL培地中で培養し、そ
して実施例3に示す方法により分析した時トランスホー
マントの菌体抽出物には高いIL−2活性が認められた。
pTIL2-21aを有するエシェリヒア・コリ HB 101(AJ 120
13)およびpTIL2-21bを有するエシェリヒア・コリ(AJ
12014)を有するエシェリヒア・コリ HB 101はそれぞれ
FERM-BP 248,FERM-BP 249として寄託されている。
上記の実施例で用いられた宿主,エシェリヒア・コリ x
1776およびHB 101(Boyer H.W.et al.,J.Mol,Biol,41,
459,(1969)は公知であり、容易に入手可能である。更
につけ加えれば、トランスホーマント中の組換えDNAを
遊離させるためにL培地で37℃でトランスホーマントを
培養し、テトラサイクリングおよびアンピシリンに感受
性となった菌体を分離すれば寄託したトランスホーマン
トから宿主は容易に得られる。
プラスミドベクターpBR 322(例えばベセスダリサーチ
ラボラトリーから購入可能),pCE-1,pTrS-3およびpGL 1
01は公知であり容易に入手可能である。更に、常法によ
りトランスホーマント中の組換え体プラスミドを分離す
ることによってさらにそれぞれの実施例での説明から当
然に明らかな如くプラスミドベクターを分離することに
よって寄託されたトランスホーマントからプラスミドベ
クターを得る事が出来る。pTrS-3およびpTuBlP-5はそれ
ぞエシシェリヒア・コリ FERM-P6735(BP 328)および
エシシェリヒア・コリ ATCC 31878として寄託されて
いる。
【図面の簡単な説明】
第1図はIL−2活性を有するポリペプチドをコードした
クローン化遺伝子の制限酵素エンドヌクレアーゼによる
切断マップを示し、第2図(a)はクローン化遺伝子の
塩基配列を示し、第2図(b)はIL−2活性を有するポ
リペプチドのアミノ酸配列I,IIおよびIIIを示す。 第3図はプラスミドベクターpTrS-3を示す。第4図
(a),第4図(b)および第4図(c)はベクターと
してpTrS-3を使用している組換えDNAs(pTIL2-22,pTIL2
-21,pTIL2-14およびpTIL2-15)の構成を示すフローチャ
ートである。第5図はベクターとしてpkT 218を使用し
ている組換えDNA(pkIL2-21)の構成を示すフローチャ
ートである。第6図はベクターとしてpTUB1P-5を使用し
ている組換えDNA(pTulL2-22)の構成を示すフローチャ
ートである。 図中、“A",“G",“C"および“T"はデオキシアデニル
酸,デオキシグアニル酸,デオキシシチジル酸およびチ
ミジル酸をそれぞれ表わす。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 15/00 A 9050−4B (72)発明者 松井 裕 神奈川県横浜市金沢区並木1丁目19―16― 101 (72)発明者 鹿島 信一 神奈川県横浜市旭区若葉台2―21―603 (72)発明者 羽室 淳爾 神奈川県横浜市戸塚区深谷町241―32

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒトインターロイキン2活性をもつ、次の
    アミノ酸配列からなるポリペプチドをコードする遺伝
    子。
  2. 【請求項2】次の塩基配列からなる特許請求の範囲第1
    項記載の遺伝子。
JP1109059A 1983-02-03 1989-05-01 ヒトインターロイキン2活性をもつポリペプチドをコードする遺伝子 Expired - Lifetime JPH0698000B2 (ja)

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