JPH0697964B2 - レトルト麺の製造方法 - Google Patents

レトルト麺の製造方法

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JPH0697964B2 JP2323743A JP32374390A JPH0697964B2 JP H0697964 B2 JPH0697964 B2 JP H0697964B2 JP 2323743 A JP2323743 A JP 2323743A JP 32374390 A JP32374390 A JP 32374390A JP H0697964 B2 JPH0697964 B2 JP H0697964B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、中華麺を除くうどん、そばのような和風のレ
トルト麺の製造方法に関し、特にカップ入り即席麺等の
即席性に優れたレトルト麺の製造方法に係わる。
[従来の技術及び課題] 従来よりカップ麺としては油揚げ麺、熱風乾燥麺のよう
なドライタイプの即席麺が主流であった。これらの即席
カップ麺は、長期保存性に優れ、熱湯を注ぎ3〜4分後
に麺が戻って喫食できるものである。しかしながら、前
記即席麺は麺のコシ、歯ごたえ等の食味の点で生麺に比
べて遥かに劣るものであった。
このようなことから、最近、生麺タイプで常温保存が可
能なカップ麺が開発されている。かかるカップ麺は、常
温保存を可能にするために麺線をpH4.0前後に調整した
後、100℃未満で加熱殺菌することにより製造されてい
る。
pH調整は、加熱殺菌と併用することにより殺菌効果を高
める手段の一つとして従来より用いられる技術である。
しかしながら、加熱殺菌時の温度を前述したように100
℃未満にするには、pHを相当下げないと常温での保存性
を付与することが困難となる。このため、前述したよう
に麺線を4,0又はそれ以下の酸性側に調整する必要があ
るが、pHを4.0以下まで下げた麺は喫食時において酸味
が強く感じられ、食味の点で必ずしも満足するものでは
なかった。
そこで、pH調整した麺を喫食する際には、別に包装した
り、スープに混合したりした重炭酸ソーダを中和剤とし
て使用し、酸味を弱めることが提案されている(特公昭
56−35413号)程、当業者は前記pH調整による酸味が食
味に与える影響に苦労している。
一方、長期保存方法としては包装米飯等のような、食品
を合成樹脂製袋に収納し、100℃以上の高温で加圧加熱
殺菌する、いわゆるレトルト殺菌法が知られており、麺
類をレトルト殺菌法で処理することも行われている。し
かしながら、単に茹麺や蒸し麺を袋に収納してレトルト
殺菌法を用いて殺菌を行なうと、麺線は全く弾力性の乏
しいクチャクチャな麺質となるばかりか、麺線同志がく
っついて団子状となり、およそ商品価値のないものとな
る。従って、従来のレトルト殺菌法による麺製品は殆ど
市販されていない。
本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされた
もので、常温下で6カ月以上の長期保存が可能で、熱湯
を注ぎ30〜60秒間後に箸で軽くほぐすだけで簡単に麺線
がほぐれ直ちに喫食でき、しかも酸味等のない良好な食
味及び良好な食感を有するレトルト麺を製造し得る方法
を提供しようとするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、真空ミキサで混捏したドウから麺線を造った
後、所定量カットし、これを茹でる工程と、 前記茹でた麺線を冷却し、pH4.5〜5.0に調整し、更に該
麺線を油脂と共に合成樹脂製袋に含気密封した後、加熱
による一次殺菌を行なう工程と、 前記一次殺菌後の袋詰め麺線を冷却放置する工程と、 前記袋詰め麺線をレトルト缶内に入れ、115〜120℃で加
圧加熱する二次殺菌を行なう工程と を具備したことを特徴とするレトルト麺の製造方法であ
る。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、中華麺を除くうどん、そば等の原料を真空ミキサ
で混捏してドウとして、このドウを常法にしたがって麺
帯、麺線とした後、所定量、例えば1食分に定量カット
し更に茹でる。ここで、麺対象から中華麺を除くのは、
中華麺はかん水(アルカリ物質)を添加するので、pHは
8〜10程度とアルカリ性の麺となり、かかる麺を酸性に
pH調整することは中華麺としての特徴を失ってしまうか
らである。前記ドウを造るのに真空ミキサを用いるの
は、特に弾力性の優れたドウを得るためで、真空ミキサ
で混捏したドウは通常のミキサで混捏したものより強い
コシを持つ麺質となる。また、前記茹時間は、麺の種類
によって一概に限定できないが、うどんの場合には98℃
前後で6分間半程度とし、要は麺線の中心部に若干芯が
残る程度に茹でることが望ましい。
次いで、前記茹麺を常温水で例えば10分間程度水冷した
後、有機酸水溶液に浸漬するか、シャワーをかけて麺線
をpH4.5〜5.0に調整する。なお、pH調整は前記方法の他
にうどん、そば等の原料を真空ミキサで混捏する際、予
めグルコノデルタラクトンを練り込んで調整してもよ
い。前記有機酸としては、例えばクエン酸等を用いるこ
とができる。前記麺線のpH値を限定したのは、次のよう
な理由によるものである。麺線のpH値を4.5未満にする
と喫食時に酸味がかなり強く感じ、食味のわるい麺とな
る。一方、前記麺のpH値が5.0を越えると良好な殺菌効
果を付与できなくなる。
次いで、前記pH調整した麺線を油脂と共に合成樹脂製袋
に含気密封(袋詰め)する。前記油脂は、麺線の滑りを
よくし、ほぐれ易くするために用いられる。かかる油脂
としては、例えばコーンサラダ油等の食用油を用いるこ
とができ、通常、前記麺に対して1〜3重量%程度添加
することが望ましい。前記袋内は、残気状態のまま密封
包装する。これは袋内を脱気すると麺線同士の密着が助
長されるからである。つづいて、前記袋詰め麺線を加熱
による一次殺菌を行なう。この加熱は、蒸気加熱でも熱
湯加熱でもよい。前記加熱の目的の1つは、麺質の保持
の点で、後述するレトルト缶内での加圧加熱時間をでき
るだけ短縮するための予備加熱であり、もう1つは後述
する袋内に収納した状態での冷却放置時に細菌の増殖を
防止するためである。かかる加熱は80〜100℃の温度で
行うことが望ましい。この理由は、加熱温度を80℃未満
にすると十分な殺菌効果を得ることが困難となり、一方
その温度が100℃を越えると食感等を悪化させる恐れが
あるからである。
次いで、一次殺菌後の袋詰め麺線を常温下で風冷し、必
要に応じて冷蔵庫で強制冷却した後、冷却放置する。前
記常温下での風冷は、例えば20分間前後行ない、前記強
制冷却は庫内温度が約10℃の冷蔵庫に前記袋詰め麺線を
収納し、ファンにより冷風を例えば60分間前後吹き付け
ることにより行なう。前記冷却放置は、後述するレトル
ト殺菌での加工加熱工程時に麺線表面の多量の水分によ
り澱粉糊化するのを回避して麺線同士がくっつのを緩和
するために行なうものである。かかる冷却放置は、0〜
10℃の冷蔵庫等の冷却環境下で行なうことが望ましい。
この理由は、0℃未満にすると凍結により麺線が変質す
る恐れがあり、一方その温度が10℃を越えると放置時に
菌が繁殖する恐れがあるからである。前記放置時間は、
麺線表面に存在する多目の水分が中心部に移行して表面
と中心部の水分の分布がほぼ均一もしくは均一になる状
態を目安として行なうことが望ましい。
次いで、前記冷却放置後の袋詰め麺線をレトルト缶内に
入れ、115〜120℃で加圧加熱する二次殺菌を行なう。か
かる二次殺菌での加熱温度を限定したのは、その温度を
115℃未満にすると十分な殺菌効果を得るためには時間
がかかり過ぎ、一方その温度が120℃を越えると麺線の
歯切れが悪化するばかりか、その表面の澱粉糊化が顕著
となり、喫食時の麺線のほぐれが悪化するからである。
なお、前記温度範囲による二次殺菌はF値(F120)が1.
0〜1.5となるように行なうことが望ましい。
以上のような工程により得られたレトルト麺は、発泡ス
チロール等の容器に、スープ入袋、具入袋等と共に収納
され、非乾燥タイプの即席カップ麺として用いられる
他、袋麺としてそのまま用いられる。
[作用] レトルト殺菌法による製造された麺に共通する欠陥は、
最終製品状態において麺線同士が密着してほぐれが悪い
ことである。
即ち、pH調整しない茹麺を包装し、直ちにレトルト殺菌
を行なう一般的な連続式レトルト殺菌法では好気性耐熱
芽胞菌等を殺菌するために、殺菌指標であるF値
(F120)で10程度と長い時間殺菌を行なう必要がある。
しかも、レトルト殺菌前の麺線は中心部に比べて表面に
多くの水分を有している。その結果、レトルト殺菌後の
麺線表面の澱粉糊化の現象が顕著となり、麺線同士が密
着して喫食時にほぐれが悪くなる。また、麺質も悪化し
てグチャグチャした食感となる。なお、麺線のほぐれを
良くする手段として、包装前に油脂を添加することが行
われているが、レトルト麺の場合には前記油脂の添加の
みでは麺線のほぐれを改善することができない。
このようなことから、本発明は真空ミキサで混捏したド
ウから麺線を造り、所定量カットして茹で、冷却した
後、pHを4.5〜5.0に調整し、更に該麺線を油脂と共に合
成樹脂製袋に含気密封し、加熱による一次殺菌を行なう
ことによって、この後のレトルト缶内での115〜120℃の
加圧加熱(二次殺菌)をF値(F120)が1.0〜1.5という
極めて短時間で行なうことができるため、常温下、6カ
月以上の長期保存が可能でレトルト麺を製造できる。し
かも、かかる一次殺菌、二次殺菌を行なうことによって
従来のようにpH調整を4.0以下にすることなく、つまりp
H4.5〜5.0の範囲の調整で十分な長期保存を達成できる
ため、酸味の弱い食味が良好なレトルト麺を製造するこ
とができる。
事実、pHをそれぞれ4.0、4.5、4.8、5.0に調整したうど
んを製造し、乾燥具材と共に発泡スチロール製容器に入
れ、熱湯を加えて2分後に液体スープを加えて掻き混
ぜ、A〜Jの10名のパネラーに試食させ、酸味官能試験
を行なったところ、下記第1表に示す結果となり、pH4.
5〜5.0に調整したうどんは酸味を僅かに感じるか、又は
酸味を殆ど感じないことが確認された。
また、一次殺菌後の袋詰め麺を冷却放置することによっ
て、放置時に菌の増殖を招くことなく麺線表面の水分が
中心に移行して表面と中心部との水分分布をほぼ均一化
できるため、前記高温での加圧加熱がなされる二次殺菌
時間の短縮との相互作用により、麺線表面の澱粉糊化が
回避されて麺線同士のくっつきを緩和できる。しかも、
茹麺を包装する時の油脂の添加も相互に作用して麺線同
士のくっつきをより効果的に抑制できる。更に、ドウを
真空ミキサにより造ることにより二次殺菌後においても
良好な麺質を維持できる。その結果、熱湯を注ぎ30〜60
秒間後に箸で軽くほぐすだけで簡単に麺線がほぐれ直ち
に喫食でき、しかも良好な食感を有するレトルト麺を製
造できる。
[実施例] 以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
実施例1 まず、小麦粉100kgに食塩3kgを溶かした水40.5kgを加
え、真空ミキサで約8分間混捏した後、常法により麺帯
とし、更に10番の切刃で切り出してうどんの麺線を造っ
た。つづいて、この麺線を1食分(茹でて冷却した後の
重量で220gとなるように)カットし、連続バケット式茹
槽を用いて湯温97〜98℃で約6.5分間茹でて茹麺を得
た。
次いで、前記茹麺を水温40℃、30℃、20℃の3槽からな
る連続冷却槽で順次冷却した後。pHを2.7(酸度0.22
%)に調整したクエン酸水溶液に1分50秒間浸漬し、麺
線のpHを4.7に調整した。つづいて、pH調整した麺線を
合成樹脂製袋に収納し、同時にコーンサラダ油4gを袋内
に注入した後、残気状態で密封した。
次いで、袋詰め麺線を90℃で30分間蒸気加熱による一次
殺菌を行なった。つづいて、常温下で20分間風冷し、更
に庫内温度が10℃の冷蔵庫内に収納し、60分間強制風冷
を行なった。つづいて、風冷後の袋詰め麺線を7℃に温
度調整した冷蔵庫内に13時間放置した。かかる冷却放置
により放置前の麺線表面の水分(76.2%)が73.3%に減
少すると共に中心部の水分も約73.3%となり、表面と中
心部との水分分布が均一化された。ひきつづき、冷却放
置した袋詰め麺線をレトルト釜に入れ、缶内温度115℃
で35分間加熱してF値1.0の二次殺菌を行ない、レトル
トうどんを製造した。
得られたレトルトうどんを、別の合成樹脂製袋入り液体
スープ、袋入りネギ、ワカメ、カマボコの乾燥具、及び
マイクロ乾燥による油揚げと共に発泡スチロール製容器
に収納し、合成樹脂製蓋を被せ、更にシュリンク包装を
行なって即席きつねうどんを得た。
比較例1 風冷、冷却放置の工程を行なわない以外、実施例1と同
様に一次殺菌、二次殺菌(レトルト殺菌)等を行なって
即席きつねうどんを製造した。
比較例2 実施例1と同様に方法により得た茹麺を冷却した後、pH
調整することなく合成樹脂製袋に収納し、コーンサラダ
油を注入せずに残気状態で密封し、しかる後レトルト釜
に入れ、缶内温度115℃で70℃分間加熱してF値10の二
次殺菌等を行なって即席きつねうどんをを製造した。
得られた実施例1の即席きつねうどん容器から取り出し
たレトルト包装うどん(サンプル数20)について、37℃
の恒温槽に9週間放置して腐敗の有無、生菌数を調べ
た。なお、腐敗の有無は1週間毎に恒温槽から取り出し
て膨張、変色、軟化等の有無を検査することにより評価
した。また、生菌数は1週間毎に1個取り出し、10倍希
釈の検液1ccをシャーレで標準寒天培地、混釈法、37
℃、48時間の培養を行なった時の微生物のコロニーの数
を検査して評価した。その結果、腐敗、生菌の発生は全
く認められなかった。このような加速試験における1週
間は、常温での1カ月の保存に相当することから、少な
くとも常温で9ケ月以上良好な保存性を有することがわ
かる。
また、実施例1及び比較例1、2の即席きつねうどん容
器から取り出したレトルト包装うどんのほぐれ性を調べ
た。その結果を下記第2表に示した。なお、ほぐれ性は
次のような方法により評価した。
実施例1及び比較例1、2のレトルト包装うどんをそれ
ぞれ5食分用意した後、これを開封し1食分ずつ発泡ス
チロール製容器に入れ、熱湯を注入して蓋をする。10秒
間経過後に蓋を取り、A〜Eの5人のパネラーによりう
どんをそれぞれ箸で15秒間ほぐし、直にザルにあけて湯
を切り、別に用意した大きな容器にうどん(麺線)を広
げ、麺線同士が結着しているものと、1本の麺線に分離
しているものとに分ける。但し、部分的に結着している
ものはハサミで切り分ける。そして、麺線全重量に対す
る分離した麺線の占める重量割合を算出すると共に、5
食分の平均値も求めた。更に、同様な方法により熱湯で
の経過時間のみを30秒間、1分間、2分間と変えて麺線
全重量に対する分離した麺線の占める重量割合を算出す
ると共に、5食分の平均値も求めた。
更に、実施例1及び比較例1、2の即席きつねうどんを
10人のパネラーにより試食し、滑らかさ、弾力性、歯切
れ、総合的食感の4項目について官能試験を行った。そ
の結果を下記第3表に示した。試食の方法は、前記実施
例1及び比較例1、2の即席きつねうどんを常温下で30
日間保存したものを用いた。まず、蓋をあけて収納物を
一旦全部取り出し、レトルトうどんと具を袋から取り出
し、油揚げと共に再び容器に戻し、熱湯を注いで蓋を
し、2分間経過後に蓋をあけてそれぞれ箸で麺線を約15
秒間ほぐした後に試食した。なお、前記総合的食感は麺
線同士のくっつき等も加味される。
上記第2表及び第3表から明らかなように本発明の即席
きつねうどんは比較例1、2のうどんに比べて麺線のほ
ぐれが良好で、従来のレトルト麺では解決できないほぐ
れの悪さを大幅に改善でき、しかも比較例1のうどんに
比べて総合的食感が良好で、比較例2のうどんに比べて
麺線の滑らかさ、弾力性、歯切れ共に良好であることが
わかる。
また、本実施例1のうどんは酸味を僅かに感じるか、又
は酸味を殆ど感じることなく良好な食味を有していた。
実施例2 まず、小麦粉75kg、そば粉33kgに粉末卵白1kgを加えた
原料に水25kgを加え、真空ミキサで約10分間混捏した
後、常法により麺帯とし、更に20番の切刃で切り出して
そばの麺線を造った。つづいて、この麺線を1食分(茹
でて冷却した後の重量で220gとなるように)カットし、
連続バケット式茹槽を用いて湯温97〜98℃で約2分間半
茹して茹麺を得た。
次いで、前記茹麺を水温40℃、30℃、20℃の3層からな
る連続冷却槽で順次冷却した後、pHを2.9(酸度0.19
%)に調整したクエン酸水溶液に1分50秒間浸漬し、麺
線のpHを4.8に調整した。つづいて、pH調整した麺線を
合成樹脂製袋に収納し、同時にコーンサラブ油3gを袋内
に注入した後、残気状態で密封した。
次いで、袋詰め麺線を90℃で30分間蒸気加熱による一次
殺菌を行なった。つづいて、常温下で20分間風冷し、更
に庫内温度が10℃の冷蔵庫内に収納し、60分間強制風冷
を行なった。つづいて、風冷後の袋詰め麺線を5℃に温
度調整した冷蔵庫内に15時間放置した。かかる冷却放置
により放置前の麺線表面の水分(71.0%)が69.6%に減
少すると共に中心部の水分も約69.6%となり、表面と中
心部との水分分布が均一化された。ひきつづき、冷却放
置した袋詰め麺線をレトルト釜に入れ、缶内温度115℃
で36分間加熱してF値1.2の二次殺菌を行ない、レトル
トそばを製造した。
得られたレトルトそばを、別の合成樹脂製袋入り液体ス
ープ、袋入りネギ、ワカメ、カマボコの乾燥具、および
かき揚げ天ぷらと共に発泡スチロール製容器に収納し、
合成樹脂製蓋を被せ、更にシュリンク包装を行なうこと
により即席天ぷらそばを得た。
比較例3 風冷、冷却放置の工程を行なわない以外、実施例2と同
様に一次殺菌、二次殺菌(レトルト殺菌)等を行なって
即席天ぷらそばを製造した。
比較例4 実施例2と同様の方法により得た茹麺を冷却した後、pH
調整することなく合成樹脂製袋に収納し、コーンサラブ
油を注入せずに残気状態で密封し、しかる後レトルト釜
に入れ、缶内温度115℃で70分間加熱してF値10の二次
殺菌等を行なって即席天ぷらそばを製造した。
得られた実施例2の即席天ぷらそば容器から取り出した
レトルト包装そば(サンプル数20)について、実施例1
と同様な方法により37℃の恒温槽に9週間放置して腐敗
の有無、生菌数を調べたところ、腐敗、生菌の発生は全
く認められず、少なくとも常温で9ケ月以上良好な保存
性を有することがわかった。
また、実施例2及び比較例3、4のレトルト包装そばの
ほぐれ性を実施例1と同様な方法により調べた。その結
果を下記第4表に示した。
更に、実施例2及び比較例3、4の即席天ぷらそばを実
施例1と同様な方法により10人のパネラーにより試食
し、滑らかさ、弾力性、歯切れ、総合的食感の4項目に
ついて官能試験を行った。その結果を下記第5表に示し
た。なお、前記総合的食感は麺線同士のくっつき等も加
味される。
上記第4表及び第5表から明らかなように本発明の即席
天ぷらそばは比較例3、4のそばに比べて麺線のほぐれ
が良好で、従来のレトルト麺では解決できないほぐれの
悪さを大幅に改善でき、しかも比較例3のそばに比べて
総合的食感が良好で、比較例4のそばに比べて麺線の滑
らかさ、弾力性、歯切れ共に良好であることがわかる。
また、本実施例2のそばは酸味を僅かに感じるか、又は
酸味を殆ど感じることなく良好な食味を有していた。
[発明の効果] 以上詳述した如く、本発明によれば常温下で6カ月以上
の長期保存が可能で、熱湯を注ぎ30〜60秒間後に箸で軽
くほぐすだけで簡単に麺線がほぐれ直ちに喫食でき、し
かも酸味等のない良好な食味及び良好な食感を有し、カ
ップ入り即席麺、即席性に優れた麺類に有用なレトルト
麺を製造し得る方法を提供できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空ミキサで混捏したドウから麺線を造っ
    た後、所定量カットし、これを茹でる工程と、 前記茹でた麺線を冷却し、pH4.5〜5.0に調整し、更に該
    麺線を油脂と共に合成樹脂製袋に含気密封した後、加熱
    による一次殺菌を行なう工程と、 前記一次殺菌後の袋詰め麺線を冷却放置する工程と、 前記袋詰め麺線をレトルト缶内に入れ、115〜120℃で加
    圧加熱する二次殺菌を行なう工程と を具備したことを特徴とするレトルト麺の製造方法。
JP2323743A 1990-11-27 1990-11-27 レトルト麺の製造方法 Expired - Lifetime JPH0697964B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS57170155A (en) * 1981-04-14 1982-10-20 Kanebo Shokuhin Kk Production of retort noodle
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JP2662223B2 (ja) * 1987-09-18 1997-10-08 昭和産業株式会社 電子レンジ用容器入りパスタの製法

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