JPH069676A - 新規なオリゴサッカライド誘導体及びその製法、並びにこれを基質として用いるα−アミラーゼ活性測定法 - Google Patents

新規なオリゴサッカライド誘導体及びその製法、並びにこれを基質として用いるα−アミラーゼ活性測定法

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JPH069676A
JPH069676A JP4750893A JP4750893A JPH069676A JP H069676 A JPH069676 A JP H069676A JP 4750893 A JP4750893 A JP 4750893A JP 4750893 A JP4750893 A JP 4750893A JP H069676 A JPH069676 A JP H069676A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、α−アミラーゼ活性測定用の優れ
た基質となり得、且つ既存のものよりも高収率で合成す
ることができる新規な非還元末端修飾オリゴサッカライ
ド誘導体と、その製造方法、並びにこれを基質として用
いるα−アミラーゼ活性測定法を提供することをその目
的とする。 【構成】 一般式[I] 【化1】 [式中、Rは−SR2,−SOR2又は−SO22を表わ
し、(但し、R2はアルキル基又は置換アルキル基を表
わす。)、R1は光学的に検出可能な基又は水素原子を
表わし、nは0〜5の整数を表わす。]で示されるオリ
ゴサッカライド誘導体及びその製法、並びにこれを基質
として用いるα−アミラーゼ活性測定法。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は、α−アミラーゼ活性測
定用基質として有用な新規非還元末端修飾オリゴサッカ
ライド誘導体と、その製造方法、並びに、これを基質と
して用いるα−アミラーゼ活性測定法に関する。
【0002】
【発明の背景】試料、特にヒト生体内の唾液、膵液、血
液、尿中のα−アミラーゼ活性の測定は、医学上の診断
において重要である。例えば、膵炎、膵臓癌、耳下腺炎
においては、血液や尿中のα−アミラーゼ活性は通常の
値に比べて著しい上昇を示す。
【0003】α−アミラーゼ活性の測定方法について
は、これまで種々の方法が発表されているが、大別する
と、でんぷん、アミロース、アミロペクチン等の長鎖の
天然物及びその修飾物を使用する方法と、グルコース残
基数が3〜7個のオリゴサッカライド及びその誘導体を
使用する方法の2種に分けられる。
【0004】これらの方法のうち、最近では、均一で構
造の明確な基質、すなわち、還元末端に発色基を有し、
非還元末端グルコースの6位または4,6位を修飾した
マルトオリゴサッカライド誘導体を基質として用いる共
役酵素法が汎用されている。これらの基質は、α-グル
コシダーゼ、β-グルコシダーゼ、グルコアミラーゼ等
の共役酵素の基質とならず、しかも、検出を遊離してく
る発色物質の量を測定することにより行うことができる
ので、α−アミラーゼ活性測定用基質としての有意性が
特に高い。特に特開昭63-170393号公報,特開昭61-8319
5号公報等に記載された非還元末端グルコースの6位の
みを修飾したマルトオリゴサッカライド誘導体はα−ア
ミラーゼの基質としての反応性が高く、しかも保存安定
性が優れている等、きわめて完成度の高いα−アミラー
ゼ活性測定用基質であるが、用いる基質の合成収率がい
ずれも低いという点で実用化(企業化)に際し問題が残
る。従って、α−アミラーゼ活性測定用の優れた基質と
なり得、且つ、既存のものよりも高収率で合成すること
ができる新規な非還元末端修飾オリゴサッカライド誘導
体とその効果的な製造法の出現が待ち望まれている現状
にある。
【0005】
【発明の目的】本発明は、上記した如き状況に鑑みなさ
れたもので、α−アミラーゼ活性測定用の優れた基質と
なり得、且つ既存のものよりも高収率で合成することが
できる新規な非還元末端修飾オリゴサッカライド誘導体
と、その製造方法、並びにこれを基質として用いるα−
アミラーゼ活性測定法を提供することをその目的とす
る。
【0006】
【発明の構成】本発明は、下記一般式[I]
【化17】
【0007】[式中、Rは−SR2
【化18】
【0008】又は
【化19】 を表わし(但し、R2はアルキル基又は置換アルキル基
を表わす。)、R1は光学的に検出可能な基又は水素原
子を表わし、nは0〜5の整数を表わす。]で示される
オリゴサッカライド誘導体の発明である。
【0009】また、本発明は、下記一般式[V]
【化20】 (式中、X1はハロゲン原子を表わし、R3は水素原子又
はアシル基を表わし、R1は前記と同じ。)で示される
オリゴサッカライド誘導体を、一般式R4COSH(式
中、R4はアルキル基又はフェニル基を表わす。)で示
されるチオカルボン酸又はその塩と反応させて、非還元
末端グルコースの6位にアシルチオ基(−SCOR
4基)を導入し、次いで、要すれば脱アシル保護した
後、これに、一般式R22(式中、X2はハロゲン原子
を表わし、R2は前記と同じ。)で示されるハロゲン化
アルキル又はハロゲン化置換アルキルを作用させるか、
或は一般式R2ORS(式中、RSはトシル基、ブロシル
基、トリフルオロメタンスルホニル基又はメシル基を表
わし、R2は前記と同じ。)で示される化合物を作用さ
せることを特徴とする、一般式[II]
【0010】
【化21】 (式中、R1,R2及びnは前記と同じ。)で示されるオ
リゴサッカライド誘導体の製造法の発明である。
【0011】更に、本発明は、一般式[II]
【化22】 (式中、R1,R2及びnは前記と同じ。)で示されるオ
リゴサッカライド誘導体を酸化することを特徴とする、
一般式[III]
【0012】
【化23】 (式中、R1,R2及びnは前記と同じ。)
【0013】又は、一般式[IV]
【化24】 (式中、R1,R2及びnは前記と同じ。)で示されるオ
リゴサッカライド誘導体の製造法の発明である。
【0014】また、本発明は、一般式[I]
【化25】 (式中、R,R1及びnは前記と同じ。)で示されるオ
リゴサッカライド誘導体を基質として用いることを特徴
とする、α−アミラーゼ活性測定法の発明である。
【0015】更にまた、本発明は、一般式[I]
【化26】 (式中、R,R1及びnは前記と同じ。)で示されるオ
リゴサッカライド誘導体を基質として用いることを特徴
とする、α−アミラーゼ活性分別測定法の発明である。
【0016】そして、本発明は一般式[I]
【化27】 (式中、R,R1及びnは前記と同じ。)で示されるオ
リゴサッカライド誘導体を基質として用い、ヒト唾液腺
由来のα−アミラーゼ活性を抑制する物質の存在下に測
定を行なうことを特徴とする、ヒト膵由来のα−アミラ
ーゼ活性の特異的測定法の発明でもある。
【0017】即ち、本発明者らは、α−アミラーゼ活性
測定用の基質となり得るオリゴサッカライド誘導体であ
って、既存のものよりも収率良く合成することが出来る
新規なオリゴサッカライド誘導体を求めて鋭意研究を重
ねた結果、非還元末端グルコースの6位にS原子を介し
てアルキル基又は置換アルキル基が導入された上記一般
式[I]で示されるオリゴサッカライド誘導体が該目的に
適うものであることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。尚、既存の同種オリゴサッカライド誘導体は何れも
非還元末端グルコースの6位にO原子を介して各種の置
換基が導入されているものばかりであり、本発明のオリ
ゴサッカライド誘導体の如く非還元末端グルコースの6
位にS原子を介して各種置換基が導入されている非還元
末端修飾オリゴサッカライド誘導体は、これまで皆無で
あった。一般式[I]で示される本発明のオリゴサッカラ
イド誘導体において、Rで示される−SR2
【0018】
【化28】
【0019】及び
【化29】 のR2はアルキル基又は置換アルキル基を表わすが、ア
ルキル基としては、例えばメチル基,エチル基,プロピ
ル基,ブチル基,アミル基,ヘキシル基,ヘプチル基,
オクチル基,ノニル基,デシル基,ウンデシル基,ドデ
シル基,ペンタデシル基,ヘプタデシル基,オクタデシ
ル基,イコシル基等、炭素数1〜20のアルキル基が挙げ
られ、直鎖状,分枝状何れにても良く、置換アルキル基
のアルキル基としては、例えばメチル基,エチル基,プ
ロピル基,ブチル基,アミル基等、炭素数1〜5のアル
キル基が挙げられ、直鎖状,分枝状何れにても良い。ま
た置換アルキル基の置換基としては、例えば、フェニル
基、置換フェニル基(置換基は炭素数1〜5のアルキル
基、炭素数1〜5のアルコキシ基等)、アミノ基、置換
アミノ基(置換基は炭素数1〜5のアルキル基,炭素数
2〜5のヒドロキシアルキル基,炭素数2〜5のスルホ
アルキル基,炭素数3〜5のヒドロキシスルホアルキル
基等)、又はピリジル基,置換ピリジル基(置換基は炭
素数1〜5のアルキル基,炭素数1〜5のアルコキシ
基,アミノ基等),ピペリジル基、ピペラジル基,モル
ホリノ基等の複素環基等が挙げられる。一般式[I]に於
けるR1は光学的に検出可能な基又は水素原子を表わす
が、光学的に検出可能な基としては、グルコアミラーゼ
[E.C.3.2.1.3.]、α−グルコシダーゼ[E.C.3.2.1.20]、
β−グルコシダーゼ[E.C.3.2.1.21.]、イソマルターゼ
[E.C.3.2.1.10.]またはβ−アミラーゼ[E.C.3.2.1.2.]
等の共役酵素の作用を受けて加水分解され得るものであ
り、さらに、加水分解後はニトロフェノール類のように
それ自体可視部や紫外部に吸収を有するものか、ウンベ
リフェニル類のようにそれ自体蛍光を有するものか、カ
テコールオキシダーゼ、ラッカーゼ、チロシナーゼまた
はモノフェノールオキシダーゼ等の酸化酵素の作用を受
けてカプラーと結合して色素を生ずるものか、或は酸化
剤によりカプラーと結合して色素を生ずるものであれば
いずれであってもよい。このような光学的に測定可能な
基は既に当業者においては明らかであり、特に詳説は不
要であるが、例えばフェニル基,1-ナフチル基,2-メチ
ルフェニル基,2-メチル-1-ナフチル基等のアリール
基、例えば4-ニトロフェニル基,3-ニトロフェニル基,
2-クロロフェニル基,4-クロロフェニル基,2,6-ジクロ
ロフェニル基,2-クロロ-4-ニトロフェニル基,2-メト
キシフェニル基,4-メトキシフェニル基,2-カルボキシ
フェニル基,2-スルホフェニル基,2-スルホ-1-ナフチ
ル基,2-カルボキシ-1-ナフチル基等の置換アリール
基、ウンベリフェリル基、例えば4-メチルウンベリフェ
リル基、4-トリフルオロメチルウンベリフェリル基等の
置換ウンベリフェリル基、インドキシル基、例えば5-ブ
ロモインドキシル基,4-クロロ-3-ブロモインドキシル
基等の置換インドキシル基等が代表的なものとして挙げ
られる。また、光学的に検出可能な基としては、これら
の他に、
【0020】
【化30】 で表わされるフルクトース残基も挙げられるが、この場
合は共役酵素による加水分解後、マンニトールデヒドロ
ゲナーゼとNADHを作用させたときに生ずるNADH
の減少の度合を光学的に測定することによりα−アミラ
ーゼ活性の測定を行なうことができる。
【0021】一般式[I]で示される本発明のオリゴサッ
カライド誘導体には、下記一般式[II]〜[IV]で示される
オリゴサッカライド誘導体が含まれる。
【0022】
【化31】 (式中、R1,R2及びnは前記と同じ。)
【0023】
【化32】 (式中、R1,R2及びnは前記と同じ。)
【0024】
【化33】 (式中、R1,R2及びnは前記と同じ。)
【0025】一般式[II],[III]及び[IV]で示されるオ
リゴサッカライド誘導体は何れも文献未載の新規化合物
である。
【0026】一般式[II]で示されるオリゴサッカライド
誘導体(以下、化合物[II]と略記する。)は、下記一般
式[V]
【0027】
【化34】 (式中、X1,R1,R3及びnは前記と同じ。)で示さ
れるオリゴサッカライド誘導体(以下、化合物[V]と略
記する。)を原料として、例えば下記の方法により容易
に且つ収率良く合成することができる。
【0028】尚、ここでR3は水素原子又はアシル基
(例えばアセチル基,プロピオニル基,ベンゾイル基
等)の何れにても良いが、以下の工程での反応溶媒に対
する溶解度を高める点で、アシル基の方がより好まし
い。
【0029】合成法としては、先ず化合物[V]を一般式
4COSH(式中、R4は前記と同じ。)で示されるチ
オカルボン酸又はその塩(以下、化合物[VI]と略記す
る。)と反応させて、化合物[V]の非還元末端グルコー
スの6位にアシルチオ基(−SCOR4基)を導入す
る。化合物[VI]の具体例としては、例えばチオ酢酸、チ
オ酢酸カリウム、チオ安息香酸、チオ安息香酸ナトリウ
ム等が挙げられる。化合物[VI]の使用量は、化合物[V]
に対し通常1〜10倍モル、好ましくは4〜6倍モルであ
り、反応は、通常、アセトン、ジオキサン、N,N-ジメチ
ルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、ジ
メチルスルホキシド、ジクロロメタン、ジクロロエタン
等の有機溶媒中、要すれば(化合物[VI]として、酸の形
のものを用いた場合)化合物[VI]に対し1〜2倍当量の
塩基(例えばNaOH,KOH,Na2CO3,K2
3,ナトリウムメトキシド,ナトリウムエトキシド
等)の存在下に行なわれる。反応温度は、氷冷下、室温
下、若干加温下何れにてもよく、反応時間は、反応温
度、溶媒その他の条件により自ら異なるが、通常、数時
間乃至数十時間を要し、反応の進行はTLC等で追跡す
れば良い。尚、反応時、モレキュラーシーブス、drieri
te(CaSO4)等の脱水剤を併用すると効果的であ
る。この反応の収率は通常90%以上と極めて高い。
【0030】かくして得られた6位アシルチオ体は、他
の水酸基がアシル保護されている場合(一般式[V]に於
てR3がアシル基である化合物[V]を原料とした場合)に
はここで脱アシル保護することも可能である。
【0031】脱アシル保護反応は、常法に従い、例えば
0.01〜1.0Nナトリウムメトキシド・メタノール溶液等
のアルカリ溶液で数時間乃至数十時間、室温乃至若干加
温下(もしくは氷冷下)処理する等すれば良い。
【0032】次いで、該6位アシルチオ体(アシル保護
体又は脱アシル保護体)に、一般式R22(式中R2
2は前記と同じ。)で示されるハロゲン化アルキル又
はハロゲン化置換アルキル(即ち、一般式[V]で示され
るオリゴサッカライド誘導体の非還元末端グルコースの
6位に導入せんとする置換基のハロゲン体)を作用させ
るか、或は一般式R2ORS(式中、RS、R2は前記と同
じ。)で示される化合物を作用させれば、非還元末端グ
ルコースの6位に目的とする置換基を有する一般式[II]
で示される本発明化合物が容易に得られる。
【0033】一般式R22で示されるハロゲン体の使用
量は、6位アシルチオ体に対し通常1〜10倍モル、好ま
しくは1〜2倍モルで、反応は通常メタノール、DMF
等の溶媒中、窒素気流下で行なわれる。反応温度は通常
-20〜25℃、好ましくは-5〜10℃で、反応時間は反応温
度、溶媒その他の条件により自ら異なるが、通常、数時
間乃至数十時間を要す。反応の進行はTLC等で追跡す
れば良い。
【0034】また、R2ORSで示される化合物の使用量
は、6位アシルチオ体に対し通常1〜10倍モル、好まし
くは1〜6倍モルで、反応は通常メタノール、DMF等
の溶媒中、窒素気流下で行なわれる。反応温度は通常−
10〜30℃、好ましくは0〜10℃で、反応時間は反応温
度、溶媒その他の条件により自ら異なるが、通常、数時
間乃至数十時間を要す。反応の進行はTLC等で追跡す
れば良い。
【0035】尚、アシル保護基がついたままで上記一般
式R22又はR2ORSで示される化合物との反応を行な
った場合には、反応後に脱アシル保護反応を行なう必要
があることは言うまでもない(脱アシル保護反応の条
件、方法等は先に述べた通りである。)。
【0036】脱アシル保護反応と、一般式R22又はR
2ORSで示される化合物を作用させる反応とはどちらを
先にした場合でも、二つの反応を1ポットで行なうこと
が可能である。
【0037】各工程に於ける反応後の後処理等は常法に
従ってこれを行なえばよく、また、最終生成物の精製も
カラムクロマトグラフィー等常法に従ってこれを行なえ
ば足りる。
【0038】尚、一般式R2ORSで示される化合物は、
例えばR2OHで示されるアルコール類とRS2で示さ
れるハロゲン化物とをピリジン等の塩基の存在下反応さ
せることにより容易に得られるのでこのようにして得ら
れたものを用いることで足りるが、一般式R2ORSで示
される化合物の中には不安定なものが多いので、通常は
これを単離、精製せず、次の反応に支障のある未反応の
S2のみを抽出操作等により除去し、粗製のままで次
工程に使用する。
【0039】一般式[II]で示される本発明のオリゴサッ
カライド誘導体の製造法において、原料として用いられ
る上記化合物[V]は例えば、特開昭63−170393号公報に
記載の方法、即ちハロ修飾シクロデキストリンにグルコ
ース、マルトース、マルトトリオース又はこれらの誘導
体等のアクセプターの存在下、シクロマルトデキストリ
ングルカノトランスフェラーゼを作用させ、然る後、こ
れにグルコアミラーゼ又はα−グルコシダーゼを作用さ
せる方法や、特願平2−276934号明細書に記載の非還元
末端グルコースの6位水酸基のみを残したポリアシルオ
リゴ糖誘導体を中間体とする方法、或は特開平2−49796
号公報及び特願平3−131880号明細書等に記載の非還元
末端グルコースの4,6位水酸基を残したポリアシルマ
ルトオリゴ糖誘導体を中間体とする方法、更には、特公
昭62−51960号公報に記載の非還元末端グルコースの
4,6位がベンジリデン架橋されているオリゴグルコシ
ド誘導体を経由する方法等により容易に合成することが
できるので、そのようにして合成したものを用いること
で足りる。
【0040】一般式[III]で示されるオリゴサッカライ
ド誘導体(以下、化合物[III]と略記する。)及び一般
式[IV]で示されるオリゴサッカライド誘導体(以下、化
合物[IV]と略記する。)は、化合物[II]を酸化すること
により容易に得られる。酸化剤としてはS原子をスルホ
キシド又はスルホンに酸化し得るものであれば何れにて
も良いが、例えばm−クロロ過安息香酸や過酸化水素、
過酢酸、過安息香酸等が好ましく挙げられる。反応は通
常、酢酸、ギ酸、プロピオン酸等の酸性溶媒中、或はジ
クロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等の有機
溶媒中、若しくはこれらの有機溶媒と上記酸性溶媒との
混合溶媒中で行なわれ、反応温度は比較的低温が望まし
いが、通常10〜25℃程度が好ましく用いられる。反応時
間は反応温度、溶媒その他の条件により自ら異なるが、
通常、数分乃至数時間程度で十分であり、反応の進行は
TLC等で追跡すれば良い。また、酸化剤の添加は冷却
下で行なうことが望ましく、反応は暗所で行なうことが
より好ましい。尚、化合物[II]を上記酸化剤で酸化した
場合、生成物は通常、スルホキシド(化合物[III])と
スルホン(化合物[IV])の混合物として得られるが、加
える酸化剤の量を調節することにより、生成するスルホ
キシド並びにスルホンの生成比率を調節することができ
る。
【0041】即ち、化合物[II]に対し、1倍当量以下の
酸化剤の添加でスルホキシド体を、また、2倍当量以上
の添加でスルホン体を夫々優位に合成できる。反応後
は、例えば水等の極性溶媒で生成物を抽出し、酸性条件
下でジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等
の有機溶媒にて洗浄した後、カラムクロマトグラフィ等
常法により精製を行なえば足りる。尚、スルホキシドの
場合は一般にS体とR体の異性体混合物として得られる
が該異性体の分離については逆相カラム等を用いた高速
液体クロマトグラフィを用いる方法がより効果的であ
る。
【0042】従来、オリゴ等の1位にS原子を介してア
ルキル基等を導入する方法については知られていたが、
本発明の如く、非還元末端グルコースの6位にS原子を
介してアルキル基等を導入する方法についてはこれまで
文献等に一切記載がなく、本発明者らが鋭意研究の結果
初めて見出したものである。
【0043】本発明の製造方法によれば、α−アミラー
ゼ活性測定用基質として、或はヒトα−アミラーゼの各
アイソザイム分別測定用基質として有用な非還元末端修
飾オリゴサッカライド誘導体を簡単な操作で収率良く得
ることができるので斯業に寄与するところ甚だ大であ
る。
【0044】本発明のオリゴサッカライド誘導体を基質
として用いるα−アミラーゼ活性測定法の測定原理の一
例を示すと、概略以下の通りである。
【0045】
【式1】 (式中、Gはグルコース単位を表わし、Rは非還元末端
グルコースの6位の置換基を表わし、m1とm2はその和
が1から6である0以上の整数を表わし、R'は還元末
端グルコースの1位に置換された、光学的に検出可能な
基を表わす。)
【0046】即ち、先ず始めに、本発明のオリゴサッカ
ライド誘導体に試料中のα−アミラーゼが作用して、非
還元末端グルコースの6位の水酸基がRなる基で置換さ
れた上記化合物[A]と、還元末端グルコースの1位に光
学的に検出可能な基がついた上記化合物[B]が生成し、
次いで、この化合物[B]にグルコアミラーゼ、α−グル
コシダーゼ、β−グルコシダーゼ又はイソマルターゼ等
の共役酵素が1〜3種作用して、m2GとR'−OHが生
成する。このR'−OHを、例えばR'−OHがp-ニトロ
フェノールの如きニトロフェノール類の場合には、直接
その吸収スペクトルを(例えば405nmに於ける吸光度
を)測定することにより、また、R'−OHが、例えば
フェノール、o-クロロフェノール、2,6-ジクロロフェノ
ール、p-メトキシフェノール等の如きニトロ基をもたな
い(ニトロ基をもっていても良いが)フェノール類或は
ナフトール類の場合には、カテコールオキシダーゼ、ラ
ッカーゼ、チロシナーゼ又はモノフェノールオキシダー
ゼの如き酸化酵素類又はヨウ素酸、過ヨウ素酸の如き酸
化剤又はパーオキシダーゼと過酸化水素を作用させて、
4-アミノアンチピリン、3-メチル-2-ベンゾチアゾリノ
ンヒドラゾン(MBTH)等のカプラーとカップリング(酸化
縮合)させ、生成する色素の吸収スペクトルを測定する
ことにより、或はR'−OHがウンベリフェロン、4-メ
チルウンベリフェロンの如く蛍光を有する化合物の場合
には、その蛍光強度を測定することにより、更にはR'
−OHがインドキシルの場合には、酸化されて生成する
インジゴ色素の吸収スペクトルを測定することにより、
夫々試料中のα−アミラーゼ活性を求めることができ
る。
【0047】また、本発明のオリゴサッカライド誘導体
を基質として用いるα−アミラーゼ活性測定法の他の例
としては、特開昭63−183595号公報等に記載のようにア
ジ化水素やアジ化物(アジ化水素のアルカリ金属塩,ア
ルカリ土類金属塩等)等の活性化剤の存在下で、共役酵
素を介せずに直接色素を生成させる方法が挙げられる。
尚、活性化剤としてはこの他にチオシアン酸塩(例えば
KSCN,NaSCN等)やシアン酸塩(例えばKCNO等)等も効
果的に使用し得る。
【0048】特開昭63-183595号公報に記載のように非
還元末端グルコースに修飾基が導入されていないオリゴ
サッカライド誘導体を基質として用いるとα−アミラー
ゼによる糖転移反応がおこり、種々のグルコース数の基
質が生成し、α−アミラーゼの加水分解反応の一部しか
測定できず、また、種々の基質が生成し、反応系が複雑
になる等の問題があったが、本発明のオリゴサッカライ
ド誘導体を基質として用いた場合にはこのような問題点
は全て解消される。
【0049】本発明のオリゴサッカライド誘導体を基質
として用いるα−アミラーゼ活性測定法に於て、基質と
して用いるオリゴサッカライド誘導体の濃度は特に限定
されるものではないが、通常約0.1〜30mMが好ましく用
いられる。
【0050】本発明のオリゴサッカライド誘導体を基質
として用いるα−アミラーゼ活性測定法に於て測定対象
となる試料は、α−アミラーゼを含有する検体なら何れ
にてもよく、例えば生体成分として唾液、膵液、血液、
血清、尿等が挙げられる。共役酵素のグルコアミラー
ゼ、α−グルコシダーゼ、β−グルコシダーゼ又はイソ
マルターゼとしては、特に限定されないが例えば動物、
植物、微生物由来のものが利用でき、夫々単独で、或は
組み合わせて用いられる。これら共役酵素の使用量は通
常0.5〜1000U/ml、好ましくは2〜500U/mlである。
【0051】共役酵素を使用しない測定法を実施する場
合に用いる本発明のオリゴサッカライド誘導体として
は、一般式[I]に於けるnが0から2のものが好まし
く、中でもn=1又は2がより好ましい。この場合、通
常、α−アミラーゼの活性化剤として公知であるアジ化
物やチオシアン酸塩等を添加するのが常法であるが、本
発明者らはこれらの他に塩化ナトリウムや塩化カリウム
等のアルカリ金属塩やシアン酸塩(例えばKCNO等)を加
えても同様の効果を示すことを見出している。これら活
性化剤の使用濃度は、その種類により自ら異なるが、通
常50mmol/l〜10mol/l程度が好ましく用いられる。
【0052】本発明に係るアミラーゼ活性測定法を実施
する測定条件としては、反応温度は特に限定されない
が、好ましくは約25〜40℃であり、反応時間は目的によ
り自由に選択できる。
【0053】至適pHとしては特に限定されないが、pH約
6〜8が好ましい例である。至適pHを維持する緩衝剤は
自由に選択でき、例えば、リン酸塩、トリスハイドロキ
シメチルアミノメタン−塩酸、グッドの緩衝剤などが任
意に選ばれる。
【0054】さらにα−アミラーゼの活性化剤として
は、基質として一般式[I]においてnが3以上のオリゴ
サッカライド誘導体を用いる場合には例えば塩化ナトリ
ウム、塩化カルシウム、塩化カリウム等が使用され、基
質としてnが2以下のオリゴサッカライド誘導体を用い
る場合には、先に述べたように、アジ化物やチオシアン
酸塩、シアン酸塩等、或は塩化ナトリウム、塩化カリウ
ム等のアルカリ金属塩若しくは前者の何れかと後者の何
れかとの併用等が挙げられる。
【0055】共役酵素の作用により遊離したフェノール
類又はナフトール類とカップリング(酸化縮合)させる
カプラーとしては4-アミノアンチピリン、3-メチル-2-
ベンゾチアゾリノンヒドラゾン(MBTH)、p-アミノ-N,N-
ジエチルアニリン等が挙げられるが、これらに限定され
るものではない。フェノール類又はナフトール類とカプ
ラーとをカップリング(酸化縮合)させるための酸化酵
素としては、ラッカーゼ、カテコールオキシダーゼ、チ
ロシナーゼ又はモノフェノールオキシダーゼ等が挙げら
れるが、これらは例えば、動物、植物、微生物由来のも
のが何れも利用でき、通常0.2〜10U/ml、好ましくは0.5
〜4U/mlの範囲で使用される。また、カップリング(酸
化縮合)させる為の酸化剤としては、ヨウ素酸又は/及
びその塩、過ヨウ素酸又は/及びその塩、過酸化水素等
が挙げられるが、これらに限定されない。
【0056】本発明のオリゴサッカライド誘導体は、そ
の非還元末端グルコースの6位の水酸基がRなる基に置
換されている為、そのままではグルコアミラーゼ,α−
グルコシダーゼ,β−グルコシダーゼ又はイソマルター
ゼの基質とはならず、しかも水に易溶なものが多く、α
−アミラーゼとの親和性に優れているので、α−アミラ
ーゼの良好な特異基質となる。従って、本発明のオリゴ
サッカライド誘導体を基質として用いる測定法に於て
は、副反応が起こらず試薬盲検値は極めて小さく、測定
用試液が極めて安定である。また、単一の化合物を基質
とすることから、反応の化学量論が成立し、α−アミラ
ーゼの動力学的検知が可能となる。
【0057】また、本発明のオリゴサッカライド誘導体
を基質として用いるα−アミラーゼ活性測定法に於て
は、グルコアミラーゼ、α−グルコシダーゼ、β−グル
コシダーゼ又はイソマルターゼ等の共役酵素を充分に使
用することができるので、α−アミラーゼ反応以降の反
応速度が速く、より正確で感度のよいα−アミラーゼ活
性の測定を行なうことができる。
【0058】更に、本発明に係る測定法に於ては、検出
遊離してくるニトロフェノール類若しくはインジゴ色素
類の吸収スペクトルを測定するか、若しくは遊離してく
るフェノール類又はナフトール類を4-アミノアンチピリ
ン、MBTH等と酸化カップリングし、その色素の吸収スペ
クトルを測定するか、又は遊離してくるウンベリフェロ
ン類の蛍光強度を測定する等により行なうので、検体中
に共存するグルコース、マルトース等の糖類や、アスコ
ルビン酸、ビリルビン等の還元性物質の影響をほとんど
受けない。 $ 本発明に係るアミラーゼ活性の測定方法は、一定条
件での反応速度を測定するレイトアッセイでも、あるい
は反応停止剤を使用するエンドポイントアッセイとして
もよく、いずれの測定方法も実施可能である。
【0059】また、本発明に係る測定法は自動分析装置
への適応性も良く、必要に応じて用手法、自動分析の何
れにて行なうも可である。
【0060】更にまた、本発明のオリゴサッカライド誘
導体を基質として用いた場合には、色素の呈色を測定す
る、所謂比色法で測定を行なうことができるので、簡便
な試験紙法や反応試薬を含有させた多層分析シート(多
層一体型定量分析フィルム)を使用する所謂乾式定量法
にも応用することができる。
【0061】本発明のオリゴサッカライド誘導体は、ま
た、例えば特開昭63−39600号公報に記載のヒト唾液腺
由来のα−アミラーゼとヒト膵由来のα−アミラーゼの
分別測定法、即ち、α−アミラーゼの加水分解作用を受
けて生じる分解生成物に、基質特異性の異なる2種以上
の共役酵素を作用させ、生じる成績体を測定することに
よって、ヒト膵由来のα−アミラーゼとヒト唾液腺由来
のα−アミラーゼの分別測定を行なう、α−アミラーゼ
アイソザイムの分別測定法等にも効果的な基質として充
分使用可能である。
【0062】また、一般式[I]に於てnが1又は2のオ
リゴサッカライド誘導体を基質として用いた場合には共
役酵素が1種でもα−アミラーゼアイソザイムの分別測
定を行なうことができる。
【0063】即ち、例えばnが1の場合を例に挙げて説
明すると、測定原理は概略以下の通りである。
【0064】
【式2】 (式中、G,R及びR'は前記と同じ。)
【0065】即ち、一般式[I]に於てn=1の本発明の
オリゴサッカライド誘導体に試料中のα−アミラーゼが
作用すると上記2種の反応(反応(1)及び反応(2))がR
基の種類に従って、ある割合で起こり、反応(2)によっ
てR'OHが生成する。次いで反応(1)の生成物にα−グ
ルコシダーゼ、β−グルコシダーゼ、イソマルターゼ等
の共役酵素が1種以上作用すると反応(3)によりG−O
R'からR'OHが生成する。
【0066】そこで、反応(2)により生成したR'OH量
(単位時間当りの)と反応(2)及び反応(3)により生成し
たR'OHの総量(単位時間当りの)との比を求め、そ
の比率を基に、特開昭61−181564号公報に記載の方法に
準じてα−アミラーゼアイソザイムの分別測定を行なえ
ば良い。
【0067】尚、その場合には前述したアジ化物、チオ
シアン酸塩、シアン酸塩、塩化ナトリウム、塩化カリウ
ム等のα−アミラーゼ活性化剤を添加することが望まし
い。
【0068】本発明のオリゴサッカライド誘導体は、更
に、ヒト唾液腺由来のα−アミラーゼ(唾液型α−アミ
ラーゼ)抑制物質の共存下ヒト膵由来のα−アミラーゼ
(膵型α−アミラーゼ)活性を特異的に測定する膵型α
−アミラーゼ活性測定用基質としても用いることができ
る。この際、必要に応じて前述したような共役酵素を1
〜3種用い、また、必要に応じて上述したアジ化物、チ
オシアン酸塩、シアン酸塩、塩化ナトリウム、塩化カリ
ウム等のα−アミラーゼ活性化剤を添加する等は常法の
通りである。
【0069】唾液型α−アミラーゼ抑制物質としては、
例えばClin.Chem 28/7 1525〜1527(1982)記載の小麦胚
芽由来インヒビターや、唾液型α−アミラーゼを特異的
に抑制するモノクローナル抗体等を使用すればよく、こ
のようなモノクローナル抗体としては、例えば、特開昭
58−183098号公報、特開昭60−155134号公報、特開昭61
−164161号公報、特開昭61−194365号公報、特公昭63−
2600号公報等に記載のものが挙げられるが勿論これらに
限定されるものではない。
【0070】尚、モノクローナル抗体の使用に際して
は、活性の異なるモノクローナル抗体を必要により2種
以上組み合わせて使用する等は任意である。以下に実施
例を挙げるが、本発明はこれら実施例により何ら限定さ
れるものではない。
【0071】
【実施例】
実施例1.p-ニトロフェニル O-(6-S-ベンジル-6-チオ-
α-D-グルコピラノシル)-(1→4)-トリス{O-α-D-グル
コピラノシル-(1→4)}-α-D-グルコピラノシド(以
下、化合物1と略す。)
【化35】 の合成
【0072】(1)p-ニトロフェニル O-(2,3,4-トリ-O-ア
セチル-6-S-アセチル-6-チオ-α-D-グルコピラノシル)-
(1→4)-トリス{O-(2,3,6-トリ-O-アセチル-α-D-グル
コピラノシル)-(1→4)}-2,3,6-トリ-O-アセチル-α-D-
グルコピラノシド(以下、フルアセチル−AcSG5Pと略
す。)
【化36】 の合成
【0073】特開昭63−170393号公報に記載の方法によ
り合成したp-ニトロフェニル O-(6-ブロモ-6-デオキシ)
-α-D-グルコピラノシル-(1→4)-O-α-D-グルコピラノ
シル-(1→4)-O-α-D-グルコピラノシル-(1→4)-O-α-D-
グルコピラノシル-(1→4)-α-D-グルコピラノシド(BrG
5P)を常法によりアセチル化して得たp-ニトロフェニル
O-(2,3,4-トリ-O-アセチル-6-ブロモ-6-デオキシ)-α-
D-グルコピラノシル-(1→4)-トリス{O-(2,3,6-トリ-O-
アセチル-α-D-グルコピラノシル)-(1→4)}-2,3,6-ト
リ-O-アセチル-α-D-グルコピラノシド(フルアセチル
−BrG5P)5.97gをドライアセトン 180mlに溶解し、drie
rite 6g及びチオ酢酸カリウム 40gを加えて25℃で一晩
攪拌した。反応終了をT.L.C(ジクロロメタン:メタノ
ール=60:1V/V二重展開)にて確認した後、drieriteを
瀘別し、ジクロロメタンで洗浄して瀘液と洗液を合せ減
圧濃縮した。得られたシロップをカラムクロマトグラフ
ィ[Wakogel C-200(和光純薬工業(株)商品名);溶出
液(a)ジクロロメタン(b)ジクロロメタン/メタノール=
300/1(c)ジクロロメタン/メタノール=100/1]に供
し、溶出液(c)よりフルアセチル−AcSG5P 5.54g(収率9
3%)を得た。
【0074】(2)化合物1の合成 (1)で合成したフルアセチル−AcSG5P 0.294mmolをメタ
ノールに溶解し、0.294mmolのナトリウムトキシドを含
むメタノール溶液を加え、25℃にて静置した。脱アセチ
ル体の生成をT.L.C(ブタノール:エタノール:水=
4:2:1V/V/V)にて確認した後、ベンジルブロマイ
ド 0.294mmolを加えて、窒素気流下、40℃で攪拌した。
反応終了をT.L.C(ブタノール:エタノール:水=4:
2:1V/V/V)にて確認した後、反応液を30℃で減圧濃
縮した。得られたシロップをカラムクロマトグラフィ
[Sephadex LH-20(ファルマシア社商品名);溶出液メ
タノール]に供し、化合物1 145mgを得た。尚、反応収
率、旋光度の測定結果を表Aに、またIR,1H−NM
Rの結果を表Bに夫々示す。
【0075】実施例2.〜34.一般式[II]で示される
各種オリゴサッカライド誘導体の合成 実施例1に於けるベンジルブロマイドを表1の「原料ハ
ロゲン体」の欄に記載の各種ハロゲン体に置き換え実施
例1と同様にして非還元グルコースの6位にS原子を介
して各種置換基を導入したオリゴサッカライド誘導体
(化合物2〜34)を合成した。得られた化合物の収率、
旋光度を表Aに、またIR,1H−NMRの結果を表B
に夫々示す。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【0079】
【表4】
【0080】
【表5】
【0081】
【表6】
【0082】
【表7】
【0083】
【表8】
【0084】
【表9】
【0085】
【表10】
【0086】
【表11】
【0087】
【表12】
【0088】
【表13】
【0089】
【表14】
【0090】
【表15】
【0091】
【表16】
【0092】実施例35.化合物1のスルホキシド体
(以下、化合物35と略す。)
【化37】 の合成 化合物1 0.057mmmolを酢酸に溶解し、0℃に冷却して暗
所にて、m-クロロ過安息香酸 0.057mmolを加え、暗所に
て、25℃で攪拌反応させた。反応終了をT.L.C(ブタノ
ール:エタノール:水=4:2:1V/V/V)にて確認し
た後、反応液を水で抽出した。水層を酸性条件下、ジク
ロロメタンで洗浄した後、減圧濃縮し、未反応の化合物
1、化合物35−I(R体)及び35−II(S体)(化合物3
5の異性体2種)及び化合物1のスルホン体の混合物 67
mgを得た。この混合物を高速液体クロマトグラフィ(HPL
C)に供し、35−I(R体) 13.2mg及び35−II(S体) 1
2.1mgを得た。収率:R体22%、S体20%。旋光度
[α]D:R体+188°(CH3OH)、S体+167°(CH3OH)。
尚、IR及び1H−NMRの結果は表Cに示す。
【0093】
【表17】
【0094】実施例36.化合物2のスルホキシド体
(以下、化合物36と略す。)の合成 実施例35に於て、化合物1の代りに化合物2を用い、そ
れ以外は実施例35と全く同様にして化合物36−I(R
体)及び36−II(S体)を合成した。収率:R体14%、
S体11%。
【0095】実施例37.化合物10のスルホキシド体
(以下、化合物37と略す。)の合成 実施例35に於て、化合物1の代りに化合物10を用い、そ
れ以外は実施例35と全く同様にして化合物37−I(R
体)及び37−II(S体)を合成した。収率:R体25%、
S体21%。旋光度[α]D:R体+138°(CH3OH)、S体+1
50°(CH3OH)。尚、1H−NMRの結果は表Dに示す。
【0096】
【表18】
【0097】実施例38.化合物1のスルホン体(以
下、化合物38と略す。)
【化38】 の合成 化合物1 0.028mmmolを酢酸に溶解し、0℃に冷却して暗
所にて、m-クロロ過安息香酸 0.085mmolを加え、暗所に
て、25℃で攪拌反応させた。反応終了をT.L.C(ブタノ
ール:エタノール:水=4:2:1V/V/V)にて確認し
た後、反応液を水で抽出した。水層を酸性条件下、ジク
ロロメタンで洗浄した後、減圧濃縮し、化合物38 30mg
を得た。収率:43%。旋光度[α]D:+169°(CH3OH)。
尚、IR及び1H−NMRの結果は表Eに示す。
【0098】実施例39.化合物2のスルホン体(以
下、化合物39と略す。)の合成 実施例38に於て、化合物1の代りに化合物2を用い、そ
れ以外は実施例38と全く同様にして化合物39を合成し
た。収率:88%。旋光度[α]D:+91°(CH3OH)。尚、I
R及び1H−NMRの結果は表Eに示す。
【0099】実施例40.化合物10のスルホン体(以
下、化合物40と略す。)の合成 実施例38に於て、化合物1の代りに化合物10を用い、そ
れ以外は実施例38と全く同様にして化合物40を合成し
た。収率:13%。旋光度[α]D:156°(CH3OH)。尚、1
−NMRの結果は表Eに示す。
【0100】
【表19】
【0101】実施例41.p-ニトロフェニル O-[6-S-
{(2-モルホリノ)エチル}-6-チオ-α-D-グルコピラノ
シル]-(1→4)-トリス{O-α-D-グルコピラノシル-(1→
4)}-α-D-グルコピラノシド(化合物23)の合成 トシルクロライド 236mg(1.24mmol)をジクロロメタン
に溶解した後、0℃に冷却し、4ー(2-ハイドロキシル)モ
ルホリン 0.1ml(0.825mmol)とピリジン 0.07ml(0.82
5mmol)を加え、5℃で一晩攪拌した。反応終了をT.
L.C(ジクロロメタン:メタノール=20:1)にて確認
した後、反応液を2N-HClにて抽出した。2N-HCl層をジク
ロロメタンで洗浄し、続いて抽出液をNa2C03にてアルカ
リ性とし、ジクロロメタンにて抽出した。これを無水硫
酸ナトリウムで乾燥した後、25℃にて減圧濃縮し、一般
式R2ORSで示される化合物(但し、R2:モルホリノ
エチル基、RS:トシル基)とピリジンの混合物を得
た。実施例1の(1)と同様にして得られたフルアセチル-
AcSG5P 289.2mg(0.176mmol)をメタノール 30mlに溶解
した後、0℃に冷却し、ナトリウムメトキシドのメタノ
ール溶液 0.12ml(0.176mmolのナトリウムメトキシドを
含有)を加え、0℃にて30分攪拌した。これに、調製直
後の上記一般式R2ORSで示される化合物(但し、
2:モルホリノエチル基、RS:トシル基)とピリジン
の混合物を加え、窒素気流下5℃で20時間攪拌した。反
応終了をT.L.C(アセトン:酢酸:H2O=5:1:1 v/v/v
二重展開)にて確認した後、反応液をイオン交換樹脂
アンバーライト IR-120(H+)にて中和した。樹脂を濾別
し、メタノールで洗浄し、濾液と洗液をあわせて30℃に
て減圧濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフ
ィ〔Sephadex LH-20(ファルマシア社製);溶出液メタノ
ール,sep-pak(plus ENV.tC18,ウォーターズ社製);溶出
液(a)水(b)水:メタノール=10:2〕に供し、化合物23
(159mg)を得た。収率84%。旋光度[α]D、IR及び1
H−NMRは実施例23の結果と一致した。
【0102】実施例42.〜44.一般式[II]で示され
る各種オリゴサッカライド誘導体の合成 実施例41と同様にして、一般式[II]に於けるR1、R2
及びnが表Fに記載の如き各種オリゴサッカライド誘導
体(化合物42〜44)を合成した。得られた化合物の収
率、旋光度を表Fに、またIR,1H−NMRの結果を
表Gに夫々示す。
【0103】
【表20】
【0104】
【表21】
【0105】実施例45.各種オリゴサッカライド誘導
体基質のα−アミラーゼによる水解速度及びKm値の測定 (操作法)表Hに記載の各種オリゴサッカライド誘導体
を基質として用い、50mM BES[N,N-ビス(2-ハイドロキシ
エチル)-2-アミノエタンスルホン酸]-NaOH緩衝液(pH7.
6,20mM NaCl及び2mM CaCl2含有)中に於て、常法によ
り、Km値(mM)及び水解速度(Vmax)を求めた。
【0106】(結果)測定結果を表Hに示す。尚、水解
速度は、(p-ニトロフェニル)マルトペンタオシド(G5P)
に対する水解速度を1とした相対値で示した。 実施例46.各種オリゴサッカライド誘導体基質のα−
アミラーゼによる水解位置の検索 実施例45で用いたオリゴサッカライド誘導体基質の夫々
について水解位置を調べた。
【0107】(操作法)50mM BES[N,N-ビス(2-ハイドロ
キシエチル)-2-アミノエタンスルホン酸]-NaOH緩衝液(p
H7.6,20mM NaCl及び2mM CaCl2含有)に基質を1.5mM溶解
させた溶液50μlと、ヒト膵由来α−アミラーゼ(HPA)又
はヒト唾液腺由来のα−アミラーゼ(HSA)5μlを混合
し、37℃で5〜10分間加温した。反応混合物に7.5%酢酸
溶液100μlを加え、酵素反応を停止させた。該試料中の
α−アミラーゼによる水解生成物量はHPLCにより求め
た。
【0108】(結果)測定結果を表Hに示す。
【0109】
【表22】
【0110】
【表23】
【0111】
【表24】
【0112】
【表25】
【0113】
【表26】
【0114】表Hから明らかな如く、本発明に係る一連
のオリゴサッカライド誘導体は、α−アミラーゼ活性測
定用基質として、 (1)水解速度が速い(特開平1−45391号公報に記載の基
質BG5Pより水解速度が速いものとしては、化合物4,5
−II,6〜11,14〜17,23,25〜27,31,39が挙げら
れ、その中でも特に化合物6,8,23はBG5Pの約2倍と
高感度である。)。 (2)特開昭63−39600号公報に記載の分別測定法に於ける
基質FG5Pより分別性の優れた基質として使用できる(特
に化合物23及び29は夫々FG5Pの約1.35倍及び1.2倍の分
別性を持つ。)。 (3)何れも、膵型α−アミラーゼでの水解速度が唾液型
α−アミラーゼの水解速度より速く、膵型α−アミラー
ゼ活性測定用基質として充分使用できる(その中でも、
化合物39は膵型α−アミラーゼでの水解速度が唾液型α
−アミラーゼの3倍と高く、また、膵型α−アミラーゼ
でBG5Pの約1.5倍の水解速度を持つ。従って、唾液型α
−アミラーゼ抑制物質の使用量が少なくてすむ上、膵型
α−アミラーゼに対する感度が高いことから、特に有効
である。)。 という特長を有する。
【0115】実施例47.各種オリゴサッカライド誘導
体基質のNaN3存在下でのα−アミラーゼによる水解生成
物比及び水解速度比の測定 (操作法)表Jに記載の各種オリゴサッカライド誘導体
を基質として用い、50mM BES[N,N-ビス(2-ハイドロキシ
エチル)-2-アミノエタンスルホン酸]-NaOH緩衝液(pH7.
6,20mM NaCl及び2mM CaCl2含有)に基質を1.4mMとなる
ように溶解し、基質液とした。この基質液に活性化剤と
して1MのNaN3を添加したものと、添加しないものを夫
々調製した。基質液1mlにヒト膵型α−アミラーゼ(H
PA)又はヒト唾液型α−アミラーゼ(HSA)を100
μl加え、37℃で15分反応させた後、7.5%酢酸100μlに
て反応を止め、HPLCにて生成物を確認し、水解生成
物比及び水解速度比を求めた。
【0116】(結果)測定結果を表J及び表Kに示す。
表J及び表Kから明らかなように2-クロロ-4-ニトロフ
ェニルマルトトリオシド(G3C)とその誘導体(化合
物32及び化合物42)並びに2-クロロ-4-ニトロフェニル
マルトテトラオシド(G4C)とその誘導体(化合物33
及び化合物43)のすべてにおいて、NaN3添加により2-ク
ロロ-4-ニトロフェノール(以下、CNPと略記す
る。)が生成し、CNP生成速度も4〜56倍と増加する
ことが判る。
【0117】また、G4Cに於ては、NaN3存在下でα−
アミラーゼ総活性が低下しているのに対し、非還元末端
をブロックした化合物33と化合物43では総活性も増加し
ており、これは修飾基導入による効果と考えられる。更
に、G4C並びにその誘導体(化合物33及び化合物43)
では、NaN3の添加で有意にCNPを生成することが判
る。以上のことから、化合物32,33,42,43は活性化剤の
存在下で共役酵素を使用せずにα−アミラーゼ活性の測
定を行うことができることが判る。
【0118】
【表27】
【0119】
【表28】
【0120】実施例48.α−アミラーゼ活性の測定 (測定試液)化合物8.並びに、p-ニトロフェニル O-
(6-O-(ヘ゛ンシ゛ル-α-D-グルコピラノシル)-(1→4)-トリス
{O-α-D-グルコピラノシル-(1→4)}-α-D-グルコピラ
ノシド(BG5P)各90mgをグルコアミラーゼ400単位、α-グ
ルコシダーゼ300単位、20mmol/l NaCl及び2mmol/l CaCl
2を含む50mmol/l BES-NaOH緩衝液(pH7.6) 30mlに溶解
し、測定試液とした。
【0121】(測定方法)測定試液 2mlに検体血清 100
μlを加え、37℃に加温し、この反応液の波長405nmに於
ける吸光度変化を測定した。別に、α−アミラーゼ活性
既知の標準検体を用い、上記と同様に操作し、検量関係
を求め、この検量線から検体のα−アミラーゼ活性を求
めた。この時の標準検体の各希釈段階に於けるα−アミ
ラーゼ活性(Somogyi単位/dl)と波長405nmに於ける1
分間当りの吸光度増加量(ΔA)との関係を図1に示
す。尚、図1に於て−○−は化合物8を用いた場合の結
果を、又−×−はBG5Pを用いた場合の結果を夫々示す。
図1より明らかな如く、α−アミラーゼ活性(Somogyi
単位/dl)に対してプロットした吸光度増加量(ΔA/mi
n)を結ぶ検量線はどちらの場合も原点を通る直線とな
り、検量線は良好な定量性を示しているが、化合物8の
場合はBG5Pに比べ、約1.7倍高感度であった。
【0122】実施例49.α−アミラーゼ活性の分別測
定 (測定試液) 第1液 化合物23及びp-ニトロフェニル O-[6-デオキシ-6-{(2-
ピリジル)アミノ}-α-D-グルコピラノシル]-(1→4)-ト
リス{O-α-D-グルコピラノシル-(1→4)}-α-D-グルコ
ピラノシド(FG5P)各300mgとイソマルターゼ25単位を50m
lの0.08M 3,3-ジメチルグルタル酸−NaOH緩衝液(pH6.
9,20mmol/lのNaClを含む)に溶解し夫々第1液とした。 第2液 化合物23及びFG5P各300mgとα-グルコシダーゼ1150単位
を50mlの0.08M 3,3-ジメチルグルタル酸−NaOH緩衝液(p
H6.9,20mmol/lのNaClを含む)に溶解し夫々第2液とし
た。 酵素試料液 ヒト唾液型α−アミラーゼ(シグマ社製)とヒト膵液か
ら調製したヒト膵型α−アミラーゼを各々5.5単位/lに
調製後、3:1,1:1,1:3の比で混合した。
【0123】(測定方法)30℃に予備加温した第1液又
は第2液300μlに50μlの酵素試料液を加え、よく混合
後、30℃に保温し、この反応液の400nmに於ける吸光度
の経時変化を、第1液を使用する際には第1液に精製水
50μlを加えよく混合したものを、第2液を使用する際
には第2液に精製水50μlを加えよく混合したものを盲
検として測定した。次いで、第1液中での吸光度の変化
率(ΔE1/min)と第2液中での吸光度の変化率(ΔE2/m
in)を求めてΔE1/min/ΔE2/minを算出した。ΔE1/min
/ΔE2/minと試料液中のヒト膵型α−アミラーゼの活性
比率との関係を図2に示す。尚、図2に於て−○−は化
合物23を用いた場合の結果を、また、−×−はFG5Pを用
いた場合の結果を夫々示す。図2より明らかなように、
どちらの場合もΔE1/min/ΔE2/minとヒト膵型α−アミ
ラーゼの活性比率との間には良好な直線関係が得られる
が、化合物23の場合は、FG5Pの約1.35倍の分別性を示し
ている。
【0124】
【発明の効果】本発明のオリゴサッカライド誘導体は、
α−アミラーゼ活性測定用基質として、またヒトα−ア
ミラーゼの各アイソザイム活性の分別測定用基質とし
て、或は膵型α−アミラーゼの特異的測定用基質として
極めて有用であり、 (1)既存の同種基質と比べて、高感度である、分別
性に優れている、膵型α−アミラーゼの特異的測定用
基質として用いた場合に唾液型α−アミラーゼ抑制物質
の使用量が少なくてすみ、且つ感度も良い、 (2)既存の同種オリゴサッカライド誘導体(非還元末端
グルコースの6位にO原子を介して各種置換基を有する
オリゴサッカライド誘導体)と比べて合成が容易であ
る、等の点に顕著な効果を奏するものであり斯業に貢献
するところ大なる発明である。
【0125】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例48に於て得られた、α−アミラーゼ活性
(Somogyi単位/dl)と波長405nmに於ける1分間当りの
吸光度増加量(ΔA)との関係を示す。
【図2】実施例49に於て得られた、ΔE1/min/ΔE2/min
(第1液中での吸光度の変化率と第2液中での吸光度の
変化率との比)と試料液中のヒト膵型α−アミラーゼの
活性比率との関係を示す。
【符号の説明】
図1に於て、−○−は本発明化合物8を用いた場合の結
果を、また−×−は既存のBG5Pを用いた場合の結果を夫
々示す。第2図に於て−○−は本発明化合物23を用いた
場合の結果を、また−×−は既存のFG5Pを用いた場合の
結果を夫々示す。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式[I] 【化1】 [式中、Rは−SR2, 【化2】 又は 【化3】 を表わし(但し、R2はアルキル基又は置換アルキル基
    を表わす。)、R1は光学的に検出可能な基又は水素原
    子を表わし、nは0〜5の整数を表わす。]で示される
    オリゴサッカライド誘導体。
  2. 【請求項2】 請求項1に於て、一般式[I]のRが−S
    2である下記一般式[II] 【化4】 (式中、R1,R2及びnは前記と同じ。)で示されるオ
    リゴサッカライド誘導体。
  3. 【請求項3】 請求項1に於て、一般式[I]のRが 【化5】 である下記一般式[III] 【化6】 (式中、R1,R2及びnは前記と同じ。)で示されるオ
    リゴサッカライド誘導体。
  4. 【請求項4】 請求項1に於て、一般式[I]のRが 【化7】 である下記一般式[IV] 【化8】 (式中、R1,R2及びnは前記と同じ。)で示されるオ
    リゴサッカライド誘導体。
  5. 【請求項5】 下記一般式[V] 【化9】 (式中、X1はハロゲン原子を表わし、R3は水素原子又
    はアシル基を表わし、R1は前記と同じ。)で示される
    オリゴサッカライド誘導体を、一般式R4COSH(式
    中、R4はアルキル基又はフェニル基を表わす。)で示
    されるチオカルボン酸又はその塩と反応させて、非還元
    末端グルコースの6位にアシルチオ基(−SCOR
    4基)を導入し、次いで、要すれば脱アシル保護した
    後、これに、一般式R22(式中、X2はハロゲン原子
    を表わし、R2は前記と同じ。)で示されるハロゲン化
    アルキル又はハロゲン化置換アルキルを作用させるか、
    或は一般式R2ORS(式中、RSはトシル基、ブロシル
    基、トリフルオロメタンスルホニル基又はメシル基を表
    わし、R2は前記と同じ。)で示される化合物を作用さ
    せることを特徴とする、一般式[II] 【化10】 (式中、R1,R2及びnは前記と同じ。)で示されるオ
    リゴサッカライド誘導体の製造法。
  6. 【請求項6】 一般式[II] 【化11】 (式中、R1,R2及びnは前記と同じ。)で示されるオ
    リゴサッカライド誘導体を酸化することを特徴とする、
    一般式[III] 【化12】 (式中、R1,R2及びnは前記と同じ。)又は、一般式
    [IV] 【化13】 (式中、R1,R2及びnは前記と同じ。)で示されるオ
    リゴサッカライド誘導体の製造法。
  7. 【請求項7】 一般式[I] 【化14】 (式中、R,R1及びnは前記と同じ。)で示されるオ
    リゴサッカライド誘導体を基質として用いることを特徴
    とする、α−アミラーゼ活性測定法。
  8. 【請求項8】 1〜3種の共役酵素の共存下に測定を行
    なう、請求項7に記載の測定法。
  9. 【請求項9】 一般式[I] 【化15】 (式中、R,R1及びnは前記と同じ。)で示されるオ
    リゴサッカライド誘導体を基質として用いることを特徴
    とする、α−アミラーゼ活性分別測定法。
  10. 【請求項10】 1〜3種の共役酵素の共存下に測定を
    行なう、請求項9に記載の分別測定法。
  11. 【請求項11】 一般式[I] 【化16】 (式中、R,R1及びnは前記と同じ。)で示されるオ
    リゴサッカライド誘導体を基質として用い、ヒト唾液腺
    由来のα−アミラーゼ活性を抑制する物質の存在下に測
    定を行なうことを特徴とする、ヒト膵由来のα−アミラ
    ーゼ活性の特異的測定法。
  12. 【請求項12】 1〜3種の共役酵素の共存下に測定を
    行なう、請求項11に記載の測定法。 【0001】
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