JPH069714Y2 - 半抜き加工部品

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【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は半抜き加工部品に関する。

（従来の技術）従来、第３図及び第４図に示すように、自動車のマニュ
アルチェンジ用ガイドピン１のガイドプレート２は、薄
手（例えば３．２mm）の金属板材に、シフトパターンに
対応するガイド孔３を打抜きにより形成していた。

ところが、打残し部分（リブ）４，…，４の幅Ｗ′が細
く強度，耐久性に問題があり、このため同厚さの金属板
材を裏面に溶接で貼り合わせたり、シフトパターンを比
例的に拡大して打残し部分（リブ）４，…，４の幅Ｗ′
を広くする等していた。

（考案が解決しようとする課題）しかしながら、金属板材を貼り合わせる方法では、別部
品を必要とするうえ、溶接工程が増えてコスト高とな
る。

また、シフトパターンを拡大する方法では、ガイドプレ
ート２やガイドピン１及びガイドピンを動かす機構等が
大型化してミッション内に組込むのが困難となる。

本考案は上記問題を解決するためになされたもので、半
抜き加工技術を利用することにより、金属板材に強度，
耐久性に優れたガイド溝を形成した半抜き加工部品を提
供することを目的とするものである。

（課題を解決するための手段）このため本考案は、厚い金属板材の表面にガイド溝が形
成され、該ガイド溝の全周囲が裏面に半抜き加工で突出
されていることを特徴とするものである。

また、上記金属板材が、自動車のマニュアルチェンジ用
ガイドピンのガイドプレートである場合、上記カイド溝
を、シフトパターンに対応する溝に形成することかでき
る。

（考案の作用・効果）本考案は、金属板材の表面に形成したガイド溝の全周囲
を、裏面に半抜き加工で突出させたものであるから、半
抜き加工部分により、ガイド溝の抜残し部分（リブ）が
補強されて、強度耐久性が格段に向上するようになる。

また、プレス等による半抜き加工であるから、従来のよ
うな別部品を溶接する必要がなくコスト安になる。

さらに、ガイド溝の打残し部分が補強されるから、打残
し部分をより細く、つまり、シフトパターンを比例的に
縮少して、ガイドプレートやガイドピン及びガイドピン
を動かす機構等を小型化でき、ミッション内に容易に組
込めるようになる。

（実施例）以下、本考案の実施例を添付図面について詳細に説明す
る。

第１図及び第２図に示すように、自動車のマニュアルチ
ェンジ用ガイドピン１１のガイドプレート１２は、厚手
（例えば５mm）の金属板材の表面１２ａに、シフトパタ
ーンに対応するガイド溝１３が所定の深さ（例えば３．
２mm）で形成されている。

同時に、上記ガイド溝１３の全周囲が、ガイドプレート
１２の裏面１２ｂに半抜き加工で突出されている。

上記ガイドプレート１２は、例えば、第１プレス工程で
外形状を打抜き加工し、ついで第２プレス工程でガイド
溝１３を半抜き加工することにより製造できる。

なお、ガイドプレート１２のガイド溝１３の溝底１３ａ
の抜孔１３ｂは、組付け時の位置合わせ用である。

しかして、上記のような構造であれば、ガイド溝１３の
溝底１３ａから突出した半抜き加工部分１５，…，１５
により、ガイド溝１３の抜残し部分（リブ）１４，…，
１４が補強されることになり、抜残し部分（リブ）１４
の強度、耐久性が向上する。

さらに、ガイド溝１３の抜残し部分（リブ）１４が補強
される結果、抜残し部分（リブ）１４の幅Ｗを細くでき
る。

これにより、ガイド溝１３によるシフトパターンを従来
よりも比例的に縮少することが可能となり、ガイドプレ
ート１２自体、ガイドピン１１及びガイドピン１１を動
かす機構等の小型化が図れるようになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る半抜き加工部品の斜視図、第２図
は第１図のＩ−Ｉ線拡大断面図、第３図は従来の半抜き
加工部品の斜視図、第４図は第３図のII−II線拡大断面
図である。１１……ガイドピン、１２……ガイドプレート、１３……ガイド溝、１５……半抜き加工部分。

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】厚い金属板材の表面にガイド溝が形成さ
れ、該ガイド溝の全周囲が裏面に半抜き加工で突出され
ていることを特徴とする半抜き加工部品。
【請求項２】上記金属板材が、自動車のマニュアルチェ
ンジ用ガイドピンのガイドプレートであり、上記ガイド
溝が、シフトパターンに対応する溝であることを特徴と
する請求項（１）記載の半抜き加工部品。