JPH0696566B2 - 複素五員環を有するカルボン酸アミド - Google Patents

複素五員環を有するカルボン酸アミド

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JPH0696566B2
JPH0696566B2 JP4628686A JP4628686A JPH0696566B2 JP H0696566 B2 JPH0696566 B2 JP H0696566B2 JP 4628686 A JP4628686 A JP 4628686A JP 4628686 A JP4628686 A JP 4628686A JP H0696566 B2 JPH0696566 B2 JP H0696566B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規な特定の一般式で示される複素五員環を有
するカルボン酸アミド,その製造方法及びそれを有効成
分とする除草剤に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする問題点〕
複素五員環を有するカルボン酸は数種類のものが公知で
あり、ある種のものは生理活性を有することも知られて
いる。例えば、下記式(I) で示されるフランプロピオン酸は、植物ホルモン作用を
有することが知られている。また複素五員環を有するカ
ルボン酸の誘導体であるカルボン酸アミド、例えば、下
記式(II) で示される化合物も知られている。
本発明者らは、下記(I)式のフランプロピオン酸が植
物ホルモン作用を有していることに着目し、複素五員環
を有するカルボン酸及びその誘導体であるカルボン酸ア
ミドが除草活性を有するのではないかと考えた。そして
(I)あるいは(II)式で示される公知の化合物を合成
し、これらの化合物について除草活性試験を行つたが、
予期に反しほとんど除草活性を示さないことを確認する
に終つた。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、種々の置換基をもつ複素五員環を有する
カルボン酸アミドを新たに合成し、その除草活性を検討
してきた。その結果特定の構造を有する新規な化合物が
強い除草活性を示すことを見出して本発明を完成するに
至つた。
すなわち、本発明は下記一般式(III) 〔ただし、Xは酸素原子またはイオウ原子であり、Yは
アルキレン基であり、Z1,Z2及びZ3は同種または異種の
水素原子,ハロゲン原子,アルキル基またはハロゲノア
ルキル基であり、R1はアルキル基,アルコキシ基または
ハロゲン原子であり、R2,R3及びR4は同種または異種の
水素原子またはアルキル基であり、nは0または1であ
る。〕 で示される複素五員環を有するカルボン酸アミドであ
る。
上記一般式(III)で示される化合物は新規な化合物で
ある。また、この化合物は後述する実施例に記載したよ
うに、250g/10aあるいはそれ以下の薬量でノビエなどの
水田中の雑草を枯死させ、しかも2000g/10aという高濃
度で使用しても稲に対して無害である。このように一般
式(III)で示される化合物は、除草活性が高くかつ稲
に対して極めて安全であるという特性を有する。これら
の特性は、一般式(I)及び(II)で示される化合物で
はまつたく認められないことから、該特性が、複素五員
環を有するカルボン酸アミド化合物の複素五員環に特定
の置換基を導入することにより、はじめて発現したもの
であることが明らかとなつた。
前記一般式(III)中、Yで示されるアルキレン基は、
直鎖状,分枝状のいずれであつてもよく、炭素数も特に
制限されない。しかし、原料入手の容易さから炭素数は
1〜6個であることが好ましい。更に一般式(III)で
示される化合物の除草活性を勘案するとYで示されるア
ルキレン基としては、−CH2−, 及び−CH2−CH2−が特に好適である。前記一般式(II
I)中、Z1,Z2,Z3,R1,R2,R3及びR4で示されるアル
キル基は、直鎖状,分枝状のいずれであつてもよく、炭
素数も特に制限されない。しかし、原料入手の容易さか
ら炭素数は1〜6であることが好適である。該アルキル
基の具体例を例示すると、メチル基,エチル基,n−プロ
ピル基,iso−プロピル基,n−ブチル基,iso−ブチル基,t
−ブチル基,n−ペンチル基,n−ヘキシル基等が挙げられ
る。前記一般式(III)中、Z1,Z2,Z3及びR1で示され
るハロゲン原子としては、塩素,臭素,ヨウ素,フツ素
の各原子が何ら制限されず採用される。前記一般式(II
I)中、Z1,Z2及びZ3で示されるハロゲノアルキル基
は、直鎖状,分枝状のいずれであつてもよく、炭素数も
特に制限されない。しかし、原料入手の容易さから炭素
数は1〜6個であることが好適である。ハロゲノアルキ
ル基中のハロゲン原子としては、塩素,臭素,ヨウ素,
フツ素の各原子が何ら制限されず採用される。ハロゲノ
アルキル基中のハロゲン原子の数は、アルキル基を構成
する水素原子をすべてハロゲン置換する数までであれば
いずれの数でもよい。また置換したハロゲン原子が複数
の場合、複数のハロゲン原子は同種または異種のいずれ
でもよい。該ハロゲノアルキル基の具体例を示すとクロ
ロメチル基,ブロモメチル基,ヨードメチル基,クロロ
エチル基,ブロモエチル基,クロロプロピル基,ブロモ
プロピル基,クロロブチル基,クロロペンチル基,クロ
ロヘキシル基,トリクロロメチル基,トリフルオロメチ
ル基,クロロジフルオロメチル基,ペンタフルオロエチ
ル基,クロロテトラフルオロエチル基,トリフルオロエ
チル基等が挙げられる。前記一般式(III)中、R1で示
されるアルコキシ基は特に限定されないが、一般には炭
素数1〜6個の直鎖状または分枝状の飽和あるいは不飽
和基が好適である。一般に好適に使用される該アルコキ
シ基の具体例を提示すると、メトキシ基,エトキシ基,n
−プロポキシ基,iso−プロポキシ基,t−ブトキシ基,n−
ペントキシ基等があげられる。
一般式(III)で示される化合物は次のような手段でそ
の構造を確認することができる。
(イ)赤外吸収スペクトル(IR) 一般式(III)で示される化合物のIRを測定すると、R2
がアルキル基の場合を除きアミド結合の窒素−水素結合
に基づく吸収が3400〜3200cm-1にみられ、芳香環の炭素
−水素結合に基づく吸収が3150〜300cm-1にみられ、脂
肪族の炭素−水素結合に基づく吸収が3000〜2850cm-1
近にみられ、アミド結合の炭素−水素結合に基づく強い
吸収が、1670〜1620cm-1にみられる。
(ロ)プロトン核磁気共鳴スペクトル(H−NMR) 一般式(III)で示される化合物のH−NMRを測定する
ことにより、次のことが判明する。
0.8〜4.0ppm付近にアルキル基及びアルキレン基の
プロトンに基づくピークが現われる。
5.5〜8.0ppm付近に芳香環のプロトンに基づくピー
クが限われる。
各ピークの分裂パターン及びスピン結合定数及び各
ピークの相対強度比からそれぞれの炭素原子に結合して
いる水素原子の数及び各炭素間の配列順序を知ることが
できる。
(ハ)質量スペクトル(Mass) 一般式(III)で示される化合物のMassを測定し、観察
される各ピーク(一般にはイオン分子量mをイオンの荷
電数eで除したm/eで表わされる数)に相当する組成式
を算出することにより、測定に供した化合物の分子量な
らびに該分子内における原子間の結合様式を知ることが
できる。本発明の一般式(III)で示される化合物にお
いては通常分子イオンピーク(以下、M と略記する)
が観察されるため、測定に供した化合物の分子量を決定
することができる。また、 に対応するピークが観察されるのも特徴的である。
(ニ)元素分析 一般式(III)で示される化合物の元素分析を行うこと
によつて、炭素,水素,窒素,さらにハロゲン,イオウ
原子を含む場合にはハロゲン,イオウの各重量%を求
め、更に認知された各元素の重量の和を100から減じる
ことにより、酸素の重量を算出することができ、従つ
て、測定に供した化合物の組成式を決定することができ
る。
前記一般式(III)で示される化合物の製造方法は、特
に限定されるものではなく、いかなる方法であつてもよ
い。しかし、一般には、次の3種の方法で製造すること
が好ましい。
(i)まず、第1の方法は、下記式(IV) 〔ただし、R1,X及びYは前記一般式(III)と同様であ
り、Aはハロゲン原子である。〕 で示されるカルボン酸ハライド化合物と、一般式(V) 〔ただし、Z1,Z2,Z3,R2,R3,R4及びnは前記一般式
(III)と同様である。〕 で示されるアミン化合物とを反応させる方法である。
(ii)第2の方法は、一般式(VI) 〔ただし、R1,X及びYは前記一般式(III)と同様であ
る。〕 で示されるカルボン酸化合物と、一般式(VII) A−COOR5またはA−COCOOR5 (VII) 〔ただし、Aはハロゲン原子であり、R5はアルキル基で
ある。〕 で示されるハロゲノカルボニル化合物を反応させ、次い
で前記一般式(V)で示されるアミン化合物を反応させ
る方法である。
(iii)さらに、一般式(III)において、nが1であ
り、かつR3及びR4が同種または異種のアルキル基である
化合物は下記の第3の方法によつても製造することがで
きる。すなわち一般式(VIII) 〔ただし、X,Y及びR1は前記一般式(III)と同様であ
る。〕 で示されるニトリル化合物と、一般式(IX) 〔ただし、Z1,Z2及びZ3は前記一般式(III)と同様で
あり、R6及びR7は同種または異種のアルキル基であ
る。〕 で示される置換ベンジルアルコール化合物を反応させる
ことによつて、一般式(X) 〔ただし、X,Y,Z1,Z2,Z3及びR1は前記一般式(III)
と同様であり、R6及びR7は同種または異種のアルキル基
である。〕 で示される化合物を得ることができる。
以上に述べた(i)及び(ii)の製造方法によつて得ら
れた一般式(III)中のR2が水素原子である化合物及び
前記(iii)の製造方法によつて得られた一般式(X)
で示される化合物は、これらをさらにアルキル化するこ
とによつて一般式(III)中のR2がアルキル基である化
合物に変換させることができる。
以下に、これらの3種の製造方法について更に詳細に説
明する。まず、第1の方法において、原料である前記一
般式(IV)で示されるカルボン酸ハライド化合物は水に
対して活性であるので、原料ならびに反応系内に存在す
る化合物はすべて乾燥状態のものを使用し、反応系の気
相を乾燥状態に保持するのが好ましい。
前記一般式(IV)及び(V)で示される化合物の仕込み
モル比は必要に応じて適宜決定して使用すればよい。通
常は一般式(IV)で示されるカルボン酸ハライド化合物
1モル当りの一般式(V)で示されるアミン化合物の仕
込みモル比(以下、M.R.と略記する)が0.01〜100の範
囲であることが好ましい。一般式(IV)で示されるカル
ボン酸ハライド化合物と一般式(V)で示されるアミン
化合物を反応させて一般式(III)で示される化合物を
製造する際、等量のハロゲン化水素が副生する。反応系
中に共存する未反応の一般式(V)で示されるアミン化
合物は、副生するハロゲン化水素と反応して塩を形成
し、一般式(IV)で示されるカルボン酸ハライド化合物
と反応しなくなる場合が多い。従つて、反応効率を考慮
すると、アミン化合物をカルボン酸ハライド化合物に対
して過剰に存在させることが好ましく前記M.R.は1.5〜1
0の範囲、特に2〜3であることが最も好ましい。ま
た、副生するハロゲン化水素を捕捉するためにハロゲン
化水素捕捉剤を共存させることも好ましい方法である。
該ハロゲン化水素捕捉剤は特に限定されず公知のものを
使用することができる。一般に好適に使用される該捕捉
剤として、トリメチルアミン,トリエチルアミン,トリ
プロピルアミン等のトリアルキルアミン;ピリジン;炭
酸ナトリウム;炭酸カリウム等があげられる。なお、反
応系内に前記ハロゲン化水素捕捉剤を一般式(IV)で示
されるカルボン酸ハライド化合物1モルに対して1モル
以上共存させると、M.R.は1〜3が最も好ましい。
本発明における前記反応に際しては、一般に有機溶媒を
用いるのが好ましい。該有機溶媒として好適に使用され
るものを例示すればベンゼン,トルエン,キシレン,ヘ
キサン,ヘプタン,石油エーテル,クロロホルム,塩化
メチレン等の脂肪族または芳香族の炭化水素類あるいは
ハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル,ジオキサ
ン,テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトニトリ
ル,プロピオニトリル等のニトリル類;N,N−ジメチルホ
ルムアミド,N,N−ジエチルホルムアミド等のN,N−ジア
ルキルアミド類;ジメチルスルホキシド等が挙げられ
る。
前記反応において原料及び必要に応じて用いる有機溶媒
やハロゲン化水素捕捉剤の添加順序は特に限定されない
が、一般には有機溶媒に前記一般式(IV)で示されるカ
ルボン酸ハライド化合物を溶解して反応器に仕込み、攪
拌しながらハロゲン化水素捕捉剤またはハロゲン化水素
捕捉剤を溶媒に溶解あるいは懸濁した溶液を添加し、次
いで溶媒に溶解した前記一般式(V)で示されるアミン
化合物を攪拌しながら添加するのがよい。勿論、上記各
成分を連続的に反応系に添加し、生成した反応物を連続
的に該反応系から取り出すこともできる。
前記反応における温度は広い範囲から選択でき、一般に
は−40℃〜150℃、好ましくは−10℃〜100℃の範囲から
選べば十分である。反応時間は、原料,溶媒,ハロゲン
化水素捕捉剤及び反応温度によつても異なるが、通常は
5分〜10日間、好ましくは20分〜50時間の範囲から選べ
ば十分である。また反応系は反応中攪拌を行うのが好ま
しい。
反応系から目的生成物すなわち前記一般式(III)で示
される化合物を単離精製する方法は特に限定されず公知
の方法を採用できる。例えば、次のような方法が好適に
採用される。反応液を氷水に攪拌しながら注ぎ、10分間
程度攪拌後水層と有機層に分液し、有機層を塩酸,水,
炭酸水素ナトリウム水溶液及び水で順次洗浄する。該有
機層を芒硝,塩化カルシウム等の乾燥剤で乾燥後、溶媒
を留去して得た残渣を再結晶によつて精製する再結晶の
他、カラムクロマトグラフイーによる精製、あるいは真
空蒸留等の精製手段も利用し得る場合がある。
次に前記(ii)の製造方法について説明する。
この製造方法は、2段階の反応によつて進行すると考え
られる。まず一般式(VI)で示されるカルボン酸化合物
と、一般式(VII)で示されるハロゲノカルボニル化合
物が反応して、下記一般式(XI) 〔ただし、X,Y,R1及びR5は前記一般式(III)及び(VI
I)と同様である。〕 で示される化合物が生成する。次に該化合物と一般式
(V)で示されるアミン化合物とが反応して、目的物で
ある一般式(III)で示される化合物が生成するもので
ある。上記前段の反応において、一般式(XI)で示され
る化合物と当量のハロゲン化水素が副生する。従つて、
前記(i)の反応と同様に前段の反応系にハロゲン化水
素捕捉剤を共存させることが好ましい。
原料である一般式(VII)で示されるハロゲノカルボニ
ル化合物及び中間体と考えられる一般式(XI)で示され
る化合物は水に対して活性であるので、反応系内の化合
物はすべて乾燥状態のものを使用し、反応系の気相を乾
燥状態に保持するのが好ましい。
一般式(VI),(VII)及び(V)で示される化合物及
び必要により添加されるハロゲン化水素捕捉剤の仕込み
モル比は必要に応じて適宜決定して使用すればよい。通
常は、一般式(VI)で示されるカルボン酸化合物1モル
に対して一般式(VII)及び(V)で示される化合物及
びハロゲン化水素捕捉剤をそれぞれ0.01〜100モルの範
囲で加えればよいが、特に一般式(VI)で示されるカル
ボン酸化合物に対してそれぞれ等モルもしくはやや過剰
モル使用するのが最も好ましい。
上記製造方法において一般に有機溶媒を用いるのが好ま
しい。該溶媒として好適に使用されるものを例示すれ
ば、クロロホルム,塩化メチレン等の脂肪族ハロゲン化
炭化水素類;ジエチルエーテル,ジオキサン,テトラヒ
ドロフラン等のエーテル類等が挙げられる。
一般式(VI)及び(VII)で示される化合物、前述のハ
ロゲン化水素捕捉剤及び溶媒の4者の反応器への添加順
序は特に限定されない。しかし、一般に溶媒に一般式
(VI)で示されるカルボン酸化合物を溶解して反応器に
仕込み、攪拌しながらハロゲン化水素捕捉剤を溶媒に溶
解または懸濁した溶液を添加する。該溶液に、攪拌しな
がら一般式(VII)で示されるハロゲノカルボニル化合
物を溶媒に溶解した溶液を滴下する。所定温度で所定時
間反応させる。次に後述の反応を行うために、一般式
(V)で示されるアミン化合物を溶媒に溶解した溶液
を、攪拌しながら、上記反応液に滴下する。上記2段階
の反応は、いずれも低温で行うのが好ましく、その温度
は一般には−150℃〜70℃、好ましくは−100℃〜室温の
範囲から選択すればよい。反応時間は原料の種類によつ
ても異なるが、上記2段の反応いずれも、通常5分〜10
日間、好ましくは30分〜40時間の範囲から選べば十分で
ある。また反応中においては、攪拌を行うのが好まし
い。
また、単離精製する方法は、前記(i)の製造方法と同
様な方法を採用することができる。
以上に、一般式(III)で示される本発明の化合物の製
法として(i)及び(ii)を説明したが一般式(III)
で示される化合物のうちXが酸素原子のものを合成する
際、(i)の方法ではその原料である酸ハライドが不安
定なことが多く、副生物が生成する場合があるので、
(ii)の方法で合成する方が好ましい。なお、一般式
(III)で示される化合物のうち、Xがイオウ原子の場
合は、いずれの方法でも問題なく合成できる。
次に(iii)の製造方法について説明する。
上記の反応では触媒を用いることが好ましい。該触媒は
前記一般式(X)で示される置換ベンジルアルコール化
合物の水酸基と作用して置換ベンジルカチオンを生成す
る能力を有し、かつ一般式(VIII)で示されるニトリル
化合物の炭素−窒素三重結合の分極を促進させる能力を
有するものであれば特に限定されず使用できる。一般に
は公知のルイス酸,ブレンステツド酸等の酸触媒が使用
できる。好適に使用される酸触媒を例示すると、硫酸,
ポリリン酸,酢酸及び三フツ化ホウ素などが挙げられ
る。
前記一般式(VIII)及び(IX)で示される化合物の仕込
みモル比は必要に応じて適宜決定して使用すればよい。
通常は一般式(VIII)で示されるニトリル化合物1モル
に対して一般式(IX)で示される置換ベンジルアルコー
ル化合物を0.01〜100モルの範囲で反応させることがで
き、両者の反応活性に応じて仕込みモル比を決定するの
が好ましい。
酸触媒を用いる際の一般式(VIII)で示されるニトリル
化合物に対する仕込みモル比は特に制限されるものでは
ないが、0.1〜50の範囲で使用するのが好適である。
前記反応に際しては、一般に有機溶媒を用いるのが好ま
しい。該溶媒としては、ジn−ブチルエーテル,ジn−
プロピルエーテル,ジエチルエーテル,酢酸,ギ酸,四
塩化炭素などが挙げられる。
前記反応における、原料,触媒及び溶媒の添加順序は特
に限定されない。好適に実施される添加順序の一例を下
記に挙げる。溶媒に一般式(VIII)で示されるニトリル
化合物を溶解して反応器に仕込み、攪拌しながら触媒を
添加し、次いで溶媒に溶解した前記一般式(X)で示さ
れる置換ベンジルアルコール化合物を攪拌しながら添加
する。
前記反応における反応温度は−50℃〜100℃、好ましく
は−20℃〜50℃の範囲から選択できる。反応時間は原
料,触媒,反応温度及び触媒の種類によつても異なるが
通常は1時間〜10日間、好ましくは5時間〜50時間の範
囲から選べば十分である。また反応系は反応中攪拌を行
うのが好ましい。
反応系から目的生成物すなわち前記一般式(X)で示さ
れる化合物を単離精製する方法は特に限定されず公知の
方法を採用できる。例えば、前記反応(i)で用いた方
法が好適に採用される。
次に、上記(i)〜(iii)の方法で製造した一般式(I
II)で示される化合物のうちR2が水素原子である化合物
あるいは一般式(X)で示される化合物をアルキル化し
て、一般式(III)で示される化合物のうちR2がアルキ
ル基である化合物とする方法について述べる。
該アルキル化反応においてアルキル化試剤としては公知
のものが何ら制限なく用いられ特にアルキルハライド及
びジアルキル硫酸が好適に用いられる。該アルキル化剤
のアルキル基としては、直鎖状,分枝状のいずれであつ
てもよく、炭素数も特に制限されない。しかし、原料入
手の容易さから炭素数は1〜6個であることが好適であ
る。また該アルキルハライド中のハロゲン原子は、ヨウ
素,臭素,塩素,フツ素の各原子が特に制限されず採用
できるが、その反応性からは、ヨウ素,臭素,塩素の各
原子が好適である。
上記反応においては塩基性化合物を共存させることが好
ましい。該塩基性化合物は一般式(X)で示される化合
物のアミド結合の水素原子を引き抜き、アミド陰イオン
にする能力を有するものであれば特に限定されず使用で
きる。一般には、アルカリ金属,アルカリ土類金属及び
それらの水素化物が使用できる。好適に使用される塩基
性化合物を例示するとリチウム,ナトリウム,カリウ
ム,水素化リチウム,水素化ナトリウム,水素化カルシ
ウムなどが挙げられる。さらに(i)の反応に際して用
いられるハロゲン化水素捕捉剤も利用できる場合もあ
る。
一般式(X)で示される化合物及び上記アルキル化剤の
仕込みモル比は必要に応じて適宜決定して使用すればよ
い。一般に一般式(X)で示される化合物1モルに対し
て上記アルキル化剤を0.01〜100モルの範囲で反応させ
ることができ、両者の反応性に応じて仕込みモル比を決
定するのが好ましい。
塩基性化合物を用いる際の一般式(X)で示される化合
物に対する仕込み当量比は制限されるものではないが、
0.1〜50の範囲で使用するのが好適である。
前記反応に際しては、一般に有機溶媒を用いるのが好ま
しい。該溶媒としては、ヘキサン,ベンゼン,トルエ
ン,キシレンなどの炭化水素やジエチルエーテル,ジプ
ロピルエーテル,ジブチルエーテルなどのエーテルが好
適である。
一般式(X)で示される化合物,塩基性化合物,溶媒,
及びアルキル化剤の添加順序は特に限定されないが、通
常は溶媒に一般式(X)で示される化合物を溶解して反
応器に仕込み攪拌しながら上記塩基性化合物を添加す
る。所定温度で所定時間反応させる。次に後段の反応を
行うために、アルキル化剤を溶媒に溶解した溶液を、攪
拌しながら、上記反応液に滴下する。
上記2段階の反応温度はいずれも、−10℃〜200℃と広
い範囲から選択できる。一般にはいずれの反応の場合
も、仕込み時期は室温または氷冷にし、次いで反応系が
還流する温度まで加熱するのが好ましい。
反応時間は原料の種類によつても異なるが上記2段の反
応いずれも、通常5分〜10日間、好ましくは30分〜40時
間の範囲から選べば十分である。また反応中において
は、攪拌を行うのが好ましい。
上記製法で好適に用いられる塩基性化合物は水に対して
活性であるので、反応系の化合物はすべて乾燥状態のも
のを使用し、反応系の気相を乾燥状態に保持するのが好
ましい。
反応系から目的生成物すなわち前記一般式(III)で示
される化合物を単離精製する方法は特に限定されず前述
の公知の方法が採用できる。
本発明の前記一般式(III)で示される化合物は、除草
剤として著しくすぐれた効果を発揮する。例えばイネ科
雑草,広葉雑草,多年生雑草の発芽前及び発芽後の土壌
処理にすぐれた除草効果を発揮する。特にイネ科雑草に
ついては著しい除草効果を示し、例えば強害雑草である
ノビエに対してその発芽時だけでなく2葉期に生育した
ものにすぐれた除草効果を示す。しかも水稲に対しては
2葉期の稚苗だけでなく発芽時においても高い安全性を
有する。このように除草効果に高度の選択性を有してい
るため、処理適期幅が従来の除草剤に比べると著しく長
いすぐれた利点となる。上記特性を有するため、湛水直
播栽培にも適用でき、栽培様式の簡便化及び大幅な労働
節減が可能になり、農作業の合理化にも有効である。
また畑地の除草剤とするときも選択的除草効果を発揮す
るので、大豆,ワタ,コウリヤン等の広葉作物だけでな
く小麦,大麦,とうもろこし,陸稲等のイネ科作物にも
損害なしに適用することができる。
本発明の一般式(III)で示される化合物の除草剤とし
ての施用量としては、一般に10アール当り2g〜2000g、
好ましくは10g〜500gを有効成分量として使用すればよ
い。
前記一般式(III)で示される化合物の除草活性は、一
般式中のX,Y,Z1,Z2,Z3,R1,R2,R3,R4及びnの種
類,組み合わせの違いによつて若干変動する。特に除草
活性の面から好適なものとしては、Yがメチレンまたは
エチレン基;Z1,Z2,Z3が水素原子またはハロゲン原子
で示される化合物群が挙げられる。さらに好適なものと
しては、Yがメチレン基;Z1,Z2,Z3の中の少なくとも
1個が水素原子であつて、他が水素原子またはハロゲン
原子で示される化合物群が挙げられる。また、前記一般
式中、R1がアルキル基である化合物またはnが1でR3
びR4が共にアルキル基である化合物は、除草活性が良好
であるという傾向を示すため、本発明において好適な化
合物である。
以下に、本発明をさらに詳しく説明するために実施例を
掲げるが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
実施例1 4−メチルチオフエン−2−酢酸クロライド(0.87g)
をベンゼン(50ml)に溶解し、5〜10℃に冷却し攪拌し
ながら、α,α−ジメチル−4−クロロベンジルアミン
(1.43g)をベンゼン(20ml)に溶解した溶液に滴下し
た。滴下終了後反応液を室温にもどし、16時間攪拌し
た。反応液を氷水100mlにそそぎ10分間攪拌した後、有
機層を、5%炭酸水素ナトリウム,水,1N−塩酸及び水
で順次洗浄した。芒硝で乾燥後、ベンゼンを留去した残
渣を、ベンゼン−ヘキサンから再結晶することにより、
白色針状結晶(1.30g)を得た。このものの赤外吸収ス
ペクトルを測定した結果は第1図に示すとおりであり、
3280cm-1にアミド結合基の窒素−水素結合に基づく吸
収,3070cm-1に芳香環の炭素−水素結合に基づく吸収,30
00〜2800cm-1に脂肪族の炭素−水素結合に基づく吸収,1
645cm-1にアミド結合のカルボニル基に基づく吸収が観
察された。その元素分析値はC62.49%,H5.89%,N4.52%
であつて、C16H18NOClS(307.85)なる組成式に対する
計算値C62.43%,H5.89%,N4.55%によく一致した。ま
た、質量スペクトルを測定したところ、m/e307に分子量
に対応する分子イオンピーク〔M 〕,m/e153に に対応するピーク,m/e111に に対応するピークが認められた。さらに、H−NMR
(δ,ppm:テトラメチルシラン基準,重クロロホルム溶
媒)を測定した結果は第2図に示したとおりであり、1.
5ppmに6個分の一重線を示し、(a)のメチルプロトン
に相当した。2.1ppmに3個分の一重線を示し、(b)の
メチルプロトンに相当した。3.45ppmに2個分の一重線
を示し、(c)のメチレンプロトンに相当した。6.1ppm
に1個分の幅広い一重線を示し、(d)のNHプロトンに
相当した。6.5ppmに1個分の一重線を示し、チオフエン
環の(e)のプロトンに相当した。6.6ppmに1個分の一
重線を示し、チオフエン環の(f)のプロトンに相当し
た。7.0ppmに4個分の一重線を示し、ベンゼン環の
(g)のプロトンに相当した。
以上の結果から、該単離生成物が4−メチルチオフエン
−2−酢酸(α,α−ジメチル−4′−クロロベンジ
ル)アミドであることが明らかとなつた。
なお、以下の実施例における生成物の構造も上記と同様
な方法を用いて決定した。
実施例2 実施例1における4−メチルチオフエン−2−酢酸クロ
ライドの代りに4−メチルチオフエン−2−酢酸ブロマ
イド(1.10g)を用いた以外は実施例1と同様に反応及
び後処理を行い、実施例1で得たと同一の生成物(1.20
g)が得られた。
実施例3 5−メチルフラン−2−酢酸(1.84g)とトリエチルア
ミン(1.46g)をクロロホルム(20ml)に溶解し、−60
〜−70℃に冷却した。攪拌しながらクロルギ酸エチル
(1.46g)をクロロホルム(20ml)に溶かした溶液を、
1時間かけて滴下した。その温度でさらに2時間攪拌
後、3,5−ジクロロアニリン(2.11g)をクロロホルム
(20ml)に溶かした溶液を攪拌しながら1時間かけて滴
下した。4時間攪拌した後室温にもどし水(50ml)を添
加して、15分攪拌した。該有機層を1N−塩酸及び水で洗
浄し、芒硝で乾燥後、溶媒及び低沸物を留去した残渣を
メタノール−水から再結晶することにより、白色針状結
晶(2.14g)を得た。このものの赤外吸収スペクトルを
測定した結果は第3図に示すとおりであり、3280及び32
40cm-1に窒素−水素結合に基づく吸収,3200〜3000cm-1
に芳香環の炭素−水素結合に基づく吸収,3000〜2800cm
-1に脂肪族の炭素−水素結合に基づく吸収,1665cm-1
アミド結合のカルボニル基に基づく吸収が観察された。
その元素分析値はC54.65%,H3.83%,N5.05%であつて、
C13H11NO2Cl2(284.14)なる組成式に対する計算値C54.
95%,H3.90%,N4.93%によく一致した。また、質量スペ
クトルを測定したところ、m/e287,285,283に分子イオン
ピーク〔M 〕,m/e188に m/e160に m/e95に に対応するピークが認められた。さらに、H−NMRを
測定した結果は第4図に示したとおりであり、1.6ppmに
1個分の一重線を示し、(a)のNHプロトンに相当し
た。2.2ppmに3個分の一重線を示し、(b)のメチルプ
ロトンに相当した。3.6ppmに2個分のプロトンを示し、
(c)のメチレンプロトンに相当した。5.8ppmに1個分
の二重線を示し、フラン環の(d)のプロトンに相当し
た。6.0ppmに1個分の二重線を示し、フラン環の(e)
のプロトンに相当した。6.85ppmに1個分の三重線のプ
ロトンを示し、(f)のベンゼン環のプロトンに相当し
た。7.2ppmに2個分の二重線のプロトンを示し、(g)
のベンゼン環のプロトンに相当した。
以上の結果から、該単離生成物が5−メチルフラン−2
−酢酸3,4−ジクロロアニリドであることが明らかとな
つた。
実施例4 実施例3におけるクロルギ酸エチルの代りにブロモギ酸
エチル(2.07g)を用いた以外はすべて実施例3と同様
に反応及び後処理を行い、実施例3で得たと同一の生成
物(2.01g)を得た。
実施例5 5−メチルチオフエン−2−アセトニトリル(2.06g)
とα,α−ジメチル3,4−ジクロルベンジルアルコール
(1.31g)をn−ブチルエーテル(10ml)に溶解し5℃
に冷却した。攪拌しながら濃硫酸(1.65ml)をゆつくり
滴下し、20時間攪拌後、飽和炭酸ソーダ水溶液で塩基性
にし、エーテルを加えて有機層を分液し、芒硝で乾燥
後、溶媒及び未反応の上記ニトリルを留去して得た残渣
をヘキサンで再結晶することにより淡黄色針状結晶(1.
20g)を得た。このものの赤外吸収スペクトルを測定し
たところ、3320cm-1に窒素−水素結合に基づく吸収,310
0〜3000cm-1に芳香環の炭素−水素結合に基づく吸収,30
00〜2800cm-1に脂肪族の炭素−水素結合に基づく吸収,1
650cm-1にアミド結合のカルボニル基に基づく吸収が観
察された。その元素分析値はC56.25%,H5.12%,N4.0.4
%であつて、C16H17NOCl2S(342.29)なる組成式に対す
る計算値C56.15%,H5.0.1%,N4.09%によく一致した。
また、質量スペクトルを測定したところ、m/e345,343,3
41に分子イオンピーク〔M 〕,m/e187に m/e111に に対応するピークが認められた。さらに、H−NMRを
測定した結果は第5図に示したとおりであつた。以上の
結果から、該単離生成物が下記式で示される5−メチル
チオフエン−2−酢酸(α,α−ジメチル−3′,4′−
ジクロロベンチル)アミドであることが明らかとなつ
た。
実施例6 実施例3における3,4−ジクロロアニリンの代りに2,4−
ジクロロアニリンを用いた以外は実施例3と同様にして
合成した5−メチルフラン−2−酢酸2′,4′−ジクロ
ロアニリド(3.00g)をキシレン(30ml)に加熱して溶
かし、攪拌しながら水素化ナトリウムを上記アニリドに
対して3.1当量加えて4時間加熱還流した。次いで攪拌
下にヨウ化メチルを上記アニリドに対して2.8当量加
え、さらに3時間加熱還流した。低沸物を留去して得た
残渣を真空蒸留し、沸点144℃/0.2mmHgの粘稠液体(2.4
2g)を得た。このものの赤外吸収スペクトルを測定した
ところ3100〜3000cm-1に芳香環の炭素−水素結合に基づ
く吸収,3000〜2800cm-1に脂肪族の炭素−水素結合に基
づく吸収,1665cm-1にアミド基のカルボニル結合に基づ
く吸収が観察された。その元素分析値はC56.31%,H4.31
%,N4.78%であつて、C14H13NO2Cl2(298.17)なる組成
式に対する計算値C56.40%,H4.39%,N4.70%によく一致
した。また質量スペクトルを測定したところ、m/e301,2
99,297に分子イオンピーク〔M 〕,m/e262に〔M −C
l〕,m/e202に m/e174に m/e95に に対応するピークが認められた。以上の結果から、該単
離生成物が下記式で示される5−メチルフラン−2−酢
酸N−メチル−2′,4′−ジクロロアニリドであること
が明らかとなつた。
実施例7 実施例6におけるヨウ化メチルの代りに臭化メチルを用
いた以外はすべて実施例6と同様に反応及び後処理を行
い、実施例6で得たものと同一の生成物(1.35g)を得
た。
実施例8 実施例6におけるヨウ化メチルの代りにヨウ化エチルを
用いた以外は実施例6と同様に反応を行い、生成物(2.
13g)を得た。元素分析値はC57.65wt%,H4.73wt%,N4.5
3wt%であり、C15H15NO2Cl2(312.20)の理論値であるC
57.71wt%,H4.84wt%,N4.49wt%とよく一致した。さら
に、実施例6と同様に機器分析を行つた結果、生成物の
構造が、下記式で示される5−メチルフラン−2−酢酸
N−エチル−2,4−ジクロロアニリドであることを確認
した。
実施例9 5−メチルフラン−2−酢酸ブロマイド(4.06g)とト
リエチルアミン(2.43g)をベンゼン(80ml)に溶解
し、4〜8℃に冷却し攪拌下にN−メチル−2,4−ジク
ロロアニリン(3.87g)のベンゼン溶液(30ml)を滴下
した。滴下終了後反応液を室温で1日攪拌した後氷水
(150ml)に注ぎ、有機層を5%炭酸ナトリウム,水,1N
−塩酸及び水で順次洗浄した。芒硝で乾燥後ベンゼンを
留去し、残渣を真空蒸留することにより実施例6で得ら
れたのと同一生成物である5−メチルフラン−2−酢酸
N−メチル−2′,4′−ジクロロアニリド(3.73g)を
得た。
実施例10 実施例1において4−メチルチオフェン−2−酢酸クロ
ライドの代りに下記一般式 で示されるカルボン酸クロライド化合物を用い、かつ
α,α−ジメチル−4−クロロベンジルアミンの代りに
下記一般式 で示されるアミン化合物を用いた以外は実施例1と同様
に反応を行ない、下記一般式 で示される生成物を得た。その結果を表1に示した。
なお以下の表中で使用した略記は次の意味を有する。
Me:メチル基〔CH3〕; Et:エチル基〔CH2CH3〕; i−Pr:イソプロピル基〔CH(CH3)2〕; n−Pt:ノーマルプロピル〔CH2CH2CH3〕。
実施例11 実施例3において5−メチルフラン−2−酢酸の代りに
下記一般式 で示されるカルボン酸化合物を用い、3,5−ジクロロア
ニリンの代りに下記一般式 で示されるアミン化合物を用いた以外は実施例3と同様
に行い、下記一般式 で示される化合物を得た。
本実施例による生成物を表2にあげた。
実施例12 実施例5において5−メチルチオフェン−2−アセトニ
トリルの代りに下記一般式 で示されるニトリル化合物を用い、α,α−ジメチル3,
4−ジクロルベンジルアルコールの代りに下記一般式 で示される置換ベンジルアルコール化合物を用いた以外
は実施例5と同様に行ない、下記一般式 で示される化合物を得た。
その結果を表3に示した。
実施例13 実施例6において5−メチルフラン−2−酢酸2′,4′
−ジクロロアニリドの代りに下記一般式 で示される化合物を用い、ヨウ化メチルの代りに表4の
R2に対応するヨウ化アルキルを用いた以外は実施例6と
同様にして行ない、下記一般式 で示される化合物を得た。その結果を表4に示した。
製剤例 実施例1において得られた4−メチルチオフェン−2−
酢酸α,αジメチル−4′−クロロベンジルアミド20
部、ジ−クライトとクニライト(商品名:国峰社製,と
もに粘土鉱物)の2:1混合物75部、界面活性剤としてソ
ルポール800(商品名:東邦化学工業社製)5部を混合
粉砕して20%水和剤を得た。
実施例14 1/8850アールの磁製ポットに、水を加えて攪拌した水田
土壌(沖積壌土)を充填し、水田雑草を播種した後、2
葉期のイネ苗(品種:ニホンバレ)を深さ1cmに移植
し、水を加えて3cmの湛水状態にした。次いで前記製剤
例に準じて製造した各化合物の水和剤の水希釈液を雑草
発芽時に薬量が300g/10aとなるように滴下処理した。
処理後平均気温25℃の温度内で生育させ3週間後に各供
試化合物の除草効果を調査した結果を表5に示す。な
お、評価は6段階とし、除草効力の評価は下記のように
0〜5の数字で表わした。
0……抑草率 0〜 9% 1…… 〃 10〜 29% 2…… 〃 30〜 49% 3…… 〃 50〜 69% 4…… 〃 70〜 89% 5……抑草率 90〜100%
【図面の簡単な説明】
第1図及び第3図は、夫々実施例1及び実施例3で得ら
れた本発明の複素五員環を有するカルボン酸アミドの赤
外吸収スペクトルを示す。また、第2図、第4図及び第
5図は、夫々、実施例1、実施例3及び実施例5で得ら
れた本発明の複素五員環を有するカルボン酸アミドの1H
−核磁気共鳴吸収スペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 333/24 333/28 333/32

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 〔ただし、Xは酸素原子またはイオウ原子であり、Yは
    アルキレン基であり、Z1,Z2及びZ3は同種または異種の
    水素原子,ハロゲン原子,アルキル基またはハロゲノア
    ルキル基であり、R1はアルキル基,アルコキシ基または
    ハロゲン原子であり、R2,R3及びR4は同種または異種の
    水素原子またはアルキル基であり、nは0または1であ
    る。〕 で示される複素五員環を有するカルボン酸アミド。
  2. 【請求項2】一般式 〔ただし、Xは酸素原子またはイオウ原子であり、Yは
    アルキレン基であり、R1はアルキル基,アルコキシ基ま
    たはハロゲン原子であり、Aはハロゲン原子である。〕 で示されるカルボン酸ハライド化合物と、 一般式 〔ただし、Z1,Z2及びZ3は同種または異種の水素原子,
    ハロゲン原子,アルキル基またはハロゲノアルキル基で
    あり、R2,R3及びR4は同種または異種の水素原子または
    アルキル基であり、nは0または1である。〕 で示されるアミン化合物とを反応させることを特徴とす
    る 一般式 〔ただし、Xは酸素原子またはイオウ原子であり、Yは
    アルキレン基であり、Z1,Z2及びZ3は同種または異種の
    水素原子,ハロゲン原子,アルキル基またはハロゲノア
    ルキル基であり、R1はアルキル基,アルコキシ基または
    ハロゲン原子であり、R2,R3及びR4は同種または異種の
    水素原子またはアルキル基であり、nは0または1であ
    る。〕 で示される複素五員環を有するカルボン酸アミドの製造
    方法。
  3. 【請求項3】一般式 〔ただし、Xは酸素原子またはイオウ原子であり、Yは
    アルキレン基であり、R1はアルキル基,アルコキシ基ま
    たはハロゲン原子である。〕 で示されるカルボン酸化合物と、 一般式 A−COOR5またはA−COCOOR5 〔ただし、Aはハロゲン原子であり、R5はアルキル基で
    ある。〕 で示されるハロゲノカルボニル化合物とを反応させ、次
    いで 一般式 〔ただし、Z1,Z2及びZ3は同種または異種の水素原子,
    ハロゲン原子,アルキル基またはハロゲノアルキル基で
    あり、R2,R3及びR4は同種または異種の水素原子または
    アルキル基であり、nは0または1である。〕 で示されるアミン化合物を反応させることを特徴とする 一般式 〔ただし、Xは酸素原子またはイオウ原子であり、Yは
    アルキレン基であり、Z1,Z2及びZ3は同種または異種の
    水素原子,ハロゲン原子,アルキル基またはハロゲノア
    ルキル基であり、R1はアルキル基,アルコキシ基または
    ハロゲン原子であり、R2,R3及びR4は同種または異種の
    水素原子またはアルキル基であり、nは0または1であ
    る。〕 で示される複素五員環を有するカルボン酸アミドの製造
    方法。
  4. 【請求項4】一般式 〔ただし、Xは酸素原子またはイオウ原子であり、Yは
    アルキレン基であり、R1はアルキル基,アルコキシ基ま
    たはハロゲン原子である。〕 で示されるニトリル化合物と 一般式 〔ただし、Z1,Z2及びZ3は同種または異種の水素原子,
    ハロゲン原子,アルキル基またはハロゲノアルキル基で
    あり、R6及びR7は同種または異種のアルキル基であ
    る。〕 で示される置換ベンジルアルコール化合物とを反応させ
    ることを特徴とする 一般式 〔ただし、Xは酸素原子またはイオウ原子であり、Yは
    アルキレン基であり、Z1,Z2及びZ3は同種または異種の
    水素原子,ハロゲン原子,アルキル基またはハロゲノア
    ルキル基であり、R1はアルキル基,アルコキシ基または
    ハロゲン原子であり、R6及びR7は同種または異種のアル
    キル基である。〕 で示される複素五員環を有するカルボン酸アミドの製造
    方法。
  5. 【請求項5】一般式 〔ただし、Xは酸素原子またはイオウ原子であり、Yは
    アルキレン基であり、Z1,Z2及びZ3は同種または異種の
    水素原子,ハロゲン原子,アルキル基またはハロゲノア
    ルキル基であり、R1はアルキル基,アルコキシ基または
    ハロゲン原子であり、R2,R3及びR4は同種または異種の
    水素原子またはアルキル基であり、nは0または1であ
    る。〕 で示される複素五員環を有するカルボン酸アミドを有効
    成分とする除草剤。
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